JPH1149543A - 軽量建材用吸水性樹脂 - Google Patents

軽量建材用吸水性樹脂

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JPH1149543A
JPH1149543A JP20403497A JP20403497A JPH1149543A JP H1149543 A JPH1149543 A JP H1149543A JP 20403497 A JP20403497 A JP 20403497A JP 20403497 A JP20403497 A JP 20403497A JP H1149543 A JPH1149543 A JP H1149543A
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JP
Japan
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water
meth
building material
absorbent resin
lightweight building
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JP20403497A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Okamura
一弘 岡村
Koichi Okamoto
功一 岡本
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量建材の成型における、軽量化を容易に
し、優れた押し出し成型性を発現する軽量建材用吸水性
樹脂を提供する。 【解決手段】 塩化カルシウム水溶液を吸水させて得ら
れるゲルの粘ちょう度が0.2*105〜20*105d
yn・s/cm3の範囲である。また、塩化カルシウム
水溶液の加圧下吸水倍率が0.5g/g以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽量建材用吸水性樹
脂に関する。さらに詳しく述べると軽量建材の成型にお
ける、軽量化を容易にし、優れた押し出し成型性を発現
する軽量建材用吸水性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軽量建材のマトリックス中に空孔
を形成させ軽量化することが行われている。特開昭62
−167267号公報では、セメントなどの水硬性物
質、水、充填材、繊維などからなる建材用組成物中に無
定形シリカ及び吸水性樹脂を加え併用することで軽量の
セメント建材が得られることが開示されている。しかし
ながら、無定形シリカの添加は製品の軽量化に寄与する
もののクラックの発生や吸水性樹脂が硬化反応阻害し、
容易に軽量化を行うことができない場合があり未だ満足
するものではなかった。また、押し出し機の押し出し成
型時に型崩れや押し出しが困難になる場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
上記課題を解決するものであり、軽量建材の成型におけ
る、軽量化容易にし、優れた押し出し成型性を発現する
軽量建材用吸水性樹脂を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化カルシウ
ム水溶液を吸水させて得られるゲルの粘ちょう度が0.
2*105〜20*105dyn・s/cm3の範囲である
ことを特徴とする軽量建材用吸水性樹脂を提供する。
【0005】本発明は、塩化カルシウム水溶液の加圧下
吸水倍率が0.5g/g以上であることを特徴とする軽
量建材用吸水性樹脂を提供する。
【0006】本発明はまた、吸水性樹脂が少なくともノ
ニオン性基および/またはスルホン酸(塩)基を有する
前記の軽量建材用吸水性樹脂を提供する。
【0007】本発明はさらに、吸水性樹脂が少なくとも
ポリオキシアルキレン基を有する前記の軽量建材用吸水
性樹脂を提供する。
【0008】本発明はさらにまた、軽量建材が押し出し
成型された軽量建材である前記の軽量建材用吸水性樹脂
を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の軽量建材用吸水性樹脂は、下記に
示した塩化カルシウム水溶液を吸水させて得られるゲル
の粘ちょう度が0.2*105〜20*105dyn・s
/cm3の範囲であることが必要である。さらに0.8
*105〜20*105dyn・s/cm3の範囲が好まし
い。さらに0.8*105〜4*105dyn・s/cm3
の範囲が特に好ましい。
【0011】該ゲルの粘ちょう度が上記特定の範囲とな
る吸水性樹脂を用いることで、得られる軽量建材の軽量
化を容易にすると共に硬化不良、強度低下を防止する。
また、養生前または養生時の成型組成物の形状が崩れる
ことがなく、さらに押し出し抵抗が大きくなり押し出し
成型が困難になることがない。
【0012】該ゲルの粘ちょう度が、0.2*105
満であると得られる軽量建材の軽量化が不十分となった
り、組成物の形状が崩れて成型できなくなる場合があ
る。また、20*105を越えると得られる軽量建材の
硬化不良や強度低下、空隙分布の不均一化が起こる場合
がある。また、押し出し抵抗が大きくなり押し出し成型
が困難になる場合がある。
【0013】ここで、塩化カルシウム水溶液を吸水させ
て得られるゲルの粘ちょう度は下記の方法、手順にて測
定した。
【0014】(ゲルの粘ちょう度の測定) (1)5gの吸水性樹脂(平均粒子径180〜400μ
m)に10%塩化カルシウム水溶液50gを均一に吸水
させ120cc容器内でゲル化させて30分間静置す
る。
【0015】(2)ネオカードメーター(飯尾電機株式会
社製)の測定条件を侵入速度0.36cm/sec、感
圧軸3mm径と設定し、このネオカードメーターで該ゲ
ルの粘ちょう度[dyn・s/cm3]を測定する。
【0016】本発明の軽量建材用吸水性樹脂は、下記に
示した10%塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率が
0.5g/g以上であることが必要である。さらに10
%塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率が2g/g以
上が好ましい。さらに10%塩化カルシウム水溶液の加
圧下吸水倍率が4g/g以上が特に好ましい。
【0017】塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率が
上記の特定以上である吸水性樹脂を用いることで、得ら
れる軽量建材の軽量化を容易にすると共に硬化不良、強
度低下を防止する。また、養生前または養生時の成型組
成物の形状が崩れることがない。
【0018】また、軽量建材用吸水性樹脂には、水硬化
性物質および水と混練する際や押し出しなどの成型時に
加圧力がかかるが、そうした加圧下であっても十分な吸
水容量を有しており、軽量建材用吸水性樹脂の加圧劣化
による不良建材の発生を防ぐことができる。
【0019】塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率が
0.5g/g未満であると得られる軽量建材の軽量化が
不十分となったり、組成物の形状が崩れて成型できなく
なる場合がある。
【0020】また、塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水
倍率が100g/gを越えると得られる軽量建材の硬化
不良や強度低下、空隙分布の不均一化が起こったり、押
し出し抵抗が大きくなり押し出し成型が困難になる場合
がある。
【0021】ここで、塩化カルシウム水溶液の加圧下吸
水倍率は下記の方法、手順にて測定した。
【0022】(塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率
の測定) (1)目の細かい400メッシュの底を有するシリンダー
の底(26.4cm2)に0.5gの吸水性樹脂(平均粒
子径180〜400μm)を均一かつ一層に敷き詰め
る。
【0023】(2)上下動可能な栓(ピストン)をシリン
ダー底まで落とし吸水性樹脂を挟む。
【0024】(3)その栓に17g/cm2の圧力をかけ
る。
【0025】(4)シリンダーの底のメッシュ部から10
%塩化カルシウム水溶液を供給し吸水性樹脂に該水溶液
を吸収させる。
【0026】(5)この状態で30分間放置した後、吸水
性樹脂の重量変化から吸収した10%塩化カルシウム水
溶液量を測定する。
【0027】(6)塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍
率を下記の式にて求めた。
【0028】塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率
[g/g]=(吸収した10%塩化カルシウム水溶液重
量)/(測定前の乾燥吸水性樹脂重量) また、塩化カルシウム水溶液を吸水させて得られるゲル
の粘ちょう度が上記特定の範囲でありかつ、塩化カルシ
ウム水溶液の加圧下吸水倍率が上記特定範囲である吸水
性樹脂がさらに軽量化を容易にし、押し出し成形性、強
度面もさらに優れたものとなる。
【0029】本発明に係る軽量建材は、吸水性樹脂、水
硬性物質、水、充填材、繊維物質等が配合されてなる軽
量建材用組成物を、抄造、注型、押し出し等による成型
及び硬化乾燥を行い、その硬化成型体内部に空隙を形成
させた軽量な成型体(建材)である。
【0030】水硬性物質としては、ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、スラグセメント、アルミナセメン
ト、石灰セメント、ポゾランセメントなどのセメントや
石膏、水ガラスなどが挙げられる。
【0031】以下、吸水性樹脂について具体的に説明す
る。
【0032】本発明の吸水性樹脂は吸水膨潤性を有し、
その吸水膨潤された部分は養生硬化後には乾燥され、そ
の水分の除去により空隙化される。そしてポーラス状の
成型体(軽量建材)を得ることができる。
【0033】本発明の吸水性樹脂としては、自重の10
〜1000倍の水を吸収し膨潤する吸水性樹脂を挙げる
ことができる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸または
ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有す
るポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシ
アルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル
架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)
アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの架橋共重合
体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシ
ド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレ
ン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ
(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化
物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(およびその
塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無
水マレイン酸(塩)の反応物、架橋ポリビニルアルコー
ルスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グ
ラフト共重合物、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架
橋重合体等が例示できる。さらに、複数の上記吸水性樹
脂の混合物、他の材料との複合物も例示できる。
【0034】中でも、ノニオン性基および/またはスル
ホン酸(塩)基を有する吸水性樹脂が好ましい。
【0035】その中でアミド基またはヒドロキシアルキ
ル基を有する吸水性樹脂がより好ましく、(メタ)アク
リルアミドと(メタ)アクリル酸塩との架橋共重合体や
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)ア
クリル酸塩との架橋共重合体がより好ましい具体例とし
て挙げられる。
【0036】さらにポリオキシアルキレン基を有する吸
水性樹脂が特に好ましく、メトキシポリオキシアルキレ
ン基を有する(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)ア
クリル酸塩との架橋共重合体が特に好ましい具体例とし
て挙げることができる。
【0037】ポリオキシアルキレン基を有する吸水性樹
脂は、他のものに比べてゲルの粘ちょう度が経時的に安
定であり軽量建材用組成物の粘ちょう度を経時的に安定
なものにする。さらに、少量で軽量建材用組成物の粘ち
ょう度調製および建材の軽量化を行うことができ、極め
て容易に軽量建材の軽量化を実現する。また、得られる
建材の強度低下を起こさず、優れた成型性、経済性を示
し特に好ましい。
【0038】また、ポリオキシアルキレン基を有する吸
水性樹脂は、他のものに比べて加圧下の吸水性が高く経
時的に安定であることから、混練する時や押し出し成型
時に吸水性樹脂に大きな加圧力がかかったとしても十分
な吸水容量を保持しており、吸水性樹脂の加圧劣化によ
る不良建材の発生を防ぐことができる。
【0039】本発明の軽量建材用吸水性樹脂としては、
場合により架橋剤を添加してなる水溶性のエチレン性不
飽和モノマーを重合させて得られるものが吸水性、軽量
化、成型性、経済性の観点から好ましい。
【0040】重合により吸水性樹脂に転換し得る水溶性
エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、
(メタ)アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アク
リロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイル
プロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸および、それらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩;
N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート
およびその4級化物;(メタ)アクリルアミド、N,
N’ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)ア
クリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N’−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド等に代表される(メタ)ア
クリルアミド及びその誘導体;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等に代表されるヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレ−ト;ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ル(メタ)ア
クリレ−トやメトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート等に代表されるポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレート;N−ビニルピロリドンやN−ビ
ニルサクシイミド等に代表されるN−ビニルモノマー;
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−
メチルアセトアミド等に代表されるN−ビニルアミドモ
ノマー:ビニルメチルエーテル等が挙げられる。これら
のモノマーは単独で用いても良く、また二種以上を適宜
混合して用いても良い。
【0041】中でもアクリルアミド、メタアクリルアミ
ド、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−
(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸や、2−(メ
タ)アクリロイルプロパンスルホン酸などのノニオン性
基および/またはスルホン酸(塩)基を有するモノマー
が好ましく用いられる。
【0042】さらに、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレン基を
有する水溶性エチレン性不飽和モノマーが特に好ましく
用いられる。
【0043】メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレートなどのポリオキシアルキレン基を有する水
溶性エチレン性不飽和モノマーを含んだモノマー組成物
を重合して得られた吸水性樹脂が、他のものに比べてゲ
ルの粘ちょう度が経時的に安定であり軽量建材用組成物
の粘ちょう度を経時的に安定なものにする。さらに、少
量で軽量建材用組成物の粘ちょう度調製および建材の軽
量化を行うことができ、極めて容易に軽量建材の軽量化
を実現する。また、得られる建材の強度低下を起こさ
ず、優れた成型性、経済性を示し特に好ましい。
【0044】また、他のものに比べて加圧下の吸水性が
高く経時的に安定であることから、混練する時や押し出
し成型時に吸水性樹脂に大きな加圧力がかかったとして
も十分な吸水容量を保持しており、吸水性樹脂の加圧劣
化による不良建材の発生を防ぐことができる。
【0045】メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレートなどのポリオキシアルキレン基を有する水
溶性エチレン性不飽和モノマーを含んだモノマー組成物
を重合して得られた吸水性樹脂が、加圧下吸水倍率の値
が経時的に安定であると共に、少量で軽量建材用組成物
の粘ちょう度調製および建材の軽量化を行うことがで
き、軽量建材の軽量化を容易に実現する。また、成型押
し出し性、強度、経済性の観点からも特に好ましい。
【0046】また、二種以上のモノマーを混合する場合
には、得られる軽量建材の軽量化、成型押し出し性等の
効果を容易に発現させるためにノニオン性基および/ま
たはスルホン酸(塩)基を有するモノマーの配合を全モ
ノマーに対して1重量%以上にすることが好ましく10
重量%以上がさらに好ましい。1重量%未満であると軽
量建材を軽量化することが不十分となったり、成型押し
出し性が低下する場合がある。
【0047】二種以上のモノマーを混合する特に好まし
い具体例としては、アクリル酸ナトリウムなどの(メ
タ)アクリル酸金属塩モノマーとアクリルアミドモノマ
ーとの混合や(メタ)アクリル酸金属塩モノマーとメト
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとの
混合が挙げられる。
【0048】モノマーは100%成分でも水溶液の状態
でも用いられるが、水溶液とした方が取扱い易い。水溶
液として取り扱う場合のモノマー濃度は、2重量%以上
90重量%未満の範囲が好ましく、より好ましくは20
重量%以上50重量%未満である。2重量%未満だと重
合性が低下し、90重量%以上だと得られる軽量建材の
軽量化が不十分となったり成型性が低下する。
【0049】尚、必要に応じ上記モノマー水溶液には、
架橋剤や重合開始剤、ヒドロキシエチルセルロース等の
増粘剤及び水溶性樹脂、吸水性樹脂粉末、吸湿・湿潤剤
等の添加剤を添加しても良い。又、モノマー水溶液は、
水溶性有機溶媒が少量溶存したものであってもよい。
【0050】架橋剤としては、共重合可能な多官能性の
水溶性不飽和モノマーやモノマーの官能基と反応するこ
とのできるものを用いることができる。上記モノマー中
に加えておいたり、重合後に添加することができる。
【0051】架橋剤の具体的な例としては、N,N′−
メチレンビス(メタ)アクリルアミドおよびエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコー
ル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミン、ア
ルキレンカーボネート、ジビニルベンゼン、テトラアリ
ロキシエタン等が挙げられる。
【0052】架橋剤の使用により、得られる吸水性樹脂
のゲル強度、耐久性を向上させることができる。架橋剤
の使用量は、上記モノマーの種類や重合条件により適宜
選択することができるが、一般に0.001〜10モル
%(対モノマー)の範囲であり、好ましくは0.01〜
5モル%(対モノマー)の範囲である。
【0053】使用量が0.001モル%未満だと吸水性
樹脂ゲル強度の低下が起こり、10モル%以上だと得ら
れる建材の軽量化が不十分となったり重合性が低下して
しまうので好ましくない。
【0054】重合を促進するためには、重合開始剤の使
用が好ましい。本発明に用いられる重合開始剤は、水溶
性または水と混合・分散可能な酸化性またはアゾ系のラ
ジカル性重合開始剤で、それらの1種または2種以上の
開始剤を用いても良い。また、還元性物質を加えて、レ
ドックス開始剤としてもよい。さらにまた、アゾ系開始
剤と酸化性開始剤と還元性物質とを複合して、三元系の
開始剤としても良く、これは特に重合性の観点から好ま
しい。
【0055】モノマー中にアゾ系開始剤と酸化性開始剤
を加えた後に還元性物質を添加する方法がモノマーの安
定性が良好で取扱いが容易である。また、スクリューノ
ズルを用いて、モノマーと上記三成分を混合しても良
い。
【0056】酸化性重合開始剤としては、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩;過酸化水素等の無機過酸化物;ジ第3ブチルペルオ
キシド、アセチルペルオキシド等の有機過酸化物等が挙
げられる。
【0057】アゾ系重合開始剤としては、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2’−
アゾビス(N,N’ジメチレンイソブチルアミジン)2
塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ化合物を挙げることができる。
【0058】還元性物質としては、亜硫酸塩、L−アス
コルビン酸、アミン等を挙げることができる。還元性物
質は、酸化性重合開始剤と酸化還元系を形成しその分解
を促進する。これは、レドックス開始剤として知られて
いる。
【0059】重合開始剤の添加量は、一般的に、モノマ
ーに対して0.001g/モル以上10g/モル未満で
あるが、0.1g/モル以上5g/モル未満の範囲が好
ましい。添加量が0.001g/モル未満であると重合
性が低下し多量の未反応のモノマーが残存する場合があ
り、10g/モル以上だと得られる軽量建材の軽量化が
不十分となったり上記成型性の低下が起こる。また、経
済性にも問題が生じる。 本発明の軽量建材用吸水性樹
脂の粒子径は、平均粒子径50μm〜1000μmの範
囲が好ましい。さらに好ましくは平均粒子径100μm
〜500μmの範囲である。
【0060】平均粒子径が50μm未満であると軽量化
が不十分となったり取り扱い難くなる。また、平均粒子
径が1000μmを越えると均一な軽量化が困難になり
得られる建材の強度が低下する場合がある。また、仕上
がり外観が悪くなる。
【0061】本発明の軽量建材用吸水性樹脂は、抄造、
注型、押出等の軽量建材の軽量化を容易にし成型性を高
めるものである。中でも成型組成物の押し出し制御が難
しい押し出し軽量建材の製造において特に有効である。
【0062】塩化カルシウム水溶液を吸水させて得られ
るゲルの粘ちょう度が0.2*105〜20*105dy
n・s/cm3の範囲である吸水性樹脂と水硬性物質及
び水とを含んでなる組成物を成型することで容易に目的
とする軽量建材を製造することができる。
【0063】塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率が
0.5g/g以上である吸水性樹脂と水硬性物質及び水
とを含んでなる組成物を成型することで容易に目的とす
る軽量建材を製造することができる。
【0064】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0065】(吸水性樹脂の製造例1)温度計を備えた
容量1.5リットルの卓上型ジャケット付ニーダー(内
面は3弗化エチレンでライニング処理)に184.0g
のアクリル酸ナトリウム塩モノマー(分子量94.
1)、47.19gのアクリル酸モノマー(分子量7
2.1)、395.01gのイオン交換水からなる混合
モノマー水溶液に、架橋剤として0.4041gのN,
N’メチレンビスアクリルアミド(対モノマー0.1モ
ル%)を仕込んだ。
【0066】これを窒素ガス気流下、攪拌しながらジャ
ケットに30℃の温水を流して内容物を30℃に昇温し
た後、重合開始剤として10%の過硫酸ナトリウム(分
子量238.09,対モノマー0.1g/モル)水溶液
3.145gと1%のL−アスコルビン酸(分子量17
6.13,対モノマー0.005g/モル)とを添加し
て10秒間攪拌した後、攪拌を停止した。15分後に重
合が開始して35分でピーク温度80℃に到達した。次
いで、ジャケット温度を80℃に上げて、1時間熟成し
た。熟成終了後ブレードを回転させてゲルを解砕し、微
細な含水ゲルを得た。ニーダーを反転し、含水ゲルを重
合容器から取り出した。
【0067】このようにして得られた微細な含水ゲルを
熱風循環式乾燥機で120℃、4時間乾燥した。乾燥
後、卓上簡易型粉砕機(協立理工株式会社製)を用いて
粉砕し、平均粒子径は300μmの軽量建材用吸水性樹
脂(1)を得た。
【0068】(吸水性樹脂の製造例2)温度計を備えた
容量1.5リットルの卓上型ジャケット付ニーダー(内
面は3弗化エチレンでライニング処理)に55.18g
のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(分
子量512)、215.69gのメタクリル酸ナトリウ
ム(分子量108)、3.76gのメタクリル酸(分子
量86.09)、352.37gのイオン交換水からな
る混合モノマー水溶液に、架橋剤として1.4gのポリ
エチレングリコールジアクリレート(対モノマー0.1
5モル%)を仕込んだ。
【0069】これを窒素ガス気流下、攪拌しながらジャ
ケットに50℃の温水を流して内容物を50℃に昇温し
た後、重合開始剤として11.6%の2,2´−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(V−50,分子量
271.27,対モノマー0.2モル%)水溶液10g
を添加して10秒間攪拌した後、攪拌を停止した。直ち
に重合が開始して90分でピーク温度100℃に到達し
た。次いで、ジャケット温度を80℃に上げて、30分
間熟成した。熟成終了後ブレードを回転させてゲルを解
砕し、微細な含水ゲルを得た。ニーダーを反転し、含水
ゲルを重合容器から取り出した。
【0070】このようにして得られた微細な含水ゲルを
熱風循環式乾燥機で140℃、3時間乾燥した。乾燥
後、卓上簡易型粉砕機(協立理工株式会社製)を用いて
粉砕し、平均粒子径は200μmの軽量建材用吸水性樹
脂(2)を得た。
【0071】実施例1 軽量建材用吸水性樹脂(1)の塩化カルシウム水溶液を吸
水させて得られるゲルの粘ちょう度は0.3*105dy
n・s/cm3であった。
【0072】また、軽量建材用吸水性樹脂(1)の塩化カ
ルシウム水溶液の加圧下吸水倍率は1.5g/gであっ
た。
【0073】この17.5重量部の軽量建材用吸水性樹
脂(1)を250重量部の水に入れて30分間ゲル化させ
た。また、セメント400重量部、フライアッシュ55
0重量部、パルプ25重量部、メチルセルロース5重量
部を容器に入れて混合した。そして、この調製したゲル
と水350重量部を、そのセメントなどからなる混合物
が入った容器に入れて混練し30分間静置し軽量建材用
組成物(1)を得た。
【0074】次に軽量建材用組成物(1)を押し出し機で
押し出し成型し養生、乾燥を行った。若干の強度低下が
あったもののこの成型体(1)の嵩比重は1.0で容易に
軽量化を行うことができた。また、少し押し出し抵抗が
大きかったが、軽量建材用組成物(1)の形状が型崩れす
ることはなかった。
【0075】実施例2 軽量建材用吸水性樹脂(2)の塩化カルシウム水溶液を吸
水させて得られるゲルの粘ちょう度は1.5*105dy
n・s/cm3であった。
【0076】また、軽量建材用吸水性樹脂(2)の塩化カ
ルシウム水溶液の加圧下吸水倍率は4.6g/gであっ
た。2時間後の加圧下吸水倍率も4.5g/gで経時的
に安定であった。
【0077】17.5重量部の軽量建材用吸水性樹脂
(1)に代えて5重量部の軽量建材用吸水性樹脂(2)を用い
た他は実施例1と同じ条件で実施した。
【0078】得られた成型体(2)の嵩比重は1.1で容
易に軽量化を行うことができた。さらに、軽量建材用組
成物(2)の形状が崩れたり、押し出し抵抗が過大となら
ず良好な押し出し性を示した。
【0079】
【発明の効果】本発明の軽量建材用吸水性樹脂のゲル粘
ちょう度が0.2*105〜20*105dyn・s/c
3の範囲であることから、得られる軽量建材の軽量化
を容易にすると共に硬化不良、強度低下を防止する。ま
た、養生前または養生時の組成物の形状(成型)が崩れ
ることがなく、さらに押し出し抵抗が大きくなり押し出
し成型が困難になることがない。(押し出し成型性) 本発明の軽量建材用吸水性樹脂の塩化カルシウム水溶液
の加圧下吸水倍率が0.5g/g以上であることから、
得られる軽量建材の軽量化を容易にすると共に硬化不
良、強度低下を防止する。また、養生前または養生時の
組成物の形状(成型)が崩れることがない。
【0080】また、本発明の軽量建材用吸水性樹脂に
は、水硬化性物質および水と混練する際や押し出しなど
の成型時に加圧力がかかるが、そうした加圧下であって
も十分な吸水容量を有しており、軽量建材用吸水性樹脂
の加圧劣化による不良建材の発生を防ぐことができる。
【0081】本発明に用いられる吸水性樹脂は吸水膨潤
性を有し、その吸水膨潤された部分は養生硬化後には乾
燥されその水分の除去により空隙化される。この作用に
よりポーラス状の成型体が得られ軽量化された軽量建材
を得ることができる。中でも吸水性樹脂はノニオン性基
および/またはスルホン酸(塩)基を有するものが好ま
しく、特にポリオキシアルキレン基を有する吸水性樹脂
を用いることで、均一軽量化された軽量建材を容易に得
ることができ押し出し成型が特に容易となる。また、得
られる軽量建材の割れを防止する。
【0082】従って、本発明の軽量建材用吸水性樹脂は
抄造、注型、押し出し等の軽量建材の成型に好適に用い
られるが、中でも成型する組成物の押し出し制御が難し
い、押し出し成型された軽量建材の製造において特に好
適に用いられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化カルシウム水溶液を吸水させて得ら
    れるゲルの粘ちょう度が0.2*105〜20*105d
    yn・s/cm3の範囲である軽量建材用吸水性樹脂。
  2. 【請求項2】 塩化カルシウム水溶液の加圧下吸水倍率
    が0.5g/g以上である軽量建材用吸水性樹脂。
  3. 【請求項3】 吸水性樹脂が少なくともノニオン性基お
    よび/またはスルホン酸(塩)基を有する請求項1また
    は2に記載の軽量建材用吸水性樹脂。
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂が少なくともポリオキシアル
    キレン基を有する請求項1から3のいずれかに記載の軽
    量建材用吸水性樹脂。
  5. 【請求項5】 軽量建材が押し出し成型された軽量建材
    である請求項1から4のいずれかに記載の軽量建材用吸
    水性樹脂。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030078104A (ko) * 2002-03-28 2003-10-08 이영주 저비중 내화 단열 피복재 조성물
JP2006273605A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物、及びそれを用いたセメントモルタル

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JP2006273605A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物、及びそれを用いたセメントモルタル

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