JPH1147704A - 粉粒体処理装置およびその洗浄方法 - Google Patents

粉粒体処理装置およびその洗浄方法

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JPH1147704A
JPH1147704A JP21077697A JP21077697A JPH1147704A JP H1147704 A JPH1147704 A JP H1147704A JP 21077697 A JP21077697 A JP 21077697A JP 21077697 A JP21077697 A JP 21077697A JP H1147704 A JPH1147704 A JP H1147704A
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章 岩崎
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正明 庭野
Hiroyuki Oishi
博之 大石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造によって装置の水密性を確保し、
回転円板や回転円板駆動軸等の部品を取り外すことな
く、処理容器内の汚れを完全に除去する。 【解決手段】 粉粒体が供給される流動室14を有する
処理容器12と、処理容器底部18に取り付けられた軸
受体40によって流動室14の底部に回転自在に支持さ
れた回転円板16とを有する。回転円板16の下面に設
けられた隔壁36により軸受体40の上方かつ隔壁36
の内側に空気溜め74を形成する。この空気溜め74
に、処理容器12内に貯留された液体が空気溜め74に
及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアーを供給して空
気溜め74、そして軸受体40内への液体の流入を妨げ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体処理装置の
洗浄技術に関し、特に、処理容器や回転体、回転体駆動
軸等の周辺装置を取り外すことなく、処理容器内を自動
洗浄する粉粒体処理装置およびその洗浄方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】通常、医薬品や食品の製造に際してはそ
の品質を確保、維持することが厳密に要求されている。
このため、それらの製造に用いられる設備については、
雑菌は勿論のこと、異物が混入したり他の製品とのコン
タミネーションが生じないように、処理容器や弁、配管
などを厳密に洗浄することが求められている。そして、
かかる製造設備の洗浄方法としては、従来より、装置を
一旦分解して人手により各部品を洗浄する方法が多く行
われてきた。
【0003】しかしながら、近年、製造設備が大型化す
るに伴い、その分解洗浄に非常に手間がかかるようにな
り、分解洗浄に要する工数が製造コスト削減の妨げとな
っていた。その一方で、コンピュータ制御技術の発達に
伴い、従来人の手でなければできなかったような繊細か
つ精密な作業も機械によって行うことができるようにな
ってきた。そこで、従来の人手による分解洗浄に代わっ
て、装置を解体することなく内部に洗浄液を通じること
により洗浄を行う定置洗浄法が開発され、近年ではこれ
を採用した装置が用いられるケースが多くなっている。
【0004】ここで、このような定置洗浄法において
は、被洗浄物である医薬品または食品の製造設備を構成
する粉粒体処理装置の処理容器や配管、弁等を定置した
状態で洗浄を行う。すなわち、装置を分解することなく
そのままの状態で、温水や酸性溶液、アルカリ性溶液、
洗浄用界面活性剤溶液等の洗浄液を処理容器等に接触せ
しめ、これによってそれらの表面上に付着した汚れを除
去している。
【0005】また、定置洗浄法では、プログラム化され
た洗浄作業手順に沿って洗浄が実施される。すなわち、
予め予備洗浄試験を実施して汚れが完全に除去される洗
浄条件を確認し、その洗浄条件を洗浄作業手順書にプロ
グラム化して整備する。そして、この洗浄作業手順書に
沿って洗浄が行われる。
【0006】一方、このような洗浄作業では、汚れ成分
や酸、アルカリ、界面活性剤などを含む排水が大量に発
生する。このような排水は浄化処理を必要とし、その処
理経費はそのまま製品コストに直結する。従って、如何
に短時間かつ少量の洗浄液で完全に汚れを洗浄するかが
問題となり、最も効率の良い洗浄方式や条件を見出し確
立することが定置洗浄法では大きな課題となっている。
【0007】このため、従来よりその洗浄方式について
は種々の提案がなされており、例えば特公平7−227
43号公報には、特殊な洗浄ホースによって配管内面を
自動洗浄する装置が示されている。また、特公平6−7
7682号公報には、流動層造粒乾燥機において、バグ
フィルタを流動層造粒乾燥機の本体内に取り付けたまま
の状態で、特殊なノズルユニットによってバグフィルタ
と本体内面を同時に洗浄する装置が示されている。
【0008】さらに、特公平3−62097号公報に
は、流動層装置の本体部内からバグフィルタを取り外す
だけで、本体部の内側、外側および各構成部の接合面を
自動的に完全に洗浄できる装置が示されている。この場
合、本体部のバグフィルタ以外の部分や噴霧室、原料容
器などを分解したり取り外したりする必要はなく、本体
部の接合面を僅かに開けるだけで特殊ノズルによって装
置内を洗浄することができる。
【0009】一方、特開平8−117708号公報に
は、オゾン洗浄に加えて酸やアルカリ、界面活性剤等の
洗浄剤を用いて、医薬品や食品の製造設備を構成するタ
ンクや配管、弁等を洗浄する装置が示されている。ま
た、特開平8−24614号公報には、清掃ブラシとノ
ズルによって、撹拌型ミキサーの排出口側壁や蓋等に付
着した練合物を掻き落とす装置が示されている。
【0010】なお、定置洗浄法については、ファーム・
テク・ジャパン1992年第8巻8号第31〜38頁
(Pharm Tech Japan,Vol.8,N
o.8,P32〜38,1992)にその概要が述べら
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来よ
り、定置洗浄法においては、特殊ノズルによって処理容
器等を洗浄するものが多く提案されているが、このよう
なノズル洗浄方式では、実際にノズルのスプレー液が届
かない部分が存在するという問題があった。また、洗浄
ノズル自体に汚れが付着するので、これを洗浄すること
が必要となりその分手間を要するという問題もあった。
【0012】このため、処理容器内に洗浄液を溜めて各
部品を洗浄液で浸漬し、それらを溜め洗いする方式も試
みられているが、このような溜め洗い方式では、処理容
器内壁の汚染が完全に除去できず、特に最近のバリデー
ションに対応し得るだけの清浄度を得ることができない
という問題があった。
【0013】この場合、処理容器内を洗浄液で浸漬する
のみならず、さらに処理容器内に設置された回転体を作
動させて洗浄すれば非常に効果的な洗浄を行うことがで
きる。しかしながら、このような洗浄方法は、各部材間
の水密あるいは気密性が完全でなければ採用し得ない。
【0014】例えば、フロイント産業株式会社製の遠心
流動型造粒コーティング装置(製品名「CFグラニュレ
ーター」)や同社製複合型造粒コーティング装置(製品
名「スパイラフロー」)などの粉粒体処理装置では、そ
の処理容器内の下部近傍にロータなどの回転体が存在す
る。従って、この回転体を作動させて洗浄すれば効果的
な洗浄を行い得る。
【0015】しかしながら、処理容器内には回転体のみ
ならず、回転体駆動部やその軸受体、熱風給排出口など
が存在しており、これらの水密あるいは気密性が完全で
なければこのような洗浄方法は実施できない。特に、回
転体駆動部を回転支持する軸受体には軸の貫通部分が存
在するため、そこへの洗浄液の浸入が避け切れない。一
方、ベアリングも含め各部品の完璧な水密性を確保する
ためには、非常に複雑かつ精密な部品構成を必要とし、
装置価格の上昇につながるという弊害を生じる。
【0016】本発明の目的は、簡易な構造によって装置
の水密性を確保し、回転円板や回転円板駆動軸等の部品
を取り外すことなく、処理容器内の汚れを完全に除去し
得る粉粒体処理装置およびその洗浄方法を提供すること
にある。
【0017】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0019】すなわち、本発明の粉粒体処理装置は、粉
粒体が供給される流動室を有する処理容器と、この処理
容器底部に取り付けられた軸受体によって流動室の底部
に回転自在に支持された回転体とを有し、粉粒体を回転
体の回転により転動させると共に、回転体の下面側に形
成された空気流入室から流動室内に供給される気体によ
り流動させた状態で粉粒体を処理する粉粒体処理装置で
あって、回転体の下面に設けられた隔壁により軸受体の
上方かつ隔壁内側に形成された空気溜めと、この空気溜
めに処理容器内に貯留された液体が空気溜めに及ぼす圧
力よりも高い圧力のパージエアーを供給して空気溜め内
への液体の流入を妨げる空気供給手段とを有することを
特徴としている。これにより、処理容器内を液体にて浸
漬しても軸受体に液体が浸入しないため、処理容器内に
洗浄液等の液体を溜め置くことが可能となる。
【0020】この場合、空気供給手段を、軸受体に支持
された回転体の駆動軸中に形成された中空部と、空気溜
めに臨んで駆動軸の一端側に中空部と連通して開口され
たパージエアー噴出口と、駆動軸の他端側に中空部と連
通して開口されたパージエアー供給口とを有してなる構
成としても良い。また、空気供給手段を、軸受体の上部
に水密に取り付けられたカバー部材と、カバー部材の上
縁と回転体下面との間に配設された可撓性部材とを有
し、カバー部材と可撓性部材により回転体の駆動軸の周
囲に空隙部を形成すると共に、パージエアにより空隙部
と空気溜めとが連通して空気溜め内にパージエアーを供
給する構成としても良い。
【0021】一方、本発明の粉粒体処理装置の洗浄方法
は、粉粒体が供給される流動室を有する処理容器と、処
理容器底部に取り付けられた軸受体によって流動室の底
部に回転自在に支持された回転体とを有し、粉粒体を回
転体の回転により転動させると共に、回転体の下面側に
形成された空気流入室から流動室内に供給される気体に
より流動させた状態で粉粒体を処理する粉粒体処理装置
の洗浄方法であって、回転体の下面に設けられた隔壁に
よって軸受体の上方かつ隔壁内側に形成された空気溜め
に、処理容器内に洗浄液が貯留された際に洗浄液が空気
溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアーを供給
しつつ処理容器内に洗浄液を供給し、この洗浄液によっ
て回転体を浸漬して処理容器内部を洗浄することを特徴
としている。これにより、処理容器内を洗浄液にて浸漬
しても軸受体に洗浄液が浸入しないため、処理容器内に
洗浄液を溜置いた状態で装置の洗浄を行うことができ
る。この場合、回転体を洗浄液中にて回転させて洗浄を
行っても良く、これにより、回転体の回転によって巻き
起こる洗浄液の渦流により処理容器内の洗浄は勿論のこ
と、回転体自体の汚れをも強力に洗浄する。また、回転
体の回転による遠心力で汚れ物質を外側へ強制的に排斥
することで排出効率を高めることが可能となる。
【0022】さらに、洗浄液を排出した後、処理容器内
に洗浄水を供給貯留してすすぎ洗いを行っても良い。そ
してこの場合も、回転体を洗浄水中にて回転させてすす
ぎ洗いを行うようにしても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1である遠心流動型の造粒コーティング装置(粉粒
体処理装置)Aの構成を示す概略断面図である。
【0025】図1の造粒乾燥コーティング装置A(以
下、装置Aと略す)は、遠心流動型の粉粒体処理装置で
ある。この装置Aは、架台10上に円筒型の処理容器1
2を設けた構成となっており、その内部に粉粒体の造
粒、コーティング、混合、乾燥等を行う流動室14が形
成されている。また、流動室14内には、その下方に回
転円板(回転体)16が設置されている。なお、処理容
器12および回転円板16は造粒コーティング時に真球
度の良い球形粒が得られるように剪断混合性や循環流動
性、転動圧密性などにおいて良好な性能を発揮できるよ
うに構成されている。
【0026】回転円板16の下面中央には、回転円板1
6の中心軸線と同心状に下方に向かって垂直に延在する
駆動軸38が一体的に固設されており、これによって回
転円板16が回転駆動される。また、駆動軸38は、軸
受体40内に配された軸受54によって回転自在に支持
されており、軸受体40は、処理容器12と一体的に形
成された処理容器底部18を貫通して水密に溶着固定さ
れている。さらに、駆動軸38の下端近傍にはプーリー
50が嵌着されており、図示しないモータからベルト5
6を介して回転駆動力が伝達される。
【0027】回転円板16の下方には、処理容器底部1
8との間に空気流入室20が形成されている。この空気
流入室20内には熱風発生装置22内の熱交換器24か
ら熱風が供給される。一方、処理容器12の側壁12a
と回転円板16の周縁16aとの間には、スリット15
が形成されている。従って、空気流入室20内に供給さ
れた空気はスリットエアとして処理容器12内に供給さ
れる。これにより粉粒体の落下防止や混合の助長が図ら
れ、回転円板16の回転に伴って流動室14内にて粉粒
体が流動状態となる。また、このスリットエアは粉粒体
の乾燥にも用いられる。なお、処理容器12には製品排
出口32が設けられており、処理済みの製品はここから
流動室14の外に取り出される。
【0028】処理容器底部18は、図1において、若干
右肩上がりの勾配をもって水密構造に形成されている。
そして、その左端には、空気流入室20内の排気と洗浄
後の排液を兼用した排出口62が設けられている。この
排出口62には排出管60が接続されており、処理容器
12外部に装着された排出弁34の開閉により排気や排
液が行われる。
【0029】また、処理容器底部18の中央部には、軸
受体取付用の開口部64が形成されており、ここに前述
のように軸受体40が水密状態で溶着されている。さら
に、排出口62と開口部64との間には、空気供給用の
給気孔66が穿設されており、そこに空気供給管68が
接続されている。この空気供給管68は、仕切弁70を
介して熱風発生装置22に接続されており、この仕切弁
70の開閉により空気流入室20内への空気の流入量が
調整できるようになっている。
【0030】回転円板16の上方には、装置蓋26から
垂直方向下向きに支持されたスプレー装置28が設けら
れている。このスプレー装置28はポンプユニット31
に接続されており、液体容器29から供給されたコーテ
ィング液(またはバインダー液)を流動室14内に噴霧
するようになっている。
【0031】流動室14内の回転円板16の上方にはさ
らに、粉末供給口30aが設けられている。この粉末供
給口30aは、粉末供給装置30と接続されており、流
動室14内で流動する粉粒体に対しここから粉末が散布
される。これにより、流動室14内では、粉末コーティ
ング造粒が行われることになる。なお、粉末コーティン
グ造粒を行う他、静電気発生の防止のため粉末散布を行
う場合もある。
【0032】一方、流動室14内には、粉末供給装置3
0やスプレー装置28から洗浄液Wが供給される。すな
わち、これらの装置は、粉末やバインダー液の供給と共
に洗浄液Wの供給も行い、そのときこれらの装置も同時
に洗浄される。そして、流動室14内に洗浄液Wを満た
すことによって、流動室14や粉末供給口30a、スプ
レー装置28、回転円板16等が洗浄液Wに浸漬されそ
れらの洗浄が行われる。なお、洗浄液Wは、洗浄処理後
に空気流入室20下部に設けられた排出弁34から排出
される。
【0033】ところで、当該装置Aは、前述のように回
転円板16等を浸漬して洗浄を行っても、回転円板16
の軸受体40等の回転駆動機構には洗浄液Wが入り込ま
ないような構成となっている。すなわち、回転円板16
の下方に洗浄液浸入防止機構a(以下、防止機構aと略
す)が装備されており、これによって洗浄液Wの浸入を
防止するようになっている。
【0034】ここで、当該防止機構aは、回転円板16
の下面に隔壁36を設け、その内側に駆動軸38の上端
部に設けたパージエアー噴出口44から空気を供給して
空気溜め74を形成し、これにより軸受体40等に洗浄
液Wが浸入を防止する構成となっている。
【0035】この場合、隔壁36は、回転円板16の中
心軸線と同軸状に回転円板16の下面に固着された環状
体であり、回転円板16から空気流入室20において下
方に向けて突出した状態で取り付けられている。また、
隔壁36の下側には開口部37が形成されており、隔壁
36の内側は空気溜め74となっている。
【0036】一方、駆動軸38の内部には中空部42が
形成されており、その上端部近傍には、隔壁36の内方
に臨ませてパージエアー噴出口44が穿設されている。
また、その下端にはロータリージョイント52が遊嵌さ
れており、そこにパージエアー供給ロ46が穿設されて
いる。さらに、パージエアー噴出口44およびパージエ
アー供給ロ46は、駆動軸38の中空部42に連通して
おり、これらによりパージエアー供給経路(空気供給手
段)48が形成されている。なお、パージエアー供給ロ
46には、図示しないパージエアー供給源からの供給ホ
ース47が接続されている。
【0037】また、軸受体40の上端近傍には間隙58
が設けられており、この間隙58とパージエアー噴出口
44がほぼ同じ高さの位置に設けられている。従って、
パージエアー噴出口44から噴出した空気は、間隙58
を通って空気溜め74へと供給されることになる。
【0038】次に、このような構成からなる装置Aの洗
浄方法について説明する。当該装置Aでは、回転円板1
6や駆動軸38を取り外すことなく洗浄が行なわれ、そ
こではまず隔壁36内にパージエアーが供給される。す
なわち、パージエアー供給源から供給ホース47、ロー
タリージョイント52を介してパージエアー供給経路4
8に空気を送り、間隙58を介して隔壁36内にパージ
エアーを供給する。この場合、パージエアー供給経路4
8では、パージエアー供給ロ46→駆動軸38の中空部
42→パージエアー噴出口44へと空気が送られ、パー
ジエアー噴出口44から吹き出した空気により隔壁36
内に空気溜め74が形成される。なお、隔壁36内への
パージエアーの供給は連続的に行われる。
【0039】次いで、処理容器底部18を水密構造にす
るべく、排出管60の排出弁34と空気供給管68の仕
切弁70を閉じる。その後、粉末供給装置30かスプレ
ー装置28、またはその両方から流動室14内に洗浄液
Wを供給する。これにより、流動室14内下部に設けら
れた回転円板16が洗浄液Wによって浸漬される。この
場合、スリット15を介して空気流入室20内にも洗浄
液Wが流入し、空気流入室20もまた洗浄液Wによって
満たされる。
【0040】ここで当該装置Aでは、空気流入室20内
が洗浄液Wによって満たされても、前述の防止機構aに
より、洗浄液Wが軸受体40等に浸入しないようになっ
ている。すなわち、隔壁36内に対しては、パージエア
ー噴出口44から間隙58を介して、貯留された洗浄液
Wによる圧力より高い圧力のパージエアーが送給されて
いる。従って、隔壁36内には洗浄液Wの水圧より高圧
の空気溜め74が形成され、これにより軸受体40内へ
の洗浄液Wの浸入が妨げられる。
【0041】そして、軸受体40内への洗浄液Wの浸入
を防いだ状態で駆動軸38を駆動し、回転円板16を洗
浄液W中にて水平回転させる。この際、回転円板16の
回転により巻き起こる渦流によって回転円板16自体に
付着した汚れは勿論のこと、流動室14内部に付着した
汚れも強制的に洗浄される。一方、この渦流によって洗
浄された汚れは、渦流と共に発生する遠心力によって処
理容器12の側壁12a沿いに追いやられ、排出し易い
ようになる。このようにして流動室14内を洗浄した
後、排出弁34を開き排出管60から洗浄廃液を排出す
る。
【0042】洗浄液Wによる洗浄の後、流動室14内の
すすぎ洗いが行われる。このすすぎ洗いは洗浄水を用い
て行われ、回転円板16や駆動軸38等を外すことな
く、前述同様の手順を繰り返すことによって作業が行わ
れる。これにより、流動室14や回転円板16および駆
動軸38に汚れを残すことなく洗浄作業が完了する。
【0043】このように、本発明による装置Aでは、前
述の防止機構aにより軸受体40等に洗浄液Wが入り込
まないようになっているため、回転円板16や駆動軸3
8を外すことなく洗浄を行うことができる。また、浸漬
した回転円板16を回転させて洗浄を行うこともできる
ため、流動室14内に発生する渦流により、回転円板1
6のみならず、流動室14内やスプレー装置28等をも
効率良く洗浄することができる。
【0044】さらに、駆動軸38等の駆動部が一体的な
パージエアー供給経路48をなし得ることから、その分
部材点数が少なくて済みコストダウンを図ることができ
る。加えて、軸受体40等の腐食による機械的不具合の
発生も防止し得る。なお、駆動軸38をパージエアー供
給経路48に活用した構成は、特に図1のような遠心流
動型造粒コーティング装置における中空駆動軸の軸受体
貫通部分への洗浄液の浸入阻止に有効である。
【0045】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2である複合型の造粒乾燥コーティング装置(粉粒体
処理装置)Bの構成を示す概略断面図、図3は図2の要
部の説明図である。
【0046】当該造粒乾燥コーティング装置B(以下、
装置Bと略す)は、遠心転勤、浮遊流動、旋回流動およ
び整粒機能を有する複合型の粉粒体処理装置である。こ
の装置Bは、略直立状態に設置された処理容器100を
有し、その内部には流動室102が形成されている。そ
して、この流動室102内において、造粒、コーティン
グ等の種々の粉粒体処理が行われる。
【0047】この流動室102は、回転円板(回転体)
114の上方においてその内壁面102aが逆円錐状に
拡開し、粉粒体原料が効率良く流動できるように形成さ
れている。また、流動室102は、水密構造の処理容器
底部104によって下部のモータ室106と上下に区画
するように仕切られている。さらに、その略中間高さの
側面部には原料投入口108が斜め上方向に設けられて
いる。
【0048】処理容器底部104の近傍の上方側面に
は、造粒やコーティングを完了した製品を取り出すため
の排出弁112を備えた排出シュート110が設けられ
ている。また、処理容器底部104と排出シュート11
0と間の流動室102の側面部には、洗浄液供給バルブ
115が装着されている。処理容器底部104の中央に
は、図3に示すように、軸受体取付用の開口部116a
が穿設されており、そこに軸受体116が水密に溶着さ
れている。この場合、処理容器底部104は若干右肩上
がりに勾配をもって水密構造に形成されており排水の便
が図られている。
【0049】排出シュート110より若干下部に位置し
た処理容器底部104には、略水平方向に回転する回転
円板114が設けられており、これによって造粒コーテ
ィング処理が行われる。この回転円板114は、図3に
示すように、多層構造をなす金網よりなる複数個の着脱
可能な通気部114aを有している。この場合、通気部
114aの位置は、回転円板114上の粉粒体を十分に
遠心転動させたり流動化させたりするため、回転円板1
14の半径方向の中間位置より外側にあることが望まし
い。なお、通気部114aは金網以外にも、粉粒体が漏
れない程度の細孔をもつ多孔板や焼結板等で形成するこ
とができる。
【0050】回転円板114は、その外径寸法が処理容
器胴体部100aの内壁100bよりも小さく作られて
いる。従って、その外周縁のスリット形成面114bと
処理容器胴体部100aの内壁100bとの間には、ス
リットエアー供給用の隙間、すなわちスリット124が
形成されている。また、スリット124と通気部114
aの下側には、それぞれに対応してスリットエアー通路
(空気流入室)142および流動エアー通路(空気流入
室)144が設けられている。
【0051】この場合、スリットエアー通路142と流
動エアー通路144は、処理容器底部104の下方より
配設され、両者の間には環状の隔壁146が環状に介装
されている。隔壁146は、上側部材146aと下側部
材146bとから構成され、下側部材146bは処理容
器底部104に固設されている。また、上側部材146
aは、回転円板114下面に設けられた溝にラビリンス
式シールリング148を介して摺接するように嵌装され
ている。そして、上側部材146aと下側部材146b
とはネジ150によって接合されている。
【0052】また、スリットエアー通路142と流動エ
アー通路144には、給気ファン152から空気が送給
される。この場合、給気ファン152から吹き込まれた
エアーは、給気ダクト154内のフィルタ156を経て
清浄にされ、装置B下部の熱交換器158で所望の温度
に調整された後、給気ダクト154の下部に供給され
る。給気ダクト154の下部には、スリット124およ
び通気部114aへのエアー流量を各々別個に可変調整
するためのスリットエアー流量調整弁160と流動エア
ー流量調整弁162が配設されている。そして、これら
の流量調整弁160,162から先は、隔壁164によ
ってスリットエアー通路142と流動エアー通路144
に区画されて処理容器底部104に至り、その上部は、
前述のように隔壁164によって仕切られている。
【0053】このように、スリット124と通気部11
4aは別系統のエアー通路によって空気が供給され、そ
れぞれ別個の流量調整弁160,162によって流量が
調整される。従って、流量調整弁160,162を個々
に調節することにより、スリット124から噴出する空
気流と、通気部114aから噴出する空気流を個々に調
節できることになる。すなわち、2つの異なったフロー
パターンを示す空気流を処理容器100の中に作ること
ができる。このため、この2つの空気流の強さを変える
ことによって、造粒物の粒子の形状、かさ密度、硬度お
よび粒径を所望の条件に調節することができ、良質の造
粒またはコーティング製品を効率良く製造することがで
きる。
【0054】なお、当該装置Bでは、装置内は給気ファ
ン152によって加圧状態となっているが、給気ファン
152の他に排気側に図示しない排気ファンを設けて大
気圧に近い状態にするか、負圧状態とすることもでき
る。
【0055】一方、回転円板114の下面中央には回転
円板駆動軸118が一体的に取着固定されている。この
場合、回転円板駆動軸118は、軸受体116内に形成
された貫通部116bに取り付けられたベアリング11
7によって回転自在に支持されている。また、回転円板
駆動軸118内には、撹拌羽根駆動軸120が回転自在
に支持され、その上端部には撹拌羽根122が一体的に
取着固定されている。
【0056】撹拌羽根122は造粒コーティング中の粉
粒体を混合する装置であり、回転円板114の上方に取
り付けられる。撹拌羽根122は、図3に示すように、
その中央に取着されたボス122aと、ボス122aの
側面に配設された少なくとも2本の撹拌翼122bを有
する構成となっている。そして、ボス122aの斜面と
撹拌翼122bの作用により、混合造粒効果が大きくな
るように構成されている。なお、撹拌羽根122bのや
や上方の処理容器の内壁100bには、解砕機構126
が略水平方向に配設されており、回転円板114上の団
塊を解砕するようになっている。
【0057】また、撹拌羽根122は、回転円板114
とは異なるモータによって回転駆動され、回転円板11
4とは異なる回転方向にも、また同一回転方向にも回転
できるようになっている。さらに、その回転速度も回転
円板114と異なる回転速度にも同一回転速度にも適宜
調整できるようになっている。
【0058】この場合、撹拌羽根駆動軸120は、その
下端部に設けられたカップリング120aを介してモー
タ駆動軸130aに接続されている。このモータ駆動軸
130aは、モータ室106内に設置された撹拌羽根駆
動用モータ130により回転駆動される。これに対し、
回転円板駆動軸118は、その下端部に嵌着されたプー
リ128a、駆動ベルト128bを介して、モータ室1
06内に設置された回転円板駆動用モータ128により
回転駆動される。
【0059】なお、回転円板114には、その通気部1
14aより内方の回転円板駆動軸118の取着固定部近
傍に、撹拌羽根122のボス122a下部に連通する透
孔1114cが穿設されている。
【0060】一方、撹拌羽根122よりやや上方の処理
容器側壁部および撹拌羽根122の中央上方には、液タ
ンク166と接続されたスプレー装置170が設けられ
ている。これにより、液タンク166で調整されポンプ
168で圧送されたコーティング液またはバインダー液
がスプレー装置170により流動室102に噴霧され
る。
【0061】さらに、処理容器100内の上部にはバグ
フィルター172およびバグフィルター清浄用のジェッ
トノズル174が設置されている。バグフィルター17
2は、バククロスによって微粉を補集するものであり、
これにより処理容器100内の粉体に種々のフローパタ
ーンを与えた空気流に同伴する微粉が補集される。ま
た、ジェットノズル174は高圧エアーパルス式のエア
噴射ノズルであり、これによりバグフィルター172に
付着した微粉が処理容器100内に払い落とされバクク
ロスが清浄にされる。
【0062】バグフィルター172の上部には、粉塵爆
発やガス爆発時に爆発圧を大気に放出し処理容器100
を破壊から守るための蝶番式の爆発放散用蓋176が取
り付けられている。また、処理容器100の頂部側面に
はバグフィルター172によって微粉が除去された排気
を系外に排出する排気ダクト178が連結されている。
【0063】ところで、当該装置Bには、回転円板11
4等を浸漬して洗浄を行っても、回転円板114の軸受
体116等の回転駆動機構には洗浄液Wが入り込まない
ような構成となっている。すなわち、回転円板114の
下方、流動エアー通路144内に洗浄液浸入防止機構b
(以下、防止機構bと略す)が装備されており、これに
よって洗浄液Wの浸入を防止するようになっている。
【0064】この防止機構bは、回転円板114の下面
に隔壁180を設けるとともに、この隔壁180の内方
に臨むように軸受体116の上部にパージエアー噴出口
182を設けた構成となっている。そして、隔壁180
内に、パージエアー供給経路134からパージエアー噴
出口182を介してパージエアーを供給して空気溜め1
81を形成して洗浄液Wの浸入を防止している。
【0065】ここで、隔壁180は環状の筒体であり、
回転円板114の中心軸線と同軸状に回転円板114下
面に取り付けられている。この場合、隔壁180は、回
転円板114の通気部114aの取付ねじによって、下
方に突出した状態で回転円板114と一体的に取着固定
されている。また、その下側は開口状態となっている。
【0066】一方、軸受体116上部と回転円板114
下面との間には、シールカバー(カバー部材)134c
とVリング(可撓性部材)134dによってパージエア
ー供給経路134が形成されている。この場合、シール
カバー134cは、軸受体116の上部に装着固定され
た環状部材であり、その上縁にはVリング134dが取
着固定されている。また、Vリング134dは、例えば
シリコンゴムまたはネオプレンゴムよりなる可撓性を有
するシール材であり、その上縁が隔壁180の空気溜め
181内において回転円板114の底面に接触してい
る。そして、これらにより軸受体116と回転円板11
4の間には、その内部に空隙部134aを有するパージ
エアー供給経路134(空気供給手段)が形成されてい
る。なお、Vリング134dは、空隙部134aからパ
ージエアー圧を受けると上縁が柔軟に屈曲して、回転円
板114との間にパージエアー噴出口182を形成する
ようになっている。
【0067】軸受体116は内外筒からなる二重管構造
となっており、その外筒側の中空部116cには、エア
ーパージ管132が配設されている。なお、内筒側に
は、前述のように、回転円板駆動軸118が回転支持さ
れている。このエアーパージ管132は、パージエアー
供給経路134内の空隙部134aに開口しており、図
示しないパージエアー供給源からパージエアーが供給さ
れる。これにより、エアーパージ管132に供給された
パージエアーは、空隙部134aに引導されることにな
る。そして、パージエアー圧を受けたVリング134d
の上縁部が回転円板114から離脱してパージエアー噴
出口182が形成され、これにより、空隙部134aに
圧送されたパージエアーが隔壁180から噴出する。
【0068】なお、パージエアー供給経路134は、回
転円板114に穿設された透孔114cに連通してお
り、この透孔114cを介して、撹拌羽根122のボス
122a下部と回転円板114上部との間に形成された
空隙部134bに連通している。また、この装置Bで
は、Vリング134dをシールカバー134c上縁に取
り付けて回転円板114の下面と摺接するようにしてい
るが、Vリング134dを回転円板114の下面に取り
付け、シールカバー134c上縁と摺接するようにして
も良い。
【0069】次に、このような構成からなる装置Bの洗
浄方法について説明する。当該装置Bでは、回転円板1
14や回転円板駆動軸118を軸受体116から外した
り、撹拌羽根122や撹拌羽根駆動軸120を回転円板
駆動軸118から外したりすることなく行われ、そこで
はまず隔壁180内にパージエアーが供給される。すな
わち、パージエアー供給源から、エアーパージ管132
→軸受体116上部の空隙部134aにパージエアーが
送られる。空隙部134aでは、Vリング134dにパ
ージエアー圧が加わり、Vリング134dが撓んでパー
ジエアー噴出口182が形成され隔壁180内にパージ
エアーが噴出する。そしてこれにより、隔壁180内に
空気溜め181が形成される。なお、隔壁180内への
パージエアーの供給は連続的に行われる。
【0070】次いで、処理容器底部104を水密構造に
するべく、排出シュート110、スリットエアー流量調
整弁160、流動エアー流量調整弁162を閉じる。そ
の後、洗浄液供給バルブ115を開き、流動室102内
に洗浄液Wを供給する。これにより、流動室102内下
部に設けられた回転円板114が洗浄液Wによって浸漬
される。この場合、スリット124等を介してスリット
エアー通路142や流動エアー通路144内にも洗浄液
Wが流入し、これらもまた洗浄液Wによって満たされ
る。
【0071】ここで当該装置Bでは、スリットエアー通
路142や流動エアー通路144内が洗浄液Wによって
満たされても、前述の防止機構bにより、洗浄液Wが軸
受体116等に浸入しないようになっている。すなわ
ち、隔壁180内に対しては、パージエアー噴出口18
2から、貯留された洗浄液Wによる圧力より高い圧力の
パージエアーが送給されている。従って、隔壁180内
には洗浄液Wの水圧より高圧の空気溜め181が形成さ
れ、その結果、この空気溜め181が、Vリング134
dの周囲を取り巻き、回転円板114と回転円板駆動軸
118の隙間や、軸受体116と回転円板駆動軸118
の隙間、さらに軸受体116や回転円板駆動軸118の
貫通部118aへの洗浄液の浸入を防ぐことができる。
【0072】一方、軸受体116上部の空隙部134a
に送給されたパージエアーは、回転円板114の透孔1
14cを介してボス122a下部の空隙部134bにも
圧送される。そして、その空隙部134bにも空気溜め
181が形成され、その結果、回転円板114と撹拌羽
根122間の隙間からの洗浄液Wの浸入を防ぐことが可
能となる。
【0073】そして、軸受体116等への洗浄液Wの浸
入を防いだ状態で回転円板駆動軸118と撹拌羽根駆動
軸120を駆動して回転円板114と撹拌羽根122を
それぞれ水平回転させる。この際、回転円板114と撹
拌羽根122の回転により巻き起こる渦流によって回転
円板114や撹拌羽根122自体に付着した汚れは勿論
のこと、流動室102内部に付着した汚れも強制的に洗
浄される。一方、この渦流によって洗浄された汚れは、
渦流と共に発生する遠心力によって処理容器100の内
壁100b沿いに追いやられ、排出し易いようになる。
このようにして流動室102内を洗浄した後、排水弁1
86を開き廃液溜184から洗浄廃液を排出する。な
お、図中188は切換ダンパーであり、廃液の排出時は
スリットエアー通路142と流動エアー通路144を通
る廃液をひとまとめに廃液溜184に溜めるべく点線の
ように切り換えられる。
【0074】洗浄液Wによる洗浄の後、流動室102内
のすすぎ洗いが行われる。このすすぎ洗いは洗浄水を用
いて行われ、回転円板114や回転円板駆動軸118等
を外すことなく、前述同様の手順を繰り返すことによっ
て作業が行われる。これにより、流動室102や回転円
板114、回転円板駆動軸118等に汚れを残すことな
く洗浄作業が完了する。
【0075】このように、本発明による装置Bでは、前
述の防止機構bにより軸受体116等に洗浄液Wが入り
込まないようになっているため、回転円板114や回転
円板駆動軸118、撹拌羽根122等を外すことなく洗
浄を行うことができる。また、洗浄液Wに浸漬した回転
円板114や撹拌羽根122を回転させて洗浄を行うこ
ともできるため、流動室102内に発生する渦流によ
り、回転円板114や撹拌羽根122のみならず、流動
室102内を効率良く洗浄することができる。
【0076】さらに、軸受体116の外筒側に空気溜め
181に通じるエアーパージ管132を設けたことによ
り、エアーパージ管132によって邪魔されることなく
回転円板114を回転駆動できる。また、空気溜め18
1によって回転円板駆動軸118における軸受体貫通部
分への洗浄液の浸入を阻止でき、軸受体116等の駆動
部の腐食による機械的不具合を防止できる。なお、エア
ーパージ管132を軸受体116の外筒側に設けた構成
は、特に図2, 3のような、遠心転勤、浮遊流動、旋回
流動および整粒機能を有する複合型の造粒乾燥コーティ
ング装置における軸受体貫通部分への洗浄液の浸入阻止
に有効である。
【0077】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0078】たとえば、パージエアーの供給は、空気溜
め74, 181が維持される状態であれば、必ずしも常
時供給する必要はない。例えば、洗浄液Wを供給してい
る間はエアを供給し、一旦水密状態になった後には供給
を停止したり、供給を断続的にしたりしても良い。ま
た、供給量を適宜変化させるようにもできる。
【0079】さらに、洗浄形態は、前述のような「洗い
→すすぎ」の形態には限られない。例えば洗剤の種類を
変えて2度洗った後にすすぎを行ったり、すすぎを複数
行ったりすることも可能である。これは、特定の溶剤や
酸、アルカリ等に溶けやすい材料を一旦それらで洗い、
次にそれを洗うために洗剤を用いる場合などが想定され
るためであり、洗浄形態は任意である。
【0080】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその利用分野である遠心流動型の造粒コ
ーティング装置や複合型の造粒乾燥コーティング装置に
適用した場合について説明したが、これに限定されるも
のではなく、たとえば、他の形式の粉粒体処理装置にも
適用できる。
【0081】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0082】(1)回転体の下面に空気溜めを設け、こ
の空気溜めに水圧を超える圧力のパージエアーを供給す
るようにしたことにより、処理容器内を液体にて浸漬し
ても軸受体に液体が浸入しないという効果がある。従っ
て、処理容器内に洗浄液等の液体を溜め置くことが可能
となり、回転体や軸受体等を取り外すことなく処理容器
内を洗浄することが可能となる。そしてこれにより、処
理容器内の洗浄を自動化することができ、作業の効率化
を図ることが可能となる。また、軸受体や駆動部等の腐
食による機械的不具合も防止できる。
【0083】(2)また、洗浄液内で安心して回転体を
回転させることができるため、回転体の回転により巻き
起こる洗浄液の渦流によって、流動室自体の洗浄は勿論
のこと、回転体や軸受体等の駆動部などの汚れをも強力
に洗浄し得る。さらに、回転体の回転による遠心力で汚
れ物質を外側へ排斥することができ汚れ排出効率を高め
ることができる。これにより、処理容器内に汚れの残留
付着が生ずることなく、コンタミネーションを防止でき
るので、サニタリ性を向上することが可能となりバリデ
ーションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である遠心流動型の造粒
コーティング装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2である複合型の造粒乾燥
コーティング装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】図2の造粒乾燥コーティング装置の要部説明図
である。
【符号の説明】
10 架台 12 処理容器 12a 側壁 14 流動室 15 スリット 16 回転円板(回転体) 16a 周縁 18 処理容器底部 20 空気流入室 22 熱風発生装置 24 熱交換器 26 装置蓋 28 スプレー装置 29 液体容器 30 粉末供給装置 30a 粉末供給口 31 ポンプユニット 32 製品排出口 34 排出弁 36 隔壁 37 開口部 38 駆動軸 40 軸受体 42 中空部 44 パージエアー噴出口 46 パージエアー供給ロ 47 供給ホース 48 パージエアー供給経路(空気供給手段) 50 プーリー 52 ロータリージョイント 54 軸受 56 ベルト 58 間隙 60 排出管 62 排出口 64 開口部 66 給気孔 68 空気供給管 70 仕切弁 74 空気溜め 100 処理容器 100a 処理容器胴体部 100b 内壁 102 流動室 102a 内壁面 104 処理容器底部 106 モータ室 108 原料投入口 110 排出シュート 112 排出弁 114 回転円板(回転体) 114a 通気部 114b スリット形成面 114c 透孔 115 洗浄液供給バルブ 116 軸受体 116a 開口部 116b 貫通部 116c 中空部 117 ベアリング 118 回転円板駆動軸 118a 貫通部 120 撹拌羽根駆動軸 120a カップリング 122 撹拌羽根 122a ボス 122b 撹拌翼 122b 撹拌羽根 124 スリット 126 解砕機構 128 回転円板駆動用モータ 128a プーリ 128b 駆動ベルト 130 撹拌羽根駆動用モータ 130a モータ駆動軸 132 エアーパージ管 134 パージエアー供給経路(空気供給手段) 134a 空隙部 134b 空隙部 134c シールカバー(カバー部材) 134d Vリング(可撓性部材) 142 スリットエアー通路(空気流入室) 144 流動エアー通路(空気流入室) 146 隔壁 146a 上側部材 146b 下側部材 148 シールリング 150 ねじ 152 給気ファン 154 給気ダクト 156 フィルタ 158 熱交換器 160 スリットエアー流量調整弁 162 流動エアー流量調整弁 164 隔壁 166 液タンク 168 ポンプ 170 スプレー装置 172 バグフィルター 174 ジェットノズル 176 爆発放散用蓋 178 排気ダクト 180 隔壁 181 空気溜め 182 パージエアー噴出口 184 廃液溜 186 排水弁 A 造粒乾燥コーティング装置 B 造粒乾燥コーティング装置 W 洗浄液 a 洗浄液浸入防止機構 b 洗浄液浸入防止機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体が供給される流動室を有する処理
    容器と、前記処理容器底部に取り付けられた軸受体によ
    って前記流動室の底部に回転自在に支持された回転体と
    を有し、粉粒体を前記回転体の回転により転動させると
    共に、前記回転体の下面側に形成された空気流入室から
    前記流動室内に供給される気体により流動させた状態で
    前記粉粒体を処理する粉粒体処理装置であって、 前記回転体の下面に設けられた隔壁により、前記軸受体
    の上方かつ前記隔壁の内側に形成された空気溜めと、 前記空気溜めに、前記処理容器内に貯留された液体が前
    記空気溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアー
    を供給し、前記空気溜め内への前記液体の流入を妨げる
    空気供給手段とを有することを特徴とする粉粒体処理装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粉粒体処理装置であっ
    て、前記空気供給手段は、前記軸受体に支持された前記
    回転体の駆動軸中に形成された中空部と、前記空気溜め
    に臨んで前記駆動軸の一端側に前記中空部と連通して開
    口されたパージエアー噴出口と、前記駆動軸の他端側に
    前記中空部と連通して開口されたパージエアー供給口と
    を有してなることを特徴とする粉粒体処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の粉粒体処理装置であっ
    て、前記空気供給手段は、前記軸受体の上部に水密に取
    り付けられたカバー部材と、前記カバー部材の上縁と前
    記回転体下面との間に配設された可撓性部材とを有し、
    前記カバー部材と前記可撓性部材により前記回転体の駆
    動軸の周囲に空隙部を形成すると共に、前記パージエア
    により前記空隙部と前記空気溜めとが連通して前記空気
    溜め内にパージエアーを供給することを特徴とする粉粒
    体処理装置。
  4. 【請求項4】 粉粒体が供給される流動室を有する処理
    容器と、前記処理容器底部に取り付けられた軸受体によ
    って前記流動室の底部に回転自在に支持された回転体と
    を有し、粉粒体を前記回転体の回転により転動させると
    共に、前記回転体の下面側に形成された空気流入室から
    前記流動室内に供給される気体により流動させた状態で
    前記粉粒体を処理する粉粒体処理装置の洗浄方法であっ
    て、 前記回転体の下面に設けられた隔壁によって前記軸受体
    の上方かつ前記隔壁の内側に形成された空気溜めに、前
    記処理容器内に洗浄液が貯留された際に前記洗浄液が前
    記空気溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアー
    を供給しつつ前記処理容器内に洗浄液を供給し、この洗
    浄液によって前記回転体を浸漬して前記処理容器内部を
    洗浄することを特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の粉粒体処理装置の洗浄方
    法であって、前記回転体を前記洗浄液中にて回転させて
    洗浄を行うことを特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の粉粒体処理装置
    の洗浄方法であって、前記洗浄液を排出した後、前記処
    理容器内に洗浄水を供給貯留してすすぎ洗いを行うこと
    を特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の粉粒体処理装置の洗浄方
    法であって、前記回転体を前記洗浄水中にて回転させて
    すすぎ洗いを行うことを特徴とする粉粒体処理装置の洗
    浄方法。
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