JP3892947B2 - 粉粒体処理装置およびその洗浄方法 - Google Patents

粉粒体処理装置およびその洗浄方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体処理装置の洗浄技術に関し、特に、処理容器や回転円板、回転円板駆動軸等の周辺装置を取り外すことなく、処理容器内を自動洗浄する粉粒体処理装置およびその洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、医薬品や食品の製造に際してはその品質を確保、維持することが厳密に要求されている。このため、それらの製造に用いられる設備については、雑菌は勿論のこと、異物が混入したり他の製品とのコンタミネーションが生じないように、処理容器や弁、配管などを厳密に洗浄することが求められている。そして、かかる製造設備の洗浄方法としては、従来より、装置を一旦分解して人手により各部品を洗浄する方法が多く行われてきた。
【0003】
しかしながら、近年、製造設備が大型化するに伴い、その分解洗浄に非常に手間がかかるようになり、分解洗浄に要する工数が製造コスト削減の妨げとなっていた。その一方で、コンピュータ制御技術の発達に伴い、従来人の手でなければできなかったような繊細かつ精密な作業も機械によって行うことができるようになってきた。そこで、従来の人手による分解洗浄に代わって、装置を解体することなく内部に洗浄液を通じることにより洗浄を行う定置洗浄法が開発され、近年ではこれを採用した装置が用いられるケースが多くなっている。
【0004】
ここで、このような定置洗浄法においては、被洗浄物である医薬品または食品の製造設備を構成する粉粒体処理装置の処理容器や配管、弁等を定置した状態で洗浄を行う。すなわち、装置を分解することなくそのままの状態で、温水や酸性溶液、アルカリ性溶液、洗浄用界面活性剤溶液等の洗浄液を処理容器等に接触せしめ、これによってそれらの表面上に付着した汚れを除去している。
【0005】
また、定置洗浄法では、プログラム化された洗浄作業手順に沿って洗浄が実施される。すなわち、予め予備洗浄試験を実施して汚れが完全に除去される洗浄条件を確認し、その洗浄条件を洗浄作業手順書にプログラム化して整備する。そして、この洗浄作業手順書に沿って洗浄が行われる。
【0006】
一方、このような洗浄作業では、汚れ成分や酸、アルカリ、界面活性剤などを含む排水が大量に発生する。このような排水は浄化処理を必要とし、その処理経費はそのまま製品コストに直結する。従って、如何に短時間かつ少量の洗浄液で完全に汚れを洗浄するかが問題となり、最も効率の良い洗浄方式や条件を見出し確立することが定置洗浄法では大きな課題となっている。
【0007】
このため、従来よりその洗浄方式については種々の提案がなされており、例えば特公平7−22743号公報には、特殊な洗浄ホースによって配管内面を自動洗浄する装置が示されている。また、特公平6−77682号公報には、流動層造粒乾燥機において、バグフィルタを流動層造粒乾燥機の本体内に取り付けたままの状態で、特殊なノズルユニットによってバグフィルタと本体内面を同時に洗浄する装置が示されている。
【0008】
さらに、特公平3−62097号公報には、流動層装置の本体部内からバグフィルタを取り外すだけで、本体部の内側、外側および各構成部の接合面を自動的に完全に洗浄できる装置が示されている。この場合、本体部のバグフィルタ以外の部分や噴霧室、原料容器などを分解したり取り外したりする必要はなく、本体部の接合面を僅かに開けるだけで特殊ノズルによって装置内を洗浄することができる。
【0009】
一方、特開平8−117708号公報には、オゾン洗浄に加えて酸やアルカリ、界面活性剤等の洗浄剤を用いて、医薬品や食品の製造設備を構成するタンクや配管、弁等を洗浄する装置が示されている。また、特開平8−24614号公報には、清掃ブラシとノズルによって、撹拌型ミキサーの排出口側壁や蓋等に付着した練合物を掻き落とす装置が示されている。
【0010】
なお、定置洗浄法については、ファーム・テク・ジャパン1992年第8巻8号第31〜38頁(Pharm Tech Japan,Vol.8,No.8,P32〜38,1992)にその概要が述べられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来より、定置洗浄法においては、特殊ノズルによって処理容器等を洗浄するものが多く提案されているが、このようなノズル洗浄方式では、実際にノズルのスプレー液が届かない部分が存在するという問題があった。また、洗浄ノズル自体に汚れが付着するので、これを洗浄することが必要となりその分手間を要するという問題もあった。
【0012】
このため、処理容器内に洗浄液を溜めて各部品を洗浄液で浸漬し、それらを溜め洗いする方式も試みられているが、このような溜め洗い方式では、処理容器内壁の汚染が完全に除去できず、特に最近のバリデーションに対応し得るだけの清浄度を得ることができないという問題があった。
【0013】
この場合、処理容器内を洗浄液で浸漬するのみならず、さらに処理容器内に設置された回転体を作動させて洗浄すれば非常に効果的な洗浄を行うことができる。しかしながら、このような洗浄方法は、各部材間の水密あるいは気密性が完全でなければ採用し得ない。
【0014】
例えば、フロイント産業株式会社製の遠心流動型造粒コーティング装置(製品名「CFグラニュレーター」)や同社製複合型造粒コーティング装置(製品名「スパイラフロー」)などの粉粒体処理装置では、その処理容器内の下部近傍にロータなどの回転体が存在する。従って、この回転体を作動させて洗浄すれば効果的な洗浄を行い得る。
【0015】
しかしながら、処理容器内には回転体のみならず、回転体駆動部やその軸受体、熱風給排出口などが存在しており、これらの水密あるいは気密性が完全でなければこのような洗浄方法は実施できない。特に、回転体駆動部を回転支持する軸受体には軸の貫通部分が存在するため、そこへの洗浄液の浸入が避け切れない。一方、ベアリングも含め各部品の完璧な水密性を確保するためには、非常に複雑かつ精密な部品構成を必要とし、装置価格の上昇につながるという弊害を生じる。
【0016】
本発明の目的は、簡易な構造によって装置の水密性を確保し、回転円板や回転円板駆動軸等の部品を取り外すことなく、処理容器内の汚れを完全に除去し得る粉粒体処理装置およびその洗浄方法を提供することにある。
【0017】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0019】
すなわち、本発明の粉粒体処理装置は、粉粒体が供給される流動室を有する処理容器と、処理容器底部に取り付けられた軸受体により回転自在に支持される駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられ前記流動室を上面側に形成し空気流入室を前記処理容器底部との間で下面側に形成する回転円板とを有し、前記粉粒体を前記回転円板の回転により転動させると共に、前記空気流入室から前記流動室内に供給される気体により流動させた状態で前記粉粒体を処理する粉粒体処理装置であって、前記回転円板の下面に前記空気流入室に突出して設けられ、前記軸受体の上方に空気溜めを形成する環状の隔壁と前記処理容器内を洗浄する際に、前記処理容器内に貯留された洗浄液が前記空気溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアーを前記空気溜めに供給し、前記空気溜め内への前記洗浄液の流入を妨げる空気供給手段とを有することを特徴としている。これにより、処理容器内を洗浄液にて浸漬しても軸受体に洗浄液が浸入しないため、処理容器内に洗浄液を留め置くことが可能となる。
【0020】
この場合、空気供給手段を、軸受体に支持された駆動軸に形成された中空部と、空気溜めに臨んで駆動軸の一端側に中空部と連通して開口されたパージエアー噴出口と、駆動軸の他端側に中空部と連通して開口されたパージエアー供給口とを有してなる構成としても良い。また、空気供給手段を、軸受体の上部に水密に取り付けられたカバー部材と、カバー部材の上縁と回転円板下面との間に配設された可撓性部材とを有し、カバー部材と可撓性部材により回転円板の駆動軸の周囲に空隙部を形成すると共に、パージエアーにより空隙部と空気溜めとが連通して空気溜め内にパージエアーを供給する構成としても良い。
【0021】
一方、本発明の粉粒体処理装置の洗浄方法は、粉粒体が供給される流動室を有する処理容器と、処理容器底部に取り付けられた軸受体により回転自在に支持される駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられ前記流動室を上面側に形成し空気流入室を前記処理容器底部との間で下面側に形成する回転円板とを有し、前記粉粒体を前記回転円板の回転により転動させると共に、前記空気流入室から前記流動室内に供給される気体により流動させた状態で前記粉粒体を処理する粉粒体処理装置の洗浄方法であって、前記回転円板の下面に前記空気流入室に突出して設けられた環状の隔壁によって前記軸受体の上方に形成された空気溜めに、前記処理容器内に洗浄液が貯留された際に前記洗浄液が前記空気溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアーを供給しつつ前記処理容器内に洗浄液を供給し、この洗浄液によって前記回転円板を浸漬して前記処理容器内部を洗浄することを特徴としている。これにより、処理容器内を洗浄液にて浸漬しても軸受体に洗浄液が浸入しないため、処理容器内に洗浄液を溜置いた状態で装置の洗浄を行うことができる。この場合、回転円板を洗浄液中にて回転させて洗浄を行っても良く、これにより、回転円板の回転によって巻き起こる洗浄液の渦流により処理容器内の洗浄は勿論のこと、回転円板自体の汚れをも強力に洗浄する。また、回転円板の回転による遠心力で汚れ物質を外側へ強制的に排斥することで排出効率を高めることが可能となる。
【0022】
さらに、洗浄液を排出した後、処理容器内に洗浄水を供給貯留してすすぎ洗いを行っても良い。そしてこの場合も、回転円板を洗浄水中にて回転させてすすぎ洗いを行うようにしても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である遠心流動型の造粒コーティング装置(粉粒体処理装置)Aの構成を示す概略断面図である。
【0025】
図1の造粒乾燥コーティング装置A(以下、装置Aと略す)は、遠心流動型の粉粒体処理装置である。この装置Aは、架台10上に円筒型の処理容器12を設けた構成となっており、その内部に粉粒体の造粒、コーティング、混合、乾燥等を行う流動室14が形成されている。また、流動室14内には、その下方に回転円板(回転体)16が設置されている。なお、処理容器12および回転円板16は造粒コーティング時に真球度の良い球形粒が得られるように剪断混合性や循環流動性、転動圧密性などにおいて良好な性能を発揮できるように構成されている。
【0026】
回転円板16の下面中央には、回転円板16の中心軸線と同心状に下方に向かって垂直に延在する駆動軸38が一体的に固設されており、これによって回転円板16が回転駆動される。また、駆動軸38は、軸受体40内に配された軸受54によって回転自在に支持されており、軸受体40は、処理容器12と一体的に形成された処理容器底部18を貫通して水密に溶着固定されている。さらに、駆動軸38の下端近傍にはプーリー50が嵌着されており、図示しないモータからベルト56を介して回転駆動力が伝達される。
【0027】
回転円板16の下方には、処理容器底部18との間に空気流入室20が形成されている。この空気流入室20内には熱風発生装置22内の熱交換器24から熱風が供給される。一方、処理容器12の側壁12aと回転円板16の周縁16aとの間には、スリット15が形成されている。従って、空気流入室20内に供給された空気はスリットエアとして処理容器12内に供給される。これにより粉粒体の落下防止や混合の助長が図られ、回転円板16の回転に伴って流動室14内にて粉粒体が流動状態となる。また、このスリットエアは粉粒体の乾燥にも用いられる。なお、処理容器12には製品排出口32が設けられており、処理済みの製品はここから流動室14の外に取り出される。
【0028】
処理容器底部18は、図1において、若干右肩上がりの勾配をもって水密構造に形成されている。そして、その左端には、空気流入室20内の排気と洗浄後の排液を兼用した排出口62が設けられている。この排出口62には排出管60が接続されており、処理容器12外部に装着された排出弁34の開閉により排気や排液が行われる。
【0029】
また、処理容器底部18の中央部には、軸受体取付用の開口部64が形成されており、ここに前述のように軸受体40が水密状態で溶着されている。さらに、排出口62と開口部64との間には、空気供給用の給気孔66が穿設されており、そこに空気供給管68が接続されている。この空気供給管68は、仕切弁70を介して熱風発生装置22に接続されており、この仕切弁70の開閉により空気流入室20内への空気の流入量が調整できるようになっている。
【0030】
回転円板16の上方には、装置蓋26から垂直方向下向きに支持されたスプレー装置28が設けられている。このスプレー装置28はポンプユニット31に接続されており、液体容器29から供給されたコーティング液(またはバインダー液)を流動室14内に噴霧するようになっている。
【0031】
流動室14内の回転円板16の上方にはさらに、粉末供給口30aが設けられている。この粉末供給口30aは、粉末供給装置30と接続されており、流動室14内で流動する粉粒体に対しここから粉末が散布される。これにより、流動室14内では、粉末コーティング造粒が行われることになる。なお、粉末コーティング造粒を行う他、静電気発生の防止のため粉末散布を行う場合もある。
【0032】
一方、流動室14内には、粉末供給装置30やスプレー装置28から洗浄液Wが供給される。すなわち、これらの装置は、粉末やバインダー液の供給と共に洗浄液Wの供給も行い、そのときこれらの装置も同時に洗浄される。そして、流動室14内に洗浄液Wを満たすことによって、流動室14や粉末供給口30a、スプレー装置28、回転円板16等が洗浄液Wに浸漬されそれらの洗浄が行われる。なお、洗浄液Wは、洗浄処理後に空気流入室20下部に設けられた排出弁34から排出される。
【0033】
ところで、当該装置Aは、前述のように回転円板16等を浸漬して洗浄を行っても、回転円板16の軸受体40等の回転駆動機構には洗浄液Wが入り込まないような構成となっている。すなわち、回転円板16の下方に洗浄液浸入防止機構a(以下、防止機構aと略す)が装備されており、これによって洗浄液Wの浸入を防止するようになっている。
【0034】
ここで、当該防止機構aは、回転円板16の下面に隔壁36を設け、その内側に駆動軸38の上端部に設けたパージエアー噴出口44から空気を供給して空気溜め74を形成し、これにより軸受体40等に洗浄液Wが浸入を防止する構成となっている。
【0035】
この場合、隔壁36は、回転円板16の中心軸線と同軸状に回転円板16の下面に固着された環状体であり、回転円板16から空気流入室20において下方に向けて突出した状態で取り付けられている。また、隔壁36の下側には開口部37が形成されており、隔壁36の内側は空気溜め74となっている。
【0036】
一方、駆動軸38の内部には中空部42が形成されており、その上端部近傍には、隔壁36の内方に臨ませてパージエアー噴出口44が穿設されている。また、その下端にはロータリージョイント52が遊嵌されており、そこにパージエアー供給ロ46が穿設されている。さらに、パージエアー噴出口44およびパージエアー供給ロ46は、駆動軸38の中空部42に連通しており、これらによりパージエアー供給経路(空気供給手段)48が形成されている。なお、パージエアー供給ロ46には、図示しないパージエアー供給源からの供給ホース47が接続されている。
【0037】
また、軸受体40の上端近傍には間隙58が設けられており、この間隙58とパージエアー噴出口44がほぼ同じ高さの位置に設けられている。従って、パージエアー噴出口44から噴出した空気は、間隙58を通って空気溜め74へと供給されることになる。
【0038】
次に、このような構成からなる装置Aの洗浄方法について説明する。当該装置Aでは、回転円板16や駆動軸38を取り外すことなく洗浄が行なわれ、そこではまず隔壁36内にパージエアーが供給される。すなわち、パージエアー供給源から供給ホース47、ロータリージョイント52を介してパージエアー供給経路48に空気を送り、間隙58を介して隔壁36内にパージエアーを供給する。この場合、パージエアー供給経路48では、パージエアー供給ロ46→駆動軸38の中空部42→パージエアー噴出口44へと空気が送られ、パージエアー噴出口44から吹き出した空気により隔壁36内に空気溜め74が形成される。なお、隔壁36内へのパージエアーの供給は連続的に行われる。
【0039】
次いで、処理容器底部18を水密構造にするべく、排出管60の排出弁34と空気供給管68の仕切弁70を閉じる。その後、粉末供給装置30かスプレー装置28、またはその両方から流動室14内に洗浄液Wを供給する。これにより、流動室14内下部に設けられた回転円板16が洗浄液Wによって浸漬される。この場合、スリット15を介して空気流入室20内にも洗浄液Wが流入し、空気流入室20もまた洗浄液Wによって満たされる。
【0040】
ここで当該装置Aでは、空気流入室20内が洗浄液Wによって満たされても、前述の防止機構aにより、洗浄液Wが軸受体40等に浸入しないようになっている。すなわち、隔壁36内に対しては、パージエアー噴出口44から間隙58を介して、貯留された洗浄液Wによる圧力より高い圧力のパージエアーが送給されている。従って、隔壁36内には洗浄液Wの水圧より高圧の空気溜め74が形成され、これにより軸受体40内への洗浄液Wの浸入が妨げられる。
【0041】
そして、軸受体40内への洗浄液Wの浸入を防いだ状態で駆動軸38を駆動し、回転円板16を洗浄液W中にて水平回転させる。この際、回転円板16の回転により巻き起こる渦流によって回転円板16自体に付着した汚れは勿論のこと、流動室14内部に付着した汚れも強制的に洗浄される。一方、この渦流によって洗浄された汚れは、渦流と共に発生する遠心力によって処理容器12の側壁12a沿いに追いやられ、排出し易いようになる。このようにして流動室14内を洗浄した後、排出弁34を開き排出管60から洗浄廃液を排出する。
【0042】
洗浄液Wによる洗浄の後、流動室14内のすすぎ洗いが行われる。このすすぎ洗いは洗浄水を用いて行われ、回転円板16や駆動軸38等を外すことなく、前述同様の手順を繰り返すことによって作業が行われる。これにより、流動室14や回転円板16および駆動軸38に汚れを残すことなく洗浄作業が完了する。
【0043】
このように、本発明による装置Aでは、前述の防止機構aにより軸受体40等に洗浄液Wが入り込まないようになっているため、回転円板16や駆動軸38を外すことなく洗浄を行うことができる。また、浸漬した回転円板16を回転させて洗浄を行うこともできるため、流動室14内に発生する渦流により、回転円板16のみならず、流動室14内やスプレー装置28等をも効率良く洗浄することができる。
【0044】
さらに、駆動軸38等の駆動部が一体的なパージエアー供給経路48をなし得ることから、その分部材点数が少なくて済みコストダウンを図ることができる。加えて、軸受体40等の腐食による機械的不具合の発生も防止し得る。なお、駆動軸38をパージエアー供給経路48に活用した構成は、特に図1のような遠心流動型造粒コーティング装置における中空駆動軸の軸受体貫通部分への洗浄液の浸入阻止に有効である。
【0045】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2である複合型の造粒乾燥コーティング装置(粉粒体処理装置)Bの構成を示す概略断面図、図3は図2の要部の説明図である。
【0046】
当該造粒乾燥コーティング装置B(以下、装置Bと略す)は、遠心転勤、浮遊流動、旋回流動および整粒機能を有する複合型の粉粒体処理装置である。この装置Bは、略直立状態に設置された処理容器100を有し、その内部には流動室102が形成されている。そして、この流動室102内において、造粒、コーティング等の種々の粉粒体処理が行われる。
【0047】
この流動室102は、回転円板(回転体)114の上方においてその内壁面102aが逆円錐状に拡開し、粉粒体原料が効率良く流動できるように形成されている。また、流動室102は、水密構造の処理容器底部104によって下部のモータ室106と上下に区画するように仕切られている。さらに、その略中間高さの側面部には原料投入口108が斜め上方向に設けられている。
【0048】
処理容器底部104の近傍の上方側面には、造粒やコーティングを完了した製品を取り出すための排出弁112を備えた排出シュート110が設けられている。また、処理容器底部104と排出シュート110と間の流動室102の側面部には、洗浄液供給バルブ115が装着されている。処理容器底部104の中央には、図3に示すように、軸受体取付用の開口部116aが穿設されており、そこに軸受体116が水密に溶着されている。この場合、処理容器底部104は若干右肩上がりに勾配をもって水密構造に形成されており排水の便が図られている。
【0049】
排出シュート110より若干下部に位置した処理容器底部104には、略水平方向に回転する回転円板114が設けられており、これによって造粒コーティング処理が行われる。この回転円板114は、図3に示すように、多層構造をなす金網よりなる複数個の着脱可能な通気部114aを有している。この場合、通気部114aの位置は、回転円板114上の粉粒体を十分に遠心転動させたり流動化させたりするため、回転円板114の半径方向の中間位置より外側にあることが望ましい。なお、通気部114aは金網以外にも、粉粒体が漏れない程度の細孔をもつ多孔板や焼結板等で形成することができる。
【0050】
回転円板114は、その外径寸法が処理容器胴体部100aの内壁100bよりも小さく作られている。従って、その外周縁のスリット形成面114bと処理容器胴体部100aの内壁100bとの間には、スリットエアー供給用の隙間、すなわちスリット124が形成されている。また、スリット124と通気部114aの下側には、それぞれに対応してスリットエアー通路(空気流入室)142および流動エアー通路(空気流入室)144が設けられている。
【0051】
この場合、スリットエアー通路142と流動エアー通路144は、処理容器底部104の下方より配設され、両者の間には環状の隔壁146が環状に介装されている。隔壁146は、上側部材146aと下側部材146bとから構成され、下側部材146bは処理容器底部104に固設されている。また、上側部材146aは、回転円板114下面に設けられた溝にラビリンス式シールリング148を介して摺接するように嵌装されている。そして、上側部材146aと下側部材146bとはネジ150によって接合されている。
【0052】
また、スリットエアー通路142と流動エアー通路144には、給気ファン152から空気が送給される。この場合、給気ファン152から吹き込まれたエアーは、給気ダクト154内のフィルタ156を経て清浄にされ、装置B下部の熱交換器158で所望の温度に調整された後、給気ダクト154の下部に供給される。給気ダクト154の下部には、スリット124および通気部114aへのエアー流量を各々別個に可変調整するためのスリットエアー流量調整弁160と流動エアー流量調整弁162が配設されている。そして、これらの流量調整弁160,162から先は、隔壁164によってスリットエアー通路142と流動エアー通路144に区画されて処理容器底部104に至り、その上部は、前述のように隔壁164によって仕切られている。
【0053】
このように、スリット124と通気部114aは別系統のエアー通路によって空気が供給され、それぞれ別個の流量調整弁160,162によって流量が調整される。従って、流量調整弁160,162を個々に調節することにより、スリット124から噴出する空気流と、通気部114aから噴出する空気流を個々に調節できることになる。すなわち、2つの異なったフローパターンを示す空気流を処理容器100の中に作ることができる。このため、この2つの空気流の強さを変えることによって、造粒物の粒子の形状、かさ密度、硬度および粒径を所望の条件に調節することができ、良質の造粒またはコーティング製品を効率良く製造することができる。
【0054】
なお、当該装置Bでは、装置内は給気ファン152によって加圧状態となっているが、給気ファン152の他に排気側に図示しない排気ファンを設けて大気圧に近い状態にするか、負圧状態とすることもできる。
【0055】
一方、回転円板114の下面中央には回転円板駆動軸118が一体的に取着固定されている。この場合、回転円板駆動軸118は、軸受体116内に形成された貫通部116bに取り付けられたベアリング117によって回転自在に支持されている。また、回転円板駆動軸118内には、撹拌羽根駆動軸120が回転自在に支持され、その上端部には撹拌羽根122が一体的に取着固定されている。
【0056】
撹拌羽根122は造粒コーティング中の粉粒体を混合する装置であり、回転円板114の上方に取り付けられる。撹拌羽根122は、図3に示すように、その中央に取着されたボス122aと、ボス122aの側面に配設された少なくとも2本の撹拌翼122bを有する構成となっている。そして、ボス122aの斜面と撹拌翼122bの作用により、混合造粒効果が大きくなるように構成されている。なお、撹拌羽根122bのやや上方の処理容器の内壁100bには、解砕機構126が略水平方向に配設されており、回転円板114上の団塊を解砕するようになっている。
【0057】
また、撹拌羽根122は、回転円板114とは異なるモータによって回転駆動され、回転円板114とは異なる回転方向にも、また同一回転方向にも回転できるようになっている。さらに、その回転速度も回転円板114と異なる回転速度にも同一回転速度にも適宜調整できるようになっている。
【0058】
この場合、撹拌羽根駆動軸120は、その下端部に設けられたカップリング120aを介してモータ駆動軸130aに接続されている。このモータ駆動軸130aは、モータ室106内に設置された撹拌羽根駆動用モータ130により回転駆動される。これに対し、回転円板駆動軸118は、その下端部に嵌着されたプーリ128a、駆動ベルト128bを介して、モータ室106内に設置された回転円板駆動用モータ128により回転駆動される。
【0059】
なお、回転円板114には、その通気部114aより内方の回転円板駆動軸118の取着固定部近傍に、撹拌羽根122のボス122a下部に連通する透孔1114cが穿設されている。
【0060】
一方、撹拌羽根122よりやや上方の処理容器側壁部および撹拌羽根122の中央上方には、液タンク166と接続されたスプレー装置170が設けられている。これにより、液タンク166で調整されポンプ168で圧送されたコーティング液またはバインダー液がスプレー装置170により流動室102に噴霧される。
【0061】
さらに、処理容器100内の上部にはバグフィルター172およびバグフィルター清浄用のジェットノズル174が設置されている。バグフィルター172は、バククロスによって微粉を補集するものであり、これにより処理容器100内の粉体に種々のフローパターンを与えた空気流に同伴する微粉が補集される。また、ジェットノズル174は高圧エアーパルス式のエア噴射ノズルであり、これによりバグフィルター172に付着した微粉が処理容器100内に払い落とされバククロスが清浄にされる。
【0062】
バグフィルター172の上部には、粉塵爆発やガス爆発時に爆発圧を大気に放出し処理容器100を破壊から守るための蝶番式の爆発放散用蓋176が取り付けられている。また、処理容器100の頂部側面にはバグフィルター172によって微粉が除去された排気を系外に排出する排気ダクト178が連結されている。
【0063】
ところで、当該装置Bには、回転円板114等を浸漬して洗浄を行っても、回転円板114の軸受体116等の回転駆動機構には洗浄液Wが入り込まないような構成となっている。すなわち、回転円板114の下方、流動エアー通路144内に洗浄液浸入防止機構b(以下、防止機構bと略す)が装備されており、これによって洗浄液Wの浸入を防止するようになっている。
【0064】
この防止機構bは、回転円板114の下面に隔壁180を設けるとともに、この隔壁180の内方に臨むように軸受体116の上部にパージエアー噴出口182を設けた構成となっている。そして、隔壁180内に、パージエアー供給経路134からパージエアー噴出口182を介してパージエアーを供給して空気溜め181を形成して洗浄液Wの浸入を防止している。
【0065】
ここで、隔壁180は環状の筒体であり、回転円板114の中心軸線と同軸状に回転円板114下面に取り付けられている。この場合、隔壁180は、回転円板114の通気部114aの取付ねじによって、下方に突出した状態で回転円板114と一体的に取着固定されている。また、その下側は開口状態となっている。
【0066】
一方、軸受体116上部と回転円板114下面との間には、シールカバー(カバー部材)134cとVリング(可撓性部材)134dによってパージエアー供給経路134が形成されている。この場合、シールカバー134cは、軸受体116の上部に装着固定された環状部材であり、その上縁にはVリング134dが取着固定されている。また、Vリング134dは、例えばシリコンゴムまたはネオプレンゴムよりなる可撓性を有するシール材であり、その上縁が隔壁180の空気溜め181内において回転円板114の底面に接触している。そして、これらにより軸受体116と回転円板114の間には、その内部に空隙部134aを有するパージエアー供給経路134(空気供給手段)が形成されている。なお、Vリング134dは、空隙部134aからパージエアー圧を受けると上縁が柔軟に屈曲して、回転円板114との間にパージエアー噴出口182を形成するようになっている。
【0067】
軸受体116は内外筒からなる二重管構造となっており、その外筒側の中空部116cには、エアーパージ管132が配設されている。なお、内筒側には、前述のように、回転円板駆動軸118が回転支持されている。このエアーパージ管132は、パージエアー供給経路134内の空隙部134aに開口しており、図示しないパージエアー供給源からパージエアーが供給される。これにより、エアーパージ管132に供給されたパージエアーは、空隙部134aに引導されることになる。そして、パージエアー圧を受けたVリング134dの上縁部が回転円板114から離脱してパージエアー噴出口182が形成され、これにより、空隙部134aに圧送されたパージエアーが隔壁180から噴出する。
【0068】
なお、パージエアー供給経路134は、回転円板114に穿設された透孔114cに連通しており、この透孔114cを介して、撹拌羽根122のボス122a下部と回転円板114上部との間に形成された空隙部134bに連通している。また、この装置Bでは、Vリング134dをシールカバー134c上縁に取り付けて回転円板114の下面と摺接するようにしているが、Vリング134dを回転円板114の下面に取り付け、シールカバー134c上縁と摺接するようにしても良い。
【0069】
次に、このような構成からなる装置Bの洗浄方法について説明する。当該装置Bでは、回転円板114や回転円板駆動軸118を軸受体116から外したり、撹拌羽根122や撹拌羽根駆動軸120を回転円板駆動軸118から外したりすることなく行われ、そこではまず隔壁180内にパージエアーが供給される。すなわち、パージエアー供給源から、エアーパージ管132→軸受体116上部の空隙部134aにパージエアーが送られる。空隙部134aでは、Vリング134dにパージエアー圧が加わり、Vリング134dが撓んでパージエアー噴出口182が形成され隔壁180内にパージエアーが噴出する。そしてこれにより、隔壁180内に空気溜め181が形成される。なお、隔壁180内へのパージエアーの供給は連続的に行われる。
【0070】
次いで、処理容器底部104を水密構造にするべく、排出シュート110、スリットエアー流量調整弁160、流動エアー流量調整弁162を閉じる。その後、洗浄液供給バルブ115を開き、流動室102内に洗浄液Wを供給する。これにより、流動室102内下部に設けられた回転円板114が洗浄液Wによって浸漬される。この場合、スリット124等を介してスリットエアー通路142や流動エアー通路144内にも洗浄液Wが流入し、これらもまた洗浄液Wによって満たされる。
【0071】
ここで当該装置Bでは、スリットエアー通路142や流動エアー通路144内が洗浄液Wによって満たされても、前述の防止機構bにより、洗浄液Wが軸受体116等に浸入しないようになっている。すなわち、隔壁180内に対しては、パージエアー噴出口182から、貯留された洗浄液Wによる圧力より高い圧力のパージエアーが送給されている。従って、隔壁180内には洗浄液Wの水圧より高圧の空気溜め181が形成され、その結果、この空気溜め181が、Vリング134dの周囲を取り巻き、回転円板114と回転円板駆動軸118の隙間や、軸受体116と回転円板駆動軸118の隙間、さらに軸受体116や回転円板駆動軸118の貫通部118aへの洗浄液の浸入を防ぐことができる。
【0072】
一方、軸受体116上部の空隙部134aに送給されたパージエアーは、回転円板114の透孔114cを介してボス122a下部の空隙部134bにも圧送される。そして、その空隙部134bにも空気溜め181が形成され、その結果、回転円板114と撹拌羽根122間の隙間からの洗浄液Wの浸入を防ぐことが可能となる。
【0073】
そして、軸受体116等への洗浄液Wの浸入を防いだ状態で回転円板駆動軸118と撹拌羽根駆動軸120を駆動して回転円板114と撹拌羽根122をそれぞれ水平回転させる。この際、回転円板114と撹拌羽根122の回転により巻き起こる渦流によって回転円板114や撹拌羽根122自体に付着した汚れは勿論のこと、流動室102内部に付着した汚れも強制的に洗浄される。一方、この渦流によって洗浄された汚れは、渦流と共に発生する遠心力によって処理容器100の内壁100b沿いに追いやられ、排出し易いようになる。このようにして流動室102内を洗浄した後、排水弁186を開き廃液溜184から洗浄廃液を排出する。なお、図中188は切換ダンパーであり、廃液の排出時はスリットエアー通路142と流動エアー通路144を通る廃液をひとまとめに廃液溜184に溜めるべく点線のように切り換えられる。
【0074】
洗浄液Wによる洗浄の後、流動室102内のすすぎ洗いが行われる。このすすぎ洗いは洗浄水を用いて行われ、回転円板114や回転円板駆動軸118等を外すことなく、前述同様の手順を繰り返すことによって作業が行われる。これにより、流動室102や回転円板114、回転円板駆動軸118等に汚れを残すことなく洗浄作業が完了する。
【0075】
このように、本発明による装置Bでは、前述の防止機構bにより軸受体116等に洗浄液Wが入り込まないようになっているため、回転円板114や回転円板駆動軸118、撹拌羽根122等を外すことなく洗浄を行うことができる。また、洗浄液Wに浸漬した回転円板114や撹拌羽根122を回転させて洗浄を行うこともできるため、流動室102内に発生する渦流により、回転円板114や撹拌羽根122のみならず、流動室102内を効率良く洗浄することができる。
【0076】
さらに、軸受体116の外筒側に空気溜め181に通じるエアーパージ管132を設けたことにより、エアーパージ管132によって邪魔されることなく回転円板114を回転駆動できる。また、空気溜め181によって回転円板駆動軸118における軸受体貫通部分への洗浄液の浸入を阻止でき、軸受体116等の駆動部の腐食による機械的不具合を防止できる。なお、エアーパージ管132を軸受体116の外筒側に設けた構成は、特に図2, 3のような、遠心転勤、浮遊流動、旋回流動および整粒機能を有する複合型の造粒乾燥コーティング装置における軸受体貫通部分への洗浄液の浸入阻止に有効である。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0078】
たとえば、パージエアーの供給は、空気溜め74, 181が維持される状態であれば、必ずしも常時供給する必要はない。例えば、洗浄液Wを供給している間はエアを供給し、一旦水密状態になった後には供給を停止したり、供給を断続的にしたりしても良い。また、供給量を適宜変化させるようにもできる。
【0079】
さらに、洗浄形態は、前述のような「洗い→すすぎ」の形態には限られない。例えば洗剤の種類を変えて2度洗った後にすすぎを行ったり、すすぎを複数行ったりすることも可能である。これは、特定の溶剤や酸、アルカリ等に溶けやすい材料を一旦それらで洗い、次にそれを洗うために洗剤を用いる場合などが想定されるためであり、洗浄形態は任意である。
【0080】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその利用分野である遠心流動型の造粒コーティング装置や複合型の造粒乾燥コーティング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば、他の形式の粉粒体処理装置にも適用できる。
【0081】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0082】
(1)回転円板の下面に空気溜めを設け、この空気溜めに水圧を超える圧力のパージエアーを供給するようにしたことにより、処理容器内を液体にて浸漬しても軸受体に液体が浸入しないという効果がある。従って、処理容器内に洗浄液等の液体を溜め置くことが可能となり、回転円板や軸受体等を取り外すことなく処理容器内を洗浄することが可能となる。そしてこれにより、処理容器内の洗浄を自動化することができ、作業の効率化を図ることが可能となる。また、軸受体や駆動部等の腐食による機械的不具合も防止できる。
【0083】
(2)また、洗浄液内で安心して回転円板を回転させることができるため、回転円板の回転により巻き起こる洗浄液の渦流によって、流動室自体の洗浄は勿論のこと、回転円板や軸受体等の駆動部などの汚れをも強力に洗浄し得る。さらに、回転円板の回転による遠心力で汚れ物質を外側へ排斥することができ汚れ排出効率を高めることができる。これにより、処理容器内に汚れの残留付着が生ずることなく、コンタミネーションを防止できるので、サニタリ性を向上することが可能となりバリデーションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1である遠心流動型の造粒コーティング装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2である複合型の造粒乾燥コーティング装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】図2の造粒乾燥コーティング装置の要部説明図である。
【符号の説明】
10 架台
12 処理容器
12a 側壁
14 流動室
15 スリット
16 回転円板(回転体)
16a 周縁
18 処理容器底部
20 空気流入室
22 熱風発生装置
24 熱交換器
26 装置蓋
28 スプレー装置
29 液体容器
30 粉末供給装置
30a 粉末供給口
31 ポンプユニット
32 製品排出口
34 排出弁
36 隔壁
37 開口部
38 駆動軸
40 軸受体
42 中空部
44 パージエアー噴出口
46 パージエアー供給ロ
47 供給ホース
48 パージエアー供給経路(空気供給手段)
50 プーリー
52 ロータリージョイント
54 軸受
56 ベルト
58 間隙
60 排出管
62 排出口
64 開口部
66 給気孔
68 空気供給管
70 仕切弁
74 空気溜め
100 処理容器
100a 処理容器胴体部
100b 内壁
102 流動室
102a 内壁面
104 処理容器底部
106 モータ室
108 原料投入口
110 排出シュート
112 排出弁
114 回転円板(回転体)
114a 通気部
114b スリット形成面
114c 透孔
115 洗浄液供給バルブ
116 軸受体
116a 開口部
116b 貫通部
116c 中空部
117 ベアリング
118 回転円板駆動軸
118a 貫通部
120 撹拌羽根駆動軸
120a カップリング
122 撹拌羽根
122a ボス
122b 撹拌翼
122b 撹拌羽根
124 スリット
126 解砕機構
128 回転円板駆動用モータ
128a プーリ
128b 駆動ベルト
130 撹拌羽根駆動用モータ
130a モータ駆動軸
132 エアーパージ管
134 パージエアー供給経路(空気供給手段)
134a 空隙部
134b 空隙部
134c シールカバー(カバー部材)
134d Vリング(可撓性部材)
142 スリットエアー通路(空気流入室)
144 流動エアー通路(空気流入室)
146 隔壁
146a 上側部材
146b 下側部材
148 シールリング
150 ねじ
152 給気ファン
154 給気ダクト
156 フィルタ
158 熱交換器
160 スリットエアー流量調整弁
162 流動エアー流量調整弁
164 隔壁
166 液タンク
168 ポンプ
170 スプレー装置
172 バグフィルター
174 ジェットノズル
176 爆発放散用蓋
178 排気ダクト
180 隔壁
181 空気溜め
182 パージエアー噴出口
184 廃液溜
186 排水弁
A 造粒乾燥コーティング装置
B 造粒乾燥コーティング装置
W 洗浄液
a 洗浄液浸入防止機構
b 洗浄液浸入防止機構

Claims (7)

  1. 粉粒体が供給される流動室を有する処理容器と、処理容器底部に取り付けられた軸受体により回転自在に支持される駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられ前記流動室を上面側に形成し空気流入室を前記処理容器底部との間で下面側に形成する回転円板とを有し、前記粉粒体を前記回転円板の回転により転動させると共に、前記空気流入室から前記流動室内に供給される気体により流動させた状態で前記粉粒体を処理する粉粒体処理装置であって、
    前記回転円板の下面に前記空気流入室に突出して設けられ、前記軸受体の上方に空気溜めを形成する環状の隔壁と
    前記処理容器内を洗浄する際に、前記処理容器内に貯留された洗浄液が前記空気溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアーを前記空気溜めに供給し、前記空気溜め内への前記洗浄液の流入を妨げる空気供給手段とを有することを特徴とする粉粒体処理装置。
  2. 請求項1記載の粉粒体処理装置であって、前記空気供給手段は、前記駆動軸に形成された中空部と、前記空気溜めに臨んで前記駆動軸の一端側に前記中空部と連通して開口されたパージエアー噴出口と、前記駆動軸の他端側に前記中空部と連通して開口されたパージエアー供給口とを有してなることを特徴とする粉粒体処理装置。
  3. 請求項1記載の粉粒体処理装置であって、前記空気供給手段は、前記軸受体の上部に水密に取り付けられたカバー部材と、前記カバー部材の上縁と前記回転円板下面との間に配設された可撓性部材とを有し、前記カバー部材と前記可撓性部材により前記回転円板の駆動軸の周囲に空隙部を形成すると共に、前記パージエアにより前記空隙部と前記空気溜めとが連通して前記空気溜め内にパージエアーを供給することを特徴とする粉粒体処理装置。
  4. 粉粒体が供給される流動室を有する処理容器と、処理容器底部に取り付けられた軸受体により回転自在に支持される駆動軸と、前記駆動軸に取り付けられ前記流動室を上面側に形成し空気流入室を前記処理容器底部との間で下面側に形成する回転円板とを有し、前記粉粒体を前記回転円板の回転により転動させると共に、前記空気流入室から前記流動室内に供給される気体により流動させた状態で前記粉粒体を処理する粉粒体処理装置の洗浄方法であって、
    前記回転円板の下面に前記空気流入室に突出して設けられた環状の隔壁によって前記軸受体の上方に形成された空気溜めに、前記処理容器内に洗浄液が貯留された際に前記洗浄液が前記空気溜めに及ぼす圧力よりも高い圧力のパージエアーを供給しつつ前記処理容器内に洗浄液を供給し、この洗浄液によって前記回転円板を浸漬して前記処理容器内部を洗浄することを特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方法。
  5. 請求項4記載の粉粒体処理装置の洗浄方法であって、前記回転円板を前記洗浄液中にて回転させて洗浄を行うことを特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方法。
  6. 請求項4または5記載の粉粒体処理装置の洗浄方法であって、前記洗浄液を排出した後、前記処理容器内に洗浄水を供給貯留してすすぎ洗いを行うことを特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方法。
  7. 請求項6記載の粉粒体処理装置の洗浄方法であって、前記回転円板を前記洗浄水中にて回転させてすすぎ洗いを行うことを特徴とする粉粒体処理装置の洗浄方法。
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