JPH1147258A - ゼラチンとコラーゲンとを含有する医用基材 - Google Patents

ゼラチンとコラーゲンとを含有する医用基材

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JPH1147258A
JPH1147258A JP9205029A JP20502997A JPH1147258A JP H1147258 A JPH1147258 A JP H1147258A JP 9205029 A JP9205029 A JP 9205029A JP 20502997 A JP20502997 A JP 20502997A JP H1147258 A JPH1147258 A JP H1147258A
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gelatin
collagen
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medical
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JP9205029A
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English (en)
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Akihisa Sugiyama
章寿 杉山
Toshimasa Sugie
稔正 杉江
Hiroaki Yanagawa
博昭 柳川
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Original Assignee
Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体適合性に優れるとともに、架橋剤による安
全性の問題が排除され、医用基材としての耐水性及び形
態維持性を備えた医用基材を提供する。 【解決手段】生体適合性を備えたゼラチンとコラーゲン
とを必須基材構成成分として含有し、紫外線を照射して
架橋させ、耐水性、形態維持性を付与した医用基材とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゼラチンとコラー
ゲンとを必須基材構成成分とする医用基材及びその製造
方法に関する。さらに詳しくは、細胞培養担体、熱傷、
創傷、褥瘡、擦過傷または皮膚潰瘍などの皮膚欠損剤に
用いて、欠損組織を早期に再建させるまたは治療するた
めに用いる培養皮膚あるいは創傷被覆材等に適した医用
基材に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼラチンはほ乳動物の骨や皮膚に多く存
在するコラーゲンが変性したものであり、生体適合性に
優れており、しかも体内で容易に分解消化されるので、
食品、医用品として様々な用途で使用されている。医療
用具としては、スポンジ状としたものが止血剤として、
ゼラチンシートが癒着防止材などとして開発されてい
る。また、ゼラチンは、培養皮膚担体や創傷被覆材とし
ても提案されている。
【0003】しかし、水溶性であるゼラチンの成形物に
おいてその形態を一定期間安定して保持して、医用基材
としてよりいっそう十分に機能させるには、種々の架橋
剤により架橋して一定の耐水性や物理的強度を付与する
必要がある。ここに、培養皮膚担体、創傷被覆材、ある
いは人工食道などの人工臓器のための細胞培養担体など
の医療用具としてゼラチンを用いる場合には、架橋剤と
しては、エチレングリコールジエチルエーテルなどのポ
リエポキシ化合物、グルタルアルデヒドなどのアルデヒ
ド類、ヘキサメチレンジイソシアナート等のジイソシア
ネート類が一般に用いられている。
【0004】特公平6−79616号公報には、ゼラチ
ンを利用した架橋化医用品として、ゼラチンをポリエポ
キシ化合物で架橋したものが記載されている。しかしな
がら、かかる架橋剤には細胞毒性があることが知られて
いる(第15回日本バイオマテリアル学会大会予稿集、
第181頁参照)。また、架橋剤を用いた架橋処理にお
いては、通常、水などによる洗浄処理により未架橋の架
橋剤を除去するが、完全に除去できるとは限らない。さ
らには、ゼラチンと結合するものの、依然として未反応
基を有する架橋剤の不活性化処理する必要も生じる。ま
た、ゼラチンの薄膜と、ゼラチンの多孔性シートとを組
み合わせた二層性タンパク質シートが特開平5−176
983号公報に開示されているが、この二層性シートに
おいても、耐水性と細胞培養用培養液中での安定性や生
体内での安定性を向上させるには、架橋剤が添加される
ため、依然として架橋剤による安全性が問題となる。ま
た、ゼラチンに紫外線を照射して架橋することで不溶化
することも可能であるが、不溶化を達成するには、大き
な紫外線量が必要となる。また、大きな紫外線量をゼラ
チンに照射すると、柔軟性が失われ、茶褐色に変質して
変性を起こしてその特性を失ってしまう場合もある。さ
らに、架橋により耐水性を付与したゼラチン成形体であ
っても、依然としてその物理的強度が小さく、脆弱で扱
い難いものでしかない。
【0005】したがって、ゼラチン基材に、細胞を播種
し、液体培地中で培養することで作製される培養皮膚を
作製しようとすると、基材の強度が低下してすぐに分解
してしまうのである。また、創傷被覆材として傷面に適
用した場合には、創傷面からの浸出液によって、容易に
分解されてしまうので、被覆する効果が薄いばかりか、
感染しやすいなどの危険があり、頻繁な包帯交換が必要
となってしまう。さらに、創傷被覆材に薬剤や生理活性
物質などを添加して徐放させたい場合にも、こうした創
面での溶解が早いゼラチン基材は、選択することができ
ない。
【0006】このような状況下、医用基材の材料として
は、同様に生体適合性のあるコラーゲンが選択されてき
ている。しかしながら、コラーゲンは、非常に高価であ
るため、特に、広い被覆面積を要する被覆材や培養皮膚
においては実用的ではなかった。また、コラーゲンを架
橋剤を用いて架橋したものは、物理的強度や生体内安定
性は十分に確保されるものの、ゼラチンと同様、架橋剤
による生体への影響があることに加え、架橋による高分
子化のために創傷部に適用した際に分解が遅く、分解に
係る炎症反応が長期にわたって続き、そのために創傷の
治癒が遅延することがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、ゼラチン
の医用基材は、架橋剤に起因する問題があるとともに、
架橋してもなおその耐水性や物理的強度が低いという問
題があった。一方、コラーゲンの医用基材においては、
耐水性及び物理的強度ともゼラチンを上回っているが、
架橋剤により架橋した場合には、ゼラチンの医用基材と
同様に架橋剤に起因する問題点の他、生体内における分
解性の調整が困難であるという問題があった。すなわ
ち、生体適合性に優れるとともに、架橋剤による安全性
の問題が排除され、医用基材として適切な耐水性、物理
的強度、生体内安定性等の生化学的特性を備えた実用的
な医用基材については、未だ知られていないのが現状で
あり、かかる医用基材及びそのような医用基材の製造方
法の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは、細胞培養担体、培養皮膚、あるいは創傷被覆
材等として使用可能な医用基材であって、生体適合性に
優れ、架橋剤による安全性の問題が排除され、かつ医用
基材として適切な生化学的特性を備えた基材の製造につ
いて鋭意検討した結果、生体適合性に優れるゼラチンと
コラーゲンとの双方を必須構成成分として含み、架橋剤
によらないで、ゼラチン及び/又はコラーゲン間を架橋
することにより、上記した課題を解決できることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、ゼラチンとコラーゲ
ンとを必須基材構成成分として含有し、紫外線が照射さ
れて架橋されていることを特徴とする医用基材を提供す
るものである。本発明によると、ゼラチンとコラーゲン
とを必須基材構成成分として含有するために、良好な生
体適合性を備えているとともに、これらの必須基材構成
成分が架橋剤によらないで紫外線照射で架橋されている
ので、架橋剤の生体への影響が排除されている。しか
も、ゼラチンのみを必須構成成分とする場合、あるいは
コラーゲンのみを必須構成成分とする場合に比して、医
用基材として適切な耐水性、物理的強度、生体内安定性
並びに分解性等の生化学的特性が発揮される。本明細書
において、架橋されているとは、ゼラチン同士、コラー
ゲン同士、及びゼラチンとコラーゲン間のうち、少なく
とも1種類以上において架橋されていることを意味す
る。この医用基材は、細胞培養担体であること、あるい
は医用基材にほ乳動物細胞由来の皮膚細胞が培養されて
いることを特徴とする培養皮膚であること、あるいは創
傷被覆材であること、あるいはバンテージコンタクトレ
ンズであることが好ましい形態である。この医用基材
は、前記ゼラチンと前記コラーゲンとの重量比が7:3
〜2:8であることが好ましい形態である。
【0010】また、本発明者らは、ゼラチンとコラーゲ
ンとを必須基材構成成分として含有する成形体に、紫外
線を照射することを特徴とする医用基材の製造方法を提
供するものである。この方法によると、ゼラチンとコラ
ーゲンとの配合比や紫外線照射の程度を調整して、所望
の生体分解性と物理的強度等の生化学的特性を付与した
医用基材を得ることができる。また、架橋剤によらない
で架橋するので、架橋剤の除去工程が排除されるととも
に、架橋剤による生体への影響が排除された医用基材を
得ることができる。また、ゼラチンとコラーゲンとを必
須基材構成成分として含有する混合液を、ゲル状成形体
とし、この成形体に紫外線を照射することを特徴とする
医用基材の製造方法を提供するものである。この方法に
よると、特に、ゲル状成形体を経て紫外線を照射して架
橋させるため、より形状の安定した医用基材を得ること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の医用基材は、細胞培養担体、培養皮膚、創傷被
覆材、止血材、癒着防止膜、バンテージコンタクトレン
ズなどの他、細胞組み込み型の移植用材料の全体あるい
は一部を形成する基材を総称するものである。したがっ
て、基材の形態は、用途に応じて種々あって、その形態
を限定するものではない。また、本発明の基材は、実質
的に中実状あるいは、多孔質状等の構造を有するもので
あり、その構造を限定するものでもない。 (ゼラチン)本発明に係る基材に使用されるゼラチン
は、主として、牛骨、牛皮又は他のほ乳類の骨、皮膚か
らアルカリ法または酸性法によって工業的に得られるも
のでよい。これらのゼラチンを更に精製し、例えば、日
本薬局方のゼラチン又は精製ゼラチンの規格を満たすよ
うにしたものが好ましい。また、市販のコラーゲンを熱
変成させてゼラチンとしたものも使用できる。さらに、
ゼラチンの側鎖を化学修飾した誘導体も含まれる。化学
修飾には、カルボキシル基のエステル化、アミノ基のア
セチル化及びグアニジル化、水酸基のアセチル化等があ
る。
【0012】(コラーゲン)本発明の基材におけるコラ
ーゲンは、医療上既に多用され、種々のタイプが市販さ
れており、これらを特に限定することなく使用すること
ができる。好ましくは、牛や豚の皮膚や腱などから抽出
されたものである。さらに、より安全性を高める観点か
ら、コラーゲンを例えばプロテアーゼやペプシン等の酵
素で処理してテロペプチドをできる限り除去したアテロ
コラーゲンを、用いるのが好ましい形態である。さら
に、基材の用途によってI 、II、III 、IV型を選択して
用いる。培養皮膚や創傷被覆材としては、真皮の構成成
分に近いI 、III 型を単独あるいは組み合わせたものを
用いることが好ましい。
【0013】本発明の基材は、コラーゲンとゼラチンと
を必須基材構成成分とし、コラーゲンとゼラチンのみで
も基材を構成することができる。本発明の基材は、紫外
線が照射されて架橋されている。ゼラチンあるいはコラ
ーゲン単体に紫外線を照射することにより、紫外線に感
度があるアミノ酸間において架橋されることが知られて
いる。紫外線による架橋は、化学的な架橋剤によらない
架橋であるので、かかる架橋剤の生体へ及ぼす影響が排
除される。ゼラチンとコラーゲンとの混合比(重量比)
は、医用基材の用途に応じた性能が得られる範囲を選択
することができ、その混合比の範囲を限定するものでは
ないが、ゼラチンとコラーゲンとの重量比が7:3〜
2:8であることが好ましい。耐水性、物理的強度、生
体内安定性の向上に関しては、ゼラチンに対するコラー
ゲンの重量比を高めること、及び/又は照射する紫外線
線量強度を大きくして架橋程度を高めること、によって
調整することができる。一方、生体内での分解性を向上
させるには、コラーゲンに対するゼラチンの重量比を高
めること、及び/又は照射する紫外線線量強度を小さく
して架橋程度を低くすること、によって調整することが
できる。
【0014】さらに、本発明の基材には、基材の用途に
応じて、これらの必須構成成分の他、生体適合性のある
高分子や、生体内吸収性高分子、生体分解性高分子等を
基材構成成分として、必須基材構成成分の生体適合性、
成形、架橋等を妨げない程度に混合することができる。
具体的には、ヒアルロン酸、キチン、キトサンやムコ多
糖のような糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等の合成
高分子またはこれらの共重合体、ポリメタクリル酸ヒド
ロキシエチル等の高含水高分子、フィブリンやアルブミ
ン等のタンパク質を混合することができる。
【0015】本発明の医用基材が、架橋剤によることな
く架橋されることにより、生体や細胞への悪影響が排除
されていることを確認するために、ゼラチンとコラーゲ
ンとを必須基材構成成分とする成形体を作製し、グルタ
ルアルデヒド、エポキシ化合物、紫外線照射の3種の架
橋法により架橋して、3種の架橋医用基材を作製し、こ
れらの基材に線維芽細胞を播種して、その細胞増殖性を
確認した。
【0016】pH3に調製した蒸留水に日本薬局方ゼラ
チンを25℃で溶解させた1w/v %酸性ゼラチン溶液
と、pH3、1w/v %に調製したアテロコラーゲン水溶
液(三省製薬株式会社製)とを、25℃下で、体積比で
7:3で混合し、酸性のゼラチン−コラーゲン混合溶液
を調製した。均一に混合されたこの混合液を超音波中で
脱気し、脱気後の混合液55mlをプラスチックケース
(幅190mm×奥行き90mm×高さ25mm)に注
入し、5℃に10時間静置した後、この温度環境下アン
モニアガス雰囲気にさらに2時間静置して板状のゲル状
成形体を得た。
【0017】得られた厚さ約25mmのゲル状体を、以
下に示す3種の方法で架橋し、真空凍結乾燥してスポン
ジ状の架橋医用基材を作製した。 (1)グルタルアルデヒド架橋 調製したゲル状成形体を、グルタルアルデヒド(和光純
薬株式会社製)の0.1v/v %PBS(−)溶液に1時
間浸漬し、その後、イオン交換水で洗浄し、このゲル状
成形体を−85℃で凍結し、真空凍結乾燥機で乾燥し、
スポンジ状医用基材を得た。 (2)エポキシ架橋 調製したゲル状成形体を、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル(共栄社化学株式会社製)2gを塩化
ナトリウム溶液(塩化ナトリウム20gを蒸留水160
mlに溶解したもの)に溶解させて調製し、40℃に調
整した液に、10時間浸漬し、イオン交換水で洗浄し、
このゲル状成形体を−85℃で凍結し、真空凍結乾燥機
で乾燥し、スポンジ状医用基材を得た。 (3)紫外線架橋 調製したゲル状成形体をケースとともに、−85℃で凍
結し、さらに真空凍結乾燥機にて乾燥し、スポンジ状体
を得た。このスポンジ状体の両面を、それぞれ3.2m
W/cm2 (合計3.2mW/cm2 )の線量で15分
間ずつ、全体として、5760mWsec/cm2 の紫
外線(主波長254nm)を照射して、スポンジ状医用
基材を得た。
【0018】得られた各種スポンジ状架橋医用基材を、
直径60mmに調製し、ペトリ皿に入れ、エチレンオキサ
イド滅菌後、十分にエアレーションして、ヒト皮膚細胞
由来線維芽細胞を、5×103 cells/cm2 で播
種した。1週間、培養後、MTTアッセイを行って、細
胞密度を測定した。結果は、以下に示すとおり、紫外線
架橋した基材は高い細胞密度を呈しており、紫外線架橋
基材は、架橋剤による架橋基材に比較して、生体活性や
細胞増殖活性を、低下させなかった。 架橋医用基材の種類 細胞密度 cells/cm 2 グルタルアルデヒド架橋 3.3×104 エポキシ架橋 3.7×104 紫外線架橋 4.8×104
【0019】次に、本発明の基材の製造方法について、
説明する。 (必須基材構成成分の成形)上記した必須基材構成成分
を基材の用途に応じて適切な形態に成形した後、紫外線
を照射することにより本発明の基材を得ることができ
る。
【0020】これらの必須基材構成成分を成形体とする
には、通常、基材構成成分を溶解した混合溶液を調製
し、これを所定の形状の成形型に注入し、乾燥等する。
以下、必須基材構成成分であるゼラチンとコラーゲンの
成形体の作製について説明する。
【0021】(ゼラチン−コラーゲン溶液の調製)通
常、粉状あるいは粒状のゼラチンを蒸留水に溶解させ、
所望の濃度のゼラチン溶液を調製する。この際、ゼラチ
ンを溶解させる温度は、10〜40℃が好ましい。30
℃以下では、溶解しにくいため、強く攪拌するか、ホモ
ジナイザーなどで攪拌して溶解させる。
【0022】ゼラチン溶液のpHは、特に限定しない
が、コラーゲンとの混合溶液を調製する際に、安定した
混合溶液を調製できるようなpHであることが好まし
い。すなわち、コラーゲンをゲル化させないで溶解する
ことができることが好ましい。コラーゲンあるいはコラ
ーゲン溶液をゼラチン溶液に混合した際に、コラーゲン
の溶解を妨げないためには、弱酸性から酸性領域、すな
わち、pH2〜4.5、より好ましくは、pH3〜4に
調整して酸性ゼラチン溶液とするのが好ましい。なお、
混合するコラーゲン溶液も、同様の酸性域とするのが好
ましい。酸性ゼラチン溶液では、4℃〜35℃の範囲に
おいて、コラーゲンの溶解性を妨げることなく、しかも
ゲル化させることなく、ゼラチン−コラーゲン混合液
(以下、単に、混合液ともいう。)を調製することがで
きる。pH調整に際しては、乳酸、クエン酸、塩酸など
の酸を用いて調整するのが好ましい。なお、ゼラチン溶
液を中性域(pH6.5〜7.8)とすることも好まし
い。この中性ゼラチン溶液は、1〜5℃程度の低温下で
可溶性中性コラーゲン溶液を混合する場合には、コラー
ゲンのゲル化を妨げることなく、混合液を得ることがで
きる。
【0023】(酸性ゼラチン−コラーゲン混合溶液)酸
性ゼラチン溶液に対して、pH2〜4.5、好ましく
は、pH3〜4に調整した所望の濃度の酸性コラーゲン
溶液を、ゼラチンとコラーゲンとが、それぞれ所望の濃
度で所望の重量比となるように合わせ、10〜35℃
で、ゲル化しないように、攪拌し均一に混合して、酸性
ゼラチン−コラーゲン混合溶液(以下、単に、酸性混合
液ともいう。)を調製する。この際、酸性ゼラチン溶液
に、粉状のコラーゲン(例えば、(株)高研製を使用す
ることができる。)を溶解して、酸性ゼラチン−コラー
ゲン溶液を調製することもできる。酸性混合液調製の一
例として、ゼラチン(旭陽化学工業(株)製)を約p
H3に調整した蒸留水に溶解して1w/v %の酸性ゼラチ
ン水溶液を調製し、1w /v%のコラーゲン水溶液を約p
H3に調整して、酸性コラーゲン溶液を調製す る。こ
れらの溶液を、10〜35℃で、ゲル化しないように、
所望の比で混合 し、攪拌することにより、ゼラチンと
コラーゲンが混合された酸性混合液を得 ることができ
る。このような酸性混合液は、成形体作製までゲル化及
び凍結しないように保存される。
【0024】(中性ゼラチン−コラーゲン混合溶液)中
性ゼラチン溶液を、1〜5℃で、中性域(pH6.5〜
7.8)に調整した可溶性中性コラーゲン溶液を、凍結
しない状態で、ゼラチンとコラーゲンとが所望の重量比
となるように混合して、中性ゼラチン−コラーゲン混合
溶液(以下、単に中性混合液ともいう。)を調製する。
中性混合液調製の一例として、1w/v %ゼラチン水溶液
をpH6.5〜7.8に調整した後、滅菌ろ過し、中性
ゼラチン溶液を調製し、これと、1〜5℃で同じ中性域
に調整された0.3w/v %可溶性中性コラーゲン溶液
(滅菌済み、pH7.4)と、凍結しない状態で混合し
て中性混合液を得る。このように調製した中性混合液
は、成形体の作製まで、ゲル化及び凍結しないように保
存される。
【0025】これらの混合液におけるゼラチンとコラー
ゲンの濃度、塩類濃度、pHは、得ようとする基材の物
性を考慮して適宜設定されるものである。また、これら
の混合液におけるゼラチンとコラーゲンとの重量比は、
ゼラチンとコラーゲンとを混合して紫外線照射すること
により、所望の基材の強度等の生化学的特性を付与させ
ることができる範囲内であれば、特に限定するものでは
ない。したがって、かかる重量比は、基材の用途等に応
じて選択される。基材の耐水性、物理的強度、生体内安
定性を考慮すると、ゼラチン重量が、コラーゲン重量に
対し9倍以下であることが好ましい。より好ましくは、
ゼラチン:コラーゲン(重量比)が7:3〜2:8の範
囲である。この範囲であると、生体内分解性も確保され
やすいからである。
【0026】(成形体の作製)成形体は、これらのゼラ
チン−コラーゲン溶液を金属製やプラスチック製の所定
の形状の容器に注入した上で、ゲル化及び/又は乾燥す
ることによって得られる。成形体は、水分との関係にお
いては、ゲル状成形体や乾燥成形体があり、内部組織に
おいては、多孔質状成形体(スポンジ状成形体ともい
う。)や中実状成形体がある。また、成形体の形態は、
フィルム状、棒状、球状、紡錘状、円筒状等医用基材の
用途に応じて選択することができる。
【0027】酸性混合液を用いる場合、成形型に注入し
た酸性混合液を、ゼラチンとコラーゲンの両者がゲル化
可能な温度で静置した後、たとえば、4℃で3時間以上
静置した後、アンモニアガスと接触させることにより、
ゲル状成形体 が得られる。ゲル化の温度は、ゼラチン
及びコラーゲンの種類、濃度及び塩濃度等により異なる
が、1〜35℃、好ましくは、4〜30℃の範囲であ
る。静置時間は、必要に応じて調整する。さらに、この
ゲル状成形体を、風乾あるいはゼラチン及びコラーゲン
の変性温度以下で加熱乾燥することによって、乾燥成形
体を得ることができる。なお、酸性混合液をこのままゲ
ル化させることなく、風乾あるいは、ゼラチン及びコラ
ーゲンの変性温度以下の温度で加熱乾燥することによ
り、乾燥成形体を得ることもできる。なお、容器への注
入に先だって、酸性混合液を脱気すれば、均一な厚みと
内部組織を備え成形体を得ることができる。
【0028】中性混合液を、所定の容器に注入した後、
30〜37℃でコラーゲンをゲル化し、その後、1℃以
上10℃以下でゼラチンをゲル化することにより、ゲル
状成形体を得ることができる。また、中性混合液をその
ままゲル化させることなく、風乾あるいはゼラチン及び
コラーゲンの変性温度以下で加熱乾燥することによっ
て、乾燥成形体を作製できる。さらに、この中性混合液
を、ゲル化した後に、上記と同様に乾燥して乾燥成形体
を作製できる。なお、容器への注入に先だって、中性混
合液を脱気すれば、均一な厚みと内部組織を備えた各種
成形体を得ることができる。
【0029】特に、スポンジ状成形体を作製する場合に
は、これらの混合液を、容器に注入した後に、凍結し、
その後真空凍結乾燥することにより、所望の形状でかつ
スポンジ状成形体を得ることができる。酸性混合液ある
いは中性混合液を、直接凍結し、その後、真空凍結乾燥
することにより、スポンジ状体を作製することもできる
が、これらの混合液を、それぞれゲル化した後に、凍結
し、その後真空凍結乾燥することによって、スポンジ状
体を作製することもできる。これらのゲル化のプロセス
は、前述のそれぞれの液をゲル状成形体とするのに用い
た方法を利用できる。酸性混合液につき、低濃度のアン
モニアガス雰囲気下でゲル化を行った後、凍結乾燥を行
うと連続気泡のスポンジ状体を得ることができる。連続
気泡のスポンジ状体であると、本発明の医用基材が接す
る生体あるいは培地中の液体が循環しやすく、また、基
材に薬剤を付与した場合に、薬剤の放出が容易に行われ
る点で好ましい。
【0030】スポンジ状体を得るのに際して、ホモジナ
イザーを用いて気泡を加えた混合液を用いることによ
り、比較的大きな気泡を備えたスポンジ状体を作製する
ことができ、吸引脱気した混合液を用いることにより、
小さく均一な気泡を備えたスポンジ状体を得ることがで
きる。
【0031】こうしたゲル状成形体、乾燥成形体、スポ
ンジ状成形体等の各種成形体に、紫外線を照射すること
により、それぞれゲル状基材、乾燥基材、スポンジ状基
材等の本発明の基材を得る。紫外線を照射する環境は、
空気中でもよいが、窒素等の不活性ガス中であると、効
率良く架橋される点で好ましい。また、紫外線照射は、
成形体がスポンジ状体でない場合には、特に、成形体の
全体に紫外線が到達するように、成形体の一方側からの
みでなく、多方向から照射するのが好ましい。例えば、
成形体がフィルム状の場合、その厚みの両面に対して行
うのが好ましい。
【0032】紫外線の照射は、主として、紫外線に感度
のあるアミノ酸を持ったコラーゲン及び/又はゼラチン
を、コラーゲン同士、コラーゲンとゼラチン、ゼラチン
同士で架橋させる目的で行う。架橋に用いる紫外線の主
波長は、特に限定しないが、コラーゲン及び/又はゼラ
チンを効果的に架橋する観点から、240〜280nm
が好ましい。単位面積あたりの紫外線量は、基材として
不適当な程度にまで変性させないで、かつ、基材として
有効な耐水性、物理的強度が得られる量であればよい
が、1000〜20000mWsec/cm2 の範囲が
好ましい。この範囲であると、培養細胞単体等医用基材
としての性能を損なうことなく、基材使用中も形態が維
持され、かつ扱いやすい強度を有するからである。より
好ましくは、2000〜15000mWsec/cm2
の線量を照射する。
【0033】なお、ゲル状成形体に紫外線照射をした後
に、その後、乾燥あるいは真空凍結乾燥することにより
乾燥基材あるいはスポンジ状基材を作製することもでき
る。この場合、紫外線照射後に乾燥等するために、より
形状の安定した基材を作製することができる。
【0034】このようにして、各種形態で、しかも、実
質的に中実状あるいは、多孔質状等の構造であって、ゼ
ラチンとコラーゲンを必須基材構成成分として含み、架
橋剤によらないで架橋された医用基材を得ることができ
る。こうして作製した各種医用基材は、例えば、ほ乳動
物細胞の培養担体として良好に使用することができる。
さらに、各種細胞を播種あるいは培養した基材を、移植
用材料として使用でき、皮膚細胞を基材上で培養したも
のを培養皮膚として使用できる。また、創傷部を被覆し
て血小板凝集、線維芽細胞の増殖と移動を良好にするこ
とで創傷を治癒せしめる創傷被覆材となりうる。また、
角膜の治療、保護、眼病の治療に用いるバンデージコン
タクトレンズ等として用いることができる。
【0035】これらの例のうち、ほ乳動物細胞の培養担
体の具体的な利用方法は、ほ乳動物の線維芽細胞及び/
又は表皮細胞を、前述のように作製した中実状、スポン
ジ状、ゲル状の基材に付与することにより、熱傷、創
傷、褥瘡、擦過傷または皮膚潰瘍などの皮膚欠損創に用
いて、欠損組織を早期に再建させ、あるいは治療するた
めの移植可能な皮膚材料である培養皮膚を作製すること
である。
【0036】前記表皮細胞とは、基底細胞を含む角質化
細胞及び表皮細胞層に通常存在するその他の細胞を意味
するが、本発明においては、角質化細胞である。前記線
維芽細胞とは、真皮中の主要な細胞であり、コラーゲン
をはじめとする結合組織成分を産生し、これらの成分と
結合して結合組織を形成している細胞をいう。培養皮膚
の作製方法を以下に説明する。 (培養真皮(真皮代替物)の作製)まず、清潔な環境下
で採取された皮膚(表皮及び真皮の一部又は真皮全層)
を消毒し、抗生物質を含有する生理食塩水またはハンク
ス(Hank’s)液などの緩衝液に浸漬する。この皮
膚をディスパーゼ濃度を1000IU/mlに調製した
ダルベッコ変法イーグル最小必須培地(DMEM)(以
下、「ディスパーゼ溶液」という。)に浸漬した後、真
皮と表皮とに分離する。得られた真皮をはさみ、ホモジ
ナイザー等を用いて砕き、0.5w/v %のコラーゲナー
ゼのDMEM溶液(以下、コラゲナーゼ溶液という。)
に加えて、約6時間、約37℃にて振とうして結合組織
を溶解させた上で約400×g〜約1,000×g、好
ましくは約600×g〜約800×gで遠心分離して、
真皮線維芽細胞を採取する。得られた線維芽細胞は、F
CS(牛胎児血清)が10v/v %となるように添加され
たDMEM(以下、単に、DMEM+10%FCSとい
う。)などを培地としてCO2 インキュベーター中、3
7℃にてサブコンフルーエントとなるまで培養し、必要
に応じて多くの線維芽細胞を得るように継代培養する。
【0037】培養した線維芽細胞を、トリプシン濃度
0.25w/v %、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム
(EDTA)濃度0.005mM/mlに調製したハン
クス液(以下、トリプシン溶液という。)を用いてフラ
スコからはがして採取し、DMEM+10%FCSで懸
濁して、線維芽細胞懸濁液を調製し、5×103 〜5×
105 cells/cm2 、好ましくは、5×104
2×105 cells/cm2 の細胞密度にて本発明の
基材に播種する。細胞が基材に接着したのち、DMEM
+10%FCSを加え、5%CO2 インキュベーター中
37℃にて3日ごとに培地を交換しながら1〜14日間
培養を行う。このようにして真皮代替物である培養真皮
を得ることができる。
【0038】(培養表皮(表皮代替物)の作製)表皮細
胞は、以下の手順で調製される。前記と同様にして皮膚
から得た表皮をトリプシン溶液中、37℃で約15分間
浸漬した後、DMEM+10%FCSなどの培地中に移
し、振とうすることにより細胞を分散させ、約400×
g、5分間遠心分離することによって表皮細胞を得るこ
とができる。得られた表皮細胞は、例えば、グリーン
(Green)培地,NCTC168培地、MCDB1
53培地、特に好ましくは、グリーン培地を加えて表皮
細胞懸濁液とする。このグリーン培地とは、DMEMと
Ham’sF−12を3:1で混合し、ヒロドコルチゾ
ン(0.4μg/ml)、インスリン(5μg/m
l)、トランスフェリン(5μg/ml)、トリヨード
チロニン(0.0013μg/ml)、コレラ毒素
(0.01μg/ml)、アデニン(24.3μg/m
l)、表皮細胞因子(0.01μg/ml)と抗生物質
とが添加され、10v/v %のFCSを含んでなる表皮細
胞増殖培地である(セル(Cell)、第40巻、67
7〜683頁、1985年3月参照)。
【0039】なお、前記表皮細胞を高効率で増殖させる
には、例えば、マイトマイシン処理や放射線照射などに
よって増殖能を停止させたマウス由来の線維芽細胞であ
る3T3細胞などを支持細胞として定着させたフラスコ
中で培養を行うことが好ましい。具体的には、次のよう
にする。3T3細胞を培養した後、培地を除去してハン
クス液ですすぎ、さらにハンクス液を除去する。ついで
マイトマイシンC4μg/ml含有のDMEMを細胞全
体が十分浸かるように(75cm2 フラスコでは2〜4
mlが好ましい。)加え、37℃にて2時間程度静置し
た後、緩衝液で洗浄し、マイトマイシンCを除去する。
こうして3T3細胞は、生きたままで増殖能のみが停止
せしめられる。この増殖能を有さない3T3細胞を採取
して、前記グリーン培地に懸濁し、1×103 〜5×1
4 cells/cm 2 、好ましくは、5×103 〜3
×104 cells/cm2 の密度になるように 調製
した後、フラスコに播種する。このフラスコに前記表皮
細胞を1×103 〜5×105 cells/cm2 、好
ましくは、1×104 〜2×105 cells/cm2
の細胞密度にて播種し、CO2 インキュベーター中、3
7℃にて培養する。3T3細胞は、この培養中に表皮細
胞がコロニーを形成する過程において、フラスコ底面よ
り培地中に浮き上がり、培地を交換する際に除去される
ので、最終的に得られる表皮細胞に3T3細胞はほとん
ど含まれない。培養増殖した表皮細胞は、ディスパーゼ
溶液を加えて、37℃にて約2時間静置することにより
フラスコ底面からはがして採取することができる。な
お、表皮細胞は、必要に応じて継代培養する。具体的に
は、前記支持細胞を必要数量作製し、前記したように培
養増殖した表皮細胞を採取して、支持細胞に播種培養す
る。この際、表皮細胞が角質化しないよう注意して継代
培養する。
【0040】得られた表皮細胞をトリプシン溶液に加え
表皮細胞を分散させた後、採取し、グリーン培地を添加
して細胞懸濁液を得る。表皮細胞は、たとえば、約6×
9.5cm、厚さ約2mmのスポンジ状基材に1×10
4 〜2×105 cells/cm2 の細胞密度にて播種
する。表皮細胞が基材に接着した後、グリーン培地を加
え、5%のCO2 インキュベーター中37℃にて3日ご
と培地を交換しながら7〜21日培養すると、培養表皮
(表皮代替物)を得ることができる。また、培養フラス
コ底面から採取された層化した表皮細胞を、ディスパー
ゼ溶液ではがした後、そのままの状態で基材にのせ、グ
リーン培地を加えて5%CO2 インキュベータ中37℃
で培養することによっても培養表皮を得ることができ
る。なお、これらの培養皮膚基材として用いた本発明の
基材の大きさは、適用する部位の大きさに合わせて適宜
選択される。また、本発明の基材の厚さ及び形状は、適
用される患部の状態によって変化するが、厚さ0.2〜
30mm、形状は、シート状、棒状、球状、紡錘状、あ
るいは両側凸レンズ状などに成形するとよい。
【0041】こうして作製した培養皮膚は、薬品、化粧
品、などの皮膚刺激性などの評価のための実験モデルと
しても用いることができる。
【0042】(創傷被覆材)本発明の基材は、ゼラチン
及びコラーゲンが血小板凝集能を持ち、線維芽細胞の増
殖、移動を促進することに基づいて、創傷被覆材として
利用することができる。さらに、細胞成長因子やサイト
カイン類または薬剤を含ませることで創傷被覆材として
よりいっそう効果を持たせることができる。細胞成長因
子としては、インシュリン、トランスフェリン、アシア
ロ糖タンパク質、上皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因
子、線維芽細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、内皮
細胞増殖因子等を挙げることができる。薬剤としては、
抗炎症剤、鎮痛剤、抗生物質等の抗菌剤を挙げることが
できる。これらを基材に付与する方法としては、細胞成
長因子やサイトカイン類、あるいは薬剤を含んだ溶液中
に基材を浸漬することにより行う。または、混合液に細
胞成長因子やサイトカイン類等を混合し、この混合液で
成形等することによっても得ることができる。
【0043】創傷部での細胞成長因子やサイトカイン類
又は薬剤の放出は、浸出液への拡散に基づくものである
が、この速度は、基材の分解性によって調節することが
できる。本発明では、混合するゼラチン濃度とコラーゲ
ン濃度を変化させること、及び紫外線線量強度を変化さ
せることで分解性を調節することができる。すなわち、
初期に大量に創傷部に細胞成長因子等を放出させる設計
では、コラーゲンに対するゼラチンの重量比を高め、及
び/又は紫外線線量を小さくして架橋することで基材の
分解性を高めて成長因子等の薬剤の放出を促進させるこ
とができる。一方、薬剤等の放出速度を遅くして徐放的
に用いる場合には、ゼラチンに対するコラーゲンの重量
比を高め、および/又は紫外線線量を大きくして架橋す
ることで、基材の分解性を低下させるようにする。
【0044】本発明の基材は、コンタクトレンズの形状
を作製する鋳型で成形した場合には、バンテージコンタ
クトレンズを作製することができる。特に、レンズに透
明性を確保する必要があれば、ゲル状基材を選択するの
が好ましい。バンテージコンタクトレンズは、そのまま
角膜保護に用いるが、これに薬剤を含ませて治療用に使
用することができる。特に、本発明の基材をバンテージ
コンタクトレンズとして使用する場合に、基材に付与す
る薬剤としては、コンドロイチン硫酸ナトリウム、フラ
ビンアデニンジヌクレオチド、デキサメタゾン、デキサ
メタゾンスルホ安息香酸ナトリウム、リン酸ベタメタゾ
ンナトリウム、フルオロメトロン、硫酸ゲンタマイシ
ン、クロラムフェニコール、スルフイゾキサゾール、硫
酸カナマイシン、オフロキサシン、硫酸フラジオマイシ
ン、グリチルリチン酸ジカリウム、アズレン、マレイン
酸モチロール、塩酸ベフノール、塩酸カルテオロール、
などを選択することができる。バンテージコンタクトレ
ンズへこれら薬剤を含ませる方法としては、完成したバ
ンテージコンタクトレンズを薬剤液に浸漬するか、ある
いは、ゼラチン−コラーゲン溶液にこれらの薬剤を混合
してこの混合液で基材を作製する。
【0045】
【実施例】以下、本発明について、実施例をあげて具体
的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定
されるものでは決してない。 (実施例1:スポンジ状基材の作製)pH3に調製した
蒸留水に日本薬局方ゼラチンを25℃で溶解させた1w/
v %酸性ゼラチン溶液と、pH3、1w/v %に調製した
アテロコラーゲン水溶液(三省製薬株式会社製)とを、
25℃下で、表1に示す混合比で混合して、試験例1〜
6及び対照例の各種の酸性ゼラチン−コラーゲン溶液を
調製した。また、比較例は、ゼラチンのみを含む酸性ゼ
ラチン溶液とした。
【0046】均一に混合されたこれらの酸性混合液及び
酸性ゼラチン溶液を超音波中で脱気し、脱気後の各液5
5mlをプラスチックケース(幅190mm×奥行き9
0mm×高さ25mm)に注入し、5℃に10時間静置
した後、この温度環境下にてアンモニアガス雰囲気にさ
らに2時間静置して板状のゲル状成形体を得た。このゲ
ル状成形体をケースとともに、−85℃で凍結し、さら
に真空凍結乾燥機にて乾燥し、スポンジ状成形体を得
た。
【0047】得られた厚さ約25mmのスポンジ状体の
うち、試験例1から6及び比較例のスポンジ状体をケー
スから取り出して、このスポンジ状体の両面を、それぞ
れ1.6mW/cm2 (合計3.2mW/cm2 )の線
量で30分間ずつ、全体として、5760mWsec/
cm2 の紫外線(主波長254nm)を照射してスポン
ジ状基材とした。対照例のスポンジ状体は、紫外線照射
することなく、そのままスポンジ状基材とした。
【0048】作製した試験例1〜6の本発明のスポンジ
状基材は、ゼラチンのみで作製した比較例のスポンジ状
基材に比較して、柔軟性が良好であった。これらの試験
例、対照例および比較例につき、以下の項目について評
価した。
【0049】(1.DMEM中での形状安定性)基材の
培地中での形状安定性を評価するために、スポンジ状基
材を、DMEMに浸漬し1日後、スポンジ状基材の形態
維持の状態を観察した。 (2.コラゲナーゼに対する溶解性)創傷部に適用した
場合における基材の溶解性(生体内安定性あるいは分解
性)を評価するために、コラゲナーゼ(和光純薬工業株
式会社製)を用いて調製したコラゲナーゼ溶液(100
unit/ml)10mlに、スポンジ状基材の30m
m×30mmの試験片を浸漬して37℃で振とうし、試
験片が溶解するまでの時間を計測した。 (3.線維芽細胞の増殖性)基材が、細胞培養担体とし
て有用であるかどうかを評価するために、スポンジ状基
材を、直径60mmの円盤状の試験片に調製し、ペトリ
皿に置いてエチレンオキサイド滅菌した後、十分にエア
レーションした。これに、10%FCS溶液に懸濁した
ヒト線維芽細胞を1×103 cells/cm2 の細胞
密度となるように播種し、3日目に培地を交換して7日
間培養した。7日目のスポンジ状基材の試験片をコラゲ
ナーゼ溶液で溶解して、分離した生細胞の数をトリパン
ブルー色素排除法で計測した。 (4.引っ張り強度)基材の物理的強度を評価するため
に、スポンジ状基材を、約5日間、24℃、50%RH
の恒温恒湿室に静置して状態調節した後、JIS K7
113の1号型試験片の記載に基づいて試験片を調製し
た。インストロン万能材料試験機(インストロン社製4
30I、ロードセル10N、試験速度2.0mm/mi
n)を用い、エアチャックで試験片を保持して引っ張り
強度試験を実施し、最大引っ張り強度を測定した。これ
らの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示す結果から、ゼラチンとコラーゲ
ンを含有して紫外線照射して得た本発明の基材は、比較
例(ゼラチン単体の基材)や対照例(紫外線未照射のゼ
ラチン−コラーゲン(7:3)基材)に比較して、DM
EM(ギブコ社製)中での強度が向上されており、医用
基材としての耐水性が向上されていることが明らかであ
った。また、コラゲナーゼ溶解時間も向上されており、
創傷部に適用した場合にも、直後に分解しない適切な生
体内安定性を保持していることがわかった。引っ張り強
度についても、本発明の基材は、比較例及び対照例の基
材に比して向上されており、医用基材としての取り扱い
易さ及び物理的強度が向上されていた。さらに、ゼラチ
ンとコラーゲンの重量比を変えることにより、DMEM
中での形状安定性、コラーゲナーゼに対する溶解性、引
っ張り強度を調節することができた。線維芽細胞の増殖
性結果からは、試験例1〜5では、細胞数が10×10
3 cells/cm2 を越えており、本基材が、細胞培
養担体として有用であることがわかった。
【0052】したがって、本発明の基材は、ゼラチン−
コラーゲンを必須基材構成成分として含み、生体適合性
に優れるとともに、架橋剤による架橋をしなくても、医
用基材としての耐水性、物理的強度及び生体内安定性等
において適切な特性を備えた医用基材となっていた。
【0053】(実施例2:スポンジ状基材の作製)0.
5w/v %酸性ゼラチン溶液および0.5w/v %酸性コラ
ーゲン溶液を体積比で7:3で混合して混合液(ゼラチ
ン:0.35w/v %、コラーゲン:0.15w/v %)を
調製する以外は、実施例1と同様の方法で、試験例7の
スポンジ状基材を作製した。また、5w/v %酸性ゼラチ
ン液及び5w/v %酸性コラーゲン液を体積比で7:3で
混合して混合液(ゼラチン:3.5w/v %、コラーゲ
ン:1.5w/v %)を調製する以外は、実施例1と同様
にして試験例8のスポンジ状基材を作製した。
【0054】これら2種のスポンジ状基材につき、実施
例1の1.DMEM中での形状安定性を確認したとこ
ろ、いずれの基材も、溶解せず形態が維持された。ま
た、実施例1、3.線維芽細胞の増殖性に従って評価し
たところ、試験例7が12×103 cells/cm2
であり、試験例8が11×103 cells/cm2
あったことから、これらのスポンジ状基材は、培養皮膚
担体に使用できることが明らかであった。
【0055】(実施例3:スポンジ状基材による培養真
皮代替物の作製)本例は、実施例1で作製した試験例4
のスポンジ状基材を培養皮膚担体として用いて、培養真
皮代替物を作製した例である。清潔な環境下で採取され
たヒトの皮膚片(約2cm×2cm)をイソジン溶液に
浸漬し、数分間乾燥し、ハンクス液で洗浄後、ストレプ
トマイシン(1000μg/ml)、ペニシリン(10
00U/ml)及びアンホテシリンB(2.5μg/m
l)を混合したハンクス液に室温で、30分間浸漬し
た。次に、ディスパーゼ(合同酒精(株)製)を用いて
調製したディスパーゼ溶液10mlに4℃にて12時間
浸漬し、ピンセットを用いて表皮と真皮とに分離し、得
られた真皮部分をハサミでペースト状に砕いてコラゲナ
ーゼ溶液10mlで約6時間、37℃にて処理して結合
組織を除去した後、約700×g、5分間の遠心分離に
て線維芽細胞を得た。得られた線維芽細胞は、DMEM
(ギブコ社製)+10%FCSを用いて5%のCO2
ンキュベータ中37℃にて、プラスチック製培養フラス
コ中で3日ごと培地を交換しながら継代培養し、増殖さ
せた。
【0056】増殖させた線維芽細胞を、培養フラスコか
らはがし、試験例4のスポンジ状基材に1×104 ce
lls/cm2 の細胞密度にて播種できるようにDME
M+10%FCSで細胞懸濁液を採取した。この一方、
試験例4のスポンジ状基材をエチレンオキサイド滅菌
し、十分に空気洗浄した後、DMEM+10%FCSに
浸漬し、約1時間、37℃に静置した。この後、DME
M+10%FCSを除去し、採取した線維芽細胞を1×
104 cells/cm2 の細胞密度で播種した。
【0057】このスポンジ状基材にDMEM+10%F
CS15mlを加え、5%のCO 2 インキュベータ中で
37℃にて14日間、3日ごとに培地を交換しながら培
養した。この結果、2×105 cells/cm2 の線
維芽細胞を含む培養真皮代替物を得ることができた。
【0058】(実施例4:ゲル状基材による培養真皮代
替物の作製)ゼラチンをリン酸緩衝液に溶解して、pH
7.4、1w/v %の中性ゼラチン溶液を調製した。これ
をクリーンベンチ中で0.45μmのフィルターでろ過
滅菌した。この3mlをろ過滅菌した0.2w/v %可溶
性中性コラーゲン溶液3mlと5℃で混合して混合液
(ゼラチン:0.5w/v %、コラーゲン:0.1w/v
%)を調製し、直径60mmのペトリ皿に注入した。こ
の混合液の入ったペトリ皿を37℃のインキュベーター
で5時間静置し、その後、4℃に5時間静置して、ゲル
状成形体を作製した。このゲル状成形体に紫外線を1.
6mW/cm2 で30分照射した。こうして、作製した
ゲル状基材に実施例3と同様にして調製した線維芽細胞
を播種して7日間培養することにより、1×105 ce
lls/cm2 の線維芽細胞を含むゲル状の培養真皮代
替物を作製できた。
【0059】(実施例5:スポンジ状基材による培養表
皮代替物の作製)本例では、実施例1で作製した試験例
4のスポンジ状基材を培養皮膚担体として用いて、培養
表皮代替物を作製した例である。実施例3と同様にして
採取したヒトの皮膚片から表皮を分離し、トリプシン溶
液10mlに移し、この溶液中で15分間、37℃にて
処理した後、DMEM+10%FCS中に移し、振とう
することにより細胞を分散させ、約400×g、5分間
の遠心分離により沈殿させることによって表皮細胞を集
め、前記グリーン培地に懸濁した。この表皮細胞を高効
率で増殖させるために、以下の支持細胞を用いた。
【0060】マウス由来線維芽細胞である3T3細胞
を、DMEM+10%FCS中、サブコンフルーエント
となるまで5%CO2 インキュベーター中37℃で培養
した。次いで、培地を除去してハンクス液ですすぎ、マ
イトマイシンC(和光純薬工業(株)製)含有生理食塩
液(0.1mg/ml)を添加し、マイトマイシンCの
最終濃度が0.0004w/v %となるようにDMEMを
加えた。この培養フラスコを37℃で2時間静置した
後、ハンクス液を用いて洗浄してマイトマイシンCを除
去して、増殖能が停止した状態の3T3細胞を採取し
た。得られた3T3細胞をグリーン培地に懸濁し、細胞
数を2×104 cells/cm2 の細胞密度となるよ
うに調製して培養フラスコに播種した。
【0061】このように3T3細胞を播種した翌日、前
記表皮細胞をこの培養フラスコに播種し、37℃にて5
%のCO2 インキュベーター中で培養増殖させた。培養
増殖させた表皮細胞を、実施例1の試験例4のスポンジ
状基材に1×105 cells/cm2 の細胞密度とな
るように播種した。これをクリーンベンチ中で5時間静
置した後、グリーン培地を加えて5%のCO2 インキュ
ベーター中37℃にて3日毎に培地を交換しながら、1
4日間培養し、スポンジ基材上に表皮細胞の層化した部
分を有する培養表皮代替物を得た。
【0062】(実施例6:バンテージコンタクトレンズ
の作製)ゼラチンをリン酸緩衝液に溶解してpH7.
4、1w/v %の中性ゼラチン溶液を調製した。これと
0.2w/v %の中性可溶性コラーゲン溶液とを体積比で
3:7で、5℃で混合して中性混合液(ゼラチン:0.
3w/v %、コラーゲン:0.14w/v %)を調製し、コ
ンタクトレンズ作製用ポリエチレン製成形型の凹型に注
入し、同ポリエチレン製の凸型をこの凹型上に配設し固
定した。この混合液の入った成形型を37℃のインキュ
ベーターに5時間静置した後、4℃に5時間静置してゲ
ル状成形体を得た。この後凸型を除き、凹型中のゲル状
成形体に対して紫外線を1.6mM/cm2 で30分照
射して架橋させ、バンテージコンタクトレンズを作製で
きた。
【0063】
【発明の効果】本発明の医用基材によると、生体適合性
に優れるとともに、架橋剤を用いることなく、医用基材
としての耐水性や物理的強度等の生化学的特性に優れた
医用基材を得ることができる。また、架橋剤を用いてい
ないので、架橋剤に関する問題が排除された医用基材と
なっている。本発明の方法によると、ゼラチンとコラー
ゲンとの配合比や紫外線照射の程度を調整して、所望の
生化学的特性を付与した医用基材を得ることができる。
また、架橋剤によらないで架橋するので、架橋剤の除去
工程が排除されるとともに、架橋剤による生体への影響
が排除された医用基材を得ることができる。

Claims (8)

    【明細書】 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゼラチンとコラーゲンとを必須基材構成成
    分として含有し、紫外線が照射されて架橋されているこ
    とを特徴とする医用基材。
  2. 【請求項2】細胞培養担体であることを特徴とする請求
    項1記載の医用基材。
  3. 【請求項3】医用基材にほ乳動物細胞由来の皮膚細胞が
    培養増殖された培養皮膚であることを特徴とする請求項
    1記載の医用基材。
  4. 【請求項4】創傷被覆材であることを特徴とする請求項
    1記載の医用基材。
  5. 【請求項5】バンテージコンタクトレンズであることを
    特徴とする請求項1記載の医用基材。
  6. 【請求項6】前記ゼラチンと前記コラーゲンとの重量比
    が7:3〜2:8であることを特徴とする請求項1ない
    し5記載の医用基材。
  7. 【請求項7】ゼラチンとコラーゲンとを必須基材構成成
    分として含有する成形体に、紫外線を照射することを特
    徴とする医用基材の製造方法。
  8. 【請求項8】ゼラチンとコラーゲンとを必須基材構成成
    分として含有する混合液を、ゲル状成形体とし、このゲ
    ル状成形体に紫外線を照射することを特徴とする医用基
    材の製造方法。
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