JP2019504708A - 酵素分解に対するコラーゲン含有組織製品の安定化方法 - Google Patents

酵素分解に対するコラーゲン含有組織製品の安定化方法 Download PDF

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Abstract

架橋された組織マトリックスの製造方法、かかる方法によって製造された架橋された組織マトリックス、並びに、かかる組織マトリックスを含む組織製品が開示される。この方法は、(1)コラーゲン含有組織マトリックスを脱水して脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを形成することと、(2)脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部が架橋されるように、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを照射することと、を含む。【選択図】なし

Description

本願は、2016年2月11日に出願された米国特許仮出願第62/294,042号に対する優先権を主張するものであり、該特許仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、架橋による酵素分解に対してコラーゲン含有細胞外組織マトリックスを安定化させる方法に関する。本開示はまた、このような方法によって製造された架橋コラーゲン含有細胞外組織マトリックス、並びにこのようなマトリックスから製造される組織製品にも関する。
コラーゲン含有組織製品は、病変状態又は損傷状態の組織及び器官を再生、修復、強化、ないしは別の方法で治療するために頻繁に使用される。これらの組織製品は、患者又は動物に移植される場合、経時的な酵素分解を受け、コラーゲン及び/又は他のタンパク質を破壊し、組織製品の様々な機械的特性(例えば、破壊荷重、強度、弾性、縫合糸保持強度、剛性など)を低下又は変化させる。
分子間架橋の組み込みにより、コラーゲン系材料のいくつかの機械的特性を増大させることができる。また、架橋により、一部の酵素に対する酵素感受性を低減することができる。これにより、コラーゲン含有組織を酵素分解と、付随して起こる機械的特性の低下に対して安定化させることができる。コラーゲンは、化学的方法、例えば、アルデヒド、イソシアネート及び/又はカルボジイミド官能基を含む化学架橋剤の使用によって架橋され得る。しかし、化学架橋剤を使用すると、生体適合性の懸念が起こる場合がある。
あるいは、例えば紫外線(UV)の照射により、コラーゲン含有組織を架橋させることができる。UV光による架橋は迅速かつ効果的であり、細胞毒性の誘発リスクを伴わない。しかし、UV光は、その天然の湿潤状態によってコラーゲン含有組織マトリックスを横切るときに、並びに、リボフラビンなどの任意に追加された架橋剤の存在によって大きく減衰する。換言すれば、マトリックスの厚さが増加すると、マトリックスのより深い部分へのUV光の浸透が弱くなる。その結果、200μmを超える厚さを有するコラーゲン系マトリックスの架橋には、UV光の使用が無効とされている。
したがって、コラーゲン含有組織マトリックス、特に200μmを超える厚さを有するマトリックスを、酵素分解に対して安定化させ、その一方で特定の化学架橋剤に関係する潜在的な生体適合性の問題をも回避するための、UV光を用いる改善された架橋法の必要性がある。本開示は、かかる方法、並びに架橋された組織マトリックス、及びかかる方法によって製造されるそれらの製品を提供する。
様々な実施形態によると、架橋された組織マトリックスの製造方法が提供される。本方法は、(1)コラーゲン含有組織マトリックスを脱水して脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを形成する工程と、(2)脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部が架橋されるように、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスにUV光を照射する工程と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、無細胞組織マトリックスである。特定の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、真皮組織マトリックスである。特定の他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、筋膜、筋肉(平滑筋、心筋又は横紋筋)、心膜組織、硬膜、臍帯組織、胎盤組織、心臓弁組織、靱帯組織、腱組織、動脈組織、静脈組織、神経結合組織、膀胱組織、尿管組織、及び腸組織からなる群から選択される、組織由来である。
いくつかの実施形態では、本方法は、工程(1)の前に、コラーゲン含有組織マトリックスに光活性化架橋剤を含浸させることを更に含む。特定の実施形態では、光活性化架橋剤はリボフラビン−5’−リン酸である。特定のこれらの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、リボフラビン−5’−リン酸を含む水溶液に浸漬することによってリボフラビン−5’−リン酸を含浸させる。特定のこれらの実施形態では、水溶液は、0.1〜1.0%のリボフラビン−5’−リン酸を含む。特定のこれらの実施形態では、水溶液は、リン酸緩衝生理食塩液である。いくつかの実施形態では、本方法は、(3)架橋されたコラーゲン含有組織マトリックスを再水和する工程を更に含む。
いくつかの実施形態では、UV光はUV−A光である。特定の実施形態では、UV−A光は、約370nmの波長を有する。
いくつかの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、200μmを超える厚さを有する。特定の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、800μm以上の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、真空乾燥、空気乾燥、又は不活性ガスによる処理によって脱水される。
いくつかの実施形態では、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックス全体にUV光を照射する。他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスの1つ又は2つ以上の選択した領域にUV光を照射する。更に他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックス上の線及び/又はスポットの配列に、マスクを通してUV光を照射する。更に他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスにUV光を照射し、架橋されたコラーゲン含有組織マトリックスのパターンが得られる。特定のこれらの実施形態では、パターンは、S字状パターン、ウェブ状パターン、円形パターン、格子状パターン、線状パターン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
別の実施形態によると、上記方法によって製造された、架橋された組織マトリックスが提供される。いくつかの実施形態では、架橋された組織マトリックスは、シートの形態である。
他の実施形態によると、上記架橋された組織マトリックスを含む組織製品が提供される。いくつかの実施形態では、組織製品はヘルニア修復メッシュである。
他の実施形態によると、無細胞のコラーゲン含有組織マトリックスを含む組織製品が提供される。組織マトリックスは、200μmを超える厚さを有する可撓性シートであってもよく、このとき組織マトリックスは、組織マトリックスの表面から200μmを超える深さまで架橋され、かつ、組織マトリックスは細胞毒性残留物を含まない。特定の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、真皮組織マトリックスである。特定の他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、筋膜、筋肉(横紋筋、平滑筋、又は心筋)、心膜組織、硬膜、臍帯組織、胎盤組織、心臓弁組織、靱帯組織、腱組織、動脈組織、静脈組織、神経結合組織、膀胱組織、尿管組織、及び腸組織からなる群から選択される、組織由来である。
いくつかの実施形態では、組織マトリックスは、組織マトリックス全厚にわたって架橋される。
いくつかの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、800μm以上の厚さを有する。
いくつかの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、光活性化架橋剤で架橋される。特定の実施形態では、光活性化架橋剤はリボフラビン−5’−リン酸である。
いくつかの実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックス全体が架橋される。他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスの1つ又は2つ以上の選択した領域が架橋される。更に他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックス上の線及び/又はスポットの配列が架橋される。更に他の実施形態では、コラーゲン含有組織マトリックスは、パターン状に架橋される。特定のこれらの実施形態では、パターンは、S字状パターン、ウェブ状パターン、円形パターン、格子状パターン、線状パターン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
本開示により提供される上記及び他の特徴及び利点は、添付図面と共に読まれる場合に、次の例示的実施形態の説明からより十分に理解することができる。
特定の実施形態による、(1)0.1%及び1%のリボフラビン−5’−リン酸処理、(2)真空乾燥、(3)2時間のUV−A架橋、及び(4)PBS緩衝液中での再水和後の、コラーゲン系無細胞真皮マトリックス(ADM)の写真を示す。
実施例1、3、及び5及び比較例1、3、及び5のコラーゲン系ADMのin vitroコラゲナーゼ消化に対する感受性における、湿潤対乾燥UV−A処理の相対的効果をグラフに示す。
本願では、特に具体的に明記しない限り、単数の使用に複数を含む。本願では、特に明記しない限り、「又は」の使用は「及び/又は」を意味する。更に、用語「含んでいる」、並びに他の形態、たとえが「含む」及び「含まれる」の使用は限定的ではない。本明細書で説明される任意の範囲は、終点と、終点間の全ての値を含むと理解されよう。
本明細書で使用される任意の項目は、体系化目的のみのためであり、説明される主題に限定すると解釈されない。特許、特許出願、文献、書籍、及び論文が挙げられるがこれらに限定されない、本願に引用される全ての文書又は文書の一部は、参照によりその全体が任意の目的で本明細書に明示的に組み込まれる。
本開示は、架橋された組織マトリックスの製造方法を提供する。これらの架橋された組織マトリックスは、(1)コラーゲン含有組織マトリックスを脱水して脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを形成する工程と、次に(2)脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部が架橋されるように、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスにUV光を照射する工程と、を含む、方法によって製造される。脱水工程(1)に先立ち、コラーゲン含有組織マトリックスに光活性化架橋剤を含浸させてよい。照射工程(2)の後、架橋されたコラーゲン含有組織マトリックスを、水又はPBSなどのpH緩衝溶液で再水和し、続いて滅菌してもよい。例えば、本開示の組織マトリックスを含む架橋された再水和コラーゲンを、γ線に曝露することによって滅菌できる。
本明細書で使用するとき、「組織マトリックス」は、細胞外マトリックスタンパク質を任意の含むヒト又は動物組織を指す。細胞外マトリックスタンパク質の例としては、コラーゲン、変性コラーゲン、及び組換えコラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。本開示による組織マトリックスは、任意の型(すなわち、I型〜XVIII型)を含んでよい。特定の実施形態では、本開示の組織マトリックスは、I型コラーゲンを含む。
本開示の組織マトリックスは、ヒトの組織の再生、修復、増強、補強、及び/又は治療に有用な組織製品の製造のため、適当な厚さ、寸法及び形状を有することができる。このような厚さの特定の例として、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm、1,000μm、1,500μm、2,000μm、2,500μm、3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、5,500、6,000、6,500、7,000、7,500、8,000、8,500、9,000、9,500、10,000、10,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,500、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、20,000、20,500、21,000、21,500、22,000、22,500、23,000、23,500、24,000、24,500、25,000、25,500、26,000、26,500、27,000、27,500、28,000、28,500、29,000、29,500、30,000、30,500、31,000、31,500、32,000、32,500、33,000、33,500、34,000、34,500、35,000、35,500、36,000、36,500、37,000、37,500、38,000、38,500、39,000、39,500、40,000、40,500、41,000、41,500、42,000、42,500、43,000、43,500、44,000、44,500、45,000、45,500、46,000、46,500、47,000、47,500、48,000、48,500、49,000、49,500、又は50,000μmが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本開示の組織マトリックスは200μm以上である。他の実施形態では、本開示の組織マトリックスは800μm以上である。特定の実施形態では、本開示の組織マトリックスは、シートの形態である。
本開示の組織マトリックスは、任意の種類の組織由来であってよい。本開示の組織マトリックスの構成に使用され得る組織の例として、皮膚、皮膚の一部(例えば、真皮)、筋膜、筋肉(横紋筋、平滑筋、又は心筋)、心膜組織、硬膜、臍帯組織、胎盤組織、心臓弁組織、靱帯組織、腱組織、血管組織、例えば動脈及び静脈組織、軟骨、骨、神経結合組織、膀胱組織、尿管組織、腸組織が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の方法を用いて、任意の組織マトリックス製品に対する任意のコラーゲン組織型を架橋することができる。例えば、多くの生物学的スカフォールド材料がBadylak et al.によって説明されており、本開示の方法を用いて、当該技術分野において既知のこれら又はその他の組織マトリックスを架橋できる。Badylak et al.,「Extracellular Matrix as a Biological Scaffold Material:Structure and Function」,Acta Biomaterialia(2008),doi:10.1016/j.actbio.2008.09.013。
本開示の組織マトリックスとして、任意の細胞化組織マトリックス、無細胞組織マトリックス、部分脱細胞化組織マトリックス、外来性細胞(例えば、幹細胞)で再集団化された脱細胞化組織マトリックス、又は人工的に作製されたマトリックスが挙げられるが、これらに限定されない。特定の場合では、脱細胞化製品は、処理を容易にするため、自家源又は他の源由来の細胞を播種することができる。本明細書で使用するとき、用語「無細胞組織マトリックス」は、一般に、細胞及び/又は細胞成分を実質的に含まない任意の組織マトリックスを指す。
本開示の組織マトリックスは、様々な異なる生物学的及び/又は機械的特性を提供するように選択されてよい。例えば、無細胞組織マトリックスは、マトリックスが移植される場所において通常見られる組織の再生を支援するための、組織内成長及び再構築を可能にするように選択されてよい。別の例では、無細胞組織マトリックスは、筋膜又は他の軟組織に移植されたときに、過剰な線維化又は瘢痕形成を伴わずに筋膜又は他の軟組織の再生を可能にするように選択されてよい。特定の実施形態では、本開示の組織マトリックスは、それぞれヒト及びブタの無細胞真皮マトリックスである、ALLODERM(登録商標)又はSTRATTICE(商標)(LIFECELL CORPORATION(Branchburg,NJ))から選択してよい。あるいは、以下で更に説明するように、他の好適な無細胞組織マトリックスを用いてよい。
本開示の組織マトリックスは、脱細胞化(すなわち無細胞)又は部分脱細胞化した組織マトリックスを産生するために様々な方法で処理することができる。以下に記載する処理工程は、本開示の架橋された組織マトリックスを製造するための本明細書に記載の方法と共に(及びその前後に)使用してよい。
一般に、部分脱細胞化又は無細胞組織マトリックスの産生に関与する工程は、ドナー(例えば、ヒト死体及び動物源)から組織を採取し、生物学的及び構造的機能を保存する条件下で細胞を除去することを含む。特定の実施形態では、プロセスは、細胞除去に伴って又はその前に、組織を安定化し、生化学的及び構造的分解を回避する化学的処理を含む。様々な実施形態では、安定化溶液は、浸透、低酸素、自己溶解、及びタンパク質分解を抑制及び阻止し、微生物汚染から保護し、例えば平滑筋の構成要素(例えば、血管)を含む組織によって起こり得る機械的損傷を低減する。安定化溶液は、適切な緩衝剤、1つ若しくは2つ以上の抗酸化剤、1つ若しくは2つ以上の浸透圧用剤、1つ若しくは2つ以上の抗生物質、1つ若しくは2つ以上のプロテアーゼ阻害剤、及び/又は、1つ若しくは2つ以上の平滑筋弛緩剤を含んでよい。
続いて、組織を、コラーゲンマトリックスの生物学的及び構造的完全性を損なうことなく、構造マトリックスから生細胞(例えば、上皮細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞)を除去するために、脱細胞化溶液中に入れる。脱細胞化溶液は、適切な緩衝剤、塩、抗生物質、1つ若しくは2つ以上の洗剤、1つ若しくは2つ以上の架橋防止剤、1つ若しくは2つ以上のプロテアーゼ阻害剤、及び/又は、1つ若しくは2つ以上の酵素を含むことができる。
無細胞組織マトリックスは、細胞及び/又は細胞成分が実質的に含まれているかどうかを確認するために、多くの方法で試験又は評価することができる。例えば、光学顕微鏡を用いて加工した組織を調べ、細胞(生細胞又は死細胞)及び/又は細胞成分が残留しているかどうかを決定できる。更に、特定のアッセイを用いて、細胞又は細胞成分の存在を確認することができる。例えば、DNA又は他の核酸アッセイを用いて、組織マトリックス内の残留核物質を定量することができる。一般に、残留DNA又は他の核酸の不在により、完全な脱細胞化(すなわち、細胞及び/又は細胞成分の除去)が示されるであろう。最後に、細胞特異的成分(例えば、表面抗原)を識別する他のアッセイを用いて、組織マトリックスが無細胞であるかどうかを確認できる。脱細胞化プロセスの後、組織サンプルを生理食塩水で十分に洗浄する。
無細胞組織マトリックスを、無細胞組織マトリックス移植片のレシピエントと同種の1つ又は2つ以上の個体から作製してもよいが、必ずしもそうとは限らない。したがって、例えば、無細胞組織マトリックスをブタ組織から作製し、ヒト患者に移植することもできる。無細胞組織マトリックスのレシピエント、及び、無細胞組織マトリックスの産生のための組織又は器官のドナーとしての機能を果たすことができる種として、哺乳類、例えばヒト、非ヒト霊長類(例えば、猿、ヒヒ、又はチンパンジー)、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、スナネズミ、ハムスター、ラット、又はマウスが挙げられるが、これらに限定されない。
コラーゲン含有物質からα−galエピトープを除去すると、コラーゲン含有物質に対する免疫応答を減少させることができる。α−galエピトープは、非霊長類哺乳類及び新世界ザル(南米のサル)で、並びに、巨大分子、例えば細胞外成分であるプロテオグリカン上に発現している。U.Galili et al.,J.Biol.Chem.,263:17755(1988)。しかし、このエピトープは、旧世界霊長類(アジア及びアフリカのサル、並びに類人猿)及びヒトにはない。同文献。抗gal抗体は、胃腸細菌のα−galエピトープ炭水化物構造に対する免疫応答の結果、ヒト及び霊長類で産生される。U.Galili et al.,Infect.Immun.,56:1730(1988);R.M.Hamadeh et al.,J.Clin.Invest.,89:1223(1992)。
したがって、いくつかの実施形態では、組織源としてα−galエピトープを産生する動物を使用すると、細胞及びコラーゲン含有物質の細胞外成分からα−galエピトープが実質的に除去され、かつ、細胞α−galエピトープの再発現が阻止されて、α−galに結合している抗gal抗体と関連するコラーゲン含有物質に対する免疫応答が減少し得る。
α−galエピトープを除去するために、組織サンプルに、特定の免疫原性抗原(サンプル中に存在する場合)を除去するための1つ又は2つ以上の酵素的処理を行ってもよい。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、α−galエピトープ(組織内に存在する場合)を除去するためのαガラクトシダーゼ酵素によって処理されてよい。いくつかの実施形態では、組織サンプルを、pH6.0の100mMリン酸緩衝液中に調製した300U/Lの濃度のαガラクトシダーゼで処理する。他の実施形態では、αガラクトシダーゼの濃度を400U/Lまで上昇させ、回収組織からα−galエピトープを適切に除去する。抗原の十分な除去が達成される限り、任意の適切な酵素濃度及び緩衝液を使用してよい。
あるいは、組織を酵素で処理するのではなく、1つ又は2つ以上の抗原エピトープを欠損するように遺伝的に修飾された動物を、組織源として選択してよい。例えば、末端αガラクトース部分を欠損するように遺伝子操作された動物(例えば、ブタ)を、組織源として選択できる。適切な動物の説明には、これらの開示内容全体が、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0028228(A1)号及び米国特許6,166,288号を参照されたい。また、α−1,3−ガラクトース部分の低減若しくは欠損を伴う、又は伴わない無細胞マトリックスを産生するために、組織を処理する特定の例示的方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Xu,Hui et al.,「A Porcine−Derived Acellular Dermal Scaffold that Supports Soft Tissue Regeneration:Removal of Terminal Galactose−α−(1,3)−Galactose and Retention of Matrix Structure」,Tissue Engineering,Vol.15,1〜13(2009)に記載されている。
無細胞組織マトリックスを形成した後、組織適合性生細胞を無細胞組織マトリックス中に任意に播種して、宿主によって更に再構築され得る移植片を作製することができる。いくつかの実施形態では、組織適合性生細胞を、移植前の標準的なin vitro細胞共培養手法によって、又は、移植後のin vivo再増殖によって、マトリックスに加えることができる。in vivo再増殖は、無細胞組織マトリックス中に移行するレシピエント自身の細胞によって、又は、レシピエントから得られる細胞若しくは別のドナーから得られる組織適合性細胞を、in situで無細胞組織マトリックス内に注入若しくは注射することによって、可能である。胚性幹細胞、成体幹細胞(例えば、間葉系幹細胞)、及び/又は神経細胞などの、種々の種類の細胞を使用することができる。様々な実施形態では、移植の直前又は後に、細胞を無細胞組織マトリックスの内側部分に直接適用できる。特定の実施形態では、細胞を、移植される無細胞組織マトリックス内に配置し、移植前に培養することができる。
本開示のコラーゲン含有組織マトリックスは、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを形成するための任意の方法で脱水できる。このような脱水の好適な方法の例として、真空乾燥、空気乾燥、不活性ガスによる処理、吸湿性塩による乾燥、無水アルコール又はグリセロールなどの強吸湿性流体中への浸漬が挙げられるが、これらに限定されない。コラーゲン含有組織マトリックスは、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを形成するのに十分な時間にわたって脱水することができる。かかる時間の長さは、コラーゲン含有組織マトリックスの大きさと厚さ、コラーゲン含有組織マトリックスの水分量、脱水が行われる温度などの要因に依存する。脱水は、最低でも、コラーゲンが熱変性を開始する温度を下回る温度で行う必要がある。かかる時間の例として、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、及び24時間が挙げられるが、これらに限定されない。脱水時には、まず、濡れた組織の90%〜95%の水分量を、40℃を下回る温度で除去しなければならない。水分の残り5%の除去は、短時間、40℃を超えて温和に加熱することによって容易に行うことができる。
特定の実施形態では、本開示のコラーゲン含有組織マトリックスを、その厚さの特定の深さまで脱水させてよく(すなわち、部分厚さ脱水)、次いで、UV光を照射して、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを架橋させてよい。特に、組織厚保の特定の深さまでの脱水は、化学的乾燥によって達成できる。組織シートの一方の側のみを化学脱水剤で処理すると、シートの別の(すなわち、濡れた)側からの拡散によって再び水分が補充され得るよりも早く、処理した側の水分を除去する。これは、例えば、組織シートの片面のみにグリセロールを塗布することにより行うことができる。グリセロールに曝されている側は、半透明で乾燥状態になり、水に曝されている側は水和し不透明なままである。この手法を用いて、有効な架橋の深さを制御又は制限することができ、その結果、その厚さ、つまり層状又は薄層状構造にわたって機能的勾配を有する、本開示による架橋されたコラーゲン含有組織マトリックスが得られる。
本明細書で使用するとき、用語「架橋する」及び「架橋された」は、本開示の組織マトリックスの細胞外マトリックスタンパク質間の結合の形成と、かかる結合を有する細胞外マトリックスタンパク質を指す。これらの結合は、細胞外マトリックスのタンパク質間に形成される共有結合、静電結合(例えば、水素結合)又はこれらの組み合わせであってよい。これらの結合はまた、細胞外マトリックスの1つ又は2つ以上のタンパク質に共有結合又は静電結合している原子又は原子群(例えば、架橋剤)の結果であってもよい。
本開示の脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスに、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部を架橋するのに十分な任意の波長のUV光を照射できる。特定の実施形態では、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスに、320〜400nmの範囲の波長を有する、任意の波長のUV−A光、290〜320nmの範囲の波長を有する、任意の波長のUV−B光、100〜290nmの範囲の波長を有する、任意の波長のUV−C光、又はこれらの任意の組み合わせを照射してよい。本開示の脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの照射に使用できるUV−A光波長の例として、365〜370nmが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの照射に使用できるUV−B光波長の例として、250〜265nmが挙げられるが、これらに限定されない。
脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスに、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部を架橋するのに十分な任意の時間、UV光又は、架橋剤としてリボフラビン−5’−リン酸を含浸させるとき、電子線を照射してよい。かかる時間の例として、15分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、及び10時間が挙げられるが、これらに限定されない。また、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスに、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部を架橋するのに十分な任意の強度、例えば、1〜100mW/cmの範囲の強度のUV光を照射してもよい。かかる強度の例として、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、及び10.0mW/cmが挙げられるが、これらに限定されない。また、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスに、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部を架橋するのに十分な任意の量、例えば、12〜22キログレイ(kGy)の範囲の量の電子ビームを照射してもよい。
特定の実施形態では、所望の架橋度が達成されるまで、連続的に、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスにUV照射が行われる。他の実施形態は、所望の架橋度が達成されるまで、断続的に、UV照射が行われる。特定の実施形態では、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスがシートの形態であるとき、組織マトリックスシートは、シートの片面のみにUVが照射される。他の実施形態では、組織(issue)マトリックスシートは、シートの両側にUVが照射される。
脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部を架橋するのに十分な強度及び波長でUV光を生成できるUV光の任意の源を使用して、本開示の脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを照射できる。かかる光源として、短波長UVランプ、UVガス放電ランプ、UV発光ダイオード(LED)、UVレーザーが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを照射及び架橋するために使用できるUV架橋チャンバーの例は、Stratalinker 2400(商標)(Stratagene)である。脱水と同様に、UV照射時の温度が40℃を超えないようにする。
脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部を架橋するために、本開示の方法により、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックス全体にUV光を照射してよい。架橋により、体内の炎症性細胞による酵素分解に対する組織マトリックスの抵抗性を増大することができ、このように抵抗性が増大すると、移植後に弱まる速度を低下できることが知られている。しかし、過剰な架橋は、細胞浸潤及び組織マトリックス内の正常組織の再生に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、移植後に長期間酵素分解に耐える能力を維持すると同時に、組織マトリックスの未架橋領域内で正常な組織再生を支持するために十分な組織マトリックスの体積をもたらすため、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの1つ又は2つ以上の選択された領域のみを照射することによって、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスが局所的に架橋されることが望ましい場合がある。
組織マトリックスの局所的な架橋を、種々の他の理由で利用する場合がある。例えば、異なる強度又はその他機械的特性を作り出して、元の組織をより強くするために処理することが可能である。また、局所的に柔軟な組織マトリックスを作製し、小さな開口部に、例えば、腹腔鏡の切開部又はトロカールを通して組織マトリックスを通過させて、組織を外科医によって配置可能にできる。更に、局所的に柔軟な組織の作製は、天然の組織と伸展性を適合できる、又は組織の不均等な機械的特性に適合するのに有利であり得る。
脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの局所的架橋は、マスクを介して組織マトリックスを照射し、組織マトリックス中に架橋された線及び又はスポットの配列又はパターンをもたらすことによって達成され得る。本開示の組織マトリックスの1つ又は2つ以上の選択された領域にのみUV光を照射して得られ得る架橋パターンの例として、S字状パターン、螺旋パターン、線状パターン、曲線パターン、線形又は長手方向配列パターン、円形パターン、ウェブ状パターン、及び格子状パターンが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のコラーゲン含有組織マトリックスに、光活性化架橋剤を含浸させることができる。特定の実施形態では、光活性化架橋剤は、非細胞毒性であり、及び/又はコラーゲン含有組織マトリックスの分解時に細胞毒性残留物を放出しない。かかる非細胞毒性光活性化架橋剤の例として、リボフラビン−5’−リン酸及びその塩、ローズベンガル、バイオフラボノイド、アスコルビン酸及びその塩、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。非細胞毒性光活性化架橋剤として使用できる特定のバイオフラボノイドの例として、プロアントシアニジン、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、ケルセチン、タンニン酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。非細胞毒性光活性化架橋剤であると同時に、アスコルビン酸及びその塩は、放射線保護剤としても作用し得る(すなわち、遊離ラジカル消去による長期酸化的分解からの保護を提供する)。したがって、特定の実施形態では、本開示のコラーゲン含有組織マトリックスに、リボフラビンとアスコルビン酸との混合物を含浸させることができる。
本開示のコラーゲン含有組織マトリックスに、様々な方法で光活性化架橋剤を含浸させることができる。特定の実施形態では、本開示のコラーゲン含有組織マトリックスを光活性化架橋剤の溶液に浸漬することによって、光活性化架橋剤を含浸させる。光活性化架橋剤の溶液の溶媒は、任意の好適な生体適合性溶媒であってよい。かかる生体適合性溶媒の例として、水が挙げられるが、これに限定されない。光活性化架橋剤の溶液は、任意の好適な医薬的又は生理学的に許容される希釈剤、キャリア、賦形剤、及び/又は添加剤を更に含むことができる。したがって、特定の実施形態では、光活性化架橋剤を、水性及び非水性の両方のpH緩衝液中に配合することができる。かかるpH緩衝液の例として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、並びに、クエン酸、酢酸、及びHEPES系の水性緩衝系が挙げられるが、これらに限定されない。更に、コラーゲンは天然に緩衝された環境であるため、特定の実施形態では、光活性化架橋剤を、未緩衝生理食塩水溶液中に配合してもよい。
本開示のコラーゲン含有組織マトリックスに含浸できる光活性化架橋剤溶液は、任意の好適な架橋剤濃度を有してよい。濃度は、0.01%〜5.0%の範囲内、又は0.1%〜1.0%の範囲内であってよい。特定濃度の例として、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、及び5.0%が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示はまた、上記の方法によって作製された、架橋された組織マトリックスも提供する。これらの架橋された組織マトリックスは、患者を治療するための組織製品の製造に使用できる。例えば、種々の疾患及び/又は構造的損傷(例えば、外傷、手術、萎縮、及び/又は長期の磨耗及び変性)によって損傷又は喪失したヒト組織の再生、修復、増強、強化、及び/又は治療のために、様々な組織製品が入手できる。このような製品として、例えば、無細胞組織マトリックス、組織同種移植片若しくは異種移植片、及び/又は、再構成された組織(すなわち、生材料を作製するため細胞を播種した少なくとも部分的に脱細胞化された組織)を挙げることができる。
本開示の架橋された組織マトリックスから作製された組織製品は、欠損部の修復(例えば、ヘルニア)、組織若しくは移植片周囲の支持(例えば、豊胸及び/又は乳房再建)、又は、損傷若しくは欠損した組織の置換(例えば、外傷又は外科切除後)のために使用され得る。例えば、本開示の架橋された組織マトリックスを用いて、腹壁ヘルニアの修復に使用できる、ヘルニア修復メッシュを構成できる。特定の実施形態では、組織製品はコラーゲンスポンジである。他の実施形態では、組織製品は、注射用脂肪組織マトリックスなどの注射用コラーゲン製剤である。特定の用途に関わらず、組織製品は、組織再生及び/又は修復が起こるまで、酵素分解に対して十分に抵抗性がなければならない。
本開示の組織製品はまた、無細胞コラーゲン含有組織マトリックスを含んでもよく、この組織マトリックスは、200μm超、例えば、800μm超又は少なくとも5,000μm(すなわち、5mm)の厚さを有する可撓性シートであり、組織マトリックスは、組織マトリックスの表面から200μmを超える深さまで架橋され、組織マトリックスは、特定の化学架橋剤の使用によって生じ得るような細胞毒性残留物を含まない。組織製品がコラーゲンスポンジである特定の実施形態では、コラーゲンスポンジは、最大50,000μm(すなわち、5cm)の厚さを有してよい。組織マトリックスは、その全厚にわたって架橋され得る。コラーゲン含有組織マトリックスは、上記のいずれかの供給源由来であってよく、上記いずれかの光活性化架橋剤を用いて架橋してよい。上記のように、コラーゲン含有組織マトリックス全体、又はその1つ若しくは2つ以上の選択した領域のみを架橋できる。
本発明を以下の実施例において更に定義する。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、あくまで例示にすぎないことを理解されたい。上記の説明及びこれらの実施例によって、当業者は本発明の必須の特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な用途及び条件に適合させるため、本発明の種々の変更及び修正を行うことができる。
実施例1
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmのシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、35℃、100ミリトル未満の絶対圧力で、12〜24時間真空乾燥し、約0.7mmの厚さを有する乾燥した半透明ADMを得た。次に、乾燥した半透明ADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に移し、5.5mW/cmの強度で、2時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。続いて、ADMを、Ca又はMg塩を含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液)(標準の公称濃度は、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、138mM NaCl、及び8.06mM NaHPO・7HO)中で一晩再水和した。
比較例1
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmの「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に置き、5.5mW/cmの強度で、2時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。
実施例2
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmのシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、35℃、100ミリトル未満の絶対圧力で、12〜24時間真空乾燥し、約0.7mmの厚さを有する乾燥した半透明ADMを得た。次に、乾燥した半透明ADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に移し、5.5mW/cmの強度で、4時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。続いて、ADMを、Ca又はMg塩を含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液)(標準の公称濃度は、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、138mM NaCl、及び8.06mM NaHPO・7HO)中で一晩再水和した。
比較例2
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmの「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に置き、5.5mW/cmの強度で、4時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。
実施例3
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmのシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の0.1重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した(図1a)。次いで、リボフラビン処理したADMを、35℃、100ミリトル未満の絶対圧力で、12〜24時間真空乾燥し、約0.7mmの厚さを有する乾燥した半透明ADMを得た(図1b)。次に、乾燥した半透明ADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に移し、5.5mW/cmの強度で、2時間、370nmの波長のUV−A光を照射した(図1c)。続いて、ADMを、Ca又はMg塩を含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液)(標準の公称濃度は、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、138mM NaCl、及び8.06mM NaHPO・7HO)中で一晩再水和した(図1d)。図1dに示されるように、架橋され再水和されたADMの外観は、明黄色である。これは残留リボフラビンの存在に起因する可能性があり、更に洗浄することで除去できる。
比較例3
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmの「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の0.1重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した。次に、リボフラビン処理したADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に置き、5.5mW/cmの強度で、2時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。
実施例4
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmのシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の0.1重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した。次いで、リボフラビン処理したADMを、35℃、100ミリトル未満の絶対圧力で、12〜24時間真空乾燥し、約0.7mmの厚さを有する乾燥した半透明ADMを得た。次に、乾燥した半透明ADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に移し、5.5mW/cmの強度で、4時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。続いて、ADMを、Ca又はMg塩を含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液)(標準の公称濃度は、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、138mM NaCl、及び8.06mM NaHPO・7HO)中で一晩再水和した。
比較例4
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmの「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の0.1重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した。次に、リボフラビン処理したADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に置き、5.5mW/cmの強度で、4時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。
実施例5
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmのシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の1.0重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した(図1a)。次いで、リボフラビン処理したADMを、35℃、100ミリトル未満の絶対圧力で、12〜24時間真空乾燥し、約0.7mmの厚さを有する乾燥した半透明ADMを得た(図1b)。次に、乾燥した半透明ADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に移し、5.5mW/cmの強度で、2時間、370nmの波長のUV−A光を照射した(図1c)。続いて、ADMを、Ca又はMg塩を含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液)(標準の公称濃度は、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、138mM NaCl、及び8.06mM NaHPO・7HO)中で一晩再水和した(図1d)。図1dに示されるように、架橋され再水和されたADMの外観は、明黄色である。これは残留リボフラビンの存在に起因する可能性があり、更に洗浄することで除去できる。
比較例5
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmの「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の1.0重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した。次に、リボフラビン処理したADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に置き、5.5mW/cmの強度で、2時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。
実施例6
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmのシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の1.0重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した。次いで、リボフラビン処理したADMを、35℃、100ミリトル未満の絶対圧力で、12〜24時間真空乾燥し、約0.7mmの厚さを有する乾燥した半透明ADMを得た。次に、乾燥した半透明ADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に移し、5.5mW/cmの強度で、4時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。続いて、ADMを、Ca又はMg塩を含まないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS緩衝液)(標準の公称濃度は、2.67mM KCl、1.47mM KHPO、138mM NaCl、及び8.06mM NaHPO・7HO)中で一晩再水和した。
比較例6
ブタ真皮由来で、約1.3mmの湿潤厚さを有する、2cm×3cmの「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状無細胞真皮マトリックス(ADM)のサンプルを、PBS緩衝液中の1.0重量%リボフラビン−5’−リン酸溶液中で、最大20時間浸漬した。次に、リボフラビン処理したADMを、350〜375nm(目標365nm)の範囲のUV波長を発するUVAランプを用いる、UVPモデルCL−1000紫外線架橋器に置き、5.5mW/cmの強度で、4時間、370nmの波長のUV−A光を照射した。
対照例
リボフラビン−5’−リン酸の溶液にも浸漬されず、UV−A光も照射されていない、「湿潤」(すなわち、一晩真空乾燥されていない)状態のシート状ADMを対照として用いた。
上記実施例で作製したADMを、次のプロトコールに従って最終滅菌せずに試験した。
示差走査熱量測定(DSC)
実施例1〜6、比較例1〜6、及び対照例を、それぞれDSCによって分析し、UV照射前のサンプルの乾燥がADMの熱変性に及ぼす影響を決定した。実施例1〜6(UV照射前に乾燥したサンプル)は、それぞれ対応する比較例1〜6に比べて、コラーゲンの熱変性が開始する温度が高くなったと観察された。乾燥したサンプルで開始温度が高くなったことは、完全に水和されたときに照射されたサンプルに比べて、変性が減少したことを示す。
in vitroコラゲナーゼ消化
実施例1、3、及び5、比較例1、3、及び5、並びに対照例を、それぞれin vitroコラゲナーゼ消化させ、UV照射前の乾燥が、所定の時間においてコラゲナーゼがADMのコラーゲンを消化する程度に及ぼす影響を決定した。実施例1、3、及び5は、それぞれ対応する比較例1、3、及び5に比べて、コラゲナーゼ耐性の程度(乾燥重量の保持%として測定される)が高くなったと観察された。図3は、UVA処理前に乾燥したADMのin vitroコラゲナーゼ分解に対する耐性の改善を示す。

Claims (36)

  1. 架橋された組織マトリックスの製造方法であって、
    (1)コラーゲン含有組織マトリックスを脱水して、脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスを形成することと、
    (2)前記脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスの少なくとも一部が架橋されるように、前記脱水されたコラーゲン含有組織マトリックスにUV光を照射することと、を含む、方法。
  2. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが無細胞組織マトリックスである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが真皮組織マトリックスである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが、筋膜、心膜組織、硬膜、臍帯組織、胎盤組織、心臓弁組織、靱帯組織、腱組織、動脈組織、静脈組織、神経結合組織、膀胱組織、尿管組織、及び腸組織からなる群から選択される、組織由来である、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 工程(1)に先立ち、前記コラーゲン含有組織マトリックスに光活性化架橋剤を含浸させる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記光活性化架橋剤がリボフラビン−5’−リン酸である、請求項1に記載の方法。
  7. リボフラビン−5’−リン酸を含む水溶液に浸漬することによって、前記コラーゲン含有組織マトリックスにリボフラビン−5’−リン酸を含浸させる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記水溶液が0.1〜1.0重量%のリボフラビン−5’−リン酸を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記水溶液がリン酸緩衝生理食塩液である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記UV光がUV−A光である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記UV−A光が370nmの波長を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが、200μmを超える厚さを有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが、800μm以上の厚さを有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが、真空乾燥、空気乾燥、又は不活性ガスによる処理によって脱水される、請求項1に記載の方法。
  15. (3)前記架橋されたコラーゲン含有組織マトリックスを再水和すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記脱水されたコラーゲン含有組織マトリックス全体にUV光を照射する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記コラーゲン含有組織マトリックスの1つ又は2つ以上の選択した領域にUV光を照射する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記コラーゲン含有組織マトリックス上の線及び/又はスポットの配列に、マスクを通してUV光を照射する、請求項1に記載の方法。
  19. 架橋されたコラーゲン含有組織マトリックスのパターンが得られるように、前記コラーゲン含有組織マトリックスにUV光を照射する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記パターンが、S字状パターン、ウェブ状パターン、円形パターン、格子状パターン、線状パターン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 請求項15に記載の方法で製造された、架橋された組織マトリックス。
  22. 前記架橋された組織マトリックスがシートの形態である、請求項21に記載の架橋された組織マトリックス。
  23. 請求項21に記載の架橋された組織マトリックスを含む、組織製品。
  24. 前記組織製品がヘルニア修復メッシュである、請求項23に記載の組織製品。
  25. 無細胞のコラーゲン含有組織マトリックスを含む組織製品であって、前記組織マトリックスは、200μmを超える厚さを有する可撓性シートであり、前記組織マトリックスは、前記組織マトリックスの表面から200μmを超える深さまで架橋され、前記組織マトリックスは、細胞毒性残留物を含まない、組織製品。
  26. 前記組織マトリックスが、前記組織マトリックス全厚にわたって架橋される、請求項25に記載の組織製品。
  27. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが真皮組織マトリックスである、請求項25に記載の組織製品。
  28. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが、筋膜、心膜組織、硬膜、臍帯組織、胎盤組織、心臓弁組織、靱帯組織、腱組織、動脈組織、静脈組織、神経結合組織、膀胱組織、尿管組織、及び腸組織からなる群から選択される、組織由来である、請求項25に記載の組織製品。
  29. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが光活性化架橋剤で架橋される、請求項25に記載の組織製品。
  30. 前記光活性化架橋剤がリボフラビン−5’−リン酸である、請求項29に記載の組織製品。
  31. 前記コラーゲン含有組織マトリックスが、800μm以上の厚さを有する、請求項25に記載の組織製品。
  32. 前記コラーゲン含有組織マトリックス全体が架橋される、請求項25に記載の組織製品。
  33. 前記コラーゲン含有組織マトリックスの1つ又は2つ以上の選択した領域が架橋される、請求項25に記載の組織製品。
  34. 前記コラーゲン含有組織マトリックス上の線及び/又はスポットの配列が架橋される、請求項25に記載の組織製品。
  35. 前記コラーゲン含有組織マトリックスがパターン状に架橋される、請求項25に記載の組織製品。
  36. 前記パターンが、S字状パターン、ウェブ状パターン、円形パターン、格子状パターン、線状パターン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項35に記載の組織製品。
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