JP2009285155A - 強膜透明化による角膜移植材料調製方法 - Google Patents

強膜透明化による角膜移植材料調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】角膜損傷の治療に用い得る同種由来移植材料の提供。
【解決手段】(a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び(b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップを含む、強膜を透明化する方法、並びに該方法により透明化された強膜組織。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHS)、グルタールアルデヒド、又はパラホルムアルデヒドを用いて、紫外線照射により架橋処理を行うことにより透明化された該組織。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体から摘出された強膜を透明化する方法に関する。特に、本発明は、強膜透明化による同種角膜移植材料の作製方法に関する。
眼球は、視覚を司る感覚器の主要部である。眼球は角膜及び強膜という厚く強靭な膜状組織によりその形状が支えられている。角膜は眼球の前面に位置し、透明で、一般に黒目と呼ばれる部分を覆っている。強膜は、不透明で、一般に白目と呼ばれる部分と、外部からは視認できない眼球の後方の大部分を覆っており、ヒトでは角膜の約5倍の面積を有する。角膜の後面には、写真機のしぼりにあたる虹彩(虹彩の中央には瞳孔が開いている)、及びレンズにあたる水晶体が存在する。つまり、角膜は、生体が視覚情報を得る際に光が通る通路の前面に位置する。したがって、角膜の透明性は視覚機能にとって非常に重要であるため、損傷等により角膜に濁りが生じることは、視覚機能に重大な影響を及ぼす。
角膜は、組織学的には、外表面側から、角膜上皮、角膜実質、及び角膜内皮の3層からなる構造を有する。角膜のうちで比較的厚い部分を占める角膜実質の主成分は、コラーゲンである。一方、強膜は、角膜における上皮層及び内皮層に相当する細胞層を有していない点で角膜と異なるが、角膜と同様にコラーゲンを主成分とする組織である。強膜は眼球の形状を支える役割を果たすのに十分な強度を有している。
重篤な角膜損傷は、現在は角膜移植により処置されている。角膜移植は、確立された技術であり、約40年前に日本にもアイバンクが設立され、移植活動が始められた。しかしながら、日本のアイバンクはいまだドナー数が少なく、日本国内で角膜移植の必要な患者が年間約2万人発生するのに対し、実際に移植治療を行うことができる患者は約1/10の2千人程度でしかないと言われている。
上記のような角膜移植における深刻なドナー不足の課題を解消するために、人工角膜の開発等、生体組織以外の材料を角膜の代替物として角膜移植に用いる試みがなされてきている。
そのような角膜代替物として、古くはガラスや合成高分子(PMMA、PHEMA等)の使用が200年以上前から既に試みられている。しかし、そのような人工材料からなる人工角膜は、拒絶反応及び副作用に関する問題を有する。例えば、そのような人工角膜は、レシピエント角膜の融解を引き起こし、容易に脱落するといった課題が明らかになっている。近年、角膜の主成分であるコラーゲンをゲル化させた人工角膜実質が、移植後にレシピエント角膜と良好に統合し得ることが動物実験から示唆された。しかし、これに関しても、縫合糸に対する脆弱性など、臨床応用への課題が数多く残され、未だ実用段階には至っていない(非特許文献1〜5)。
T.A.Casey and D.J.Mayer,Corneal Grafting,W.B. Saunders Company(1984) C.R.Hicks et al.Prog Ret Eye Res,19:149(2000) M. Griffith et al.,IOVS,47:1869(2006) M. Griffith et al.,Science,286:2169(1999) M. Griffith et al.,Biomacromolecules,7:1819(2006)
角膜移植の対象となる患者の数は、全世界で100万人、日本国内で数万人と推定される。しかしながら、上記のとおり、同種角膜移植についてはドナー不足の問題があり、また人工角膜代替物については拒絶反応に関する問題が解決していない。角膜以外では、角膜の機能に重要な透明性を有し、且つ移植に適した生体材料が存在しないため、上記の同種角膜移植以外に生体組織を角膜移植材料とすることは現状では不可能である。
以上の角膜損傷治療に関する課題に鑑みて、本発明は、角膜移植に用い得る入手容易な同種移植材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヒトで角膜の約5倍の面積を有し、コラーゲンを主成分とする強膜を透明化し、角膜代替物として移植治療に用い得る材料を得ることに成功し、本発明を完成した。
本発明は、具体的には以下の特徴を有する。
(1)強膜を透明化する方法であって、以下のステップ:
(a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び
(b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップ
を含む、上記方法。
(2)ステップ(a)を、自然乾燥により行う、上記(1)に記載の方法。
(3)ステップ(a)を、強膜組織の少なくとも一部分が外気と接触する条件下で、2〜10℃にて少なくとも16時間静置することにより行う、上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)ステップ(a)を、吸湿性化合物での処理により行う、上記(1)に記載の方法。
(5)ステップ(b)での架橋処理を化学的架橋により行う、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHS)、グルタールアルデヒド、又はパラホルムアルデヒドを用いて化学的架橋を行う、上記(5)に記載の方法。
(7)EDC/NHSを用いて化学的架橋を行う、上記(6)に記載の方法。
(8)ステップ(b)において、紫外線照射を用いて架橋処理を行う、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(9)動物がヒトである、上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の方法。
(10)以下のステップ:
(a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び
(b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップ
を含む、角膜移植用移植材料の製造方法。
(11)上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の方法により透明化された、動物強膜組織。
(12)化学的架橋剤及び使用説明書を少なくとも含む、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の方法により強膜組織を透明化するためのキット。
本発明によれば、角膜よりも容易に入手可能な強膜から、角膜損傷患者への移植に用い得る同種移植材料を供給することが可能となり、これにより角膜損傷の治療に伴うドナー不足の問題を回避することができる。
本発明は、生体から摘出した強膜組織を透明化することにより、強膜組織から、角膜代替物を作製する方法に関する。上記のとおり、強膜は角膜と同様にコラーゲンを主成分とし、眼球の形状を維持するのに十分な強度を有するため、これを透明化することができれば、角膜損傷患者の処置において非常に有用な移植材料となり得る。また、強膜は、ヒトで角膜の約5倍の面積を有し、角膜と比較して入手が容易である。したがって、強膜を角膜代替物として利用することは、角膜損傷患者の移植治療のための同種由来材料を容易に提供することを可能とし、上記の角膜移植に関わるドナー不足の問題を解消することができる。
本発明において、「透明化」とは、可視光の透過率が少なくとも部分的に上昇することを意味する。好ましくは、最終的に達成される透過率は、可視領域で少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%であり、好ましくは少なくとも80%である。
本発明の強膜透明化方法は、以下のステップ:
(a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び
(b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップ
を含む。
本発明において「脱水」とは、生体から摘出された強膜組織の水分量が少なくとも部分的に低下することを意味する。本発明における脱水ステップで達成される水分含有量は、好ましくは30%、20%、15%、10%、5%又は2%であり、より好ましくは10%以下である。
本明細書中、「生体」とは、生きている動物個体、及び死亡してから数日以内の動物個体を含む。
強膜は動物個体から摘出される。該動物は、本発明の方法により透明化された強膜を角膜代替物として他の個体に移植する場合、移植を受ける個体と同種であることが好ましい。「同種」とは、強膜を摘出される動物(ドナー)と、それから得られた材料を移植される動物(レシピエント)とが同じ動物種に属することを意味する。例えば、本発明の方法を用いて作製された材料を移植されるレシピエントがヒトである場合、ドナーもまたヒトであることが好ましい。ドナーとレシピエントが同種であることにより、異種生物組織を移植した場合に惹起される拒絶反応を防ぐことができる。また、ドナーとレシピエントが同種であることは、異種動物間での病原体の交差感染を防ぐ点でも有利である。
本発明の強膜透明化方法における脱水ステップは、例えば、自然乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、吸湿性化合物での処理などにより行うことができる。
本発明の一実施形態では、脱水ステップは、自然乾燥により行う。好ましい一実施形態では、脱水ステップは、強膜の少なくとも一部分が外気と接触する条件下で、2〜10℃にて少なくとも16時間静置することにより行う。この実施形態では、強膜は外気との接触により自然乾燥する。これらの実施形態は、特別な装置及び試薬を必要とせず、簡便に行うことができる点で、非常に有利である。静置する時間は、強膜が十分に乾燥する時間であれば特に制限されず、当業者が容易に決定することができるが、好ましくは24時間以上、より好ましくは2日間以上である。
本発明のより好ましい実施形態では、脱水ステップは、強膜を平面状の2枚の支持体に挟んだ状態で、2〜10℃にて少なくとも16時間静置することにより行う。この実施形態では、向かい合わせの2枚の平面状支持体に強膜を挟んだ状態で、強膜を自然乾燥させる。これにより、表面の凹凸が生じず、より高い透過率を達成することができる。支持体は特に制限されないが、乾燥状態を観察できるので、ガラス等の透過性の材料からなるものが望ましい。支持体は、例えばカバーガラスとスライドガラスである。この実施形態では、静置する時間は好ましくは7〜18日間、より好ましくは11〜15日間である。
本発明の別の実施形態では、脱水ステップを、強膜組織を吸湿性化合物で処理することにより行う。本明細書中、「吸湿性化合物」とは、水との親和性を有し、接触している物質又は大気に含まれる水を吸着する度合が大きい、いずれかの化合物を指す。吸湿性化合物とは、例えば、アルコールである。用い得る吸湿性化合物としては、グリセロール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、スクロースなどが挙げられる。
好ましい実施形態では、吸湿性化合物はグリセロールである。グリセロール処理は、強膜組織をグリセロール含有溶液に浸漬することにより行う。グリセロール溶液のグリセロール濃度は、好ましくは40〜100%(v/v)、より好ましくは60〜100%(v/v)、最も好ましくは100%である。グリセロールは、人体への使用に推奨されているグレードのものであることが望ましい。グリセロール溶液の溶媒としては、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)などが挙げられる。PBSが好ましい。浸漬時間は、強膜の透明化が十分に達成される時間であれば特に制限されないが、好ましくは少なくとも3分間、より好ましくは少なくとも5分間、さらに好ましくは少なくとも10分間である。グリセロール処理の前に、結膜等の強膜以外の組織を除去するために、ディスパーゼ処理を行うのが望ましい。ディスパーゼ処理は、例えば、2.4U/mLディスパーゼ溶液に、4℃にて45時間、強膜組織を浸漬することにより行うことができる。ディスパーゼは、インビトロジェン社などから市販されている。
以下の実施例において具体的に示すとおり、上記のように自然乾燥又はグリセロール処理などの脱水ステップにより透明化した強膜は、水溶液中にて水和させると容易に再不透明化する。これを防止するために、架橋処理を施すことが必要である。架橋処理を施すことにより、脱水した強膜を水溶液に浸漬しても透明化状態を保つことができ、したがって、移植に用いることが可能となる。
架橋処理は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHS)、グルタールアルデヒド、又はパラホルムアルデヒドなどの試薬を用いて化学的に行ってもよいし、紫外線照射などの光架橋、熱架橋などにより行ってもよい。
化学的架橋に用いる試薬は、動物組織中のタンパク質又は糖を架橋し得るものが好ましく、より好ましくは上記で具体的に挙げたもの、最も好ましくはEDC/NHSである。この場合、EDCとNHSとの濃度比は、約2:1(重量比)であることが好ましく、EDCの濃度は、2.5〜40重量%、特に10〜22重量%であることが好ましい。EDC及びNHSは、人体への使用に推奨されているグレードのものであるのが望ましい。
化学的架橋は、例えば、脱水した強膜を、架橋剤水溶液に4℃にて1時間浸漬することにより行うことができる。
光架橋とは、照射した光のエネルギーにより組織中のタンパク質、糖などが架橋されることであると考えられる。紫外線照射による光架橋は、具体的には、クリーンベンチ内などで通常用いられるUVランプ光の下、5〜14日間程度静置することにより行うことができる。この場合、架橋効率を向上させるために、脱水前に強膜組織をリボフラビンで処理するのが望ましい。リボフラビン処理は、例えば、4℃にて2〜3時間、0.1重量%リボフラビン/PBS中に組織を浸漬することにより行うことができる。
以下の実施例に示すように、組成が類似する角膜と強膜の透明度の差は、コラーゲン線維の走行、間隔など、コラーゲン線維構造の差によるものと思われる。本発明の方法では、脱水によって強膜のコラーゲン線維構造を角膜のそれと近づけることにより、強膜の透明化が実現可能となったと推測される。
本発明はまた、本発明の方法により透明化された動物強膜組織にも関する。
上記のとおり、本発明の方法により得られる透明化強膜は、角膜と同様にコラーゲンを主成分とし、移植に耐え得る十分な強度を有し、また角膜代替物として利用可能な透明度を有する。したがって、本発明の方法により得られる透明化強膜は、角膜損傷患者の移植治療に非常に有用である。
したがって、本発明はまた、
(a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び
(b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップ
を含む、角膜移植用移植材料の製造方法にも関する。
さらに、本発明は、化学的架橋剤及び使用説明書を少なくとも含む、本発明の方法により強膜組織を透明化するためのキットにも関する。該キットは、脱水ステップにおいて強膜を支持するための支持材、容器、バッファー等の構成要素をさらに含んでいてもよい。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
自然乾燥による強膜透明化
米国アイバンクより研究目的で輸入したヒト強角膜片から、生検パンチ(カイインダストリー社製)を用いて強膜組織片を切り出し、生理食塩水に4℃にて1時間浸漬した後、強膜試料を超純水に浸漬し、4℃にて一晩静置した。続いて強膜組織試料をスライドガラスに載せ、4℃の冷蔵庫内に一晩(16時間)〜2日間静置した。
そのようにして得られたヒト強膜試料を、図1に示す。乾燥前(図1:左)と比較して、乾燥後(図1:右;4℃、2日間)はほぼ完全な透過性を有していることが見て取れる。一晩(16時間)程度の乾燥でも同様の結果が得られることを確認した。
透過率測定に必要とされる面積を確保するため、屠殺して間もないウサギ眼球から強膜組織を単離し、自然乾燥させた。この際、ウサギ強膜試料を上記と同様に生理食塩水及び超純水に順に浸漬した後、強膜表面の凹凸に起因する光の乱反射を軽減し、透明度を高めるために、試料上にカバーガラスをかぶせ、4℃の冷蔵庫内に11〜15日間静置した。
そのようにして得られたウサギ強膜試料を、図2Aに示す。超純水中に同じ期間静置した強膜組織(図2A:左)と比較して、乾燥後の強膜組織(図2A:右;4℃、15日間)では、透明度が非常に高く、試料の下に置いた文字を透かして見ることができる。また、カバーガラスを使用せずに乾燥させた試料よりも表面が平坦となり、透過率が増すことが実験から確認された。
図2Aに示した乾燥強膜試料の透過率を定量し、図2Bに示す。丸印で示した乾燥強膜試料では、可視領域で少なくとも80%の透過率を有していることが見て取れる。これは、角膜損傷の移植治療に用いるのに十分な透過率である。
グリセロール処理による強膜透明化
ウサギ強膜試料を、結膜等の強膜以外の組織を除去するためにディスパーゼ処理した後(2.4U/mLディスパーゼ(インビトロジェン社製)、4℃、45時間)、種々の濃度のグリセロール溶液(0、20、40、60、80又は100%(v/v)、PBS中;グリセロール:シグマ社製、PBS:ギブコ社製、以下同じ)に室温で浸漬した。透明度は5分間程度で平衡に達した。
グリセロール溶液に室温で10分間浸漬したウサギ強膜試料を、図3Aに示す。それぞれのチャンバーのグリセロール濃度は、図3Bのパネルに示している。40%グリセロールで良好な透明度が得られ、60%以上ではほぼ完全に透明化していることが見て取れる。
上記のとおり、グリセロール処理により透明化した強膜組織は、室温で1時間、PBSに浸漬することにより、再不透明化する(図3C)。
化学的架橋による透明化の維持
自然乾燥又はグリセロール処理により透明化した強膜組織は、水溶液への浸漬により容易に再不透明化する(図3C)。そこで、組織の架橋処理により、水和後における透明化強膜の透明度の維持を試みた。
種々の化学的架橋剤による架橋処理を行った。架橋処理は、上記実施例1と同様に自然乾燥させ、透明化させた強膜試料、又は対照として湿潤状態に保った強膜試料を、4℃にて1時間、4重量%濃度の架橋剤水溶液(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC;ピアス社製)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHS;NHS:和光純薬工業製)、グルタールアルデヒド(GA;和光純薬工業製)、パラホルムアルデヒド(PFA;和光純薬工業製)、又はPBS(陰性対照))中でインキュベートし、その後、PBS中で1時間×2回、洗浄することにより行った。
結果を図4に示す。上段の透明化強膜組織では、架橋剤処理試料は、EDC、EDC/NHS、GA及びPFAのいずれにおいても透明度を保っていた。陰性対照であるPBSに浸漬した強膜組織は、再不透明化した(図4:上段、右端)。湿潤状態に置いた後、架橋処理を行った強膜組織(図4:下段)はまったく透明化しておらず、透明化は乾燥ステップによるものであることが示された。
種々の濃度のEDC/NHSでの架橋において、透明化の維持の程度を比較した。架橋処理は上記と同様に行った。
結果を図5−1及び図5−2に示す。濃度は重量%で表している。図5−1では、2.5〜40%で良好な透明化の維持が達成され、22%で最もよく透明化が維持されたのが見て取れる。図5−2では、10%及び20%で、非常に良好な透明化の維持が達成された。
以上より、透明化強膜組織の水和による再不透明化は、化学的架橋により防止し得ることが示された。
紫外線照射による透明化の維持
紫外線照射による架橋によって、水和後における透明化強膜組織の透明度の維持を試みた。
ヒト強膜試料を生検パンチで切り出し、光架橋の効率を向上させるために0.1重量%リボフラビン(和光純薬工業製)/PBS(又はPBS単独)中で4℃にて2.5時間インキュベートし、スライドガラスに載せて4℃の冷蔵庫内で一晩乾燥させた。その後、乾燥強膜試料に、滅菌用UVランプを点灯させたクリーンベンチ内で室温にて8日間、紫外線照射した。陰性対照は、その間、遮光条件に置いた。続いて強膜試料を生理食塩水中で4℃にて1日インキュベートした。
結果を図6に示す。紫外線照射した強膜組織(図6:右側)では、水和による再不透明化は見られなかった。リボフラビン処理の有無(図6:下段vs上段)によっては、結果に変化はなかった。
これにより、紫外線照射による架橋処理によっても、水和後における透明化強膜の透明度を維持し得ることが示された。
強膜透明化のメカニズム−臨界点乾燥及び走査型電子顕微鏡観察による考察
上記のとおり、強膜組織は自然乾燥又はグリセロール処理による脱水によって透明化する。その機構を検討するために、走査型電子顕微鏡による観察を行った。
まず、ヒト強膜組織を、上記と同様に自然乾燥させるのと並行して、臨界点乾燥させた。臨界点乾燥は、通常、走査型顕微鏡観察において行われるのと同様に行った。詳細には、組織を蒸留水中で4℃にて10分間×2回洗浄し、エタノール系列を用いて置換し(50%エタノール:10分間、60%エタノール:10分間、100%エタノール:10分間、無水エタノールに浸漬;エタノール:和光純薬工業製)、その後t−ブチルアルコール(和光純薬工業製)にて置換した。続いて臨界点乾燥機(日立社製)を用いて超臨界二酸化炭素による臨界点乾燥を行った。
臨界点乾燥させた組織を、自然乾燥させた組織と対比させて図7−1に示す。角膜と強膜とを対比させるために、角膜−強膜の境界部の組織を用いた。左は生検パンチで切り取った状態の組織である。角膜−強膜の境界が見て取れる。中央は自然乾燥させた組織である。強膜は、角膜と区別できない程度に透明化されている。右側は臨界点乾燥させた組織である。角膜も不透明化し、角膜−強膜の境界は判別できない。
走査型電子顕微鏡観察用の試料は、メスで切断した後に自然乾燥又は臨界点乾燥させ、オスミウムコーティングを施すことにより調製した。
上記のように臨界点乾燥させた組織の走査型電子顕微鏡像を、図7−2に示す。繊維状に見えるものはコラーゲン線維であると思われる。左側の角膜組織は、右側の強膜組織と比較して、ややコラーゲン線維の走行が整っているが、全体的にはいずれの組織でも線維の走行は乱れている。
一方、図7−3に示す自然乾燥させた組織の電子顕微鏡像では、角膜、強膜いずれにおいてもコラーゲン線維の乱れは見られない。
以上より、示されたようなコラーゲン線維の走行の違いが、肉眼観察での透明度の違いを招いていることが示唆された。
本発明の方法により作製される透明化強膜は、角膜移植対象患者の治療のための好適な移植材料であり、再生医療において有用である。
自然乾燥によるヒト強膜組織の透明化を表す写真である。左側は自然乾燥を行っていない組織、右側は自然乾燥させた組織である。 自然乾燥させたウサギ強膜組織の透明度を表す図である。Aは、右側(Dry)がスライドガラスとカバーガラスに挟んだ状態で自然乾燥させた強膜組織、左側(Wet)が同じ期間超純水に浸漬した強膜組織である。Bは、Aに示したそれぞれの組織試料の透過率を表すグラフである。 グリセロール処理によるヒト強膜の透明化を表す図である。Aは、種々のグリセロール濃度で処理した強膜組織試料を示す写真であり、BはAに示した写真でのグリセロール濃度を示すボックスである。Cは、Aに示したグリセロール処理組織を水和した状態を示す写真である。 種々の架橋剤を用いた化学的架橋によるヒト強膜組織の透明化の維持を表す写真である。上段(DRY)は自然乾燥させたヒト強膜組織の架橋処理による透明化の維持を示し、下段(WET)は自然乾燥させていない陰性対照を示す。 種々の濃度のEDC/NHSによる透明化の維持を表す写真である。 種々の濃度のEDC/NHSによる透明化の維持を表す写真である。 紫外線照射による架橋を用いた透明化の維持を表す写真である。 自然乾燥させたヒト角膜−強膜組織と臨界点乾燥させたヒト角膜−強膜組織とを示す写真である。 臨界点乾燥させたヒト角膜及びヒト強膜組織の走査型電子顕微鏡像である。 自然乾燥させたヒト角膜及びヒト強膜組織の走査型電子顕微鏡像である。

Claims (12)

  1. 強膜を透明化する方法であって、以下のステップ:
    (a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び
    (b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップ
    を含む、上記方法。
  2. ステップ(a)を、自然乾燥により行う、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)を、強膜組織の少なくとも一部分が外気と接触する条件下で、2〜10℃にて少なくとも16時間静置することにより行う、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップ(a)を、吸湿性化合物での処理により行う、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(b)での架橋処理を化学的架橋により行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩/N−ヒドロキシスクシンイミド(EDC/NHS)、グルタールアルデヒド、又はパラホルムアルデヒドを用いて化学的架橋を行う、請求項5に記載の方法。
  7. EDC/NHSを用いて化学的架橋を行う、請求項6に記載の方法。
  8. ステップ(b)において、紫外線照射を用いて架橋処理を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 動物がヒトである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 以下のステップ:
    (a)動物ドナーから単離した強膜組織を脱水するステップ;及び
    (b)ステップ(a)からの強膜組織に、架橋処理を施すステップ
    を含む、角膜移植用移植材料の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により透明化された、動物強膜組織。
  12. 化学的架橋剤及び使用説明書を少なくとも含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により強膜組織を透明化するためのキット。
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