JP2015110537A - 貼付用シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着することができ、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくく、さらに耐水性および強度が良好であるとともにゲル膜を容易に貼付可能な貼付用シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を有し、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内であるゲル膜と、上記ゲル膜の外縁に配置され、上記ゲル膜を支持する支持枠とを有し、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されていることを特徴とする貼付用シートを提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1
Description
本発明は、医療用途または美容用途における利用に適した貼付用シートおよびその製造方法に関する。
美容用のシート状化粧料や医療用のハップ剤のように、皮膚等の生体表面に貼付される貼付用シートが従来から開発されている。例えば特許文献1には、アルキルセルロース誘導体を放射線照射により架橋して得られる自己架橋型アルキルセルロース誘導体ハイドロゲルを基材とするシート状パック化粧料が開示されている。
生体貼付用シートでは生体と接する表面に粘着剤を用いないことが望ましい。しかしながら、粘着剤を用いない従来の生体貼付用シートは生体表面に対する接着性が十分ではなく、なお改善の余地がある。
一方、特許文献2には、枠に張られた界面活性高分子の水溶液の泡膜を乾燥させて高分子自立膜を製造する方法が開示されている。特許文献2によれば、厚みがナノメートルオーダーの高分子自立膜を製造可能である。特許文献2では、製造された高分子自立膜を分離膜等の用途に利用することが意図されているが、生体へ貼付する用途については一切検討されていない。
特許文献3には、両面に機能性物質を有する薄膜状高分子構造体(ナノシート)を皮膚の表面に貼付することが開示されている。具体的には、薄膜状高分子構造体を可溶性支持膜の表面に支持された状態で皮膚に貼付し、貼付後に可溶性支持膜を溶解させることにより皮膚上に薄膜状高分子構造体を残すという技術が開示されている。この技術は可溶性支持膜の溶解という煩雑な作業を必要とする。
特許文献4には、ヒアルロン酸またはその誘導体を担持させた基材膜と、水溶性高分子膜または布である支持膜とが積層しており、基材膜の厚みが10〜500nmである薄膜化粧料が開示されている。特許文献4では、薄膜化粧料の使用方法として、貼付直前に水溶性高分子膜を溶解除去し、ヒアルロン酸またはその誘導体を担持させた基材膜を皮膚に貼付する方法、および、濡らした皮膚に薄膜化粧料を貼付し、布のみを剥離する方法が開示されている。前者の方法は水溶性高分子膜の溶解という煩雑な作業を必要とする。また、後者の方法では、布を剥離することが困難であったり布を剥離する際に基材膜が破損したりするおそれがある。
特許文献5には、ポリリジンもしくはポリリジン誘導体またはこれらの塩を含む溶液を用いて形成されたA層と、アルギン酸もしくはアルギン酸誘導体またはこれらの塩を含む溶液を用いて形成されたB層とが交互に積層された、皮膚貼合用の薄膜フィルム(ナノメートルサイズのシート)が開示されている。特許文献5によれば、薄膜フィルムは基材上にA層とB層とを繰り返し積層することによって製造される。また、薄膜フィルムは基材から剥離されたのち皮膚に貼付される。この場合も、薄膜フィルムが非常に薄いために、基材から剥離することが困難であったり基材から剥離する際に薄膜フィルムが破損したりするおそれがある。
特許文献6には、基材と、基材上に形成された薄膜フィルムとを備え、薄膜フィルムが、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含み、pHが1.6〜5.4である溶液を用いて形成されるB層とを有する基材付き薄膜フィルムが開示されている。特許文献6には基材付き薄膜フィルムの使用方法について記載されていないが、特許文献5と同様に基材から薄膜フィルムを剥離するのであれば、同様の問題が生じる。
特許文献7には、浸透性基材、溶解性支持層、およびナノ薄膜層を備えるナノ薄膜転写シートであって、浸透性基材が、溶解性支持層を溶解する溶液を浸透または通過させるものであり、ナノ薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層とを有するナノ薄膜転写シートが開示されている。特許文献7によれば、ナノ薄膜転写シートは、ナノ薄膜層を皮膚に貼合した後、浸透性基材に水を垂らしかけながら溶解性支持層を溶解させ、その後、浸透性基材を剥がすことで、ナノ薄膜層のみを皮膚に転写することができる。この方法は溶解性支持層の溶解という煩雑な作業を必要とする。
特許文献2に開示された、ゼラチン等の界面活性高分子化合物の水溶液の泡膜を室温で乾燥させる薄膜の製造方法は、泡膜中の高分子化合物の濃度が低い場合には乾燥時に泡膜が壊れてしまい薄膜を形成することができないという問題がある。また、特許文献2に記載の方法で製造された乾燥ゲル膜は密着性および柔軟性が十分ではなく、動きのある凹凸表面では剥がれ易いという問題がある。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、特許文献8、9に記載するように、ゲル原料を含む水溶液から泡膜を形成し、泡膜を水を含んだ状態でゲル化させてヒドロゲル膜を得る方法は、泡膜を直接乾燥する特許文献2に記載の方法と異なり、水溶液中でのゲル原料が低濃度である場合でも泡膜が壊れることなくヒドロゲル膜を形成可能であること、ならびに、得られたヒドロゲル膜を乾燥させた場合でも膜が壊れることがないことを見出した。さらには、この方法で得られたヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜が、皮膚表面で十分な密着性を有し、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくいことを見出した。
しかしながら、上記のようなヒドロゲル膜や乾燥ゲル膜は水で膨潤することから、水に濡れると剥がれやすくなったり膜の強度が低下して破れてしまったりするという問題がある。なお、上記のようなヒドロゲル膜や乾燥ゲル膜に限らず、ゲル膜であればこのような問題が起こり得る。そのため、貼付用シートには耐水性が求められる。
耐水性に関して、例えば特許文献2には、高分子自立膜を架橋化することで、水に不溶な高分子自立膜を形成できることが開示されている。
ここで、ゲル膜は非常に薄いために、ゲル膜単体では取り扱いが困難であることから、特許文献8、9に記載されているように、ゲル膜は支持枠で保持されていることが好ましい。
このような場合において、耐水性向上のためにゲル膜の全面を架橋すると、ゲル膜の強度も高くなり、ゲル膜と支持枠とが強く結合されてしまう。そのため、皮膚等にゲル膜を貼付した後に支持枠を剥がそうとすると、支持枠とゲル膜との境界で分離せず、支持枠とともにゲル膜も剥がれてしまい、ゲル膜を貼付できないという問題が生じる。
このような場合において、耐水性向上のためにゲル膜の全面を架橋すると、ゲル膜の強度も高くなり、ゲル膜と支持枠とが強く結合されてしまう。そのため、皮膚等にゲル膜を貼付した後に支持枠を剥がそうとすると、支持枠とゲル膜との境界で分離せず、支持枠とともにゲル膜も剥がれてしまい、ゲル膜を貼付できないという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着することができ、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくく、さらに耐水性および強度が良好であるとともにゲル膜を容易に貼付可能な貼付用シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を有し、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内であるゲル膜と、上記ゲル膜の外縁に配置され、上記ゲル膜を支持する支持枠とを有し、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されていることを特徴とする貼付用シートを提供する。
本発明によれば、ゲル膜の乾燥厚みが所定の範囲内であり、非常に薄いので、柔軟性および皮膚等への密着性に優れている。したがって本発明の貼付用シートは、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着させることができ、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくくすることができる。また本発明によれば、ゲル膜が高膨潤領域および低膨潤領域を有し、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されていることにより、ゲル膜の耐水性および強度を向上させつつ、貼付用シートの貼付後に支持枠を容易に剥がし、ゲル膜を容易に貼付することが可能である。
また本発明は、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である架橋前ゲル膜および、上記架橋前ゲル膜の外縁に配置され、上記架橋前ゲル膜を支持する支持枠を有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成する架橋前ゲル膜形成工程と、上記架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射して架橋させ、上記架橋前ゲル膜よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を形成することにより、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い上記低膨潤領域を有するゲル膜を形成する架橋工程とを有し、上記架橋工程では、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されるように、上記架橋前ゲル膜を架橋させることを特徴とする貼付用シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、架橋前ゲル膜の乾燥厚みが所定の範囲内であり、ゲル膜が非常に薄いので、柔軟性および皮膚等への密着性に優れている。したがって、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着させることができ、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくい貼付用シートを得ることができる。また本発明によれば、架橋工程において、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されるように、架橋前ゲル膜の一部を架橋させることにより、ゲル膜の耐水性および強度が高いとともに、貼付用シートの貼付後に支持枠を容易に剥がし、ゲル膜を容易に貼付することが可能な貼付用シートを得ることができる。
本発明の貼付用シートは、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着させることができ、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくいという効果を奏する。また本発明においては、ゲル膜の耐水性および強度を向上させるとともに、貼付用シートの貼付後に支持枠を容易に剥がし、ゲル膜を容易に貼付することが可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の貼付用シートおよびその製造方法について詳細に説明する。
A.貼付用シート
本発明の貼付用シートは、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を有し、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内であるゲル膜と、上記ゲル膜の外縁に配置され、上記ゲル膜を支持する支持枠とを有し、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されていることを特徴とするものである。
本発明の貼付用シートは、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を有し、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内であるゲル膜と、上記ゲル膜の外縁に配置され、上記ゲル膜を支持する支持枠とを有し、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されていることを特徴とするものである。
ここで、ゲル膜の「乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である」とは、例えばゲル膜が水を含んだ状態である場合には、乾燥させたゲル膜の厚みが上記範囲内であればよく、実際のゲル膜の厚みは上記範囲内でなくともよい。
「高膨潤領域」とは、水に対する膨潤度が低膨潤領域よりも高い領域をいい、「低膨潤領域」とは、水に対する膨潤度が高膨潤領域よりも低い領域をいう。
「ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されている」とは、ゲル膜の低膨潤領域および高膨潤領域の配置に関して、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置され、その低膨潤領域の少なくとも一部が支持枠と接していないことをいう。例えば、図1(a)に示すようにゲル膜2と支持枠5との境界のすべてにおいて、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、その低膨潤領域3が支持枠5にまったく接していない場合や、図2に示すようにゲル膜2と支持枠5との境界の一部において、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、その低膨潤領域3の一部が支持枠5に接していない場合が含まれる。また、ゲル膜が複数の低膨潤領域を有する場合には、少なくとも1つの低膨潤領域の配置が上記関係を満たしていればよい。
「ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されている」とは、ゲル膜の低膨潤領域および高膨潤領域の配置に関して、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置され、その低膨潤領域の少なくとも一部が支持枠と接していないことをいう。例えば、図1(a)に示すようにゲル膜2と支持枠5との境界のすべてにおいて、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、その低膨潤領域3が支持枠5にまったく接していない場合や、図2に示すようにゲル膜2と支持枠5との境界の一部において、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、その低膨潤領域3の一部が支持枠5に接していない場合が含まれる。また、ゲル膜が複数の低膨潤領域を有する場合には、少なくとも1つの低膨潤領域の配置が上記関係を満たしていればよい。
本発明の貼付用シートについて図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)は本発明の貼付用シートの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に例示するように貼付用シート1は、所定の乾燥厚みを有するゲル膜2と、ゲル膜2の外縁に配置され、ゲル膜2を支持する支持枠5とを有しており、ゲル膜2は、支持枠5の開口を塞ぐように支持枠5に張られた状態で固定されている。ゲル膜2は低膨潤領域3および高膨潤領域4を有しており、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置されている。
図1(a)、(b)は本発明の貼付用シートの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に例示するように貼付用シート1は、所定の乾燥厚みを有するゲル膜2と、ゲル膜2の外縁に配置され、ゲル膜2を支持する支持枠5とを有しており、ゲル膜2は、支持枠5の開口を塞ぐように支持枠5に張られた状態で固定されている。ゲル膜2は低膨潤領域3および高膨潤領域4を有しており、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置されている。
本発明によれば、ゲル膜の乾燥厚みが所定の範囲内であり、ゲル膜は非常に厚みが薄いため、皮膚等の生体または生体材料の表面への高い密着性を有しており、かつ、高い柔軟性を有している。したがって本発明の貼付用シートは、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着させることができる。そのため、貼付時に粘着剤成分によるかぶれや肌荒れを抑制し、皮膚等への刺激を低減することができる。さらに、ゲル膜は高い凹凸追従性を有しており、本発明の貼付用シートを動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくくすることができる。
図3(a)〜(b)は本発明の貼付用シートのゲル膜を皮膚に貼付した状態の一例を示す模式図である。まず、指を曲げた状態で、水で湿らせた指の関節部分の皮膚表面に、貼付用シート1のゲル膜2の面を表面張力で密着させ貼付する。この場合、貼付後に指を伸ばし皮膚表面にシワが形成されてもシワの形状に追従してゲル膜2も変形することができる。また、ゲル膜2は指の曲げ伸ばしを繰り返しても剥がれにくい。すなわち、本発明の貼付用シートは、優れた凹凸追従性を有しており、皮膚のように動きのある微細な凹凸表面に貼付された場合でも剥がれにくいのである。
図4(a)〜(c)は本発明の貼付用シートの使用方法の一例を示す模式図である。図4(a)〜(b)に示すように、支持枠5と、支持枠5で保持されているゲル膜2とを有する貼付用シート1は、表面が平坦ではない被貼付物30の表面形状に沿って変形することができる。また、図4(b)に示すように、貼付用シート1の支持枠5に固定された状態のゲル膜2の面を、水で湿らせた皮膚等の被貼付物30の表面に表面張力で十分に密着させ貼付することができる。
ここで、ゲル膜の低膨潤領域は、紫外線照射や電子線照射、架橋剤添加等により架橋前ゲル膜を架橋することにより形成することができる。そのため、低膨潤領域は水で膨潤しにくく、耐水性が高く、強度が高くなる。また、低膨潤領域および支持枠が接している場合には、低膨潤領域および支持枠の結合が強くなる。一方、ゲル膜の高膨潤領域では、架橋前ゲル膜が架橋されていないまたは架橋が不十分である。そのため、高膨潤領域は水で膨潤しやすく、耐水性が低く、強度が低くなる。また、高膨潤領域および支持枠が接している場合には、高膨潤領域および支持枠の結合が弱くなる。すなわち、例えば図4(b)において、ゲル膜2の高膨潤領域4の周縁と支持枠5とは、ゲル膜2の表面と被貼付物30の表面との密着後に支持枠5を剥離した場合に分離する程度に弱く結合されている。したがって、被貼付物30の表面にゲル膜2を貼付した後は、ゲル膜2の高膨潤領域4と支持枠5との境界で分離しやすく、図4(c)に示すように、支持枠5を剥がし、ゲル膜2のみを被貼付物30表面に残すことができる。
なお、図2に例示するように、ゲル膜2の低膨潤領域3の一部が支持枠5と接している場合には、低膨潤領域3および支持枠5が強く結合されているため、低膨潤領域3と支持枠5との境界では分離しにくくなる。一方、高膨潤領域4と支持枠5との境界では分離しやすいため、貼付用シート1の貼付後に支持枠5を剥がす際には、高膨潤領域4と支持枠5との境界で分離するように支持枠5を剥がすことで、低膨潤領域3と支持枠5との境界でも分離させることができる。そのため、支持枠を剥がし、ゲル膜のみを皮膚等の表面に貼付することができる。
このように本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されており、低膨潤領域が支持枠に接していない部分があれば、貼付用シートの貼付後に支持枠を剥がしゲル膜のみを容易に貼付することができる。
このように本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されており、低膨潤領域が支持枠に接していない部分があれば、貼付用シートの貼付後に支持枠を剥がしゲル膜のみを容易に貼付することができる。
また本発明においては、貼付用シートの貼付後に支持枠を剥がす際にはゲル膜の高膨潤領域と支持枠との境界で分離されることから、皮膚等の表面にはゲル膜の低膨潤領域を必ず貼付することができる。
上述のように、低膨潤領域は水で膨潤しにくく、耐水性が高く、強度が高い領域である。したがって本発明においては、ゲル膜が低膨潤領域を有することにより、ゲル膜の耐水性および強度を向上させることができる。そのため、本発明の貼付用シートのゲル膜を皮膚等に貼付した後、水に濡らした場合であっても、剥がれにくく破れにくくすることができる。
このように本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されていることにより、ゲル膜の耐水性および強度を高めつつ、容易に貼付することができる貼付用シートを得ることができる。
上述のように、低膨潤領域は水で膨潤しにくく、耐水性が高く、強度が高い領域である。したがって本発明においては、ゲル膜が低膨潤領域を有することにより、ゲル膜の耐水性および強度を向上させることができる。そのため、本発明の貼付用シートのゲル膜を皮膚等に貼付した後、水に濡らした場合であっても、剥がれにくく破れにくくすることができる。
このように本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されていることにより、ゲル膜の耐水性および強度を高めつつ、容易に貼付することができる貼付用シートを得ることができる。
なお、例えば図1(a)において、低膨潤領域3および高膨潤領域4の配置が逆である場合でも、貼付用シートを貼付した後に支持枠を剥がしゲル膜を貼付することは可能である。しかしながら、この場合には、支持枠および低膨潤領域が接しているために、支持枠と低膨潤領域との境界では分離しにくく、支持枠を剥がす際には支持枠とともに低膨潤領域も剥がれてしまい、高膨潤領域が残ると考えられる。この場合、上述のように高膨潤領域は耐水性が低いことから、貼付されたゲル膜は耐水性に劣る。したがって、低膨潤領域および高膨潤領域の配置は、貼付用シートの貼付後に支持枠を剥がした際に低膨潤領域が残るような配置とすることが重要である。そこで本発明においては、上述のようにゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されているとしている。
以下、本発明の貼付用シートにおける各構成について説明する。
1.ゲル膜
本発明におけるゲル膜は、高膨潤領域と上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域とを有し、所定の乾燥厚みを有するものである。また、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されている。
本発明におけるゲル膜は、高膨潤領域と上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域とを有し、所定の乾燥厚みを有するものである。また、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されている。
上述のように、高膨潤領域は、水に対する膨潤度が低膨潤領域よりも高い領域であり、低膨潤領域は、水に対する膨潤度が高膨潤領域よりも低い領域である。
高膨潤領域および低膨潤領域の水に対する膨潤度は、ゲル膜が非常に薄いため直接測定することは困難であるが、例えば次のような方法により高膨潤領域および低膨潤領域を確認することができる。
高膨潤領域および低膨潤領域の水に対する膨潤度は、ゲル膜が非常に薄いため直接測定することは困難であるが、例えば次のような方法により高膨潤領域および低膨潤領域を確認することができる。
高膨潤領域および低膨潤領域は、例えば蛍光色素を含有する水溶液を用いてゲル膜を膨潤させた後、ゲル膜の蛍光強度を測定することにより確認することができる。蛍光強度は高感度で測定可能であり、指標とすることができる。具体的には、まず、ゲル膜をカバーガラスに貼付し乾燥させて乾燥積層体を作製する。次いで、この乾燥積層体を、fluorescein isothiocyanate(FITC)をphosphate buffered saline(PBS)溶液に1mg/mlの濃度で溶かした溶液に23℃環境下で10秒間浸漬させることでゲル膜を膨潤させる。次に、ゲル膜を再度乾燥させ、乾燥させたゲル膜の蛍光強度を共焦点顕微鏡(Axiovert 200M、Carl Zeiss製)によって測定する。これにより、膨潤によってゲル膜に含まれたFITCの蛍光強度を測定する。この場合、蛍光強度が高い領域は水で膨潤しやすい領域であり高膨潤領域に相当し、蛍光強度が低い領域は水で膨潤しにくい領域であり低膨潤領域に相当する。そのため、蛍光強度が異なる領域が存在する場合には、ゲル膜は高膨潤領域および低膨潤領域を有するとみなすことができる。
蛍光強度としては、高膨潤領域に相当する領域の蛍光強度が低膨潤領域に相当する領域の蛍光強度よりも高ければよいが、中でも、高膨潤領域に相当する領域の蛍光強度を100%としたとき、高膨潤領域に相当する領域および低膨潤領域に相当する領域の蛍光強度の差が10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
蛍光強度としては、高膨潤領域に相当する領域の蛍光強度が低膨潤領域に相当する領域の蛍光強度よりも高ければよいが、中でも、高膨潤領域に相当する領域の蛍光強度を100%としたとき、高膨潤領域に相当する領域および低膨潤領域に相当する領域の蛍光強度の差が10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
また、高膨潤領域および低膨潤領域は、例えばゲル膜を水で膨潤させた後、ゲル膜の厚みを測定することにより確認することもできる。具体的には、まず、ゲル膜をカバーガラスに貼付して積層体を作製する。次いで、この積層体を23℃の水中に10秒間浸漬させることでゲル膜を膨潤させる。続いて、光学顕微鏡(OLS3500、オリンパス製)により膜−空気界面と膜−カバーガラス界面との段差を測定し、膨潤したゲル膜の厚みを測定する。この場合、厚みが厚い領域は水で膨潤しやすい領域であり高膨潤領域に相当し、厚みが薄い領域は水で膨潤しにくい領域であり低膨潤領域に相当する。そのため、厚みが異なる領域が存在する場合には、ゲル膜は高膨潤領域および低膨潤領域を有するとみなすことができる。
厚みとしては、高膨潤領域に相当する領域の厚みが低膨潤領域に相当する領域の厚みよりも厚ければよいが、中でも高膨潤領域に相当する領域および低膨潤領域に相当する領域の厚みの差が1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。
厚みとしては、高膨潤領域に相当する領域の厚みが低膨潤領域に相当する領域の厚みよりも厚ければよいが、中でも高膨潤領域に相当する領域および低膨潤領域に相当する領域の厚みの差が1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。
さらに、高膨潤領域および低膨潤領域は、例えばゲル膜を温水に浸漬させた後、ゲル膜の残存の有無を調べることにより確認することもできる。具体的には、まず、ゲル膜をカバーガラスに貼付して積層体を作製する。次いで、この積層体を37℃の水中に2時間浸漬させる。その後、光学顕微鏡でゲル膜の残存の有無を調べる。この場合、ゲル膜が溶解し除去される領域は水で膨潤しやすい領域であり高膨潤領域に相当し、ゲル膜が溶解せず残存する領域は水で膨潤しにくい領域であり低膨潤領域に相当する。そのため、ゲル膜が溶解し除去される領域とゲル膜が溶解せず残存する領域とが存在する場合には、ゲル膜は高膨潤領域および低膨潤領域を有するとみなすことができる。
また、高膨潤領域および低膨潤領域は水に対する膨潤度が異なる領域であればよく、高膨潤領域から低膨潤領域に向かって水に対する膨潤度が不連続的に低くなっていてもよく、連続的に低くなっていてもよい。
高膨潤領域および低膨潤領域の配置としては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されていればよい。例えば図1(a)に示すように、ゲル膜2と支持枠5との境界のすべてにおいて、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、低膨潤領域3が支持枠5とまったく接していなくてもよい。また図2に示すように、ゲル膜2と支持枠5との境界の一部において、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、低膨潤領域3の一部が支持枠5と接していなくてもよい。また図5に示すように、ゲル膜2が複数の低膨潤領域3を有し、ゲル膜2と支持枠5との境界のすべてにおいて、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、複数の低膨潤領域3がいずれも支持枠5とまったく接していなくてもよい。
また、ゲル膜が複数の低膨潤領域を有する場合には、少なくとも1つの低膨潤領域の配置が上記関係を満たしていればよい。例えば図5においては、複数の低膨潤領域3のすべてが上記関係を満たしている。また例えば、図示しないが、ゲル膜が2つの低膨潤領域と1つの高膨潤領域とを有し、ゲル膜の中央に第1低膨潤領域が配置され、第1低膨潤領域を囲むように高膨潤領域が配置され、高膨潤領域を囲むように第2低膨潤領域が配置され、第2低膨潤領域の外縁に支持枠が配置されていてもよい。この場合、第1低膨潤領域および高膨潤領域の配置が上記関係を満たしていればよい。この場合には、第2低膨潤領域および支持枠が接しており、第2低膨潤領域と支持枠との境界では分離しにくいことから、貼付用シートを貼付した後に支持枠を剥がす際には、第2低膨潤領域と高膨潤領域との境界で分離することができる。この際、第2低膨潤領域は剥がされるが、第1低膨潤領域は貼付することができる。
中でも、図1(a)に例示するように、ゲル膜2と支持枠5との境界のすべてにおいて、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置され、低膨潤領域3が支持枠5とまったく接しておらず、支持枠5に接しているゲル膜2がすべて高膨潤領域4であることが好ましい。貼付用シートを貼付した後、支持枠を容易に剥がすとともに、ゲル膜のみを容易に貼付することができるからである。
ゲル膜は1つの低膨潤領域を有していてもよく、複数の低膨潤領域を有していてもよい。また、ゲル膜は1つの高膨潤領域を有していてもよく、複数の高膨潤領域を有していてもよい。
中でも、図1(a)や図2に例示するように、ゲル膜2は1つの低膨潤領域3および1つの高膨潤領域4を有していることが好ましい。ゲル膜が複数の低膨潤領域を有する場合に比べて、ゲル膜が1つの低膨潤領域を有する場合には、ゲル膜での低膨潤領域の面積比率を大きくすることができ、ゲル膜の耐水性および強度をより高めることができるからである。
中でも、図1(a)や図2に例示するように、ゲル膜2は1つの低膨潤領域3および1つの高膨潤領域4を有していることが好ましい。ゲル膜が複数の低膨潤領域を有する場合に比べて、ゲル膜が1つの低膨潤領域を有する場合には、ゲル膜での低膨潤領域の面積比率を大きくすることができ、ゲル膜の耐水性および強度をより高めることができるからである。
ゲル膜での低膨潤領域および高膨潤領域の面積比率としては、本発明の貼付用シートを皮膚等に貼付した後、支持枠を剥がし、ゲル膜を皮膚等に貼付することができる程度であれば特に限定されるものではなく、適宜調整される。中でも、低膨潤領域の面積は高膨潤領域の面積よりも大きいことが好ましく、ゲル膜での低膨潤領域の面積比率は50%超であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。ゲル膜の耐水性および強度を高めることができるからである。
ゲル膜の乾燥厚みは100nm〜10μmの範囲内であり、好ましくは200nm〜1μmの範囲内である。ゲル膜の乾燥厚みが上記範囲内である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に膜が剥がれ難いため有利である。一方、ゲル膜の乾燥厚みが厚すぎると、貼付性や凹凸追従性が劣化する。また、ゲル膜の乾燥厚みが薄すぎると、強度に劣る場合がある。
ここで、ゲル膜の乾燥厚みの測定に際しては、カバーガラス表面を水で濡らし、ゲル膜をガラス表面に表面張力で密着させ、ガラス表面にゲル膜を貼付した後、1時間真空乾燥し水を完全に揮発させ、光学顕微鏡により膜−空気界面とガラス表面の段差を測定し、ゲル膜の乾燥厚みとした。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
ここで、ゲル膜の乾燥厚みの測定に際しては、カバーガラス表面を水で濡らし、ゲル膜をガラス表面に表面張力で密着させ、ガラス表面にゲル膜を貼付した後、1時間真空乾燥し水を完全に揮発させ、光学顕微鏡により膜−空気界面とガラス表面の段差を測定し、ゲル膜の乾燥厚みとした。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
また、ゲル膜は、ゲル膜の乾燥厚みが上記範囲内である領域を有していればよい。ゲル膜がゲル膜の乾燥厚みが上記範囲内である領域を有していれば、ゲル膜の密着性を高めることができ、皮膚等に強固に密着させることができる。
例えば、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するように、図6および図7に示すように泡膜形成用支持枠20を用いて架橋前ゲル膜(架橋前のヒドロゲル膜12a、架橋前の乾燥ゲル膜12b)を形成する場合には、メニスカスによって架橋前ゲル膜と泡膜形成用支持枠との境界で架橋前ゲル膜の厚みが厚くなる場合がある。しかしながら、ゲル膜の乾燥厚みが上記範囲内である領域があれば、ゲル膜を皮膚等に貼付することができる。
例えば、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するように、図6および図7に示すように泡膜形成用支持枠20を用いて架橋前ゲル膜(架橋前のヒドロゲル膜12a、架橋前の乾燥ゲル膜12b)を形成する場合には、メニスカスによって架橋前ゲル膜と泡膜形成用支持枠との境界で架橋前ゲル膜の厚みが厚くなる場合がある。しかしながら、ゲル膜の乾燥厚みが上記範囲内である領域があれば、ゲル膜を皮膚等に貼付することができる。
ゲル膜としては、所定の乾燥厚みを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヒドロゲル膜、乾燥ゲル膜が挙げられる。
ここで、「ヒドロゲル」とは、高分子が結合して形成された網目状構造物に多量の水が保持された状態のゲルを指す。
以下、ヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜に分けて説明する。
ここで、「ヒドロゲル」とは、高分子が結合して形成された網目状構造物に多量の水が保持された状態のゲルを指す。
以下、ヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜に分けて説明する。
(1)ヒドロゲル膜
本発明におけるヒドロゲル膜は、ヒドロゲル膜の乾燥後の厚みが所定の範囲内になるように、所定の厚みを有するものである。
本発明におけるヒドロゲル膜は、ヒドロゲル膜の乾燥後の厚みが所定の範囲内になるように、所定の厚みを有するものである。
ヒドロゲル膜としては、所定の厚みを有するものであれば特に限定されるものではないが、生体に対する安全性が高いことから、生体由来材料からなることが好ましい。例えばタンパク質、多糖類を挙げることができる。具体的には、コラーゲン、ヒアルロン酸、ペプチドハイドロゲル、ラミニン、コンドロネクチン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、その他の細胞外マトリックス成分タンパク質、ゼラチン、アガロース、セルロース、オリゴ核酸、ポリ核酸等の高分子化合物によるゲルが挙げられる。また、生体から抽出したものではなく、人工的に合成された生体由来材料模倣材料も用いることができる。例えば、各種の人工ペプチドおよびその誘導体、人工オリゴペプチドおよびその誘導体、人工ポリペプチドおよびその誘導体、人工多糖類およびその誘導体等が挙げられる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子も用いることができる。
ヒドロゲル膜の形成方法としては、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するように所定の厚みを有するヒドロゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロゲル膜は泡膜をゲル化させたものであってもよい。この場合、ヒドロゲル膜は、ゲル原料を含む水溶液の泡膜を、水を含有する状態でゲル化して調製されたものであることが好ましい。
上記の場合、ゲル原料としては、水溶性を有し、かつ、界面活性を示すものであり、泡膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、上述の材料を用いることができる。中でも、ゼラチン、コラーゲン、アガロースが好ましく用いられる。ゼラチン、コラーゲン、アガロースはいずれも界面活性を有するため、泡膜の表裏の両表面にはそれぞれ、これらの化合物の分子が疎水部分を外側、親水部分を内側となるように配置していると考えられる。泡膜は表裏が均質な構造を有していることから、泡膜から調製されるゲル膜は表裏が均質であり表裏の区別なく利用可能である。
ゼラチンの起源は特に限定されないが、ブタの表皮、ブタの骨、牛の皮膚、牛の骨、魚等に由来するゼラチンを使用することができる。
コラーゲンの起源は特に限定されないが、ブタの皮膚、ブタの骨、牛の皮膚、牛の骨、魚等に由来するコラーゲンを使用することができる。
アガロースの起源は特に限定されないが、海藻等に由来するアガロースを使用することができる。
コラーゲンの起源は特に限定されないが、ブタの皮膚、ブタの骨、牛の皮膚、牛の骨、魚等に由来するコラーゲンを使用することができる。
アガロースの起源は特に限定されないが、海藻等に由来するアガロースを使用することができる。
また、ヒドロゲル膜は、適宜、界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤等を含有していてもよい。界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤は、ゲル膜を形成する際に泡膜を安定化させる目的で使用されるものである。
界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル等の生体に対する安全性の高い界面活性剤が好ましい。
乳化補助剤としては、メチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、スクロース、ポリグリセリン等の生体に対する安全性の高い乳化補助剤が好ましい。ゲル化前の泡膜からの水の揮発は泡膜破裂の原因となる。乳化補助剤は、泡膜からの水の揮発を抑制する作用、すなわち泡膜の湿潤剤としての作用を有するため、泡膜破裂を抑制することを目的として添加することができる。また、ポリエチレングリコール等の乳化補助剤は、湿潤剤としての作用に加えて、ゲル膜を構成する高分子の間に入り、高分子間の架橋形成を抑制して膜の柔軟性を高めるという作用も有する。このため、乳化補助剤を含む水溶液から調製されたゲル膜は柔軟性が高く、皮膚等の生体表面に対する密着性が高いという有利な効果を有する。
さらに、ヒドロゲル膜は、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を含有していてもよい。これらの成分は、ゲル膜において高分子の網目構造中に取り込まれ保持されることができる。
また、ヒドロゲル膜は、高分子化合物の網目構造を有しているため、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を透過することが可能である。
また、ヒドロゲル膜は、高分子化合物の網目構造を有しているため、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を透過することが可能である。
ヒドロゲル膜の厚みとしては、ヒドロゲル膜の乾燥後の厚みが所定の範囲内になるような厚みであればよく、具体的には、100nm〜200μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜200μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがさらに好ましい。ヒドロゲル膜の厚みが上記範囲内である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に膜が剥がれ難いため有利である。
ここで、ヒドロゲル膜の厚みは、光学顕微鏡により膜−空気界面の位置を、焦点を合わせることで測定し、計測した値である。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
ここで、ヒドロゲル膜の厚みは、光学顕微鏡により膜−空気界面の位置を、焦点を合わせることで測定し、計測した値である。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
(2)乾燥ゲル膜
本発明における乾燥ゲル膜は、所定の厚みを有するものである。
本発明における乾燥ゲル膜は、所定の厚みを有するものである。
乾燥ゲル膜としては、所定の厚みを有するものであれば特に限定されるものではなく、上記ヒドロゲル膜と同様の材料を用いることができる。
乾燥ゲル膜の形成方法としては、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するように所定の厚みを有する乾燥ゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、乾燥ゲル膜は泡膜をゲル化させたものであってもよい。この場合、乾燥ゲル膜は、ゲル原料を含む水溶液の泡膜を、水を含有する状態でゲル化し乾燥させて調製されたものであることがより好ましい。ゲル原料としては、上記ヒドロゲル膜と同様である。
また、乾燥ゲル膜は、適宜、界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤等を含有していてもよい。界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤としては、上記ヒドロゲル膜と同様である。
さらに、乾燥ゲル膜は、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を含有していてもよい。これらの成分は、ゲル膜において高分子の網目構造中に取り込まれ保持されることができる。
また、乾燥ゲル膜は、高分子化合物の網目構造を有しているため、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を透過することが可能である。
また、乾燥ゲル膜は、高分子化合物の網目構造を有しているため、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を透過することが可能である。
乾燥ゲル膜の厚みは、ゲル膜の乾燥厚みと同じであり、具体的には、100nm〜10μmの範囲内であり、200nm〜1μmの範囲内であることが好ましい。乾燥ゲル膜の厚みが上記範囲内である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に膜が剥がれ難いため有利である。また、乾燥ゲル膜の厚みが上記下限値以上である場合には光干渉による構造色が目視で観察できるため、極薄であるにも関わらず着色剤により着色しなくとも乾燥ゲル膜を目視により識別可能である。
ここで、乾燥ゲル膜の厚みの測定に際しては、カバーガラス表面を水で濡らし、乾燥ゲル膜をガラス表面に表面張力で密着させ、1時間真空乾燥し水を完全に揮発させ、光学顕微鏡により膜−空気界面とガラス表面の段差を測定し、乾燥ゲル膜の厚みとした。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
ここで、乾燥ゲル膜の厚みの測定に際しては、カバーガラス表面を水で濡らし、乾燥ゲル膜をガラス表面に表面張力で密着させ、1時間真空乾燥し水を完全に揮発させ、光学顕微鏡により膜−空気界面とガラス表面の段差を測定し、乾燥ゲル膜の厚みとした。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
(3)ゲル膜の形成方法
ゲル膜の形成方法としては、高膨潤領域および低膨潤領域を有し、所定の乾燥厚みを有するゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、架橋前ゲル膜と支持枠とを有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成し、架橋前ゲル膜の一部を架橋し、低膨潤領域および高膨潤領域を有するゲル膜を形成する方法が挙げられる。
ゲル膜の形成方法としては、高膨潤領域および低膨潤領域を有し、所定の乾燥厚みを有するゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、架橋前ゲル膜と支持枠とを有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成し、架橋前ゲル膜の一部を架橋し、低膨潤領域および高膨潤領域を有するゲル膜を形成する方法が挙げられる。
支持枠付き架橋前ゲル膜の形成方法としては、例えば、泡膜形成用支持枠を用いてゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成し、泡膜をゲル化する方法や、親水性表面を有する基材上にゲル原料を含む溶液を塗布して塗膜を形成し、塗膜上に保持用支持枠を載置し、保持用支持枠を載置した状態で塗膜をゲル化し、架橋前ゲル膜を保持用支持枠ごと基材から剥離する方法等が挙げられる。
なお、支持枠付き架橋前ゲル膜の形成方法については、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
なお、支持枠付き架橋前ゲル膜の形成方法については、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
架橋前ゲル膜の一部を架橋する方法としては、ゲル膜の材料に応じて適宜選択されるが、例えば、架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射する方法や、架橋前ゲル膜の一部に架橋剤を塗布する方法が挙げられる。中でも、紫外線または電子線の照射が好ましく、紫外線照射がより好ましい。架橋前ゲル膜の一部を容易に架橋することができる。また、毒性が懸念される架橋剤を用いる必要がなく、安全性が高い。一方、架橋剤を塗布する場合には、高膨潤領域および低膨潤領域の間で水に対する膨潤度が連続的に変化するゲル膜を形成することができる。
なお、紫外線または電子線を照射する方法については、後述の「B.貼付用シートの製造方法」に記載するので、ここでの説明は省略する。
また、架橋剤を塗布する方法の場合、架橋剤としては、架橋前ゲル膜を架橋できるものであれば特に限定されるものではなく、ゲル膜の材料に応じて一般的な架橋剤の中から適宜選択して用いることができる。
架橋剤の塗布方法としては、架橋前ゲル膜の一部に架橋剤を塗布できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばインクジェット法、ディスペンサを用いる方法等が挙げられる。
架橋剤の塗布方法としては、架橋前ゲル膜の一部に架橋剤を塗布できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばインクジェット法、ディスペンサを用いる方法等が挙げられる。
2.支持枠
本発明における支持枠は、ゲル膜の外縁に配置され、ゲル膜を支持するものである。すなわち、本発明の貼付用シートは、支持枠により形状が保持されている。支持枠によって貼付用シートの取り扱い性を向上させることができる。また、ゲル膜を形成する際に支持枠を用いることで両面が物体に接していないゲル膜を得ることができるため、貼付用シートを皮膚等に容易に貼付することができる。
本発明における支持枠は、ゲル膜の外縁に配置され、ゲル膜を支持するものである。すなわち、本発明の貼付用シートは、支持枠により形状が保持されている。支持枠によって貼付用シートの取り扱い性を向上させることができる。また、ゲル膜を形成する際に支持枠を用いることで両面が物体に接していないゲル膜を得ることができるため、貼付用シートを皮膚等に容易に貼付することができる。
支持枠としては、本発明の貼付用シートを皮膚等に貼付する際に支持枠を持つことができるようなものであれば特に限定されるものではない。
中でも、支持枠は、泡膜形成時に用いられた泡膜形成用支持枠や、架橋前ゲル膜の形成時に用いられた保持用支持枠であることが好ましい。例えば図6および図7に示すように、泡膜形成時に使われる泡膜形成用支持枠20は、架橋前ゲル膜の形成後も架橋前ゲル膜から分離せず支持枠として利用可能である。
中でも、支持枠は、泡膜形成時に用いられた泡膜形成用支持枠や、架橋前ゲル膜の形成時に用いられた保持用支持枠であることが好ましい。例えば図6および図7に示すように、泡膜形成時に使われる泡膜形成用支持枠20は、架橋前ゲル膜の形成後も架橋前ゲル膜から分離せず支持枠として利用可能である。
また、架橋前ゲル膜を泡膜形成用支持枠または保持用支持枠から分離し、別途用意された支持枠に固定することもできる。この場合においても任意の段階において必要に応じて、ゲル膜に対して適当な寸法へのカット、所望の成分の添加等の処理を施すことができる。
支持枠の材質、寸法および形状としては、泡膜形成用支持枠と同様とすることができる。また、支持枠の形状としては、本発明の貼付用シートの貼付時に支持枠を持つことができるような形状であればよく、例えば閉じた形状であってもよく開いた形状であってもよい。例えば、図6(b)、(c)に示すような架橋前のヒドロゲル膜12aまたは乾燥ゲル膜12bが形成された泡膜形成用支持枠20を中央線でカットすることにより、開いた形状の支持枠とすることができる。
支持枠は好ましくは可撓性のフィルム状部材である。図4(a)〜(c)に示すように、フィルム状部材により形成される支持枠5と、支持枠5で保持されているゲル膜2とを有する貼付用シート1は、表面が平坦ではない被貼付物30の表面形状に沿って変形することができ、貼付用シート1の支持枠5に固定された状態のゲル膜2の面を、水で湿らせた皮膚等の被貼付物30の表面に表面張力で十分に密着させ貼付することができる。そして、支持枠5を剥がし、ゲル膜2を被貼付物30表面に残すことができる。
3.貼付用シート
本発明の貼付用シートを使用する際には、皮膚等を水で湿らすまたは貼付用シートの貼付面を水で湿らし、皮膚等の表面に貼付用シートの貼付面を表面張力で密着させ貼付することができる。その後は、支持枠を剥がし、ゲル膜のみを皮膚等の表面に貼付することができる。
本発明の貼付用シートを使用する際には、皮膚等を水で湿らすまたは貼付用シートの貼付面を水で湿らし、皮膚等の表面に貼付用シートの貼付面を表面張力で密着させ貼付することができる。その後は、支持枠を剥がし、ゲル膜のみを皮膚等の表面に貼付することができる。
本発明において、貼付用シートの使用後は、ゲル膜の種類等にもよるが、水等により容易に洗い流すことができる。
本発明の貼付用シートは生体または生体材料の表面を保護する目的で使用することも可能である。
本発明の貼付用シートは美容用途または医療用途において有用である。具体的には、凹凸補正や色補正のためのコンシーラー等のメークアップ化粧料、化粧用パック材、皮膚表面の創傷を保護するための創傷被覆材、薬剤を経皮的に適用するための経皮吸収製剤、生体内の臓器や組織の表面に貼付され、臓器や組織の表面を保護したり、他の臓器や組織との癒着を防止したりする保護シート等の用途で利用可能である。また、本発明の貼付用シートは、例えばネイルシール、タトゥーシール等の装飾用シールとして利用することもできる。
B.貼付用シートの製造方法
本発明の貼付用シートの製造方法は、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である架橋前ゲル膜および、上記架橋前ゲル膜の外縁に配置され、上記架橋前ゲル膜を支持する支持枠を有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成する架橋前ゲル膜形成工程と、上記架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射して架橋させ、上記架橋前ゲル膜よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を形成することにより、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い上記低膨潤領域を有するゲル膜を形成する架橋工程とを有し、上記架橋工程では、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されるように、上記架橋前ゲル膜を架橋させることを特徴とする。
本発明の貼付用シートの製造方法は、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である架橋前ゲル膜および、上記架橋前ゲル膜の外縁に配置され、上記架橋前ゲル膜を支持する支持枠を有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成する架橋前ゲル膜形成工程と、上記架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射して架橋させ、上記架橋前ゲル膜よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を形成することにより、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い上記低膨潤領域を有するゲル膜を形成する架橋工程とを有し、上記架橋工程では、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されるように、上記架橋前ゲル膜を架橋させることを特徴とする。
ここで、架橋前ゲル膜の「乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である」とは、例えば架橋前ゲル膜が水を含んだ状態である場合には、乾燥させた架橋前ゲル膜の厚みが上記範囲内であればよく、実際の架橋前ゲル膜の厚みは上記範囲内でなくともよい。
「ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置される」とは、上述した通りである。
本発明の貼付用シートの製造方法について図面を参照して説明する。
図6(a)〜(c)および図7(a)〜(e)は本発明における架橋前ゲル膜形成工程の一例を示す工程図である。まず、図6(a)および図7(a)に示すように、少なくとも1つの開口21が形成された泡膜形成用支持枠20を用意する。次に、図7(b)に示すように、泡膜形成用支持枠20を泡膜形成用水溶液22に浸し引き揚げて、図7(c)に示すように、開口21を塞ぐように張られた泡膜形成用水溶液の泡膜23を形成する。次いで、図6(b)および図7(d)に示すように、泡膜23を水を含有する状態でゲル化することにより、架橋前のヒドロゲル膜12aを形成する。続いて、図6(c)および図7(e)に示すように、架橋前のヒドロゲル膜12aをさらに乾燥させることにより、架橋前の乾燥ゲル膜12bを形成する。泡膜形成用支持枠20は支持枠として用いることができ、これにより、支持枠付き架橋前ゲル膜が得られる。この場合、架橋前のヒドロゲル膜12aまたは乾燥ゲル膜12bの周縁が泡膜形成用支持枠20と結合している。
図6(a)〜(c)および図7(a)〜(e)は本発明における架橋前ゲル膜形成工程の一例を示す工程図である。まず、図6(a)および図7(a)に示すように、少なくとも1つの開口21が形成された泡膜形成用支持枠20を用意する。次に、図7(b)に示すように、泡膜形成用支持枠20を泡膜形成用水溶液22に浸し引き揚げて、図7(c)に示すように、開口21を塞ぐように張られた泡膜形成用水溶液の泡膜23を形成する。次いで、図6(b)および図7(d)に示すように、泡膜23を水を含有する状態でゲル化することにより、架橋前のヒドロゲル膜12aを形成する。続いて、図6(c)および図7(e)に示すように、架橋前のヒドロゲル膜12aをさらに乾燥させることにより、架橋前の乾燥ゲル膜12bを形成する。泡膜形成用支持枠20は支持枠として用いることができ、これにより、支持枠付き架橋前ゲル膜が得られる。この場合、架橋前のヒドロゲル膜12aまたは乾燥ゲル膜12bの周縁が泡膜形成用支持枠20と結合している。
図8(a)〜(b)は本発明における架橋工程の一例を示す工程図である。まず、図8(a)に示すように、フォトマスクMを介して架橋前ゲル膜12の一部に紫外線Lを照射して架橋させ、架橋前ゲル膜12よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域3を形成することにより、低膨潤領域3および高膨潤領域4を有するゲル膜2を形成する。この際、低膨潤領域3と支持枠5との間に高膨潤領域4が配置されるように、架橋前ゲル膜12を架橋させる。
本発明によれば、架橋前ゲル膜の乾燥厚みが所定の範囲内であり、ゲル膜は非常に厚みが薄いため、皮膚等の生体または生体材料の表面への高い密着性を有しており、かつ、高い柔軟性を有している。したがって、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着させることができる貼付用シートを得ることができる。そのため、貼付時に粘着剤成分によるかぶれや肌荒れを抑制し、皮膚等への刺激を低減することができる。さらに、ゲル膜は高い凹凸追従性を有しており、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくい貼付用シートを得ることができる。
ここで、ゲル膜の低膨潤領域は、架橋前ゲル膜に含まれる高分子を架橋することにより形成することができる。そのため、低膨潤領域は水で膨潤しにくく、耐水性が高く、強度が高くなる。また、低膨潤領域および支持枠が接している場合には、低膨潤領域および支持枠の結合が強くなる。一方、ゲル膜の高膨潤領域では、架橋前ゲル膜に含まれる高分子が架橋されていないまたは架橋が不十分である。そのため、高膨潤領域は水で膨潤しやすく、耐水性が低く、強度が低くなる。また、高膨潤領域および支持枠が接している場合には、高膨潤領域および支持枠の結合が弱くなる。したがって、ゲル膜の高膨潤領域と支持枠との境界で分離しやすくすることができる。よって本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されるように、すなわち低膨潤領域の少なくとも一部が支持枠に接しないように、架橋前ゲル膜の一部を架橋させることにより、貼付後に支持枠を剥がしゲル膜のみを容易に貼付することができる貼付用シートを得ることができる。
また、貼付用シートの貼付後に支持枠を剥がす際にはゲル膜の高膨潤領域と支持枠との境界で分離されることから、皮膚等の表面にはゲル膜の低膨潤領域を必ず貼付することができる。
上述のように、低膨潤領域は水で膨潤しにくく、耐水性が高く、強度が高い領域である。したがって本発明においては、架橋前ゲル膜の一部を架橋させて低膨潤領域を形成することにより、耐水性および強度が良好なゲル膜を得ることができる。そのため、本発明における貼付用シートのゲル膜を皮膚等に貼付した後、水に濡らした場合であっても、剥がれにくく破れにくくすることができる。
このように本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されるように、架橋前ゲル膜の一部を架橋させることにより、ゲル膜の耐水性および強度を高めつつ、容易に貼付することができる貼付用シートを得ることができる。
上述のように、低膨潤領域は水で膨潤しにくく、耐水性が高く、強度が高い領域である。したがって本発明においては、架橋前ゲル膜の一部を架橋させて低膨潤領域を形成することにより、耐水性および強度が良好なゲル膜を得ることができる。そのため、本発明における貼付用シートのゲル膜を皮膚等に貼付した後、水に濡らした場合であっても、剥がれにくく破れにくくすることができる。
このように本発明においては、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されるように、架橋前ゲル膜の一部を架橋させることにより、ゲル膜の耐水性および強度を高めつつ、容易に貼付することができる貼付用シートを得ることができる。
以下、本発明の貼付用シートの製造方法における各工程について説明する。
1.支持枠付き架橋前ゲル膜形成工程
本発明においては、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である架橋前ゲル膜および、上記架橋前ゲル膜の外縁に配置され、上記架橋前ゲル膜を支持する支持枠を有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成する架橋前ゲル膜形成工程を行う。
本発明においては、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である架橋前ゲル膜および、上記架橋前ゲル膜の外縁に配置され、上記架橋前ゲル膜を支持する支持枠を有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成する架橋前ゲル膜形成工程を行う。
支持枠付き架橋前ゲル膜の形成方法としては、例えば、泡膜形成用支持枠を用いてゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成し、泡膜をゲル化する方法(第1方法)や、親水性表面を有する基材上にゲル原料を含む溶液を塗布して塗膜を形成し、塗膜上に保持用支持枠を載置し、保持用支持枠を載置した状態で塗膜をゲル化し、架橋前ゲル膜を保持用支持枠ごと基材から剥離する方法(第2方法)等が挙げられる。
以下、それぞれの方法について説明する。
以下、それぞれの方法について説明する。
(1)第1方法
本態様における架橋前のヒドロゲル膜の形成方法としては、例えば、泡膜をゲル化したヒドロゲル膜を形成可能な方法であればよい。架橋前のヒドロゲル膜の形成方法は、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を泡膜形成用支持枠の開口に形成する泡膜形成工程と、上記泡膜を水を含有する状態でゲル化させ、架橋前のヒドロゲル膜を形成するゲル化工程とを有することが好ましい。
また、本態様における架橋前の乾燥ゲル膜の形成方法としては、例えば、泡膜をゲル化した乾燥ゲル膜を形成可能な方法であればよい。架橋前の乾燥ゲル膜の形成方法は、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を泡膜形成用支持枠の開口に形成する泡膜形成工程と、上記泡膜を水を含有する状態でゲル化させ、架橋前のヒドロゲル膜を形成するゲル化工程と、上記架橋前のヒドロゲル膜を乾燥する乾燥工程とを有することが好ましい。
本態様における架橋前のヒドロゲル膜の形成方法としては、例えば、泡膜をゲル化したヒドロゲル膜を形成可能な方法であればよい。架橋前のヒドロゲル膜の形成方法は、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を泡膜形成用支持枠の開口に形成する泡膜形成工程と、上記泡膜を水を含有する状態でゲル化させ、架橋前のヒドロゲル膜を形成するゲル化工程とを有することが好ましい。
また、本態様における架橋前の乾燥ゲル膜の形成方法としては、例えば、泡膜をゲル化した乾燥ゲル膜を形成可能な方法であればよい。架橋前の乾燥ゲル膜の形成方法は、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を泡膜形成用支持枠の開口に形成する泡膜形成工程と、上記泡膜を水を含有する状態でゲル化させ、架橋前のヒドロゲル膜を形成するゲル化工程と、上記架橋前のヒドロゲル膜を乾燥する乾燥工程とを有することが好ましい。
以下、架橋前ゲル膜の形成に用いられる泡膜形成用支持枠および架橋前ゲル膜の形成方法における各工程について説明する。
(i)泡膜形成用支持枠
泡膜を形成するための泡膜形成用支持枠の材質としては、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂、ガラス、金属等を挙げることができる。また、泡膜形成用支持枠は可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。中でも、泡膜形成用支持枠は可撓性のフィルム状部材であることが好ましい。
泡膜を形成するための泡膜形成用支持枠の材質としては、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂、ガラス、金属等を挙げることができる。また、泡膜形成用支持枠は可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。中でも、泡膜形成用支持枠は可撓性のフィルム状部材であることが好ましい。
泡膜形成用支持枠の寸法および形状は適宜選択すればよい。泡膜形成用支持枠に形成された開口の面積は泡膜を形成可能な程度であればよいが、100mm2〜40000mm2の範囲内であることが好ましく、300mm2〜2000mm2の範囲内であることがより好ましい。開口の形状は特に限定されず、目的に応じて円形、三角形、四角形等の多角形等、任意の形状であることができる。中でも、開口の形状は、円形や、角部が丸みを帯びた多角形が好ましい。これらの形状の場合、泡膜の周縁にかかる応力を低減できるので、泡膜の取扱いやすさを向上させることができる。
(ii)泡膜形成工程
泡膜形成工程では、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を泡膜形成用支持枠の開口に形成する。
なお、ゲル原料については、上述したのでここでの説明は省略する。
ゲル原料がゼラチン、アガロース、コラーゲンの場合の泡膜の形成については、特開2013−223644号公報に記載の方法と同様である。
泡膜形成工程では、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を泡膜形成用支持枠の開口に形成する。
なお、ゲル原料については、上述したのでここでの説明は省略する。
ゲル原料がゼラチン、アガロース、コラーゲンの場合の泡膜の形成については、特開2013−223644号公報に記載の方法と同様である。
また、泡膜形成用水溶液中には、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を配合することも可能である。泡膜形成用水溶液に含まれる成分は、架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜において高分子の網目構造中に取り込まれ保持されることができる。
(iii)ゲル化工程
ゲル化工程では、泡膜を水を含有する状態でゲル化させ、架橋前のヒドロゲル膜を形成する。
ゲル化工程では泡膜が乾燥する前に水を含んだ状態でゲル化してヒドロゲルを形成する。ゲル化の条件は、泡膜の水分が完全に保持される条件であることは必須ではなく、水を含んだ状態のヒドロゲル膜が形成される条件であればよい。
ゲル原料がゼラチン、アガロース、コラーゲンの場合のゲル化については、特開2013−223644号公報に記載の方法と同様である。
ゲル化工程では、泡膜を水を含有する状態でゲル化させ、架橋前のヒドロゲル膜を形成する。
ゲル化工程では泡膜が乾燥する前に水を含んだ状態でゲル化してヒドロゲルを形成する。ゲル化の条件は、泡膜の水分が完全に保持される条件であることは必須ではなく、水を含んだ状態のヒドロゲル膜が形成される条件であればよい。
ゲル原料がゼラチン、アガロース、コラーゲンの場合のゲル化については、特開2013−223644号公報に記載の方法と同様である。
(iv)乾燥工程
乾燥工程では、架橋前のヒドロゲル膜を乾燥する。架橋前の乾燥ゲル膜は、架橋前のヒドロゲル膜をさらに乾燥させることにより調製することができる。
ゲル化工程と乾燥工程とは別々の工程として実施される必要はなく、泡膜からヒドロゲル膜が形成され、引き続きヒドロゲル膜の乾燥が進行する条件において泡膜を処理して、中間産物としてヒドロゲル膜を取得することなく乾燥ゲル膜を得ることもできる。
乾燥条件については、特開2013−223644号公報に記載の方法と同様である。
架橋前の乾燥ゲル膜中の水分は特に限定されないが、好ましくは水分量が10質量%以下になるまで乾燥させる。
乾燥工程では、架橋前のヒドロゲル膜を乾燥する。架橋前の乾燥ゲル膜は、架橋前のヒドロゲル膜をさらに乾燥させることにより調製することができる。
ゲル化工程と乾燥工程とは別々の工程として実施される必要はなく、泡膜からヒドロゲル膜が形成され、引き続きヒドロゲル膜の乾燥が進行する条件において泡膜を処理して、中間産物としてヒドロゲル膜を取得することなく乾燥ゲル膜を得ることもできる。
乾燥条件については、特開2013−223644号公報に記載の方法と同様である。
架橋前の乾燥ゲル膜中の水分は特に限定されないが、好ましくは水分量が10質量%以下になるまで乾燥させる。
(v)他の工程
架橋前ゲル膜に医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等を保持させる方法としては、例えば、泡膜形成用水溶液に上記成分をさらに加えたものを使用して架橋前のヒドロゲル膜または乾燥ゲル膜を形成する方法、および、得られた架橋前のヒドロゲル膜または乾燥ゲル膜に上記成分を接触させる方法が挙げられる。後者の方法において、上記成分の接触は、上記成分を含む液中への架橋前のヒドロゲル薄または乾燥ゲル膜の浸漬や、上記成分を含む液の架橋前のヒドロゲル膜または乾燥ゲル膜への塗布等の任意の方法により行うことができる。
架橋前ゲル膜に医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等を保持させる方法としては、例えば、泡膜形成用水溶液に上記成分をさらに加えたものを使用して架橋前のヒドロゲル膜または乾燥ゲル膜を形成する方法、および、得られた架橋前のヒドロゲル膜または乾燥ゲル膜に上記成分を接触させる方法が挙げられる。後者の方法において、上記成分の接触は、上記成分を含む液中への架橋前のヒドロゲル薄または乾燥ゲル膜の浸漬や、上記成分を含む液の架橋前のヒドロゲル膜または乾燥ゲル膜への塗布等の任意の方法により行うことができる。
(2)第2方法
本態様に用いられる基材は、静的水接触角が45°以下である親水性表面を有するものである。このような基材は架橋前ゲル膜との接着力が十分に弱いため、非常に薄い架橋前ゲル膜であっても、基材表面からの剥離時に損傷することなく回収することができる。
本態様に用いられる基材は、静的水接触角が45°以下である親水性表面を有するものである。このような基材は架橋前ゲル膜との接着力が十分に弱いため、非常に薄い架橋前ゲル膜であっても、基材表面からの剥離時に損傷することなく回収することができる。
親水性表面は、炭素酸素結合を有する有機化合物の皮膜を基材の表面に形成することにより得ることができる。
基材の材料は、その表面に炭素酸素結合を有する有機化合物の皮膜を形成することが可能な材料であることが好ましい。具体的には、国際公開第2008/143149号パンフレットに記載の材料を挙げることができる。
基材の材料は、その表面に炭素酸素結合を有する有機化合物の皮膜を形成することが可能な材料であることが好ましい。具体的には、国際公開第2008/143149号パンフレットに記載の材料を挙げることができる。
また、親水性表面は、炭素酸素結合を有する有機化合物により形成される、静的水接触角が45°以下である親水性膜により形成することができる。
ここで、炭素酸素結合とは、炭素と酸素との間に形成される結合を意味し、単結合に限らず二重結合であってもよい。炭素酸素結合としてはC−O結合、C(=O)−O結合、C=O結合が挙げられる。
親水性膜の主原料としては、水溶性高分子、水溶性オリゴマー、水溶性有機化合物、界面活性物質、両親媒性物質等の親水性有機化合物が挙げられる。これらが相互に物理的または化学的に架橋し、基材と物理的または化学的に結合することにより親水性膜となる。具体的には、国際公開第2008/143149号パンフレットに記載の材料を挙げることができる。
ここで、炭素酸素結合とは、炭素と酸素との間に形成される結合を意味し、単結合に限らず二重結合であってもよい。炭素酸素結合としてはC−O結合、C(=O)−O結合、C=O結合が挙げられる。
親水性膜の主原料としては、水溶性高分子、水溶性オリゴマー、水溶性有機化合物、界面活性物質、両親媒性物質等の親水性有機化合物が挙げられる。これらが相互に物理的または化学的に架橋し、基材と物理的または化学的に結合することにより親水性膜となる。具体的には、国際公開第2008/143149号パンフレットに記載の材料を挙げることができる。
基材および親水性膜の厚み、基材表面への親水性膜の形成方法については、国際公開第2008/143149号パンフレットを参照することができる。
本態様に用いられる保持用支持枠としては、上述の泡膜形成用支持枠と同様とすることができる。
本態様においては、例えば、基材の親水性膜上にゲル原料を含む溶液を塗布して塗膜を形成し、塗膜上に保持用支持枠を載置し、保持用支持枠を載置した状態で塗膜をゲル化する。この際、架橋前ゲル膜は基材上に剥離可能に設置されており、ピンセット等を用いて保持用支持枠の部分を摘み、基材から剥離することができる。
(3)架橋前ゲル膜
架橋前ゲル膜形成工程にて形成される架橋前ゲル膜は、所定の乾燥厚みを有するものである。
なお、架橋前ゲル膜の乾燥厚みについては、上記「A.貼付用シート」のゲル膜の乾燥厚みと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
架橋前ゲル膜としては、所定の乾燥厚みを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、架橋前のヒドロゲル膜、架橋前の乾燥ゲル膜が挙げられる。なお、架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の材料や厚み等については、上記「A.貼付用シート」のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
架橋前ゲル膜形成工程にて形成される架橋前ゲル膜は、所定の乾燥厚みを有するものである。
なお、架橋前ゲル膜の乾燥厚みについては、上記「A.貼付用シート」のゲル膜の乾燥厚みと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
架橋前ゲル膜としては、所定の乾燥厚みを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、架橋前のヒドロゲル膜、架橋前の乾燥ゲル膜が挙げられる。なお、架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の材料や厚み等については、上記「A.貼付用シート」のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.架橋工程
本発明における架橋工程は、上記架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射して架橋させ、上記架橋前ゲル膜よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を形成することにより、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い上記低膨潤領域を有するゲル膜を形成する工程である。架橋工程では、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されるように、上記架橋前ゲル膜を架橋させる。
本発明における架橋工程は、上記架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射して架橋させ、上記架橋前ゲル膜よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を形成することにより、高膨潤領域および上記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い上記低膨潤領域を有するゲル膜を形成する工程である。架橋工程では、上記ゲル膜と上記支持枠との境界の少なくとも一部にて、上記低膨潤領域と上記支持枠との間に上記高膨潤領域が配置されるように、上記架橋前ゲル膜を架橋させる。
架橋前ゲル膜に紫外線を照射する方法としては、架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトマスクを介して紫外線または電子線を照射する方法が挙げられる。
紫外線および電子線の波長としては、架橋前ゲル膜を架橋させることができれば特に限定されるものではなく、架橋前ゲル膜の材料に応じて適宜選択される。紫外線の場合、例えば、波長250nm〜400nmの範囲内の紫外線を用いることができる。
紫外線および電子線の線量としては、架橋前ゲル膜を架橋させることができる程度であれば特に限定されるものではなく、架橋前ゲル膜の材料や厚み、目的とする耐水性や強度等に応じて適宜選択される。例えば波長350nmの紫外線の場合において3mJ/cm2〜1800mJ/cm2の範囲内で設定することができる。
紫外線および電子線の照射時間、照射距離等の条件は、架橋前ゲル膜の材料や厚み、目的とする耐水性や強度等に応じて適宜選択することができる。
紫外線および電子線の波長としては、架橋前ゲル膜を架橋させることができれば特に限定されるものではなく、架橋前ゲル膜の材料に応じて適宜選択される。紫外線の場合、例えば、波長250nm〜400nmの範囲内の紫外線を用いることができる。
紫外線および電子線の線量としては、架橋前ゲル膜を架橋させることができる程度であれば特に限定されるものではなく、架橋前ゲル膜の材料や厚み、目的とする耐水性や強度等に応じて適宜選択される。例えば波長350nmの紫外線の場合において3mJ/cm2〜1800mJ/cm2の範囲内で設定することができる。
紫外線および電子線の照射時間、照射距離等の条件は、架橋前ゲル膜の材料や厚み、目的とする耐水性や強度等に応じて適宜選択することができる。
架橋工程では、ゲル膜と支持枠との境界の少なくとも一部にて、低膨潤領域と支持枠との間に高膨潤領域が配置されるように、架橋前ゲル膜を架橋させる。
低膨潤領域および高膨潤領域の配置については、上記「A.貼付用シート」に記載したので、ここでの説明は省略する。
低膨潤領域および高膨潤領域の配置については、上記「A.貼付用シート」に記載したので、ここでの説明は省略する。
なお、架橋工程では、高膨潤領域および低膨潤領域を有するゲル膜が得られればよく、例えば架橋前ゲル膜の一部を架橋した後に、全面をわずかに架橋してもよく、また架橋ゲル膜の全面をわずかに架橋した後に、一部を架橋してもよい。高膨潤領域において架橋前ゲル膜に含まれる高分子の架橋が不十分であれば、水に対する膨潤度が異なる高膨潤領域および低膨潤領域を形成することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[参考例]
1.支持枠の準備
4cm×4cm、厚み250μmのSUNDIC社製のポリスチレン製フィルムを、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
1.支持枠の準備
4cm×4cm、厚み250μmのSUNDIC社製のポリスチレン製フィルムを、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
2.水溶液の準備
(1)水溶液1−a、1−b
シグマアルドリッチ社製のゼラチンを純水に2質量%または6質量%の濃度となるように溶解して調製した水溶液をそれぞれ「水溶液1−a」「水溶液1−b」とした。
(2)水溶液2−a、2−b
シグマアルドリッチ社製のアガロースを純水に2質量%または6質量%の濃度となるように溶解して調製した水溶液をそれぞれ「水溶液2−a」[水溶液2−b]とした。
(3)水溶液3−a、3−b
新田ゼラチン社製のコラーゲン Cellmatrix Type I−Aを2質量%(pH=3)または6質量%(pH=3)の濃度になるように調製した水溶液をそれぞれ「水溶液3−a」[水溶液3−b]とした。
(1)水溶液1−a、1−b
シグマアルドリッチ社製のゼラチンを純水に2質量%または6質量%の濃度となるように溶解して調製した水溶液をそれぞれ「水溶液1−a」「水溶液1−b」とした。
(2)水溶液2−a、2−b
シグマアルドリッチ社製のアガロースを純水に2質量%または6質量%の濃度となるように溶解して調製した水溶液をそれぞれ「水溶液2−a」[水溶液2−b]とした。
(3)水溶液3−a、3−b
新田ゼラチン社製のコラーゲン Cellmatrix Type I−Aを2質量%(pH=3)または6質量%(pH=3)の濃度になるように調製した水溶液をそれぞれ「水溶液3−a」[水溶液3−b]とした。
3.ゼラチンの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
支持枠を37℃でゾル状態である水溶液1−aに1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を水溶液から、支持枠の開口に水溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持枠を4℃の温度条件に10分間曝して水溶液の泡膜をゲル化させることで、厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜1−aを作製した。
次に、架橋前のヒドロゲル膜を4℃、120分間乾燥処理を行い、厚み約400nmの架橋前の乾燥ゲル膜1−aを得た。
支持枠を37℃でゾル状態である水溶液1−aに1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を水溶液から、支持枠の開口に水溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持枠を4℃の温度条件に10分間曝して水溶液の泡膜をゲル化させることで、厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜1−aを作製した。
次に、架橋前のヒドロゲル膜を4℃、120分間乾燥処理を行い、厚み約400nmの架橋前の乾燥ゲル膜1−aを得た。
また、水溶液1−bについても、同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後ゲル化して厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜1−bを作製し、乾燥により厚み1.2μmの架橋前の乾燥ゲル膜1−bを作製した。
4.アガロースの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
支持枠を50℃でゾル状態である水溶液2−aに1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を水溶液から、支持枠の開口に水溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持枠を4℃の温度条件に10分間曝して水溶液の泡膜をゲル化させることで、厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜2aを作製した。
次に、架橋前のヒドロゲル膜を4℃で120分間乾燥処理を行い、厚み約400nmの架橋前の乾燥ゲル膜2−aを得た。
支持枠を50℃でゾル状態である水溶液2−aに1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を水溶液から、支持枠の開口に水溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持枠を4℃の温度条件に10分間曝して水溶液の泡膜をゲル化させることで、厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜2aを作製した。
次に、架橋前のヒドロゲル膜を4℃で120分間乾燥処理を行い、厚み約400nmの架橋前の乾燥ゲル膜2−aを得た。
水溶液2−bについても、同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後ゲル化して厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜2−bを作製し、乾燥により厚み1.2μmの架橋前の乾燥ゲル膜2bを作製した。
5.コラーゲンの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
4℃で水溶液3−aを水酸化ナトリウムでpH=7に調整し、4℃のままゾル状態である水溶液に1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を水溶液から、支持枠の開口に水溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持枠を37℃の温度条件に30分間曝して、水溶液の泡膜をゲル化させることで、厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜3−aを作製した。
次に、架橋前のヒドロゲル膜を23℃で120分間乾燥処理を行い、厚み約400nmの架橋前の乾燥ゲル膜3−aを得た。
4℃で水溶液3−aを水酸化ナトリウムでpH=7に調整し、4℃のままゾル状態である水溶液に1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を水溶液から、支持枠の開口に水溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持枠を37℃の温度条件に30分間曝して、水溶液の泡膜をゲル化させることで、厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜3−aを作製した。
次に、架橋前のヒドロゲル膜を23℃で120分間乾燥処理を行い、厚み約400nmの架橋前の乾燥ゲル膜3−aを得た。
水溶液3−bについても、同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後ゲル化して厚み約10μmの架橋前のヒドロゲル膜3−bを作製し、乾燥により厚み1.2μmの架橋前の乾燥ゲル膜3−bを作製した。
[比較例1]
1.ゼラチンの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
水溶液1−aについて、実施例1と同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をしたところ、泡膜が壊れてしまった。
1.ゼラチンの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
水溶液1−aについて、実施例1と同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をしたところ、泡膜が壊れてしまった。
2.アガロースの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
水溶液2−aについて、実施例1と同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をしたところ、泡膜が壊れてしまった。
水溶液2−aについて、実施例1と同様の方法により、水溶液で泡膜を形成後、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をしたところ、泡膜が壊れてしまった。
3.コラーゲンの架橋前のヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜の形成
水溶液3−aについて、実施例1と同法の方法により、4℃で水溶液3−aをpH=7に調整し泡膜を形成して、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をしたところ、泡膜が壊れてしまった。
水溶液3−aについて、実施例1と同法の方法により、4℃で水溶液3−aをpH=7に調整し泡膜を形成して、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をしたところ、泡膜が壊れてしまった。
[比較例2]
シグマアルドリッチ社製のアガロースを純水に1質量%の濃度となるように溶解して調製した水溶液を「水溶液4」とした。ゾル状態の50℃の水溶液4をガラス基板上に1mm厚になるようにコートし、ゲル化させることで架橋前のヒドロゲル膜4を形成した。この架橋前のヒドロゲル膜は強度があるため、ピンセットにより基板から剥離し取り扱うことが可能であった。
シグマアルドリッチ社製のアガロースを純水に1質量%の濃度となるように溶解して調製した水溶液を「水溶液4」とした。ゾル状態の50℃の水溶液4をガラス基板上に1mm厚になるようにコートし、ゲル化させることで架橋前のヒドロゲル膜4を形成した。この架橋前のヒドロゲル膜は強度があるため、ピンセットにより基板から剥離し取り扱うことが可能であった。
[評価]
1.架橋前のヒドロゲル膜のヒト皮膚への貼付評価
上記で作製された架橋前のヒドロゲル膜1−a、2−a、3−aそれぞれについて、架橋前のヒドロゲル膜が形成された支持枠の支持枠部分をつかんで、水で濡らしたヒト皮膚に架橋前のヒドロゲル膜を接触させると表面張力で架橋前のヒドロゲル膜が皮膚に密着し、支持枠部分を皮膚から遠ざけると架橋前のヒドロゲル膜が支持枠部分から分離し、架橋前のヒドロゲル膜だけを皮膚に貼付することができた。また、架橋前のヒドロゲル膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、指を曲げた状態で、水で湿らせた指関節に接触させると曲面形状に追随するように架橋前のヒドロゲル膜の全てが表面張力で皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際も架橋前のヒドロゲル膜が皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。
1.架橋前のヒドロゲル膜のヒト皮膚への貼付評価
上記で作製された架橋前のヒドロゲル膜1−a、2−a、3−aそれぞれについて、架橋前のヒドロゲル膜が形成された支持枠の支持枠部分をつかんで、水で濡らしたヒト皮膚に架橋前のヒドロゲル膜を接触させると表面張力で架橋前のヒドロゲル膜が皮膚に密着し、支持枠部分を皮膚から遠ざけると架橋前のヒドロゲル膜が支持枠部分から分離し、架橋前のヒドロゲル膜だけを皮膚に貼付することができた。また、架橋前のヒドロゲル膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、指を曲げた状態で、水で湿らせた指関節に接触させると曲面形状に追随するように架橋前のヒドロゲル膜の全てが表面張力で皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際も架橋前のヒドロゲル膜が皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。
架橋前のヒドロゲル膜1−b、2−b、3−bもまた、指を曲げた状態で、水で湿らせた指関節に表面張力で密着させることにより貼付することができた。しかしながら、架橋前のヒドロゲル膜1−a、2−a、3−aと比較して皮膚への密着性が弱く、指の屈折の際に架橋前のヒドロゲル膜が皮膚からずれる傾向があった。また、貼付後の見た目が目立ち易い傾向があった。
一方、架橋前のヒドロゲル膜4を曲げた状態の指関節も接触させると一部が浮き上がり、また指の屈折の際にヒドロゲル膜が皮膚からずれる等、密着性が悪く、また貼付後の見た目も目立っていた。
2.架橋前の乾燥ゲル膜のヒト皮膚への貼付評価
上記で作製された架橋前の乾燥ゲル膜1−a、2−a、3−aそれぞれについて、架橋前の乾燥ゲル膜が形成された支持枠の支持枠部分をつかんで、水で濡らしたヒト皮膚に架橋前の乾燥ゲル膜を接触させると、架橋前の乾燥ゲル膜が非常に薄いので柔軟性があり皮膚の微細形状に追随するように表面張力で皮膚に密着し、支持枠を皮膚から遠ざけると架橋前の乾燥ゲル膜が支持枠から剥がれ、架橋前の乾燥ゲル膜だけを皮膚に貼付することができた。また、架橋前の乾燥ゲル膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、指を曲げた状態で、水で湿らせた指関節に接触させると曲面形状に追随するように架橋前の乾燥ゲル膜の全てが表面張力で皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際も架橋前の乾燥ゲル膜は皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。
上記で作製された架橋前の乾燥ゲル膜1−a、2−a、3−aそれぞれについて、架橋前の乾燥ゲル膜が形成された支持枠の支持枠部分をつかんで、水で濡らしたヒト皮膚に架橋前の乾燥ゲル膜を接触させると、架橋前の乾燥ゲル膜が非常に薄いので柔軟性があり皮膚の微細形状に追随するように表面張力で皮膚に密着し、支持枠を皮膚から遠ざけると架橋前の乾燥ゲル膜が支持枠から剥がれ、架橋前の乾燥ゲル膜だけを皮膚に貼付することができた。また、架橋前の乾燥ゲル膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、指を曲げた状態で、水で湿らせた指関節に接触させると曲面形状に追随するように架橋前の乾燥ゲル膜の全てが表面張力で皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際も架橋前の乾燥ゲル膜は皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。
架橋前の乾燥ゲル膜1−b、2−b、3−bもまた、指を曲げた状態で、水で湿らせた指関節に表面張力で密着させることにより貼付することができた。しかしながら、架橋前の乾燥ゲル膜1−a、2−a、3−aを有する貼付用シートと比較して皮膚への密着性が弱く、指の屈折の際に架橋前の乾燥ゲル膜が皮膚からずれる傾向があった。また、貼付後の見た目が目立ち易い傾向があった。
3.ポリエチレングリコール添加による膜の柔軟性の影響
ゼラチンを2質量%含み、ポリエチレングリコールを0質量%、1質量%、2質量%または6質量%含む溶液をそれぞれ1mlずつ、3cm×3cmの素ガラス上に、溶液を37℃でゾル状態にしておいて均一にコートし、4℃の温度条件に10分間曝して溶液をゲル化させ、4℃で24時間乾乾燥処理を行うことで、素ガラス上に乾燥膜を形成した。その後、フィッシャー・インストルメンツ社製のピコデンター HM500を用いて乾燥膜の硬さを測定したところ、ポリエチレングリコールの量の増加に伴い膜のマルテンス硬さの値が低くなり柔軟性が高まった。結果を下記表に示す。
ゼラチンを2質量%含み、ポリエチレングリコールを0質量%、1質量%、2質量%または6質量%含む溶液をそれぞれ1mlずつ、3cm×3cmの素ガラス上に、溶液を37℃でゾル状態にしておいて均一にコートし、4℃の温度条件に10分間曝して溶液をゲル化させ、4℃で24時間乾乾燥処理を行うことで、素ガラス上に乾燥膜を形成した。その後、フィッシャー・インストルメンツ社製のピコデンター HM500を用いて乾燥膜の硬さを測定したところ、ポリエチレングリコールの量の増加に伴い膜のマルテンス硬さの値が低くなり柔軟性が高まった。結果を下記表に示す。
[実施例1]
1.貼付用シートの作製
4cm×4cm、厚み1mmのポリスチレン板を、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
また、シグマアルドリッチ社製のゼラチンを1.5質量%、ポリエチレングリコールを1.0質量%含む水溶液を調製した。
参考例と同様の方法により、水溶液で泡膜を形成しゲル化して乾燥させ、厚み500nmの架橋前の乾燥ゲル膜を形成した。
次に、フォトマスクを介して架橋前の乾燥ゲル膜に部分的に紫外線を照射し、架橋前の乾燥ゲル膜の架橋を行った。すなわち、3.2cmφの円形の架橋前の乾燥ゲル膜に対して同心円状に2.8cmφの領域に紫外線照射を施し、低膨潤領域および高膨潤領域を形成した。この際、波長250nm〜400nmの範囲内の紫外線を300mJ/cm2(波長350nmで計測)の線量で照射した。
1.貼付用シートの作製
4cm×4cm、厚み1mmのポリスチレン板を、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
また、シグマアルドリッチ社製のゼラチンを1.5質量%、ポリエチレングリコールを1.0質量%含む水溶液を調製した。
参考例と同様の方法により、水溶液で泡膜を形成しゲル化して乾燥させ、厚み500nmの架橋前の乾燥ゲル膜を形成した。
次に、フォトマスクを介して架橋前の乾燥ゲル膜に部分的に紫外線を照射し、架橋前の乾燥ゲル膜の架橋を行った。すなわち、3.2cmφの円形の架橋前の乾燥ゲル膜に対して同心円状に2.8cmφの領域に紫外線照射を施し、低膨潤領域および高膨潤領域を形成した。この際、波長250nm〜400nmの範囲内の紫外線を300mJ/cm2(波長350nmで計測)の線量で照射した。
2.評価
貼付用シートの支持枠をつかんで、水で湿らせたヒト皮膚に乾燥ゲル膜を接触させると表面張力で乾燥ゲル膜が皮膚に密着し、支持枠を皮膚から遠ざけると乾燥ゲル膜が支持枠から分離し、乾燥ゲル膜だけを皮膚に貼付することができた。貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。また、乾燥ゲル膜が非常に薄いため凹凸追従性が良く、貼付後に皮膚にシワを寄せても凹凸形状に追随するように乾燥ゲル膜が全て皮膚に密着し、また乾燥ゲル膜が皮膚に密着したまま剥がれることがなかった。
上記のような貼付性について架橋前後の乾燥ゲル膜を比較したところ、後述の比較例4に記載するように、架橋前後で乾燥ゲル膜の貼付性に変化はなかった。
また、乾燥ゲル膜を貼付し乾燥させた後に水に濡らしたところ、水弾きが良く耐水性が高く、指で擦っても剥がれなかった。
貼付用シートの支持枠をつかんで、水で湿らせたヒト皮膚に乾燥ゲル膜を接触させると表面張力で乾燥ゲル膜が皮膚に密着し、支持枠を皮膚から遠ざけると乾燥ゲル膜が支持枠から分離し、乾燥ゲル膜だけを皮膚に貼付することができた。貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。また、乾燥ゲル膜が非常に薄いため凹凸追従性が良く、貼付後に皮膚にシワを寄せても凹凸形状に追随するように乾燥ゲル膜が全て皮膚に密着し、また乾燥ゲル膜が皮膚に密着したまま剥がれることがなかった。
上記のような貼付性について架橋前後の乾燥ゲル膜を比較したところ、後述の比較例4に記載するように、架橋前後で乾燥ゲル膜の貼付性に変化はなかった。
また、乾燥ゲル膜を貼付し乾燥させた後に水に濡らしたところ、水弾きが良く耐水性が高く、指で擦っても剥がれなかった。
[比較例3]
架橋前の乾燥ゲル膜の全面に紫外線を照射したこと以外は、実施例1と同様にして貼付用シートを作製した。
貼付用シートの支持枠をつかんで、水で湿らせたヒト皮膚に乾燥ゲル膜を接触させると表面張力で乾燥ゲル膜が皮膚に密着したが、支持枠を皮膚から遠ざけると支持枠とともに乾燥ゲル膜も剥がれてしまった。
架橋前の乾燥ゲル膜の全面に紫外線を照射したこと以外は、実施例1と同様にして貼付用シートを作製した。
貼付用シートの支持枠をつかんで、水で湿らせたヒト皮膚に乾燥ゲル膜を接触させると表面張力で乾燥ゲル膜が皮膚に密着したが、支持枠を皮膚から遠ざけると支持枠とともに乾燥ゲル膜も剥がれてしまった。
[比較例4]
架橋前の乾燥ゲル膜に紫外線を照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にして貼付用シートを作製した。
貼付用シートの支持枠をつかんで、貼付用シートの架橋前の乾燥ゲル膜の面を水で濡らした皮膚に表面張力で密着させ、支持枠を皮膚から遠ざけたところ、架橋前の乾燥ゲル膜のみを皮膚に貼付することができた。また、架橋前の乾燥ゲル膜のシワへの追随も確認された。
一方、架橋前の乾燥ゲル膜を貼付し乾燥させた後に水で濡らしたところ、架橋前の乾燥ゲル膜が水で膨潤し耐水性が悪く、指で擦ると簡単に剥がれてしまった。
架橋前の乾燥ゲル膜に紫外線を照射しなかったこと以外は、実施例1と同様にして貼付用シートを作製した。
貼付用シートの支持枠をつかんで、貼付用シートの架橋前の乾燥ゲル膜の面を水で濡らした皮膚に表面張力で密着させ、支持枠を皮膚から遠ざけたところ、架橋前の乾燥ゲル膜のみを皮膚に貼付することができた。また、架橋前の乾燥ゲル膜のシワへの追随も確認された。
一方、架橋前の乾燥ゲル膜を貼付し乾燥させた後に水で濡らしたところ、架橋前の乾燥ゲル膜が水で膨潤し耐水性が悪く、指で擦ると簡単に剥がれてしまった。
[実施例2]
下記の支持枠を用いたこと以外は実施例1と同様にして貼付用シートを作製した。
4cm×4cm、厚み200μmのポリスチレン製フィルムを、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
この貼付用シートでは実施例1と同様の結果が得られた。
下記の支持枠を用いたこと以外は実施例1と同様にして貼付用シートを作製した。
4cm×4cm、厚み200μmのポリスチレン製フィルムを、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
この貼付用シートでは実施例1と同様の結果が得られた。
[実施例3]
1.貼付用シートの作製
(親水性表面を有する基材の作製)
トルエン39.0g、TSL8350(GE東芝シリコーン製)0.8gを混合し、攪拌しながらトリエチルアミンを450μl添加した。そのまま室温で数分間攪拌した後、全量をガラス皿へ移した。ここにUV洗浄済みの10cm角のガラス基板を浸漬し、室温で16時間放置した。その後、ガラス基板をエタノールと水で洗浄し、窒素ブローで乾燥させた。次に50gのテトラエチレングリコール(TEG)を攪拌しながら25μlの濃硫酸を一滴ずつ添加した。そのまま数分間攪拌してから、全量をガラス皿に移した。ここに上記の基板を浸漬し、80℃で20分間反応させた。反応後、基板をよく水洗し、窒素ブローで乾燥させた。これにより、ガラス基板表面にTEGを含む皮膜が形成された。表面の静的水接触角はおよそ30°であった。この基板を25mm×15mmの大きさに切断して、親水性表面を有する基材として使用した。
1.貼付用シートの作製
(親水性表面を有する基材の作製)
トルエン39.0g、TSL8350(GE東芝シリコーン製)0.8gを混合し、攪拌しながらトリエチルアミンを450μl添加した。そのまま室温で数分間攪拌した後、全量をガラス皿へ移した。ここにUV洗浄済みの10cm角のガラス基板を浸漬し、室温で16時間放置した。その後、ガラス基板をエタノールと水で洗浄し、窒素ブローで乾燥させた。次に50gのテトラエチレングリコール(TEG)を攪拌しながら25μlの濃硫酸を一滴ずつ添加した。そのまま数分間攪拌してから、全量をガラス皿に移した。ここに上記の基板を浸漬し、80℃で20分間反応させた。反応後、基板をよく水洗し、窒素ブローで乾燥させた。これにより、ガラス基板表面にTEGを含む皮膜が形成された。表面の静的水接触角はおよそ30°であった。この基板を25mm×15mmの大きさに切断して、親水性表面を有する基材として使用した。
(ゲル膜の形成)
支持枠としてはポリエチレンテレフタラートフィルム(厚み16μm、外寸25mm×15mm、内寸20mm×9mm、帝人デュポンフィルム)を用いた。コラーゲンゲル培養キット(Cellmatrix I−A、新田ゼラチン)を用いて氷上でコラーゲン溶液を最終濃度2.4mg/mlに調製した。このうち40μlを上記基材上に加え支持枠とともに37℃で1時間ゲル化させ、その後クリーンベンチ内で3時間乾燥させ架橋前のコラーゲン薄膜を作製した。
触針式表面形状測定器(Dektak FPD−650、日本真空技術)により架橋前のコラーゲン薄膜の厚みを測定した結果、770±191nmであった。このように作製した架橋前のコラーゲン薄膜はPBSを加え水和させた後も基材に接着していた。
支持枠としてはポリエチレンテレフタラートフィルム(厚み16μm、外寸25mm×15mm、内寸20mm×9mm、帝人デュポンフィルム)を用いた。コラーゲンゲル培養キット(Cellmatrix I−A、新田ゼラチン)を用いて氷上でコラーゲン溶液を最終濃度2.4mg/mlに調製した。このうち40μlを上記基材上に加え支持枠とともに37℃で1時間ゲル化させ、その後クリーンベンチ内で3時間乾燥させ架橋前のコラーゲン薄膜を作製した。
触針式表面形状測定器(Dektak FPD−650、日本真空技術)により架橋前のコラーゲン薄膜の厚みを測定した結果、770±191nmであった。このように作製した架橋前のコラーゲン薄膜はPBSを加え水和させた後も基材に接着していた。
基材上に架橋前のコラーゲン薄膜および支持枠が配置された積層体に水を適量添加し、水和後に支持枠をピンセットで摘み引き上げることで、支持枠で保持された架橋前のコラーゲン薄膜を基材から脱着回収した。
次に、フォトマスクを介して架橋前のコラーゲン薄膜に部分的に紫外線を照射し、架橋前のコラーゲン薄膜の架橋を行った。紫外線照射条件は実施例1と同様とした。
2.評価
貼付用シートの支持枠をつかんで、貼付用シートのコラーゲン薄膜の面を水で濡らした皮膚に表面張力で密着させ、支持枠を皮膚から遠ざけたところ、コラーゲン薄膜のみを皮膚に貼付することができた。また、コラーゲン薄膜のシワへの追随も確認された。
また、コラーゲン薄膜を貼付し乾燥させた後に水で濡らしたところ、水弾きが良く耐水性が高く、指で擦っても剥がれなかった。
貼付用シートの支持枠をつかんで、貼付用シートのコラーゲン薄膜の面を水で濡らした皮膚に表面張力で密着させ、支持枠を皮膚から遠ざけたところ、コラーゲン薄膜のみを皮膚に貼付することができた。また、コラーゲン薄膜のシワへの追随も確認された。
また、コラーゲン薄膜を貼付し乾燥させた後に水で濡らしたところ、水弾きが良く耐水性が高く、指で擦っても剥がれなかった。
1 … 貼付用シート
2 … ゲル膜
3 … 低膨潤領域
4 … 高膨潤領域
5 … 支持枠
12 … 架橋前ゲル膜
L … 紫外線
2 … ゲル膜
3 … 低膨潤領域
4 … 高膨潤領域
5 … 支持枠
12 … 架橋前ゲル膜
L … 紫外線
Claims (2)
- 高膨潤領域および前記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を有し、乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内であるゲル膜と、
前記ゲル膜の外縁に配置され、前記ゲル膜を支持する支持枠と
を有し、前記ゲル膜と前記支持枠との境界の少なくとも一部にて、前記低膨潤領域と前記支持枠との間に前記高膨潤領域が配置されていることを特徴とする貼付用シート。 - 乾燥厚みが100nm〜10μmの範囲内である架橋前ゲル膜および、前記架橋前ゲル膜の外縁に配置され、前記架橋前ゲル膜を支持する支持枠を有する支持枠付き架橋前ゲル膜を形成する架橋前ゲル膜形成工程と、
前記架橋前ゲル膜の一部に紫外線または電子線を照射して架橋させ、前記架橋前ゲル膜よりも水に対する膨潤度が低い低膨潤領域を形成することにより、高膨潤領域および前記高膨潤領域よりも水に対する膨潤度が低い前記低膨潤領域を有するゲル膜を形成する架橋工程と
を有し、前記架橋工程では、前記ゲル膜と前記支持枠との境界の少なくとも一部にて、前記低膨潤領域と前記支持枠との間に前記高膨潤領域が配置されるように、前記架橋前ゲル膜を架橋させることを特徴とする貼付用シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013253237A JP2015110537A (ja) | 2013-12-06 | 2013-12-06 | 貼付用シートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013253237A JP2015110537A (ja) | 2013-12-06 | 2013-12-06 | 貼付用シートおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015110537A true JP2015110537A (ja) | 2015-06-18 |
Family
ID=53525749
Family Applications (1)
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JP2013253237A Pending JP2015110537A (ja) | 2013-12-06 | 2013-12-06 | 貼付用シートおよびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015110537A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019504708A (ja) * | 2016-02-11 | 2019-02-21 | ライフセル コーポレーションLifeCell Corporation | 酵素分解に対するコラーゲン含有組織製品の安定化方法 |
JP2020074847A (ja) * | 2018-11-06 | 2020-05-21 | 凸版印刷株式会社 | 肌貼付用フィルム、および、転写シート |
-
2013
- 2013-12-06 JP JP2013253237A patent/JP2015110537A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019504708A (ja) * | 2016-02-11 | 2019-02-21 | ライフセル コーポレーションLifeCell Corporation | 酵素分解に対するコラーゲン含有組織製品の安定化方法 |
US11179505B2 (en) | 2016-02-11 | 2021-11-23 | Lifecell Corporation | Methods for stabilizing collagen-containing tissue products against enzymatic degradation |
JP2020074847A (ja) * | 2018-11-06 | 2020-05-21 | 凸版印刷株式会社 | 肌貼付用フィルム、および、転写シート |
JP7326724B2 (ja) | 2018-11-06 | 2023-08-16 | 凸版印刷株式会社 | 肌貼付用フィルム、および、転写シート |
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