JP7326724B2 - 肌貼付用フィルム、および、転写シート - Google Patents

肌貼付用フィルム、および、転写シート Download PDF

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Description

本発明は、肌貼付用フィルム、および、肌貼付用フィルムを肌に貼り付けるための転写シートに関する。
従来から、スキンケアやメイクアップの補助のために肌に貼り付けられるフィルムである肌貼付用フィルムの開発が進められている。例えば、特許文献1には、10nm以上500nm以下の厚さの薄膜を、肌貼付用フィルムとして利用可能であることが開示されており、実施例として、ヒアルロン酸ナトリウムを担持したポリ乳酸薄膜が記載されている。
国際公開第2014/058060号
肌貼付用フィルムの強度が確保できる範囲で当該フィルムが薄いほど、肌貼付用フィルムは皮膚表面の凹凸であるキメに沿いやすくなるため、肌に対する肌貼付用フィルムの密着性が高められる。一方で、肌貼付用フィルムが厚いほど、スキンケアを目的とする場合に求められる保湿性や紫外線遮断性、メイクアップを目的とする場合に求められる装飾性、および、指や衣服を対象とした擦れに対する耐擦性が向上する。すなわち、薄膜に付随した肌に対する密着性と、厚膜に付随した機能性とは、一方を高くすれば他方が低くなるというトレードオフの関係を有する。
本発明は、肌に対する密着性と厚膜に付随した機能性との両立を可能とした肌貼付用フィルムおよび転写シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する肌貼付用フィルムは、0.05μm以上0.3μm未満の平均厚さを有する薄膜部と、0.3μm以上の平均厚さを有する厚膜部と、を有する肌貼付用フィルムであって、前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、前記肌貼付用フィルムの外縁に沿った環状領域に仮想的に区画された領域であって、当該環状領域の周方向に沿って並ぶ複数の領域が、前記薄膜部に含まれる。
上記構成によれば、薄膜部が位置する環状領域、すなわち、肌貼付用フィルムの端部では、当該フィルムが薄いため、肌との密着性が高められる。一方、厚膜部では、保湿性、紫外線遮断性、装飾性、耐擦性といった特性の向上が可能である。したがって、肌貼付用フィルムを肌に貼り付けたときに、当該フィルムが外縁から剥がれることを抑えつつ、厚膜に付随した機能を厚膜部において良好に発現させることができる。すなわち、肌に対する密着性と厚膜に付随した機能性との両立が可能となる。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムの厚さは、前記薄膜部に含まれる最も薄い部分から、前記厚膜部に含まれる最も厚い部分に向けて、連続的に変化してもよい。
上記構成によれば、厚さの差に起因した段差が肌貼付用フィルムの表面や裏面に形成されることが抑えられる。したがって、厚さの異なる部分の境界が視認されることが抑えられる。また、上記段差に指等が引っ掛かることに起因して肌貼付用フィルムが破断することが抑えられる。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムの厚さは、前記薄膜部に含まれる最も薄い部分から、前記厚膜部に含まれる最も厚い部分に向けて、多段階的に変化してもよい。
上記構成によれば、複数の平坦な層に積層によって肌貼付用フィルムを形成することが可能である。したがって、厚さが連続的に変化する形態と比較して、肌貼付用フィルムの形成が容易である。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、前記薄膜部は、前記肌貼付用フィルムの外縁に沿った環状を有し、前記薄膜部の幅は、1mm以上であってもよい。
上記構成によれば、肌貼付用フィルムの端部において、その周方向の全域で肌との密着性が高められる。したがって、肌貼付用フィルムを肌に貼り付けた場合に、肌貼付用フィルム10が剥がれ難くなる。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムは、前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、当該肌貼付用フィルムの全体に広がる広域層と、前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、当該肌貼付用フィルムの一部に位置する狭域層と、を備え、前記厚膜部は、前記広域層と前記狭域層とを含む複数の層から構成されてもよい。
上記構成によれば、複数の層の積層によって、厚さが部分的に異なる肌貼付用フィルムが容易にかつ的確に実現される。
上記構成において、前記広域層と前記狭域層との組成は互いに異なってもよい。
上記構成によれば、例えば、広域層を、肌と密着する機能に適した材料から構成し、狭域層を、厚膜に付随した機能をより高める材料から構成することができる。したがって、各層の機能をより高めることができる。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムは、肌に貼り付けられる第1面と、前記第1面と反対側の面である第2面とを有し、前記第2面から前記第1面に向かう方向に、前記広域層、前記狭域層がこの順に並んでもよい。
上記構成によれば、肌貼付用フィルムが肌に貼り付けられたときに、広域層が狭域層を覆う。したがって、狭域層が広域層によって保護されるため、狭域層が露出されている形態と比較して、指等の接触に起因して広域層と狭域層とが剥離することが抑えられる。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムは、肌に貼り付けられる第1面と、前記第1面と反対側の面である第2面とを有し、前記第1面から前記第2面に向かう方向に、前記広域層、前記狭域層がこの順に並んでもよい。
上記構成によれば、肌貼付用フィルムが肌に貼り付けられたときに、広域層の全面が肌に接するため、肌貼付用フィルムと肌との間に隙間が形成されにくい。
上記構成において、前記狭域層は、粒子を含んでもよい。
上記構成によれば、粒子の特性に応じて、肌貼付用フィルムから肌に対して作用する機能を高めることや、こうした機能の多様化が可能である。また、狭域層は厚膜部を構成するため、広域層よりも厚く形成することができる。したがって、広域層に粒子を含有させる場合と比較して、含有可能な粒子の種類や含有量の自由度が高められる。
上記構成において、前記狭域層は、当該狭域層が有する2つの面のうち前記広域層から遠い方の面に、凹凸構造を有してもよい。
上記構成によれば、例えば、凹凸構造に起因した光の散乱によって肌のシミ等を目立ちにくくする効果や、凹凸構造に皮膚を穿刺させて各種の成分を皮内に浸透させる効果を得ることができる。
上記構成において、前記狭域層は、前記広域層に沿った平面上に離間して並ぶ複数の部分から構成されてもよい。
上記構成によれば、厚膜部の肌への追従性が高められるため、厚膜部が位置する部分で肌のツッパリ等の違和感を使用者が覚えることが抑えられる。
上記構成において、前記広域層と前記狭域層との間に、アンカー層を備えてもよい。
上記構成によれば、肌貼付用フィルムを構成する層間の密着性が高められる。
上記構成において、前記肌貼付用フィルムは、互いに異なる組成を有し、かつ、当該肌貼付用フィルムの広がる方向に沿った1つの平面内において互いに接する複数の部分を備えてもよい。
上記構成によれば、互いに異なる材料からなる層が厚さ方向に積層される形態と比較して、肌貼付用フィルムの通気性を高めやすい。したがって、肌貼付用フィルムが貼り付けられている部分に、使用者が閉塞感を感じることが抑えられる。
上記課題を解決する転写シートは、上記肌貼付用フィルムと、前記肌貼付用フィルムを支持する支持基材と、を備える。
上記構成によれば、転写シートの保管時や移動時に、肌貼付用フィルムの変形が抑えられる。また、支持基材に支持されていることにより、肌貼付用フィルムが取り扱いやすくなる。
本発明によれば、肌貼付用フィルムにおいて、薄膜に付随した肌に対する密着性と厚膜に付随した機能性との両立ができる。
肌貼付用フィルムの一実施形態について、肌貼付用フィルムの平面構造の一例を示す図。 一実施形態の肌貼付用フィルムの平面構造の他の例を示す図。 一実施形態の肌貼付用フィルムの平面構造の他の例を示す図。 一実施形態の肌貼付用フィルムについて、膜厚の測定対象領域の一例を示す図。 第1形態の転写シートの断面構造を示す図。 一実施形態の転写シートを用いて肌貼付用フィルムを肌に転写する方法を示す図であって、肌に化粧料を塗布した状態を示す図。 一実施形態の転写シートを用いて肌貼付用フィルムを肌に転写する方法を示す図であって、肌に転写シートを貼り付ける工程を示す図。 一実施形態の転写シートを用いて肌貼付用フィルムを肌に転写する方法を示す図であって、肌に貼り付けられた肌貼付用フィルムを示す図。 第2形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第3形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第4形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第5形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第6形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第7形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第8形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第9形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第10形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第11形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第12形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。 第13形態の肌貼付用フィルムの断面構造を示す図。
図面を参照して、肌貼付用フィルム、および、転写シートの一実施形態を説明する。
[肌貼付用フィルムの概略構成]
図1が示すように、肌貼付用フィルム10の表面と対向する位置から見た平面視において、肌貼付用フィルム10は、肌貼付用フィルム10の外縁に沿った環状領域ORと、環状領域ORの内側に位置する中央領域CRとを有している。そして、肌貼付用フィルム10は、主として環状領域ORに位置する薄膜部20と、主として中央領域CRに位置する厚膜部21とを備えている。図1~図4においては、薄膜部20の位置する部分にドットを付して示している。
環状領域ORは、上記平面視にて一定の幅を有する帯状に延びる閉環状の領域である。肌貼付用フィルム10の外縁は、環状領域ORの外縁を構成する。中央領域CRは、上記平面視における肌貼付用フィルム10の形状に対応する図形の重心Eを含む。
環状領域ORは、例えば、3mmの幅を有する領域である。あるいは、環状領域ORは、上記平面視において、肌貼付用フィルム10の総面積に対して20%の面積を有する領域である。中央領域CRは、例えば、上記重心Eを中心に10mmの半径を有する円形の領域である。
上記平面視における肌貼付用フィルム10の形状は特に限定されず、肌貼付用フィルム10は、矩形等の多角形形状であってもよいし、円形状や楕円形状であってもよいし、こうした図形以外の直線や曲線で囲まれる形状であってもよい。
薄膜部20は、0.05μm以上0.3μm未満の平均厚さを有し、厚膜部21は、0.3μm以上の平均厚さを有する。薄膜部20の最大厚さは、厚膜部21の最大厚さよりも小さい。上記平均厚さは、複数の測定点で測定された肌貼付用フィルム10の厚さの平均値である。測定点は、例えば、10cmにつき5個以上の割合で設けられる。
薄膜部20は、環状領域OR内でその周方向に沿って間欠的に並ぶ複数の領域が薄膜部20に含まれるように配置されていればよい。
例えば、図1が示すように、環状領域ORの全体が薄膜部20であって、環状領域ORの内側の領域の全体が厚膜部21であってもよい。あるいは、図2が示すように、環状領域ORの全体が薄膜部20であって、かつ、薄膜部20が環状領域ORの径方向に沿って環状領域ORの内側まで広がっていてもよい。そして、薄膜部20の内側に厚膜部21が位置してもよい。あるいは、図3が示すように、環状領域ORに、環状領域ORの周方向に沿って間欠的に並ぶ複数の薄膜部20が位置し、薄膜部20以外の部分が厚膜部21であってもよい。この場合、環状領域ORの一部に厚膜部21が位置する。
上述のように、環状領域OR内でその周方向に沿って間欠的に並ぶ領域である対象領域TSが薄膜部20に含まれることは、対象領域TSにて測定された肌貼付用フィルム10の膜厚の平均値が0.05μm以上0.3μm未満であることを意味する。
図4が示すように、対象領域TSは、環状領域ORに仮想的に区画される領域であって、環状領域ORの幅と同一の直径を有し、環状領域ORにおける幅方向の中点を中心として設定される円形領域である。1つの対象領域TS内に、3個の測定点が設定される。各測定点での厚さは、例えば、光学式の膜厚計を用いて測定される。
複数の対象領域TSは、環状領域OR内で均等に分散していることが好ましい。例えば、図4が示すように、上記平面視にて肌貼付用フィルム10が内接する最小の矩形を仮想的に配置したとき、当該矩形の対角線A1,A2が環状領域ORと重なる部分である4箇所と、当該矩形において向かい合う辺の中点同士を結ぶ直線A3,A4が環状領域ORと重なる部分である4箇所との、合わせて8箇所に対象領域TSを設定することが好ましい。
また、厚膜部21は、少なくともその一部が環状領域ORの内側に位置していればよいが、中央領域CRを含む領域に位置することが好ましい。すなわち、中央領域CRにて測定された肌貼付用フィルム10の膜厚の平均値が0.3μm以上であればよい。中央領域CRを、上記重心Eを中心とする半径が10mmの円形領域とするとき、中央領域CR内に3個の測定点が設定される。
本実施形態の肌貼付用フィルム10によれば、薄膜部20においては、その平均厚さが0.3μm未満であるため、肌のキメに対する追従性が高められる結果、肌に対する良好な密着性が得られる。一方で、薄膜部20の平均厚さが0.05μm以上であるため、薄さを確保しつつも薄膜部20の強度が過度に低くなることが抑えられる。
薄膜部20が位置する対象領域TSは、肌貼付用フィルム10の端部に位置する環状領域ORに含まれる。それゆえ、肌貼付用フィルム10の端部において、肌に対する密着性を高めることができる。一般に、肌貼付用フィルムが肌に貼られている状態においては、肌貼付用フィルムはその端部から剥がれやすい。これに対し、本実施形態の肌貼付用フィルム10では、端部にて肌との密着性が高められているため、肌貼付用フィルム10の全域で、当該フィルムが肌から剥がれることを抑えることができる。
肌貼付用フィルム10の端部における肌との密着性をより高めるためには、環状領域ORの全体が薄膜部20であることが好ましい。この場合、上記密着性の向上のためには、上記平面視にて環状を有する薄膜部20の幅は、1mm以上であることが好ましい。また、図3のように環状領域ORにおいて複数の薄膜部20が間欠的に並ぶ場合には、複数の薄膜部20が環状領域OR内で均等に分散していることが好ましい。上述のように、環状領域OR内で均等に分散している複数の対象領域TSが薄膜部20に含まれる構成であれば、肌貼付用フィルム10の端部における肌との密着性が、当該端部の周方向の広い範囲で高められるため、肌貼付用フィルム10が肌からより剥がれ難くなる。
一方、厚膜部21の平均厚さは0.3μm以上であるため、厚膜部21では、肌貼付用フィルム10における保湿性、紫外線遮断性、および、指や衣服に対する耐擦性の各々が良好に得られる。また、メイクアップの補助を目的として、肌貼付用フィルム10が着色されている場合には、肌貼付用フィルム10による装飾性も良好に得られる。これらの機能性の更なる向上のためには、厚膜部21の平均厚さは、薄膜部20の平均厚さの2倍以上であることが好ましい。また、使用者に肌貼付用フィルム10の貼り付けに起因した違和感が生じることを抑える観点では、厚膜部21の平均厚さは、5.0μm以下であることが好ましい。
また、上記機能性をより広範囲で得るためには、厚膜部21が位置する領域は、上記重心Eを中心とする直径3mmの円形領域よりも大きいことが好ましい。
[第1形態]
以下、上述した肌貼付用フィルム10、および、肌貼付用フィルム10を備える転写シートの具体的な構造の例として、第1形態~第13形態を順に説明する。なお、図面においては、肌貼付用フィルム10の厚さを誇張して示している。
図5が示す第1形態の肌貼付用フィルム10Aは、単一の層から構成されており、薄膜部20と厚膜部21とは同一の材料から構成されている。
肌貼付用フィルム10Aを構成する材料は、当該フィルムが汗で溶解し難いように耐水性を有するとともに、毒性、皮膚刺激性、および、皮膚感作性の低い樹脂であることが好ましい。例えば、肌貼付用フィルム10Aの材料は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン等のエステル樹脂およびそれらの共重合樹脂である。また、肌貼付用フィルム10Aの材料には、化粧品の皮膜形成剤として使用される樹脂を用いてもよく、こうした樹脂としては、例えば、アクリル樹脂やシリコーンおよびそれらの共重合樹脂、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。また、肌貼付用フィルム10Aの材料には、医療用品の材料としての使用実績が高い樹脂である、ポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、スチレンブタジエン系エラストマー、ポリイミドを用いてもよい。
肌貼付用フィルム10Aは、当該フィルムにおける機能を高める、もしくは、当該フィルムに機能を付加する機能性物質を含有していてもよい。例えば、肌貼付用フィルム10Aは、保湿効果を有するヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、プルラン、サクラン等を含有してもよい。こうした構成によれば、肌貼付用フィルム10Aが有する肌の保湿機能が高められる。
また例えば、肌貼付用フィルム10Aが紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含有している構成であれば、肌貼付用フィルム10Aにおける紫外線遮断機能が高められる。紫外線吸収剤としては、例えば、メトキシケイヒ酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシルを用いることが可能であり、紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタンや酸化亜鉛を用いることができる。
また例えば、肌貼付用フィルム10Aに、シミ等を隠すコンシーラーとしての機能のような装飾機能を付加する場合には、肌貼付用フィルム10Aは、着色顔料や無機顔料を含有していればよい。
また、肌貼付用フィルム10Aは、美容成分を含んでいてもよい。美容成分としては、ビタミンCやその誘導体、コウジ酸やレチノイン酸およびその誘導体、ハイドロキノン等の美白成分、ビタミンAやその誘導体、αリボ酸、アデノシン、α-ヒドロキシ酸等の抗シワ成分が挙げられる。また、肌貼付用フィルム10Aは、薬効成分として、サリチル酸等のニキビ治療成分や、グリチルレチン酸(塩)等の抗炎症成分を含んでいてもよい。さらに、肌貼付用フィルム10Aは、安定剤として、BHTやビタミンEおよびその誘導体である酢酸トコフェロール等を含有していてもよい。
肌貼付用フィルム10Aは、第1面11Fと、第1面11Fとは反対側の面である第2面11Rとを有している。第1面11Fは、肌貼付用フィルム10Aの表面を構成し、肌に貼り付けられる。第2面11Rは、肌貼付用フィルム10Aが肌に貼り付けられたとき、外気に曝される。
図4においては、第1面11Fが平坦であって、第2面11Rは、薄膜部20と厚膜部21との厚さの違いに起因した凹凸を有している。これに限らず、第2面11Rが平坦であって、第1面11Fが上記凹凸を有していてもよいし、第1面11Fと第2面11Rとの双方が上記凹凸を有していてもよい。なお、上記凹凸に指や衣服が引っ掛かって肌貼付用フィルム10Aが破断することを抑えられる観点では、第2面11Rは平坦である方が好ましい。
第1形態の肌貼付用フィルム10Aにおいて、薄膜部20はほぼ一様な厚さを有し、厚膜部21もほぼ一様な厚さを有する。薄膜部20と厚膜部21との境界の部分で、肌貼付用フィルム10Aの厚さは徐々に変化してもよいし、二値的に変化してもよい。言い換えれば、薄膜部20と厚膜部21との境界の部分に形成される側面11Sは、肌貼付用フィルム10Aの厚さ方向に対して傾斜していてもよいし、当該厚さ方向に沿って延びていてもよい。側面11Sに指等が引っ掛かって肌貼付用フィルム10Aが破断することを抑えられる観点では、側面11Sは傾斜している方が好ましい。図5では、側面11Sが上記厚さ方向に対して傾斜している形態を例示している。
第1形態の転写シート30Aは、肌貼付用フィルム10Aと、肌貼付用フィルム10Aを支持する支持基材31とを備えている。支持基材31の厚さは、例えば、5μm以上500μm以下の平均厚さを有する。支持基材31は、転写シート30Aの保管時や、肌貼付用フィルム10Aを貼り付けの対象部位まで移動させるときに、肌貼付用フィルム10Aの変形を抑える機能を有する。支持基材31に支持されていることにより、肌貼付用フィルム10Aが取り扱いやすくなる。
支持基材31は、肌貼付用フィルム10Aの第2面11Rを支持している。第2面11Rが凹凸を有する場合、支持基材31における肌貼付用フィルム10Aと接する面は、平坦であってもよいし、上記凹凸に沿った表面形状を有していてもよい。図5では、支持基材31における肌貼付用フィルム10Aと接する面が、第2面11Rの凹凸に沿った表面形状を有する形態、すなわち、第2面11Rの凸部に沿って窪む凹部を有する形態を例示している。言い換えれば、肌貼付用フィルム10Aの凸部が支持基材31に埋まっている。
また、図5においては、支持基材31が、肌貼付用フィルム10Aの第2面11Rの外側まで広がっている形態を例示している。すなわち、肌貼付用フィルム10Aの第1面11Fと対向する位置から見て、支持基材31は肌貼付用フィルム10Aよりも大きく、支持基材31の外縁の内側に肌貼付用フィルム10Aの外縁が位置している。これに限らず、第1面11Fと対向する位置から見て、支持基材31と肌貼付用フィルム10Aとの形状が一致し、支持基材31の外縁と肌貼付用フィルム10Aの外縁とが重なっていてもよい。
支持基材31としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ナイロン等からなるフィルム、不織布、紙等が好適に用いられる。支持基材31は、こうした材料からなる層の表面に、肌貼付用フィルム10Aから支持基材31を剥離しやすくするための層として、シリコーン、フッ素樹脂、オレフィン、ワックス、皮膜形成材、水溶性樹脂等から構成される層を備えていてもよい。特に、シリコーンやオレフィンのような離型性樹脂からなる層を表面に有する支持基材31、あるいは、不織布や紙のように水等の液体によって容易に膨潤して肌貼付用フィルム10Aからの離型性が高まる支持基材31は、肌貼付用フィルム10Aからの剥離が容易であるため好ましい。なお、肌貼付用フィルム10Aと支持基材31とは、弱粘着剤や弱接着剤を用いて剥離可能に固定されていてもよい。また、肌貼付用フィルム10Aと支持基材31との固定のために、これらの加熱および加圧が行われてもよい。
なお、転写シート30Aは、肌貼付用フィルム10Aの第1面11Fを覆う保護層を備えていてもよい。保護層は、第1面11Fを保護する機能を有する。保護層は、例えば、支持基材31の材料として例示した上述の材料から構成されればよい。保護層と支持基材31とは、同一の材料から構成されてもよいし、互いに異なる材料から構成されてもよい。
第1形態の転写シート30Aを例に、転写シート30Aを用いた肌貼付用フィルム10Aの貼付方法を説明する。以下では、例として、化粧料の塗布された肌に肌貼付用フィルム10Aを貼り付ける場合について説明する。なお、以下の肌貼付用フィルム10Aの貼付方法は、第2形態以降の肌貼付用フィルム10を用いる場合にも共通する。
図6が示すように、まず、肌SKに、化粧水等の化粧料50が塗布される。化粧料50に代えて、水が塗布されてもよい。
図7が示すように、続いて、肌貼付用フィルム10Aの第1面11Fが、化粧料50の塗布された肌SKに接するように、転写シート30Aが肌SKに押し当てられる。そして、支持基材31が肌貼付用フィルム10Aから剥離される。
これにより、図8が示すように、肌貼付用フィルム10Aが転写シート30Aから肌SKに転写されて、肌SKに肌貼付用フィルム10Aが貼り付けられる。ここで、肌貼付用フィルム10Aの端部には薄膜部20が位置する。そして、薄膜部20は極めて薄いため、薄膜部20は、肌SKの凹凸に追従して肌SKに密着する。薄膜部20は、肌SKに対して、自然に剥がれることがない程度の密着力を有する。厚膜部21は、薄膜部20ほど肌SKの凹凸に追従していないが、肌貼付用フィルム10Aが薄膜部20の位置する端部にて肌SKに密着する結果、肌貼付用フィルム10Aの全体が肌SK上に保持される。
肌貼付用フィルム10Aが肌SKを覆うことによって、皮脂や汗の蒸散が抑制されるため、保湿効果が得られる。また、肌SKが、有害な菌や物質と接触することを抑えることもできる。肌貼付用フィルム10Aが顔料を含有していれば、装飾効果が得られる。このように、肌貼付用フィルム10Aは、スキンケアやメイクアップを補助する機能を有する。
なお、肌貼付用フィルム10Aは、上述のように化粧料50が塗布された肌SKに対して化粧料50の上から貼り付けられてもよいし、化粧料50が塗布されていない肌SKに貼り付けられてもよい。また、肌貼付用フィルム10Aが肌SKに貼り付けられた後に、当該フィルムの上からファンデーション等の化粧料が塗布されてもよい。
[第2形態]
第2形態の肌貼付用フィルム10Bおよび転写シート30Bについて、第1形態との相違点を中心に説明する。なお、第1形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図9が示すように、第2形態の肌貼付用フィルム10Bは、二層構造を有し、広域層12と狭域層13とを備えている。肌貼付用フィルム10Bの第1面11Fと対向する位置から見て、広域層12は、肌貼付用フィルム10Bの全域に位置し、狭域層13は肌貼付用フィルム10Bの一部に位置する。広域層12は支持基材31に接し、狭域層13は、広域層12に対して、支持基材31と反対側に位置する。換言すれば、肌貼付用フィルム10Bの第2面11Rから第1面11Fに向かう方向に、広域層12、狭域層13の順に並んでいる。第2面11Rは、その全体が広域層12から構成される。第1面11Fは、その一部が狭域層13から構成され、残部が広域層12から構成される。
例えば、広域層12の厚さはほぼ一定であり、狭域層13の厚さはほぼ一定である。そして、広域層12上に狭域層13が部分的に積層されていることによって、肌貼付用フィルム10Bの厚さの差が形成されている。すなわち、広域層12に狭域層13が積層されていない部分が薄膜部20であり、薄膜部20は広域層12のみから構成される。一方、広域層12に狭域層13が積層されている部分が厚膜部21であり、厚膜部21は、広域層12と狭域層13とから構成される。広域層12の厚さと狭域層13の厚さとの関係は特に限定されないが、狭域層13の平均厚さが、広域層12の平均厚さよりも大きい形態であると、薄膜部20と厚膜部21との平均厚さの差を大きく形成しやすい。
狭域層13の端面13Sは、肌貼付用フィルム10Bの厚さ方向に対して傾斜していてもよいし、当該厚さ方向に沿って延びていてもよい。図9では、端面13Sが上記厚さ方向に対して傾斜している形態を例示している。
転写シート30Bは、肌貼付用フィルム10Bと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。転写シート30Bから肌貼付用フィルム10Bが肌に転写されると、広域層12に狭域層13が積層されていない部分、すなわち薄膜部20では、広域層12が肌に接する。このように、薄膜部20において、広域層12は肌に密着する機能を有する。一方、広域層12に狭域層13が積層されている部分、すなわち厚膜部21では、狭域層13が肌に接し、狭域層13上を広域層12が覆う。このように、厚膜部21において、広域層12は狭域層13を保護する機能を有する。
広域層12と狭域層13との各々を構成する材料としては、第1形態の肌貼付用フィルム10Aの材料として例示した材料が用いられる。広域層12の組成と狭域層13の組成とは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。上述のように、狭域層13は、厚膜部21を構成して肌に接するため、厚膜に付随する機能性をより高める材料から構成されていることが好ましい。また、広域層12は、肌との密着、あるいは、狭域層13の保護という機能に適した材料から構成されていることが好ましい。例えば、肌の保湿を主目的として肌貼付用フィルム10Bが用いられる場合、狭域層13は、保湿効果を有する樹脂や機能性物質を含み、広域層12は、ポリ乳酸やそのコポリマーを含むことが好ましい。
なお、広域層12および狭域層13の各々の厚さは一定でなくてもよい。そして、薄膜部20と厚膜部21との双方が、広域層12と狭域層13とから構成されていてもよい。
[第3形態]
第3形態の肌貼付用フィルム10Cおよび転写シート30Cについて、第2形態との相違点を中心に説明する。なお、第2形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図10が示すように、第2形態と比較して、第3形態の肌貼付用フィルム10Cでは、広域層12と狭域層13との積層順序が逆になっている。すなわち、広域層12に対して、支持基材31の位置する側に、狭域層13が位置する。換言すれば、肌貼付用フィルム10Cの第1面11Fから第2面11Rに向かう方向に、広域層12、狭域層13の順に並んでいる。
第1面11Fと対向する位置から見て、広域層12は肌貼付用フィルム10Cの全体に広がり、狭域層13は肌貼付用フィルム10Cの一部に位置する。言い換えれば、狭域層13は支持基材31に接し、広域層12は、支持基材31上で狭域層13とその外側とを覆っている。第2面11Rは、その一部が狭域層13から構成され、残部が広域層12から構成される。第1面11Fは、その全体が、広域層12から構成される。
例えば、広域層12の厚さはほぼ一定であり、狭域層13の厚さはほぼ一定である。そして、広域層12と狭域層13とが部分的に積層されていることによって、肌貼付用フィルム10Cの厚さの差が形成されている。すなわち、肌貼付用フィルム10Cのなかで狭域層13が配置されず広域層12のみからなる部分が薄膜部20であり、広域層12と狭域層13とが積層されている部分が厚膜部21である。広域層12の厚さと狭域層13の厚さとの関係は特に限定されないが、狭域層13の平均厚さが、広域層12の平均厚さよりも大きい形態であると、薄膜部20と厚膜部21との平均厚さの差を大きく形成しやすい。
狭域層13の端面13Sは、肌貼付用フィルム10Cの厚さ方向に対して傾斜していてもよいし、当該厚さ方向に沿って延びていてもよい。図10では、端面13Sが上記厚さ方向に沿って延びている形態を例示している。
転写シート30Cは、肌貼付用フィルム10Cと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。肌貼付用フィルム10Cの第2面11Rのうち、広域層12が構成する部分では、支持基材31は広域層12と接し、狭域層13が構成する部分では、支持基材31は狭域層13と接している。なお、支持基材31は第2面11Rの全面と接していなくてもよい。また、図10では、狭域層13が配置されている領域の周囲で、肌貼付用フィルム10Cと支持基材31との間に隙間が形成されている形態を例示しているが、こうした隙間は形成されていなくてもよい。なお、肌貼付用フィルム10Cの厚さは、膜が実在する部分での第1面11Fと第2面11Rとの間の長さである。
第3形態の肌貼付用フィルム10Cでは、広域層12は、薄膜部20において肌に密着する機能を有する。広域層12と狭域層13との各々を構成する材料としては、第1形態の肌貼付用フィルム10Aの材料として例示した材料が用いられる。広域層12の組成と狭域層13の組成とは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。上述のように、狭域層13は、厚膜部21を構成するため、厚膜に付随する機能性をより高める材料から構成されていることが好ましい。また、広域層12は、肌との密着という機能に適した材料から構成されていることが好ましい。
なお、広域層12および狭域層13の各々の厚さは一定でなくてもよい。そして、薄膜部20と厚膜部21との双方が、広域層12と狭域層13とから構成されていてもよい。
[第4形態]
第4形態の肌貼付用フィルム10Dおよび転写シート30Dについて、第2形態との相違点を中心に説明する。なお、第2形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図11が示すように、第4形態の肌貼付用フィルム10Dにおいて、狭域層13は、粒子14を含有している。狭域層13が粒子14を含有していること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第2形態と同様である。また、転写シート30Dは、肌貼付用フィルム10Dと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
粒子14は、肌貼付用フィルム10Dにおける機能を高める、もしくは、当該フィルムに機能を付加する機能性物質から構成される。例えば、粒子14は、紫外線散乱剤、着色顔料や無機顔料、薬効成分を担持した樹脂粒子等である。狭域層13は、厚膜部21を構成して肌に接するため、狭域層13が上記機能性物質から構成される粒子14を含有していることで、肌貼付用フィルム10Dから肌に対して作用する機能を高めることや、こうした機能の多様化が可能である。また、狭域層13は厚膜部21を構成するため、広域層12よりも厚く形成することができる。したがって、広域層12に粒子14を含有させる場合と比較して、含有可能な粒子14の種類や含有量の自由度が高められる。
なお、粒子14の粒径は、狭域層13における粒子14を含有しない部分の厚さよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。また、粒子14は、図11が示すように狭域層13の表面に露出していてもよいし、露出していなくてもよい。
[第5形態]
第5形態の肌貼付用フィルム10Eおよび転写シート30Eについて、第3形態との相違点を中心に説明する。なお、第3形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図12が示すように、第5形態の肌貼付用フィルム10Eにおいて、狭域層13は、粒子14を含有している。狭域層13が粒子14を含有していること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第3形態と同様である。また、転写シート30Eは、肌貼付用フィルム10Eと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
粒子14は、第3形態と同様、肌貼付用フィルム10Eにおける機能を高める、もしくは、当該フィルムに機能を付加する機能性物質から構成される。狭域層13が上記機能性物質から構成される粒子14を含有していることで、肌貼付用フィルム10Dから肌に対して作用する機能を高めることや、こうした機能の多様化が可能である。また、狭域層13は厚膜部21を構成するため、広域層12よりも厚く形成することができる。したがって、広域層12に粒子14を含有させる場合と比較して、含有可能な粒子14の種類や含有量の自由度が高められる。
なお、粒子14の粒径は、狭域層13における粒子14を含有しない部分の厚さよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。また、粒子14は、図12が示すように狭域層13の表面に露出していてもよいし、露出していなくてもよい。狭域層13における支持基材31と接する面に粒子14が露出している場合、当該面における粒子14に起因した凹凸は、支持基材31に埋まっていてもよいし、埋まっていなくてもよい。
[第6形態]
第6形態の肌貼付用フィルム10Fおよび転写シート30Fについて、第2形態との相違点を中心に説明する。なお、第2形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図13が示すように、第6形態の肌貼付用フィルム10Fにおいて、狭域層13は、広域層12と接する面とは反対側の面である凹凸形成面13Uに、凹凸構造15を有している。すなわち、肌貼付用フィルム10Fは、第1面11Fに凹凸構造15を有している。図13では、凹凸構造15が、凹凸形成面13Uにて突出する複数の凸部15aから構成される形態を例示しているが、凹凸構造15は、凹凸形成面13Uにて窪む複数の凹部から構成されてもよいし、上記凸部と上記凹部との組み合わせから構成されてもよい。
狭域層13が凹凸構造15を有していること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第2形態と同様である。また、転写シート30Fは、肌貼付用フィルム10Fと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
凹凸構造15は、例えば、光の散乱機能を有する。すなわち、凹凸構造15にて光が散乱する結果、肌貼付用フィルム10Fの背後の像の輪郭がぼやけて見えるようになるため、肌貼付用フィルム10Fを肌に貼り付けたときにシミやシワが目立ちにくくなる。また、凹凸構造15にて光が散乱する結果、肌貼付用フィルム10Fが光って見えること、言い換えれば、肌貼付用フィルム10Fのテカリを抑えることができる。
また、凹凸構造15に、皮膚の穿刺機能をもたせてもよい。すなわち、凸部15aを、針状のように皮膚を穿刺可能な形状とすることで、肌貼付用フィルム10Fを肌に貼り付けたときに凸部15aが肌に刺さる。そして、例えば狭域層13が有する美容成分や薬効成分、あるいは、肌に塗られた美容液等の美容成分や薬効成分が、凸部15aの穿刺により形成された孔から皮内に入る。これにより、美容成分や薬効成分の体内への浸透を促進させることができる。
凹凸構造15を構成する凸部や凹部の形状、大きさ、配列のパターン、および、配列の周期は、凹凸構造15に付与したい機能に応じて設定されればよい。
[第7形態]
第7形態の肌貼付用フィルム10Gおよび転写シート30Gについて、第3形態との相違点を中心に説明する。なお、第3形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図14が示すように、第7形態の肌貼付用フィルム10Gにおいて、狭域層13は、広域層12と接する面とは反対側の面である凹凸形成面13Uに、凹凸構造15を有している。すなわち、肌貼付用フィルム10Gは、第2面11Rに凹凸構造15を有している。図14では、凹凸構造15が、凹凸形成面13Uにて突出する複数の凸部15aから構成される形態を例示しているが、凹凸構造15は、凹凸形成面13Uにて窪む複数の凹部から構成されてもよいし、上記凸部と上記凹部との組み合わせから構成されてもよい。
狭域層13が凹凸構造15を有していること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第3形態と同様である。また、転写シート30Gは、肌貼付用フィルム10Gと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。図14においては、支持基材31の表面が凹凸構造15に沿った形状を有している形態、すなわち、凸部15aの間を支持基材31が埋めている形態を例示しているが、凹凸構造15は支持基材31に埋まっていなくてもよい。
凹凸構造15は、例えば、光の散乱機能を有する。すなわち、凹凸構造15にて光が散乱する結果、肌貼付用フィルム10Fの背後の像の輪郭がぼやけて見えるようになるため、肌貼付用フィルム10Gを肌に貼り付けたときにシミやシワが目立ちにくくなる。
凹凸構造15を構成する凸部や凹部の形状、大きさ、配列のパターン、および、配列の周期は、凹凸構造15に付与したい機能に応じて設定されればよい。
[第8形態]
第8形態の肌貼付用フィルム10Hおよび転写シート30Hについて、第2形態との相違点を中心に説明する。なお、第2形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図15が示すように、第8形態の肌貼付用フィルム10Hにおいて、狭域層13は、複数の膜片部16から構成されている。複数の膜片部16は、広域層12上において、互いに離間して配置されている。平面視における膜片部16の形状、大きさ、複数の膜片部16の配列のパターンおよび配列の周期は特に限定されない。ただし、厚膜部21における肌貼付用フィルム10Hの強度が局所的に低下することを抑えるためには、互いに隣接する膜片部16間の隙間の幅は、目視にて認識されにくい程度の大きさであることが好ましく、例えば、200μm以下であることが好ましい。なお、図15では、膜片部16間の隙間の大きさを誇張して示している。
狭域層13が複数の膜片部16に分割されていること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第2形態と同様である。また、転写シート30Hは、肌貼付用フィルム10Hと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
狭域層13が複数の膜片部16に分割されていることによって、厚膜部21の肌への追従性が高められるため、肌のツッパリ等の違和感を使用者が覚えることが抑えられる。こうした効果を高める観点では、第1面11Fと対向する位置から見て、複数の膜片部16は点状に配置されていることが好ましい。
なお、肌貼付用フィルム10Hが肌に貼り付けられた状態において、広域層12は、少なくとも環状領域ORに位置する部分で肌に接すればよく、狭域層13のうち、互いに隣接する膜片部16の間で狭域層13から露出している部分は、肌に接しなくてよい。
[第9形態]
第9形態の肌貼付用フィルム10Iおよび転写シート30Iについて、第3形態との相違点を中心に説明する。なお、第3形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図16が示すように、第9形態の肌貼付用フィルム10Iにおいて、狭域層13は、複数の膜片部16から構成されている。複数の膜片部16は、支持基材31上において、互いに離間して配置されている。平面視における膜片部16の形状、大きさ、複数の膜片部16の配列のパターンおよび配列の周期は特に限定されない。ただし、厚膜部21における肌貼付用フィルム10Hの強度が局所的に低下することを抑えるためには、互いに隣接する膜片部16間の隙間の幅は、目視にて認識されにくい程度の大きさであることが好ましく、例えば、200μm以下であることが好ましい。なお、図16では、膜片部16間の隙間の大きさを誇張して示している。
狭域層13が複数の膜片部16に分割されていること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第3形態と同様である。また、転写シート30Iは、肌貼付用フィルム10Iと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
狭域層13が複数の膜片部16に分割されていることによって、厚膜部21の肌への追従性が高められるため、肌のツッパリ等の違和感を使用者が覚えることが抑えられる。
[第10形態]
第10形態の肌貼付用フィルム10Jおよび転写シート30Jについて、第2形態との相違点を中心に説明する。なお、第2形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図17が示すように、第10形態の肌貼付用フィルム10Jは、広域層12と狭域層13との間に、中間層17を備えている。中間層17は、アンカー層としての機能、すなわち、肌貼付用フィルム10Jを構成する層における層間の密着性を高める機能を有する。中間層17は、少なくとも狭域層13が位置する領域で、広域層12と狭域層13との間に挟まれていればよい。すなわち、第1面11Fと対向する位置から見て、中間層17は、少なくとも狭域層13の全体と重なっていればよく、図17が示すように、狭域層13よりも大きくてもよい。肌貼付用フィルム10Jのなかで、広域層12と中間層17と狭域層13との三層構造を有する部分は、厚膜部21を構成する。狭域層13と中間層17との二層構造を有する部分は、狭域層13と中間層17との厚さに応じて、薄膜部20を構成していてもよいし、厚膜部21を構成していてもよい。広域層12のみが位置する部分は、薄膜部20を構成する。
広域層12と狭域層13との間に中間層17が挟まれていること以外は、広域層12および狭域層13の構成は第2形態と同様である。転写シート30Jは、肌貼付用フィルム10Jと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
第10形態においては、広域層12と狭域層13とは、互いに異なる組成を有する。そして、中間層17は、狭域層13に対する広域層12の密着性よりも、狭域層13に対して高い密着性を有し、かつ、広域層12に対する狭域層13の密着性よりも、広域層12に対して高い密着性を有するように、構成されている。例えば、広域層12が、耐水性の高い樹脂から構成され、狭域層13が、保湿効果の高い水溶性成分であるヒアルロン酸やコラーゲンを含有する場合、広域層12と狭域層13との密着性が低くなる場合がある。こうした場合に、中間層17を、水溶性樹脂と疎水性樹脂との共重合体や、水溶性樹脂と疎水性樹脂とを混合した材料から構成することで、肌貼付用フィルム10Jを構成する層における層間の密着性が高められる。
なお、第3形態に、中間層17を備える形態が適用されてもよい。すなわち、第1面11Fから第2面11Rに向かう方向に、広域層12、狭域層13がこの順に並ぶ形態において、広域層12と狭域層13との間に中間層17が挟まれていてもよい。
[第11形態]
第11形態の肌貼付用フィルム10Kおよび転写シート30Kについて、第2形態との相違点を中心に説明する。なお、第2形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図18が示すように、第11形態の肌貼付用フィルム10Kは、互いに異なる組成を有する端部構成部18と中央構成部19とを備えている。端部構成部18と中央構成部19とは、いずれも支持基材31に接している。第1面11Fと対向する位置から見て、端部構成部18は、少なくとも環状領域ORに位置し、中央構成部19は、少なくとも中央領域CRに位置する。端部構成部18と中央構成部19とは、これらの部分の端部において互いに接続されている。
端部構成部18と中央構成部19とは、肌貼付用フィルム10Kの広がる方向に沿った1つの平面内、換言すれば、支持基材31の表面に沿った1つの平面内で互いに接している。具体的には、第2面11R内において、端部構成部18と中央構成部19とは、互いに接している。すなわち、第2面11Rは、端部構成部18と中央構成部19とから構成されている。そして、第2面11Rの付近において、肌貼付用フィルム10Kは、支持基材31の表面に沿って延びる領域が部分的に異なる材料から構成された構造を有する。
例えば、端部構成部18の厚さはほぼ一定であり、端部構成部18は、中央構成部19との接続部を除く部分で薄膜部20を構成している。また、中央構成部19の厚さはほぼ一定であって、端部構成部18よりも厚く、中央構成部19は、厚膜部21を構成している。
転写シート30Kは、肌貼付用フィルム10Kと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。
端部構成部18および中央構成部19の材料としては、第1形態の肌貼付用フィルム10Aの材料として例示した材料が用いられる。第11形態では、肌貼付用フィルム10Kが、同一平面内で部分的に異なる材料から構成されるため、互いに異なる材料からなる層が厚さ方向に積層される形態と比較して、肌貼付用フィルム10Kの通気性を高めやすい。すなわち、肌貼付用フィルム10Kが貼り付けられている部分に、使用者が閉塞感を感じることが抑えられる。
なお、端部構成部18および中央構成部19の各々の厚さは一定でなくてもよい。そして、端部構成部18の一部は、厚膜部21を構成してもよいし、中央構成部19の一部は、薄膜部20を構成してもよい。
また、端部構成部18および中央構成部19は、支持基材31から離れた平面内で互いに接していてもよく、要は、第2面11Rに限らず、肌貼付用フィルム10Kの広がる方向に沿った1つの平面内で端部構成部18と中央構成部19とが接していればよい。
[第12形態]
第12形態の肌貼付用フィルム10Lおよび転写シート30Lについて、第1形態との相違点を中心に説明する。なお、第1形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図19が示すように、第12形態の肌貼付用フィルム10Lの厚さは、第1面11Fと対向した位置から見た平面視における外縁から中央領域CRにむけて、連続的に大きくなっている。言い換えれば、肌貼付用フィルム10Lの厚さは、肌貼付用フィルム10Lにおける最も薄い部分から最も厚い部分に向けて、連続的に大きくなっている。そして、中央領域CRにて、肌貼付用フィルム10Lは、支持基材31に向けて突き出ている。すなわち、厚さ方向に沿った断面において、第2面11Rは、支持基材31に向けて突き出るように湾曲する曲線を構成し、第1面11Fは、平坦な線を構成する。
上記構成によれば、厚さの差に起因した段差が肌貼付用フィルム10の第1面11Fや第2面11Rに形成されることが抑えられる。したがって、厚さの異なる部分の境界が視認されることが抑えられる。また、肌貼付用フィルム10Lが肌に貼られているときに、段差に指等が引っ掛かることに起因して肌貼付用フィルム10Lが破断することが抑えられる。
肌貼付用フィルム10Lの材料としては、第1形態の肌貼付用フィルム10Aの材料として例示した材料が用いられる。また、転写シート30Lは、肌貼付用フィルム10Lと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。図19においては、支持基材31が、肌貼付用フィルム10Lの第2面11Rに沿った表面形状を有する形態、すなわち、肌貼付用フィルム10Lが支持基材31に埋まっている形態を例示しているが、肌貼付用フィルム10Lは支持基材31に埋まっていなくてもよい。
第12形態のように、肌貼付用フィルム10Lの厚さが連続的に変化する場合であっても、環状領域OR内の複数の対象領域TSにて測定された肌貼付用フィルム10Lの膜厚の平均値が0.05μm以上0.3μm未満であれば、対象領域TSが薄膜部20に含まれると言える。また、中央領域CRにて測定された肌貼付用フィルム10Lの膜厚の平均値が0.3μm以上であれば、肌貼付用フィルム10Lは厚膜部21を有すると言える。
なお、肌貼付用フィルム10Lは、支持基材31と反対側に突き出る形状を有していてもよいし、支持基材31の位置する側と支持基材31とは反対側との両方に突き出る形状を有していてもよい。換言すれば、厚さ方向に沿った断面において、第1面11Fが湾曲し、第2面11Rが平坦であってもよいし、第1面11Fと第2面11Rとの双方が湾曲していてもよい。
[第13形態]
第13形態の肌貼付用フィルム10Mおよび転写シート30Mについて、第1形態との相違点を中心に説明する。なお、第1形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図20が示すように、第13形態の肌貼付用フィルム10Mの厚さは、第1面11Fと対向した位置から見た平面視における外縁から中央領域CRにむけて、多段階的に大きくなっている。言い換えれば、肌貼付用フィルム10Mの厚さは、肌貼付用フィルム10Mにおける最も薄い部分から最も厚い部分に向けて、多段階的に大きくなっている。そして、中央領域CRにて、肌貼付用フィルム10Mは、支持基材31に向けて突き出ている。すなわち、厚さ方向に沿った断面において、第2面11Rは、複数の段から構成される階段状を有し、第1面11Fは、平坦な線を構成する。
肌貼付用フィルム10Mは、複数の層から構成されてもよい。複数の平坦な層の積層によって肌貼付用フィルム10Mを形成する方法であれば、微細な段差を有する型を用いて肌貼付用フィルム10Mを形成する方法と比較して、肌貼付用フィルム10Mの形成が容易である。したがって、製造コストの低減も可能である。
肌貼付用フィルム10Mの材料としては、第1形態の肌貼付用フィルム10Aの材料として例示した材料が用いられる。また、転写シート30Mは、肌貼付用フィルム10Mと、第1形態と同様の構成を有する支持基材31とを備えている。図20においては、支持基材31が、肌貼付用フィルム10Mの第2面11Rに沿った表面形状を有する形態、すなわち、肌貼付用フィルム10Mにおける第2面11Rの凹凸が支持基材31に埋まっている形態を例示しているが、上記凹凸は支持基材31に埋まっていなくてもよい。
第13形態のように、肌貼付用フィルム10Mの厚さが多段階的に変化する場合であっても、環状領域OR内の複数の対象領域TSにて測定された肌貼付用フィルム10Lの膜厚の平均値が0.05μm以上0.3μm未満であれば、対象領域TSが薄膜部20に含まれると言える。また、中央領域CRにて測定された肌貼付用フィルム10Mの膜厚の平均値が0.3μm以上であれば、肌貼付用フィルム10Mは厚膜部21を有すると言える。
なお、肌貼付用フィルム10Mは、支持基材31と反対側に突き出る形状を有していてもよいし、支持基材31の位置する側と支持基材31とは反対側との両方に突き出る形状を有していてもよい。換言すれば、厚さ方向に沿った断面において、第1面11Fが階段状を有し、第2面11Rが平坦であってもよいし、第1面11Fと第2面11Rとの双方が階段状を有していてもよい。
[転写シートの製造方法]
上述した肌貼付用フィルムおよび転写シートの製造方法を説明する。
肌貼付用フィルム10の作製方法としては、押出し溶融法や溶液キャスト法等の薄膜形成方法が利用される。本実施形態のように薄い層やパターニングされた層の形成には、溶液キャスト法を用いることが適している。すなわち、肌貼付用フィルム10の材料を溶剤に溶解あるいは分散させることにより塗液を生成した後、塗液を基材に塗布して塗膜を乾燥し、固化する。
基材に塗液を塗布する方法としては、例えば、ダイレクトグラビア、リバースグラビア、小径リバースグラビア、マイヤーコート、ダイ、カーテン、スプレー、スピンコート、スクリーン印刷、コンマ、ナイフ、グラビアオフセット、ロールコート等の公知のコーティング方法が使用できる。
形成される層の厚さは、塗液に含まれる固形分の割合と塗布方法とによって制御される。肌貼付用フィルム10が複数の層から構成される場合、層ごとに、塗液の塗布と乾燥とが繰り返される。層を部分的に形成する場合、すなわち、パターニングされた層を形成する場合には、ダイレクトグラビア、スプレー、スクリーン印刷、グラビアオフセットの各コーティング方法が適している。
成膜のための基材としては、支持基材31が用いられてもよいし、支持基材31とは異なる基材が用いられてもよい。
支持基材31上に肌貼付用フィルム10を成膜する場合、支持基材31として、多孔質ではない基材であって、かつ、形成対象の肌貼付用フィルム10の凹凸が反転された窪みを表面に有する基材を用いることで、支持基材31を型として、部分的に厚さが異なる肌貼付用フィルム10の形成が可能である。
支持基材31とは異なる基材上に肌貼付用フィルム10を成膜する場合、成膜時の基材から支持基材31上へ肌貼付用フィルム10が転移されることによって、転写シートが形成される。支持基材31が、軟質ウレタンからなる基材や不織布のように、柔軟性の高い基材である場合には、支持基材31とは異なる基材上に形成された肌貼付用フィルム10が、支持基材31に転移されることが好ましい。成膜時の基材としては、平滑なオレフィンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム等の樹脂基材が利用できる。
平滑な基材上に部分的に厚さの異なる肌貼付用フィルム10を形成する方法としては、上述のように、複数回の塗液の塗布を行って複数の層を形成する方法の他に、以下の方法が挙げられる。例えば、異なる基材上に形成した層を支持基材31上に順に転写して積層する方法、スクリーン印刷等の印刷法にて用いる印刷版の網点濃度を段階的に変化させることにより塗液の塗布量を部分的に変化させる方法、乾燥時間を変化させて平滑化を進行させる方法である。
支持基材31に肌貼付用フィルム10の凹凸が埋まっている形態は、上述のように支持基材31を型として肌貼付用フィルム10を形成する方法によって形成される。あるいは、支持基材31として柔軟性の高い基材を用いる場合には、支持基材31の表面が肌貼付用フィルム10の表面形状に沿いやすいため、支持基材31とは異なる基材上に形成された肌貼付用フィルム10を支持基材31に転移する方法によっても、支持基材31に肌貼付用フィルム10の凹凸が埋まっている形態を形成できる。
また、肌貼付用フィルム10が凹凸構造15を有する場合、凹凸構造15は、形成対象の凹凸が反転された凹凸を表面に有する版を用いて、当該版に塗液を充填する、あるいは、当該版を塗布形成された層の表面に押し付けることによって、形成できる。
[他の形態]
上記第1形態~第13形態は、組み合わせて実施してもよい。例えば、第4形態と第8形態を組み合わせた場合、狭域層13が、粒子14を含み、かつ、複数の膜片部16に分割された形態となる。
第6形態や第7形態で例示したように、厚膜部21の厚さは、厚膜部21内で一定でなくてもよい。同様に、薄膜部20の厚さは、薄膜部20内で一定でなくてもよい。要は、環状領域OR内の複数の対象領域TSにて測定された肌貼付用フィルム10の膜厚の平均値が0.05μm以上0.3μm未満であれば、対象領域TSが薄膜部20に含まれると言える。また、環状領域ORの内側の領域である例えば中央領域CRにて測定された肌貼付用フィルム10の膜厚の平均値が0.3μm以上であれば、肌貼付用フィルム10は厚膜部21を有すると言える。こうした条件を満たしていれば、肌貼付用フィルム10は、第1形態~第13形態とは異なる構造を有していてもよい。
[実施例]
上述した肌貼付用フィルムおよび転写シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1として、第2形態に対応する肌貼付用フィルムおよび転写シートを形成した。
まず、ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルに溶解させて塗液を生成した。ポリビニルアルコールによってコーティングされた表面を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを支持基材として用い、支持基材上に、ダイレクトグラビア法で、上記塗液を直径60mmの円形のパターンに塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.05μmである広域層を形成した。
続いて、広域層上に、ダイレクトグラビア法で、上記塗液を、広域層と中心を合わせて直径58mmの円形のパターンに塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.3μmである狭域層を形成した。これにより、支持基材上に、広域層、狭域層がこの順に積層された実施例1の転写シートを得た。実施例1の転写シートは、平面視にて幅が1mmの環状の薄膜部を端部に有するとともに、平面視にて直径58mmの円形状の厚膜部を中央部に有する。
(実施例2)
実施例2として、第3形態に対応する肌貼付用フィルムおよび転写シートを形成した。
まず、ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルに溶解させて塗液を生成した。シリコーンからなる離型層を表面に有するポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として用い、幅が300mmの当該基材の全面に、マイクログラビア法で、上記塗液を塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.2μmである広域層を形成した。
続いて、広域層上に、スクリーン印刷法で、ヒアルロン酸水溶液を、直径50mmの円形のパターンに塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが1.0μmである狭域層を形成した。そして、広域層と狭域層とからなる積層体を、支持基材としての不織布上へ転移させた。支持基材と狭域層と広域層とからなる積層体を、狭域層の中心を中心として、直径60mmの円形状に型抜きした。これにより、支持基材上に、狭域層、広域層がこの順に積層された実施例2の転写シートを得た。実施例2の転写シートは、平面視にて幅が5mmの環状の薄膜部を端部に有するとともに、平面視にて直径50mmの円形状の厚膜部を中央部に有する。
(比較例1)
ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルに溶解させて塗液を生成した。シリコーンからなる離型層を表面に有するポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として用い、当該基材上に、マイクログラビア法で上記塗液を塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.2μmであるポリ乳酸層を形成した。ポリ乳酸層を、支持基材としての不織布上へ転移させ、直径60mmの円形状に型抜きして、比較例1の転写シートを得た。比較例1の転写シートが備える上記ポリ乳酸層である肌貼付用フィルムは、厚膜部を有していない。
(比較例2)
ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルに溶解させて塗液を生成した。シリコーンからなる離型層を表面に有するポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として用い、当該基材上に、マイクログラビア法で上記塗液を塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.6μmであるポリ乳酸層を形成した。ポリ乳酸層を、支持基材としての不織布上へ転移させ、直径60mmの円形状に型抜きして、比較例2の転写シートを得た。比較例2の転写シートが備える上記ポリ乳酸層である肌貼付用フィルムは、薄膜部を有していない。
(比較例3)
ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルに溶解させて塗液を生成した。ポリビニルアルコールによってコーティングされた表面を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを支持基材として用い、支持基材上に、ダイレクトグラビア法で、上記塗液を直径60mmの円形のパターンに塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.1μmであるポリ乳酸層を形成した。
続いて、上記ポリ乳酸層上に、ダイレクトグラビア法で、上記塗液を、ポリ乳酸層と中心を合わせて直径58mmの円形のパターンに塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.05μmであるポリ乳酸層を形成した。これにより、支持基材上に、二層のポリ乳酸層からなる肌貼付用フィルムを備える比較例3の転写シートを得た。比較例3の肌貼付用フィルムは、厚膜部を有していない。
(比較例4)
ポリ-DL-乳酸を酢酸エチルに溶解させて塗液を生成した。シリコーンからなる離型層を表面に有するポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として用い、当該基材の全面に、マイクログラビア法で、上記塗液を塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが0.2μmであるポリ乳酸層を形成した。
続いて、上記ポリ乳酸層の全面に、マイクログラビア法で、ヒアルロン酸水溶液を塗布した。塗膜を熱風乾燥して、平均厚さが1.0μmであるヒアルロン酸層を形成した。そして、ポリ乳酸層とヒアルロン酸層とからなる積層体を、支持基材としての不織布上へ転移させ、直径60mmの円形状に型抜きした。これにより、支持基材上に、ヒアルロン酸層、ポリ乳酸層がこの順に積層された比較例4の転写シートを得た。比較例4の肌貼付用フィルムは、薄膜部を有していない。
(評価方法)
<密着性>
腕を水で濡らし、各実施例および比較例の転写シートを、肌貼付用フィルムが腕と接するように貼った後、静かに支持基材を取り除くことにより、肌貼付用フィルムを腕に貼り付けた。貼り付けられた肌貼付用フィルムの端部を指で擦り、端部にてフィルムの剥がれが起きなかった場合を「〇」とし、剥がれが起きた場合を「×」とした。
<破断強度>
各実施例および比較例について、肌貼付用フィルムの破れにくさの指標として、破断強度を測定した。破断強度は、フィルムの破断に要する最小の力であり、下記の方法によって測定される。転写シートから、支持基材を取り除き、平面視にて直径6mmの円形状の肌貼付用フィルムを得る。卓上圧縮・引張試験機(島津製作所社製:EZ-Test、ロードセル:100N)に試料として上記肌貼付用フィルムを配置し、直径3mmの円柱圧子を圧縮速度10mm/minで試料に差し込む。試料が破断したときの強度(mN)を測定し、得られた値を破断強度とする。破断強度が50mN以上であれば、日常での使用に耐え得る膜強度を肌貼付用フィルムが有していると言える。したがって、破断強度が50mN以上の場合を「〇」とし、破断強度が50mN未満の場合「×」とした。破断強度が大きいことは、耐擦性が高いことを示す。
(評価結果)
表1に、各実施例および比較例について、密着性と破断強度との評価結果を示す。
表1が示すように、端部に薄膜部を有し、中央部に厚膜部を有する実施例1,2は、密着性が良好であるとともに、破断強度も良好であった。一方、薄膜部のみを有する比較例1,3は、密着性は良好であるものの、破断強度が小さかった。また、厚膜部のみを有する実施例2,4は、破断強度は良好であるものの、密着性が弱かった。
このように、端部に薄膜部を有し、中央部に厚膜部を有する実施例1,2であれば、薄膜に付随した肌に対する密着性と、厚膜に付随した機能性との両立が可能であることが示された。
以上、実施形態および実施例にて説明したように、肌貼付用フィルムおよび転写シートによれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)肌貼付用フィルム10が、薄膜部20と厚膜部21とを有し、環状領域OR内でその周方向に沿って並ぶ複数の対象領域TSが、薄膜部20に含まれる。こうした構成によれば、薄膜部20が位置する肌貼付用フィルム10の端部では、肌貼付用フィルム10が薄いため、肌との密着性が高められる。一方、厚膜部21では、保湿性、紫外線遮断性、装飾性、耐擦性といった特性の向上が可能である。したがって、肌貼付用フィルム10を肌に貼り付けたときに、当該フィルムが端部から剥がれることを抑えつつ、上記特性を良好に得ることができる。すなわち、薄膜に付随した肌に対する密着性と、厚膜に付随した機能性との両立が可能となる。
(2)肌貼付用フィルム10の表面と対向する位置から見て、薄膜部20が肌貼付用フィルム10の外縁に沿った環状を有し、薄膜部20の幅が1mm以上である形態であれば、肌貼付用フィルム10の端部において、その周方向の全域で肌との密着性が高められる。したがって、肌貼付用フィルム10を肌に貼り付けた場合に、肌貼付用フィルム10が剥がれ難くなる。
(3)肌貼付用フィルム10が、肌貼付用フィルム10の全体に広がる広域層12と、肌貼付用フィルム10の一部に位置する狭域層13とを備え、厚膜部21が、広域層12と狭域層13とを含む複数の層から構成される形態であれば、複数の層の積層によって、厚さが部分的に異なる肌貼付用フィルム10が容易かつ的確に実現される。
(4)広域層12と狭域層13との組成が異なる形態であれば、広域層12を、端部で肌と密着する機能に適した材料から構成し、狭域層13を、厚膜に付随する機能をより高める材料から構成することができる。したがって、各層の機能をより高めることができる。
(5)肌貼付用フィルム10の第2面11Rから第1面11Fに向かう方向に、広域層12、狭域層13がこの順に並ぶ形態であれば、肌貼付用フィルム10が肌に貼り付けられたときに、広域層12が狭域層13を覆う。したがって、狭域層13が広域層12によって保護されるため、狭域層13が露出されている形態と比較して、指等の接触に起因して広域層12と狭域層13とが剥離することが抑えられる。
(6)肌貼付用フィルム10の第1面11Fから第2面11Rに向かう方向に、広域層12、狭域層13がこの順に並ぶ形態であれば、肌貼付用フィルム10が肌に貼り付けられたときに、広域層12の全面が肌に接するため、肌貼付用フィルム10と肌との間に隙間が形成されにくい。
(7)狭域層13が粒子14を含む形態であれば、粒子の特性に応じて、肌貼付用フィルム10から肌に対して作用する機能を高めることや、こうした機能の多様化が可能である。また、狭域層13は厚膜部21を構成するため、広域層12よりも厚く形成することができる。したがって、広域層12に粒子14を含有させる場合と比較して、含有可能な粒子14の種類や含有量の自由度が高められる。
(8)狭域層13が、広域層12から遠い方の面に、凹凸構造15を有する形態であれば、凹凸構造15に起因した光の散乱によって肌のシミ等を目立ちにくくする効果や、凹凸構造15に皮膚を穿刺させて各種の成分を皮内に浸透させる効果を得ることができる。
(9)狭域層13が、広域層12に沿った平面上に離間して並ぶ複数の膜片部16から構成される形態であれば、厚膜部21の肌への追従性が高められるため、肌のツッパリ等の違和感を使用者が覚えることが抑えられる。
(10)広域層12と狭域層13との間に、アンカー層として機能する中間層17を備える形態であれば、肌貼付用フィルム10を構成する層間の密着性が高められる。
(11)肌貼付用フィルム10が、互いに異なる組成を有し、かつ、肌貼付用フィルム10の広がる方向に沿った1つの平面上において互いに接する端部構成部18と中央構成部19とを備える形態であれば、互いに異なる材料からなる層が厚さ方向に積層される形態と比較して、肌貼付用フィルム10の通気性を高めやすい。したがって、肌貼付用フィルム10が貼り付けられている部分に、使用者が閉塞感を感じることが抑えられる。
(12)肌貼付用フィルム10の厚さが、薄膜部20の最も薄い部分から、厚膜部21の最も厚い部分に向けて、連続的に変化する形態であれば、厚さの差に起因した段差が肌貼付用フィルムの表面や裏面に形成されることが抑えられる。したがって、厚さの異なる部分の境界が視認されることが抑えられる。また、上記段差に指等が引っ掛かることに起因して肌貼付用フィルム10が破断することが抑えられる。
(13)肌貼付用フィルム10の厚さが、薄膜部20の最も薄い部分から、厚膜部21の最も厚い部分に向けて、多段階的に変化する形態であれば、複数の平坦な層に積層によって肌貼付用フィルム10を形成することが可能である。したがって、厚さが連続的に変化する形態と比較して、肌貼付用フィルム10の形成が容易である。
CR…中央領域、OR…環状領域、TS…対象領域、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M…肌貼付用フィルム、11F…第1面、11R…第2面、12…広域層、13…狭域層、14…粒子、15…凹凸構造、16…膜片部、17…中間層、18…端部構成部、19…中央構成部、20…薄膜部、21…厚膜部、30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H,30I,30J,30K,30L,30M…転写シート、31…支持基材。

Claims (13)

  1. 0.05μm以上0.3μm未満の平均厚さを有する薄膜部と、
    0.3μm以上の平均厚さを有する厚膜部と、を有する肌貼付用フィルムであって、
    前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、
    前記肌貼付用フィルムの外縁に沿った環状領域に仮想的に区画された領域であって、当該環状領域の周方向に沿って間隔をあけて並ぶ複数の領域が、前記薄膜部に含まれ、
    前記薄膜部は、前記肌貼付用フィルムの外縁に沿った環状を有し、前記薄膜部の幅は、1mm以上であり、
    前記薄膜部が単一の層からなる
    肌貼付用フィルム。
  2. 0.05μm以上0.3μm未満の平均厚さを有する薄膜部と、
    0.3μm以上の平均厚さを有する厚膜部と、を有する肌貼付用フィルムであって、
    前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、前記肌貼付用フィルムの外縁に沿った環状領域に仮想的に区画された領域であって、当該環状領域の周方向に沿って間隔をあけて並ぶ複数の領域が、前記薄膜部に含まれ、
    前記薄膜部が単一の層からなり、
    前記肌貼付用フィルムは、前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、当該肌貼付用フィルムの全体に広がる広域層と、当該肌貼付用フィルムの一部に位置する狭域層と、を備え、
    前記厚膜部は、前記広域層と前記狭域層とを含む複数の層から構成される
    肌貼付用フィルム。
  3. 0.05μm以上0.3μm未満の平均厚さを有する薄膜部と、
    0.3μm以上の平均厚さを有する厚膜部と、を有する肌貼付用フィルムであって、
    前記肌貼付用フィルムの表面と対向する位置から見て、前記肌貼付用フィルムの外縁に沿った環状領域に仮想的に区画された領域であって、当該環状領域の周方向に沿って間隔をあけて並ぶ複数の領域が、前記薄膜部に含まれ、
    前記薄膜部が単一の層からなり、
    前記肌貼付用フィルムは、互いに異なる組成を有し、かつ、当該肌貼付用フィルムの広がる方向に沿った1つの平面内において互いに接する複数の部分を備える
    肌貼付用フィルム。
  4. 前記肌貼付用フィルムの厚さは、前記薄膜部に含まれる最も薄い部分から、前記厚膜部に含まれる最も厚い部分に向けて、連続的に変化する
    請求項1に記載の肌貼付用フィルム。
  5. 前記肌貼付用フィルムの厚さは、前記薄膜部に含まれる最も薄い部分から、前記厚膜部に含まれる最も厚い部分に向けて、多段階的に変化する
    請求項1に記載の肌貼付用フィルム。
  6. 前記広域層と前記狭域層との組成は互いに異なる
    請求項に記載の肌貼付用フィルム。
  7. 前記肌貼付用フィルムは、肌に貼り付けられる第1面と、前記第1面と反対側の面である第2面とを有し、
    前記第2面から前記第1面に向かう方向に、前記広域層、前記狭域層がこの順に並ぶ
    請求項2または6に記載の肌貼付用フィルム。
  8. 前記肌貼付用フィルムは、肌に貼り付けられる第1面と、前記第1面と反対側の面である第2面とを有し、
    前記第1面から前記第2面に向かう方向に、前記広域層、前記狭域層がこの順に並ぶ
    請求項2または6に記載の肌貼付用フィルム。
  9. 前記狭域層は、粒子を含む
    請求項2,6~8のいずれか一項に記載の肌貼付用フィルム。
  10. 前記狭域層は、当該狭域層が有する2つの面のうち前記広域層から遠い方の面に、凹凸構造を有する
    請求項2,6~8のいずれか一項に記載の肌貼付用フィルム。
  11. 前記狭域層は、前記広域層に沿った平面上に離間して並ぶ複数の部分から構成される
    請求項2,6~8のいずれか一項に記載の肌貼付用フィルム。
  12. 前記広域層と前記狭域層との間に、アンカー層を備える
    請求項2,6~8のいずれか一項に記載の肌貼付用フィルム。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の肌貼付用フィルムと、
    前記肌貼付用フィルムを支持する支持基材と、
    を備える転写シート。
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