JP2020152647A - 薄型フィルム、および、転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】発色部の形成精度を高めることのできる薄型フィルム、および、当該薄型フィルムを備える転写シートを提供する。【解決手段】薄型フィルム10は、0.1g/m2以上4g/m2以下の平均質量を有する薄膜層20を備える。薄膜層20は、インクの硬化物である発色部が形成される対象面20Sを有し、対象面20Sの算術平均粗さRaが、0.1μm以上5μm以下である。また、転写シートは、薄型フィルム10と、薄型フィルム10を支持する支持基材とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、薄型フィルム、および、薄型フィルムを備える転写シートに関する。
数nm〜数μm程度の厚さを有した薄膜層は、生体器官の表面に対する接着性を有するため、当該薄膜層を臓器や皮膚等に貼り付けて利用することが試みられている。
例えば、非特許文献1では、上記薄膜層が創傷の被覆材として利用可能であることが報告されている。また、上記薄膜層を、スキンケアやメイクアップの補助のために肌に貼り付けることも提案されている。例えば、特許文献1では、薄膜層を肌に貼り付けた後に、薄膜層の上から化粧料を塗布する美容方法が提案されている。さらに、特許文献2には、薄膜層と、薄膜層へのインクの塗布によって形成された発色部とを備える薄型フィルムが記載されている。例えば、肌色の発色部を備える薄型フィルムを肌に貼り付けることで、肌における傷の隠蔽や、シミやソバカスを目立たなくすることが可能である。
国際公開第2014/058066号 特開2015−193604号公報
T.Fujie et al.,Adv.Funct.Mater.,2009年,19巻,2560−2568頁
しかしながら、印刷法等によって薄膜層にインクを供給して発色部を形成する場合、インクの濡れ広がりが生じるために、所望の色の発色部を所望の範囲に精度よく形成することは困難であった。例えば、所定のパターンに発色部を形成しようとした場合には、発色部の外縁に滲みが生じて、設計されたパターンと実際に形成されたパターンとの間に隔たりが生じてしまう。
本発明は、発色部の形成精度を高めることのできる薄型フィルム、および、当該薄型フィルムを備える転写シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する薄型フィルムは、0.1g/m以上4g/m以下の平均質量を有する薄膜層を備える薄型フィルムであって、前記薄膜層は、インクの硬化物である発色部が形成される対象面を有し、前記対象面の算術平均粗さRaが、0.1μm以上5μm以下である。
上記構成によれば、対象面に供給されたインクと接する薄膜層の表面積が増大することに起因して、インクの広がりが抑えられる。その結果、発色部の形成精度が高められる。
上記構成において、薄型フィルムは、前記対象面に前記発色部を備えてもよい。
上記構成によれば、形成精度の高い発色部を備える薄型フィルムが実現される。
上記構成において、薄型フィルムは、前記発色部を覆う疎水性樹脂層を備えてもよい。
上記構成によれば、発色部が外気に曝されることや、発色部が直接に被転写体に接することが抑えられる。
上記構成において、前記薄膜層は、生体適合高分子膜であり、前記薄膜層の密度は、1g/cm以上3g/cm以下であってもよい。
上記構成によれば、生体への貼り付けに適した薄膜層が実現される。そして、こうした生体組織に親和性を有した薄型フィルムにおいて、発色部の形成精度が高められる。
上記構成において、前記薄型フィルムは、前記薄膜層における前記対象面と反対側の面を最外面として有し、当該最外面、または、前記薄型フィルムにおける当該最外面とは反対側の最外面が、肌に貼り付けられてもよい。
上記構成によれば、形成精度の高い発色部を備える薄型フィルムが肌に貼り付けられるため、メイクアップの補助等の薄型フィルムの機能が高められる。また、薄膜層の両面が対象面であって両面に発色部が形成されている形態と比較して、薄型フィルムを薄くすることができる。したがって、メイクアップの補助等の薄型フィルムに求められる機能を十分に実現しつつも、薄型フィルムの肌に対する追従性が高められ、使用者の違和感を低減することができる。
上記課題を解決する薄型フィルムは、上記薄型フィルムと、前記薄型フィルムを支持する支持基材と、を備える。
上記構成によれば、転写シートの保管時や移動時に、薄型フィルムの変形が抑えられる。また、支持基材に支持されていることにより、薄型フィルムが取り扱いやすくなる。
本発明によれば、薄膜層に対する発色部の形成精度を高めることができる。
薄型フィルムの一実施形態について、第1形態の薄型フィルムの断面構造を示す図。 (a)は、従来の薄膜層における発色部の形成過程を示す図、(b)は、一実施形態の薄膜層における発色部の形成過程を示す図。 薄型フィルムの一実施形態について、第2形態の薄型フィルムの断面構造を示す図。 薄型フィルムの一実施形態について、第2形態の薄型フィルムにおける他の例の断面構造を示す図。 薄型フィルムの一実施形態について、第3形態の薄型フィルムの断面構造を示す図。 薄型フィルムの一実施形態について、薄型フィルムの変形例の断面構造を示す図。 転写シートの一実施形態について、転写シートの断面構造を示す図。
図面を参照して、薄型フィルム、および、転写シートの一実施形態を説明する。転写シートは、転写シートが備える薄型フィルムを、被転写体に転写するために用いられる。被転写体は特に限定されないが、例えば生体の皮膚である。
[薄型フィルムの構成]
本実施形態の薄型フィルム10として、3つの形態を順に説明する。
図1が示すように、第1形態の薄型フィルム10Aは、薄膜層20から構成される。薄膜層20は、インクの硬化物である発色部が形成される対象面20Sを有する。薄型フィルム10Aは、対象面20Sへの発色部の形成が行われた後に、被転写体に貼り付けられる。
薄膜層20が有する2つの面のうちの一方のみが対象面20Sであってもよいし、2つの面の両方が対象面20Sであってもよい。言い換えれば、薄膜層20の片面のみに発色部が形成されてもよいし、薄膜層20の両面に発色部が形成されてもよい。図1は、薄膜層20の片面のみが対象面20Sである形態を例示している。
対象面20Sは凹凸を有し、対象面20Sの算術平均粗さRaは、0.1μm以上5μm以下である。算術平均粗さRaは、JISB 0601−1994に準拠して測定される。対象面20Sの凹凸は、薄膜層20の表面の成形によって形成された凹凸であってもよいし、薄膜層20に分散した粒子の形状に追従する凹凸であってもよい。また、対象面20Sの凹凸は、対象面20Sにて突出する複数の凸部から構成されてもよいし、対象面20Sにて窪む複数の凹部から構成されてもよいし、こうした凸部と凹部との混合により構成されてもよい。凸部や凹部の大きさは、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。また、凸部や凹部は、規則的に配置されていてもよいし、不規則に配置されていてもよい。
対象面20Sが上記の表面粗さを有することにより、発色部の形成精度が高められる。この原理を、図2を参照して説明する。図2(a)は、平坦な面にインクを塗布した場合を模式的に示し、図2(b)は、凹凸を有する面にインクを塗布した場合を模式的に示す。
対象面20Sと対向する方向から見た平面視において所定の面積を有する領域にインクを供給した場合に、対象面20Sが凹凸を有する方が、当該領域にてインクに接する薄膜層20の表面積が増大する。例えば、図2が示すように、上記平面視にて幅Woを有する領域RoにインクInを供給した場合、領域RoにてインクInに接する薄膜層20の表面積は、対象面20Sが凹凸を有する場合の方が大きくなる。
インクが含む液体は、薄膜層20の厚さ方向に浸透するとともに対象面20Sに沿って広がる。これにより、インクの濡れ広がりが生じる。インクが対象面20Sに沿って広がるとき、インクが広がる領域の上記平面視での大きさは、対象面20Sが凹凸を有する場合の方が、対象面20Sが平坦である場合と比較して小さくなる。例えば、図2が示すように、領域Roに供給された所定量のインクInが広がる表面積を表面積Lとするとき、対象面20Sが平坦である場合での、表面積Lを有する領域R1の上記平面視での幅W1よりも、対象面20Sが凹凸を有する場合での、表面積Lを有する領域R2の上記平面視での幅W2の方が小さくなる。
したがって、対象面20Sが凹凸を有することにより、上記平面視にてインクが濡れ広がる範囲が縮小され、インクの供給された領域よりも発色層が広がって形成されることが抑えられる。
また、対象面20Sが凹凸を有する場合、上述のように、インクが供給された領域でインクに接する薄膜層20の表面積が増大することにより、薄膜層20の厚さ方向へのインクの浸透、すなわち、インクが含む液状の媒質の浸透が促進される。その結果、インクが含む顔料等の発色材料の対象面20Sへの定着が促進され、対象面20Sに沿ったインクの広がりが抑えられる。これによっても、インクの供給された領域よりも発色層が広がって形成されることが抑えられる。
対象面20Sの算術平均粗さRaが0.1μm以上であれば、上述のようにインクの供給された領域よりも発色層が広がって形成されることを抑える効果が十分に得られる。また、対象面20Sの算術平均粗さRaが5μmより大きいと、薄膜層20の厚さが局所的に薄い部分が生じる場合があり、薄膜層20の強度が低くなりやすい。したがって、対象面20Sの算術平均粗さRaが5μm以下であることにより、薄膜層20が破れやすくなることが抑えられる。薄膜層20の強度を高めるためには、対象面20Sの算術平均粗さRaは、4μm以下であることがより好ましい。
薄膜層20は、単一の層であってもよいし、複数の層から構成されていてもよい。薄膜層20は、被転写体に対する接着性を発現する程度の薄さを有する。こうした特性を薄膜層20の質量で表すと、薄膜層20の単位面積あたりの平均質量は、0.1g/m以上4g/m以下である。このときの薄膜層20の密度は、例えば、1g/cm以上3g/cm以下である。
上記平均質量は、薄膜層20における任意の3箇所の各々を、平面視にて1辺が100mmの正方形形状の膜片に切り出し、3つの膜片の精密天秤で測定した質量の平均値を100倍することにより求められる。
上記平均質量が0.1g/m以上であることにより、薄膜層20の強度が十分に確保されるため、被転写体への貼り付けに際して薄膜層20が破れることが抑えられる。上記平均質量が4g/m以下であることにより、薄膜層20の被転写体に対する接着性、特に肌に対する接着性が十分に得られる。そして、薄膜層20を肌に貼り付けたときに、薄膜層20に皺が発生することや使用者に違和感が生じることが抑えられる。
なお、上記平均質量は、薄膜層20が、添加剤として、例えばオイル等の可塑剤として機能する成分や、各種の樹脂成分や、粒子等を含有している場合に大きくなる。添加剤を含有しない場合には、薄膜層20の単位面積あたりの平均質量は、0.1g/m以上2.0g/m以下であることが好ましい。
図3を参照して、薄型フィルムの第2形態を説明する。図3が示すように、第2形態の薄型フィルム10Bは、上述の薄膜層20に加えて、発色部21を備えている。発色部21は、対象面20Sに位置している。なお、以下の図においては、発色部21における対象面20Sと反対側の面を平坦に図示しているが、発色部21は対象面20Sの凹凸に追従した形状を有していてもよい。
発色部21は、発色材料を含むインクの硬化物である。発色部21は、所定の波長域の光源下において視認可能な任意の色を呈する。例えば、発色部21は、可視領域の光の下にて有色に視認されてもよいし、紫外領域の光の下にて有色に視認されてもよい。
発色部21は、単色であってもよいし、互いに異なる色を呈する複数の領域を有していてもよい。また、発色部21は、対象面20Sにおける一部の領域に位置していてもよいし、対象面20Sの全体に位置していてもよい。例えば、発色部21は、模様、絵柄、文字等のパターンを構成していてもよいし、色の濃度が徐々に変化するグラデーション状に構成されていてもよい。
発色部21によって実現される薄型フィルム10Bの機能は特に限定されない。発色部21によって、肌における傷やシミやソバカス等の瑕疵の隠蔽機能が薄型フィルム10Bに付与されてもよいし、タトゥーシールのような肌に対する装飾機能が薄型フィルム10Bに付与されてもよい。また、発色部21が、識別情報等の情報を有するパターンを構成し、こうした情報が、被転写体に貼られた薄型フィルム10Bから読み取られて利用されてもよい。この場合、発色部21は、可視領域の光の下では視認されないように構成されていてもよい。例えば、薄膜層20の両面が対象面20Sである場合、一方の対象面20Sには、可視領域の光の下で視認可能な色の発色部21が形成され、他方の対象面20Sには、上記情報を有する発色部21であって、可視領域の光の下では視認されない発色部21が形成されていてもよい。
対象面20Sが上述の表面粗さを有していることにより、発色部21の形成範囲の精度が高められる。したがって、所望のパターンに発色部21を形成しようとする場合には、パターンの滲みが抑えられて、設計に対するパターンの形成精度が高められる。また、発色部21にて互いに異なる色を呈する領域が隣接する場合には、色の切り替わりの位置の設計に対する精度が高められる。発色部21がグラデーション状に構成されている場合にも、色の濃度の変化の位置の精度が高められるため、グラデーションの勾配が、設計に沿って精度よく形成される。
なお、図3が示すように、発色部21は、対象面20S上に位置していてもよいし、図4が示すように、発色部21の一部は、対象面20Sから薄膜層20の内部に浸み込んでいてもよい。発色部21の形成のためのインクが含む発色材料が、媒質とともに薄膜層20内に浸透した場合には、薄膜層20の内部に一部が浸み込んだ発色部21が形成される。
図5を参照して、薄型フィルムの第3形態を説明する。図5が示すように、第3形態の薄型フィルム10Cは、上述の薄膜層20および発色部21に加えて、疎水性樹脂層22を備えている。疎水性樹脂層22は、対象面20S上にて、発色部21を覆っている。疎水性樹脂層22は、例えば、薄膜層20上の全体に広がっている。
疎水性樹脂層22が設けられていることによって、発色部21が保護される。薄型フィルム10Cのなかで、薄膜層20に対して発色部21が位置する側の面が、被転写体の外側に向けられて外気に曝される場合、疎水性樹脂層22の表面が最外面となって外気に曝される。そのため、疎水性樹脂層22が設けられず発色部21が外気に曝される形態と比較して、擦れ等によって発色部21が対象面20Sから脱離することが抑えられる。また、薄型フィルム10Cのなかで、薄膜層20に対して発色部21が位置する側の面が、被転写体としての肌に貼り付けられる場合には、疎水性樹脂層22が設けられていることによって、発色部21が直接に肌に接することが抑えられるため、発色材料が肌に刺激を与えることが抑えられる。
薄型フィルム10Cが肌に貼り付けられる場合、薄型フィルム10Cは汗等の水分と接触しやすい。疎水性樹脂層22は、疎水性の樹脂を主成分とするため、薄型フィルム10Cが水分と接触する場合であっても、疎水性樹脂層22が発色部21を覆っている状態を好適に維持できる。
疎水性樹脂層22の単位面積あたりの平均質量は、3.9g/m以下であることが好ましい。このときの疎水性樹脂層22の密度は、例えば、1g/cm以上3g/cm以下である。上記平均質量は、薄膜層20の平均質量と同様の方法によって測定される。
なお、第1〜第3形態のいずれにおいても、薄膜層20の厚さは、必ずしも、対象面20Sにて凸部である部位で厚く、対象面20Sにて凹部である部位で薄くなっている必要はない。薄膜層20は、1つの対象面20Sにおいて凸部となる部位で当該対象面20Sと反対側の面が凹部となる部分、言い換えれば、断面波形状を有した部分を含んでもよい。図6は、例として、こうした薄膜層20を備える第2形態の薄型フィルム10Bを示す。薄膜層20が断面波形状を有していると、薄膜層20が対象面20Sにて凸部となる部位で厚くなっている形態と比較して、特に当該凸部の部位でインクの媒質が薄膜層20を透過しやすい。それゆえ、発色材料の対象面20Sへの定着が促進されて、対象面20Sに沿ったインクの広がりが抑えられる。
[薄型フィルムの材料]
薄膜層20を構成する材料は、特に限定されない。被転写体が生体である場合、薄膜層20は、生体組織と親和性を有した生体適合高分子膜であることが好ましい。この場合、薄膜層20の材料は、例えば、ポリ乳酸、ヒアルロン酸、ポリグリコール酸、フィブロイン、ポリカプロラクトン、キトサン等の高分子材料、これらの高分子材料の共重合体、および、アクリルウレタン共重合体からなる群から選択される1種以上の材料である。薄膜層20の材料における分子量の制限は特になく、薄膜層20は、所定の平均分子量を有する1種類の材料から構成されていてもよいし、互いに異なる平均分子量を有する複数種類の材料から構成されてもよい。
また、薄型フィルム10が被転写体としての肌に貼り付けられる場合、薄膜層20は、皮膚において所定の機能を発揮する物質である機能性物質を含有していてもよい。機能性物質は、例えば、保湿クリームや美容液等のスキンケアに用いられる化粧料あるいは化粧料成分、色素、薬剤、タンパク質、および、酵素等である。薄膜層20は、機能性物質を1種類のみ含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。また、薄膜層20は、可塑剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
対象面20Sの凹凸を粒子の含有によって生じさせる場合、粒子としては、例えば、無機フィラーや有機フィラーが用いられる。無機フィラーの材料としては、例えば、タルク、シリカ、マイカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、金属石鹸、シリコーン等が挙げられる。有機フィラーの材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース等が挙げられる。薄膜層20が含有する粒子のレーザー回折散乱法による体積平均粒子径は、薄膜層20の形成工程にて粒子の凝集を抑える観点から0.5μm以上であることが好ましく、上記形成工程にて粒子の沈降を抑える観点から20.0μm以下であることが好ましい。
発色部21の形成のためのインクは、液体である媒質と、顔料や染料である発色材料とを含む。媒質は分散媒であっても溶媒であってもよく、すなわち、発色材料はインク中に分散されていてもよいし溶解されていてもよい。さらに、インクは、分散された発色材料と溶解された発色材料とを含んでいてもよい。
インクの媒質としては、水や各種の有機溶剤を用いることができる。複数の材料の混合によってインクの媒質が構成されていてもよい。顔料としては、公知の有機顔料や無機顔料を用いることができる。黒色の無機顔料の一例としては、カーボンブラックが挙げられる。染料としては、例えば、公知の合成食用色素や天然食用色素を用いることができる。インクは、発色材料として複数の種類の材料を含んでいてもよく、複数の顔料や染料の混合によって所望の色味に調整されていればよい。薄型フィルム10が肌に貼り付けられる場合には、インクの材料、特に、発色材料は、肌に対する影響が小さい材料であることが好ましい。また、インクは、分散剤等の添加剤を含有していてもよい。
疎水性樹脂層22を構成する疎水性樹脂は、特に限定されない。疎水性樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の高分子材料、これらの高分子材料の共重合体、アクリルウレタン共重合体等が挙げられる。疎水性樹脂層22の材料における分子量の制限は特になく、疎水性樹脂層22は、所定の平均分子量を有する1種類の材料から構成されていてもよいし、互いに異なる平均分子量を有する複数種類の材料から構成されてもよい。
また、薄型フィルム10が肌に貼り付けられる場合、疎水性樹脂層22は、皮膚において所定の機能を発揮する物質である機能性物質を含有していてもよい。機能性物質は、例えば、保湿クリームや美容液等のスキンケアに用いられる化粧料あるいは化粧料成分、色素、薬剤、タンパク質、および、酵素等である。疎水性樹脂層22は、機能性物質を1種類のみ含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。また、疎水性樹脂層22は、可塑剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
[転写シートの構成]
図7が示すように、転写シート30は、薄型フィルム10と、薄型フィルム10を支持する支持基材31とを備えている。図7では、転写シート30が第3形態の薄型フィルム10Cを備える形態を例示しているが、転写シート30は第2形態の薄型フィルム10Bを備えていてもよい。
薄型フィルム10が有する面のうち、支持基材31に支持される面が、支持面11Fであり、支持面11Fと反対側の最外面が、非支持面11Nである。薄膜層20の片面のみが対象面20Sである場合、支持面11Fは、薄型フィルム10における対象面20Sと同一の側に向いた最外面であってもよいし、対象面20Sと反対側に向いた最外面であってもよい。支持面11Fが凹凸を有する場合、支持基材31は、支持面11Fの凹凸を埋めていてもよいし、埋めていなくてもよい。
薄型フィルム10が被転写体に貼り付けられたときに、支持面11Fは外気に曝され、非支持面11Nは被転写体に接する。すなわち、薄膜層20の片面のみに発色部21が設けられる場合、薄型フィルム10が有する面のうち、薄膜層20に対して発色部21と同一の側に位置する最外面が被転写体に貼り付けられてもよいし、薄膜層20に対して発色部21と反対側に位置する最外面が被転写体に貼り付けられてもよい。
特に第2形態の薄型フィルム10Bを転写シート30が備える場合、発色部21が位置する側の最外面が被転写体に貼り付けられる形態であれば、被転写体上において発色部21が薄膜層20で覆われるため、発色部21の脱離が抑えられる。一方、発色部21と反対側の最外面が被転写体としての肌に貼り付けられる形態であれば、発色部21が肌に刺激を与えることが抑えられる。
なお、転写シート30は、薄型フィルム10として、第1形態の薄型フィルム10Aを備えていてもよい。この場合、対象面20Sが非支持面11Nとされ、転写シート30に対して発色部21が形成された後に、転写シート30が転写に用いられる。
支持基材31は、転写シート30の保管時や、転写シート30の使用に際して薄型フィルム10を被転写体上へ移動させるときに、薄型フィルム10の変形を抑える機能を有する。支持基材31に支持されていることにより、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。
支持基材31は、多孔質基材であることが好ましい。多孔質基材は、内部に微小な多数の間隙を有する基材であり、液体を浸透あるいは透過させることができる。支持基材31として用いることのできる多孔質基材としては、例えば、不織布、紙、編物、織物等の繊維材料からなるシート、メッシュ状のように間隙を含む構造を有する樹脂シートが挙げられる。これらの基材のなかでも、水分を速やかに吸収して拡散できることから、不織布が好適に用いられる。不織布を構成する繊維は、例えば、綿、麻、羊毛、パルプ等の天然繊維、レーヨン等の半合成繊維、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の合成繊維等である。上記の繊維のなかでも、天然繊維、特にパルプが好適に用いられる。不織布は、1種類の繊維から構成されていてもよいし、2種類以上の繊維から構成されていてもよい。
支持基材31として用いる不織布の製造方法は特に限定されず、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブロー法、エアレイ法、フラッシュ紡糸法、および、樹脂接着法のうちのいずれかによって製造された不織布であればよい。支持基材31として用いる不織布の目付けは、10g/m以上150g/m以下であることが好ましく、肌触り等の使用感に優れることから、20g/m以上50g/m以下であることがより好ましい。
なお、支持基材31は、多孔質基材に限らず、内部に間隙を有さない樹脂シートや金属箔等の基材から構成されてもよい。
転写シート30は、薄型フィルム10の非支持面11Nを覆う保護層を備えていてもよい。保護層は、薄型フィルム10の非支持面11Nを保護する機能を有する。保護層は、多孔質基材から構成されることが好ましい。保護層を構成する多孔質基材としては、支持基材31を構成する多孔質基材として例示した上記の各材料を用いることができる。保護層と支持基材31とは、同一の種類の多孔質基材から構成されてもよいし、互いに異なる種類の多孔質基材から構成されてもよい。なお、保護層は、多孔質基材に限らず、内部に間隙を有さない樹脂シートや金属箔等の基材から構成されてもよい。
[薄型フィルムおよび転写シートの製造方法]
薄型フィルム10および転写シート30の製造方法の一例を説明する。なお、上述した構成の薄型フィルム10および転写シート30を形成可能であれば、薄型フィルム10および転写シート30は、下記の製造方法とは異なる方法によって製造されてもよい。
まず、成膜用基材の表面に、薄膜層20を形成する。成膜用基材としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、水溶性樹脂、金属酸化物、金属等から構成された基材が用いられる。例えば、成膜用基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等の樹脂からなる基材、こうした樹脂基材に対して延伸加工や離型処理やマット加工が施された基材である。あるいは、成膜用基材として、ガラス、石英、アルミニウム等の無機物からなる基材や、こうした無機物からなる基材に対して離型処理やマット加工を施した基材が用いられてもよい。また、成膜用基材は、多孔質基材のように、液体の浸透性が高い基材であってもよい。
薄膜層20の材料が溶媒に溶かされた塗液が、成膜用基材の表面に塗布され、その塗膜が乾燥されることによって、薄膜層20が形成される。上記溶媒としては、薄膜層20の材料の特性に応じて、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトンやエチルメチルケトン等のケトン系溶剤、トルエンやヘキサン等の非極性溶媒、水やアルコール等の極性溶媒等が用いられる。
塗液の塗布方法は、塗液の塗布量を精密に制御可能な方法であれば特に限定されない。塗布方法としては、例えば、グラビア法、マイクログラビア法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、シルクスクリーン法、ダイコーティング法、および、カーテンコーティング法のいずれかが利用されることが好ましい。
成膜用基材を支持基材31として用いてもよいし、支持基材31とは異なる基材を成膜用基材として用い、成膜用基材上に形成した薄膜層20を支持基材31上へ転写してもよい。転写方法としては、吸引による剥離を利用する方法や犠牲膜を利用する方法等、公知の転写方法が用いられればよい。
薄膜層20の対象面20Sの凹凸を形成する方法としては、公知の方法が用いられればよい。例えば、薄膜層20の表面の成形による凹凸の形成方法として、下記の4つの方法が挙げられる。第1の方法では、成膜用基材として、予め凹凸が形成された基材、すなわち、マット加工が施された基材を使用する。表面に凹凸を有する成膜用基材を使用することで、薄膜層20における成膜用基材と接する面に凹凸が形成される。第2の方法では、成膜用基材への塗液の塗布時に、ランダムなパターンの印刷版を使用して塗膜の表面に凹凸を形成することにより、薄膜層20における成膜用基材とは反対側の面に凹凸を形成する。第3の方法では、塗膜の乾燥前に凹凸のパターンを有する版を塗膜の表面に接触させることにより、薄膜層20における成膜用基材とは反対側の面に凹凸を形成する。第4の方法では、塗膜を乾燥した後、その成膜物の表面に、凹凸のパターンを有する版を加熱して押し当てる、もしくは、成膜物を加熱して、冷却した上記版に押し当てることにより、薄膜層20における成膜用基材とは反対側の面に凹凸を形成する。なお、凹凸の形成に用いる版は、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
薄膜層20に粒子を含有させる場合には、塗液に粒子を分散させればよい。なお、薄膜層20の表面の成形と粒子の含有との双方によって、対象面20Sの凹凸が形成されてもよい。
発色部21は、成膜用基材上にて対象面20Sを上面として有する薄膜層20に対して形成されてもよいし、支持基材31上にて対象面20Sを上面として有する薄膜層20に対して形成されてもよい。成膜用基材上の薄膜層20に発色部21を形成して薄型フィルム10を形成した後に、薄型フィルム10を支持基材31に転写する方法によれば、薄膜層20に対して発色部21と同一の側の最外面が支持面11Fとなる転写シート30を形成できる。また、支持基材31上の薄膜層20に発色部21を形成して薄型フィルム10を形成する方法によれば、薄膜層20に対して発色部21と反対側の最外面が支持面11Fとなる転写シート30を形成できる。
発色部21の形成方法、すなわち、対象面20Sへのインクの供給方法としては、印刷法が用いられることが好ましい。印刷法としては、例えば、インクジェット印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。なお、例えばスプレーを利用した方法のように、印刷法以外の方法を利用して対象面20Sへインクを供給してもよい。
発色部21の形成時において薄膜層20を支持する基材が、液体の浸透性の高い基材であると、薄膜層20の厚さ方向へのインクの媒質の浸透が促進される。その結果、発色材料の対象面20Sへの定着が促進され、対象面20Sに沿ったインクの広がりが抑えられる。また、薄膜層20が粒子を含有する場合、粒子が吸湿性を有していると、これによっても、薄膜層20の厚さ方向へのインクの媒質の浸透が促進される。
疎水性樹脂層22は、疎水性樹脂層22の材料が溶媒に溶かされた塗液が、発色部21の形成された対象面20Sに塗布され、その塗膜が乾燥されることによって形成される。上記溶媒としては、疎水性樹脂層22の材料の特性に応じて、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトンやエチルメチルケトン等のケトン系溶剤、トルエンやヘキサン等の非極性溶媒、水やアルコール等の極性溶媒等が用いられる。
塗液の塗布方法は、塗液の塗布量を精密に制御可能な方法であれば特に限定されない。塗布方法としては、例えば、グラビア法、マイクログラビア法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、シルクスクリーン法、ダイコーティング法、および、カーテンコーティング法のいずれかが利用されることが好ましい。
保護層を備える転写シート30を形成する場合には、薄型フィルム10の非支持面11Nに、保護層が積層される。
[薄型フィルムの転写方法]
転写シート30を用いた薄型フィルム10の転写方法を説明する。以下では、支持基材31として多孔質基材を用い、支持基材31を湿潤させて、被転写体としての肌に薄型フィルム10を転写する方法について説明する。
まず、肌における薄型フィルム10の貼付箇所に、水等の液体を供給する。供給される液体である供給液は、転写シート30を湿潤可能な液体であればよく、具体的には、水を含む液体、あるいは、マッサージオイル等の油類であればよい。例えば、供給液としては、水や、化粧水等の化粧料を用いることができる。
続いて、転写シート30を、薄型フィルム10の非支持面11Nが貼付箇所に接するように、肌上に配置する。そして、支持基材31の上から、転写シート30を指等で押圧することにより、供給液を支持基材31にまで浸透させる。
続いて、薄型フィルム10から支持基材31を剥離する。これにより、薄型フィルム10が肌に貼り付けられる。転写シート30が湿潤することによって、多孔質基材である支持基材31が膨張することや、支持基材31と薄型フィルム10との間まで供給液が浸入すること等に起因して、支持基材31が薄型フィルム10から剥がれやすくなる。
なお、上記転写方法においては、肌上に転写シート30を配置する前に、肌に供給液を供給する方法を例示したが、肌上に転写シート30を配置した後に、供給液が転写シート30に対して供給されてもよい。また、転写シート30を湿潤させずに、支持基材31を薄型フィルム10から剥離してもよい。この場合、支持基材31は多孔質基材でなくてもよい。
[実施例]
上述した薄型フィルムおよび転写シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
DL−ポリ乳酸(武蔵野化学研究所社製)を、10wt%となるように酢酸エチルに溶解して、薄膜層の形成のための塗液を生成した。成膜用基材として、サンドブラスト加工によって表面に凹凸を形成し、離型処理を施した厚さ1mmの青板ガラスを用い、ワイヤーバーを用いて成膜用基材の表面に上記塗液を塗布して塗膜を形成した。成膜用基材の表面の算術平均粗さRaは0.15μmである。上記塗膜を、オーブンで加熱して乾燥・固化させることにより、薄膜層を形成した。乾燥時の加熱温度は70℃以上120℃以下の範囲から選択した。以上の工程では、薄膜層を、乾燥後の平均質量が0.4g/mとなるように形成した。
続いて、支持基材として不織布(フタムラ化学社製)を薄膜層に積層し、成膜用基材を剥離して、薄膜層を成膜用基材から支持基材に転写した。不織布の主成分はセルロースであり、目付けは20g/mである。支持基材上の薄膜層の上面は、凹凸を有する対象面となる。
続いて、支持基材上の薄膜層の対象面に、インクジェット印刷法を用いてインクを塗布し、パターン状の発色部を形成した。発色部の形成のためのインクは、媒質として水を用い、発色材料として赤色102号、黄色4号、カーボンブラックを用いて調整した。各発色材料は、インクの色が肌色系の色となるように配合した。形成対象のパターンは、0.5mm幅の帯状領域が0.5mm間隔で平行に並ぶラインアンドスペース型のパターンとした。
これにより、実施例1の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例1の薄型フィルムは、第2形態の薄型フィルムである。
(実施例2)
成膜用基材として実施例1とは表面粗さの異なる青板ガラスを用いたこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例2の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例2で用いた青板ガラスは、表面にサンドブラスト加工によって形成された凹凸を有しており、表面の算術平均粗さRaは3.5μmである。実施例2における発色部の形成対象のパターンは、実施例1と同一のパターンである。
(実施例3)
成膜用基材として実施例1とは表面粗さの異なる青板ガラスを用い、乾燥後の平均質量が0.7g/mとなるように薄膜層を形成したこと以外は、実施例1と同様の工程によって、実施例3の薄型フィルムおよび転写シートを得た。実施例3で用いた青板ガラスは、表面にサンドブラスト加工によって形成された凹凸を有しており、表面の算術平均粗さRaは2.8μmである。実施例3における発色部の形成対象のパターンは、実施例1と同一のパターンである。
(比較例)
成膜用基材として実施例1とは表面粗さの異なる青板ガラスを用い、乾燥後の平均質量が0.7g/mとなるように薄膜層を形成したこと以外は、実施例1と同様の工程によって、比較例の薄型フィルムおよび転写シートを得た。比較例で用いた青板ガラスは、表面にサンドブラスト加工によって形成された凹凸を有しており、表面の算術平均粗さRaは0.05μmである。比較例における発色部の形成対象のパターンは、実施例1と同一のパターンである。
(評価方法)
<表面粗さの測定>
各実施例および比較例の薄型フィルムにおける薄膜層の対象面について、算術平均粗さRaを測定した。測定に際しては、各実施例および比較例における発色部の形成前の薄膜層から、一辺が20mmの正方形形状の試験片を作製し、平滑な基材の表面を水で湿らせて、試験片における対象面とは反対側の面を基材に貼り付け、数時間から24時間程度、試験片を乾燥させた後、表面粗さを測定した。測定は、表面粗さ形状測定機(東京精密社製:サーフコム130A)を用い、JIS B 0601:1994に準拠した測定方法で実施した。
<発色部の形成精度の評価>
各実施例および比較例の薄型フィルムが有する発色部のパターンについて、対象面と対向する方向から見た平面視における帯状領域の幅を計測した。帯状領域の幅が、0.5mmである場合を「◎」、0.5mmを超え0.6mm以下である場合を「○」、0.6mmを超え0.65mm以下である場合を「△」、0.65mmを超える場合を「×」とした。
<評価結果>
各実施例および比較例について、対象面の算術平均粗さRaの測定結果、および、発色部の形成精度の評価結果を表1に示す。
Figure 2020152647
対象面の算術平均粗さRaが、0.1μmよりも小さい比較例では、隣接する帯状領域間の隙間が視認し難く、ラインアンドスペース型のパターンが形成できていなかった。一方、対象面の算術平均粗さRaが、0.1μm以上である実施例1〜3では、隣接する帯状領域間の隙間が視認可能であり、ラインアンドスペース型のパターンが形成されていた。特に、対象面の算術平均粗さRaが大きくなるほど、形成予定のパターンと比較して帯状領域の幅の広がりが抑えられ、パターンの形成精度が高められることが確認された。
以上、実施形態および実施例にて説明したように、上記薄型フィルムおよび転写シートによれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)発色部21が形成される対象面20Sの算術平均粗さRaが、0.1μm以上5μm以下であれば、対象面20Sに供給されたインクと接する薄膜層20の表面積が増大することに起因して、インクの広がりが抑えられる。その結果、発色部21の形成精度が高められる。
(2)薄型フィルム10が、発色部21を覆う疎水性樹脂層22を備える形態では、発色部21が外気に曝されることや、発色部21が直接に被転写体に接することが抑えられる。
(3)被転写体が肌である場合、形成精度の高い発色部21を備える薄型フィルム10が肌に貼り付けられるため、メイクアップの補助等の薄型フィルム10の機能が高められる。また、薄膜層20の片面のみが対象面20Sであって、薄膜層20における対象面20Sと反対側の面が薄型フィルム10の最外面である形態では、薄膜層20の両面が対象面20Sであって両面に発色部21を備える形態と比較して、薄型フィルム10を薄くすることができる。したがって、メイクアップの補助等の薄型フィルム10に求められる機能を十分に実現しつつも、薄型フィルム10の肌に対する追従性が高められ、使用者の違和感を低減することができる。
10,10A,10B,10C…薄型フィルム、11F…支持面、11N…非支持面、20…薄膜層、20S…対象面、21…発色部、22…疎水性樹脂層、30…転写シート、31…支持基材。

Claims (6)

  1. 0.1g/m以上4g/m以下の平均質量を有する薄膜層を備える薄型フィルムであって、
    前記薄膜層は、インクの硬化物である発色部が形成される対象面を有し、
    前記対象面の算術平均粗さRaが、0.1μm以上5μm以下である
    薄型フィルム。
  2. 前記対象面に前記発色部を備える
    請求項1に記載の薄型フィルム。
  3. 前記発色部を覆う疎水性樹脂層を備える
    請求項2に記載の薄型フィルム。
  4. 前記薄膜層は、生体適合高分子膜であり、
    前記薄膜層の密度は、1g/cm以上3g/cm以下である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  5. 前記薄型フィルムは、前記薄膜層における前記対象面と反対側の面を最外面として有し、当該最外面、または、前記薄型フィルムにおける当該最外面とは反対側の最外面が、肌に貼り付けられる
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄型フィルムと、
    前記薄型フィルムを支持する支持基材と、
    を備える転写シート。
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