JP2022091442A - 薄型フィルムおよび薄型フィルムを備える転写シート - Google Patents
薄型フィルムおよび薄型フィルムを備える転写シート Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生体における顔表面や関節部のように頻繁に動きが生じる箇所に貼った場合でも破れにくく、また部分的に剥がれるなどして外観や装着感に違和感を生じることのない薄型フィルムを提供する。【解決手段】高分子化合物からなる薄型フィルム10であって、単位面積当たり質量が0.1g/m2以上5.0g/m2以下であり、少なくとも一方の表面11Fが、平坦部13と、凹部12とを有する。また支持基材を積層した積層シートとする。【選択図】図1
Description
本発明は、薄型フィルム、薄型フィルムを備える転写シートに関する。
数μm以下の厚さを有する薄型フィルムは、生体の皮膚等の被着体の表面形状に対する高い追従性を有するため、接着剤や粘着剤を用いずとも被着体に密着する。こうした薄型フィルムを、スキンケアやメイクアップ等の美容用途や、創傷の治癒等の医療用途に用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
薄型フィルムは、厚さが小さくなればなるほど、被着体との密着性が増すが、同時に薄型フィルムの膜破断強度が低下する。このため、例えば生体における顔表面や関節部のように頻繁に動きが生じる箇所に薄型フィルムを貼付した場合、顔や関節の動きに伴う貼付箇所の皮膚の伸びに追従できずに薄型フィルムが破断する可能性があった。破断してもなお貼り付け箇所の動きが続く場合、破断箇所から薄型フィルムが剥がれ、外観や装着感に違和感を生じさせてしまっていた。
以上のような従来技術に鑑み、本発明は、生体における顔表面や関節部のように頻繁に動きが生じる箇所に貼った場合でも破れにくく、また部分的に剥がれるなどして外観や装着感に違和感を生じることのない薄型フィルムを提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る薄型フィルムは、高分子化合物からなる薄型フィルムであって、単位面積当たり質量が0.1g/m2以上5.0g/m2以下であり、少なくとも一方の表面が、平坦部と、凹部とを有することを特徴とする薄型フィルムである。上記構成によれば、薄型フィルムが平坦部と、凹部とを有することで、被着体の伸縮時に薄型フィルムが変形することにより破断を防ぐことが可能となる。
上記構成において、前記薄型フィルムの表面に設けられた凹部における最も膜厚が薄い箇所の膜厚が、20nm以上、5.0μm以下であっても良い。上記構成によれば、被着体の伸縮時の変形をより効果的に得ることが可能となる。
上記構成において、前記凹部の面積が、薄型フィルムの平面視の面積に対して5%以上80%以下であっても良い。上記構成によれば、5%以上80%以下であれば被着体の伸縮に十分対応できる変形量が好適に得られる。
上記構成において、前記薄型フィルムが、生体適合材料を含んでも良い。上記構成によれば、生体への貼り付けに適した薄型フィルムが実現される。
上記課題を解決する転写シートは、上記薄型フィルムと、前記薄型フィルムを支持する支持基材と、を備える。上記構成によれば、薄型フィルムが支持基材に支持されていることにより、薄型フィルムの変形が抑えられるとともに、薄型フィルムが取り扱いやすくな
る。
る。
本発明によれば、伸縮の生じる被着体に貼付した際にも破断することなく、外観や装着感に違和感のない薄型フィルム及び薄型フィルムを備える転写シートを提供可能である。
図面を参照して、薄型フィルムおよび転写シートの一実施形態を説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また以下に示す実施形態では、発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
[薄型フィルムの基本構成]
図1が示すように、薄型フィルム10は、被着体に貼り付けられる第1面11Fと、第1面11Fと反対側の面である第2面11Rとを備えている。第2面11Rは、薄型フィルム10が被着体に貼り付けられたときに、被着体とは反対側に位置する最外面となる。本実施形態では、第1面11Fに凹部12が形成され、凹部12の部分では薄型フィルム10は平坦部13に比べて薄く形成されている。なお凹部12は、第2面11Rに設けられても良く、両面に設けられても良い。
図1が示すように、薄型フィルム10は、被着体に貼り付けられる第1面11Fと、第1面11Fと反対側の面である第2面11Rとを備えている。第2面11Rは、薄型フィルム10が被着体に貼り付けられたときに、被着体とは反対側に位置する最外面となる。本実施形態では、第1面11Fに凹部12が形成され、凹部12の部分では薄型フィルム10は平坦部13に比べて薄く形成されている。なお凹部12は、第2面11Rに設けられても良く、両面に設けられても良い。
薄型フィルム10は、当該フィルム単独で被着体に対する接着性を発現する程度に薄く、言い換えれば、上記接着性を発現する程度に、単位面積当たりの質量が小さい。具体的には、薄型フィルム10の単位面積当たりの質量は、5.0g/m2以下である。単位面積当たりの質量が5.0g/m2以下であれば、被着体の表面形状に対する薄型フィルム10の追従性が良好に得られるため、薄型フィルム10と被着体との密着性が高められる。また、被着体が皮膚である場合、単位面積当たりの質量が5.0g/m2以下であれば、使用者は、薄型フィルム10の貼付部分で皮膚が引っ張られるような感覚を覚えにくい。
また、薄型フィルム10の単位面積当たりの質量は、0.1g/m2以上である。単位面積当たりの質量が0.1g/m2以上であれば、薄型フィルム10の強度が良好に得られるため、薄型フィルム10に破れ等の欠陥が発生しにくくなる。また、単位面積当たりの質量が0.1g/m2以上であれば、連続した膜状に薄型フィルム10を形成することが容易である。
なお、上記単位面積当たりの質量は、平面視にて1m2の面積を有する部分あたりに換算した薄型フィルム10の質量である。単位面積当たりの質量は、例えば、複数の測定領域で測定された質量の平均値から換算すること、あるいは、薄型フィルム10の膜厚の平均値に薄型フィルム10の密度を掛けることによって求められる。薄型フィルム10の密度は、例えば、1g/cm3以上3g/cm3以下である。
薄型フィルム10を構成する高分子材料としては、公知の材料が用いられる。例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、ポリシロキサン類、セルロースやキチンやキトサン等の多糖類、カゼイン等の各種のたんぱく質、ゴム、これらの高分子化合物の誘導体、変性体、共重合体、混合物である。薄型フィルム10を構成する高分子材料は、任意の添加材料、被着体との親和性、膜の硬度や伸び等の物性等を考慮して適宜選択して用いればよい。また、被着体が生体である場合には、薄型フィルム10を構成する高分子材料は生体適合性を有することが好ましい。
アクリル樹脂、ポリシロキサン類、セルロースやキチンやキトサン等の多糖類、カゼイン等の各種のたんぱく質、ゴム、これらの高分子化合物の誘導体、変性体、共重合体、混合物である。薄型フィルム10を構成する高分子材料は、任意の添加材料、被着体との親和性、膜の硬度や伸び等の物性等を考慮して適宜選択して用いればよい。また、被着体が生体である場合には、薄型フィルム10を構成する高分子材料は生体適合性を有することが好ましい。
また本発明の薄型フィルムには任意の添加剤を加えることが可能である。例えば、被着体が生体である場合、香料、着色料、美白成分、保湿成分などの化粧料、抗菌剤やその他の薬剤などを添加することが可能である。
本発明の薄型フィルムの表面に設けられた凹部における最も膜厚が薄い箇所の膜厚は、20nm以上、5.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは50nm以上、2.0μm以下である。当然、凹部の最も薄い箇所の膜厚は、薄型フィルムの平坦部の膜厚を超えることはない。膜厚が最も薄い箇所で5.0μmを超えると、薄型フィルム10の単位面積当たりの質量が大きくなりすぎるおそれがある。また20nmを下回ると引き伸ばされたときに破断されやすくなることがあり好ましくない。本構造により、被着体の伸縮時に薄型フィルムが変形し、破断を防止することができる。
上記凹部は公知の方法で作製することが可能である。例えば、溶融した材料を押し出して薄膜状に成形し、材料が流動性を有する程度に高温である際に、凹部に対応した凸型パターンを押し付ける溶融押出賦形法や、材料の溶液を薄膜状に基材に塗布した後に溶媒を蒸発させる溶液キャスト法を用いることができる。溶液キャスト法を用いる場合には、材料の溶液を基材に塗布した後、溶剤を蒸発させる前に水蒸気などを塗布表面に吹き付けることで、塗布表面で微小な液滴(水滴)が形成され、凹部が形成できる。また、材料の溶液を加工に必要な流動性を失わない程度に冷却することで、大気中の水蒸気を塗布表面で微小な液滴としても良いし、溶液を塗布する基材に凹部に対応した凸型パターンを予め形成しておき、その基材上に溶液を塗布して乾燥しても良い。これらの作製方法から材料や凹部の膜厚、形状等に応じて適宜選択されればよい。
例えば、溶液キャスト法を用いる場合、塗布方法としては、例えば、ダイレクトグラビア、リバースグラビア、小径リバースグラビア、マイヤーコート、ダイ、カーテン、スプレー、スピン、スクリーン印刷、コンマ、ナイフ、グラビアオフセット、ロール等の各種のコーティング方法が使用可能である。
本発明における薄型フィルムの凹部の面積、すなわち個々の凹部の面積を合計した面積は、平面視の面積に対して5%以上80%以下が好ましい。より好ましくは10%以上60%以下であり、さらに好ましくは20%以上、50%以下である。5%未満であると変形量が小さくなり、また、80%を超過すると過剰に変形したり、被着体の伸縮時に薄型フィルムにかかる力が大きくなったり、却って膜破断を引き起こしやすくなるため好ましくない。また凹部の配置は、薄型フィルムの全面に分布する様に規則的に配列しても良いが、図2に示す様にランダムに分布させて配置しても良い。また、被着体に貼り付けたときに想定される各部の伸びに適合する様に凹部の分布を変化させることもできる。
[転写シートの構成]
本発明の転写シートは、薄型フィルムを被着体に貼り付ける場合に用いられる。
図3に示す実施形態において、転写シート20は、薄型フィルム10と、薄型フィルム10を支持する支持基材21とを備えている。支持基材21には、薄型フィルム10の第2面11Rが接している。また図4に示す実施形態の様に、支持基材21を薄型フィルム10の第1面11Fと接する様に積層した転写シート30としても良い。
本発明の転写シートは、薄型フィルムを被着体に貼り付ける場合に用いられる。
図3に示す実施形態において、転写シート20は、薄型フィルム10と、薄型フィルム10を支持する支持基材21とを備えている。支持基材21には、薄型フィルム10の第2面11Rが接している。また図4に示す実施形態の様に、支持基材21を薄型フィルム10の第1面11Fと接する様に積層した転写シート30としても良い。
支持基材21は、薄型フィルム10の保管時や、薄型フィルム10の使用に際して被着体上まで薄型フィルム10を移動させるときに、薄型フィルム10の変形を抑える機能を有する。支持基材21に支持されていることにより、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。
支持基材21の材料は特に限定されない。支持基材21は、例えば、高分子フィルム、織物、編物、不織布、および、紙のいずれかであることが好ましい。
高分子フィルムの材料としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリシロキサン類、セルロース、カゼイン等の各種のたんぱく質、ゴム、これらの高分子化合物の誘導体、変性体、共重合体、混合物が挙げられる。支持基材21として用いられる高分子フィルムは、エンボス加工、穴あけ加工、発泡等による多孔質化等の加工が施されたフィルムであってもよい。
織物、編物および不織布は、天然繊維もしくは化学繊維から構成される。天然繊維としては、綿、麻、パルプ、毛、絹等を用いることができる。化学繊維としては、ポリエステル、ポリオレフィン、キュプラ(登録商標)、レーヨン、リヨセル(登録商標)、アセテート、ジアセテート、ナイロン、アラミド、アクリル等からなる繊維を用いることができる。また、支持基材21は、天然繊維と化学繊維とが混合された繊維材料から構成されていてもよい。こうした繊維材料からなる支持基材21においては、エンボス加工、穴あけ加工、発泡等による繊維の多孔質化等の加工が施されていてもよい。
支持基材21が繊維材料からなる場合、支持基材21の目付けは、3g/m2以上200g/m2以下であることが好ましく、10g/m2以上100g/m2以下であることがより好ましい。支持基材21の目付けが上記下限値以上であれば、静電気や気流に起因して縒れ等の変形が生じ難くなる程度の剛性を支持基材21が有するため、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。また、支持基材21の目付けが上記上限値以下であれば、支持基材21において繊維が詰まりすぎないため、転写シート20の使用に際して支持基材21を湿潤させて薄型フィルム10から剥離する転写方法を用いる場合に、支持基材21の吸液が円滑に進み、転写を好適に行うことができる。
また、転写シート20は、薄型フィルム10の第1面11Fを覆う保護層を備えていてもよい。保護層を備えることにより、薄型フィルム10の保管時において、薄型フィルム10が保護される。保護層としては、支持基材21として例示した上述の各種の基材を用いることができる。なお、保護層と支持基材21との材料は一致していてもよいし、異なってもよい。
なお、平面視における薄型フィルム10および転写シート20の外形形状は、特に限定されない。薄型フィルム10および転写シート20の外形形状は、例えば、矩形等の多角形形状、円形状、楕円形状、これら以外の直線や曲線で囲まれた形状等である。平面視にて、薄型フィルム10と支持基材21の形状は一致していてもよいし、支持基材21は薄型フィルム10よりも大きくてもよい。
転写シート20は、成膜用の基材上に形成された薄型フィルム10が支持基材21上に転写されることによって形成されてもよいし、支持基材21上に薄型フィルム10が成膜されることによって形成されてもよい。成膜用の基材から支持基材21への薄型フィルム10の転写方法としては、吸引による剥離を利用する方法や犠牲膜を利用する方法等、公知の転写方法が用いられればよい。
転写シート20の使用に際しては、まず、被着体と薄型フィルム10の第1面11Fとが接するように、被着体上に転写シート20が配置される。そして、薄型フィルム10から支持基材21が剥離される。これにより、薄型フィルム10が被着体に転写される。
転写シート20を貼り付ける前の被着体の表面や、転写シート20を貼り付けた後の支持基材21上に、水やローション等の液状体が供給され、転写シート20に液状体を浸透させることで、支持基材21と薄型フィルム10との剥離が促進されてもよい。
なお、被着体および薄型フィルム10の用途は特に限定されない。従来の製品では、上述のように薄型フィルムの膜厚を小さくすればするほど、皮膚などの被着体の伸縮時に破断が起こり、長時間の使用が困難であったことに対し、薄型フィルム10は、皮膚に長時間貼り付けておくことが可能である。
上述した薄型フィルムおよび転写シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。尚、下記記述は一例であって本発明を制限するものではない。
<薄型フィルムおよび転写シートの製造方法>
酢酸エチルにポリ-DL-乳酸((株)武蔵野科学研究所製)を溶解させ、固形分が10%となるように調整し、本発明の薄型フィルム形成のための塗液とした。使用したポリ-DL-乳酸の重量平均分子量は10万である。
酢酸エチルにポリ-DL-乳酸((株)武蔵野科学研究所製)を溶解させ、固形分が10%となるように調整し、本発明の薄型フィルム形成のための塗液とした。使用したポリ-DL-乳酸の重量平均分子量は10万である。
薄型フィルムに凹部を溶液キャスト法で形成するため、上記の塗液を成膜基材であるPETシート上に、ワイヤバーを用いて塗布し、塗膜を形成した。塗膜形成直後に、霧吹きで微小な水粒子を吹きかけた後、100℃の乾燥オーブンで2分乾燥し、凹部が形成された薄型フィルムを得た。
以上により、成膜用基材上に薄型フィルムを形成した。次いで、成膜用基材上の薄型フィルムに保護フィルムを重ね合わせ、成膜用基材と薄型フィルムと保護フィルムとの積層体を成膜用基材の位置する側からゴムローラーで押圧しつつ、成膜用基材を剥離した。次いで、成膜用基材を剥がした面に支持基材を重ね合わせてゴムローラーで押圧して積層した。支持基材としては、パルプ系の繊維から構成された不織布を用いた。支持基材の目付けは、35g/m2である。以上により、転写シートを形成した。
上記の製造方法において、薄型フィルムの膜厚を変えることにより、単位面積当たりの薄型フィルムの質量、および、薄型フィルムに占める凹部の面積、凹部の最薄部の膜厚を変えた実施例1~4、比較例1~2の薄型フィルム及び転写シートのサンプルを作成した。
なお薄型フィルムの各サンプルの乾燥後の単位面積当たりの質量、凹部の面積率、凹部の最薄部は表1に示した値であった。
なお薄型フィルムの各サンプルの乾燥後の単位面積当たりの質量、凹部の面積率、凹部の最薄部は表1に示した値であった。
なお凹部の面積率は、薄型フィルムの凹部形成面の表面をSEMにより観察した後、観察画像から画像処理ソフトウェアのImageJを用いて算出し、
凹部の最薄部の膜厚は、無作為に選択した凹部の断面をSEM観察により観察した後、こちらもImageJを用いて算出した。
凹部の最薄部の膜厚は、無作為に選択した凹部の断面をSEM観察により観察した後、こちらもImageJを用いて算出した。
<評価方法>
(伸縮による破断・剥離評価)
実施例1~4、比較例1~2の各々について、5つずつサンプルを準備した。被着体と
してヒトの肘外側部皮膚に、肘を可動範囲の50%折り曲げた状態で、500μlの水を供給し、供給した水を指で軽く引き伸ばした。その後、サンプルの転写シートを、保護フィルムを剥がして薄型フィルムの凹部を形成した面が皮膚に接するように、皮膚上に配置した。次いで、支持基材の上から、3秒間、指でサンプルを押圧した。そして、サンプルの端部から、支持基材を指で剥離した。これにより、皮膚に薄型フィルムが貼り付けられた。
(伸縮による破断・剥離評価)
実施例1~4、比較例1~2の各々について、5つずつサンプルを準備した。被着体と
してヒトの肘外側部皮膚に、肘を可動範囲の50%折り曲げた状態で、500μlの水を供給し、供給した水を指で軽く引き伸ばした。その後、サンプルの転写シートを、保護フィルムを剥がして薄型フィルムの凹部を形成した面が皮膚に接するように、皮膚上に配置した。次いで、支持基材の上から、3秒間、指でサンプルを押圧した。そして、サンプルの端部から、支持基材を指で剥離した。これにより、皮膚に薄型フィルムが貼り付けられた。
貼付後に日常生活を送り、8時間後に、薄型フィルムに破断や剥離がないか外観を目視にて確認し、5つすべてのサンプルについて破断や剥離を認めないものを「〇」、3つもしくは4つのサンプルについて破断や剥離を認めないものを「△」、破断や剥離を認めないサンプルが2つ以下のものを「×」とした。
(貼付感)
実施例1~4および比較例1~2の各々について、5つずつサンプルを用意し、破断・剥離評価と同様に、皮膚に薄型フィルムを貼り付けた。薄型フィルムを貼り付けてから1時間経過後に、薄型フィルムの貼付箇所に蒸れや突っ張り感等の違和感が生じているかを判定した。5つのサンプルのすべてについて違和感が生じていない場合を「〇」、3つもしくは4つのサンプルについて違和感が生じていない場合を「△」、違和感が生じていないサンプルが2つ以下であった場合を「×」とした。
実施例1~4および比較例1~2の各々について、5つずつサンプルを用意し、破断・剥離評価と同様に、皮膚に薄型フィルムを貼り付けた。薄型フィルムを貼り付けてから1時間経過後に、薄型フィルムの貼付箇所に蒸れや突っ張り感等の違和感が生じているかを判定した。5つのサンプルのすべてについて違和感が生じていない場合を「〇」、3つもしくは4つのサンプルについて違和感が生じていない場合を「△」、違和感が生じていないサンプルが2つ以下であった場合を「×」とした。
<評価結果>
表1に、各実施例および各比較例についての、単位面積当たりの薄型フィルムの質量、揮発制御材料の有無を示すとともに、香気評価、転写性、貼付感の各々の評価結果、および、総合評価を示す。総合評価は、各評価がすべて「○」である場合を「○」、各評価に「×」が含まれず「△」が含まれる場合を「△」、各評価に「×」が含まれる場合を「×」とした。
表1に、各実施例および各比較例についての、単位面積当たりの薄型フィルムの質量、揮発制御材料の有無を示すとともに、香気評価、転写性、貼付感の各々の評価結果、および、総合評価を示す。総合評価は、各評価がすべて「○」である場合を「○」、各評価に「×」が含まれず「△」が含まれる場合を「△」、各評価に「×」が含まれる場合を「×」とした。
表1が示すように、単位面積当たりの質量が0.1g/m2未満である比較例1はその薄さに起因して破断が生じた。一方で単位面積当たりの質量が5.0g/m2を超える比較例2では、その厚さに起因して突っ張り感や蒸れなどの違和感があり、貼付感の評価が悪かった。
一方で実施例1~4においては、貼付後8時間後の破断・剥離の結果に問題なく、貼付感の評価も良好であった。ただし、実施例2においては、凹部の面積が大きめであったため、破断が起こったサンプルがあったが許容範囲内であった。また実施例4においては、質量が比較的大きかったため、一部のサンプルで貼り付き感があったが許容範囲内であった。したがって、被着体に貼り付ける薄型フィルムとしての実用性も良好であることが示された。
10…薄型フィルム、11F・・・第一面、11R・・・第二面、12・・・凹部、13・・・平坦部、20、30・・・転写シート、21・・・支持基材
Claims (5)
- 高分子化合物からなる薄型フィルムであって、単位面積当たり質量が0.1g/m2以上5.0g/m2以下であり、少なくとも一方の表面が、平坦部と、凹部とを有することを特徴とする薄型フィルム。
- 前記凹部における最も膜厚が薄い箇所の膜厚が、20nm以上、5.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄型フィルム。
- 前記凹部の面積が、薄型フィルムの平面視の面積に対して5%以上80%以下であることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の薄型フィルム。
- 前記薄型フィルムが、生体適合材料を含むことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の薄型フィルム。
- 請求項1から4のいずれかに記載の薄型フィルムが支持基材上に積層されてなることを特徴とする転写シート。
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