JP2020203876A - 貼付剤用基材及び貼付剤 - Google Patents

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博克 花岡
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和将 川崎
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政実 竹内
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喜朗 小路
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Abstract

【課題】 使用中に剥がれ難いと共に塗布されている機能性成分が染み出し難い貼付剤、及びそれを実現可能な貼付剤用基材を提供すること。【解決手段】 本発明の貼付剤用基材は、繊維シートを備えた、厚さが0.48mm以下の貼付剤用基材であって、(貼付剤用基材の通気度)/(貼付剤用基材の厚さ)の値が0より大きく、431未満である。また、本発明の貼付剤用基材は、(貼付剤用基材の通気度)×(貼付剤用基材の厚さ)の値が0より大きく、109未満であるのが好ましい。本発明の貼付剤は前記貼付剤用基材を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、使用中に剥がれ難いと共に保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤、及びそのような貼付剤を調製できる貼付剤用基材に関する。
人体に貼付し、例えば、消炎鎮痛の効果を発揮する目的、化粧料による美容効果を発揮する目的、温感あるいは冷感を与える目的のため、貼付剤用基材に粘着剤および/または薬剤などの機能性成分を塗布又は含浸してなる貼付剤(例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ製剤、サージカルテープ、テーピング材や絆創膏、フェイシャルマスク、温感シートや冷却シート)が使用されている。そして、このような目的に使用される貼付剤の基材として、例えば、特開2015−190065号公報(特許文献1)などにも開示されているように、繊維ウェブや不織布、織物や編物などの繊維シートを備えた貼付剤用基材が検討されてきた。人体に貼付し、消炎鎮痛など、種々の効能を達成する目的で、薬物を含有する粘着剤を支持体に塗布した貼付剤は、パップ剤、プラスター剤、或いは治療用接着テープ等として広く知られている。本発明では、これらを包括的に「貼付剤」と称するが、係る貼付剤として、期待する効能に応じた薬物にも種々のものが知られており、これらの薬物を含む粘着剤が不織布、樹脂フィルム又はこれらの複合品などの支持体に塗布されている。人体に貼付し、消炎鎮痛など、種々の効能を達成する目的で、薬物を含有する粘着剤を支持体に塗布した貼付剤は、パップ剤、プラスター剤、或いは治療用接着テープ等として広く知られている。本発明では、これらを包括的に「貼付剤」と称するが、係る貼付剤として、期待する効能に応じた薬物にも種々のものが知られており、これらの薬物を含む粘着剤が不織布、樹脂フィルム又はこれらの複合品などの支持体に塗布されている。
特開2015−190065号公報(特許請求の範囲、0045など)
このような貼付剤用基材は繊維シートを備えているため追従性や柔軟性に優れるものの、繊維シートは通気性を有しており、繊維シートを備えた貼付剤用基材に機能性成分を塗布又は含浸により付与すると、付与された機能性成分が繊維シートを通過して付与面とは反対面へ染み出すことがあった。
染み出しの発生を防止する方法として、例えば、特許文献1に開示されている知見のように、単純に貼付剤用基材の厚さを厚くして染み出しを発生し難くする方法があるものの、厚いことで使用中に人体や衣類と接触して剥がれ易い貼付剤になるという、新たな問題が発生した。
そのため、使用中に剥がれ難いと共に保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤、及びそれを実現可能な貼付剤用基材が求められた。
第一の発明は「(請求項1)繊維シートを備えた、厚さが0.48mm以下の貼付剤用基材であって、下記式を満たす貼付剤用基材。

0<(貼付剤用基材の通気度/貼付剤用基材の厚さ)<431」である。
第二の発明は「(請求項2)請求項1に記載の貼付剤用基材を備えた、貼付剤。」である。
本願出願人は、繊維シートを備えた貼付剤用基材の厚さが0.48mm以下であることによって、使用中に剥がれ難い貼付剤を実現可能であることを見出した。
そして、当該貼付剤用基材において、貼付剤用基材の通気度を貼付剤用基材の厚さで割った値が0より大きく431未満であることで、厚さが0.48mm以下と薄い貼付剤用基材であっても、保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤を実現可能であることを見出した。
つまり、本願出願人は、通気度で表される貼付剤用基材の通気し難さ(気体が貼付剤用基材を通過して一方の主面から他方の主面へ移動する際の移動し難さ)と、機能性成分の染み出し難さ(機能性成分が貼付剤用基材を通過して一方の主面から他方の主面へ移動する際の移動し難さ)が比例関係を有していること、そして、貼付剤用基材の通気し難さは、貼付剤用基材における単位厚さあたりの通気度(貼付剤用基材の通気度を貼付剤用基材の厚さで割り算出された値)により正しく評価できることを見出した。つまり、貼付剤用基材の通気度を貼付剤用基材の厚さで割った値と、機能性成分の染み出し難さが比例関係を有していることを見出した。
具体的には、貼付剤用基材の通気度を貼付剤用基材の厚さで割った値が0より大きく431未満である貼付剤用基材は付与された機能性成分が染み出し難い貼付剤を実現可能であることを見出した。
以上から、本発明により、使用中に剥がれ難いと共に保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤を実現可能な貼付剤用基材を提供できる。
また、本発明にかかる構成を満足する貼付剤用基材を備えた貼付剤は使用中に剥がれ難いとともに、保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤である。
本発明の実施例2で使用した分割性繊維の横断面における樹脂成分の配置を示す図
本発明の貼付剤用基材(以下、単に「基材」と表現することがある)は貼付剤の使用中に剥れにくいように、0.48mm以下の薄い厚さを有する。つまり、基材の厚さが薄ければ薄い程、貼付剤を構成する基材の周縁部で引っ掛かりにくいため、使用中に貼付剤が剥がれにくい。基材の厚さが薄ければ薄い程、使用中に引っ掛かりにくく、剥がれにくくなる傾向があるため、基材の厚さは0.46mm以下であるのが好ましく、0.44mm以下であるのがより好ましく、0.42mm以下であるのが更に好ましい。基材の厚さの下限は特に限定するものではないが、0.01mm以上であるのが好ましい。
本発明における「厚さ」は、基材の主面に対して、面積5cmあたり0.98N(=100gf)を荷重して行う荷重領域における厚さの測定を、無作為に選択した5カ所で実施し、それら厚さを算術平均した値を意味する。このような厚さの測定は、例えば、高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ社製、ライトマチック(登録商標))により実施することができる。
また、本発明の基材の通気し難さと、機能性成分の染み出し難さが比例関係を有し、基材の通気し難さは基材における単位厚さあたりの通気度(基材の通気度/基材の厚さ)(以下、「単位厚通気度」と表現することがある)により正しく評価できることを見出した。つまり、単位厚通気度と機能性成分の染み出し難さが比例関係を有していることを見出した。より具体的には、単位厚通気度が0より大きく、431未満であることによって、機能性成分が染み出し難い貼付剤を実現可能であることを見出した。通常、前述のように基材の厚さが薄くなると、基材(特に繊維シート)の構造が粗くなり、通気度の数字が大きくなる結果、単位厚通気度は非常に大きな値となるが、本発明においては、基材の厚さが薄いにも関わらず、基材の構造が緻密で、通気度の数字が小さい結果、単位厚通気度を431未満に抑えることができ、結果として、機能性成分の染み出し難い貼付剤を形成できる基材である。この単位厚通気度が小さければ小さい程、通気度が低く、機能性成分が染み出しにくいことを意味するため、単位厚通気度〔=(基材の通気度/基材の厚さ)〕は420以下であるのが好ましく、410以下であるのがより好ましく、400以下であるのが更に好ましく、390以下であるのが更に好ましい。一方で、上述の通り、単位厚通気度が小さいということは、基材の構造が緻密であることを意味するが、基材の構造が緻密過ぎると、膏体や粘着剤などの機能性成分含有材料が基材内部へ進入することができず、アンカー効果を期待できなくなる傾向があり、貼付剤使用中に、貼付剤の機能性成分含有材料と基材との間で剥離が生じてしまう可能性があることから、単位厚通気度は40以上であるのが好ましく、80以上であるのがより好ましく、100以上であるのが更に好ましい。
このように、本発明の基材の単位厚通気度は基材の通気度を基材の厚さで除することによって算出できるが、通気度(単位:cm/cm・s)はJIS L 1096:2010の8.26.1 A法(フラジール形法)に準拠して測定する。つまり、測定面積38cmの条件で、圧力が125Paとなるように空気流量を調整し、その時の単位時間及び単位時間あたりの通気量を測定する。このような通気度の測定は、例えば、TEXTESTAG社製フラジール型通気度試験機(品番:FX3300)を用いて実施することができる。また、基材の厚さの単位は「mm」である。
本発明の基材の通気度は前記単位厚通気度を満たせば良く、特に限定するものではないが、206.9cm/cm・s未満であるのが好ましく、200cm/cm・s以下であるのがより好ましく、190cm/cm・s以下であるのが更に好ましく、185cm/cm・s以下であるのが更に好ましく、170cm/cm・s以下であるのが更に好ましく、160cm/cm・s以下であるのが更に好ましく、150cm/cm・s以下であるのが更に好ましい。他方で、基材の通気度が低いということは基材(特に繊維シート)の構造が緻密であることを意味し、基材の構造が緻密過ぎると、膏体や粘着剤などの機能性成分含有材料が基材内部へ進入することができず、アンカー効果を期待できなくなる傾向があり、貼付剤使用中に、貼付剤の機能性成分含有材料と基材との間で剥離が生じてしまう可能性があることから、基材の通気度は30cm/cm・s以上であるのが好ましく、40cm/cm・s以上であるのがより好ましく、50cm/cm・s以上であるのが更に好ましく、60cm/cm・s以上であるのが更に好ましい。
また、上述のように、基材の厚さと剥れにくさとの間に比例関係があること、通気度と機能性成分の染み出し難さとの間に比例関係があることに加えて、基材の厚さが薄くなると通気度の数字が大きくなることから、基材の厚さと通気度との間には反比例の関係がある。そのため、剥れにくいように基材を薄くし、染み出しにくいように通気度を小さくした場合、厚さと通気度との間には反比例の関係があることから、厚さと通気度とを乗じた値(「厚さ通気度定数」ということがある)がある程度一定の数値範囲に収まることも見出した。より具体的には、厚さ通気度定数が109未満であると、剥れにくく、染み出しにくい貼付剤を調製できることを見出した。厚さが薄い方が剥れにくく、かつ通気度が小さい方が、機能性成分が染み出しにくいため、結果として、厚さ通気度定数が小さい程、前記効果に優れるため、厚さ通気度定数は100以下であるのが好ましく、90以下であるのがより好ましく、80以下であるのが更に好ましく、70以下であるのが更に好ましく、60以下であるのが更に好ましい。なお、厚さ通気度定数の下限は特に限定するものではなく、0より大きければ良く、1以上であるのが好ましい。
本発明の基材は使用中に人体や衣類と接触して剥がれにくい貼付剤とすることができるように、表面動摩擦係数が小さいのが好ましい。つまり、表面動摩擦係数が大きいと人体や衣類と接触した際の力が貼付剤に対して作用しやすく剥がれやすくなるため、表面動摩擦係数が小さいのが好ましい。具体的には、表面動摩擦係数は0.5以下であるのが好ましい。
この「表面動摩擦係数」はJIS K 7125:1999に基づいて得た値であり、具体的には、静動摩擦測定機(株式会社トリニティーラボ社製、品番:TL201Tt)を用い、接触端子(面積:1cm)にJIS L 0803に規定する綿3−1号をセットし、100gの荷重をかけながら、10mm/secの速さで基材表面をなぞり、得られたデータをもとに算出した動摩擦係数を「表面動摩擦係数」とする。
本発明の基材は、貼付剤を貼り損じた時や使用後に剥がす時に破断することがないように、たて方向、よこ方向ともに、引張り強さが5N/(50mm幅)以上であるのが好ましく、10N/(50mm幅)以上であるのがより好ましく、15N/(50mm幅)以上であるのが更に好ましく、20N/(50mm幅)以上であるのが更に好ましい。なお、引張り強さの上限は特に限定するものではないが、引張り強さが強いと基材が硬くなる傾向があるため、300N/(50mm幅)以下であるのが好ましく、200N/(50mm幅)以下であるのがより好ましい。また、基材のたて方向、よこ方向の両方向に同程度の引張り強さを有し、貼付剤を方向性なく破断することなく剥がすことができるように、たて方向の引張り強さ(Tm)とよこ方向の引張り強さ(Tc)の比(=Tm/Tc)は0.4〜2.5であるのが好ましく、0.6〜2.3であるのがより好ましく、0.8〜2.1であるのが更に好ましい。
この「引張り強さ」は、基材から幅が50mm、長さが250mmの長方形試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、長方形試料片の長辺方向へ引っ張り、試験片が破断するまでの最大荷重を測定する。この最大荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら最大荷重を算術平均して「引張り強さ」とする。なお、測定はつかみ間隔200mm、引張速度500mm/分の条件で行う。本発明における「たて方向」とは、基材生産時における生産方向(流れ方向)をいい、「よこ方向」はたて方向に直交する方向、つまり幅方向をいう。
本発明の基材は伸びやすい方が肌等の対象物との密着性に優れるため、たて方向とよこ方向のいずれの方向における伸び率も5%以上であるのが好ましく、15%以上であるのがより好ましく、25%以上であるのが更に好ましく、25%以上であるのが更に好ましい。なお、伸び率の上限は特に限定するものではないが、伸び率が大きいと形態安定性に劣る傾向があることから、400%以下であるのが好ましく、350%以下であるのがより好ましく、300%以下であるのが更に好ましく、275%以下であるのが更に好ましく、250%以下であるのが更に好ましい。また、基材のたて方向、よこ方向の両方向に同程度の伸び率を有し、貼付剤が方向性なく対象物と密着できるように、たて方向の伸び率(Em)とよこ方向の伸び率(Ec)の比(=Em/Ec)は0.5〜2.0であるのが好ましく、0.6〜1.7であるのがより好ましく、0.8〜1.3であるのが更に好ましい。
この伸び率(Sr、単位:%)は前述の引張り強さの測定を行った時の、最大荷重時の試料片の伸び(Smax、単位:mm)[=(最大荷重時の長さ、単位:mm)−(つかみ間隔=200mm)]のつかみ間隔(200mm)に対する百分率をいう。つまり、次の式から得られる値である。この測定を3回行い、前記百分率の算術平均値を本発明における伸び率とする。
Sr=(Smax/200)×100
本発明の基材は伸びやすく、肌等の対象物との密着性に優れるように、たて方向とよこ方向のいずれの方向における20%伸長時の引張り強さも10N/(5cm幅)以下であるのが好ましく、9N/(5cm幅)以下であるのがより好ましく、8N/(5cm幅)以下であるのが更に好ましく、7N/(5cm幅)以下であるのが更に好ましい。なお、20%伸長時の引張り強さが低すぎると、形態安定性に劣る傾向があるため、0.1N/(5cm幅)以上であるのが好ましく、0.2N/(5cm幅)以上であるのがより好ましく、0.5N/(5cm幅)以上であるのが更に好ましい。また、基材のたて方向、よこ方向の両方向に同程度に伸びやすく、貼付剤が方向性なく対象物と密着できるように、たて方向の20%伸長時の引張り強さ(Mm)とよこ方向の20%伸長時の引張り強さ(Mc)の比(=Mm/Mc)は0.5〜2.0であるのが好ましく、0.6〜1.7であるのがより好ましく、0.8〜1.3であるのが更に好ましい。
この20%伸長時の引張り強さは、基材から幅が50mm、長さが250mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片をつかみ間隔200mmで固定した後、40mm(=20%)伸長(つかみ間隔:240mm)した時点での荷重を測定する。この荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら荷重を算術平均し、「20%伸長時の引張り強さ」とする。なお、測定は引張速度500mm/分の条件で行う。
本発明の基材は伸びやすく、肘や膝などの大きな伸びを必要とする対象物との密着性に優れるように、また、貼付感に優れるように、たて方向とよこ方向のいずれかの方向における50%伸長時の引張り強さが30N/(5cm幅)以下であるのが好ましく、15N/(5cm幅)以下であるのがより好ましく、10N/(5cm幅)以下であるのが更に好ましく、5N/(5cm幅)以下であるのが更に好ましい。なお、50%伸長時の引張り強さが低すぎると、形態安定性に劣る傾向があるため、0.1N/(5cm幅)以上であるのが好ましく、0.5N/(5cm幅)以上であるのがより好ましい。また、基材のたて方向、よこ方向の両方向に同程度に伸びやすく、貼付剤が方向性なく対象物と密着できるように、たて方向の50%伸長時の引張り強さ(Mm)とよこ方向の50%伸長時の引張り強さ(Mc)の比(=Mm/Mc)は0.5〜2.0であるのが好ましく、0.6〜1.7であるのがより好ましい。
この50%伸長時の引張り強さは、基材から幅が50mm、長さが250mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片をつかみ間隔200mmで固定した後、100mm(=50%)伸長(つかみ間隔:300mm)した時点での荷重を測定する。この荷重の測定を3枚の試料片について行い、これら荷重を算術平均し、「50%伸長時の引張り強さ」とする。なお、測定は引張速度500mm/分の条件で行う。
本発明の基材は肌等の対象物の動きに合わせて伸縮することにより、対象物と貼付剤との密着性が維持され、貼付剤使用時に対象物から剥離しにくいように、たて方向とよこ方向のいずれの方向における20%伸長時回復率も25%以上であるのが好ましく、30%以上であるのがより好ましく、40%以上であるのが更に好ましく、50%以上であるのが更に好ましい。また、基材のたて方向、よこ方向の両方向で伸縮しやすく、対象物と貼付剤との密着性が維持され、貼付剤使用時に対象物から剥離しにくいように、たて方向の20%伸長時回復率(Rm)とよこ方向の20%伸長時回復率(Rc)の比(=Rm/Rc)は0.5〜2.0であるのが好ましく、0.6〜1.7であるのがより好ましく、0.7〜1.4であるのが更に好ましい。
この20%伸長時回復率は次の操作により得られる値である。まず、基材から幅が50mm、長さが250mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試験片をつかみ間隔200mmで固定する。このつかみ間隔200mmの位置を始点とし、始点から40mmの位置(=20%伸長位置、伸びL20=40)まで、速度500mm/分で引っ張った後、同速度で始点まで戻す操作を行う。この引っ張る操作の時に基材の引張り応力が0.05Nとなったときの伸び(Lf)と、戻す操作の時に基材の引張り応力が0.05Nとなったときの伸び(Lb)を測定する。この測定を3枚の試験片について行い、前記伸び(Lf、Lb)をそれぞれ算術平均して、引っ張り操作時の平均伸び(Lfav)と戻し操作時の平均伸び(Lbav)を算出する。そして、次の式から算出される値を「20%伸長時回復率(R、単位:%)とする。
R=〔{(L20−Lfav)−(Lbav−Lfav)}/(L20−Lfav)〕×100
本発明の基材は肘や膝などの大きな伸びを必要とする対象物の動きに合わせて伸縮できることにより、対象物と貼付剤との密着性が維持され、貼付剤使用時に対象物から剥離しにくいように、たて方向とよこ方向のいずれかの方向における50%伸長時回復率が25%以上であるのが好ましく、30%以上であるのがより好ましく、35%以上であるのが更に好ましく、40%以上であるのが更に好ましい。
この50%伸長時回復率は次の操作により得られる値である。まず、基材から幅が50mm、長さが250mmの試料片を採取し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試験片をつかみ間隔200mmで固定する。このつかみ間隔200mmの位置を始点とし、始点から100mmの位置(=50%伸長位置、伸びL50=100)まで、速度500mm/分で引っ張った後、同速度で始点まで戻す操作を行う。この引っ張る操作の時に基材の引張り応力が0.05Nとなったときの伸び(Lf)と、戻す操作の時に基材の引張り応力が0.05Nとなったときの伸び(Lb)を測定する。この測定を3枚の試験片について行い、前記伸び(Lf、Lb)をそれぞれ算術平均して、引っ張り操作時の平均伸び(Lfav)と戻し操作時の平均伸び(Lbav)を算出する。そして、次の式から算出される値を「50%伸長時回復率(R、単位:%)とする。
R=〔{(L50−Lfav)−(Lbav−Lfav)}/(L50−Lfav)〕×100
本発明の基材の目付は前記厚さと単位厚通気度を満たす限り特に限定するものではないが、前記厚さを満たしやすいように、80g/m以下であるのが好ましく、70g/m以下であるのがより好ましく、60g/m以下であるのが更に好ましい。なお、基材の目付の下限は特に限定するものではないが、前記単位厚通気度を満たしやすいように、1g/m以上であるのが好ましく、5g/m以上であるのがより好ましく、10g/m以上であるのが更に好ましい。
なお、本発明における目付は、基材から10cm角の試験片を3枚採取し、それぞれの試験片の質量を測定した後、3枚の試験片の質量の算術平均値を算出する。そして、該算術平均値から1mあたりの質量に換算した値を目付とする。
本発明の基材は繊維シートを備えていることによって、機能性成分を保持し、貼付剤を形成することができる。本発明の基材を構成する繊維シートは特に限定するものではないが、例えば、不織布、織物、編物或いはこれらの複合体であることができる。特に不織布は繊維が均一に分散した状態であることによって、緻密な構造であることができ、前記単位厚通気度を満たしやすいため、繊維シートとして不織布を含んでいるのが好ましい。繊維シートが好適な不織布を含んでいる場合、乾式不織布であっても良いし、湿式不織布であっても良いが、厚さが薄くても、繊維がより均一に分散した状態で、より緻密な構造を有することができるため、湿式不織布であるのが好ましい。なお、本発明の基材は繊維シートのみから構成することもできるし、繊維シートに加えて、多孔フィルム、ネットなどを備えていても良いが、繊維シートのみから構成されていると、基材の厚さがより薄く、基材の周縁部で引っ掛かりにくく、使用中に貼付剤がより剥がれにくいため好適である。
なお、本発明の基材は部分的に圧着部を有していても良い。この圧着部が出所、薬効成分、デザイン等の情報であれば、その情報を認識することができる。この「圧着部」は通常繊維シートに形成されるが、繊維は融着していないのが好ましい。融着していないことによって、基材の柔軟性等を損なわず、対象物との密着性に優れた貼付剤を作製できるためである。
また、本発明の基材に出所、薬効成分、デザイン等の情報が印刷されていても良い。
更に、本発明の基材は顔料又は染料により着色されていても良い。
本発明の繊維シートを構成する繊維は特に限定するものではないが、繊維径が小さければ小さい程、繊維シートを備えた基材が前記厚さ及び単位厚通気度を満たしやすいため、繊維径が6μm以下の細繊維を含んでいるのが好ましく、繊維径が5μm以下の細繊維を含んでいるのがより好ましく、繊維径が4.5μm以下の細繊維を含んでいるのが更に好ましく、繊維径が4μm以下の細繊維を含んでいるのが更に好ましく、繊維径が3μm以下の細繊維を含んでいるのが更に好ましい。なお、細繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.1μm以上であるのが好ましい。
このような好適な細繊維は市販の繊維〔例えば、テピルス(登録商標)〕あっても良いし、メルトブロー法により形成した繊維であっても良いし、混合紡糸法又は複合紡糸法によって形成した物理的処理及び/又は化学的処理により分割可能な分割性繊維から発生させた繊維であっても良い。これらの中でも、市販の繊維、分割性繊維から発生させた繊維は機械的な延伸処理が施されていることから繊維強度が優れており、貼付剤使用中に、摩擦によって基材から繊維の脱落が生じにくいため好適である。なお、分割性繊維を分割する物理的処理としては、例えば、水流などの流体流、ニードル、カレンダーなどを挙げることができ、化学的処理としては、例えば、溶剤による樹脂成分の溶解除去、溶媒による樹脂成分の膨潤などを挙げることができる。これらの中でも、緻密性に優れ、通気度が低い繊維シートであることができるため、物理的処理により分割した細繊維であるのが好ましい。
このような細繊維を構成する樹脂成分は機能性成分によって損傷を受けたり、機能性成分を吸収又は吸着しないものであれば良く、機能性成分によって異なるため特に限定するものではないが、例えば、レーヨン、キュプラなどの再生繊維;アセテート、プロミックスなどの半合成繊維;ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの合成繊維;綿、麻などの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維;であることができる。例えば、機能性成分として、サリチル酸メチル、ケトプロフェン、ロキソニンなどの消炎鎮痛成分を保持した貼付剤を調製する場合には、繊維シートを構成する細繊維は、薬剤吸着を生じにくいポリエステル樹脂やポリプロピレン樹脂から構成されているのが好ましい。
本発明における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合にはその直径をいい、円形以外の場合には、横断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。
また、本発明の繊維シートを構成する繊維として、潜在捲縮繊維の捲縮が発現した高捲縮繊維を含んでいるのが好ましい。このような高捲縮繊維は捲縮を発現する際に、隣接する繊維との絡みを発生させ、繊維同士が密着し、緻密な構造を有する繊維シート、結果として緻密な構造を有する基材であることができるためである。また、このような高捲縮繊維を含んでいることによって、柔軟性、伸縮性に優れ、摩擦によって毛羽立ちにくいという効果も奏する。なお、このような高捲縮であっても、潜在捲縮繊維自体の繊維径が大きく太いと、前述のような厚さと単位厚通気度を同時に満たすのが困難になる傾向があるため、潜在捲縮繊維の繊維径は13μm以下であるのが好ましく、12μm以下であるのがより好ましく、11μm以下であるのが更に好ましい。なお、潜在捲縮繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.1μm以上であるのが好ましい。
このような潜在捲縮繊維としては、例えば、(1)熱収縮率の異なる複数の樹脂が偏芯芯鞘状に、又はサイドバイサイド状に複合された、熱によって捲縮を発現する複合繊維、(2)繊維の一部に特定の熱履歴を施し、熱によって捲縮を発現する繊維、(3)一種類の樹脂成分からなるものの、繊維の長さ方向に延びる中空部分を偏芯した状態で有する、熱によって捲縮を発現する偏芯中空繊維、を挙げることができる。前記(1)の複合繊維の樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステル−共重合ポリエステル、ポリアミド−共重合ポリアミド、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリプロピレン−共重合ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレンなどを挙げることができる。基材に化学的な耐性、柔軟性及び/又は伸縮性が要求される場合には、ポリエステル−共重合ポリエステル若しくはポリプロピレン−低融点ポリプロピレンの組み合わせからなる潜在捲縮繊維が好ましい。また、前記(2)の繊維の一部に特定の熱履歴を施した潜在捲縮繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる繊維の一側面を熱刃などにあてながら通過させたものを使用できる。更に、前記(3)の偏芯中空繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂から構成することができる。なお、機能性成分として、サリチル酸メチル、ケトプロフェン、ロキソニンなどの消炎鎮痛成分を保持した貼付剤を調製する場合には、繊維シートを構成する潜在捲縮繊維は、薬剤吸着を生じにくいポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び/又は共重合ポリプロピレン樹脂から構成されているのが好ましい。
更に、本発明の繊維シートを構成する繊維として、接着繊維を含んでいても良い。接着繊維が接着していることによって、貼付剤使用中に、摩擦によって基材から繊維の脱落が生じにくくなる効果が期待できる。また、接着繊維が接着していることによって、水流などの物理的処理が施されていたとしても繊維が再配列しておらず、繊維が均一に分散した緻密な構造を有することができる。なお、このような接着繊維であっても、接着繊維自体の繊維径が大きく太いと、前述のような厚さと単位厚通気度を同時に満たすのが困難になる傾向があるため、接着繊維の繊維径は13μm以下であるのが好ましく、12μm以下であるのがより好ましく、11μm以下であるのが更に好ましい。接着繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.1μm以上であるのが好ましい。
このような接着繊維は全溶融型の繊維であることもできるし、繊維の表面に低融点成分が露出した芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型などの複合繊維であることもできる。接着繊維が複合繊維であると、繊維形態を維持し、繊維シートの緻密性、ひいては基材の緻密性に優れている。複合繊維からなる接着繊維の低融点成分以外の成分(高融点成分)は繊維形態を維持できるように、低融点成分よりも5℃以上融点が高いのが好ましく、10℃以上融点が高いのがより好ましく、15℃以上融点が高いのが更に好ましい。
なお、接着繊維は熱可塑性樹脂から構成することができ、例えば、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、ポリエチレン、共重合ポリエチレンなどを挙げることができる。接着繊維が複合繊維からなる場合の樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステル−共重合ポリエステル、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−共重合ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリエステル−共重合ポリプロピレン、ポリエステル−ポリエチレン、ポリエステル−共重合ポリエチレン、ポリアミド−共重合ポリエステル、ポリアミド−共重合ポリアミド、ポリアミド−ポリプロピレン、ポリアミド−共重合ポリプロピレン、ポリアミド−ポリエチレン、ポリアミド−共重合ポリエチレン、ポリプロピレン−共重合ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレン、ポリプロピレン−共重合ポリエチレン、ポリエチレン−共重合ポリエチレンなどを挙げることができる。例えば、機能性成分として、サリチル酸メチル、ケトプロフェン、ロキソニンなどの消炎鎮痛成分を保持した貼付剤を調製する場合には、繊維シートを構成する接着繊維は、薬剤吸着を生じにくいポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び/又は共重合ポリプロピレン樹脂から構成されているのが好ましい。
上述のような細繊維、高捲縮繊維、接着繊維の繊維長は繊維シートの構造により異なり、特に限定するものではないが、例えば、繊維シートが乾式不織布からなる場合には、繊維長が過分に長いと、カーディング性が悪くなり、未開繊繊維やネップが増加して地合が悪化する結果、繊維分散のばらつきが大きくなり、部分的に通気度が上昇することにより、機能性成分が染み出しやすくなる傾向があるため、110mm以下であるのが好ましく、100mm以下であるのがより好ましく、90mm以下であるのが更に好ましく、80mm以下であるのが更に好ましい。一方で、繊維長が過分に短いと、繊維ウエブの強度が弱く、不織布形成工程において地合が悪化する結果、繊維分散のばらつきが大きくなり、部分的に通気度が上昇することにより、機能性成分が染み出しやすくなる傾向があり、また、乾式不織布自体の強度も弱くなる傾向があるため、10mm以上であるのが好ましく、20mm以上であるのがより好ましく、30mm以上であるのが更に好ましい。
また、繊維シートが湿式不織布の場合、繊維が均一に分散した状態にあり、緻密な構造を有することができ、ひいては基材の緻密性に優れ、機能性成分が染み出しにくいように、湿式不織布構成繊維の繊維長は40mm以下であるのが好ましく、30mm以下であるのがより好ましく、20mm以下であるのが更に好ましく、15mm以下であるのが更に好ましく、10mm以下であるのが更に好ましい。一方で、強度があり、かつ、緻密性に優れ、機能性成分が染み出しにくいように、湿式不織布構成繊維の繊維長は0.1mm以上であるのが好ましい。
また、上述のような細繊維、高捲縮繊維、接着繊維の横断面形状は特に限定するものではないが、例えば、真円形状、長円形状、楕円形状、多角形状(例えば、三角形状、長方形状、台形状などの四角形状、五角形状、六角形状など)、アルファベット形状(例えば、E形状、F形状、H形状、I形状、K形状、L形状、M形状、N形状、T形状、X形状、Y形状など)を挙げることができる。特に、横断面形状が三角形状、長方形状、I形状などの扁平率〔=(横断面において最も短く採ることのできる長さ)/(横断面において最も長く採ることのできる長さ)×100〕が大きいと繊維シートが緻密な構造であることができ、ひいては基材が緻密な構造であることができるため好適である。
更に、上述のような細繊維、高捲縮繊維、接着繊維は白色であることができるが、白色以外に顔料及び/又は染料で着色されていても良い。例えば、皮膚貼付剤の基材として使用する場合、肌色に着色していると、貼付剤を皮膚に貼付した場合に目立たないため好適である。
本発明の繊維シートは構成繊維として、上述のような細繊維、高捲縮繊維、接着繊維を含んでいるのが好ましいが、これら繊維の範疇に含まれない繊維を含むことができる。例えば、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など)、ポリアミド系繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維等の合成繊維、又はコットンやレーヨン等のセルロース系繊維を含むことができる。
本発明の繊維シートは上述のような繊維から構成することができるが、繊維シート構成繊維の平均繊維径が小さい程、繊維シートが緻密な構造であることができ、前述のような厚さと単位厚通気度を同時に満たしやすいため、繊維シート構成繊維の平均繊維径は14μm以下であるのが好ましく、13μm以下であるのがより好ましく、12μm以下であるのが更に好ましい。なお、繊維シート構成繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.1μm以上であるのが好ましい。
なお、本発明の「平均繊維径」は次の方法により得られる値である。
(1)、種類毎の繊維の総繊維長(Lt、Lt、・・、Lt)をそれぞれ算出する。
(2)、(1)の種類毎の繊維の総繊維長(Lt、Lt、・・、Lt)から、繊維シート構成繊維全部の総繊維長(=Ltt=Lt+Lt+・・+Lt)を算出する。
(3)、繊維シート構成繊維全部の総繊維長(=Ltt)に対する、種類毎の繊維の総繊維長の比率(Rl=Lt/Ltt、Rl=Lt/Ltt、・・、Rl=Lt/Ltt)をそれぞれ算出する。
(4)、種類毎の繊維の繊維径(D、D、・・、D)と(3)の種類毎の繊維の総繊維長の比率(Rl、Rl、・・、Rl)から、次の式により得られる値を平均繊維径(Da)とする。
Da=D×Rl+D×Rl+・・+D×Rl
本発明の基材は前述の通り、使用中に剥がれ難いと共に保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤を提供できるものであるため、人体に貼付する貼付剤の基布として好適に使用できる。より具体的には、パップ剤、プラスター剤、テープ製剤、サージカルテープ、テーピング材や絆創膏、フェイシャルマスク、温感シートや冷却シートなどの、消炎鎮痛の効果を発揮する目的、化粧料による美容効果を発揮する目的、又は温感あるいは冷感を与える目的の機能性成分を保持する貼付剤の基材として使用できる。
本発明の基材を構成する繊維シートは、例えば、細繊維、潜在捲縮繊維及び/又は接着繊維を使用して製造することができる。
例えば、好適である不織布は、細繊維、潜在捲縮繊維及び/又は接着繊維を使用し、乾式法又は湿式法により繊維ウエブを形成した後に、繊維同士を結合し、厚さ調整を行って製造することができる。
(具体例1)
繊維径が13μm以下の比較的細い潜在捲縮繊維を使用し、乾式法又は湿式法により、潜在捲縮繊維を含む繊維ウエブを形成した後に、水流などの流体流又はニードルにより絡合させる。その後、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させて高捲縮繊維とする際に絡合繊維ウエブを収縮させる。そして、厚さ調整を行い、厚さが0.48mm以下かつ単位厚通気度が431未満の不織布を形成し、この不織布を基材として使用する。この具体例においては、比較的細い潜在捲縮繊維を使用し、厚さ調整を行うことによって、緻密な構造を有し、使用中に剥れにくく、機能性成分が染み出しにくい不織布(基材)を製造できる。
なお、潜在捲縮繊維以外に分割性繊維、細繊維及び/又は接着繊維を含むことができる。
また、湿式法により繊維ウエブを形成すると、厚さが薄くても、繊維がより均一に分散しており、より緻密な構造を有する湿式不織布を形成できるため好適である。
更に、繊維ウエブ構成繊維の配向方向は特に限定するものではないが、例えば、たて方向に配向したパラレルウエブ、パラレルウエブをクロスレイヤー等でよこ方向に配向させたクロスウエブ、パラレルウエブとクロスウエブとを積層したクリスクロスウエブ、又はランダムウエブであることができる。
更に、絡合繊維ウエブの収縮は緻密な構造を有する不織布となるように、面積収縮率は20%以上であるのが好ましく、30%以上であるのがより好ましく、40%以上であるのが更に好ましい。なお、この収縮により柔軟で、伸縮性に富む不織布とすることができるため、肌に貼付する貼付剤(例えば、貼付薬)の不織布(基布)を製造する場合に好適な態様である。この場合、たて方向又はよこ方向における収縮率を大きくすると、その方向における20%伸長時回復率及び50%伸長時回復率を大きく、また、20%伸長時の引張り強さ、50%伸長時の引張り強さを小さくすることができる。なお、収縮率を大きくすると、目付や厚さが大きくなるため、所望目付、厚さの基材を得るには、収縮前の繊維ウエブの目付を小さくするなど、適宜調整する必要がある。
(具体例2)
物理的処理により分割可能な分割性繊維を使用し、乾式法又は湿式法により、分割性繊維を含む繊維ウエブを形成した後に、水流などの流体流又はニードルにより絡合させると同時に分割性繊維を分割して繊維径が6μm以下の細繊維を発生させる。その後、厚さ調整を行って、厚さが0.48mm以下かつ単位厚通気度が431未満の不織布を形成し、この不織布を基材として使用する。この具体例においては、細繊維を発生させるとともに、厚さ調整を行うことによって、緻密な構造を有し、使用中に剥れにくく、機能性成分が染み出しにくい不織布(基材)を製造できる。
なお、分割性繊維以外に潜在捲縮繊維、細繊維及び/又は接着繊維を含むことができる。
また、物理的処理により分割可能な分割性繊維ではなく、化学的処理により分割可能な分割性繊維であっても良い。しかしながら、不織布の緻密性という観点から物理的処理により分割可能な分割性繊維の方が好ましい。
更に、湿式法により繊維ウエブを形成すると、厚さが薄くても、繊維がより均一に分散しており、より緻密な構造を有する湿式不織布を形成できるため好適である。
更に、繊維ウエブ構成繊維の配向方向は特に限定するものではないが、例えば、たて方向に配向したパラレルウエブ、パラレルウエブをクロスレイヤー等でよこ方向に配向させたクロスウエブ、パラレルウエブとクロスウエブとを積層したクリスクロスウエブ、又はランダムウエブであることができる。
(具体例3)
繊維径が6μm以下の細繊維を使用し、乾式法又は湿式法により、細繊維を含む繊維ウエブを形成した後に、水流などの流体流、ニードル及び/又は繊維接着により繊維同士を結合させる。そして、厚さ調整を行い、厚さが0.48mm以下かつ単位厚通気度が431未満の不織布を形成し、この不織布を基材として使用する。この具体例においては、細繊維を使用し、厚さ調整を行うことによって、緻密な構造を有し、使用中に剥れにくく、機能性成分が染み出しにくい不織布(基材)を製造できる。
なお、細繊維以外に潜在捲縮繊維、分割性繊維及び/又は接着繊維を含むことができる。
また、湿式法により繊維ウエブを形成すると、厚さが薄くても、繊維がより均一に分散しており、より緻密な構造を有する湿式不織布を形成できるため好適である。
更に、繊維ウエブ構成繊維の配向方向は特に限定するものではないが、例えば、たて方向に配向したパラレルウエブ、パラレルウエブをクロスレイヤー等でよこ方向に配向させたクロスウエブ、パラレルウエブとクロスウエブとを積層したクリスクロスウエブ、又はランダムウエブであることができる。
更に、流体流と繊維接着の両方により繊維同士を結合させる場合、繊維接着した後に流体流で絡合するのが好ましい。あらかじめ繊維接着により繊維同士を接着しておくことにより、流体流の絡合の際の繊維の再配列を抑制し、繊維の均一分散性を維持できるためである。
(具体例4)
繊維径が6μm以下の細繊維を使用し、乾式法又は湿式法により、細繊維を含む繊維ウエブを形成した後に、水流などの流体流、ニードル及び/又は繊維接着により繊維同士を結合して、支持不織布を形成する。その後、乾式法又は湿式法により、細繊維、潜在捲縮繊維、分割性繊維及び/又は接着繊維を含む繊維層を支持不織布上に形成した後、支持不織布と繊維層とを、水流などの流体流、ニードル及び/又は繊維接着により結合する。そして、厚さ調整を行い、厚さが0.48mm以下かつ単位厚通気度が431未満の積層不織布を形成し、この積層不織布を基材として使用する。この具体例においては、細繊維を用いて支持不織布を形成しているため支持不織布自体が緻密であることに加えて、支持不織布上に繊維層を形成しているためより緻密にでき、また、厚さ調整しているため、緻密な構造を有し、使用中に剥れにくく、機能性成分が染み出しにくい積層不織布(基材)を製造できる。
なお、支持不織布は細繊維を含む必要はないが、細繊維を含んでいると、支持不織布の厚さを薄くすることができ、使用中に剥れにくい貼付剤を製造しやすいため、細繊維を含んでいるのが好ましい。
また、湿式法により繊維ウエブを形成し、支持不織布を形成すると、厚さが薄くても繊維がより均一に分散しており、より緻密な構造を有する支持不織布を形成できるため好適である。同様に、繊維層を湿式法により形成すると、より緻密な構造を有する積層不織布を形成できるため好適である。特に、支持不織布上にスラリー中に分散した繊維を抄き上げると、スラリーは支持不織布の開孔を通って排液されることから、スラリー中の繊維が支持不織布の開孔を閉塞し、緻密な構造となり、積層不織布(基材)の通気度を小さくでき、機能性成分の染み出しを効果的に抑制できるため好適である。
更に、支持不織布構成繊維及び繊維層構成繊維の配向方向は特に限定するものではないが、例えば、たて方向に配向したパラレルウエブ、パラレルウエブをクロスレイヤー等でよこ方向に配向させたクロスウエブ、パラレルウエブとクロスウエブとを積層したクリスクロスウエブ、又はランダムウエブであることができる。なお、支持不織布構成繊維の配向方向と繊維層構成繊維の配向方向とは同じであっても良いし、異なっていても良い。
更に、支持不織布形成時の繊維の結合方法は繊維ウエブの地合いを乱さない繊維接着により行うのが好ましい。
更に、支持不織布と繊維層との結合方法は支持不織布と繊維層とが強固に結合し、貼付剤使用時に積層不織布自体の層間剥離が生じにくいように、水流などの流体流で絡合するのが好ましい。このように流体流で絡合する場合、繊維の再配列が生じ、地合いが乱れる傾向があるため、地合いが乱れにくいように、支持不織布は繊維接着により結合しているのが好ましい。
以上のような具体例は本発明の基材を構成できる好適な不織布の製造方法であるが、不織布を含む繊維シートに付加価値を付与するため、着色処理、エンボス処理、及び/又は印刷処理などの後工程を実施することもできる。
着色処理は繊維シートに対して顔料で着色する処理、又は染色処理であることができる。なお、顔料で着色した繊維又は染色した繊維を使用して、繊維シートを製造することもできる。
エンボス処理は繊維シート構成繊維を融着させず、圧着するのが好ましい。繊維が融着してしまうと、硬くなり、柔軟性を損なう傾向があるためである。繊維を融着させないために、エンボス処理装置における温度を、繊維シート構成繊維の中で最も低い融点をもつ樹脂成分の融点よりも低い温度、好ましくは該融点よりも30℃以上低い温度、より好ましく該融点よりも50℃以上低い温度とする。一方、圧着により繊維シートに情報を付与する場合、情報を鮮明に認識できるように、繊維シート構成繊維の中で最も高いガラス転移温度をもつ樹脂成分のガラス転移温度よりも高い温度で、エンボス処理を実施するのが好ましい。
印刷処理は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等、一般的な印刷方法により、繊維シート表面に文字や図形を印刷することができる。印刷するインクとしては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料を単独で、もしくは混合して使用することができる。このように印刷することによって、エンボス処理した場合と同様に、繊維シートに情報を付与したり、意匠性を向上させることができる。
また、本発明の基材が繊維シートに加えて多孔フィルム、ネット等の他の材料を備えている場合には、繊維シートに対して他の材料を一体化して本発明の基材を製造できる。例えば、水流などの流体流、ニードル、繊維接着及び/又はバインダにより、繊維シートと他の材料とを一体化することができる。なお、繊維シートを形成した後に他の材料と一体化しても良いし、繊維シートを形成する段階で他の材料と一体化しても良い。例えば、具体例4と同様に、他の材料と繊維ウエブとを積層した後に流体流を作用させることにより、不織布層の形成と同時に他の材料と一体化することができる。
本発明の貼付剤は上述のような基材を備えているため、使用中に剥がれ難いとともに、保持する機能性成分が染み出し難い貼付剤である。より具体的には、本発明の貼付剤は、例えば、消炎鎮痛の効果を発揮する目的、化粧料による美容効果を発揮する目的、温感あるいは冷感を与える目的のため、前述のような基材に、粘着剤および/または薬剤などの機能性成分が付与された貼付剤(例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ製剤、サージカルテープ、テーピング材や絆創膏、フェイシャルマスク、温感シートや冷却シート)である。
なお、貼付剤の機能性成分は貼付剤の使用用途によって適宜選択されるため、特に限定するものではないが、例えば、治療を目的とした貼付剤であれば解熱鎮痛消炎剤、強心剤、ビタミン剤、心臓薬(血管拡張剤)、気管支拡張剤、局所麻酔剤、鎮痒剤、化膿性疾患剤、ホルモン剤、などの機能性成分であることができ、また、美容効果を目的とした貼付剤であれば、例えば、美容液、化粧水等の医薬部外品、化粧品として定義されている人体への作用が緩和な機能性成分であることができ、温感効果を目的とした貼付剤であれば、例えば、トウガラシエキスやニコチン酸ベンジル等の機能性成分であることができ、冷感効果を目的とした貼付剤であれば、例えば、含水ゲル、メントールなどの冷感剤等の機能性成分であることができる。
なお、機能性成分に粘着性が必要な場合には、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤などのゲル状組成物に、機能性成分を含有させたものを使用できる。
本発明の貼付剤は機能性成分を基材(特に繊維シート)に直接塗付又は含浸して製造することができるし、機能性成分を離型紙などの担持体上に塗工して機能性成分層を形成した後に、機能性成分層を基材に転写して製造することもでき、特に限定するものではない。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は次の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:11.0μm、繊維長44mm、白色、横断面形状:真円形)を100mass%用いて、カード機により開繊し、たて方向に配向したパラレルウエブ(目付:15g/m)を形成した。
前記パラレルウエブと同様に形成したパラレルウエブをクロスレイヤーにより繊維配向をたて方向に対して交差させて、クロスウエブ(目付:15g/m)を形成した。
続いて、前記パラレルウエブとクロスウエブとを積層してクリスクロスウエブ(目付:30g/m)とした後、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、クリスクロスウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、次いでシャワー面の反対面に3MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、水流絡合繊維ウエブを乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度150℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:32%)、高捲縮繊維からなる不織布(目付:44g/m、平均繊維径:11.0μm)を形成した。
そして、この不織布を温度120℃、圧力0.4MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.41mmの基材を製造した。
(実施例2)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:14.3μm、繊維長51mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
また、複合紡糸法により紡糸した図1に示すような繊維横断面配置を有し、ポリエステル樹脂1とナイロン樹脂2とからなる、繊維径:16.7μm、繊維長51mmの分割性繊維(分割して、横断面形状が略三角形状のポリエステル樹脂1からなる繊維径4.2μmの細繊維(白色)8本と、横断面形状がI形状のナイロン樹脂2からなる繊維径4.2μmの細繊維(白色)8本とを発生可能)を用意した。
次いで、サイドバイサイド型潜在捲縮繊維80mass%と分割性繊維20mass%とを混綿し、カード機により開繊し、たて方向に配向したパラレルウエブ(目付:15g/m)を形成した。
前記パラレルウエブと同様に形成したパラレルウエブをクロスレイヤーにより繊維配向をたて方向に対して交差させて、クロスウエブ(目付:15g/m)を形成した。
続いて、前記パラレルウエブとクロスウエブとを積層してクリスクロスウエブ(目付:30g/m)とした後、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、クリスクロスウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に5MPa、次いでシャワー面の反対面に5MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、分割性繊維から発生した細繊維を含む水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、水流絡合繊維ウエブを乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度165℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:46%)、高捲縮繊維と細繊維とを含む不織布(目付:56g/m、平均繊維径:6.6μm)を形成した。
そして、この不織布を温度120℃、圧力0.4MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.23mmの基材を製造した。なお、この基材表面を電子顕微鏡により観察したところ、分割性繊維を確認することができず、ほとんどの分割性繊維が分割して細繊維となったことが確認された。
(実施例3)
繊維径2.4μm、繊維長3mmのポリエステル細繊維(白色、横断面形状:真円形)を用意した。また、ポリエステル(融点:250℃)を芯成分とし、共重合ポリエステル(融点:110℃)を鞘成分とする芯鞘型接着繊維(繊維径:10.1μm、繊維長3mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
次いで、ポリエステル細繊維と芯鞘型接着繊維が70対30の質量比率で分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度110℃での熱処理を行い、芯鞘型接着繊維の鞘成分の接着により繊維同士を接着し、湿式接着繊維ウエブ(目付:50g/m)を形成した。
続いて、前記湿式接着繊維ウエブを、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、湿式接着繊維ウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、次いでシャワー面の反対面に3MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、ポリエステル細繊維と芯鞘型接着繊維とを含む水流絡合不織布(目付:50g/m、平均繊維径:2.6μm)を形成した。
そして、この水流絡合不織布を温度100℃、圧力0.4MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.30mmの基材を製造した。
(実施例4)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:10.1μm、繊維長10mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
また、ポリエステル(融点:250℃)を芯成分とし、共重合ポリエステル(融点:110℃)を鞘成分とする芯鞘型接着繊維(繊維径:10.1μm、繊維長3mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
次いで、サイドバイサイド型潜在捲縮繊維と芯鞘型接着繊維が90対10の質量比率で分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度110℃での熱処理を行い、芯鞘型接着繊維の鞘成分の接着により繊維同士を接着し、湿式接着繊維ウエブ(目付:30g/m)を形成した。
続いて、前記湿式接着繊維ウエブを、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、湿式接着繊維ウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、次いでシャワー面の反対面に3MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、水流絡合繊維ウエブを乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度160℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:47%)、高捲縮繊維と芯鞘型接着繊維とを含む不織布(目付:57g/m、平均繊維径:10.1μm)を形成した。
そして、この不織布を温度100℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.40mmの基材を製造した。
(実施例5)
繊維径2.4μm、繊維長3mmのポリエステル細繊維(白色、横断面形状:真円形)を用意した。
また、ポリエステル(融点:250℃)を芯成分とし、共重合ポリエステル(融点:110℃)を鞘成分とする芯鞘型接着繊維(繊維径:10.1μm、繊維長3mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
更に、ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:10.1μm、繊維長10mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
まず、ポリエステル細繊維と芯鞘型接着繊維が70対30の質量比率で分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度110℃での熱処理を行い、芯鞘型接着繊維の鞘成分の接着により繊維同士を接着し、湿式接着繊維ウエブ(目付:6g/m)を形成し、支持不織布とした。
次いで、前記潜在捲縮繊維が分散するスラリーを形成し、このスラリーを前記支持不織布上に抄き上げて、潜在捲縮繊維の繊維層(目付:24g/m)を支持不織布上に形成した。
続いて、前記繊維層を形成した支持不織布を、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、繊維層側にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、5MPaの圧力で2回、次いでシャワー面の反対面に5MPaの圧力で1回、水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合積層不織布を形成した。
次いで、水流絡合積層不織布を乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度160℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合積層不織布を収縮させて(面積収縮率:47%)、高捲縮繊維を主体とする不織布層とポリエステル細繊維と芯鞘型接着繊維とを含む支持不織布層の二層積層不織布(目付:57g/m、平均繊維径:4.3μm)を形成した。
そして、この二層積層不織布を温度100℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.39mmの基材を製造した。
(比較例1)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:14.3μm、繊維長51mm、白色、横断面形状:真円形)を100mass%用いて、ランダムカード機により開繊し、繊維がランダムに配向したランダム繊維ウエブ(目付:40g/m)を形成した。
続いて、前記ランダム繊維ウエブを、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、ランダム繊維ウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に4MPa、次いでシャワー面の反対面に4MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、水流絡合繊維ウエブを乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度165℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:50%)、高捲縮繊維からなる不織布(目付:80g/m、平均繊維径:14.3μm)を形成した。
そして、この不織布を温度120℃、圧力0.4MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.65mmの基材を製造した。
(比較例2)
比較例1と同様にして、目付が30g/mのランダム繊維ウエブを形成した。
続いて、比較例1と同じ条件で水流絡合して形成した水流絡合繊維ウエブを乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度160℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:46%)、高捲縮繊維からなる不織布(目付:56g/m、平均繊維径:14.3μm)を形成した。
そして、この不織布を温度120℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.51mmの基材を製造した。
(実施例6)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:11.0μm、繊維長10mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
また、ポリエステル(融点:250℃)を芯成分とし、共重合ポリエステル(融点:110℃)を鞘成分とする芯鞘型接着繊維(繊維径:10.1μm、繊維長5mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
次いで、サイドバイサイド型潜在捲縮繊維と芯鞘型接着繊維が80対20の質量比率で分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度110℃での熱処理を行い、芯鞘型接着繊維の鞘成分の接着により繊維同士を接着し、湿式接着繊維ウエブ(目付:30g/m)を形成した。
続いて、前記湿式接着繊維ウエブを、熱風ドライヤーによる温度160℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、湿式接着繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:41%、よこ方向収縮率:35%)、高捲縮繊維と芯鞘型接着繊維とを含む不織布(目付:51g/m、平均繊維径:10.8μm)を形成した。
そして、この不織布を温度100℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.39mmの基材を製造した。
(実施例7)
湿式接着繊維ウエブの目付を20g/mとしたこと、湿式接着繊維ウエブの面積収縮率を63%、よこ方向収縮率を60%としたこと以外は実施例6と同様にして、不織布(目付:54g/m、平均繊維径:10.8μm)を形成した後、温度100℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.40mmの基材を製造した。
(実施例8)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:11.0μm、繊維長10mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
また、ポリエステル(融点:250℃)を芯成分とし、共重合ポリエステル(融点:110℃)を鞘成分とする芯鞘型接着繊維(繊維径:10.1μm、繊維長3mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
次いで、サイドバイサイド型潜在捲縮繊維と芯鞘型接着繊維が80対20の質量比率で分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度110℃での熱処理を行い、芯鞘型接着繊維の鞘成分の接着により繊維同士を接着し、湿式接着繊維ウエブ(目付:30g/m)を形成した。
続いて、前記湿式接着繊維ウエブを、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、湿式接着繊維ウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、次いでシャワー面の反対面に3MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、水流絡合繊維ウエブを乾燥した後、熱風ドライヤーによる温度170℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:54%、よこ方向収縮率:46%)、高捲縮繊維と芯鞘型接着繊維とを含む不織布(目付:65g/m、平均繊維径:10.8μm)を形成した。
そして、この不織布を温度100℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.26mmの基材を製造した。
(実施例9)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:14.3μm、繊維長15mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
次いで、前記サイドバイサイド型潜在捲縮繊維が分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度100℃で乾燥を行い、湿式繊維ウエブ(目付:30g/m)を形成した。
続いて、前記湿式繊維ウエブを、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、湿式繊維ウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、次いでシャワー面の反対面に3MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、前記水流絡合繊維ウエブを、熱風ドライヤーによる温度160℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:46%)、高捲縮繊維からなる不織布(目付:55g/m、平均繊維径:14.3μm)を形成した。
そして、この不織布を温度130℃、圧力0.4MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.20mmの基材を製造した。
(実施例10)
ポリエステル(融点:250℃)/共重合ポリエステル(融点:230℃)の組み合わせからなるサイドバイサイド型潜在捲縮繊維(繊維径:14.3μm、繊維長15mm、白色、横断面形状:真円形)を用意した。
次いで、前記サイドバイサイド型潜在捲縮繊維が分散するスラリーを形成し、スラリーを抄き上げた後、温度100℃で乾燥を行い、湿式繊維ウエブ(目付:30g/m)を形成した。
続いて、前記湿式繊維ウエブを、一列ノズル(直径:0.13mm、ピッチ:0.6mm)を用い、ノズル高さ2cm、コンベア速度5m/min.の条件で、湿式繊維ウエブの片面にシャワーを当てた後、シャワー面に3MPa、次いでシャワー面の反対面に3MPaの圧力で水流を噴出する水流絡合を実施して、水流絡合繊維ウエブを形成した。
次いで、前記水流絡合繊維ウエブを、熱風ドライヤーによる温度160℃での熱処理を行うことによって、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させ、高捲縮繊維を形成する際に、水流絡合繊維ウエブを収縮させて(面積収縮率:58%)、高捲縮繊維からなる不織布(目付:71g/m、平均繊維径:14.3μm)を形成した。
そして、この不織布を温度130℃、圧力0.3MPaで加熱加圧することにより厚さ調整を行い、厚さ0.43mmの基材を製造した。
(基材の評価)
実施例1〜10及び比較例1〜2の基材について、前述の方法により、目付、厚さ、表面動摩擦係数、引張り強さ、伸び率、20%伸長時の引張り強さ、50%伸長時の引張り強さ、20%伸長時回復率、50%伸長時回復率、通気度、単位厚通気度及び厚さ通気度定数を評価した。
また、基材の最大動摩擦係数、剥れにくさ、及び機能性成分の染み出しにくさを次の方法により評価した。
(最大動摩擦係数)
ポリエステル製セパレータの付いたフィルム状ポリスチレン系粘着剤(厚さ:50μm)を、各基材の上に乗せ、温度90℃、圧力0.01MPaで貼り合せた後、2cm×4cmの長方形に裁断して、長方形試験片を3枚ずつ採取した。
静動摩擦測定機(株式会社トリニティーラボ社製、品番:TL201Tt)のサンプル台(ステンレス製)をエタノールで洗浄した後、試験片のポリエステル製セパレータを剥がし、ポリスチレン系粘着剤によって試験片をサンプル台に貼り付けた。
次いで、JIS L 0803に規定する綿3−1号を静動摩擦測定機の接触端子(面積:1cm)に取り付け、試験片の長辺方向の端部から1cm程度離れた位置に接触端子をセットした。
そして、接触端子に100gの荷重(N=垂直抗力)をかけながら、10mm/sec.の速さ、走査距離4cm(=試験片の長辺方向端部から3cmのみを走査)の条件で動摩擦力(F)を測定した。
この時、接触端子が試験片の長辺方向端部とぶつかったときの動摩擦力(F)、垂直抗力(N)及び動摩擦係数(μ’)との間には、次の関係が一般的に成り立つことから、動摩擦係数(μ’)の値を次の式により算出した。
F=μ’N
μ’=F/N
この動摩擦係数の測定を各基材から採取した3枚の試験片のそれぞれについて行い、その算術平均値を最大動摩擦係数とした。
貼付剤使用時には、服等との擦れにより貼付剤の端部から剥離しやすいため、前記最大動摩擦係数は服等との擦れによる剥がれやすさの指標となり、最大動摩擦係数が大きいと、大きな外力が作用するため、剥がれやすいことを意味する。
(剥れにくさ)
ポリエステル製セパレータの付いたフィルム状ポリスチレン系粘着剤(厚さ:50μm)を、各基材の上に乗せ、温度90℃、圧力0.01MPaで貼り合せた後、2cm×4cmの長方形に裁断して、長方形試験片を3枚ずつ採取した。
静動摩擦測定機(株式会社トリニティーラボ社製、品番:TL201Tt)のサンプル台(ステンレス製)をエタノールで洗浄した後、試験片のポリエステル製セパレータを剥がし、ポリスチレン系粘着剤によって試験片をサンプル台に貼り付けた。
次いで、JIS L 0803に規定する綿3−1号を静動摩擦測定機の接触端子(面積:1cm)に取り付け、試験片の長辺方向の端部から1cm程度離れた位置に接触端子をセットした。
そして、接触端子に100gの荷重をかけながら、10mm/sec.の速さ、走査距離4cm(=試験片の長辺方向端部から3cmのみを走査)の条件で10往復させた後に、試験片のサンプル台からの剥れの程度を、下記の基準にしたがって数値評価した。
この剥れ程度の数値評価を各基材から採取した3枚の試験片のそれぞれについて行い、その算術平均値から剥れにくさを下記基準により評価した。

(剥れの程度)
5点:試験片がサンプル台から全く剥がれていない
3点:試験片の端部の一部がサンプル台から剥れた
1点:試験片の端部全体、又は試験片全体がサンプル台から剥がれた
(剥れにくさ)
〇:11点以上
△:5〜11点
×:5点以下
(機能性成分の染み出しにくさ)
各基材を5cm×20cmの長方形に裁断して試験片を3枚ずつ採取した。一方で、ポリエステル製セパレータの付いたフィルム状ポリスチレン系粘着剤(厚さ:50μm)を2cm×15cmの長方形に裁断した後、基材の長辺とセパレータ付粘着剤の長辺とが平行であるように、試験片の中央部にセパレータ付粘着剤を積層し、温度110℃、圧力0.4MPaの条件で加熱加圧して試験片にセパレータ付粘着剤を粘着させ、積層試験片を調製した。
次いで積層試験片を、積層試験片の長辺方向における中央で短辺方向に裁断して2枚の積層試験片とした後、積層試験片の基材側同士が接触するように積層した状態で、温度110℃、圧力0.4MPaの条件で加熱加圧した。
その後、2枚の積層試験片を引き剥がし、次の基準により機能性成分の染み出しにくさを、下記の基準にしたがって数値評価した。
この染み出しにくさの数値評価を各基材から採取し、調製した3枚の積層試験片のそれぞれについて行い、その算術平均値から染み出しにくさを下記基準により評価した。

(染み出しの程度)
5点:全く粘着していない
3点:一部が粘着している
1点:全面が粘着している
(剥れにくさ)
〇:11点以上
△:5〜11点
×:5点以下
実施例1〜10及び比較例1〜2の基材の評価結果は表1〜3に示す通りであった。
Figure 2020203876
Figure 2020203876
Figure 2020203876
実施例と比較例との対比から、厚さが0.48mm以下であると、最大動摩擦係数が小さく、剥れにくい基材であることが分かった。また、単位厚通気度が431未満であることによって、機能性成分が染み出しにくい基材であることが分かった。
また、厚さ通気度定数が109未満、好ましくは100以下であることによって、機能性成分が染み出しにくい基材であることが分かった。
更に、実施例2、3、5のように、細繊維を含んでいると、基材の厚さを薄くすることができ、より剥れにくい基材であることが分かった。
更に実施例6〜8の基材は、よこ方向における50%伸長時の引張り強さが小さく伸びやすいため、肘や膝などの大きな伸びを必要とする対象物との密着性に優れ、また、貼付感に優れる貼付剤を製造できるものであった。
実施例9、10の基材は、たて方向及びよこ方向における20%伸長時の引張り強さと50%伸長時の引張り強さのいずれも低く、両方向に良好な伸縮性を持っていた。そのため、この基材は貼付剤の形や貼付方向を選ばずに、良好な貼付感を与えることができるものであった。
本発明の貼付剤は、例えば、消炎鎮痛の効果を発揮する目的、化粧料による美容効果を発揮する目的、温感あるいは冷感を与える目的の貼付剤であることができ、貼付剤用基材はこれら貼付剤の基材であることができる。例えば、本発明の貼付剤はパップ剤、プラスター剤、テープ製剤、サージカルテープ、テーピング材や絆創膏、フェイシャルマスク、温感シートや冷却シートであることができ、本発明の貼付剤用基材はこれら貼付剤の基材であることができる。
1 ポリエステル樹脂
2 ナイロン樹脂

Claims (2)

  1. 繊維シートを備えた、厚さが0.48mm以下の貼付剤用基材であって、下記式を満たす貼付剤用基材。

    0<(貼付剤用基材の通気度/貼付剤用基材の厚さ)<431
  2. 請求項1に記載の貼付剤用基材を備えた、貼付剤。
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