JP2004083425A - 皮膚貼着用粘着部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】皮膚貼着用粘着部材は、支持体及び粘着剤層を有する皮膚貼着用粘着部材であって、皮膚貼着用粘着部材の表面に、10mm2当り1〜20個の貫通孔を有する。貫通孔は、1個当りの面積が0.002mm2〜0.05mm2の範囲内であることが好ましい。また、皮膚貼着用粘着部材は、支持体表面に凹部が形成されていることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療分野やスポーツ分野等において用いられる皮膚貼着用粘着部材に関し、詳しくは、医療用巻絆創膏、ハップ材、ドレッシング材、創傷保護材等に用いられる皮膚貼着用粘着部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
手術による縫合部や擦傷部にガーゼを当てて保護し、固定するために包帯が使用されてきたが、近年においては、包帯の代わりに粘着テープが使用されるようになった。また、粘着テープは、長時間、同じ部位に貼着され続けて使用されたり、定期的な治療のために同じ部位に繰り返し貼付されて使用される場合もある。このような粘着テープには、皮膚を刺激しない、皮膚に優しいものであることが求められている。
【0003】
ところが、従来の粘着テープは、貼着部位に化学的刺激を与えたり、粘着テープを剥離する際に物理的刺激を与えることが多く、スキントラブルを生じやすいものであった。これは、粘着剤の成分に由来したり、粘着テープの粘着力や基材の硬さが要因となっている場合もあるが、粘着テープの水分透過性が低いために、カブレや皮膚刺激を引き起こすことが多いからである。例えば、水分透過性の低い粘着テープを貼着すると、貼着部分に体内から発散された汗や皮脂等が溜り、ムレが生じて角質が損傷し、カブレが生じることがあった。また、ムレによって生じた皮膚表面の傷んだ角質が、粘着テープを剥離する際に引き剥がされて角質の損傷が拡大することもあった。そのため、水分透過性を有する粘着テープの開発が進められている。
【0004】
基材としては不織布、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等が用いられており、水分透過性を有するものもある。また、粘着剤においても、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着剤が開発されており、近年においては、水分透過性を追及した粘着剤や、粘着力が貼着直後から一定である油性ゲル粘着剤等も開発されている。ところが、これら単独では、適度な水分透過性を実現し、かつ、皮膚への低刺激を満たすことはできなかった。
【0005】
また、粘着テープに孔や切り欠き部を設けたものもあり、発汗によるムレ防止にやや貢献する粘着テープも開発されているが、支持体に孔等を設けた当初の趣旨は貼付操作におけるカット性向上を目的としたものであったので、ムレによる皮膚刺激を考慮したものではなかった。そのため、粘着剤層をも貫通する貫通孔を施したものはなく、また、孔に粘着剤が詰まるものも多かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、皮膚にしっかりと貼着すると共に、体内から発生した汗等を皮膚と粘着テープとの間に閉じ込めることなく蒸発させることが可能で、かつ、皮膚に対する物理的刺激及び化学的刺激を低減することができる皮膚貼着用粘着部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の皮膚貼着用粘着部材は、支持体及び粘着剤層を有する皮膚貼着用粘着部材であって、該皮膚貼着用粘着部材の表面に、10mm2当り1〜20個の貫通孔を有することを特徴とする。
ここで、前記貫通孔は、1個当りの面積が0.002mm2〜0.05mm2の範囲内であることができる。
また、皮膚貼着用粘着部材の表面に凹部が存在することができる。
また、前記凹部に関し、合計個数の50%以上の凹部が貫通孔を有することができる。
また、前記凹部の形状は、菱形、正方形、楕円形、円形、格子状及び十文字形状からなる群から選ばれる少なくとも1つであることができる。
また、前記凹部は、皮膚貼着用粘着部材の10mm2当り、凹部の合計面積が0.1mm2〜6mm2であることができる。
また、応力緩和率は50%以下であることができる。
また、前記皮膚貼着用粘着部材を皮膚表面に6時間以上貼着してから剥離したときの皮膚角質剥離面積は、貼着した皮膚面積の40%以下であることができる。
【0008】
本発明においては、皮膚貼着用粘着部材に、確実に貫通孔が存在するように設計し、かつ、貼着部のムレを生じさせないために必要な適当な数の貫通孔を念頭において設計しているので、貼着部分の皮膚のムレを防ぐことができる。そのため、皮膚の角質損傷を生じさせず、貼着部材を剥離する際にも、角質剥離等を防ぎ、皮膚刺激を低減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚貼着用粘着部材は、少なくとも支持体と粘着剤層とを有する積層体であり、貫通孔を有する。ただし貫通孔は、皮膚貼着用粘着部材の10mm2に対して1〜20個(1〜20個/10mm2)設けられている。貫通孔が皮膚貼着用粘着部材10mm2に対して1個より少ない比率でしか設けられていない場合には水分を十分に蒸発させることができず、一方、貫通孔の個数が皮膚貼着用粘着部材10mm2に対して20個より多いと、粘着部材が脆くなったり、接着力が低下することがある。また、貫通孔の孔の大きさは、1個の孔の面積が0.002mm2〜0.05mm2の範囲内であることが好ましい。貫通孔の大きさがかかる範囲内であれば、皮膚から発生した汗等の水分を蒸散させることができる。このように貫通孔を有する皮膚貼着用粘着部材は、体内から発生した汗等を皮膚と粘着部材との間に閉じ込めることなく、貫通孔から蒸発させることができるので、ムレ防止効果をさらに向上させることができ、貼着部位を快適に保ち、角質の損傷を低減することができる。
【0010】
粘着部材を皮膚に長時間(例えば6時間以上)貼着した後、剥離した場合に、剥離されて粘着部材に付着している角質の面積は、貼着した皮膚面積(貼着部材の粘着剤層の面積に相当)の40%以下であることが好ましく、上記構成を採用することにより、角質の剥離面積を1%〜35%に抑えることができる。また、貫通孔を設けることによって支持基材の弾性率を低下させることができると共に、応力緩和率も低下させることができる。したがって、皮膚に貼着した後は粘着部材の引張応力が緩和され、皮膚への負担を小さくすることができる。
【0011】
本発明においては、皮膚貼着用粘着部材の支持体側に凹部が形成されていることが好ましく、その凹部は、皮膚貼着用粘着部材の10mm2当りの合計面積が0.1mm2〜6mm2の範囲内であることが好ましい。支持体表面に凹部が設けられていると、手で容易に切断することができる。また、粘着剤のはみ出しを防止することができ、弾性率の低下により、皮膚追従性が増し、肌触りもよくなる。
皮膚貼着用粘着部材に形成した凹部の全個数のうち、50%以上の凹部に貫通孔を有することが好ましく、各凹部に少なくとも1個の貫通孔を有することが更に好ましい。ここで、貫通孔の合計面積は凹部の合計面積より小さいことが好ましく、貫通孔1個の面積は凹部1個の面積より小さいことが好ましい。
【0012】
凹部の形状は特に限定されることなく自由に設計することができ、例えば、菱形、正方形、長方形、楕円形、円形、格子状、十文字形状等の任意の形状を選択することができる。粘着部材を手で切断するためには、凹部の形状は円形よりも多角形状の方が好ましく、格子状であることが更に好ましく、十文字形状であることが特に好ましい。
【0013】
皮膚貼着用粘着部材に貫通孔や凹部を形成するためには任意の方法を採用することができるが、規則的な押し型と貫通孔を同時に形成することができる設備等を用いて、皮膚貼着用粘着部材に貫通孔及び凹部を形成することが好ましい。例えば、熱ロール法、熱針穿孔法、レーザによる方法、放電加工による方法、マイクロ波による方法、イオン照射による法、静電気等による方法等が挙げられる。熱針穿孔法は貫通孔の形成速度が速いので、好適に使用することができる。
【0014】
熱針穿孔法においては、穿孔ロールと受けロールを有する装置が必要である。受けロールとしては、例えば、NBRゴム、ウレタン樹脂、鉄、ステンレス、アルミニウム等からなる受けロールが使用される。穿孔ロールは対象物に孔を形成するためのピンを具備しており、対象物に貫通孔を形成するためには、対象物である皮膚貼着用粘着部材の厚さに応じて適当な長さのピンが選択されることが好ましい。例えば、支持体の厚さが60〜100μm、粘着剤層の厚さが20〜100μmの場合には、ピンの長さが0.1mm〜0.9mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.4mm〜0.8mmである。穿孔ロールのピンの形状としては、円錐、四角錐、三角錐等の任意の形状を選択することができるが、格子状であることが好ましい。
【0015】
熱穿孔法においては、凹部及び貫通孔を形成する際に、穿孔ロール及び受けロールが所定の温度を保持していることが好ましい。穿孔ロールの温度は、80℃〜250℃の範囲内であることが好ましく、150℃〜220℃の範囲内であることが更に好ましい。穿孔ロールの温度が150℃〜220℃の範囲内であれば、均一な凹部と均一な貫通孔を形成することができる。受けロールの温度は、40℃〜130℃の範囲内であることが好ましく、75℃〜110℃の範囲内であることが更に好ましい。
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材を示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)はその断面図である。本実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材は、テープ形状又はシート形状を有しており、皮膚に直接貼着して使用されるものである。ここでは、テープ形状を有する皮膚貼着用粘着部材について説明する。
【0017】
図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る皮膚貼着用部材である粘着テープ10は、支持体1と、支持体1に積層された粘着剤層2とを含んでいる。図1(a)において、粘着テープ10には、6個の菱形の凹部3が3個ずつ2列に配置されており、この凹部3の内部にはそれぞれ貫通孔4が1個ずつ形成されている。この図における線AA’で切断したときの断面図が図1(b)に示されている。
【0018】
図1(b)において、凹部3の底面部分3’は支持体1の最表面部分1’より低い位置を示しており、支持体1に凹部空間を形成している。この凹部空間の底面部分3’のほぼ中央には、支持体1及び粘着剤層2を貫通するように貫通孔4が形成されている。所定数の貫通孔を有することにより、皮膚からの汗等を貫通孔を通して蒸散させることができるので、ムレによる不快感や皮膚表面の角質損傷を防ぐことができる。
【0019】
ここで、支持体1は単層シートでもよいが、2層以上の積層体でもよい。図2に、支持体1が3層構成の積層体である場合の皮膚貼着用粘着部材の層構成を例示する。図2において、支持体1は背面層6と中間層7と接着層8とから構成されている。皮膚貼着用粘着部材10は、支持体1の接着層8の面上に粘着剤層2を有する構成となっている。
【0020】
図1に示す第1の実施形態においては、凹部の形状が菱形であり、凹部の個数が6個で各凹部に1個ずつ貫通孔を有する皮膚貼着用粘着部材を例示したが、次に、凹部及び貫通孔の形状や個数が異なる態様の皮膚貼着用粘着部材について、支持体面を図示した図3(a)〜(c)を用いて説明する。
図3(a)は、本発明の第2の実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材を示す平面図であり、凹部の形状が十文字型である例を示している。本実施形態においては、6個の凹部13が3個ずつ2列に配置されており、十文字の凹部13のほぼ中央にそれぞれ1個ずつ貫通孔14が形成されている。このように、凹部の形状を十文字型とすることにより、粘着部材をはさみ等の切断具を使用せずに手のみでも容易にカットすることができる。
【0021】
図3(b)は、本発明の第3の実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材を示す平面図である。本実施形態は、凹部23の形状が三角形であり、3個の凹部23を2列に配置した例を示している。図面下方に位置する凹部23には貫通孔24がそれぞれ1個ずつ形成されているが、上方に位置する凹部23には貫通孔24が2個ほぼ均等な位置に形成されている。このように、貫通孔の数及び位置は、適宜設定することができる。
【0022】
図3(c)は、本発明の第4の実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材を示す平面図である。本実施形態においては、3個の凹部が1列に配置されており、凹部の形状は星型である。左方に配置されている2個の凹部33には、矩形状の貫通孔34がそれぞれ1個ずつ形成されているが、右方に配置されている凹部33には貫通孔が形成されていない。このように、凹部全部に貫通孔を形成する必要はないが、貫通孔の数が1〜20個/10mm2となるように設計しなければならない。
【0023】
皮膚貼着用粘着部材を構成する支持体は、柔軟かつ伸縮性を有する材料から形成されることが好ましく、例えば柔軟で伸縮性を有する熱可塑性樹脂から形成されることが好ましい。かかる熱可塑性樹脂としては、エチレン−メタクリレート樹脂、ポリα−オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、低密度ポリエチレンや線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ランダムポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。本発明においては、柔軟性、強度等を付加するために、かかる熱可塑性樹脂に改質剤として異なる種類の熱可塑性エラストマーを配合してもよい。また、柔軟性、強度等を付加するために、結晶性の異なる樹脂からなる層を複数層積層させてもよく、例えば、非晶性のポリオレフィン系樹脂からなる層とポリプロピレン系樹脂からなる層とを積層させてもよい。例えば、図2における背面層としてエチレン−プロピレン共重合体からなる層、中間層として非晶性のポリオレフィンからなる層、接着層としてエチレン−プロピレン共重合体とエチレン−ブチレン共重合体とを配合した樹脂からなる層の3層構成とすることができる。
【0024】
非晶性のポリオレフィン系樹脂としては、所定の触媒を用いて、プロピレンを単独でアタクチック重合させたもの、プロピレンとプロピレン以外の炭素数が2〜10のα−オレフィンとを各モノマーがランダムに配列するように共重合させたもので分子量の比較的小さいもの等が挙げられる。特に、非晶性のエチレンと非晶性のプロピレンとの共重合体、非晶性のブテン−1と非晶性のプロピレンとの共重合体、又は非晶性のエチレンと非晶性のブテン−1と非晶性のプロピレンとのランダム共重合体が好ましく使用される。プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体の場合には、プロピレン含有量が50重量%以上であり、炭素数2〜10のα−オレフィンの含有量が50重量%以下であるものが好ましい。
【0025】
非晶性のポリオレフィンは、数平均分子量が1,000〜28,000であるものが好ましく用いられ、1,500〜25,000であるものが更に好ましく、2,000〜20,000であるものが特に好ましく用いられる。また、非晶性のポリオレフィンとしては、溶融粘度の比較的低いものが好ましく使用され、例えば、190℃における溶融粘度が100〜100,000Pa・sの範囲内のものが好ましい。
【0026】
ここで、炭素数が2〜10のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等の鎖状のα−オレフィン、あるいはシクロペンテン等の環状のα−オレフィンが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で使用してもよいが、2種類以上を適宜、組み合わせて使用してもよい。
【0027】
本発明において、支持体を構成する各層には、必要に応じて、通常使用される添加剤等を本発明の効果を阻害しない範囲内で含有させることができる。添加剤としては、タルク等の充填剤、顔料、着色剤、老化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、抗菌剤、防カビ剤、滑剤、安定化剤、可塑剤等が挙げられる。
【0028】
支持体は全体としての厚みが、20〜150μmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは40〜120μmであり、特に好ましくは60〜100μmである。また、支持体は、23℃における応力緩和率が60%以下であるものが好ましく、40%以下であることが更に好ましい。23℃における応力緩和率が60%以下であれば、皮膚貼着用粘着部材を皮膚に貼着した後、皮膚に引っ張り感を与えず、応力緩和率が40%以下であれば、皮膚刺激に対して敏感な人に対しても不都合を与えることがない。
【0029】
支持体の一方の面に設けられる粘着剤層は、貼着した皮膚に追従できる程度の柔軟性や粘弾性を有する層であることが好ましく、皮膚に対して刺激の少ない粘着剤を用いて形成されることが好ましい。また、粘着剤層は、貼着中は、皮膚表面から剥がれない程度の接着性を有し、粘着部材を剥離する際には、物理的な剥離強度、即ち、皮膚から剥がす際に必要な力が小さいことが好ましい。皮膚表面の角質を損傷させなければ、皮膚に余計な刺激を与えずに済むので、カブレ等の発生を最小限に抑えることができるからである。粘着剤としては、医療用粘着テープ等に一般的に使用される粘着剤を特に限定されることなく使用することができる。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を1種又は2種以上を併用して用いることができる。また、液状成分として、天然油脂から得られる飽和もしくは不飽和脂肪酸、1価もしくは多価アルコール、これらから得られる脂肪酸エステル、脂肪族アミン等の油脂成分を粘着剤中に混合し、架橋させて得られる油性ゲル粘着剤を好ましく使用することができる。この油性ゲル粘着剤は、皮膚との密着性に優れており、粘着剤が皮膚の凹凸にすぐ馴染み、貼付直後から大きい接着面積を確保することができる。そのため、粘着剤の接着力を低く抑えることができ、しかも、貼着直後から剥離時まで一定の貼着力を保持し、皮膚から剥がす際に必要な力が小さくて済む。
【0030】
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数が1〜18のアルキル基を有するものが好ましく、炭素数が4〜12のアルキル基を有するものが更に好ましい。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体の場合には、共重合可能な他の単量体を3〜50重量%の範囲内で共重合させてなるものが好ましく、5〜40重量%の範囲内で共重合させてなるものが更に好ましい。
【0031】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、ブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、ラウリルエステル、ステアリルエステル等が挙げられる。また、これらのエステル鎖は直鎖状でも分岐状でもよい。
【0032】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有の不飽和単量体、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリルアミドやジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−アルキルアミノアルキルエステル、N−ビニルピロリドン等の酸アミド基を含有する不飽和単量体等のような官能性単量体が挙げられる。なお、これらの官能性単量体以外に、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等の無官能性単量体も共重合させることができる。また、必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状イソプレン、脂肪族エステル等の軟化剤や、酸化チタン、酸化亜鉛等の充填剤、ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤等を、適当量、さらに配合してもよい。ただし、軟化剤を配合する場合には、多官能性ポリイソシアネート、多官能性エポキシ化合物、アルミニウムキレート化合物等によって架橋処理されることが好ましい。
【0033】
ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリブテン、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体等を主ポリマーとし、これに粘着付与剤としてロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、石油系樹脂等を配合したものを使用することができる。また、アクリル系粘着剤の場合と同様に、必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状イソプレン、脂肪族エステル等の軟化剤や、酸化チタン、酸化亜鉛等の充填剤、ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤等を、適当量、さらに配合してもよい。
【0034】
シリコーン系粘着剤としては、ジメチルポリシロキサンを主成分とする粘着剤が例示される。
油性ゲル粘着剤としては、トリオレイン酸脂肪酸エステルを主成分とする粘着剤が例示される。
【0035】
皮膚への低刺激性を考慮すると、アクリル系粘着剤を用いることが好ましい。応力緩和性が良好な支持体にアクリル系粘着剤を用いて粘着剤層を形成することにより、応力緩和性に優れ、かつ皮膚に対して低刺激性の粘着部材を実現することができる。また、この粘着部材に穿孔を施した場合には、さらに応力緩和性が良好になり、見かけの弾性率が低下し、肌にフィットしやすい皮膚貼着用粘着部材を実現することができる。
【0036】
本発明において粘着剤層は、上述の粘着剤を必要に応じて溶剤等を使用し、支持体上に直接塗布することにより形成してもよいし、粘着剤を剥離ライナー等に塗布して、予め粘着剤層を形成してから、この粘着剤層を支持体に貼り合わせて形成してもよい。
また、粘着剤層の厚みについては、特に限定があるわけではなく任意に設定することができるが、一般的には10〜200μmの範囲内であることが好ましく、20〜100μmの範囲内であることが更に好ましい。
【0037】
皮膚貼着用粘着部材は、シート状、テープ状等で得られ、例えば、ロール状に巻回されて、あるいはセパレータを粘着剤層に重ねた状態で保存、移動等することができる。このセパレータは、一般的に皮膚へ貼付する粘着テープに用いられるものを使用することができ、例えば、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙などの表面に、シリコーン等の剥離性能を有する剥離材をコーティングしたものや、上質紙にレジンをアンカーコートしたもの又はポリエチレンラミネートしたもの等の表面にシリコーン等の剥離性能を有する剥離剤をコーティングしたものを使用することができる。
【0038】
本発明の皮膚貼着用粘着部材は、巻絆創膏(サージカルテープ)、ドレッシング材、巻粘着包帯等の医療用テープやシートとして使用される。例えば、皮膚貼着用粘着部材を適当な大きさに切断して絆創膏を形成したり、あるいは創傷部分を被覆する被覆材、外科手術後の当て材、カテーテルの針入部やガーゼ等のカバー材等の医療用テープ又はシートを形成したり、粘着シートに他の基材等を組み合わせて固定用テープや器具保持テープ等の医療用製品を形成することができる。また、本発明の皮膚貼着用粘着部材は、ムレを防止して、皮膚の角質損傷を最小限に抑えることができるので、長時間の貼着が要求される経皮吸収製剤用の粘着部材としても有効である。
【0039】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、以下において、「部」とあるのは「重量部」を意味し、「%」とあるのは「重量%」を意味するものとする。
【0040】
実施例1
《支持体の作製》
背面層として、エチレン−プロピレン共重合体100%からなる樹脂組成物を用い、中間層として、非晶性のポリα−オレフィン50部とポリプロピレンの単独重合体50部との混合物50%、タルク40%、及び水素添加スチレン−ブタジエンランダム共重合体10%を混合した組成物を用い、接着層として、エチレン−プロピレン共重合体80%とエチレン−ブチレン共重合体20%とを配合した樹脂組成物を用いた。背面層、中間層、接着層の各組成物を、Tダイ押出機に投入して、背面層/中間層/接着層の3層構成の積層体を形成した。すなわち、背面層、中間層、接着層の各組成物を、3層Tダイ押出機にそれぞれ投入し、Tダイ押出機の各シリンダー内で溶融混合した後、シリンダーから3層状態で押出しながら冷却ロールに接触させて、3層積層体を形成した。次に、この3層積層体を、延伸ロールを用いて一軸延伸した後、再度冷却ロールに接触させて厚み80μmの3層構成の支持体を形成し、これをロールに巻き取った。ただし、Tダイ押出機のシリンダーは、温度が150℃〜220℃の範囲内になるように調整されていた。また、2つの延伸ロールの回転数を調節して、支持体の厚みが80μmとなるようにした。
《粘着シートの作製》
得られた支持体の接着層面上に、アクリル酸5部とアクリル酸イソオクチルエステル95部とからなるアクリル系樹脂を100部、トリオレイン酸脂肪酸エステルを60部、酢酸D,L−α−トコフェロールを1.33部及び、架橋剤として3官能のポリイソシアネートを0.14部混合したもの(「ゲル1」と記す)を塗布し、厚さが48μmの粘着剤層を形成して粘着シートを作製した。
《凹部等の形成》
得られた粘着シートの支持体面に、凹部及び貫通孔を形成して粘着部材を作製した。すなわち、長さが0.4mm〜0.8mmのピンを具備した穿孔ロールを温度150℃〜220℃の範囲で加温し、アルミニウム製の受けロールを温度75℃〜110℃の範囲で加温して、穿孔ロールと受けロールの間に得られた粘着シートを挟み込み、凹部と貫通孔を形成した。ただし、使用したピンの長さ、穿孔ロールの温度、受けロールの温度は表1に示すように設定し、かつ、凹部の形状と面積及び貫通孔の個数と面積も表1に示すように設定して行った。
【0041】
実施例2〜4
実施例1において、凹部の形状と面積及び貫通孔の個数と面積が表1に示す値となるように、穿孔ロールのピンの太さ等及び穿孔押出し部の形状を変更した以外は実施例1と同様にして、支持体表面に凹部と貫通孔を形成し、実施例2〜4の粘着部材を得た。
【0042】
実施例5〜6
実施例1において、粘着剤層を下記に示す油性ゲル粘着剤(「ゲル2」と記す)に変更し、凹部の形状と面積及び貫通孔の個数と面積が表1に示す値となるように、穿孔ロールのピンの太さ等及び穿孔押出し部の形状を変更した以外は実施例1と同様にして、支持体表面に凹部と貫通孔を形成し、実施例5及び6の粘着部材を得た。
油性ゲル粘着剤(ゲル2)の組成:
・カプリル酸トリグリセリル 60部
・アクリル系共重合体(イソノニルアクリレート/2−メトキシエチルアクリレ
ート/アクリル酸=65/30/5) 100部
・三官能性イソシアネート化合物 0.1部
【0043】
比較例1
実施例1において、凹部の形状と面積及び貫通孔の個数と面積が表1に示す値となるように、穿孔ロールのピンの太さ等及び穿孔押出し部の形状を変更した以外は実施例1と同様にして、支持体表面に凹部のみを形成し、比較例1の粘着部材を形成した。
【0044】
比較例2
比較例1において、粘着剤層の組成をアクリル酸5部とアクリル酸イソオクチルエステル95部とからなるアクリル系樹脂のみからなる粘着剤(「アクリル」と記す)に変更した以外は、比較例1と同様にして、粘着部材を形成した。
【0045】
比較例3〜4
比較例2において、凹部を形成しなかった以外は比較例2と同様にして、比較例3の粘着部材を形成した。また、比較例2において、凹部の形状と面積及び貫通孔の個数と面積が表1に示す値となるように、穿孔ロールのピンの太さ等及び穿孔押出し部の形状を変更した以外は比較例2と同様にして、支持体表面に凹部及び貫通孔を形成し、比較例4の粘着部材を形成した。
【0046】
実施例1〜6、及び比較例1〜4において得られた粘着部材を、それぞれ2.5cm×5cm(12.5cm2)の大きさに切断してサンプルシートとした。実施例1〜6、及び比較例1〜4の各サンプルシートについて、下記に示す評価を行った。その結果を表1に示す。
【0047】
《評価及び試験》
(1)弾性率の測定
(株)島津製作所製の引張試験機「オートグラフAGS−100D」を用い、室温23℃、相対湿度65%RHの条件の下、サンプルシートを、引張速度が300mm/minで延伸して引張応力を測定し、伸び−応力曲線を作成した。作成した伸び−応力曲線において、伸びが0mmと2mmの2点間を結ぶ直線の傾きを求めた。なお、単位はN/mm2である。
【0048】
(2)応力緩和率の測定
(株)島津製作所製の引張試験機「オートグラフAGS−100D」を用い、室温23℃、相対湿度65%RHの条件の下、サンプルシートを、引張速度が300mm/minで伸張率が10%となるところまで引っ張った。時間の経過による引張応力値を測定し、次式に基づいて、応力緩和率を求めた。ただし、初期引張応力は、引張開始直後から10%伸ばすまでの最大引張応力値で示す。
応力緩和率(%)=(5分後の引張応力/初期引張応力)×100
【0049】
(3)皮膚接着力の評価
サンプルシートを健常者6人の背中に1kgのローラを1往復させて貼付し、所定時間経過後、皮膚接着力を測定した。所定時間は、1時間及び6時間の2種類について測定を行った。ただし、皮膚接着力の測定は、(株)島津製作所製の引張試験機「オートグラフAGS−100D」を用い、室温23℃、相対湿度65%RHの条件の下、引張速度300mm/min、剥離角度が180度で、引張応力(N/25mm幅)を測定した。皮膚接着力は、6人の平均値で示した。
【0050】
(4)角質剥離量の評価
皮膚接着力の測定において使用した剥離後のサンプルシートを用いて、角質剥離量の測定を行った。すなわち、背中から剥離したサンプルシートを、和光純薬工業(株)製の角質染色液(Gentian Violet 1%、Brilliant Green 1%、蒸留水98%)に約30分間浸漬して皮膚角質の染色を行った。その後、サンプルシートを蒸留水で十分に洗浄した後、24時間乾燥させた。乾燥後のサンプルシートの粘着剤層面をマイクロスコープを用いて観察し、画像解析を行って、角質剥離面積率を次式に基づいて算出した。この平均値を表1に示した。なお、粘着剤層は染色液で染まらなかった。
角質剥離面積率(%)=(染色された皮膚角質の面積/12.5)×100
【0051】
(5)皮膚刺激性の評価
サンプルシートを健常者6人の下腕内側部(かぶれやすい部位)に貼付し、24時間放置した後、剥離した。貼着中及び剥離時に被験者が皮膚刺激を感じたか否か、剥離後の皮膚の状態を目視で観察し、5段階評価を行った。評価基準は、剥離の際に、剥離後の皮膚にかなり赤みが生じ、かつ貼着中及び剥離時に強い痛みを感じた場合を「1」、皮膚に赤みが生じ、かつ刺激を感じた場合を「2」、わずかに赤みが生じ、やや刺激を感じた場合を「3」、赤みは生じなかったが、剥離時に苦痛を感じない程度の刺激を感じた場合を「4」、赤みは全く生じず、かつ貼着中も剥離時も全く刺激を感じなかった場合を「5」で示す。
【0052】
(6)手切れ性の評価
サンプルシートを手で切断して、そのときの切れ具合を4段階で評価した。すなわち、官能的にスムーズ、かつ、直線的に切断することができた場合を、記号「◎」、スムーズだが、一部、波模様に切断された場合を、記号「○」、支持体が伸びてしまい、切れるのが精一杯であった場合を、記号「△」、支持体が伸びてしまい、千切れるように切断された場合を、記号「×」で示す。
【0053】
【表1】
【0054】
以下、表1及び図4と図5を参照しながら評価結果について考察する。
なお、図4(a)は、実施例1により得られた粘着部材の支持体表面を示す写真であり、図4(b)は実施例5により得られた粘着部材の支持体表面を示す写真であり、図5(a)は比較例2により得られた粘着部材の支持体表面を示す写真であり、図5(b)は比較例3により得られた粘着部材の支持体表面を示す写真である。図4(a)及び(b)から、菱形または十文字の凹部のほぼ中央に、貫通孔が形成されている粘着剤が得られたことがわかる。一方、図5(a)には、菱形の凹部は形成されているが、貫通孔は形成されておらず、図5(b)には、凹部も貫通孔も形成されていない粘着部材が形成されたことが分かる。
【0055】
表1において、貫通孔を1〜20個/10mm2有する実施例1〜6のサンプルシートは、体内から発生した汗等を貫通孔から蒸散させることができたので、ムレを防止することができ、カブレの前兆である赤みが発生しておらず、皮膚刺激を感じなかった。また、貼着した6人全員が、角質剥離面積率は40%以下であった。さらにまた、実施例1〜6のサンプルシートは、弾性率が低く、かつ応力緩和率も低いものであり、皮膚に貼着しても引張感が起こらなかった。さらに、実施例1〜6のサンプルシートは、十分な皮膚接着力を有しているものであり、皮膚接着力が1時間後でも6時間後でも同じで変化することはなかった。なお、実施例1〜6のサンプルシートは、凹部を有しており、手で切断することができ、特に、菱形の凹部を有する実施例1〜3のサンプルシートと、十文字形状の凹部を有する実施例5〜6のサンプルシートは、手で容易に切断することができた。したがって、本発明の皮膚貼着用粘着部材を使用すれば、ムレを防止することができ、角質の損傷を最小限に抑えることができるので、皮膚刺激に敏感な人、肌の弱い乳幼児、肌の弱っている老人、繰り返し同じ場所に粘着テープを貼着することが必要な患者等にも、安心して使用することができる。
【0056】
一方、比較例1は、凹部は有するが貫通孔が形成されていないので、ムレが生じ、角質剥離面積率が40%より大きくなってしまった。また、比較例2,3は、粘着剤層がゲル粘着剤ではなくアクリル系粘着であり、かつ、比較例1と同様に、貫通孔が形成されていないので、角質剥離面積率が50%よりも大幅に大きかった。比較例3については、さらに、弾性率がやや大きいものとなっていた。比較例4は、20個/10mm2より多くの貫通孔が形成されているので、サンプルシートが脆くなり、また、接着力も低下して、しっかり固定することができなかった。また、比較例1〜3では、ムレにより水分が溜まり、さらに長時間貼着し続けると接着力が極端に低下することがあった。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、皮膚にしっかりと貼着すると共に、体内から発生した汗等を皮膚と粘着テープとの間に閉じ込めることなく蒸発させることが可能で、かつ、皮膚に対する物理的刺激及び化学的刺激を低減することができる皮膚貼着用粘着部材を提供することができる。さらに、この皮膚貼着用部材は、確実に貫通孔が存在するので、ムレに起因する皮膚刺激を抑制してカブレ等の皮膚のトラブルを防ぐことができ、常に快適な環境下で使用できる。また、粘着部材の凹部の形状と面積、貫通孔の面積、凹部の面積と貫通孔の面積との割合等に着目して、これらを好適な範囲に設計することができるので、体内から発生した汗等を効率よく蒸散させ、ムレを生じさせず、角質損傷を引き起こさず、角質損傷による皮膚刺激を極力低減することができる。したがって、特に皮膚刺激に過敏な人に好適であり、例えば、老人、乳幼児、あるいは粘着テープを頻繁に利用する、透析患者や心臓疾患者、病弱な人等にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る皮膚貼着用部材の構成を示す平面図であり、(b)は図1(a)における線A−A’で切断したときの断面図である。
【図2】本発明の皮膚貼着用粘着部材の層構成を示す断面図である。
【図3】(a)は本発明の第2の実施形態に係る皮膚貼着用部材の平面図であり、(b)は本発明の第3の実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材の平面図であり、(c)は本発明の第4の実施形態に係る皮膚貼着用粘着部材の平面図である。
【図4】(a)は実施例1の粘着部材の支持体表面を示す写真であり、(b)は実施例5の粘着部材の支持体表面を示す写真である。
【図5】(a)は比較例2の粘着部材の支持体表面を示す写真であり、(b)は比較例3の粘着部材の支持体表面を示す写真である。
【符号の説明】
1 支持体
1’ 最表面部分
2 粘着剤層
3、13、23、33 凹部
3’ 底面部分
4、14、24、34 貫通孔
6 背面層
7 中間層
8 接着層
10 粘着部材
Claims (8)
- 支持体及び粘着剤層を有する皮膚貼着用粘着部材であって、該皮膚貼着用粘着部材の表面に、10mm2当り1〜20個の貫通孔を有することを特徴とする皮膚貼着用粘着部材。
- 前記貫通孔は、1個当りの面積が0.002mm2〜0.05mm2の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の皮膚貼着用粘着部材。
- 皮膚貼着用粘着部材の表面に凹部が存在することを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚貼着用粘着部材。
- 前記凹部に関し、合計個数の50%以上の凹部が貫通孔を有することを特徴とする請求項3記載の皮膚貼着用粘着部材。
- 前記凹部の形状が、菱形、正方形、楕円形、円形、格子状及び十文字形状からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項3又は4記載の皮膚貼着用粘着部材。
- 前記凹部は、皮膚貼着用粘着部材の10mm2当り、凹部の合計面積が0.1mm2〜6mm2であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の皮膚貼着用粘着部材。
- 応力緩和率が50%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚貼着用粘着部材。
- 前記皮膚貼着用粘着部材を皮膚表面に6時間以上貼着してから剥離したときの皮膚角質剥離面積が、貼着した皮膚面積の40%以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の皮膚貼着用粘着部材。
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