JP2016084309A - 皮膚貼付剤 - Google Patents

皮膚貼付剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2016084309A
JP2016084309A JP2014218722A JP2014218722A JP2016084309A JP 2016084309 A JP2016084309 A JP 2016084309A JP 2014218722 A JP2014218722 A JP 2014218722A JP 2014218722 A JP2014218722 A JP 2014218722A JP 2016084309 A JP2016084309 A JP 2016084309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
skin
reinforcing layer
skin patch
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014218722A
Other languages
English (en)
Inventor
大輔 守野
Daisuke Morino
大輔 守野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Ltd
Original Assignee
Kureha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Ltd filed Critical Kureha Ltd
Priority to JP2014218722A priority Critical patent/JP2016084309A/ja
Publication of JP2016084309A publication Critical patent/JP2016084309A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、不織布を支持体として用いながら、使用時の合着、皺、及びムレを抑制でき、且つ補強層剥離後であっても支持体表面に毛羽が立たない皮膚貼付剤を提供する。【解決手段】本発明に係る皮膚貼付剤は、密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下の不織布からなる支持体と、該支持体の一方面に保持された皮膚剤と、他方面に剥離可能に形成された補強層を有し、前記不織布の補強層側表面が平滑化され、各層の剥離強さが、支持体と皮膚剤間、肌と皮膚剤間、支持体と補強層間、皮膚剤と皮膚剤保護層間の順に小さくなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚に貼付して使用する皮膚貼付剤に関するものである。
従来より、パップ剤やプラスター剤等に代表される外用消炎鎮痛剤は、肌に直接貼り付ける外用薬として広く用いられてきた。また近年では、不織布等からなる支持体に、水分を含有するゲル剤を塗布した熱冷却剤、脚部・踵用貼付剤、ゲル状の美容液を塗布したフェイスマスクや目元シート等の商品が展開されており、皮膚貼付剤の需要は益々高まっている。
これらの皮膚貼付剤において、支持体に塗布された皮膚剤は肌に密着しやすいよう適度に粘性が付与されているため、皮膚貼付剤の皮膚剤面には、通常、フィルムや剥離紙等の皮膚剤保護層が貼付されている。
ところで近年、これらの皮膚貼付剤には、使用時のムレを防止し、使用感をなくすため、より薄地のものが要求されている。皮膚貼付剤を薄く仕上げるには、支持体を薄くする必要があるが、支持体を薄くすると、皮膚貼付剤から皮膚剤保護層を剥がして使用する際に、皮膚貼付剤の剛性を十分に維持できないため、皮膚貼付剤がよれて、皮膚剤面同士が合着してしまう問題がある。また、皮膚貼付剤の剛性が小さいと、皮膚貼付剤を肌に貼り付けるときに、自由に貼り合わせることが難しいといった課題もあった。
このような課題に対処した例として、例えば、特許文献1には、膏体の全面に貼着された剥離シートに、所定間隔を持って形成された切れ目部を入れたことを特徴とする貼付剤が記載されている。また、特許文献2には、膏体の全面に貼着された剥離シートに、剥離シートと前記支持体との伸び率の違いを利用して両端部を持って左右に引っ張るだけで分断される切れ目部を設け、且つ、前記剥離シートにはエンボス加工部を形成したことを特徴とする貼付剤が記載されている。特許文献1や2に記載される貼付剤は、いずれも膏体(皮膚剤)を保護するための剥離シートに工夫を施したものであるが、剥離シートにいくら工夫を施しても、皮膚貼付剤を貼り付ける前に、剥離シートが何らかの原因で剥がれ落ちてしまったり、剥離シートを剥がす際にかかる力によって、皮膚貼付剤の形状が変わってしまう等、新たな問題が生じていた。
特許文献3及び特許文献4には、支持体の薬剤塗布面とは反対側の面に、補強層を設けた例が開示されている。特許文献3に記載される伸縮貼付剤は、薬剤塗布面と皮膚との接着強度より大なる接着強度で補強体と伸縮性シートが部分的に接着されていることを特徴とする。また特許文献4に記載される貼付剤は、支持体として用いられる伸縮性布帛は、主として編物である。
特開2001−245918号公報 特開2004−24904号公報 特開2003−102774号公報 特開2005−119972号公報
特許文献3の伸縮貼付剤において、補強体と伸縮性シートが強接着されている部分は、使用済みの貼付薬を皮膚表面から引き剥がす際に用いることができるという補助的な役割を果たしており、伸縮貼付薬使用時にも、補強体は伸縮性シート上に常に存在している。そのため、強接着部分は人の動きに追従しにくく、かえって伸縮貼付薬が剥がれたり、皺が生じたりする等の問題を招いていた。また特許文献3の伸縮貼付薬には、伸縮性シートと補強層間の接着強度が弱い弱接着部又はこれらが接着していない非接着部が存在する。このような弱接着部又は非接着部では、伸縮貼付薬を使用する際に、補強層が衣服と擦れることにより、補強層や伸縮貼付薬が折れ曲がってしまうため、使用者に違和感を与えていた。更に使用時に補強層が常に存在することで、伸縮貼付薬がムレてしまい、使用感の悪いものであった。
特許文献4に記載の方法では、支持体として主として編物が用いられている。一般に編物は不織布に比べて生産コストが高いため、特許文献4に記載の方法では、安価に皮膚貼付剤を製造することが難しく、また伸縮性、質感、染み出し、通気性の観点からも、編物よりも不織布を用いることが望ましい。しかし本発明者が検討したところによると、支持体として不織布を用いると、補強層を剥がすときの応力により、不織布を構成する繊維が引き出され、支持体表面が毛羽立つという新たな問題が生じることがわかった。
この様な状況下、本発明は、不織布を支持体として用いながら、使用時の合着、皺、及びムレを抑制でき、且つ補強層剥離後であっても支持体表面に毛羽が立たない皮膚貼付剤を提供することを課題として掲げた。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、不織布からなる支持体の補強層側表面に平滑化の加工を施すことにより、補強層を剥離する際の支持体表面の毛羽立ちを抑えることが可能になる点を見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る皮膚貼付剤は、以下の点に要旨を有する。
[1]密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下の不織布からなる支持体と、該支持体の一方面に保持された皮膚剤と、他方面に剥離可能に形成された補強層を有し、前記不織布の補強層側表面が平滑化され、各層の剥離強さが、支持体と皮膚剤間、肌と皮膚剤間、支持体と補強層間、皮膚剤と皮膚剤保護層間の順に小さくなることを特徴とする皮膚貼付剤。
[2]前記支持体の目付が50g/m2以上200g/m2以下であり、厚さが0.5mm以上2mm以下である[1]に記載の皮膚貼付剤。
[3]前記補強層は、接着層を介して前記支持体に剥離可能に固定されており、前記接着層の厚さが1μm以上50μm以下である[1]又は[2]に記載の皮膚貼付剤。
[4]前記補強層の表面に、剥がし忘れ防止加工が施されている[1]〜[3]のいずれかに記載の皮膚貼付剤。
[5]前記支持体の補強層側表面が、加熱された金属ロールによるカレンダー加工により平滑化されている[1]〜[4]に記載の皮膚貼付剤。
[6]含水ゲルシート用途に用いる[1]〜[5]に記載の皮膚貼付剤。
本発明によれば、支持体表面に補強層を設けているため、剛性が付与され、皮膚貼付剤を皮膚に貼り付ける際に、皮膚剤側の面が合着せず、皺になることもない。また支持体表面に平滑化の加工を施しているため、支持体として不織布を用いても、補強層剥離時に不織布を構成する繊維が引き出されることがなく、使用時の支持体表面の毛羽立ちを抑制することが可能となる。
図1は、本発明に係る皮膚貼付剤を示す概略断面図である。 図2は、本発明に係る皮膚貼付剤の補強面に印刷を施した場合の一例を示す概略斜視図である。 図3は、皮膚貼付剤が非固定部を有する場合の皮膚貼付剤の一例を示す概略斜視図である。 図4は、分離可能な2枚の補強層を有している場合の皮膚貼付剤の一例を示す概略斜視図である。 図5は、分離可能な2枚の補強層を有し、且つ、皮膚貼付剤が、補強層が複数枚重なりあう重なり部を有する場合の皮膚貼付剤の一例を示す概略斜視図である。
以下、本発明に係る皮膚貼付剤に関して、実施例を示す図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施態様1>
図1は、本発明の実施態様1に係る皮膚貼付剤を示す概略断面図である。図1に示す様に、本発明に係る皮膚貼付剤10は、密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下の不織布からなる支持体13と、該支持体13の一方面に保持された皮膚剤14と、他方面に剥離可能に形成された補強層11を有する点に特徴を有する。皮膚貼付剤10には皮膚剤14を保護するための皮膚剤保護層15が形成されており、皮膚剤保護層15を形成しておくことで、皮膚貼付剤10を使用するまでの間、皮膚剤14の汚れや損傷を防止できる。また支持体の密度を調整することで、皮膚剤の染み出しを抑制することが可能となる。
皮膚貼付剤10の使用方法は、まず、皮膚貼付剤10を包装袋から取り出し、皮膚剤保護層15を剥がした後、皮膚剤14面を肌側にして、皮膚貼付剤10を皮膚に貼り合わせる。本発明においては、皮膚貼付剤10に補強層11を形成しているため、皮膚貼付剤10を肌に貼り合わせるときに、皮膚貼付剤10が皺になったり、皮膚剤14面で合着することを抑制できる。
そして本発明は、前記不織布の補強層側表面が平滑化されている点を特徴としている。本発明者が検討したところによると、不織布を支持体に用いる場合、補強層11を剥離する際、不織布を構成する繊維が補強層11に付着して引き出され、支持体13の表面が毛羽立つ現象が観察された。このように支持体の表面が毛羽立つと、見た目が悪くなるため何らかの対策を講じる必要が生じていた。そこで本発明では、支持体にカレンダー加工等の圧密加工を施すことにより、支持体表面を平滑化することで毛羽立ちを抑制することに思い至った。支持体に圧密加工を施せば、支持体の表面が平滑になるため、補強層を剥離しても支持体表面の毛羽立ちを抑えることが可能となる。
本発明において各層の剥離強さは、支持体13と皮膚剤14間(D)、肌と皮膚剤14間(A)、支持体13と補強層11間(B)、皮膚剤14と皮膚剤保護層15間(C)の順に小さくなるように調整することが肝要である(D>A>B>C)。支持体13と皮膚剤14は使用時にも剥離することなく、一体化されている必要があるため、剥離強さはA〜Dの中で最も大きくする。また皮膚貼付剤は、肌に貼り付けた後、補強層11を支持体13から剥がして使用するため、皮膚剤14は補強層11剥離時に皮膚に接着されている必要がある。そのため、肌/皮膚剤14間(A)の剥離強さは、支持体13/補強層11間(B)の剥離強さよりも高くなるように調整する。また皮膚貼付剤を肌に貼り付けるときに、皮膚剤保護層15は皮膚剤14から容易に剥離できることが望ましく、CはA〜Dの中でも最も低い値に調整する。
具体的に各層の剥離強さは、肌と皮膚剤14間(A)で、例えば、0.25〜0.8Nが好ましく、用途に応じて、例えばパップ剤では0.25〜0.8N、熱冷却剤では0.25〜0.65N、フェイスマスクでは0.25〜0.55Nが好ましい。
また支持体13と補強層11間(B)の剥離強さは、Aの剥離強さの40〜80%が好ましく、より好ましくは50〜75%であり、具体的には0.25〜0.5Nが好ましい。
皮膚剤14と皮膚剤保護層15間(C)の剥離強さは、Bの剥離強さの10〜60%が好ましく、より好ましくは20〜50%である。具体的には0.05〜0.45Nが好ましく、用途に応じて、例えばパップ剤では0.05〜0.15N、熱冷却剤では0.15〜0.45N、フェイスマスクでは0.10〜0.35Nが望ましい。
支持体13と皮膚剤14間(D)の剥離強さは特に限定されるものではないが、1.5N以上が望ましい。
また、皮膚貼付剤10の形状は、用途に応じて適宜選定すればよく特に限定されるものではないが、矩形、円形、各皮膚の部位に応じた形状;等が例示できる。更に本発明によれば、皮膚貼付剤10の剛性が増すために、従来は実現が困難であった形状、例えば、三角形、台形、星形等の鋭角の角部を含む形状を採用することも可能となる。
本発明に係る皮膚貼付剤10は、皮膚に貼付して使用する各種シート、例えば、パップ剤(基剤に水を含む)又はプラスター剤(基剤に水を含まない)等の外用消炎鎮痛剤;熱冷却剤(例えば、小林製薬社製「熱さまシート(登録商標)」等)、脚部・踵用貼付剤(例えば、ライオン社製「休足時間(登録商標)」等)、ゲル状の美容液を塗布したフェイスマスクや目元シート(例えば、久光製薬社製「ライフセラ(登録商標)」等)等の皮膚に貼付する含水ゲルシート;等として適宜用いることができる。特に本発明は、皮膚剤中の水分量が多く、薬剤の染み出しが問題となりやすい熱冷却剤、脚部及び踵用貼付剤、フェイスマスク、目元シート等の皮膚に貼付する含水ゲルシート用途の皮膚貼付剤に好ましく用いることができる。
1.支持体
次に、各部材について説明する。本発明において前記支持体としては、皮膚貼付剤10が人の動きに追従しやすいよう、通常支持体13は、伸縮性を有していることが好ましい。このような素材としては、皮膚貼付剤に要求される柔軟性、通気性、低皮膚刺激性、耐薬品性及び伸縮性を有し、さらに皮膚剤が染み出しにくい特性を有する不織布が好ましく用いられる。不織布を用いれば、比較的安価に皮膚貼付剤を製造することができ、コスト面での利点も大きい。
前記支持体の特徴として、支持体表面に、カレンダー加工等の圧密加工が施されている点が挙げられる。本発明者が検討したところによると、不織布を支持体に用いる場合、皮膚貼付剤使用時に、補強層11を剥離する際、不織布を構成する繊維が補強層11に付着して引き出され、支持体13の表面が毛羽立つ現象が観察された。このように支持体の表面が毛羽立つと見た目が悪いため、何らかの対策を講じる必要が生じていた。そこで本発明では、補強層11の剥離に伴う毛羽立ちを、支持体にカレンダー加工等の圧密加工を施すことによって抑制する。支持体に圧密加工を施せば、支持体の表面が平滑になるため、補強層を剥離しても支持体表面の毛羽立ちを抑えることが可能となる。
支持体の密度は、支持体の密度が低すぎると、皮膚貼付剤表面の質感が悪くなる一方、支持体の密度が高過ぎると、支持体に含まれる繊維により、支持体の収縮力が大きくなることで、支持体の伸張容易性が低下することが懸念される。そのため支持体の密度は、例えば、0.05g/cm3以上であり、より好ましくは0.07g/cm3以上であり、更に好ましくは0.09g/cm3以上であり、0.2g/cm3以下であり、より好ましくは0.17g/cm3以下であり、更に好ましくは0.15g/cm3以下である。支持体の密度が前記範囲内であれば、支持体と皮膚剤間の接着力を高めながら、皮膚剤の染み出しも抑制できるため好ましい。一方、0.05g/cm3より低くなると、支持体に皮膚剤が浸透しやすくなり、支持体と皮膚剤間の接着性は向上するものの、支持体の密度が低いため皮膚剤の染み出しが顕著になる虞がある。また密度が0.2g/cm3より高くなると、皮膚剤が支持体に浸透し難くなるため、支持体と皮膚剤との密着性が弱くなり、この結果、支持体と皮膚剤間の接着性が低下することが予想され、結果として、支持体と皮膚剤間の剥離強さが、支持体と補強層間の剥離強さよりも低くなる可能性があるため好ましくない。
支持体の目付としては、例えば、50g/m2以上が好ましく、より好ましくは60g/m2以上であり、更に好ましくは70g/m2以上であり、200g/m2以下が好ましく、より好ましくは170g/m2以下であり、更に好ましくは150g/m2以下である。支持体の目付が50g/m2未満になると、皮膚剤が染み出しやすくなったり、支持体としての強度を保持することが難しくなる虞があり、皮膚貼付剤を伸張したときに、皮膚貼付剤が薄くなって、スケが生じる場合があるため好ましくない。一方、支持体の目付が200g/m2より大きくなると、支持体の通気度が低くなることで使用時にムレを感じたり、支持体が重く、柔軟性に劣るため、身体に皮膚貼付剤を貼り付けたときに、使用者に違和感が生じたりする虞があるため好ましくない。
支持体の厚さとしては、例えば、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは0.6mm以上であり、更に好ましくは0.7mm以上であり、2mm以下が好ましく、より好ましくは1.5mm以下であり、更に好ましくは1.2mm以下である。支持体の厚さが0.5mmを下回ると、支持体が薄くなり、皮膚剤が支持体の裏面にまで染み出す虞があるため好ましくない。また支持体の厚さが2mmを超えると、皮膚貼付剤が厚くなり、皮膚貼付剤が患部に沿い難く、使用感が悪くなる。また皮膚貼付剤が厚くなることで、包装箱に収容できる皮膚貼付剤の枚数が減少する可能性があり、販売効率の点からも好ましくない。
支持体13を構成する繊維としては、綿、麻、毛、絹等の天然繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ、レヨセル等の再生繊維;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維、ポリアリレート等のポリエステル繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維;またはこれらの繊維にフッ素処理又はシリコーン処理によって撥水性が付与される撥水性繊維(例えば、特開2010−090508号公報);等が例示でき、これらの繊維を1種、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの繊維は、捲縮を有する捲縮繊維であっても、捲縮のない非捲縮繊維であってもよい。入手が容易なことから、支持体にはポリエステル繊維が含まれていることが好ましく、より好ましいポリエステル繊維はポリエチレンテレフタレート繊維である。
また支持体13に含まれる繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、丸断面;三角形、星形、五角形等の異型断面;のいずれも使用することができる。更には、支持体13に含まれる繊維は中実繊維及び/又は中空繊維のいずれの繊維も用いることができるが、中空繊維を用いると、少ない繊維の使用量で、中実繊維と同等の嵩高さを有する不織布を製造することができるため、支持体の軽量化を図ることが可能となる。
支持体13に含まれる繊維の繊度は、例えば、0.5dtex以上が好ましく、より好ましくは1dtex以上であり、10dtex以下が好ましく、より好ましくは7dtex以下である。
なお支持体13がより優れた伸縮性を発揮するためには、支持体13は、例えば、捲縮繊維を含んでいることが好ましい。前記捲縮繊維としては、顕在捲縮繊維、潜在捲縮繊維のいずれも使用可能であるが、カード機での紡出性がよいことから、潜在捲縮繊維を使用することが好ましい。
捲縮繊維の形態としては、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリエチレン−ポリエステル、ポリエステル−変性ポリエステル等の組み合わせに例示されるような熱収縮率の異なる樹脂からなる偏心構造を有する芯鞘繊維やサイドバイサイド構造を有する複合繊維;繊維の表側と裏側とで熱処理の程度を異ならせて立体捲縮を発現させた捲縮繊維;等の各種繊維が例示できる。本発明には、熱収縮率の異なる樹脂を組み合わせた複合繊維を使用することが好ましく、特にサイドバイサイド構造を有する複合繊維が好ましく、更に好ましくはポリエステル−変性ポリエステルからなるサイドバイサイド構造の捲縮繊維である。このような捲縮繊維は、皮膚剤に対する耐薬品性に優れ、捲縮を発現させるための生産性が良く、入手も容易であるため好ましい。
捲縮繊維の熱収縮率は、例えば、1%以上が好ましく、より好ましくは5%以上であり、更に好ましくは10%以上であり、一般的には50%以下であり、より好ましくは40%以下であり、30%以下であってもよい。捲縮繊維の熱収縮率が前記範囲内であれば、捲縮発現後において、捲縮数が多くバネ効果の高い捲縮繊維が得られるため好ましい。
またカード機での紡出性を良くするため、捲縮繊維の捲縮数は、捲縮発現前は5個/25mm以上25個/25mm以下程度であることが好ましい。そして、伸縮性に優れた支持体を得るため、捲縮発現後の捲縮数は(熱処理温度;150〜240℃程度)、例えば、40個/25mm以上が好ましく、より好ましくは50個/25mm以上であり、更に好ましくは60個/25mm以上であり、120個/25mm以下が好ましく、より好ましくは110個/25mm以下であり、更に好ましくは100個/25mm以下である。
捲縮繊維を用いる場合、捲縮繊維の繊度としては、例えば、0.5dtex以上が好ましく、より好ましくは1.4dtex以上であり、7.0dtex以下が好ましく、より好ましくは5.0dtex以下である。繊度が0.5dtex未満では、カード機での紡出性が悪いため好ましくなく、7.0dtexを超えると支持体の空隙が大きくなるため、皮膚剤が染み出しやすくなる虞があるため好ましくない。
捲縮繊維の繊維長の範囲は、例えば、15mm以上152mm以下である。繊維長が前記範囲内であれば、捲縮繊維はカード機での紡出に耐え得る繊維強度を有しながら、得られる支持体は、支持体としての伸縮性や適度な柔軟性を有するものとなる。
前述したように、本発明において支持体13の表面は、補強層11を剥がし易くするために、カレンダー加工等により圧密加工されている。しかしながら、支持体13の表面を圧密化すると、一般的に支持体に要求される事項である、(i)皮膚貼付剤の患部に対する追従性や、(ii)支持体の伸縮性等が悪化する虞がある(例えば、表面を平滑化加工された支持体の50%伸張時応力の増大、50%伸張時回復率の低下等)。50%伸張時回復率を高めるには、例えば、支持体を構成する繊維として、熱収縮率の大きな捲縮繊維を混綿することが効果的である。支持体が、比較的捲縮数の多い(すなわち、熱収縮率の大きな)捲縮繊維を含有することでより強いバネ効果が発揮されるため、支持体の回復率向上に繋がる。ここでいう熱収縮率の大きな捲縮繊維とは、例えば、熱収縮率が15%以上50%以下の捲縮繊維であり、熱収縮率はより好ましくは20%以上45%以下であり、更に好ましくは22%以上40%以下である。前記捲縮繊維の使用量は、支持体100重量%中、例えば、5重量%以上が好ましく、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは15重量%以上であり、90重量%以下が好ましく、より好ましくは65重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。熱収縮率の大きな捲縮繊維の量が前記範囲内であれば、50%伸張時回復率を適切に高めることが可能となる。
支持体は、前述した熱収縮率の大きな繊維(例えば、熱収縮率が15%以上50%以下の捲縮繊維)のみで構成されていてもよいが、捲縮繊維によるバネ効果が強くなりすぎると使用感が悪くなる虞もあるため、このような熱収縮率の大きな繊維を用いる場合には、支持体には、熱収縮率の異なる少なくとも2種以上の繊維が含まれていることが望ましい。このような態様としては、例えば、支持体が、15%以上50%以下の熱収縮率を有する捲縮繊維(以後、第1繊維と称す)、及び当該繊維よりも熱収縮率の低い繊維(以後、第2繊維と称す)の両方を含む態様が挙げられる。第2繊維は捲縮繊維であっても、非捲縮繊維であってもよい。第2繊維としては、例えば、熱収縮率が1%以上15%未満の捲縮繊維が好ましく、熱収縮率はより好ましくは5%以上であり、更に好ましくは10%以上である。
捲縮繊維として、第1繊維と第2繊維の両方を用いる場合、第1繊維と第2繊維の配合比率(第1繊維:第2繊維)は、重量比で5:95〜95:5が好ましく、より好ましくは10:90〜50:50であり、更に好ましくは15:85〜40:60である。
熱収縮率の大きな捲縮繊維を加えることにより、バネ効果が向上しすぎて支持体の風合いが硬くなったり、応力が大きくなったりする場合には、支持体に、シリコーン油剤で処理された繊維を1〜30重量%程度混綿するとよい。
尚、支持体13における捲縮繊維と非捲縮繊維の配合比率(捲縮繊維:非捲縮繊維)は、重量比で、5:95〜95:5が好ましく、より好ましくは60:40〜95:5であり、更に好ましくは80:20〜95:5である。本発明の皮膚貼付剤を、例えば、含水ゲルシート用途に用いる場合、これに用いる皮膚剤は水分量が多いため、支持体が高いレベルで伸張性を発揮すると、皮膚剤が支持体から剥がれてしまう虞がある。そのため、支持体の伸張性をコントロールすべく、支持体は捲縮繊維と非捲縮繊維から構成されていることが望ましい。
不織布の種類は特に限定されるものではないが、好ましい不織布としては、例えば、ケミカルボンド、サーマルボンド、ウォーターパンチ等の湿式不織布;ケミカルボンド、サーマルボンド、ニードルパンチ、ウォーターパンチ等の乾式不織布;スパンボンド不織布等が挙げられる。衛生面等の観点から乾式不織布を用いることが好ましく、より好ましくはニードルパンチ法、ウォーターパンチ法等の機械的絡合法による乾式不織布である。ニードルパンチ不織布及びスパンレース不織布等は製造が容易であり、適度な柔軟性及び通気性を有している上、バインダー等の樹脂を使用しないため、皮膚に対して刺激の少ない支持体となる。
支持体の製造方法は特に限定されるものではないが、前述したように乾式法により形成されることが望ましい。すなわち、支持体に使用する繊維を計量した後混綿し、その後、カード機を用いてカーディングした後、クロスラッパーによりラッピングするとよい。繊維の結合方法としては、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、ウォーターパンチ法等が例示できるが、中でもニードルパンチ法、ウォーターパンチ法等の機械的絡合法が望ましい。
また支持体の圧密化に伴う50%伸張時応力の増大の問題には、例えば、ニードルパンチ加工、ウォーターパンチ加工等の機械的絡合処理において、繊維の絡合条件を弱くすることが効果的である。繊維を緩く絡合することで、50%伸張時応力を低く調整することが可能となる。ニードルパンチ加工の場合、針の打ち込み本数は、一般的な支持体(用不織布)の打ち込み本数よりも10〜20%程度少なくするとよく、具体的には、30本/cm2以上が好ましく、より好ましくは50本/cm2以上であり、更に好ましくは70本/cm2以上であり、200本/cm2以下が好ましく、より好ましくは170本/cm2以下であり、更に好ましくは150本/cm2以下である。また針深さは3mm以上が好ましく、より好ましくは5mm以上であり、15mm以下が好ましく、より好ましくは12mm以下である。ニードルパンチ加工の針の打ち込み本数が少なかったり、針深さが小さくなった場合、支持体としての強度を維持することが困難となり、結果として、低応力で伸張性の良好な支持体が得られるものの、回復性に劣り、支持体の層間剥離が生じる虞があるため好ましくない。一方、針の打ち込み本数が多かったり、針深さが大きくなると、繊維の絡合が強くなり、支持体を伸張させる際に、より大きな力が必要となってしまい、結果として人の動きに対する皮膚貼付剤の追従性が悪くなる虞がある。
針番手は、通常不織布の製造に使用される38〜42番手を用いればよいが、皮膚剤の染み出しをより低減させるために、番手の異なる2種以上の針を用いて不織布を製造するとよい。具体的には、例えば、ニードルボードの入口側には太い番手を配置し(例えば、40番手)、出口側には細い番手(例えば、42番手)を配置しておけば、太い番手の針で強く繊維間を絡合した後、細い番手の針で支持体の表面状態を整えることができるため、不織布の表面状態がより良好なものとなる。
ニードルパンチ加工は、支持体表面の片面又は両面に行うことができ、皮膚剤の染み出しを抑制する観点から、ニードルパンチ加工は、少なくとも補強層と接合される面に施されていることが望ましい。
一方、ウォーターパンチ加工は、公知の方法で実施することが可能であり、支持体を構成する繊維や、得られる支持体の特性に応じて、適宜実施条件を調整するとよい。例えば、ノズルの口径を0.05〜0.3mm、ノズルのピッチを0.3〜5mm、ノズル孔から噴射される水流の水圧を0.1〜10MPa程度の条件に調整し、支持体の片面又は両面から1〜5回噴出すれば、ノズル孔から噴出される水流によって繊維ウェブの繊維同士を適度に交絡できる。
また本発明では、ニードルパンチ加工とウォーターパンチ加工の両方を実施することも可能である。例えば、水流による交絡を妨げない程度に、繊維ウェブにニードルパンチ加工を施し、軽度に繊維を交絡させて不織布の強度を上げておき、その後ウォーターパンチ加工を実施するとよい。このような方法によれば、予め繊維をニードルパンチ加工で絡合させているので、ウォーターパンチ加工時に不織布にシワが入ることを防止できたり、過度に水流噴射をして不織布が薄くなることを抑制できたり、繊維の交絡数が増加して、後述する熱処理時における捲縮発現の妨げを抑えることができる。
支持体が潜在捲縮繊維を含む場合、上述した方法により不織布を得た後、更に熱処理を施して、捲縮を発現させ、不織布を構成するウェブを収縮させる。捲縮が発現し、ウェブが収縮することで、伸縮性のある支持体が得られる。熱処理温度は、繊維に捲縮を発現できる程度の温度範囲であれば特に限定されず、繊維を構成する樹脂の融点、繊維ウェブの目付や厚さ等に応じて適宜調整するとよいが、熱処理温度が低すぎると、捲縮が十分に発現しない虞があるため、通常は100℃以上が好ましく、より好ましくは110℃以上であり、更に好ましくは130℃以上である。他方、熱処理温度が高過ぎると、捲縮が細かく形成されて不織布の風合いが硬くなると共に、伸縮性が悪くなったり、繊維が溶融することも懸念されるため、熱処理温度は少なくとも、繊維の溶融開始温度よりも低く設定することが望ましく、具体的には、200℃以下が好ましく、より好ましくは190℃以下であり、更に好ましくは180℃以下である。
同様の理由から、熱処理時間は、例えば、5秒以上が好ましく、より好ましくは10秒以上であり、2分以下が好ましく、より好ましくは1分以下である。
本発明で用いる支持体の表面は、支持体の表面を平滑にして補強層を剥離する際の毛羽立ちを抑える目的で、圧密加工されている。圧密加工を施すことにより、外観のよい支持体が得られるため好ましい。圧密加工としては、加熱した金属板で製造した不織布をプレスできる方法であれば特に限定されず、例えば、連続的に圧密加工を実施できることから、1対のロール間に製造した不織布を通し、加熱されている金属ロールで不織布表面をプレスするカレンダー加工が好ましい。不織布を圧密する金属板(金属ロール)は、表面が平滑であることが望ましい。圧密加工は、不織布を形成した後(繊維が潜在捲縮繊維の場合は、熱処理した後)に実施されるものであり、カレンダー加工により、不織布の厚さを調整することも可能である。
金属板(金属ロール)の加熱温度は、支持体を構成する繊維の溶融開始温度よりも低い温度であれば特に限定されないが、例えば、30℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、180℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以下である。加熱温度が前記範囲内であれば、繊維が熱融着することを防止でき、支持体の伸長時応力を低く抑えることが可能となる。またカレンダー加工における加熱ロール間のロール間隔や線圧は、所望の厚さや使用感に応じて適宜調整するとよい。
また支持体の通気量についても特に限定されるものではないが、支持体の通気量が低すぎると、皮膚貼付剤を身体に貼り付けた後、皮膚と支持体の間にムレが生じて使用者に不快感を与えやすくなる。特に熱冷却剤は、皮膚剤に多量に含まれる水分が、支持体を通過して、大気に放出される際の気化熱による冷却効果を利用するものであるが、支持体の通気量が低いと、皮膚剤中に含まれる水分が支持体を通過し難くなり、この結果、所望の冷却効果が発揮されない虞がある。このような観点から、支持体の通気量は、例えば、50cc/cm2・sec以上であることが好ましい。
不織布における方向は、通常、製造工程における不織布の方向に応じて、製造工程における不織布の流れ方向または供給方向を、「縦方向」又は「MD方向」と称し、この方向に直交する方向を、「横方向」又は「CD方向」と称す。一般的に不織布は、「横方向」又は「CD方向」の伸縮性が高い傾向にある。以下では、便宜上、用語「縦方向」及び「横方向」を用いて、不織布の特徴を説明する。
支持体の縦方向の50%伸張時応力は、0.5N/5cm以上が好ましく、より好ましくは1N/5cm以上であり、更に好ましくは2N/5cm以上であり、50N/5cm以下が好ましく、より好ましくは20N/5cm以下であり、更に好ましくは10N/5cm以下である。また支持体の横方向の50%伸張時応力は、0.2N/5cm以上が好ましく、より好ましくは0.3N/5cm以上であり、更に好ましくは0.4N/5cm以上であり、30N/5cm以下が好ましく、より好ましくは15N/5cm以下であり、更に好ましくは5N/5cm以下である。支持体の50%伸張時応力が下限値を下回ると、皮膚貼付剤を身体に貼り付けたときの抵抗感やツッパリ感は少ないが、支持体に皮膚剤や補強層を形成する工程において、支持体の寸法安定性が悪く、不織布形態を維持できなくなる等、加工性の点で劣るため好ましくない。また、支持体の50%伸張時応力が上限値を超えると、皮膚貼付剤を身体に貼り付けたときに、身体への追従性が悪く、使用者に違和感を与える虞があるため好ましくない。
前述したように、不織布の伸縮性は横方向で高い傾向にあり、縦方向と横方向の50%伸張時応力の比率(縦方向/横方向)は、通常1.1〜6であり、より好ましくは2〜5である。
支持体の縦方向の50%伸張時回復率は、25%以上であることが好ましく、より好ましくは35%以上であり、更に好ましくは40%以上である。また支持体の横方向の50%伸張時回復率は、20%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは63%以上である。また上限は特に限定されないが、縦方向及び横方向のいずれも、通常は95%以下であり、85%以下であってもよく、80%以下であってもよい。50%伸張時回復率が前記範囲内であれば、皮膚貼付剤を伸張した後の回復が良好であり、皮膚剤にたるみや皺が生じ難くなるため好ましい。
また前述したように、不織布の伸縮性は横方向で高い傾向にあり、縦方向と横方向の50%伸張時回復率の比率(縦方向/横方向)は、通常0.1〜0.95であり、より好ましくは0.4〜0.8である。
また支持体は、単層の不織布であっても、2枚以上の不織布の積層体であってもよい。支持体を2枚以上の不織布の積層体にする場合には、例えば、特開2012−237073号公報に開示されるような、皮膚剤が浸透しやすい親水性繊維層と、皮膚剤が浸透しにくい撥水性繊維層とが機械的絡合法により絡合されている積層不織布等を使用するとよい。
2.補強層
補強層11としては、皮膚貼付剤10の剛性を保つために、コシのある材料を使用するとよい。補強層11としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びナイロン等の熱可塑性樹脂を原料に含むフィルム、不織布、紙、布及び各種シート状物が挙げられる。前記熱可塑性樹脂は1種のみでも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
補強層の厚さは、例えば、10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、更に好ましくは30μm以上であり、1000μm以下が好ましく、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。補強層の厚さが下限値を下回ると、補強層が薄すぎて皮膚貼付剤に適度な剛性を付与することができず、皮膚貼付剤を貼り付ける際に、合着したり、皺が生じる虞があるため好ましくない。また上限値を超えると、皮膚貼付剤の風合いが硬くなり、身体に貼りにくくなる虞がある。更に、皮膚貼付剤が厚くなることで、包装箱に収容できる皮膚貼付剤の枚数が減少する可能性があり、販売効率の点からも好ましくない。
また補強層と支持体との厚さのバランスの観点から、補強層の厚さは、例えば、支持体の厚さの1%以上が好ましく、より好ましくは5%以上であり、30%以下が好ましく、より好ましくは15%以下であり、更に好ましくは10%以下である。
前記補強層11は、支持体13から剥離できるように剥離強さを調整する。補強層11が支持体13から剥離できれば、皮膚貼付剤10を皮膚と貼り合わせた後に、補強層11のみを剥がすことができる。これにより、皮膚貼付剤10の伸縮性や通気性を維持でき、皮膚貼付剤10使用時に生じる違和感やムレ等の不快感を低減できる。補強層11と支持体13との剥離強さは、皮膚貼付剤10の使用前には、運搬時の振動や包装袋からの取り出し時に剥離することなく、かつ、皮膚貼付剤10を肌へ貼り付けた後には、補強層11のみが手で容易に剥離できる程度であればよい。
補強層の表面は平滑であってもよく、エンボス加工等により補強層の一部又は全面に凹凸が存在していてもよい。補強層の表面を平滑にしておけば、表面に印刷(例えば、文字、模様、着色)を施し易くなる。そのため、図2に示すように、本発明によれば、補強層11を積層することで、従来は利用価値の低かった皮膚貼付剤10の支持体側表面を、広告面として利用したり、皮膚貼付剤10の支持体側表面の意匠性を高めて皮膚貼付剤10の商品価値を高めることが可能となる。更に、ロット番号を印刷しておけば、皮膚貼付剤10の出荷、販売等に係る量を管理しやすくなる。また、万が一、皮膚貼付剤10に不具合があった場合には、追跡調査を速やかに実施できるため、迅速な対応が可能となる。一方、補強層表面に凹凸が存在していれば、凹凸が皮膚貼付剤10を肌に貼り付ける際の滑り止めとして機能するため、皮膚貼付剤10を身体に貼り付け易くなる。また補強層を剥がす際、凹凸が印となるため使用者が補強層を認識しやすくなり、補強層の剥離が容易になる。
本発明者が調査したところによると、補強層を剥がし忘れて皮膚貼付剤の使用を続けた場合、補強層が通気の妨げとなり、着用者にムレ等の不快感を与えることが分かった。また補強層が残ったままでは、支持体の伸縮性が十分に発揮されず、皮膚貼付剤の追従性が悪くなり、場合によっては患部から皮膚貼付剤が剥がれることもあった。特に腰、背中等、使用者が患部を直接視認できない部位では剥がし忘れの問題が顕著になることが想定される。そこで補強層には剥がし忘れ防止加工が施されていることが好ましい。剥がし忘れ防止加工としては、例えば、補強層表面に剥がし忘れの注意書きを印字する印刷加工;補強層を手の感覚のみで認識できるよう補強層に凹凸を付けるエンボス加工;補強層に指を引っ掛け易くするための丸、四角、星型等の穴あけ加工;補強層の端部等を一部切り出す切り込み加工;タック加工;等が挙げられる。
補強層は、単層構造であっても、2層以上の複層構造であってもよい。また、補強層には各種機能加工を施すことができ、例えば、芳香剤、消臭剤等による防臭加工、顔料、染料等による着色加工を施して、更に皮膚貼付剤の商品価値を高めてもよい。
補強層の変更例を、実施態様2〜4に示す。なお補強層の形態は、実施態様1〜4に限られるものではない。
<実施態様2>
図3は、皮膚貼付剤10が、補強層11と支持体13とが固定されていない部分である非固定部21を有する場合の皮膚貼付剤10の一例を示す概略斜視図である。非固定部21を形成することで、非固定部21を補強層11の剥離開始部として利用することができるため、皮膚貼付剤10を皮膚に貼り合わせた後に、補強層11を簡単に剥離することができる。非固定部21の形成位置は特に限定されるものではないが、例えば、皮膚貼付剤10の隅;皮膚貼付剤10の端部;に適宜形成するとよい。また、補強層11を支持体13に比べて長尺にし、補強層11と支持体13との接合面以外の補強層11の余剰部分を非固定部21として利用することもできる。更に、非固定部21は、皮膚貼付剤10の対向する2つの隅;皮膚貼付剤10の両端部;等、皮膚貼付剤10に複数形成することも可能である。
<実施態様3>
図4は、分離可能な2枚の補強層11を有している場合の皮膚貼付剤10の一例を示す概略斜視図である。補強層11が1枚で形成されている場合に比べ、補強層11を個別の複数の層から形成することで、補強層11を剥離するときに、皮膚貼付剤10にかかる応力を低減でき、肌に固定された皮膚貼付剤10を剥離させることなく補強層11を剥離することが可能となる。補強層11は、2枚の補強層11を並べ、それぞれを支持体13上に形成したものであってもよく、1枚の補強層11にカッティングを施して2枚に分離可能な状態で支持体13上に形成していてもよい。補強層11の枚数は2枚に限定されるものではなく、3枚、4枚と、枚数を複数に増やしてもよい。
<実施態様4>
図5には、分離可能な2枚の補強層11を有し、且つ、皮膚貼付剤10が、非固定部21として、補強層11が複数枚重なりあう重なり部22を有する場合の皮膚貼付剤10の一例を示している。図5に示すように、重なり部22を設けることで、重なり部22を補強層11の剥離開始部として利用することができるため、皮膚貼付剤10を皮膚に貼り合わせた後に、補強層11を簡単に剥離することができる。
3.接着層
前記補強層11は、接着層12を介して支持体13に剥離可能に固定されていることが好ましい。補強層11を、支持体13と接着層12を介して固定することにより、皮膚貼付剤10を使用する前に、補強層11が、支持体13から剥がれるという不具合を抑制できる。接着層12としては、補強層11と支持体13を固定できていればよく、接着剤・粘着剤を介した接着層;静電気等の電気的引力を介した接着層;プレス接着、熱接着等の物理的接着層;等の各種接着層が挙げられる。補強層11が、支持体13から簡単に剥がす事ができるよう、これらの接着方法を組み合わせてもよい。例えば、支持体13に、粘着剤を介して補強層11を形成した後、更にプレス接着を行うと、支持体13と補強層11の接着力を高めることができるため好ましい。
接着層の厚さは、1μm以上が好ましく、より好ましくは2μm以上であり、更に好ましくは3μm以上であり、50μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以下であり、更に好ましくは30μm以下である。
所望の剥離強さを達成するには、接着層の接着剤・粘着剤としては、皮膚剤との相性を考慮してポリアクリル酸エステル系樹脂、合成ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などから選定した樹脂を用いるとよい。
4.皮膚剤
皮膚剤には、常温下で薬物を皮膚表面に長時間固定し得るものを採用することが好ましく、皮膚剤を構成する成分としては、外用消炎鎮痛剤、熱冷却剤、脚部・踵用貼付剤、美容用含水ゲルシート等に用いられる汎用の薬剤が選択できる。
皮膚剤には、通常、増粘剤、湿潤剤、水、充填剤、その他必要に応じて、溶解補助剤、吸収促進剤、薬効補助剤、化粧料、安定化剤、乳化剤等が適宜含有される。
前記増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、寒天、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、ペクチン、デンプン等の植物系、ザンサンガム、アカシアガム等の微生物系、ゼラチン、コラーゲン等の動物系等の天然高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース系、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等のデンプン系等の半合成高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタクリレート等のビニル系、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系、その他ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体等の合成高分子等の水溶性高分子;が好適に用いられる。
また前記湿潤剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビタール等の多価アルコール等が挙げられ、充填剤としては、例えば、カオリン、酸化亜鉛、タルク、ベントナイト、珪酸アルミニウム、酸化チタン、メタ珪酸アルミニウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。
薬効補助剤としては、例えば、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、L−メントール、チモール、ハッカ油、リモネン、ノニル酸ワニリルアミド、トウガラシエキス等が挙げられる。溶解補助剤または吸収促進剤としては、例えば、炭酸プロピレン、クロタミトン、ジイソプロピルアジペート等が挙げられる。
上記に加え皮膚剤には、用途に応じて、例えば、パラベン等の保存剤;アニオン性、カチオン性及びノニオン性界面活性剤;塩化アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸塩等の金属アルミニウム架橋剤;ジャコバ油、ヒマシ油等の油;EDTA等のキレート剤;リンゴ酸、酒石酸、ジイソプロピルアミン等のpH調節剤;エタノール等のアルコール;ヒアルロン酸、アロエエキス、ローヤルゼリーエキス、尿素等の保湿剤;その他、香料や色素が添加されていてもよい。
5.皮膚剤保護層
本発明において、皮膚剤保護層15としては、皮膚剤を保護する層であれば特に限定されず、好ましくは熱可塑性樹脂からなるフィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、塩化ビニル等が挙げられる。
6.皮膚貼付剤の製造方法
本発明に係る皮膚貼付剤10の製造方法は、支持体13に補強層11が形成されていれば特に限定されるものではないが、(製法i)支持体13の一方面に補強層11を形成し、その後、支持体13の他方面に皮膚剤14を形成(塗工)する方法、(製法ii)支持体13の一方面に皮膚剤14を形成し、その後、支持体13の他方面に補強層11を形成する方法;等の方法が挙げられる。皮膚貼付剤10の製造が簡便で、且つ、皮膚剤14の衛生面を考慮して、本発明では、製法iに基づいて皮膚貼付剤10を製造することが望ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
上記実施例及び比較例によって得られた皮膚貼付剤の特性測定及び性能評価方法は、以下の通りである。
(1)支持体の目付;JIS L1913の6.2法に準ず
(2)支持体の厚さ;JIS L1913の6.1B法に準ず
(3)支持体の密度;目付/厚さを単位換算する
(4)熱収縮率;ニードルパンチ法により目付60g/m2の不織布を形成し、幅300mm×長さ300mmの試料片を採取する。実温が150℃の恒温槽の中に、縦方向が垂直になるように吊り下げ、40秒間熱処理した後の縦方向の寸法L1(mm)を計測する。
熱収縮率(%)=(300−L1)/300×100
(5)捲縮発現後の捲縮数;170℃×90secの熱処理を施した後、目視にて25mm当たりの捲縮数を計測する。
(6)支持体の50%伸張時応力;支持体試料から幅が50mmで長さが300mmの試験片を採取する。試験片を引張試験機につかみ間隔を200mmで取り付ける。200mm/minの引張速度で100mm引っ張った時点での応力を計測する。
(7)支持体の50%伸張時回復率;支持体試料から幅が50mmで長さが300mmの試験片を採取する。試験片を引張試験機につかみ間隔を200mmで取り付ける。200mm/minの引張速度で100mm引張り、同速で原点まで戻す。このとき試験片の引張応力が0になる原点からの距離をL0(mm)として下記式により50%伸張時回復率を算出する。
50%伸張時回復率(%)=100−L0
(8)皮膚貼付剤各層の剥離強さ;各層の剥離強さとは、A:肌/皮膚剤、B:支持体/補強層、C:皮膚剤/皮膚剤保護層、D:支持体/皮膚剤、E:支持体の層間の5種類を測定する。
皮膚貼付剤試料から幅25mmで長さ100mmの試験片を採取する。試料短辺の一辺から25mmはがし、引張試験機の片方のチャックにそのはがした部分の試験片の片端を固定し、もう片方のチャックにもう片端を固定する。B:肌/皮膚剤の場合は、一方のチャック位置に皮膚貼付剤を貼り付けた肌を合わせる。次に試験機を100mm/minで運転し、引きはがされた50mmの長さの強度の平均値を剥離強度とする。
剥離強さを以下の基準で総合評価した。
○:剥離強さがD>A>B>Cの順に並ぶ
×:剥離強さが上記以外の順に並ぶ
(9)皮膚貼付剤の貼りやすさ;皮膚貼付剤を体に貼り付けたときの貼りやすさを10人の被験者に官能試験を行った。被験者が皮膚貼付剤を、熱冷却剤については額・脇・首、フェイスマスクについては顔に貼り付けたときに、皮膚貼付剤が皺になるか、皮膚剤面で合着するかを目視観察し、皺が発生した人数及び皮膚剤面で合着した人数を数えた。
(10)補強層剥離後の支持体表面平滑性;補強層を剥がしたときの支持体表面の毛羽立ち状態を目視により評価する。
○:補強層が無い従来の皮膚貼付剤の表面と同様に毛羽がない
△:補強層が無い従来の皮膚貼付剤の表面よりやや毛羽が認められる
×:補強層が無い従来の皮膚貼付剤の表面より毛羽立ちが多く認められる
(11)補強層剥離後の支持体表面への接着剤残り;補強層を剥がしたときの支持体表面に接着層の接着剤が残っているかを目視により評価する。
○:接着剤が全く残っていない
△:接着剤がやや残っている
×:接着剤が多く残っている
(12)皮膚貼付剤の使用感;患部へ皮膚貼付剤を貼付した後の、体の動きに対する追従性、ムレ感を官能評価する。
◎:補強層が無い従来の皮膚貼付剤と同様の快適さである
○:補強層が無い従来の皮膚貼付剤よりは劣るが快適に使用できる
○〜◎:上記〇と◎の中間程度の快適さである
×:追従性やムレ感が悪く不快感が生じる
(13)皮膚剤の染み出し;皮膚貼付剤を6枚重ねて袋に梱包し1kgの重りを24時間載せ、1番下にある皮膚貼付剤の支持体表面への染み出しを目視評価する。
◎:染み出しが全く見られない
○:染み出しが見られない
△:染み出しがやや見られる
×:染み出しが見られる
<熱冷却剤>
熱冷却剤について、実施例1〜3比較例1〜3を下記に記載する。
実施例1
繊度2.2dtex、繊維長51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維(繊維ウェブ熱収縮率14%、熱処理後の捲縮数70コ/25mm)90重量%、及び繊度2.2dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維10重量%を混綿した繊維ウェブを積層して、表に示す条件でニードルパンチ加工を施し、160℃に保った熱風循環式乾燥機に40秒通し熱処理を行った。その後、50℃に加熱した鉄製ロール間を通過させてカレンダー加工を施し、熱冷却剤用支持体を得た。支持体の有する各特性を表に示す。
支持体の一方面に、接着層としてアクリル酸エステル系接着剤(厚さ5μm)を塗布し、剥がし忘れ防止の注意書きの印刷と凹凸エンボス加工を表面に施した厚さ60μmのポリエチレンフィルムからなる補強層を積層し、プレス接着を行った。続いて支持体の他方面に皮膚剤(ポリアクリル酸系粘着付与剤、香料、パラベン、エデト酸塩、グリセリン、l−メントール及び色素含む)を形成し、皮膚剤の形成面にポリプロピレンフィルムからなる皮膚剤保護層を形成して熱冷却剤となる皮膚貼付剤を得た。
実施例2
ニードルパンチ加工の針番手を、ニードルボード入口側2/3に40番手、出口側1/3には42番手の順に配置した以外は実施例1と同様に熱冷却剤を製造した。
実施例3
ニードルパンチ加工条件を、目付を70g/m2としたこと以外は実施例2と同様に熱冷却剤を製造した。
比較例1
補強層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様に熱冷却剤を製造した。
比較例2
支持体の厚さを0.4mmにし、接着層の厚さを60μmにしたこと以外は、実施例1と同様に熱冷却剤を製造した。
比較例3
支持体の目付を40g/m2にしたこと以外は実施例2と同様に熱冷却剤を製造した。
実施例1〜3で得られる熱冷却剤は、支持体表面に補強層が設けられているため、熱冷却剤を身体に貼り付けるときに皺や合着が生じず、使い勝手のよいものであった。また支持体表面にはカレンダー加工が施されているため、補強層を剥離する際に毛羽立ちがなく、使用感もよいものであった。特に熱冷却剤用の皮膚剤は特に水分量が多いものの、実施例2では、より細番手の針によってニードルパンチ加工を行っているため、皮膚剤の染み出しを高いレベルで抑制できた。また実施例3では、実施例2に比べて目付を少なくしているが、細番手の針でニードルパンチ加工を行っているため、実施例1と同等の効果を発揮できている。
一方、比較例1の熱冷却剤は、補強層が設けられていないため、熱冷却剤を身体に貼り付ける際に合着が生じている。比較例2の熱冷却剤は、支持体が薄いため皮膚剤の染み出しが確認された。また接着層が厚いため、補強層と支持体間の剥離強さが高く、補強層剥離後に支持体表面に毛羽立ちや接着剤残りが見られた。比較例3の熱冷却剤は、支持体を構成する繊維量が少ないため、皮膚剤の染み出しが確認された。
<フェイスマスク>
フェイスマスクについて、実施例4と比較例4〜5を下記に記載する。
実施例4
繊度2.2dtex、繊維長51mmの潜在捲縮性ポリエステル繊維(繊維ウェブ熱収縮率14%、熱処理後の捲縮数70コ/25mm)100重量%の繊維ウェブを積層して、表に示す条件でニードルパンチ加工を施し、170℃に保った熱風循環式乾燥機に30秒通し熱処理を行った。その後、70℃に加熱した鉄製ロール間を通過させてカレンダー加工を施し、フェイスマスク用支持体を得た。支持体の有する各特性を表に示す。
支持体の一方面に、接着層としてアクリル酸エステル系接着剤(厚さ5μm)を塗布し、剥がし忘れ防止の注意書きの印刷と凹凸エンボス加工を表面に施した厚さ60μmのポリエチレンフィルムからなる補強層を積層し、プレス接着を行った。続いて支持体の他方面に皮膚剤(ポリアクリル酸ナトリウム、グリセリン、ヒマシ油、ローヤルゼリーエキス及び酒石酸を含む)を形成し、皮膚剤の形成面にポリプロピレンフィルムからなる皮膚剤保護層を形成してフェイスマスクとなる皮膚貼付剤を得た。
比較例4
補強層を形成しなかったこと以外は、実施例4と同様にフェイスマスクを製造した。
比較例5
接着層の厚さを0.5μmにしたこと以外は、実施例4と同様にフェイスマスクを製造した。
実施例4で得られるフェイスマスクは、支持体表面に補強層が設けられているため、フェイスマスクを顔に貼り付けるときに皺や合着が生じず、使い勝手のよいものであった。また支持体表面にはカレンダー加工が施されているため、補強層を剥離する際に毛羽立ちがなく、使用感もよいものであった。
一方、比較例4のフェイスマスクは、補強層が設けられていないため、フェイスマスクを顔に貼り付ける際に、皺や合着が生じている。比較例5のフェイスマスクは、接着層が薄いため、支持体/補強層間の剥離強さが、皮膚剤/皮膚剤保護層間よりも小さく、補強層が剥がれやすくなっていた。そのため、フェイスマスクを顔に貼り付ける際に、補強層が容易に剥がれてしまうため、補強層を設けることによる効果が十分に発揮されず、皺や合着が生じた。
本発明に係る皮膚貼付剤10は、皮膚に貼付して使用する各種シート、例えば、パップ剤(基剤に水を含む)、プラスター剤(基剤に水を含まない)等の外用消炎鎮痛剤;熱冷却剤、脚部・踵用貼付剤、ゲル状の美容液を塗布したフェイスマスクや目元シート等の皮膚に貼付する各種含水ゲルシート;等として適宜利用することができる。
10 皮膚貼付剤
11 補強層
12 接着層
13 支持体
14 皮膚剤
15 皮膚剤保護層
21 非固定部
22 重なり部

Claims (6)

  1. 密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下の不織布からなる支持体と、
    該支持体の一方面に保持された皮膚剤と、
    他方面に剥離可能に形成された補強層を有し、
    前記不織布の補強層側表面が平滑化され、
    各層の剥離強さが、支持体と皮膚剤間、肌と皮膚剤間、支持体と補強層間、皮膚剤と皮膚剤保護層間の順に小さくなることを特徴とする皮膚貼付剤。
  2. 前記支持体の目付が50g/m2以上200g/m2以下であり、厚さが0.5mm以上2mm以下である請求項1に記載の皮膚貼付剤。
  3. 前記補強層は、接着層を介して前記支持体に剥離可能に固定されており、
    前記接着層の厚さが1μm以上50μm以下である請求項1又は2に記載の皮膚貼付剤。
  4. 前記補強層の表面に、剥がし忘れ防止加工が施されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚貼付剤。
  5. 前記支持体の補強層側表面が、加熱された金属ロールによるカレンダー加工により平滑化されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚貼付剤。
  6. 含水ゲルシート用途に用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚貼付剤。
JP2014218722A 2014-10-27 2014-10-27 皮膚貼付剤 Pending JP2016084309A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014218722A JP2016084309A (ja) 2014-10-27 2014-10-27 皮膚貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014218722A JP2016084309A (ja) 2014-10-27 2014-10-27 皮膚貼付剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016084309A true JP2016084309A (ja) 2016-05-19

Family

ID=55972440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014218722A Pending JP2016084309A (ja) 2014-10-27 2014-10-27 皮膚貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016084309A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018141250A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 ハビックス株式会社 フェイスマスク用不織布及びその製造方法
JP2020069270A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 凸版印刷株式会社 貼付剤支持体用フィルム、積層体、貼付剤、及び積層体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018141250A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 ハビックス株式会社 フェイスマスク用不織布及びその製造方法
JP2020069270A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 凸版印刷株式会社 貼付剤支持体用フィルム、積層体、貼付剤、及び積層体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6611211B2 (ja) 使い捨て繊維製品用生地の製造方法
TW201238520A (en) Cosmetic-impregnated sheet and its producing method
JP2016084308A (ja) 皮膚貼付剤
WO2016181769A1 (ja) 使い捨ての機能性生地素材及び生地の製造方法
JP2016084309A (ja) 皮膚貼付剤
TW201226199A (en) Laminated nonwoven fabric and manufactured article using the same
JP2018103483A (ja) 使い捨て繊維製品用生地
JP2016098464A (ja) 液体含浸皮膚被覆シート用不織布および液体含浸皮膚被覆シート
JP2017089063A (ja) 液体含浸皮膚被覆シート用不織布および液体含浸皮膚被覆シート
JP6393610B2 (ja) 首かけ用含水ゲル製剤
JP5485495B2 (ja) 貼付剤
JP6351923B2 (ja) 衣料装着用冷却シート
WO2021251213A1 (ja) 不織布、液体含浸シートおよび拭き取りシート
JP6647084B2 (ja) 支持体、支持体の製造方法、及び支持体を用いた皮膚貼付剤
JP2000119129A (ja) 化粧用ゲルシート
JP4536844B2 (ja) シート状パック剤
JP2018118916A (ja) 支持体及び支持体を用いた皮膚貼付剤
JP2002306367A (ja) 身体清浄用シート
CN211213877U (zh) 一种艾草卫生用品
ES2765818T3 (es) Tela para producto textil desechable, y producto textil desechable que usa la misma
JPH082784B2 (ja) 医療用貼付剤
JP2018130133A (ja) 化粧料含浸シートの製造方法
TW201717870A (zh) 拋棄式衣物
JP2023125634A (ja) 顔用シートマスク
JP2018038616A (ja) 加温機能付き使い捨て製品