JP2023125634A - 顔用シートマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】シート状の化粧料を用いて肌に好ましい冷却感を与えるとともに刺激感を抑制する技術を提供する。【解決手段】シート基材に、成分(A):メントール 0.001質量%以上0.008質量%以下、および、成分(B):水を含有する組成物が含浸した、顔用シートマスク。【選択図】なし

Description

本発明は、顔用シートマスクに関する。
シート状の化粧料に関する技術として、特許文献1(特開2004-131388号公報)に記載のものがある。同文献には、飛躍的に冷却感を高め、しかもその冷却感が持続し、かつ美白薬剤の浸透感、美白効果感等を飛躍的に高めた皮膚外用剤を提供することを解決課題とする技術として(段落0005)、乳酸メンチルを0.0001~0.10質量%と、美白剤を含有する、皮膚外用剤を、不織布含浸化粧料(マスク)とすることが記載されている(請求項1、3)。また、同文献においては、冷却感の持続の評価において、マスクを貼付した後、剥がした後の冷却持続感を評価している(段落0030)。
特開2004-131388号公報
本発明者が上記特許文献1に記載の技術について検討したところ、シート状の化粧料の適用時において、好ましい冷却感を得るとともに、刺激感を抑制するという点で改善の余地があることが見出された。
そこで、本発明においては、シート状の化粧料を用いて肌に好ましい冷却感を与えるとともに刺激感を抑制する技術を提供する。
本発明によれば、
シート基材に、次の成分(A)および(B)を含有する組成物が含浸した、顔用シートマスクが提供される。
(A)メントール 0.001質量%以上0.008質量%以下
(B)水
本発明によれば、
次の成分(A)および(B)を含有し、前記本発明における顔用シートマスクの前記組成物として用いられる、水性組成物が提供される。
(A)メントール 0.001質量%以上0.008質量%以下
(B)水
本発明によれば、前記本発明における顔用シートマスクが包装材内に収容されている、包装体が提供される。
また、本発明によれば、
顔の肌に前記本発明における顔用シートマスクを適用することを含む、顔に冷却感を付与する方法が提供される。
本発明によれば、シート状の化粧料を用いて肌に好ましい冷却感を与えるとともに刺激感を抑制する技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、組成物に含まれる各成分はいずれも単独でまたは二種以上を組み合わせて含むことができる。また、本明細書中、数値範囲を表す「~」は、断りがなければ、以上から以下を表し、上限値および下限値をいずれも含む。
(顔用シートマスク)
本実施形態において、顔用シートマスク(以下、単に「シートマスク」とも呼ぶ。)は、具体的には、顔の肌に適用され、また、具体的には、顔への冷却感の付与に用いられる。
シートマスクは、シート基材に、以下の成分(A)および(B)を含有する組成物が含浸したものである。
(A)メントール 0.001質量%以上0.008質量%以下
(B)水
本実施形態においては、特定量の成分(A)を成分(B)とともに含む組成物をシート基材に含浸してシートマスクとすることにより、顔に適用する際の冷却感を好ましいものとしつつ、刺激感を抑制することができる。
以下、各構成をさらに具体的に説明する。はじめに組成物について説明する。
(組成物)
シート基材に含浸する組成物は、具体的には化粧料組成物である。組成物の性状は、シート基材に含浸できるものであればよく、好ましくは25℃において液状である。
また、組成物は、好ましくは水性組成物である。ここで、水性組成物とは、具体的には、水を全組成に対して50質量%以上含む組成物をいう。
(成分(A))
成分(A)は、メントールである。シートマスクを顔の肌に適用した際の好ましい冷却感と刺激感抑制とのバランスを高める観点から、成分(A)は、好ましくはl-メントールである。
組成物中の成分(A)の含有量は、冷却感向上の観点から、組成物全体に対して0.001質量%以上であり、好ましくは0.002質量%以上、より好ましくは0.004質量%以上である。
また、刺激感抑制の観点から、組成物中の成分(A)の含有量は、組成物全体に対して0.008質量%以下であり、好ましくは0.007質量%以下、より好ましくは0.006質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以下である。
(成分(B))
成分(B)は、水である。組成物中の成分(B)の含有量は、たとえば組成物中の成分(B)以外の成分を除いた残部とすることができる。
また、組成物中の成分(B)の含有量は、組成物の溶解性向上の観点から、組成物全体に対して好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらにより好ましくは80質量%以上、殊更好ましくは90質量%以上、殊更好ましくは95質量%以上である。
また、使用感向上の観点から、組成物中の成分(B)の含有量は、組成物全体に対して、99.999質量%以下であり、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは98.5質量%以下、さらに好ましくは98質量%以下である。
また、組成物は、成分(A)および(B)以外の成分を含んでもよい。
(多価アルコール)
組成物は、多価アルコールをさらに含んでもよい。多価アルコールとして、たとえば炭素数2以上8以下の多価アルコールおよびこれらの重合体が挙げられる。
炭素数2以上8以下の多価アルコールとして、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール(1,3-BG)、イソプレングリコール、ソルビトールおよびこれらの重合体からなる群から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
多価アルコールの分子量は、たとえば200以下であり、好ましくは150以下、さらにより好ましくは100以下であり、また、たとえば50以上である。
使用感向上の観点から、多価アルコールは、好ましくはグリセリン、1,3-ブチレングリコールおよびジプロピレングリコールからなる群から選ばれる一または二以上の化合物を含み、より好ましくは1,3-ブチレングリコールを含む。
組成物中の多価アルコールの含有量は、刺激感の抑制効果向上の観点から、組成物全体に対して好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上、さらにより好ましくは1.5質量%以上、殊更好ましくは1.8質量%以上である。
また、べたつき抑制の観点から、組成物中の多価アルコールの含有量は、組成物全体に対して好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下、殊更好ましくは3質量%以下である。
(メントール誘導体)
組成物は、メントール誘導体をさらに含んでもよい。
メントール誘導体として、たとえば、メンチルアセテート、乳酸メンチル、l-メンチルグリセリルエーテル、メンチルピロリドンカルボン酸からなる群から選択される一または二以上の化合物が挙げられる。
使用感向上の観点から、メントール誘導体は、好ましくは乳酸メンチルである。
組成物がメントール誘導体を含むとき、組成物中のメントール誘導体の含有量は、冷却感向上の観点から、0.0003質量%以上であり、より好ましくは0.0005質量%以上、さらに好ましくは0.0008質量%以上である。
また、刺激感の抑制の観点から、組成物中のメントール誘導体の含有量は、組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以下、さらに好ましくは0.003質量%以下、さらにより好ましくは0.002質量%以下である。
また、メントール誘導体に対するメントールすなわち成分(A)の質量割合(成分(A)/メントール誘導体)は、0.5以上であることが、マスクを顔に付けてすぐの冷却感と冷却感の持続の観点で好ましい。
また、刺激感抑制の観点から、上記質量割合(成分(A)/メントール誘導体)は、好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下、さらに好ましくは4以下である。
また、組成物は、上述した成分以外の成分を含んでもよい。
たとえば、組成物には、上述した成分の他に、通常の化粧水に用いられる成分、たとえば塩類、香料、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ビタミン、金属キレート剤、皮脂抑制剤、粉体、収斂剤、皮膚柔軟剤、界面活性剤、油剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して含ませることができる。
これらの成分のうち、界面活性剤は、たとえば有効成分の可溶化剤として使用することができる。界面活性剤として、具体的には、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および陽イオン性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセリルトリイソステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリグリセリンアルキルエーテル;ポリグリセリン脂肪酸エステル;およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;アルキル硫酸塩;アルキルリン酸塩;および脂肪酸塩等からなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。
両性界面活性剤としては、たとえば、アルキルベタインおよびアルキルアミドベタインからなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、たとえば、ジ長鎖アルキル四級アンモニウム塩、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキルポリオキシエチレン四級アンモニウム塩、ビス(ヒドロキシアルキル)四級アンモニウム塩、および、アミド/エステル結合を有する四級アンモニウム塩からなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。ここで、上記長鎖アルキルにおける炭素数は、具体的には8以上であり、また、たとえば26以下であってもよい。
組成物が界面活性剤を含むとき、組成物中の界面活性剤の含有量は、全組成に対してたとえば0質量%超であり、好ましくは0.05質量%以上であり、また、たとえば10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下である。
次に、シート基材について説明する。
(シート基材)
本実施形態において、シートマスクを構成するシート基材は、限定されず、組成物を含浸可能なシート状の支持体である。シート基材としては、織布または不織布が好ましい。シート基材は、積層体(すなわち、積層シート)であってもよく、たとえば、織布の積層体、不織布の積層体、織布と不織布の積層体などであってもよい。
シート基材は、使用感の向上、加工のし易さ等の観点から、不織布を含むシート基材であることが好ましく、より好ましくは不織布である。上記不織布としては、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布などが挙げられる。
織布や不織布を構成する繊維としては、限定されず、たとえば、天然繊維、合成繊維、半天然繊維などが挙げられる。
また、上記繊維の材料として、たとえば、リヨセル、キュプラ、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、コットン、パルプおよびこれらを混綿したものが挙げられる。他の例として、パルプ、レーヨンおよびコットンの少なくとも1つが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂で強化されたシート等が挙げられる。
シート基材は、保液性向上の観点から、好ましくは親水性繊維を含む不織布であり、より好ましくは親水性繊維により構成された不織布である。
同様の観点から、シート基材が親水性繊維および疎水性繊維を含む不織布であるとき、不織布における親水性繊維の含有量に対する疎水性繊維の含有量の質量比(疎水性繊維/親水性繊維)は、好ましくは0/100~30/70である。
親水性繊維の材料として、コットン、パルプ、麻、レーヨンなどが挙げられる。これらのうち、価格が安価であり、市場での入手性が良く、かつ肌への密着性が良好で肌あたりの良さを向上させる観点、および、不織布に組成物を含浸させた際に好ましいハリ感を得る観点から、親水性繊維の材料は、コットン、パルプおよびレーヨンからなる群から選択される一種または二種以上を含み、より好ましくはコットンおよびレーヨンからなる群から選択される一種または二種を含み、さらに好ましくはコットンを含み、さらにより好ましくはコットンである。
不織布中の親水性繊維の含有量は、肌の潤い感を向上する観点から、不織布全体に対して好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらにより好ましくは95質量%以上である。
不織布中の親水性繊維の含有量は、不織布全体に対して具体的には100質量%以下であり、また、たとえば99質量%以下であってもよい。
疎水性繊維の材料として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリアクリルニトリル;ポリビニルアルコール;ポリウレタン繊維等の合成繊維が挙げられる。
不織布の強度向上の観点から、疎水性繊維は好ましくはポリオレフィンを含み、より好ましくはPEおよびPPの少なくとも一方を含み、さらに好ましくはPEおよびPPを含む。
不織布中の疎水性繊維の含有量は、不織布全体に対して具体的には0質量%以上であり、シートマスクに好ましいハリ感を付与する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。
肌の潤い感を向上する観点から、不織布中の疎水性繊維の含有量は、不織布全体に対して好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下である。
また、シート基材には、エンボス加工処理が施されていてもよい。エンボス加工処理としては、限定されず、たとえば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式などが挙げられる。
シート基材は、織布や不織布等の種類に応じて、公知の製造方法により製造することができる。また、シート基材には市販品を用いることもできる。シート基材の市販品の具体例として、ユニチカ社製「コットエース CO80S/A02」;ユニチカ社製「コットエース CO50S/A06」;ユニチカ社製「コットエース CO100S/A01」;ユニチカ社製「エスコットCO80R/A02」;大和紡績社製「PT-50」などが挙げられる。
シート基材の坪量(目付)は、保液性向上の観点から、好ましくは50g/m2であり、より好ましくは60g/m2以上、さらに好ましくは70g/m2以上である。
また、貼りつき性向上の観点から、シート基材の坪量(目付)は、好ましくは120g/m2以下であり、より好ましくは110g/m2以下、さらに好ましくは90g/m2以下である。
なお、シート基材の目付は、JIS L 1913に準拠し、不織布を一定面積の寸法に切り出してその質量(g)を測定し、これを1m2の質量に換算して求めることができる。
シート基材の厚さは、シートの肌ざわり向上の観点および液だれ抑制の観点から、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上である。
シートの肌ざわり向上の観点および液だれ抑制の観点から、シート基材の厚さは、好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは0.7mm以下である。
ここで、シート基材の厚さは、押圧20gf/cm2荷重のダイアルゲージによる測定により得られる。
次に、シートマスクの製造方法を説明する。
シートマスクの製造方法は、たとえば、組成物を準備する工程と、シート基材を準備する工程と、組成物をシート基材に含浸させる工程と、を含む。
組成物を準備する工程においては、たとえば、以下の手順で組成物を調製することができる。すなわち、水相に固形成分を添加し加熱溶解する。溶解後冷却し、他の成分を添加、攪拌し、均一溶解し、組成物を得る。
組成物を含浸させる工程においては、たとえば、アルミパウチ等の容器内でシート基材を組成物に浸漬することができる。
組成物の含浸率は、肌への密着性向上の観点から、シート基材の質量に対して好ましくは500質量%以上であり、より好ましくは550質量%以上、さらに好ましくは600質量%以上、さらにより好ましくは650質量%以上である。
また、シート基材からの液だれ抑制の観点から、組成物の含浸率は、シート基材の質量に対して好ましくは1000質量%以下であり、より好ましくは900質量%以下、さらに好ましくは800質量%以下、さらにより好ましくは750質量%以下である。
(包装体)
本実施形態において、包装体は、たとえば本実施形態におけるシートマスクが包装材に収容されているものであり、好ましくは密封されたものである。
包装体の材料に制限はなく、たとえばアルミシート(アルミ箔)やシリカ蒸着フィルム等のバリア層を挟んでその表裏両面をたとえばポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等により構成された合成樹脂フィルム層で覆った積層フィルム等とすることができる。
また、包装体の形状に制限はなく、たとえばピロー袋、ガゼット袋、パウチ、箱、ボトル、ジャー、トレー容器等とすることができる。
1つの包装材内に、1枚のシートマスクが収容されていてもよいし、2枚以上のシートマスクが収容されていてもよい。
シートマスクは、たとえば折りたたんだ状態または巻いた状態で収納される。
次に、シートマスクの使用方法を説明する。シートマスクの使用方法は、たとえば、顔の肌にシートマスクを適用することを含み、さらに具体的には、顔の肌にシートマスクを貼着することを含む。
シートマスクの適用部位は、顔の肌であればよく、たとえば、目の周り、額、頬が挙げられ、これのうち少なくとも一つを覆うことができる。
本実施形態におけるシートマスクを用いることにより、たとえば、顔の肌に好ましい冷却感を付与しつつ、肌への刺激感を好適に抑制することができる。
また、本実施形態におけるシートマスクを用いることにより、たとえば、シートマスク適用時における、顔の肌への冷却感の付与、冷却感の持続性、刺激感の抑制、および、シートの密着感のバランスを向上することも可能となる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1~14、比較例1および2)
表1および表2に示す配合で各例の組成物を調製し、これをシート基材に含浸させて、各例のシートマスクを得た。
表1および表2において、各成分の量はアクティブ量(単位:質量%)である。
(組成物の調製方法)
1,3-BGにメントール(および乳酸メンチル)を添加し、攪拌し、均一溶解した。そこに、精製水を添加、攪拌し、均一溶解し、各例の組成物を得た。
(シートマスクの製造方法)
アルミパウチ内で、表1および表2に記載の各例の不織布(シート基材)に、各例で得られた組成物を浸漬して組成物をまんべんなくしみこませた後、組成物をなじませてシートマスクを得た。組成物の含浸率を表1および表2に示す。
また、各例で用いた不織布は以下のとおりである。
不織布1:コットエースCO80S/A02、ユニチカ社製、コットン100%、坪量80g/m2、厚さ0.42mm
不織布2:コットエースCO50S/A06、ユニチカ社製、コットン/レーヨン=70/30、坪量50g/m2、厚さ0.39mm
不織布3:コットエースCO100S/A01、ユニチカ社製、コットン/レーヨン=70/30、坪量120g/m2、厚さ0.51mm
不織布4:エスコットCO80R/A02、ユニチカ社製、コットン/レーヨン=70/30、坪量80g/m2、厚さ0.40mm
不織布5:PT-50、大和紡績社製、レーヨン/PP・PE=80/20、坪量50g/m2、厚さ0.36mm
(評価方法)
シートマスクを頬全体に15分間貼りつけた。シートマスクを貼り付けた状態で、「冷却感(頬)」、「冷却感の持続」、「刺激感の抑制」および「シートの密着感」につき、以下の基準で官能評価した。なお、「冷却感(頬)」は、シートマスクを顔に貼り付けてからすぐに評価した。「刺激感の抑制」は、シートマスクを顔に貼り付けてから15分後(シートマスクを顔から剥がす直前)に評価した。「刺激感の抑制」は、シートマスクを顔に貼り付けてから5分後に評価した(これは、メントールの刺激感を強く感じるのが貼り付けてから5分前後であるという知見に基づく。)。評価値は2名の専門パネラーの平均値で示す。各項目について、評価値2.5点以上を合格とした。
(冷却感(頬))
1:感じない
2:少し感じる
3:感じる
4:やや強く感じる
5:強く感じる
(冷却感の持続)
1:持続しない
2:少し持続する
3:持続する
4:ややしっかり持続する
5:しっかり持続する
(刺激感の抑制)
1:強く刺激感を感じる
2:やや強く刺激感を感じる
3:ほとんど刺激感を感じない
4:刺激感を感じない
5:全く刺激感を感じない
(シートの密着感)
1:密着しない
2:やや密着しない
3:密着する
4:ややしっかり密着する
5:しっかり密着する
Figure 2023125634000001
Figure 2023125634000002
表1および表2より、各実施例においては、シートマスク適用時における、顔の肌への冷却感の付与、冷却感の持続性、刺激感の抑制、および、シートの密着感の各効果のバランスに優れていた。

Claims (6)

  1. シート基材に、次の成分(A)および(B)を含有する組成物が含浸した、顔用シートマスク。
    (A)メントール 0.001質量%以上0.008質量%以下
    (B)水
  2. 前記シート基材が、親水性繊維および疎水性繊維を含む不織布であり、
    前記不織布における前記親水性繊維の含有量に対する前記疎水性繊維の含有量の質量比(疎水性繊維/親水性繊維)が0/100~30/70である、請求項1に記載の顔用シートマスク。
  3. 前記シート基材の坪量が、50g/m2以上120g/m2以下である、請求項1または2に記載の顔用シートマスク。
  4. 前記シート基材への前記組成物の含浸率が、500質量%以上1000質量%以下である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の顔用シートマスク。
  5. 顔への冷却感の付与用である、請求項1乃至4いずれか一項に記載の顔用シートマスク。
  6. 次の成分(A)および(B)を含有し、請求項1乃至5いずれか一項に記載の顔用シートマスクの前記組成物として用いられる、水性組成物。
    (A)メントール 0.001質量%以上0.008質量%以下
    (B)水
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