JP2019059696A - シート化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布後のうるおいの持続感と油性感を優れるものとしながらも、べたつきやぬるつきを抑えることが可能であり、且つ保存安定性にも優れるシート化粧料を提供する。【解決手段】シート基材と、前記シート基材に含浸された乳化組成物とを含み、前記乳化組成物は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、前記乳化組成物100質量%中の、前記成分(A)の含有量が0.1〜0.5質量%、前記成分(B)の含有量が0.1〜1.2質量%である、シート化粧料。成分(A):アルキル変性カルボキシビニルポリマー成分(B):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル成分(C):油剤成分(D):水【選択図】なし
Description
本発明は、シート化粧料に関する。
顔用のシート化粧料(所謂フェイスマスク、シートマスク等)は、例えば、顔の形に適合するよう成型されたシート基材に、保湿、肌荒れ改善、及び美白等の機能を有する化粧水、乳液、又は美容液等の化粧料組成物を含浸させたものがあり、各社から多様な製品が発売されている。
シート化粧料として、乳化組成物をシート基材に含浸させたものが知られている。上記乳化組成物を含浸させたシート化粧料は、乳化組成物中の水相に由来したうるおい感を与え、油相に由来した油性感(油分が被膜を形成しているような感覚)を与えることを目的として使用される。
上記シート化粧料に用いる乳化組成物としては、一般に、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)法により得られる乳化組成物が用いられている。上記HLB法では、油相の所要HLBと同じHLB値を持つ乳化剤を選択することで、所望の乳化状態を得ることができる。上記HLB法による乳化組成物は、乳化剤の親水性が大きいと水中油型(O/W型)の乳化となり、親油性が大きいと油中水型(W/O)型の乳化となる。
例えば、上記HLB法による乳化技術を用いた乳化組成物を含浸させたシート化粧料として、特許文献1では、乳化剤として、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)と他の成分とを組み合わせ、乳化させて製した組成物を含浸させたO/W型シート状パックが開示されている。
また、特許文献2では、乳化剤として大豆リン脂質及びセスキオレイン酸ソルビタンを用い、他の成分と組み合わせ、乳化させて製したO/W型の乳化組成物を含浸させたシート状マスクが記載されている。
一般に、上記HLB法によるO/W型乳化組成物は、乳化安定性を高めるために、油分量に対応した乳化剤を配合し、水相中のミセルの強度がある程度高くなるように設計される。しかし、このようなO/W型乳化組成物は、ミセルが崩れにくいため、肌に塗布する際にミセル内部から油分が放出されにくい。このため、乳化組成物を含浸させたシート化粧料は、油性感やうるおいの持続感に乏しいという現状があった。
したがって、本発明の目的は、塗布後のうるおいの持続感と油性感を優れるものとしながらも、べたつきやぬるつきを抑えることが可能であり、且つ保存安定性にも優れるシート化粧料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、シート基材と、上記シート基材に含浸された乳化組成物とを含み、上記乳化組成物は、成分(A):アルキル変性カルボキシビニルポリマー、成分(B):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、成分(C):油剤、及び成分(D):水を含有し、上記乳化組成物100質量%中の、上記成分(A)の含有量及び上記成分(B)の含有量が、それぞれ特定の範囲内であるシート化粧料とすることにより、塗布後のうるおいの持続感と油性感を優れるものとしながらも、べたつきやぬるつきを抑えることが可能であり、且つ保存安定性にも優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、シート基材と、上記シート基材に含浸された乳化組成物とを含み、上記乳化組成物は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、上記乳化組成物100質量%中の、上記成分(A)の含有量が0.1〜0.5質量%、上記成分(B)の含有量が0.1〜1.2質量%である、シート化粧料を提供する。
成分(A):アルキル変性カルボキシビニルポリマー
成分(B):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(C):油剤
成分(D):水
成分(A):アルキル変性カルボキシビニルポリマー
成分(B):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(C):油剤
成分(D):水
上記乳化組成物がHLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤を含まないか、上記乳化組成物100質量%中の、HLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤の含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。
上記乳化組成物100質量%中の、IOB値が0.1以上の油剤の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましい。
上記シート基材は、不織布を含むことが好ましい。
本発明のシート化粧料は、塗布後のうるおいの持続感と油性感に優るものとしれながらも、べたつきやぬるつきを抑えることが可能であり、且つ保存安定性にも優れる。
本発明のシート化粧料は、シート基材と、上記シート基材に含浸された乳化組成物とを含む。本明細書においては、本発明のシート化粧料を構成する上記乳化組成物を「本発明の乳化組成物」と称する場合がある。本発明のシート化粧料は、上記シート基材及び上記シート基材に含浸された上記乳化組成物以外の構成成分を含んでいてもよい。
<乳化組成物>
本発明の乳化組成物は、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、油剤、並びに水を必須成分として含む。また、本発明の乳化組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。本発明の乳化組成物は、上記シート基材に含浸されて用いられる所謂含浸液である。なお、本明細書においては、上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーを「成分(A)」と称する場合がある。また、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを「成分(B)」と称する場合がある。また、上記油剤を「成分(C)」と称する場合がある。また、上記水を「成分(D)」と称する場合がある。
本発明の乳化組成物は、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル、油剤、並びに水を必須成分として含む。また、本発明の乳化組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。本発明の乳化組成物は、上記シート基材に含浸されて用いられる所謂含浸液である。なお、本明細書においては、上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーを「成分(A)」と称する場合がある。また、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルを「成分(B)」と称する場合がある。また、上記油剤を「成分(C)」と称する場合がある。また、上記水を「成分(D)」と称する場合がある。
本発明の乳化組成物に含まれ得る各成分、すなわち、上記成分(A)、上記成分(B)、上記成分(C)、上記成分(D)、及び上記成分(A)〜(D)以外の成分等の各成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(成分(A):アルキル変性カルボキシビニルポリマー)
上記成分(A)は、アルキル変性カルボキシビニルポリマーである。上記成分(A)は、主として、増粘しつつ、高分子乳化剤としての機能を発揮する。成分(A)を用いることにより、疎水性であるアルキル部分が油滴に溶解し、同時に親水基であるポリカルボン酸部分が油滴の周囲に水和ゲルを形成することで、油滴の合一を防ぐことにより、比較的大きな油滴の状態でも、乳化状態を安定化することができる。これにより、高い強度のミセルを形成するHLB乳化の場合と異なり、乳化組成物の塗布時に、上記水和ゲルが塗布圧力によりつぶされやすくなり、油を効率的に放出するため、優れた油性感を与えることができる。上記成分(A)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記成分(A)は、アルキル変性カルボキシビニルポリマーである。上記成分(A)は、主として、増粘しつつ、高分子乳化剤としての機能を発揮する。成分(A)を用いることにより、疎水性であるアルキル部分が油滴に溶解し、同時に親水基であるポリカルボン酸部分が油滴の周囲に水和ゲルを形成することで、油滴の合一を防ぐことにより、比較的大きな油滴の状態でも、乳化状態を安定化することができる。これにより、高い強度のミセルを形成するHLB乳化の場合と異なり、乳化組成物の塗布時に、上記水和ゲルが塗布圧力によりつぶされやすくなり、油を効率的に放出するため、優れた油性感を与えることができる。上記成分(A)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記アルキル変性カルボキシビニルポリマーとは主としてアクリル酸とメタクリル酸アルキル(例えば、総炭素数が10〜30(C10〜C30))の共重合体である。上記成分(A)としては、特に限定されないが、INCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredient)名で「ACRYLATES/C10−30 ALKYL ACRYLATE CROSSPOLYMER((アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー)」と表記される化合物が挙げられる。なお、成分(A)は、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体とも称される。
上記成分(A)の市販品としては、例えば、商品名「PEMULEN TR−1」、商品名「PEMULEN TR−2」、商品名「カーボポールETD 2020」、商品名「カーボポールULTREZ 20」、商品名「カーボポールULTREZ 21」(以上、日本ルーブリゾール株式会社製)等が挙げられる。
本発明の乳化組成物100質量%中の上記成分(A)の含有量は、0.1〜0.5質量%であり、好ましくは0.15〜0.3質量%である。上記含有量が0.1質量%以上であることにより、油分を効率的に放出する効果を維持しながら乳化安定性を高めることができる。上記含有量が0.5質量%以下であることにより、成分(A)に起因するべたつきやぬるつきの発生を抑えることができる。上記成分(A)の含有量は、本発明の乳化組成物中の全ての成分(A)の合計の含有量である。
(成分(B):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル)
上記成分(B)は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであり、すなわち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうちの、両方又はいずれか一方である。上記成分(B)は、ノニオン性界面活性剤であり、成分(A)と組み合わせて用いることにより、油滴の界面に配向して乳化安定性を高め、系の保存安定性を高める効果を有する。すなわち、乳化の際の油滴の粒子径を調整し、油滴の合一化を制御する働きを有する。上記成分(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記成分(B)は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルであり、すなわち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうちの、両方又はいずれか一方である。上記成分(B)は、ノニオン性界面活性剤であり、成分(A)と組み合わせて用いることにより、油滴の界面に配向して乳化安定性を高め、系の保存安定性を高める効果を有する。すなわち、乳化の際の油滴の粒子径を調整し、油滴の合一化を制御する働きを有する。上記成分(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記成分(B)のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、特に限定されないが、乳化安定性の観点から、12.0以上(例えば、12.0〜20.0)が好ましい。
上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおけるオキシエチレンの平均付加モル数は、特に限定されないが、6〜30が好ましく、より好ましくは15〜25である。また、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるグリセリンの平均重合度は、特に限定されないが、6〜15が好ましく、より好ましくは6〜10である。また、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸等が挙げられる。
上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6E.O.)(HLB値13.3)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB値14.9)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB値15.6)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)(HLB値15.0)等が挙げられる。上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ラウリン酸ポリグリセリル−6(HLB値14.5)、ラウリン酸ポリグリセリル−10(HLB値15.5)、ミリスチン酸ポリグリセリル−10(HLB値14.0)、ステアリン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−10(HLB値12.0)、オレイン酸ポリグリセリル−10(HLB値12.0)、リノール酸ポリグリセリル−10(HLB値12.0)等が挙げられる。上記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の乳化組成物100質量%中の上記成分(B)の含有量は、0.1〜1.2質量%であり、好ましくは0.2〜1.0質量%、より好ましくは0.2〜0.6質量%である。上記含有量が0.1質量%以上であることにより、本発明の乳化組成物中の油分の分離を抑制し、保存安定性に優れる。上記含有量が1.2質量%以下であることにより、成分(B)に起因するべたつきやぬるつきを抑え、使用感を向上させる。上記成分(B)の含有量は、本発明の乳化組成物中の全ての成分(B)の合計の含有量である。
(成分(C):油剤)
上記成分(C)は、油剤である。上記成分(C)は、主として乳化系を形成する油分である。上記成分(C)は、特に限定されないが、例えば、油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル油、シリコーン油等が挙げられる。上記成分(C)は、油性感を与えるとともに、うるおいの持続感を得る効果を発揮する。上記成分(C)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記成分(C)は、油剤である。上記成分(C)は、主として乳化系を形成する油分である。上記成分(C)は、特に限定されないが、例えば、油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル油、シリコーン油等が挙げられる。上記成分(C)は、油性感を与えるとともに、うるおいの持続感を得る効果を発揮する。上記成分(C)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記成分(C)としては、具体的には、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、ヤシ油、シア脂、ローズヒップ油、ホホバ油、椿油、ミンク油等の油脂;カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ、鯨ロウ、ラノリン等のロウ;セレシン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン末、ポリエチレンワックス、ワセリン、スクワラン等の炭化水素油;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール;オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル油;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等のシリコーン油等が挙げられる。
中でも、本発明のシート化粧料の油性感を向上させ、さらにうるおいの持続感をより向上させる観点から、上記成分(C)としてはIOB(Inorganic Organic Balance)値が0.1以上の油剤(所謂、極性油)を少なくとも含むことが好ましい。上記油剤のIOB値は、特に限定されないが、0.7以下であることが好ましい。また、上記極性油は乳化安定性に劣る傾向があるが、本発明のシート化粧料は成分(A)及び成分(B)と組み合わせて用いることにより、極性油を用いた場合であっても乳化安定性に優れ、保存安定性に優れる。
上記IOB値が0.1以上の油剤としては、例えば、シア脂、ヤシ油、ローズヒップ油、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、オレイン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ステアリン酸ジペンタエリスリチル、ロジン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット等が挙げられる。
本発明の乳化組成物100質量%中の上記成分(C)の含有量は、特に限定されないが、3.0〜20.0質量%であることが好ましく、より好ましくは5.0〜15.0質量%である。上記含有量が3.0質量%以上であると、油性感を与え、うるおいの持続感を得る効果により優れる。上記含有量が20.0質量%以下であると、成分(C)に起因するべたつきやぬるつきを抑制することができる。上記成分(C)の含有量は、本発明の乳化組成物中の全ての成分(C)の合計の含有量である。
本発明の乳化組成物100質量%中の、上記成分(C)に含まれるIOB値が0.1以上の油剤の含有量は、特に限定されないが、0.5質量%以上(例えば0.5〜20質量%)であることが好ましい。
(成分(D):水)
上記成分(D)である水としては、特に限定されないが、精製水が好ましい。本発明の乳化化粧料100質量%中の上記成分(D)の含有量は、みずみずしい感触とうるおいを与え、乳化安定性を高める観点から、好ましくは50.0質量%以上、より好ましくは60.0質量%以上であり、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは85.0質量%以下である。
上記成分(D)である水としては、特に限定されないが、精製水が好ましい。本発明の乳化化粧料100質量%中の上記成分(D)の含有量は、みずみずしい感触とうるおいを与え、乳化安定性を高める観点から、好ましくは50.0質量%以上、より好ましくは60.0質量%以上であり、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは85.0質量%以下である。
本発明の乳化組成物中には、HLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤を含まないか、含む場合であっても少量であることが好ましい。本発明の乳化組成物100質量%中の上記HLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤の含有量は、0.1質量%以下(すなわち、0〜0.1質量%)、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.001質量%以下である。上記HLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤の含有量が0.1質量%を超えると、乳化組成物中で形成されるミセルの強度が高くなりすぎ、油分が効率的に放出されて皮膜を形成しているように感じられる油性感(特徴的な油性感)が低下する場合がある。
(その他の成分)
本発明の乳化組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記成分(A)〜(D)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤、シリカ等の粉体、低級アルコール、多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、香料、着色剤、キレート剤、清涼剤、増粘剤、植物抽出液、ビタミン類、中和剤、アミノ酸、pH調整剤、美白剤、抗炎症剤、殺菌剤、制汗剤、消臭剤等が挙げられる。
本発明の乳化組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記成分(A)〜(D)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、紫外線吸収剤、シリカ等の粉体、低級アルコール、多価アルコール、酸化防止剤、防腐剤、香料、着色剤、キレート剤、清涼剤、増粘剤、植物抽出液、ビタミン類、中和剤、アミノ酸、pH調整剤、美白剤、抗炎症剤、殺菌剤、制汗剤、消臭剤等が挙げられる。
中でも、本発明の乳化組成物の乳化安定性を一層向上させ、さらに保湿感を与える観点から、上記多価アルコールを配合することが好ましい。上記多価アルコールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール等のグリコール化合物;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン化合物;キシリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ガラクチトール、グルシトール等の糖アルコール等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、乳化安定性に優れ、保湿感を向上させることができるという観点から、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビトールが好ましい。
本発明の乳化組成物100質量%中の上記多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、3.0〜25.0質量%が好ましく、より好ましくは5.0〜20.0質量%である。上記含有量が上記範囲内であることにより、乳化安定性に寄与するとともに、保湿感を与える効果を発揮する。上記多価アルコールの含有量は、本発明の乳化組成物中の全ての上記多価アルコールの合計の含有量である。
本発明の乳化組成物は、常法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、公知の方法、具体的には、ホモミキサー等で攪拌し、乳化する方法が挙げられる。
<シート基材>
本発明のシート化粧料におけるシート基材は、本発明の乳化組成物を含浸可能なシート状の支持体である。
本発明のシート化粧料におけるシート基材は、本発明の乳化組成物を含浸可能なシート状の支持体である。
上記シート基材としては、特に限定されないが、例えば、紙、織布、及び不織布が挙げられる。上記シート基材は、積層体(すなわち、積層シート)であってもよく、例えば、織布の積層体、不織布の積層体、織布と不織布の積層体等であってもよい。上記シート基材は、使用感、加工のし易さ等の観点から、不織布を含むシート基材であることが好ましく、より好ましくは不織布である。上記不織布としては、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スティッチボンド不織布等が挙げられる。
上記織布や不織布を構成する繊維としては、特に限定されないが、例えば、天然繊維、合成繊維、半天然繊維等が挙げられる。上記天然繊維としては、綿、パルプ、シルク、セルロース、麻、リンター、カポック等が挙げられる。上記合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等)、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等)等が挙げられる。上記半天然繊維としては、レーヨン、アセテート等が挙げられる。上記繊維は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、2種以上の上記繊維からなる混紡繊維を用いてもよい。
上記シート基材には、エンボス加工処理を施してもよい。上記エンボス加工処理として
は、特に限定されないが、例えば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式等が挙げられる。
は、特に限定されないが、例えば、裏面を押し上げて浮かす(したがって裏面は凹む)方式や、表面に特殊なインクを付着することで凸部を形成する(裏面は凹まない)方式等が挙げられる。
上記シート基材の目付は、特に限定されないが、皮膚への密着性の観点から、20〜100g/m2が好ましく、より好ましくは25〜80g/m2である。
上記シート基材は、織布や不織布等の種類に応じて、公知乃至慣用の製造方法により製造することができる。また、上記シート基材は市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「RH」、商品名「AS」(以上、ダイワボウポリテック株式会社製)、商品名「TCF」(フタムラ化学株式会社製)、商品名「コットエース」(ユニチカ株式会社製)、商品名「クラフレックス」(株式会社クラレ製)、商品名「ベンリーゼ」(旭化成株式会社製)、商品名「サンモア」(三昭紙業株式会社製)等が挙げられる。
<シート化粧料>
本発明のシート化粧料における、上記シート基材に対する含浸された本発明の乳化化粧料の質量割合は、特に限定されないが、シートの濡れ性及び密着性の観点から、上記シート基材1.0質量部に対して、5.0〜25.0質量部が好ましく、より好ましくは1.0〜20.0質量部である。
本発明のシート化粧料における、上記シート基材に対する含浸された本発明の乳化化粧料の質量割合は、特に限定されないが、シートの濡れ性及び密着性の観点から、上記シート基材1.0質量部に対して、5.0〜25.0質量部が好ましく、より好ましくは1.0〜20.0質量部である。
本発明のシート化粧料の形状はシート状である。シートの平面形状は、特に限定されないが、例えば、四角形(例えば、正方形、長方形等)、三角形等の多角形;円形、楕円形、半円形;三日月形;樽形;鼓形等が挙げられる。本発明のシート化粧料には、切れ込み部、くり抜き部、凹凸部等の成型が施されていてもよい。特に、本発明のシート化粧料が顔用のシート化粧料である場合、上記シート化粧料は、目、鼻、口に相当する部位に切れ込み又はくり抜き部が設けられた略円形又は略楕円形ものであってもよい。
本発明のシート化粧料は、乾燥防止、外出時の携帯性、使用時の取り扱い性等の観点から、包装容器に収納されていることが好ましい。本発明のシート製品は1枚ごとに個別包装されていてもよいし、生産コスト、生産効率等の観点から、複数枚の本発明の本発明のシート製品が同一包装容器内に収納されていてもよい。上記包装容器としては、例えば、袋体(包装袋)、箱状容器等が挙げられる。上記包装容器は、本発明の乳化組成物の揮発を抑制できるものが好ましい。上記包装容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂;アルミニウム等の金属等が挙げられる。上記包装容器としては、軽量であり優れた揮発防止効果を有する観点から、表面に金属層が積層又は蒸着された樹脂製の包装容器(特に、包装袋)が好ましく、より好ましくは、表面にアルミニウム蒸着された樹脂製の包装袋である。
本発明のシート化粧料は、上記シート基材に本発明の乳化組成物を含浸させることにより製造しうる。上記シート基材に本発明の乳化組成物を含浸させる方法は、特に限定されず、例えば、折りたたんだ状態の上記シート基材に本発明の乳化組成物を注入し含浸させる方法、上記シート基材に本発明の乳化組成物をスプレーする方法、印刷法を用いて上記シート基材に本発明の乳化組成物を含浸させる方法、本発明の乳化組成物中に上記シート基材を浸す方法等が挙げられる。
本発明のシート化粧料を適用する部位としては、特に限定されないが、例えば、顔(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中等が挙げられる。中でも、塗布後のうるおいの持続感と油性感を優れるものとしながらもべたつきやぬるつきが抑えられるという効果を効率的に発揮する観点から、本発明のシート化粧料は、顔用のシート化粧料(所謂、フェイスマスク、シートマスク等)であることが好ましい。本発明のシート化粧料は、特に顔全体を覆う顔用のシート化粧料として好ましく用いることができる。なお、本発明のシート化粧料は、例えば、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨のいずれであってもよい。
本発明のシート化粧料の使用方法としては、例えば、皮膚表面の所望の部位に貼り付ける方法、皮膚の所望の部位を拭くことによりシート基材に含浸した本発明の乳化組成物を皮膚に塗布する方法等が挙げられる。中でも、塗布後のうるおいの持続感と油性感を優れるものとしながらもべたつきやぬるつきが抑えられているという本発明のシート化粧料の効果が特に発揮される観点から、皮膚表面の所望の部位に貼り付ける方法が好ましい。すなわち、本発明のシート化粧料は、貼り付ける方法で用いられる、貼り付け用のシート化粧料であることが好ましく、より好ましくは顔面(特に顔全体)への貼り付け用のシート化粧料(所謂、フェイスマスク、シートマスク等)である。上記顔面への貼り付け用のシート化粧料は、顔面上にシート化粧料を密着するように貼り付けて用いられる。本発明のシート化粧料を顔面上に貼り付ける時間は、皮膚の乾燥状態に応じて、例えば、5〜20分が好ましい。所定時間貼り付けた後本発明のシート化粧料を剥がし、手で馴染ませて圧力を加えると、油分が効率的に放出される。このため、うるおいの持続感と油性感に優れながらも、べたつきやぬるつきが抑えられた使用感が得られる。本発明のシート化粧料は、洗い流しを行っても行わなくてもよいが、上記の使用感を得る観点から、洗い流しを行わない方が好ましい。
本発明の、うるおいの持続感と油性感を与える効果は、シート化粧料の形態で用いられることではじめて発揮される。シート化粧料を皮膚に密着するように貼り付けて用いると、シート基材に含浸された本発明の乳化組成物中の水分がまず角質層に浸透し、みずみずしさとうるおいを与える。さらに、所定時間貼り付けた後本発明のシート化粧料を剥がし、手で馴染ませて圧力を加えると、油分が効率的に放出され、放出された油分が皮膚を覆い、うるおいの持続感を得ることができる。
一方、シート基材を用いず乳化組成物のみを単独で皮膚表面に塗布する場合には、塗布時の圧力で油分がいきなり放出されることになる。そのため水分を角質層に十分に浸透させる時間が無いまま、油分で皮膚を覆うこととなり、うるおいの持続感を得ることができない。
一方、シート基材を用いず乳化組成物のみを単独で皮膚表面に塗布する場合には、塗布時の圧力で油分がいきなり放出されることになる。そのため水分を角質層に十分に浸透させる時間が無いまま、油分で皮膚を覆うこととなり、うるおいの持続感を得ることができない。
また、本発明のシート化粧料は、特定量のアルキル変性カルボキシビニルポリマー(上記成分(A))を特定量のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル(上記成分(B))と組み合わせて用いることにより、増粘剤及び高分子乳化剤として作用して安定的な高分子ゲルを形成し、配合する油剤(上記成分(C))の量が少ない場合でも、圧力の付与により効率的に油分を放出しやすい。このため、従来のHLB法乳化で形成されたミセルと異なり、乳化組成物を皮膚に塗布した際に、より特徴的な油性感を感じやすい。また油滴がある程度大きくても安定的に乳化する効果を有する。成分(B)であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルは、一般的にはノニオン性界面活性剤として知られ、含有量が多いとべたつきやぬるつきを生じさせるものとして知られているところ、成分(A)であるアルキル変性カルボキシビニルポリマーとともに配合して配合量を特定量に抑えることにより、上記のべたつきやぬるつきが抑えられた使用感を付与することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量)であり、特記しない限り「質量%」で表す。
実施例1〜10、比較例1〜6
(シート化粧料の作製)
表1に記した組成に従い、実施例及び比較例の各乳化組成物を常法により調製した。
シート基材(不織布、材質:レーヨン/パルプ、目付:60g/m2)を各乳化組成物中に浸し、各乳化組成物をシート基材に含浸させて、実施例および比較例のシート化粧料(サイズ:縦5cm×横5cm、正方形)を作製した。
(シート化粧料の作製)
表1に記した組成に従い、実施例及び比較例の各乳化組成物を常法により調製した。
シート基材(不織布、材質:レーヨン/パルプ、目付:60g/m2)を各乳化組成物中に浸し、各乳化組成物をシート基材に含浸させて、実施例および比較例のシート化粧料(サイズ:縦5cm×横5cm、正方形)を作製した。
表1に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
<成分(A)>
アルキル変性カルボキシビニルポリマー:商品名「PEMULEN TR−2」、日本ルーブリゾール株式会社製、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
<成分(B)>
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:商品名「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
モノラウリン酸ポリグリセリル:商品名「NIKKOL DECAGLYN I−L」、日光ケミカルズ株式会社製、ラウリン酸ポリグリセリル−10
<成分(C)>
流動パラフィン:商品名「CARNATION」、Sonneborn LLC製
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット:商品名「サラコス5408」、日清オイリオグループ株式会社製
シア脂:商品名「Star Shea Butter refined」、IMCD Group B.V.社製
ヤシ油:商品名「NIKKOL Trifat C−24」、日光ケミカルズ株式会社製
ローズヒップ油:商品名「NIKKOL ローズヒップ油」、日光ケミカルズ株式会社製
<その他の成分>
カルボキシビニルポリマー:商品名「Carbopol 981 Polymer」、Lubrizol Advanced Materials.Inc社製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:商品名「ブラウノン RCW−60」、青木油脂工業株式会社製
親油型モノステアリン酸グリセリル:商品名「CUTINA GMS−V、BASF社製
フェノキシエタノール:商品名「カフレクトPE−1」、交洋ファインケミカル株式会社製
<成分(A)>
アルキル変性カルボキシビニルポリマー:商品名「PEMULEN TR−2」、日本ルーブリゾール株式会社製、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
<成分(B)>
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:商品名「レオドールTW−S120V」、花王株式会社製、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)
モノラウリン酸ポリグリセリル:商品名「NIKKOL DECAGLYN I−L」、日光ケミカルズ株式会社製、ラウリン酸ポリグリセリル−10
<成分(C)>
流動パラフィン:商品名「CARNATION」、Sonneborn LLC製
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット:商品名「サラコス5408」、日清オイリオグループ株式会社製
シア脂:商品名「Star Shea Butter refined」、IMCD Group B.V.社製
ヤシ油:商品名「NIKKOL Trifat C−24」、日光ケミカルズ株式会社製
ローズヒップ油:商品名「NIKKOL ローズヒップ油」、日光ケミカルズ株式会社製
<その他の成分>
カルボキシビニルポリマー:商品名「Carbopol 981 Polymer」、Lubrizol Advanced Materials.Inc社製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油:商品名「ブラウノン RCW−60」、青木油脂工業株式会社製
親油型モノステアリン酸グリセリル:商品名「CUTINA GMS−V、BASF社製
フェノキシエタノール:商品名「カフレクトPE−1」、交洋ファインケミカル株式会社製
(試験1:特徴的な油性感)
実施例および比較例の各シート化粧料を、前腕内側部に貼付し10分間保持した。上記保持後にシート化粧料を剥がし、上記貼付部に付着した乳化組成物を指で肌に馴染ませた。上記馴染ませる際に感じられた油性感を下記の基準で評価した。
<特徴的な油性感の評価基準>
○(良好):乳化組成物を馴染ませる際に、油分が放出される感触が明らかに感じられる。
△(使用可能):乳化組成物を馴染ませる際に、油分が放出される感触が少し感じられる。
×(不良):乳化組成物を馴染ませる際に、油分が放出される感触が感じられない。
実施例および比較例の各シート化粧料を、前腕内側部に貼付し10分間保持した。上記保持後にシート化粧料を剥がし、上記貼付部に付着した乳化組成物を指で肌に馴染ませた。上記馴染ませる際に感じられた油性感を下記の基準で評価した。
<特徴的な油性感の評価基準>
○(良好):乳化組成物を馴染ませる際に、油分が放出される感触が明らかに感じられる。
△(使用可能):乳化組成物を馴染ませる際に、油分が放出される感触が少し感じられる。
×(不良):乳化組成物を馴染ませる際に、油分が放出される感触が感じられない。
(試験2:べたつき・ぬるつきのなさ)
試験1で乳化組成物の馴染みが完了する際の貼付部位のべたつき・ぬるつきのなさを下記の基準で評価した。
<べたつき・ぬるつきのなさの評価基準>
○(良好):べたつき及び/又はぬるつきを感じない又はほとんど感じない。
△(使用可能):べたつき及び/又はぬるつきをわずかに感じるものの、実用上許容できる。
×(不良):べたつき及び/又はぬるつきを顕著に感じる。
試験1で乳化組成物の馴染みが完了する際の貼付部位のべたつき・ぬるつきのなさを下記の基準で評価した。
<べたつき・ぬるつきのなさの評価基準>
○(良好):べたつき及び/又はぬるつきを感じない又はほとんど感じない。
△(使用可能):べたつき及び/又はぬるつきをわずかに感じるものの、実用上許容できる。
×(不良):べたつき及び/又はぬるつきを顕著に感じる。
(試験3:うるおいの持続感)
試験2で馴染ませた後10分間放置し、貼付部位を指で触り、うるおい感を下記の基準で評価した。
<うるおいの持続感の評価基準>
○(良好):肌のみずみずしさが増した感じが明らかに感じられる。
△(使用可能):肌のみずみずしさが増した感じがわずかに感じられる。
×(不良):肌のみずみずしさが増した感じが感じられない。
試験2で馴染ませた後10分間放置し、貼付部位を指で触り、うるおい感を下記の基準で評価した。
<うるおいの持続感の評価基準>
○(良好):肌のみずみずしさが増した感じが明らかに感じられる。
△(使用可能):肌のみずみずしさが増した感じがわずかに感じられる。
×(不良):肌のみずみずしさが増した感じが感じられない。
(試験4:保存安定性)
実施例および比較例の各乳化組成物約100mLを、広口のガラス瓶(所謂マヨネーズ瓶)に充填し、密封した状態で、恒温槽中で40℃の条件下、2週間保管した。保管後の各乳化組成物を室温(25℃)の条件に戻した後、ガラス瓶中の各乳化組成物の外観を目視にて観察した。上記観察より、保存安定性を下記の基準で評価した。
<保存安定性の評価基準>
○(良好):組成物が均一であり、油滴が認められない。
△(使用可能):細かな油滴が僅かに認められる。
×(不良):表面に油膜が明らかに認められる。
実施例および比較例の各乳化組成物約100mLを、広口のガラス瓶(所謂マヨネーズ瓶)に充填し、密封した状態で、恒温槽中で40℃の条件下、2週間保管した。保管後の各乳化組成物を室温(25℃)の条件に戻した後、ガラス瓶中の各乳化組成物の外観を目視にて観察した。上記観察より、保存安定性を下記の基準で評価した。
<保存安定性の評価基準>
○(良好):組成物が均一であり、油滴が認められない。
△(使用可能):細かな油滴が僅かに認められる。
×(不良):表面に油膜が明らかに認められる。
表1の結果より、実施例のシート化粧料は、特徴的な油性感、べたつき・ぬるつきのなさ、うるおいの持続感、及び保存安定性の全てにおいて使用可能又は良好であった。一方、比較例1は、成分(B)を欠く処方であり、保存安定性が劣っていた。比較例2では、成分(A)は下限値以下であり、成分(A)の一部に代えてカルボキシビニルポリマーを用いた処方であるところ、実施例1の組成物と粘度は同様であるものの、保存安定性が劣っていた。比較例3は、成分(A)の配合量が上限値の2倍の処方であるところ、成分(A)の配合量の多さに起因して粘度が高くなり過ぎ、スライム状の性状を呈し、べたつき・ぬるつきを顕著に認める結果となった。比較例4は、成分(B)の代わりに、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合した処方であるが、保存安定性が劣っていた。つまり、成分(A)と成分(B)を同時に特定量配合し、高分子乳化をすることが、べたつき・ぬるつきを抑え、且つ処方安定化に寄与するものと考えられる。比較例5は、成分(B)の配合上限値を超える処方であり、成分(B)の配合量の多さに起因してべたつき・ぬるつきを顕著に認めた。比較例6は、成分(A)を欠き、且つ親油型モノステアリン酸グリセリルを用いた、所謂従来のHLB法による乳化の処方である。その結果、油性感及びうるおいの持続感において不良であった。
さらに、実施例1の乳化組成物をシート基材に含浸させず、直接前腕内側部に塗布して、試験1、3と同様にして特徴的な油性感及びうるおいの持続感を評価した。その結果、特徴的な油性感は得られるものの、うるおいの持続感は感じられなかった。
さらに、以下に、本発明に用いることができるシート化粧料の処方例を示す。
(処方例)シート化粧料
<乳化組成物>
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2質量%
カルボキシビニルポリマー 0.05質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5質量%
流動パラフィン 5.0質量%
2−エチルヘキサン酸セチル 4.0質量%
スクワラン 2.0質量%
ジメチルポリシロキサン 0.5質量%
シア脂 0.5質量%
ローズヒップ油 0.5質量%
ヤシ油 0.5質量%
1,3−ブチレングリコール 8.0質量%
グリセリン 3.0質量%
ソルビトール 2.0質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
水酸化カリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
<シート基材>
不織布(材質:レーヨン/パルプ、目付:60g/m2)
(処方例)シート化粧料
<乳化組成物>
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2質量%
カルボキシビニルポリマー 0.05質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.5質量%
流動パラフィン 5.0質量%
2−エチルヘキサン酸セチル 4.0質量%
スクワラン 2.0質量%
ジメチルポリシロキサン 0.5質量%
シア脂 0.5質量%
ローズヒップ油 0.5質量%
ヤシ油 0.5質量%
1,3−ブチレングリコール 8.0質量%
グリセリン 3.0質量%
ソルビトール 2.0質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
水酸化カリウム 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
<シート基材>
不織布(材質:レーヨン/パルプ、目付:60g/m2)
Claims (4)
- シート基材と、前記シート基材に含浸された乳化組成物とを含み、
前記乳化組成物は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、前記乳化組成物100質量%中の、前記成分(A)の含有量が0.1〜0.5質量%、前記成分(B)の含有量が0.1〜1.2質量%である、シート化粧料。
成分(A):アルキル変性カルボキシビニルポリマー
成分(B):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(C):油剤
成分(D):水 - 前記乳化組成物がHLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤を含まないか、
前記乳化組成物100質量%中の、HLB値が7.0以上12.0未満の界面活性剤の含有量が、0.1質量%以下である請求項1に記載のシート化粧料。 - 前記乳化組成物100質量%中の、IOB値が0.1以上の油剤の含有量が、0.5質量%以上である請求項1又は2に記載のシート化粧料。
- 前記シート基材は、不織布を含む請求項1〜3の何れか1項に記載のシート化粧料。
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- 2017-09-27 JP JP2017187141A patent/JP2019059696A/ja active Pending
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