本発明は、剥離性シートからなる台紙、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材と、キャリアシートがこの順に積層された貼付体シートにおいて、上記、従来例を具現化した商品において、しばしば見られる皮膚等の被貼付面に貼ってから、キャリアシートを貼付材からはがす際に、皮膚等の被貼付面から全部の層がはがれてしまわないように、すなわちキャリアシートから貼付材が容易にはがれるほどに、キャリアシートと貼付材の貼付体層との粘着力が仮に若干弱い場合でも、例えば、化粧などをしても化粧品などがその表面によく付着するように、貼付材の貼付体層のキャリアシート側の表面粗さを粗くしたことにより、貼付材の貼付体層とキャリアシートとの接触面積が少なくなるので、キャリアシートと貼付材の貼付体層との粘着力が低下する傾向になるが、このようにキャリアシートと貼付材の貼付体層との粘着力が仮に若干弱くなっていた場合でも、剥離性シートからなる台紙を貼付材から剥がす場合に、キャリアシートが貼付材の貼付体層からはがれることを防止できる操作が可能な構造を有し、被貼付物に貼付する際、目的とする順番で層を剥がすことができ、しわの発生がなく、あまり粘着剤面や貼付体層を指で触れて汚さずに被貼付物に貼付材を貼付可能な貼付体シートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、
(1)本発明の貼付体シートは、剥離性シートからなる台紙、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材と、キャリアシートがこの順に積層された貼付体シートであり、
(a) 粘着剤層と貼付体層とは同じ平面形状であり、粘着剤層が台紙に隣接しており、
(b)台紙ならびにはキャリアシートは、それぞれ貼付材面が露出しないように、貼付材を覆うのに必要最小限なまたは十分な面積ならびに平面形状を有し、
(c)貼付体シートは、把持部と本体部とを有し、
(d)貼付体シートは、台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みを有し、
(e)把持部と本体部は、前記台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みの切込みラインを全層に投影したと仮定した場合に、当該投影ラインが把持部と本体部の境界であり、
(f)更に、前記貼付体シートは、(f1)貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み又は(f2)貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みが設けられ、
且つ、貼付体シート平面上から見て、(f1)貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン又は(f2)貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインが台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインより前記把持部の先端側方向に位置する部分を含んでいる
ことを特徴とする貼付体シートである。
(2)前記(1)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体層のキャリアシート側の表面粗さが、貼付体層の厚さより小さく且つ十点平均粗さRzjis(JIS B0601:2001)が4〜40μmの範囲であることが好ましい。
(3)前記(1)〜(2)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、貼付体層の厚みが5〜60μmであり、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みが、合計厚みで25〜100μmであることが好ましい。
(4)前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、貼付体層が、エラストマーフィルムからなることが好ましい。
(5)前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、貼付体層が、ポリウレタンエラストマーフィルムからなることが好ましい。
(6)前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートがポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミネート紙であり、剥離性シートからなる台紙が、剥離処理されたポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミネート紙であることが好ましい。
(7)前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、粘着剤層を形成する粘着剤がアクリル系粘着剤であることが好ましい。
(8)前記(1)〜(7)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、粘着剤層を形成する粘着剤がゲル粘着剤であることが好ましい。
(9)前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートと貼付材間の粘着力が0.005N/20mm以上であり、被貼付面との粘着力の80%以内であることが好ましい。
(10)前記(1)〜(9)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートと貼付材の貼付体層との間の端部の一部が非接着性にされており、前記非接着性にされている部分は本体部側に位置するキャリアシートと貼付材の貼付体層との間である態様とすることが好ましい。
(11)前記(1)〜(10)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートが、キャリアシートの本体部側に位置する部分に、貼付材の平面形状の外周よりはみ出る摘み部を有しているキャリアシートであることが好ましい。
(12)前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シートにおいては、貼付体シート平面上から見て、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みのライン又は台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインの、少なくともいずれか一つが、凸、又は凹、又は凹凸の折れ線状ライン;又は凸、又は凹、又は凹凸の曲線状ライン;又は前記折れ線状と曲線状の混在ライン;又は直線状ライン;のいずれかのラインであることが好ましい。
(13)本発明の別の態様の貼付体シートであって、前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シートの構成において、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みが存在せず台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みが設けられている貼付体シートであって、従って、貼付体シート平面上から見て、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインが台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインより前記把持部の先端側方向に位置する部分を含んでいるという関係もない貼付体シート。
(14)前記(13)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体シート平面上から見て、台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインが、凸、又は凹、又は凹凸の折れ線状ライン;又は凸、又は凹、又は凹凸の曲線状ライン;又は前記折れ線状と曲線状の混在ライン;又は直線状ライン;のいずれかのラインであることが好ましい。
(1)貼付体シートを使用する際には、台紙以外の部分を一緒にまず台紙から剥がす必要がある。そして、キャリアシートが積層されている貼付材の粘着剤層側を皮膚等の被貼付面に貼ってから、キャリアシートを貼付材からはがすので、キャリアシートと貼付材との粘着力が貼付材の粘着剤層と被貼付面との粘着力より小さくないとキャリアシートのみ剥がすことができない、そこで仮にキャリアシートから貼付材が容易にはがれるほどに、キャリアシートと貼付材の貼付体層との粘着力が仮に若干弱い場合でも、例えば、化粧などをしても化粧品などがその表面によく付着するように、貼付材の貼付体層のキャリアシート側の表面粗さを粗くしたことにより、貼付材の貼付体層とキャリアシートとの接触面積が少なくなることなどにより、キャリアシートと貼付材の貼付体層との粘着力が低下する傾向になるが、このような場合上記の最初の手順、すなわち台紙を貼付材の粘着層から剥がす場合に、貼付材は粘着剤層とかなり厚みの薄い貼付体層からなるのでその部分を把持して剥がすことは困難であるのでキャリアシートを把持してキャリアシートと貼付材をまとめて台紙から剥がすことになるが、キャリアシートと貼付材との粘着力が弱いと、台紙から剥がれずにキャリアシートのみが貼付材の貼付体層からはがれることになる。しかし前記(1)〜(14)項に記載の本発明によれば、キャリアシートから貼付材が容易にはがれるほどに、キャリアシートと貼付材の貼付体層との粘着力が仮に若干弱い場合でも、台紙を貼付材から剥がす場合に、キャリアシートが貼付材の貼付体層からはがれることを防止できる操作が可能な構造を有し、被貼付物に貼付する際、目的とする順番で必要な層を剥がすことができ(まず台紙を貼付材から剥がし、被貼付物に貼付した後、キャリアシートを剥がす)、しわの発生がなく、あまり粘着剤面や貼付体層を指で触れて汚さずに被貼付物に貼付可能な貼付体シートを提供できる。そして、特に、前記(1)〜(12)項に記載の本発明によれば、粘着剤層に指が触れることをより一層少なくでき好ましい。
(2)前記(2)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体層のキャリアシート側の表面粗さが、貼付体層の厚さより小さく且つ十点平均粗さRzjis(JIS B0601:2001)が4〜40μmの範囲である好ましい態様とすることにより、肌などの被貼付物に貼付された場合に、マスキング効果が高まりその部分のみ目立つことがなく、また、仮に化粧をした場合に化粧品の貼付体層面へののりもよく好ましい。
(3)また、前記(3)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体層の厚みが5〜60μmであり、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みが、合計厚みで25〜100μmである好ましい態様とすることにより、肌などの被貼付物に貼付された場合に、肌などの被貼付物の微細な凹凸に沿って密着でき、貼付部分が目立つことがなく、好ましい。
(4)前記(4)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体層が、エラストマーフィルムからなる好ましい態様とすることにより、肌などの伸縮性のある被貼付物に貼付された場合に、その伸縮に追従することができ、また、肌のしわ伸ばしなどにも適用でき好ましい。
(5)前記(5)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体層が、ポリウレタンエラストマーフィルムからなる好ましい態様とすることにより、薄く製膜する場合の製膜性に優れ、伸縮性も優れており、肌などの伸縮性のある被貼付物に貼付された場合に、その伸縮に追従することができ、肌などの被貼付物の微細な凹凸に沿って密着でき、また、肌のしわ伸ばしなどにも適用できより一層好ましい。
(6)前記(6)項に記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートがポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミネート紙であり、剥離性シートからなる台紙が、剥離処理されたポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムまたはポリラミネート紙である好ましい態様とすることにより、これらのキャリアシートや台紙は、比較的剛性があるので、台紙から貼付材とキャリアシートの積層体を剥がしたり、貼付材からキャリアシートを剥がす際に剥離作業が容易になり好ましい。また、一連の貼付作業において、貼付材にしわが発生することを防止でき好ましい。
(7)前記(7)項に記載の貼付体シートにおいては、粘着剤層を形成する粘着剤がアクリル系粘着剤である好ましい態様とすることにより、被貼付物として、皮膚面に貼付する場合でも、皮膚刺激性が比較的少なく、皮膚にしっかり付着するので好ましい。
(8)前記(8)項に記載の貼付体シートにおいては、粘着剤層を形成する粘着剤がゲル粘着剤である好ましい態様とすることにより、被貼付物として、皮膚面に貼付した場合、凹凸への適合性に優れるため、被貼付物との相和性も高く粘着性が良好であり、また応力の緩和による、物理ストレスを軽減できる。皮膚面の剥離時には、角質層を損傷しにくいため、皮膚刺激がほとんどないといった点が好ましい。
(9)前記(9)項に記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートと貼付材間の粘着力が0.005N/20mm以上であり、被貼付面との粘着力の80%以内である好ましい態様とすることにより、台紙を剥がして被貼付面に貼ってから、キャリアシートを貼付材からはがす際に、被貼付面から貼付材とキャリアシート全部の層がはがれてしまうことを防止でき、キャリアシートのみをより確実にはがすことができ、好ましい。
尚、粘着力は、JIS Z 0237に準じて、引張速度300mm/minで測定した。具体的には、小型卓上引張試験機により、ベークライト板に貼りつけた20mm幅の貼付体シートの180度剥離力を測定した。
(10)前記(10)項に記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートと貼付材の貼付体層との間の端部の一部が非接着性にされており、前記非接着性にされている部分は本体部側に位置するキャリアシートと貼付材の貼付体層との間である構成とすることにより、キャリアシートを剥がす際に、容易に剥がすことができ好ましい。
(11)前記(11)項に記載の貼付体シートにおいては、キャリアシートが、キャリアシートの本体部側に位置する部分に、貼付材の平面形状の外周よりはみ出る摘み部を有しているキャリアシートである好ましい態様とすることにより、キャリアシートを剥がす際に、摘み部をつかんで、容易に剥がすことができ好ましい。
(12)前記(12)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体シート平面上から見て、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みのライン又は台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインの、少なくともいずれか一つが、凸、又は凹、又は凹凸の折れ線状ライン;又は凸、又は凹、又は凹凸の曲線状ライン;又は前記折れ線状と曲線状の混在ライン;のいずれかのラインである好ましい態様とすることにより、台紙から貼付材とキャリアシートの積層体を剥がしたり、貼付材からキャリアシートを剥がす際に切込みのライン近傍で少し折り曲げただけで、いずれか切込みのラインの凸になる部分がはがれて出っ張ってくるので、そこから剥離作業が容易になり好ましい。前記の切込みのラインの凸とか凹は、把持部の先端側方向に向かって凸とか凹の切込みライン形状を意味しているが、把持部の先端側方向に向かって凸の切込みライン形状の場合、切込みのライン近傍で厚さ方向に少し折り曲げると、当該凸形状に切り込まれた部分がはがれて出っ張ってくる。逆に把持部の先端側方向に向かって凹の切り込みの場合、凹の切り込みを境にして、その把持部の先端側方向と反対方向の部分は凸の縁になっているので、切込みのライン近傍で厚さ方向に少し折り曲げると、当該凸の縁になっている方の部分がはがれて出っ張ってくるので、台紙から貼付材とキャリアシートの積層体を剥がしたり、場合によっては、貼付材からキャリアシートを当該凸の縁になっている方の部分から剥がす際に、当該はがれて出っ張ってきた部分から剥がれやすくなっているので、容易に剥がすことが可能になり好ましい。尚、これらの切込みラインの少なくとも一つが直線状のラインである場合は、直線状以外の上述した切込みラインと同じ部位に設けた場合、直線状以外の上述した切込みラインに比べて直線状の切込みラインの場合は切込みラインが短くなるので、切込みのライン近傍で少し折り曲げた場合に隣接する層から剥離する場合の剥離力が小さくて済む。
(13)前記(13)項に記載の貼付体シートにおいては、前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シートの構成において、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みが存在せず台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みが設けられている貼付体シートである。台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みが設けられている貼付体シートであるので、前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シートのように、貼付体シート平面上から見て、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインが台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインより前記把持部の先端側方向に位置する部分を含んでいるという関係もないことになる。かかる貼付体シートは、設けられる切込みラインが台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのみであるので、構造が前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シートよりシンプルであるので、切込みのラインより台紙本体部側の貼付材とキャリアシート積層体を台紙から剥がして、被貼付体に貼り付ける際、把持部側に残った台紙を剥がすのに、切込みのライン近傍で若干厚み方向に折り曲げて、残った台紙の剥がれてきた縁に指を引っ掛けて残った台紙を剥がす際に、なるべく粘着剤層に指が触れないように注意する点を除いて、前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シートよりコストを下げることができ、しかもほぼ同様の効果を発揮できる。すなわち前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の貼付体シート構成(但し、切込みのラインが台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインのみ)毎に、それに対応した同様の効果を有する貼付体シートが提供できる。
(14)前記(14)項に記載の貼付体シートにおいては、貼付体シート平面上から見て、台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインが、凸、又は凹、又は凹凸の折れ線状ライン;又は凸、又は凹、又は凹凸の曲線状ライン;又は前記折れ線状と曲線状の混在ラインのいずれかのラインである好ましい態様とすることにより、前記発明の効果の(12)項に記載と同様に、切込みラインより台紙本体側にある貼付材とキャリアシートの積層体を台紙から剥がしたり、次に、切込みラインより把持部側に残った台紙を、貼付材から剥がす際に、当該はがれて出っ張ってきた部分から剥がれやすくなっているので、きわめて容易に剥がすことが可能になり好ましい。尚、この切込みラインが直線状のラインである場合は、直線状以外の上述した切込みラインと同じ部位に設けた場合、直線状以外の上述した切込みラインに比べて直線状の切込みラインの場合は切込みラインが短くなるので、切込みのライン近傍で少し折り曲げた場合に隣接する層から剥離する場合の剥離力が小さくて済む。
理解を容易にするため、先に本発明の貼付体シートの実施の形態例を図面を引用しながら説明し、本発明の貼付体シートの各層を構成する材料や条件などの一般説明は実施の形態例を説明した後に説明する。このように、実施の形態例は本発明の理解を容易にするために、例示したものであり、本発明が実施の形態例で例示したもののみに限定されるものではない。
(実施の形態例1)
図1に、本発明の貼付体シートであって、キャリアシートの平面形状などがモデル化した猫形状のデザインを有する本発明の貼付体シートの一実施形態例のキャリアシート側から見た平面図、図2にそのA−A´ラインでの切断面の端面図、図3に図1の貼付体シートの各層を構成している層の形状を個別に示した平面図で図3(a)が剥離性シートからなる台紙、図3(b)が台紙上に積層される貼付体層と粘着剤層からなる貼付材(貼付体層と粘着剤層は同一形状なので更に分離して示すことは省略している。)、図3(c)が貼付材上に積層されるキャリアシートの平面図である。
図1〜図3を参照、特に図2の積層断面の端面図からも理解されるように、1が剥離性シートからなる台紙、4が粘着剤層2と貼付体層3からなる貼付材、5がキャリアシートであり、これらがこの順に積層され、本発明の本態様の貼付体シート10が構成されている。図3(b)に示した6つの貼付材4は、デザイン化された猫の頭部の形状をしている部分が同形状の台紙1の6つの把持部11に、それぞれ猫の頭部の形状が一致して重なるよう積層され、同様に図3(c)に示した6つのキャリアシートは、それぞれ猫の頭部の形状が一致して重なるように先に積層されている貼付材4の上に積層された構造を有する。
このように
(a)粘着剤層2と貼付体層3とは同じ平面形状であり、粘着剤層2が台紙1に隣接しており、
(b)台紙1ならびにはキャリアシート5は、それぞれ貼付材4面が露出しないように、貼付材を覆うのに必要最小限なまたは十分な面積ならびに平面形状を有しており、この例では、図1や図3から明らかなように、台紙1ならびにはキャリアシート5は猫の頭部に相当する把持部11の面積、平面形状は、貼付材4の面積、平面形状と同一であるが、本体部においては台紙1の本体部12a(図5で台紙のみの本体部を符号12aで示した)は、貼付材4の粘着剤層2側の面を完全に覆い得る大きさと形状を有している。キャリアシート5は、猫の尻尾のキャリアシート5の摘み部6に相当する部分が、貼付材4の貼付体層3よりはみ出す面積において大きい部分であり、猫の尻尾の部分を除いては、この例では、キャリアシート5の平面形状と面積は貼付材4の貼付体層3の平面形状と面積と同じである。しかし、前述したように、キャリアシート5の面積や平面形状は、平面視において、貼付材4の貼付体層3の形状からはみ出す部分を有し、面積が貼付体層3の面積より大きいものでもよい。
(d)そして貼付体シート10は、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7を有し、
(e)把持部11と本体部12は、前記台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みの切込み7のラインを全層に投影したと仮定した場合に、当該投影ラインが把持部と本体部の境界であり、図1、図2に示した例では台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みの切込みライン7より猫の頭側が把持部11であり、切込みの切込みライン7より猫の胴体側が本体部12である。
(f)更に、前記貼付体シート10は、(f1)貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8が設けられ、且つ、貼付体シート10平面上から見て、(f1)貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン8が台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのライン7より前記把持部の先端側方向に位置する部分を含んでいる。
なお、これらの切り込みのラインは、その位置が図面中の他の実線ラインで示されている他の部分と区別してわかるようにするため、点線(符号7と8)で描いているが、実際の切込みは、点線状ではなくではなく、連続線状になる(他の実施の形態例についても同様である)。
なお、この貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8と台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7は、図1〜3に例示された例に限らず、例えば、図5の(a)〜(f)に示されるように(台紙1に切込み8も投影した状態で台紙1のみで図示している。台紙1のみに切込み8も投影した状態で把持部11a、本体部12aである)前者8が把持部11a上を幅方向に相当する方向に設けられ、切込み7は把持部と本体部の境界となるものであり、且つ、貼付体シート平面上から見て、貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8のラインが台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7のラインより前記把持部の先端側方向に位置する部分を含んでいる位置となるように設ければよい。なお、上記図5は、両切込み7と8の平面上での位置関係が明白になるように、貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8も、台紙1に投影して描いた状態の平面図である(貼付材4とキャリアシート5は描いていない)。そして、これらの切込みのラインの形状は、貼付体シート平面上から見て、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込みのライン又は台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みのラインの、いずれか少なくとも1つが、直線状ライン(図5(a)、(b)、(f)の切込み7、図5(b)の切込み8など)、凸の折れ線状ライン(図5(f)の切込み8など、台形状であるが凸の折れ線状ラインと言える)、又は凹の折れ線状ライン(図示なし)、凹凸の折れ線状ライン(図5(e)の切込み7など)、又は凸の曲線状ライン(図5(a)、(c)、(d)の切込み8や図5(d)の切込み7など)、又は凹の曲線状ライン図5(c)の切込み7など)、又は凹凸の曲線状ライン(図5(e)の切込み8など)、又は前記折れ線状と曲線状の混在ライン(図示なし)など、本発明の機能を達成できる切込み形状であれば特に限定されないが、いずれにせよ、貼付体シート10平面上から見て、貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8のラインが台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7のラインより前記把持部の先端側方向に位置する部分を含んでいることが必要である。すなわち、切込み8と切込み7の平面上の位置関係で上記のごとくすることにより、切込み8と切込み7の間を指で把持(把持する位置を図2、図4、図8(a)などにおいて矢印CとDで示した。)することが可能なように切込み8と切込み7の平面上の位置の少なくとも一部又は全部がずれるように設計することが必要である。なお、(f1)貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み8の代わりに後述する(f2)貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込み13(例えば図10(a)参照)が設けられる場合の、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込み13のラインと台紙のみを厚さ方向に貫通する切込み7のラインの関係は、上記、切込み8と切込み7の関係と同様であるが、この添付体シートを使用する際の切込み13と切込み7の間を指で把持する位置(把持する位置を図10において矢印CとDで示した。)が若干異なる。いずれの切込みも、上記課題を解決するための手段の(1)の(f)で規定した所定の各切込みのラインの関係を満たし、各切込みのラインの方向は、平面視で把持部と本体部の連なり方向(例えば、図1のA−A´方向)を横切る方向に、切込みが設けられる層の一方の縁から他方の縁に横断するよう設けられている。なお、後述する他の態様についても、矢印CとDは、指で把持する位置を示したものである。
かくして得られた貼付体シートの使用方法を図1のA−A´断面の端面図を用いて、図2と図8を引用して説明する。
まず図2の矢印CとDで示した切込み8より内側で且つ切込み7より外側(切込み8のラインが切込み7のラインより前記把持部11の先端側方向に位置することにより形成される切込み8と切込み7を平面上に重ねたときに生じる両者の間の部分)を指で挟み、図8(a)に示すように、矢印CとDで示した部分を徐々に上に持ち上げ、切込み7より台紙1の本体側から、貼付材4とキャリアシート5の積層体を剥離する。この際、キャリアシート5の矢印Cの部分が指で押さえられているので、貼付材4の粘着剤層2と台紙1の間の粘着力より、貼付材4の貼付体層4とキャリアシート5の間の粘着力が若干弱くても、貼付材4の粘着剤層2と台紙1の間が剥がれずに、貼付体層4とキャリアシート5の間が先に剥がれてしまうことを防止できる。
次に、図8(b)に示すように、粘着剤層2が露出した貼付材4とキャリアシート5の積層体を皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼り付ける。
次に図8(c)に示すように、貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8より端部側を指で挟み、その部分の台紙1、貼付材4とキャリアシート5の積層体を切込み8を利用して取り除き、残った貼付材4とキャリアシート5の積層体の端部(図8(c)では残った貼付材4とキャリアシート5の積層体の左側の端部矢印Eで示した)を被貼付物20の表面に押し付けて貼り付ける。
そして、最後にキャリアシート5の貼付材外周よりはみ出る摘み部6(図1ではキャリアシート5の猫の尻尾に相当する部分)をつかんで、キャリアシート5を剥離除去する。
こうすることにより、皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼付材4をしわなどの発生がなくきれいに、しかも指などが粘着剤層2や貼付体層3に触れずに貼り付けることができる。
なお、この実施形態例では1つの大きな台紙1の上に、複数組(6組)の貼付材4とキャリアシート5の積層体が並列して形成されている例を示しているが、1つの台紙に、1組の貼付材とキャリアシートの積層体が形成されていてもよいし、1つの大きな台紙1の上に、6組以外の複数組の貼付材4とキャリアシート5の積層体が並列して形成されていてもよいし、他の実施形態例においても同様である。
なお、1つの台紙に、1組の貼付材とキャリアシートの積層体が形成するような場合の例を説明すると、例えば台紙1は貼付材の粘着剤層2の面が台紙よりはみ出して露出する部分が生じないように貼付材4の粘着剤層2側の面を覆うのに必要最小限なまたは十分な面積ならびに平面形状を有していればよく、要するに、台紙1が図3(b)の貼付材4の一個の大きさと同じ面積の場合は、台紙1の平面形状も貼付材4の平面形状とまったく同一にすることになる。また、台紙1が図3(b)の貼付材4の一個の大きさより大きい面積を有していてもよく、その場合においても台紙1は貼付材4の粘着剤層2の面が台紙1よりはみ出して露出する部分が生じないように台紙1が貼付材4の周囲形状よりはみ出す部分があるように面積を若干大きくする。台紙1が平面形状において貼付材4の全周囲からはみ出す部分があるような大きさにしてもよい。キャリアシートと貼付材との大きさや形の関係も同様であり、1つの台紙に、1組の貼付材とキャリアシートの積層体が形成されている場合においても、当然キャリアシート5は貼付材4の貼付体層3の面がキャリアシート5よりはみ出して露出する部分が生じないように貼付材4の貼付体層3側の面を覆うのに必要最小限なまたは十分な面積ならびに平面形状を有していればよく、要するに、キャリアシート5が図3(b)の貼付材4の一個の大きさと同じ面積の場合は、キャリアシート5の平面形状も貼付材4の平面形状とまったく同一にすることになる。また、キャリアシート5が図3(b)の貼付材4の一個の大きさより大きい面積を有していてもよく、その場合もキャリアシート5は貼付材4の貼付体層3側の面がキャリアシート5よりはみ出して露出する部分が生じないようにキャリアシート5が貼付材4の周囲形状よりはみ出す部分があるように面積を若干大きくしてもよい。当然、キャリアシート5が平面形状において貼付材4の全周囲からはみ出す部分があるような大きさにしてもよい。これらのことは、他の実施の形態例についても同様である。
(実施の形態例2)
次に、図4に、キャリアシート5の貼付材外周よりはみ出る摘み部6に相当する部分を持たない態様の本発明の実施の形態例について説明する。相違部分は理解しやすいので、図4に、図1のA−A´ラインでの断面の端面図に相当する断面の端面図(但し、猫の尻尾に相当するキャリアシート5の貼付材外周よりはみ出る摘み部6に相当する部分を有していない)のみを挙げて説明する。
各層の構成はこの例では、キャリアシートが、貼付材と同一の平面形状を有していて、キャリアシートと貼付材の貼付体層との間の端部の一部が非接着性にされており、前記非接着性にされている部分は本体部側に位置するキャリアシートと貼付材の貼付体層との間であると言う点を除いて先の実施の形態例1と同様なので、同一の部分には、同一の符号を付して重複説明を省略している。
実施形態例1と異なるのは、上述したようにキャリアシート5が、貼付材4と同一の平面形状を有していて、キャリアシート5と貼付材4の貼付体層3との間の端部の一部が非接着性にされており、前記非接着性にされている部分は本体部側に位置するキャリアシート5と貼付材4の貼付体層3との間である。図4に図示した例では、キャリアシート5と貼付材4の貼付体層3との間の切込み7や8が形成されている側とは反対側の端部にポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルムなどの業界用語で「のり殺し」9と呼ばれているものをキャリアシート5の裏側に接着している。のり殺し9は、この部分と貼付体層3との間が非接着状態に維持できればよいので、離形性のコーティングなどでもよい。
かかる図4に示したタイプの使用方法は、最後にキャリアシート5を剥離除去するやり方が若干異なる点を除いて実施の形態例1と同様であり、図8の(a)〜(c)と使用操作は同一である。そして図8の(d)に相当する段階において、キャリアシート5の貼付材外周よりはみ出る摘み部6(図1ではキャリアシート5の猫の尻尾に相当する部分)をつかんで、キャリアシート5を剥離除去する代わりに、のり殺し9が形成されている部分のキャリアシート5とのり殺し9の部分の縁を指の腹などでめくり上げてキャリアシート5をのり殺し9とともに剥離除去すればよい。
こうすることにより、皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼付材4をしわなどの発生がなくきれいに、しかも指などが粘着剤層2や貼付体層3に触れずに貼り付けることができる。
(実施の形態例3)
この実施形態例は、実施形態例2に示したタイプ(平面形状は異なる)において、積層構成が実施形態例2に示したタイプ(図4)と同様の貼付体シートの構成において、貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み8が存在せず台紙のみを厚さ方向に貫通する切込み7が設けられている貼付体シートである。
図6に、本発明の実施形態例3の貼付体シートであって、貼付材とキャリアシートの平面形状などが細長のカプセル型の平面形状をした本発明の貼付体シートの一実施形態例のキャリアシート側から見た平面図、図7にそのA−A´ラインでの切断面の端面図を示した。
キャリアシート5が、貼付材4と同一の平面形状を有していて、キャリアシート5と貼付材4の貼付体層3との間の端部の一部が非接着性にされており、前記非接着性にされている部分は台紙1の本体側に位置するキャリアシート5と貼付材4の貼付体層3との間である。図6、図7に図示した例では、剥離性シートからなる台紙1のみを貫通する切込み7が形成されている側(把持部側)とは反対側の端部にポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルムなどののり殺し9をキャリアシート5の裏側に接着している。のり殺し9は、この部分が貼付体層3と非接着状態に維持できればよいので、離形性のコーティングなどでもよいことは前述の通りである。なお、図6からも明らかなように、のり殺し9とは反対側方向の位置に、台紙1のみを貫通する切込み7でその平面形状が、台形状に凸の折れ線状の形状となっている切込み7が形成されている。
かかる図6、図7に図示した実施形態例の貼付体シートの使用方法を、図7と図9を引用して説明する。
まず図7の矢印CとDで示した切込み7より外側(切込み7のラインより把持部の先端側方向、図7基準で左端部側近傍)を指で挟み、図9(a)に示すように、矢印CとDで示した部分を徐々に上に持ち上げ、切込み7より台紙1の本体側から、貼付材4とキャリアシート5の積層体を剥離する。この際、キャリアシート5の矢印Cの部分が指で押さえられているので、貼付材4の粘着剤層2と台紙1の間の粘着力より、貼付材4の貼付体層3とキャリアシート5の間の粘着力が仮に若干弱くても、貼付材4の粘着剤層2と台紙1の間が剥がれずに、貼付体層4とキャリアシート5の間が先に剥がれてしまうことを防止できる。
次に、図9(b)に示すように、粘着剤層2が露出した貼付材4とキャリアシート5の積層体を皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼り付ける。
次に図9(c)に示すように、台紙1の残っている部分を、指の腹などで粘着剤層2より剥がし、その部分の台紙1を除去し、その上の貼付材4とキャリアシート5の積層体の端部(図9(c)基準では貼付材4とキャリアシート5の積層体の左側の端部)を被貼付物20の表面に貼り付ける。
そして、最後に図9(d)に示すように、のり殺し9が形成されている部分のキャリアシート5とのり殺し9の部分の縁を指の腹などでめくり上げてキャリアシート5をのり殺し9とともに剥離除去する。
こうすることにより、皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼付材4をしわなどの発生がなくきれいに、しかも指などが粘着剤層2や貼付体層3にあまり触れずに貼り付けることができる。
なお、この実施の形態においてのり殺し9を使用せずに、実施の形態例1において示したように、キャリアシートに摘み部を設ける態様としても良いことはもちろんである。
(実施の形態例4)
次に、図10を引用して、貼付材4のみを厚さ方向に貫通する切込み13と台紙のみを厚さ方向に貫通する切込み7が設けられている貼付体シートについて説明する。実施の形態例1の貼付体シートと異なる点は、実施の形態例1の貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8に代えて、同じ平面位置に貼付材4のみを厚さ方向に貫通する切込み13が採用されている点、キャリアシートに摘み部6が存在しない点を除いて、他の態様はすべて実施の形態例1と同一であり、実施の形態例1と同一の部分には、同一の符号を付して、重複説明を省略している。
図10(a)が、図1のA−A´ラインでの切断面の端面図に相当する本実施形態例の貼付体シートの断面の端面図である。この図からも明らかなように、実施の形態例1の貼付体シートと異なるのは、貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8に代えて、同じ平面位置に貼付材4のみを厚さ方向に貫通する切込み13が採用されている点のみである。
この貼付体シートの使用方法は、まず図10(a)の矢印CとDで示した切込み13より端部側(切込み13のラインより把持部の先端寄り側の位置)を指で挟み、図10(b)に示すように、矢印CとDで示した部分を徐々に上に持ち上げ、切込み7より台紙1の本体側から、貼付材4とキャリアシート5の積層体を剥離する。この際、キャリアシート5の矢印Cの部分が指で押さえられているので、貼付材4の粘着剤層2と台紙1の間の粘着力より、貼付材4の貼付体層3とキャリアシート5の間の粘着力が若干弱くても、貼付材4の粘着剤層2と台紙1の間が剥がれずに、貼付体層3とキャリアシート5の間が先に剥がれてしまうことを防止できる。
次に、図10(c)に示すように、粘着剤層2が露出した貼付材4とキャリアシート5の積層体を皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼り付ける。
次に図10(d)に示すように、貼付材4を厚さ方向に貫通する切込み13より端部側(前述した矢印CとDで示した部分)を指で挟み、切込み7より端部側の部分の台紙1と切込み13より端部側の部分の貼付材4の積層体並びに全キャリアシート5も切込み7と13を利用して同時に取り除く。その際、残った貼付材4の端部(図8(d)では残った貼付材4の左側の端部、矢印Eで示した)を被貼付物20の表面に押し付けて貼り付ける。
こうすることにより、簡単な操作で皮膚などの目的とする被貼付物20の表面に貼付材4をしわなどの発生がなくきれいに、しかも指などが粘着剤層2や貼付体層3にあまり触れずに貼り付けることができる。
(本発明の貼付体シートの一般説明)
次に、本発明の貼付体シートの各層を構成する材料や条件などの本発明に共通する一般説明を下記する。
剥離性シートからなる台紙としては、貼付体層より剛性があるシートが好ましく、ポリプロピレンやポリ4−メチルペンテンー1等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルなどのプラスチックシートやフィルム、プラスチックフィルムと紙とのラミネート紙など、の上にシリコーンその他の適宜の離形剤などで剥離処理を行った剥離性シートで、粘着剤層から剥離できる剥離性シートからなる台紙が使用できる。台紙の厚みは、貼付体層より剛性があれば特に限定されるものではないが、取り扱い性の点から、通常10〜300μm、好ましくは20〜200μm、より好ましくは25〜100μmの範囲である。
台紙は前述のように平面形状において貼付材の粘着剤層の面が露出しないように、貼付材の粘着剤層を覆うのに必要最小限なまたは十分な面積ならびに平面形状を有していることが必要である。台紙の面積が貼付材の粘着剤層の面積と同一の場合には、その平面形状は、貼付材の粘着剤層の平面形状と同一になる。また、台紙の面積は、貼付材の粘着剤層が露出しないように完全に覆うことができる形状であれば、その面積は粘着剤層の面積より大きいものでもよい。
貼付体層としては、皮膚に貼付材が添付された場合に、目立ちにくいという観点からは、ポリウレタン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、などの各種プラスチックやエラストマーなどの材料からなる透明なフィルム(肌色に着色されているなど、透明性を保ちながら着色されていることが目立ちにくく、好ましい)が好ましく、特にエラストマーフィルムが好ましい。
エラストマーフィルムとしては、各種のエラストマーからなるフィルムが使用可能であるが、ポリウレタンエラストマーが最も好ましい。皮膚に貼付材が添付された場合に、目立ちにくいということが特に重視されない場合には、織布、編布、不織布、紙などを用いることもできる。
貼付体層の厚みは、使用目的に応じて変わるが、通常5〜60μm、好ましくは5〜50μmの範囲である。そして、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みは、合計厚みで25〜100μmであることが好ましく、これらの厚みの測定法はダイヤルゲージにより測定することができる。
貼付体層のキャリアシート側の表面粗さは、貼付体層の厚さより小さく且つ十点平均粗さRzjis(JIS B0601:2001)で4〜40μmの範囲であることが好ましく、かかる粗面とすることで、肌などに貼付された場合に、マスキング効果が高まり目立ちにくくなり、化粧品ののりもよい。特に化粧品ののりを良くするには、Rzjis(JIS B0601:2001)で4〜20μmの範囲が好適である。
貼付体層のキャリアシート側の粗面化方法は、目的の粗面化ができれば、特に限定されるものではなく、鋳型(例えば目的の粗さに粗面化された、フィルムや紙など)の上に貼付体層を構成する樹脂を溶液で塗布する方法、凹凸の鋳型を持つ熱圧着ロールでプレスして形成する方法、サンドブラスト(砂などを擦り当てて粗面にする)方法、樹脂の印刷(グラビアコーターによる)、3D印刷の手法などが挙げられる。
粘着剤層に用いる粘着剤としては、貼付体シートで用いられている粘着剤が使用でき、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが代表的である。貼付材が皮膚に貼付される場合には、皮膚への刺激性の少ない粘着剤を用いることが好ましく、アクリル系粘着剤が好ましい。また、皮膚刺激を大幅に抑える観点から、ゲル粘着剤を用いることが特に好ましい。ゲル粘着剤は、被貼付物として、皮膚面に貼付した場合、剥がす際に角質を損傷しにくく好ましい。ゲル粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、またはゴム系の粘着剤でもよいが、アクリル粘着剤は水蒸気透過性を高め皮膚表面の蒸れ浸軟を生じにくくさせる点でより使い易くて好ましい。ゲル粘着剤は特に限定するものではないが、通常の粘着剤100重量部に、この粘着剤と相溶する室温で液体ないしペースト状である成分を5〜100重量部含有させ、架橋して得られる粘着剤などである。
粘着剤層には、本発明の機能が阻害されない限り、適宜、この種の貼付材に適用されている薬理活性物質、その他の添加剤を添加することができる。薬理活性物質としては、例えば、抗真菌剤、ビタミン剤、皮膚の炎症抑制剤、皮膚のかゆみ抑制剤、鎮痛剤、その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、あるいは炭酸カルシウム、酸化チタンその他の充填剤などが挙げられる。
キャリアシートとしては、貼付体層より剛性があるシートが好ましく、貼付体層と剥離可能な状態で積層されている。キャリアシートの例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリ4−メチルペンテンー1等のポリオレフィンなどのプラスチックシートやフィルム、プラスチックフィルムと紙とのラミネート紙などが挙げられる。特にポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
キャリアシートと貼付体層を剥離可能な状態で積層するには、用いるキャリアシートと貼付体層の素材によって選択されるが、加熱圧着して積層する方法、加圧して積層する方法、キャリアシートの貼付体層を積層する側に粘着剤が塗布されたキャリアシートを用いる方法などがある。貼付体層のキャリアシート側の面を、化粧品がのる程度に粗面化する場合には、キャリアシートと貼付体層との粘着力が弱くなるので、前記のごとくキャリアシートの貼付体層を積層する側に粘着剤が塗布されたキャリアシートを用いることが好ましい。
キャリアシートの厚みは、取り扱い性の点から、20〜200μm程度のものを用いることが好ましく、より好ましくは25〜170μm、更に好ましくは30〜150μm、特に好ましくは40〜100μmである。
キャリアシートは前述のように平面形状において貼付材の貼付体層の面が露出しないように、貼付材の貼付体層を覆うのに必要最小限なまたは十分な面積ならびに平面形状を有していることが必要である。すなわち、キャリアシートは貼付材の貼付体層と同一の平面形状を有しているか、又は、貼付材の貼付体層と同一の平面形状に更に当該形状外周よりはみ出る部分を有するような貼付体層より大きな面積を有していてもよく、例えば、貼付体層の平面の形状の外周よりはみ出る部分がキャリアシート本体部分にも存在する場合には、そのはみ出た部分を、前記実施の形態例1において説明した摘み部とすることもできる。摘み部の位置は、キャリアシート本体部分のいずれかの部位に設けることができ、把持部側と反対側の端部のみに限定されるものではない。
また、図4や、図6、図7を用いて説明した実施形態例のように、キャリアシートの端部にのり殺しと称するキャリアシートと貼付材の貼付体層との間の端部の一部を非接着性にするには、キャリアシートの貼付体層に隣接する側に、貼付体層と非接着性のフィルム、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルムなどを接着積層しておくとか、非接着性となるような離形剤を塗布しておく、あるいは、貼付体層を積層する側に粘着剤が塗布されたキャリアシートを用いる場合には、非接着性にすべき部分に、粘着剤が塗布されていないキャリアシートを用いるなどが挙げられる。キャリアシートと貼付材の貼付体層との間の端部の一部が非接着性にされる部分は、台紙の本体部側に位置するキャリアシートの縁部の一部に沿って形成されていればよい。すなわち、非接着性にされる部分の位置は、把持部側と反対側のキャリアシート端部のみに限定されるものではない。
なお、キャリアシートは、最上層に位置し、しかも、貼付材を被貼付物に貼付した後は、剥がして捨てられるので、必要に応じ、任意の色づけや模様を付しておいてもよい。例えば、図1に示したデザイン化された猫の形のキャリアシートに猫の斑模様などを付するなどである。
貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込み、台紙のみを厚さ方向に貫通する切込みなどの切込みに関しては、実施の形態例1のところで説明したとおりである。
次に本発明の貼付体シートの種々の態様の理解を容易にするために図11〜図15に図1や図6のA−A´断面と同趣旨の方向の断面の端面図を用いて、少数の例を説明する。但し、本発明の貼付体シートは、ここで例示した態様のみに限定されるものではない。
尚、図11〜図15において、図1〜10と同じ構成部分は、図1〜10で使用した符号と同じ符号を付して、再度の詳細重複説明を省略している。なお、各層の平面形状は、図1や図6で示した態様のものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる限り任意の形状でよい。
図11に示した態様は、図2で示した態様と同様に、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7と貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8とが設けられているタイプであるが、台紙1、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材4と、キャリアシート5がすべて同一平面積を有し同一形状の貼付体シートである。但し図示されていないが、平面視で図1や図6のA−A´ラインと直角方向のラインでの切断面を想定した場合、台紙1、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材4と、キャリアシート5がすべて同一平面積を有し同一形状のものに限られず、台紙1及び/又はキャリアシート5が貼付材4よりはみ出る部分(以下、台紙1やキャリアシート5が貼付材4よりはみ出るすべての部分を「余白部分」と略称する。)があってもよい。このことは、以下の態様においても同様である。
図12に示した態様は、図2で示した態様と同様に、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7と貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8とが設けられているタイプであるが、キャリアシート5の把持部の面積が他の層の面積より大きくされているタイプである。
図13に示した態様は、図2で示した態様と同様に、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7と貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8とが設けられているタイプであるが、台紙1の把持部と本体部の面積が他の層の面積より大きくされているタイプである。
図14に示した態様は、図2で示した態様と同様に、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7と貼付材4とキャリアシート5を厚さ方向に貫通する切込み8とが設けられているタイプであるが、台紙1とキャリアシート5の把持部と本体部の面積が貼付材4の面積より大きくされているタイプである。
図15に示した態様は、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7のみが設けられているタイプであるが、台紙1とキャリアシート5の把持部と本体部の面積が貼付材4の面積より大きくされているタイプである。なお、このタイプで図11〜図14などに例示した大きさの台紙やキャリアシートを用いたタイプにしてもよいことはもちろんであり、図示していないが、図10で例示したような、台紙1のみを厚さ方向に貫通する切込み7と貼付材4のみを厚さ方向に貫通する切込み13とが設けられているタイプについても同様に図11〜図14を用いて説明した各層の平面の面積・形状の態様などが適用できることも同様である。
次に、本発明の貼付体シートの製造方法については、特に限定するものではないが、その一例を挙げれば、次のようである。
(1)表面に人工皮革の表皮調の凹凸の反転柄を有する剥離性の鋳型の上に、たとえばポリウレタンなどの貼付体層の溶液を流涎して乾燥させたものを鋳型から剥離して貼付体層を得る。
(2)一方の表面が離形加工されたポリエチレンテレフタレートフィルムなどの剥離性シートからなる台紙の離形加工された面に粘着剤を塗工し、台紙に粘着剤層を形成する。
(3)前記(1)で形成された貼付体層の転写面には、鋳型表面の反転柄が転写されており、転写面の反対側の面は平滑である。この貼付体層の平滑面と(2)で用意した台紙の粘着剤層を貼り合わせる。
例えば、工業的には(1)〜(3)の工程は、ロール状の長尺体で行われるが、その場合、
(4)次に製品サイズ(台紙)の大きさに合わせて、スリットする(例えば70mm幅の大きさなど)。
(5)図1のようなキャリアシートに摘み部6が存在するような場合は、台紙中央部側の粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の末端が猫の尻尾の付け根になるので、図1のような左側3個、右側3個の猫形状の猫の尻尾の付け根を図1基準で縦に直線で結ぶ左右の2本の直線ラインに沿って、その2本の直線ライン間の貼付体層と粘着剤層からなる貼付材部分をスリットし、剥がして除去する。実施の形態例2で説明したような、ならびに図6に示したような摘み部6が存在しないようなタイプの場合には、左側3個、右側3個の台紙中央部側の粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の末端をそれぞれ結ぶ接線からなる左右の2本の直線ラインに沿って、その2本の直線ライン間の貼付体層と粘着剤層からなる貼付材部分をスリットし、剥がして除去する。(5b)尚、台紙の平面形状が、貼付材の平面形状と全く同一形状、同一平面面積とする場合には、上記(5)の工程を省いて、貼付材と台紙が目的となる平面形状となるよう貼付材層と台紙をカットする。
(6)貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みが設けられるタイプ(図10の切込み13など)においては、ここで、貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みを入れる。
(7)前記(5)、(5b)または(6)で得られた台紙と粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の貼付体層側に、前記(4)と同サイズにカットしたキャリアシートを貼り合せて積層する。のり殺しをつける場合には、のり殺しがすべてのカット操作後、所望の位置に残るようにキャリアシートの裏側にのり殺しを形成しておく。
(8)キャリアシート側から、目的とするキャリアシートの外郭形状、例えば図1に示すような猫形状や図6に示すカプセル形状などの外郭形状に沿ってカットし、不要部分を除去する。(8b)尚、台紙とキャリアシートの平面形状が、貼付材の平面形状と全く同一形状、同一平面面積とする場合には、(5b)の工程を省略し、台紙と貼付材とキャリアシートが目的となる平面形状となるよう台紙と貼付材層とキャリアシート積層状態でカットしてもよい。
(9)粘着剤層と貼付体層からなる貼付材に至る切込み(図1、図2、図4などの切込み8)を有するタイプの場合には、次にキャリアシート側から、キャリアシートと粘着剤層と貼付体層からなる貼付材に至る切込み(図1、図2、図4などの切込み8)を入れる。但し、図6、図7、図10などを用いて説明した貼付材とキャリアシートを厚さ方向に貫通する切込み8が存在しない貼付体シートの場合には、この工程がない。
(10)最後に、台紙側から台紙のみを貫通する切込み(図1、図2、図4、図7、図10などの切込み7)を入れる。
(11)貼付材のみを厚さ方向に貫通する切込みを設ける以外のタイプで、台紙とキャリアシートの平面形状が、貼付材の平面形状と全く同一形状、同一平面面積とする場合には、は、(3)の工程の次に、貼付体層の上にキャリアシートを積層し、のり殺しを入れる場合には、この段階でのり殺しを形成しておいて、全層を目的の形にカットし、必要なら(9)、そして(10)工程に進む方法でもよい。
以上のような方法により、本発明の貼付体シートが製造できるが、これは本発明の貼付体シートの製造方法の一例であり、本発明の貼付体シートの製造方法はこの方法のみに限定されるものではないし、本発明の貼付体シートは、何ら、この製造方法によって製造された貼付体シートに限定されるものではなく、要は、目的の順に層が積層されており、各層の平面形状が目的の形状になるように、且つ、必要に応じた切込みが形成できる方法であれば、上記の方法に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施の形態例1で説明した貼付体シートを前記製法の工程(1)〜(5)、(7)〜(10)に従い製造した。
この貼付体シートにおいては、貼付体層としてポリエーテル系ポリウレタン(東レコーテックス株式会社製)を用い、貼付体層のキャリアシート側の表面粗さをRzjis(JIS B0601:2001)[以下の実施例では単にRzjisと略称する]で12μmとし、貼付体層の厚みを25μmとした。粘着剤層としては、アクリル系ゲル粘着剤(オクチルアクリレートとアクリル酸の共重合体100重量部に、モノオレイン酸ソルビタンエステルを9重量部添加し、イソシアネート系架橋剤を2.5重量部添加して作成)溶液を調整し、剥離処理を施した台紙にキャスト後乾燥させ、粘着剤層を得た後、貼付体層を積層し、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みが、合計厚みで40μmとなるように作成した。
また、キャリアシートとしては、貼付体層側に当接する面が粘着処理されて易粘着化処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、台紙として粘着剤層に当接される側の面が剥離性の処理がされた厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
得られた貼付体シートにおいて、キャリアシートと貼付材間の粘着力が0.01N/20mmであり、貼付材と台紙間の粘着力が0.05N/20mmであった。
得られた貼付体シートを、図8を引用して説明したような使用方法で、顔の肌に貼付したところ、目的とする順番で必要な層を剥がすことができ(先にキャリアシートが剥がれたり、或いは最後にキャリアシートをはがす際に、貼付材まで剥がれてしまうことがなく、まず台紙を剥がし、被貼付物に貼付し、最後にキャリアシートを剥がす)、しわの発生がなく、化粧品の乗りもよく、粘着剤面や貼付体層を指で触れて汚さずに被貼付物に貼付可能な貼付体シートであった。
(実施例2)
実施の形態例2で説明した貼付体シートを前記製法の工程(1)〜(5)、(7)〜(10)に従い製造した。
この貼付体シートにおいては、貼付体層としてポリエーテル系ポリウレタン(東レコーテックス株式会社製)を用い、貼付体層のキャリアシート側の表面粗さをRzjisで12μmとし、貼付体層の厚みを30μm、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みが、合計厚みで50μmとした。粘着剤層としては、実施例1で用いた粘着剤を採用して作成した。
また、キャリアシートとしては、貼付体層側に当接する面が粘着処理されて易粘着化処理された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、本体部の端部側にのり殺しとして厚さ5μmのポリプロピレンテープを貼り付けて非粘着部を設けた。台紙として粘着剤層に当接される側の面が剥離性の処理がされた厚さ110μmのポリラミネート剥離紙を用いた。
得られた貼付体シートにおいて、キャリアシートと貼付材間の粘着力が0.01N/20mmであり、貼付材と台紙間の粘着力が0.05N/20mmであった。
得られた貼付体シートを、図8を引用して説明したような使用方法(但し、摘み部はないので、キャリアシートをはがす場合には、指の腹で、キャリアシートの端部をめくり上げる)で、顔の肌に貼付したところ、目的とする順番で必要な層を剥がすことができ(先にキャリアシートが剥がれたり、或いは最後にキャリアシートをはがす際に、貼付材まで剥がれてしまうことがなく、まず台紙を剥がし、被貼付物に貼付し、最後にキャリアシートを剥がす)、しわの発生がなく、化粧品ののりもよく、粘着剤面や貼付体層を指で触れて汚さずに被貼付物に貼付可能な貼付体シートであった。
(実施例3)
実施の形態例3で説明した貼付体シートを前記製法の工程(1)〜(4)、(7)、(8)、(10)に従い製造した。
この貼付体シートにおいては、貼付体層としてポリエーテル系ポリウレタン(東レコーテックス株式会社製)を用い、貼付体層のキャリアシート側の表面粗さをRzjisで12μmとし、貼付体層の厚みを35μm、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みが、合計厚みで60μmとした。粘着剤層としては、アクリル系ゲル粘着剤(オクチルアクリレート、酢酸ビニル及びヒドロキシエチルアクリレートを酢酸エチル中で共重合した粘着剤100重量部に、モノオレイン酸ソルビタンエステルを25重量部添加し、イソシアネート系架橋剤を1重量部加えて作成)溶液を調整し、剥離処理を施した台紙にキャスト後乾燥させ、粘着剤層を得た後、貼付体層を積層し、貼付材を作成した。
また、キャリアシートとしては、貼付体層側に当接する面が粘着処理されて易粘着化処理された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、本体部の端部側にのり殺しとして厚さ5μmのポリプロピレンテープを貼り付けて非粘着部を設けた。台紙として粘着剤層に当接される側の面が剥離性の処理がされた厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
得られた貼付体シートにおいて、キャリアシートと貼付材間の粘着力が0.015N/20mmであり、貼付材と台紙間の粘着力が0.03N/20mmであった。
得られた貼付体シートを、図9を引用して説明したような使用方法で、顔の肌に貼付したところ、目的とする順番で必要な層を剥がすことができ(先にキャリアシートが剥がれたり、或いは最後にキャリアシートをはがす際に、貼付材まで剥がれてしまうことがなく、まず台紙を剥がし、被貼付物に貼付し、最後にキャリアシートを剥がす)、しわの発生がなく、化粧品ののりもよく、若干注意して作業すれば、粘着剤面や貼付体層を指で触れて汚さずに被貼付物に貼付可能な貼付体シートであった。
(実施例4)
実施の形態例4で説明した貼付体シートを前記製法の工程(1)〜(8)、(10)に従い製造した。
この貼付体シートにおいては、貼付体層としてポリエーテル系ポリウレタン(東レコーテックス株式会社製)を用い、貼付体層のキャリアシート側の表面粗さをRzjisで5μmとし、貼付体層の厚みを25μm、粘着剤層と貼付体層からなる貼付材の厚みが、合計厚みで40μmとした。粘着剤層としては、実施例1と同じ粘着剤を採用した。
また、キャリアシートとしては、貼付体層側に当接する面が粘着処理されて易粘着化処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、台紙として粘着剤層に当接される側の面が剥離性の処理がされた厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
得られた貼付体シートにおいて、キャリアシートと貼付材間の粘着力が0.1N/20mmであり、貼付材と台紙間の粘着力が0.1N/20mmであった。
得られた貼付体シートを、図10を引用して説明したような使用方法で、顔の肌に貼付したところ、目的とする順番で必要な層を剥がすことができ(先にキャリアシートが剥がれたり、キャリアシートをはがす際に、貼付材まで剥がれてしまうことがなく、被貼付物に貼付し、把持部の台紙と切込み13より端部側の貼付材並びに全キャリアシートを同時に剥がす)、しわの発生がなく、化粧品ののりもよく、貼付を完了するまでの操作が簡単で、粘着剤面や貼付体層をあまり指で触れて汚さずに被貼付物に貼付可能な貼付体シートであった。