JP3970639B2 - 貼着体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は貼着体に関し、さらに詳しくは、大型防水絆創膏などとして、創傷の被覆などに好適に使用され、貼付け時における作業の単純化を図ることができる貼着体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サージカルドレッシング、傷口被覆シート、カテーテル固定シート、薬剤経皮投与シート、その他皮膚表面に貼付して使用する医療用貼付材としては、一般に薄くて柔軟性に富むシート状フィルム材料からなる基体シートの一方の面に感圧性接着剤層及び剥離シートが順次積層され、かつ該基体シートの他方の面にキャリアシートが仮着されたものが用いられている。そして貼付ける場合は、まず剥離シートを剥がして貼付けたのち、キャリアシートを剥がすことが行われている。
前記医療用貼付材において、基体シートに薄くて柔軟性に富むシート状フィルム材料を用いるのは、皮膚面には凹凸があり、伸縮や屈曲が反復して起こるため、基体シートが柔軟性に欠けていると皮膚表面になじまず、すぐに剥がれてしまうからである。
【0003】
また、前記基体シート上にキャリアシートを仮着させるのは、前記のような薄くて柔軟性に富んでいるフィルム材料からなる基体シートのみでは、全体に腰がなく、容易に折曲ったり、しわになったりするので、上手に貼付けることが極めてむずかしいことから、基体シートよりも腰のあるキャリアシートで補強し、貼付けを容易に行うためである。
このような構成の剥離シート付の粘着シートにおいては、剥離シートは、剥離しやすいように、通常二分割されており、貼付ける場合は、この二分割された剥離シートの一方を剥がして皮膚表面に貼付し、次いで残りの剥離シートを剥がしながら全体を貼付けたのち、最後にキャリアシートを剥がすという煩雑な作業が行われる。
また、このような粘着シートにおいては、従来、キャリアシートの剥離を容易にするためにスリットを入れたり、耳部を設けるなどという方法は提起されているが、いずれも貼付け作業の単純化という面では未だ十分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、大型絆創膏などとして、創傷の被覆などに好適に使用され、貼付け時における作業の単純化を図ることができる貼着体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、貼付け作業の単純化を図ることのできる貼着体について鋭意研究を重ねた結果、キャリアシートと剥離シートとを直接的又は間接的に接合することにより、剥離シートを剥がす作業において、キャリアシートも同時に剥がすことができ、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)単葉のキャリアシートと基体シートと感圧性接着剤層とが順次積層されてなる粘着シートの感圧性接着剤層面に剥離シートを設けてなり、前記剥離シートが二分割以上の剥離シートからなり、該二分割以上の剥離シートの少なくとも1つの剥離シートと前記キャリアシートとが接合され、この接合により剥離シートを剥がす際に、キャリアシートも同時に一連の作業で剥がすことができる構造を有していることを特徴とする貼着体、
(2)前記キャリアシートと剥離シートが、接合用接着シートで接合されていることを特徴とする上記(1)記載の貼着体、
(3)前記剥離シートに対し粘着シートを突出させた突出部を設け、該剥離シートの端部位置に合わせて感圧性接着剤層と基体シートを切断するスリットを設けるとともに上記突出部を該剥離シート側に折り返し、折り返し部の感圧性接着剤層を剥離シートの感圧性接着剤層との貼着面の反対側の面に接着させたことを特徴とする上記(1)記載の貼着体、
【0007】
(4)前記キャリアシートと剥離シートがともに前記基体シートと感圧性接着剤層に対し突出した突出部を有し、該キャリアシートの突出部と剥離シートの突出部とを接着させてなることを特徴とする上記(1)記載の貼着体、
(5)前記剥離シートが、折り返し部を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼着体、
(6)前記感圧性接着剤層と剥離シートとの間にパッドが設けられていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の貼着体、及び
(7)前記粘着シートを構成する各層がいずれも透視性であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の貼着体、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の貼着体は、基体シートの一方の面に、感圧性接着剤層が積層され、かつ前記基体シートの他方の面にキャリアシートが積層、仮着された粘着シートに剥離シートを設けた構造を有するものである。
前記基体シートとしては、柔軟性と伸縮性を有し、貼付される皮膚面によく追随して密着することができ、かつ適度の引張り強さを有するものであればよく、特に制限されず、様々なシートを用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体樹脂等のポリオレフィン系シート、ポリウレタン系シート、ポリエステル系シート、ポリ塩化ビニル系シート、ポリアミド系シート、ポリ塩化ビニリデン系シート、エチレン−酢酸ビニル共重合体シート、ポリエーテルーブロックーポリアミド系シートなどが挙げられるが、これらの中で、柔軟性や透湿性に優れるポリウレタン系シート及びポリエステル系シートが好適である。この基体シートの厚さは、通常10〜80μm、好ましくは10〜40μmの範囲で選定される。
【0009】
この基体シートには、種々の色や柄などを付与することができるが、無色で透視性を有する基体シートが好ましい。このような基体シートを用いることにより、貼付けた際に、パッドあるいは患部を透視することができる。また、後述のキャリアシート及び感圧性接着剤層も無色で透視性のものにすれば、貼付け作業の際、患部あるいはパッドが透視できるので位置決めが容易となり一層好ましい。なお、有色の透視性とすることもできる。
【0010】
前記基体シートの一方の面に設けられる感圧性接着剤層を構成する感圧性接着剤としては、従来医療用貼付材における感圧性接着剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような感圧性接着剤の例としては、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、ビニルエーテル系、ポリウレタン系などの感圧性接着剤が挙げられるが、これらの中で皮膚に対する刺激が少ないなどの点から、アクリル系の感圧性接着剤が好適である。この感圧性接着剤層の厚さは、通常10〜50μm程度である。なお、当該感圧性接着剤層には、経皮吸収性の薬剤を混入させたり、塗布したりして担持させることができる。
【0011】
本発明の貼着体においては、前記感圧性接着剤層及び所望により設けられるパッド上に剥離シートが設けられている。この剥離シートは、例えばグラシン紙、コート紙、ポリエチレンラミネート紙などの紙及び各種プラスチックシートに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗付したシートからなるものであって、その厚さについては特に制限はないが、通常30〜150μm程度である。
【0012】
前記剥離シートの積層形態としては、剥離しやすい形態であればよく、特に制限されず、様々な形態をとることができるが、本発明の貼着体における剥離シートは、二分割以上に分割された形態で積層されている。また、貼着体から剥離シートを剥がすことを容易にするため、剥離シートを二分割するスリットを設けてもよいが、指が貼着体の感圧性接着剤層に触れる恐れのないよう二分割以上された剥離シートの少なくとも1つに折り返し部を設けることがより好ましい。
本発明の貼着体において、前記基体シートの感圧性接着剤層とは反対側の面に積層されるキャリアシートは、基体シートよりも腰のあるシートで構成されたものであればよく、特に制限されず、例えばポリエチレンやポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体樹脂等のポリオレフィン系シート、ポリエステル系シート、ポリアミド系シート、ポリイミド系シートなどを挙げることができる。キャリアシートと基体シートとを積層するには、例えば該キャリアシート上に基体シート用の樹脂を加熱溶融状態でコートするか、あるいは有機溶剤を用いて溶解状態でのキャスティングコートをすればよい。
当該キャリアシートの厚さは、通常10〜150μm程度である。
【0013】
本発明の貼着体においては、所望により、前記感圧性接着剤層の表面にパッドを設けることができる。このパッドは、患部を被覆するためのものであって、その形状、大きさは患部等を効率的に被覆しうるものであれば特に限定されない。上記パッドは、例えば不織布、圧縮綿、ガーゼ、その他当て材から構成されており、傷口などの患部に当接して、創傷その他の治療に効果的に使用することができる。当該パッドの厚さは、通常0.1〜1mmの範囲である。なお、このパッドには、必要に応じ、薬効を付与することができる。
【0014】
本発明の貼着体の特徴は、前記キャリアシートの一部と二分割以上に分割された剥離シートの少なくとも1つの剥離シートの一部とが接合され、この接合により剥離シートを剥がす際に、キャリアシートも同時に一連の作業で剥がすことができる構造を有していることにある。これにより、従来の貼付け作業において、最後にキャリアシートをあらためて剥がす作業が省かれ、作業の単純化を図ることができる。
【0015】
本発明の貼着体においては、前記のキャリアシートの一部と剥離シートの一部とが接合された構造として、(1)接合用接着シートでキャリアシートと剥離シートが接合された構造、(2)粘着シートの突出部を折り返してキャリアシートと剥離シートが接合された構造、及び(3)キャリアシートと剥離シートの突出部で接合された構造の3つの態様を挙げることができる。
【0016】
以下に、上記各態様について、添付図面に従って説明する。
(1)接合用接着シートでキャリアシートと剥離シートが接合された構造の貼着体10
図1は、本発明の貼着体における第1の態様の一例を示す模式断面図(a)と模式平面図(b)であって、この貼着体10においては、基体シート1の一方の面に感圧性接着剤層2と二分割された剥離シート4aと折り返し部5を有する剥離シート4bが順次積層されているとともに、基体シート1の他方の面にキャリアシート3が設けられている。前記剥離シート4aは感圧性接着剤層2のほぼ全体と剥離シート4bの折り返し部5を被覆するように付着され、剥離シート4bは折り返し部5を形成する折り線が感圧性接着剤層2の端縁にほぼ平行かつ前記感圧性接着剤層の端縁から内側に位置するように感圧性接着剤層2の残部に付着されている。なお、模式断面図において、剥離シート4a及び剥離シート4bの折り返し部5を浮かせているが、実際は平坦に近い状態である。そして前記剥離シート4bとキャリアシート3とが接合用接着シート6で接合された構造を有しているため、該剥離シート4bを剥がす際に、上記接合用接着シートを介してキャリアシート3も同時に一連の作業で剥がすことができる。なお、模式平面図(b)の実線は接合用接着シート6のキャリアシート3上の端縁部6−1を示し、点線は剥離シート4bの折り線4b−1と折り返し部5の端縁部4b−2を示す。なお、前記接合用接着シート6の基材としてはキャリアシート3と同様のプラスチックや紙等が挙げられる。また、接合用接着シートの粘着剤としては、感圧性接着剤層2で用いられた感圧性接着剤と同様のものが挙げられる。
【0017】
(2)粘着シートの突出部を折り返してキャリアシートと剥離シートが接合された構造の貼着体20
図2は、本発明の貼着体における第2の態様の一例を示す模式断面図(a)、模式平面図(b)であって、この貼着体20においては、本体部の構成は、前記図1と同様であるが、当該粘着シートにおける感圧性接着剤層2、基体シート1及びキャリアシート3の一方の端部に剥離シートに対して突出した突出部8を設け、その突出部が一体的に折り返され、その感圧性接着剤層2が剥離シート4bの剥離処理面の反対側の面の端部に接着され、剥離シート4bとキャリアシート3とが接合された構造を有している。そして、前記突出部8を折り返す前に剥離シート4bの端部位置に合わせて剥離シート側から基体シート1と感圧性接着剤層2を切断してなるスリット7が設けられている。したがって、剥離シート片4bを剥がす際に、突出部の基体シートと感圧性接着剤層と更にキャリアシート3全体を同時に一連の作業で剥がすことができる。なお、図2の模式平面図(b)の点線8ー1は、粘着シートの突出部8の折り返し部の端縁部を示す。なお、前記突出部8を設ける方法としては、図2(c)に示すように、通常、剥離シート4bが設けられた貼着体20の剥離シート4b側から剥離シート4b、感圧性接着剤層2と基材シート1まで切断する前記スリット7を設けた後、剥離シート4bのスリット7から図の右側の剥離シート除去部4b−3を取り除く方法が挙げられる。
【0018】
(3)キャリアシートと剥離シートが突出部で直接接合された構造の貼着体30
図3は、本発明の貼着体における第3の態様の一例を示す模式断面図(a)と模式平面図(b)であって、この貼着体30においては、本体部の構成は、前記図1と同様であるが、キャリアシート3の一方の端部及び剥離シート4bの一方の端部にそれぞれ突出部3c、4cを設け、それらを適当な接着剤により接合した構造を有している。なお、この場合、剥離シート4bの突出部4cは剥離処理面を内側にして折り返し、剥離処理した面の反対面とキャリアシート3の突出部3cを接合した方が接着力を高くするうえで好ましい。このような構造により、剥離シート4bを剥がす際に、キャリアシート3も同時に一連の作業で剥がすことができる。なお、前記突出部を接着するためには、前記感圧性接着剤層2と同様の感圧性接着剤だけでなく公知の感熱性接着剤が使用できる。
以上の態様はいずれもパッドを有さない貼着体に関するものであるが、上記(1)〜(3)の各々の構造において、更にパッドを有し剥離シート4aでパッドを被覆する構造のものも本発明においては好ましく用いられる。
【0019】
本発明の貼着体は、通常方形状であり、そのサイズについては特に制限はないが、大型の貼着体に適用するのが効果の面から好ましく、したがって、サイズとしては、通常横の長さ40〜150mm、縦の長さ25〜150mm程度である。また、貼着体の4つの角や突出部3c、4cの角を丸くしたものを作製する場合は、打ち抜き刃でカットすることにより容易に得られる。
次に、本発明の貼着体の使用方法を、図1に基づいて説明する。
まず、粘着シートの感圧性接着剤層2上に積層されている剥離シート4aの剥離シート4bの折り返し部5を被覆した部分を摘んでもう一方の端部まで剥離した後、位置決めを行う。この場合、該粘着シートにおける基体シート1、キャリアシート3及び感圧性接着剤層2として、共に透視性のものを用いることにより患部などの被覆部が透視できるため、容易に位置決めを行うことができる。次に、被覆部に当接するように皮膚表面に貼付け、剥離シート4aを完全に剥がし、次いで剥離シート4bの折り返し部5を摘んで引剥がしながら、全体を貼付ける。この際、剥離シート4a及び剥離シート4bが剥がされた基体シート1にはキャリアシート3がまだ仮着されているので、柔軟性に富んだ基体シート1にしわが発生することなく、適度の腰のある状態で、確実に皮膚面に貼付けることができる。次に、剥離シート4bを完全に剥がすと共に、キャリアシート3を同時に一連の作業で剥がす。
このように、剥離シート4bを剥がす作業で、キャリアシート3も同時に剥がすことができるので、作業の単純化を図ることができる。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
接合用接着シートでキャリアシートと剥離シートが接合された構造の貼着体10を作製した。
基体シート1として厚さ25μmの透明なポリウレタンシートを、キャリアシートとして厚さ60μmの透明なポリエチレンシートに積層した製品(商品名:シルクロン、大倉工業株式会社製、横80mm×縦60mm、なお、以後、シートの寸法を示す数値は横の長さ×縦の長さを示す)のポリウレタンシート側の面にアクリル系感圧性接着剤(商品名:PA−T1、リンテック株式会社製)を乾燥後の厚さが32μmとなるよう塗布、乾燥し、感圧性接着剤層2を設けた。次いで、剥離シート4として、ポリエチレンラミネート紙にシリコーン樹脂の剥離剤を塗布した白色の剥離シート(商品名:KPー8(シロ)、リンテック株式会社製)4a(60mm×60mm)及び4b(40mm×60mmで10mm×60mmの折り返し部5を有する)を用意し、図1に示す構造を有する80mm×60mmサイズの剥離シートを設けた方形状貼着体10を作製した。接合用粘着性シート6としては、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:ルミラー、東レ株式会社製、20mm×60mm)に前記アクリル系感圧性接着剤を乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布した粘着テープを2つ折りし、キャリアシートと剥離シート4bにそれぞれ10mm×60mm貼着して接合した。
【0021】
実施例2
粘着シートの突出部を折り返してキャリアシートと剥離シートが接合された構成で、感圧性接着剤層2と剥離シート4aの間にパッドを設けた粘着体20を作製した(図2、但しパッドは不図示)。すなわち、基体シートとキャリアシートを積層した製品の寸法が90mm×60mm、剥離シート4bの寸法が50mm×60mm(10mm×60mmの折り返し部5を有する)であり、感圧性接着剤層2上の中央部付近に40mm×30mmの大きさで厚さ0.6mmの不織布(商品名:RK201−106、呉羽テック株式会社製)からなるパッドを貼り付けたこと以外は実施例1と同様にして90mm×60mmサイズの剥離シートを設けたパッドを有する貼着体20を作製した。
次に、図2(c)において剥離シート4bの図の右側の端部から10mmのところに、剥離シート4b側から、剥離シート4b、感圧性接着剤層2及び基体シート1としてのポリウレタンシートまでスリット7を設けた後、剥離シート4bのスリット7から図の右側の剥離シート除去部4b−3(10mm×60mm)を取り除き、粘着シートの突出部8を作製した。さらに、この突出部8を折り返し、突出部8の感圧性接着剤層2を剥離シート4bの剥離剤を塗布した面の反対側の面に貼着した。
【0022】
実施例3
キャリアシートと剥離シートが突出部で直接接合された構造の貼着体30を作製した(図3)。なお、キャリアシート3の突出部3cを設ける方法を図4に示した。図4(a)に示すように、先ず、実施例1で使用したと同様の基体シート1とキャリアシート3が積層した製品(90mm×60mm)と、別途剥離シート4(90mm×60mm)の剥離処理面に実施例1と同様の感圧性接着剤層2を設けたものを用意した後、基体シート1と感圧性接着剤層2を貼着した。
次に、図4(b)に示したように、剥離シート4の図の右側の端部から10mmの位置に剥離シート側から基体シート1までスリット7を設けた後、キャリアシート3を残し、スリット7から図の右側の端部の剥離シート4と感圧性接着剤層2と基体シート1(各10mm×60mm)を除去して、図4(c)に示すようにキャリアシート3に突出部3c(10mm×60mm)を設けた。
続いて、別に剥離シート4a(60mm×60mm)と剥離シート4b(60mm×60mmで10mm×60mmの折り返し部5を有する)を用意し、実施例1と同様にして前記感圧性接着剤層に貼着した。
実施例1に比べ、剥離シート4bは20mm×60mm寸法が大きいが、この部分は剥離シート4bの突出部4cである。突出部4cを剥離処理面を内側にして半分に折り返し、キャリアシートと突出部4cの剥離処理していない面とをエチレン・酢酸ビニル共重合体系感熱性接着剤(商品名:ディックメルト、大日本インキ化学工業株式会社製)を用い接合した。なお、ここで用いた剥離シートは全て実施例1で使用したものと同じ剥離シート材料を用いた。
【0023】
比較例1
実施例1と同様の材料を用い、従来一般に使用されている図5に示すキャリアシートにスリットを設けた構造を有する80mm×60mmサイズの剥離シートを設けた貼着体を作製した。すなわち、接合用接着シートを用いず、キャリアシート3の中央部にスリット7を設けたこと以外は実施例1と同様にして剥離シートを設けた貼着体を作製した。
次に、実施例1〜3及び比較例1で作製した貼着体の貼付けをパネラーに依頼し、下記の基準で評価した。結果を第1表に示す。
(1)キャリアシートの剥がしやすさ
○: 剥離シートを剥がす作業と一連でキャリアシートを剥がすことができる
×: 剥離シートを剥がす作業とは別にキャリアシートを剥がす煩雑な作業が必要
(2)貼りやすさ
○: 基体シートにシワが入らず、短時間で貼付けができる
△: 基体シートにシワが入らないが、貼付けに時間がかかる
×: 基体シートにシワが入らないように貼付けすることは困難
(3)貼付けの位置決め
○: 貼付けの位置決めが容易
×: 貼付けの位置決めが困難
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
本発明の貼着体は、キャリアシートの一部と剥離シートの一部とが、接合されているため、剥離シートを剥がす際に、キャリアシートも同時に剥がすことができるので貼付作業の単純化を図ることができる。本発明の貼着体は、特に大型絆創膏などとして、創傷の被覆などに好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貼着体における第1の態様の一例の模式断面図(a)及び模式平面図(b)である。
【図2】本発明の貼着体における第2の態様の一例の模式断面図(a)及び模式平面図(b)である。
【図3】本発明の貼着体における第3の態様の一例の模式断面図(a)及び模式平面図(b)である。
【図4】図3に示す貼着体において、キャリアシートに突出部を設ける方法を示す模式断面図である。
【図5】従来の貼着体の一例の模式断面図(a)及び模式平面図(b)である。
【符号の説明】
1 基体シート
2 感圧性接着剤層
3 キャリアシート
3c キャリアシート3の突出部
4、4a,4b 剥離シート
4b−1 剥離シート4bの折り線
4b−2 折り返し部5の端縁部
4b−3 剥離シート4bの除去部
4c 剥離シート4bの突出部
5 折り返し部
6 接合用接着シート
6−1 接合用接着シートの端縁部
7 スリット
8 粘着シートの突出部
8−1 粘着シートの突出部8の折り返し部の端縁部
10、20、30 貼着体
Claims (7)
- 単葉のキャリアシートと基体シートと感圧性接着剤層とが順次積層されてなる粘着シートの感圧性接着剤層面に剥離シートを設けてなり、前記剥離シートが二分割以上の剥離シートからなり、該二分割以上の剥離シートの少なくとも1つの剥離シートと前記キャリアシートとが接合され、この接合により剥離シートを剥がす際に、キャリアシートも同時に一連の作業で剥がすことができる構造を有していることを特徴とする貼着体。
- 前記キャリアシートと剥離シートが、接合用接着シートで接合されていることを特徴とする請求項1記載の貼着体。
- 前記剥離シートに対し粘着シートを突出させた突出部を設け、該剥離シートの端部位置に合わせて感圧性接着剤層と基体シートを切断するスリットを設けるとともに上記突出部を該剥離シート側に折り返し、折り返し部の感圧性接着剤層を剥離シートの感圧性接着剤層との貼着面の反対側の面に接着させたことを特徴とする請求項1記載の貼着体。
- 前記キャリアシートと剥離シートがともに前記基体シートと感圧性接着剤層に対し突出した突出部を有し、該キャリアシートの突出部と剥離シートの突出部とを接着させてなることを特徴とする請求項1記載の貼着体。
- 前記剥離シートが、折り返し部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の貼着体。
- 前記感圧性接着剤層と剥離シートとの間にパッドが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の貼着体。
- 前記粘着シートを構成する各層がいずれも透視性であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の貼着体。
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