JPH0824288A - 貼付材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【構成】 柔軟性を有する基材の片面に粘着剤層を設
け、その粘着剤層を剥離紙で覆う。基材の他面には、基
材よりも腰の強いキャリアシ−トを仮着する。上記キャ
リアシ−トには基材の一側縁部に開口するように連なる
中央部とその周りの周縁部に切線で分割している。また
上記剥離紙は複数の部片からなり、その一つの部片は、
切線によって形成されたキャリアシ−トの開口を基材の
粘着剤層側より閉じる位置に配置している。 【効果】 キャリアシ−トの中央部、剥離紙の開口部以
外に位置する部片を把持片を持って剥がすと、基材の周
縁に残されているキャリアシ−トの周縁部、開口部の剥
離紙部片によって、柔軟性を有する基材が展張状態に保
たれ、基材にしわを寄せることなく、貼付部位の皮膚表
面が広かったり、凹凸があったり、カテ−テル等の器具
があったりしても確実に貼付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として医療に用いら
れる貼付材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、サ−ジカルドレッシング、カテ−
テル固定シ−ト，傷口被覆シ−ト，薬剤経皮投与シ−ト
その他の皮膚表面に貼付して使用する貼付材は、皮膚表
面には凹凸があり、伸縮や屈曲が反復して起るところか
ら、これによく馴染むように、柔軟性に富むシ−ト状の
基材を用いてこれに粘着剤層を設け、この粘着剤層を剥
離紙で覆ったものを、剥離紙を剥がして使用している。

【０００３】しかし、上記のように基材が柔軟性に富ん
でいる為に、全体に腰がなく、容易に折曲ったりするの
で、剥離紙を剥がして貼付するときに粘着剤同志が付着
することも多く、上手に貼付することがなかなか難かし
い。そこで、基材の粘着剤層とは反対面に基材よりも腰
のあるキャリアシ−トを仮着しておき、これを仮着した
状態のままで皮膚表面に貼付け、その後でキャリアシ−
トを剥すようにすることが行われるようになった。とこ
ろが、このキャリアシ−トは普通の一枚のシ−トなの
で、皮膚表面に良く馴染ませて貼付することが難しく、
基材にしわがよることもあるし、このキャリアシ−トを
スム−ズに剥すことができないことも多い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、このような貼
付材の柔軟性に富んでいる基材を、皮膚表面等の所望の
位置にしわをよせることもなく的確に貼付けることがで
き、また、剥離紙やキャリアシ−トを容易に外し取るこ
とができるようにしようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、片面に粘着剤
層を設けた柔軟性を有する基材の粘着剤層を剥離紙で覆
い、基材の他面にはキャリアシ−トを仮着し、このキャ
リアシ−トを上記基材の一側縁に開口するように連なる
中央部とその周りの周縁部に分割し、また剥離紙も複数
の部片で形成し、その一つの部片が上記キャリアシ−ト
の開口部を基材の反対面から閉じるような位置に配置す
る。

【０００６】こうした貼付材は、その剥離紙でキャリア
シ−トの開口部に位置する部片を残して剥がし、キャリ
アシ−トの中央部も剥がすと、柔軟性の基材の中央部分
は残されたキャリアシ−トの周縁部と上記開口部に位置
する剥離紙によって展張状態に保たれ、凹凸があった
り、カテーテル等の器材があったりしても、柔軟性を有
する粘着剤層を持った基材にしわを作ることもなく、容
易かつ確実に貼付することができる。

【０００７】

【実施例】以下実施例について述べれば、基材１の片面
には粘着剤層２を形成している。この基材は、柔軟性を
有するシ−ト状にされていて、貼付される皮膚表面の伸
縮や屈曲によく順応して密着でき、必要な引張り強さを
有するものが好ましい。こうした基材には、例えば、ポ
リウレタンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリア
ミドフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン
ビニルアセテ−トフイルムその他のフイルム類が好適に
使用でき、通例約１０〜６０μ程度、好ましくは約１０
〜４０μ程度の厚さにするとよい。さらに、防水性と適
度の透湿性、通気性を有するものであれば、貼着した部
分への水の浸入を防ぐと共に蒸れを防止することができ
る。

【０００８】上記粘着剤層２は、アクリル系、天然ゴム
系、合成ゴム系、シリコ−ン系など適宜の粘着剤を使用
して、厚さを約１０〜５０μ程度にするとよい。また、
アクリル系の粘着剤を使用すると皮膚に対する刺激が少
くて好ましい。この粘着剤層には、経皮吸収性、即ち経
皮的に投与できる適宜の薬剤の所要量を混入したり、塗
布したりして担持させることもできる。また、この粘着
剤層の中央部に不織布、ガーゼ、圧縮綿これらと他のも
のを適宜組み合わせたもの、その他の当て材を定置する
と、創傷その他の傷の治療に一層好適なこともある。

【０００９】この粘着剤層２の表面は剥離紙３によって
覆われており、こうした剥離紙には、紙の片面に剥離剤
処理を施したもの、プラスチックシートその他の剥離性
を有するもので、適度の腰の強さを持っているものを使
用するとよい。

【００１０】上記基材１の粘着剤層２とは反対の面に
は、キャリアシ−ト４を剥取り可能に仮着している。こ
のキャリアシ−トは上記基材よりも腰のあるものがよ
く、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリイミド、酢酸繊維素系などのプラ
スチックフイルムその他のフイルム、剥離処理を施した
紙などで、その厚さも約１０〜１５０μ程度にするとよ
い。

【００１１】上記キャリアシ−ト４は、上記基材１の一
側縁部１１に開口するように切線５で中央部４１とその
周りに位置する周縁部４２に分割されている。この切線
は、連続する切断線やミシン線等の不連続切線を用いる
ことができる。図示のものでは、キャリアシ−ト４が長
方形をしている基材１よりもやや大きく形成され、その
中央部４１は上記基材１の一側縁部１１に向かって延び
る長方形をしており、その切線５を介してその周りに位
置する周縁部４２はほぼＵ字状をなし、これによって上
記一側縁部１１に開口４４を形成するようになってい
る。上記切線５の端部にノッチ４５を設けておくと、下
記するキャリアシ−トの中央部４１と周縁部４２を分け
て剥がす場合に一層剥がしやすく便利である。

【００１２】また、上記剥離紙３は複数の部片から構成
され、その一つの部片は上記基材１の粘着剤層２側か
ら、上記キャリアシ−トに形成される一側縁部の開口４
４に跨がってこれを閉じるような位置に配置している。
図示のものは、上記開口４４の部分に位置する封止部片
３１と、その余の広い粘着剤層２を覆う部片３２があ
り、上記封止部片３１の内側は外方へ折り返して把持片
３３を形成し、他方の部片３２はこの折り返し把持片３
３の上に重なる把持片３４を有している。

【００１３】上記基材１は透視性のものとすれば、貼付
けたときに患部を透視することができるし、同時にキャ
リアシ−ト４の方も透視性にすれば、貼付するときにも
患部が透視できて一層貼りやすいことが多い。こうした
貼付材６は、適宜の外袋（図示略）に封入すると、保
存、使用に便利である。

【００１４】この貼付材は、先ず、剥離紙３の一方の部
片３２の把持片３４を把ってこれを剥がし、次にキャリ
アシ−ト４の中央部４１の開口側を把んで引き剥がす
（図４）。この場合、剥がす順序を逆にしてもよい。こ
うすると、貼付材の中央の部分が粘着剤層２を有する基
材１だけになるが、この基材１の周縁部分は、基材の表
面側に残されている腰の強いキャリアシ−ト４の周縁部
４２と、粘着剤層２側に残されている剥離紙３の封止部
片３１によってぐるりと周りが囲まれているので、この
周縁部分を持って患部等に貼付ければ、柔軟性を有する
基材１にしわが寄ることもなく、患部等の所要の皮膚表
面の凹凸やカテーテル等の器具にも順応して、密着状に
きれいに貼付けることができる。

【００１５】こうして基材を貼付けたら、剥離紙の残さ
れた封止部片３１の把持片３３を持って剥がし、残りの
粘着剤層を露出させてこれを皮膚表面に貼付け、更に残
されているキャリアシ−トの周縁部４２を剥ぎ取ると、
基材の全体をきちんと貼付けできる。このようにして患
部等に貼付けられた基材は、その貼付けた状態を確実に
保持し、適度に伸縮して体の動きにもよく順応する。

【００１６】また、他の方法としては、先ず剥離紙３の
一方の部片３２の把持片３４を把んで粘着剤層２の大部
分を露出させるように剥がし、他方の封止部片３１及び
キャリアシ−ト４によって基材１に適当な腰を与えた状
態で、患部等の皮膚表面に貼付ける。その後で残されて
いる剥離紙の封止部片３１の把持片３３を把んで剥が
し、残りの粘着剤層を貼付け、次に上記キャリアシ−ト
４の中央部４１及び周縁部４２を剥がして皮膚表面に馴
染ませるようにしても、確実に貼付けることができる。
更に、患部等の状態に応じて上記した他の種々の方法で
使用することができる。

【００１７】図５〜図７に示すものは、全体を円形状に
形成し、キャリアシ−ト４に設けた中央部４１をフラス
コ状に設けている。基材１の粘着剤層２を覆う剥離紙３
も上記と同様に開口部４４に位置する封止部片３１と、
残りの部分を覆う部片３２を有し、何れの部片にも上記
した把持片３３、３４を設けていて、上記と同様にして
使用することができる。この貼付材は上記した他、楕円
形、正方形、多角形その他適宜の形状に形成することが
でき、またキャリアシ−トにおける中央部と周縁部を分
ける切線も一端が開口する卵形、菱形その他の適当な形
に出来る。また、剥離紙の上記部片３１、３２は更にこ
れを細分化し、何回かに分けて剥し取ることができるよ
うにしてもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は上記したように、把持片を設け
た剥離紙もキャリアシ−トも容易に区分して引き剥がす
ことができ、粘着剤層を有する柔軟性を持った基材に適
度の張りを与えながら、患部等の凹凸があったり、器具
を取り付けている皮膚表面にもしわを作ることなしに、
容易かつ確実に貼付けることができるから、サ−ジカル
ドレッシング，傷口被覆シ−ト，傷口治療用シ−ト，カ
テ−テル保護シ−ト，カテ−テル固定用シ−ト，経皮薬
剤投与シ−トその他の医療用の他各種貼付材として幅広
く用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す平面図である。

【図２】図１の底面図である。

【図３】図１の厚味を拡大して示す断面図である。

【図４】図１のものの使用状態の説明図である。

【図５】他例の平面図である。

【図６】図５の底面図である。

【図７】図５の厚味を拡大した断面図である。

【符号の説明】

１ 基材 ２ 粘着剤層 ３ 剥離紙 ３１、３２ 剥離紙の部片 ３３、３４ 剥離紙の部片の把持片 ４ キャリアシ−ト ４１ キャリアシ−トの中央部 ４２ キャリアシ−トの周縁部 ５ 切線 ６ 貼付材

フロントページの続き (72)発明者 泥谷 正義 福岡県朝倉郡三輪町大字野町字禅門橋1713 番地 ニチバンメディカル株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟性を有するシ−ト状の基材を有し、
   該基材の一面に粘着剤層を設け、該粘着剤層の表面を剥
   離紙で覆い、上記基材の他面に該基材よりも腰の強いキ
   ャリアシ−トを仮着し、該キャリアシ−トは上記基材の
   一側縁部に開口するように連なる中央部とその周りの周
   縁部に切線で分割し、上記剥離紙は少なくも二つの部片
   に分けて剥離することができ、その一部片は上記キャリ
   アシ−トの開口を基材の反対側から閉じるような位置関
   係に配置した貼付材。
2. 【請求項２】 上記剥離紙の各部片は、隣接する部片が
   互いに接合する部分に、剥離する際に使用する把持片を
   それぞれ延設している請求項１記載の貼付材。