JP6044104B2 - シート状貼付用物品 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用途又は美容用途における利用に適した、生体又は生体材料に貼付することが可能なシート状貼付用物品に関する。
美容用の化粧パックシートや、医療用のハップ剤のように、皮膚などの生体表面に貼付される貼付用シートが従来から開発されている。例えば特許文献1には、アルキルセルロース誘導体を放射線照射により架橋して得られる、自己架橋型アルキルセルロース誘導体ヒドロゲルを基材とするシート状パック化粧料が開示されている。
生体貼付用シートでは生体と接する表面に粘着剤を用いないことが望ましい。しかしながら、従来の粘着剤を用いない生体貼付用シートは生体表面に対する接着性が十分ではなく、なお改善の余地がある。
一方、特許文献2には、枠に張られた界面活性高分子の水溶液の泡膜を乾燥させて高分子自立膜を製造する方法が開示されている。特許文献2によれば、厚さがナノメートルオーダーの高分子自立膜を製造可能である。特許文献2では、製造された高分子自立膜を分離膜等の用途に利用することが意図されているが、生体へ貼付する用途については一切検討されていない。
特許文献3では、両面に機能性物質を有する薄膜状高分子構造体(ナノシート)を皮膚の表面に貼付することが開示されている。この文献では、前記薄膜状高分子構造体を可溶性支持膜の表面に支持された状態で皮膚に貼付し、貼付後に可溶性支持膜を溶解させることにより皮膚上に前記薄膜状高分子構造体を残す、という技術が開示されている。この技術は可溶性支持膜の溶解という煩雑な作業を必要とする。
特許第4596774号公報 特開2011−143332号公報 WO2008/050913
本発明は、粘着剤成分を使用することなく生体又は生体材料へ十分な強度で粘着することができ、且つ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくい、シート状貼付用物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、シート状貼付用物品の、被貼付物に貼付される表面に、ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液の泡膜、又は、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液の泡膜をゲル化して調製されたヒドロゲル薄膜、又は、前記ヒドロゲル薄膜を乾燥させて調製された乾燥ゲル薄膜を設けることにより上記課題を解決することができることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を包含する。
(1)シート状貼付用物品であって、被貼付物に貼付される表面に、ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液の泡膜、又は、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液の泡膜をゲル化して調製されたヒドロゲル薄膜、又は、前記ヒドロゲル薄膜を乾燥させて調製された乾燥ゲル薄膜を備える、前記シート状貼付用物品。
(2)被貼付物が生体又は生体材料である、(1)のシート状貼付用物品。
(3)少なくとも1つの開口が形成された支持枠を更に備え、前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、前記支持枠に、前記開口を塞ぐように固定されている、(1)又は(2)のシート状貼付用物品。
(4)前記支持枠が、少なくとも1つの開口が形成された可撓性のフィルム状部材である、(3)のシート状貼付用物品。
(5)前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、被貼付物に供給されるべき成分を含む、(1)〜(4)のいずれかのシート状貼付用物品。
(6)前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、他の層と積層されていない、(1)〜(5)のいずれかのシート状貼付用物品。
(7)前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜上に積層された1以上の他の層を更に備える、(1)〜(5)のいずれかのシート状貼付用物品。
(8)(1)〜(7)のいずれかのシート状貼付用物品と、
前記シート状貼付用物品の前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜の表面を覆う流動体と、
前記流動体を前記表面上に保持する包装用部材と
を備える、包装されたシート状貼付用物品。
(9)ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液の泡膜、又は、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液の泡膜をゲル化して調製されたヒドロゲル薄膜、又は、前記ヒドロゲル薄膜を乾燥させて調製された乾燥ゲル薄膜の、シート状貼付用物品における被貼付物に貼付される表面としての使用。
本発明のシート状貼付用物品は、粘着剤成分を使用することなく生体又は生体材料へ十分な強度で粘着することができ、且つ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくいという有利な効果を奏する。
図1aは泡膜形成に用いられる枠の一実施形態の平面図である。図1bは、図2に示す手順によりヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜が形成された状態の枠の平面図である。 図2は、枠に泡膜を形成し、続いて、ヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜を形成する手順を説明するための、断面模式図である。 図3は、指の関節表面に貼付された、ヒドロゲル薄膜のみから構成されるシート状貼付用物品が、指の曲げ伸ばしに伴い、皮膚表面の形状変化に追従して変化することを示す模式図である。 図4は、指の関節表面に貼付された、乾燥ゲル薄膜のみから構成されるシート状貼付用物品が、指の曲げ伸ばしに伴い、皮膚表面の形状変化に追従して変化することを示す模式図である。 図5は、ヒドロゲル薄膜と他の層とが積層された多層構造のシート状貼付用物品の一実施形態を示す図である。 図6は、乾燥ゲル薄膜と他の層とが積層された多層構造のシート状貼付用物品の一実施形態を示す図である。 図7は、ヒドロゲル薄膜と他の層とが積層された多層構造を有し、且つ、ヒドロゲル薄膜の周縁を固定する支持枠を更に備えるシート状貼付用物品の一実施形態を示す図である。 図8は、乾燥ゲル薄膜と他の層とが積層された多層構造を有し、且つ、乾燥ゲル薄膜の周縁を固定する支持枠を更に備えるシート状貼付用物品の一実施形態を示す図である。 図9は、ヒドロゲル薄膜と可撓性のフィルム状支持枠とを備えたシート状貼付用物品を用いて、被貼付物にヒドロゲル薄膜を貼付する手順を示す模式図である。 図10は、乾燥ゲル薄膜と可撓性のフィルム状支持枠とを備えたシート状貼付用物品を用いて、被貼付物に乾燥ゲル薄膜を貼付する手順を示す模式図である。 図11aは、包装されたシート状貼付用物品の一実施形態を示す図である。図11bは、包装されたシート状貼付用物品の他の一実施形態を示す図である。 図12aは実施例に用いた支持枠(泡膜形成用の枠)を示す。図12bはヒドロゲル薄膜が形成された状態の支持枠を示す。図12cは乾燥ゲル薄膜が形成された状態の支持枠を示す。 図13はヒドロゲル薄膜を手の関節表面に貼付した状態を示す。 図14は乾燥ゲル薄膜を腕の表面に貼付した状態を示す。 図15は乾燥ゲル薄膜を指の関節表面に貼付したまま指を曲げ伸ばしした様子を示す。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では説明のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。
<ヒドロゲル薄膜>
本発明に用いられるヒドロゲル薄膜は、ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液の泡膜、又は、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液の泡膜をゲル化して調製される。
本明細書では、泡膜形成に用いることができる「ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液」及び「ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液」を総称して、「泡膜形成用水溶液」と呼ぶ場合がある。
ヒドロゲル薄膜の調製方法を図1及び2を参照して説明する。
図1aに示すように、少なくとも1つの開口11が形成された枠10を用意する。枠10を、泡膜形成用水溶液20に浸し(図2b)、引き揚げて、開口11を塞ぐように張られた前記水溶液20の泡膜21を形成する(図2c)。泡膜21をゲル化することにより、ヒドロゲル薄膜22を形成することができる(図2d)。本発明に用いられるヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は、泡膜形成に使われた枠10が除かれたものであってもよいし、枠10に張られ支持された状態のものであってもよい。ヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は、後述するように、泡膜形成に使われた枠10を取り外した後に、他の支持枠に固定された状態で使用することもできる。
「ヒドロゲル」とは、ゲル形成可能な界面活性化合物又は化合物が結合して形成された網目状構造物に多量の水が保持された状態のゲルを指す。
ヒドロゲル形成のための化合物は、所定の条件においてゾル状態からゲル状態に変化可能な化合物であれば特に限定されない。
泡膜形成用水溶液には界面活性物質が含まれる。界面活性物質とは水に溶けて表面張力を低下させる作用(界面活性)を有する物質である。本発明の好適な一実施形態では、それ自体が水中に溶解して十分な界面活性を示すゲル形成可能な化合物(すなわち「ゲル形成可能な界面活性化合物」)を含む水溶液を用いて泡膜が形成される。本発明の好適な他の実施形態では、ゲル形成可能な化合物に加えて、界面活性剤を含む水溶液を用いて泡膜が形成される。泡膜形成用水溶液が界面活性剤を含有する後者の実施形態において用いられるゲル形成性化合物はそれ自体が界面活性を有するものであってもよいし、界面活性を有していなくてもよい。
ゲル形成可能な界面活性化合物又はゲル形成可能な化合物は、単独でゲルを形成することが可能な化合物には限らず、添加された架橋剤の作用により架橋されゲルを形成する化合物であってもよい。ゲル化は、水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等の結合により化合物の分子間が結合されることにより生じるものであり、結合様式は特に限定されない。
ゲル形成可能な界面活性化合物又はゲル形成可能な化合物は高分子化合物であってもよいし低分子化合物であってもよい。
ゲル形成可能な低分子化合物としては、重合してゲル形成可能な高分子化合物を形成するモノマー化合物等の重合性化合物が挙げられる。モノマー化合物としては1分子あたり1以上、好ましくは2以上、より好ましくは2〜4個の重合性官能基を有するモノマー化合物であれば特に限定されないが、具体例としてはアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。重合性官能基の具体例は後述する。
ゲル形成可能な高分子化合物としては具体的にはゼラチン、コラーゲン、フィブリン等のゲル形成可能なタンパク質、アガロース等のゲル形成可能な多糖類、重合性官能基を1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは2〜4個、含む高分子化合物等が挙げられる。ここで具体的に例示した、ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、アガロース等はいずれも界面活性高分子化合物である。
重合性官能基としては、連鎖重合または逐次重合が可能な官能基が挙げられ、特に連鎖重合性官能基が好ましい。連鎖重合性官能基は、ラジカル、カチオン、アニオン等の活性種を開始剤として連鎖重合する基を使用することができる。連鎖重合性官能基としては、不飽和重合、開環重合等が可能な官能基を適宜使用することができ、特に、不飽和重合性官能基を好適に使用することができる。不飽和重合性官能基としては炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、炭素−酸素二重結合、炭素−窒素二重結合、炭素−窒素三重結合等を含む不飽和重合性官能基が使用できる。特に、炭素−炭素二重結合を有するエチレン系重合性官能基が好ましい。エチレン系重合性官能基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。
重合性官能基が結合する高分子化合物としてはジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールが3分子以上重合したもの)、ジアクリルアミド、ポリアクリルアミド(アクリルアミドが3分子以上重合したもの)等が挙げられ、なかでもジエチレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましい。ポリエチレングリコールの重合度の範囲は特に限定されないが、好ましくは3以上、より好ましくは、重合性官能基が結合したポリエチレングリコールを、両端が非置換のポリエチレングリコールHO−(CH−CH−O)−Hとして換算した数平均分子量が200〜6000となる重合度nを有するものが好適に使用できる。高分子化合物と結合する重合性官能基の数は1以上であれば特に限定されないが、2以上が好ましく、2〜4であることが特に好ましい。重合性官能基が結合した高分子化合物としては、具体的には、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリルレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
重合性官能基は界面活性化合物又は化合物の1分子あたり1つ以上含まれていればよいが、特に2〜4個含まれていることが好ましい。重合性官能基は界面活性化合物又は化合物に、適当な共有結合を介して結合している。重合性官能基は、界面活性化合物又は化合物のどの位置に結合していてもよく、例えば、直鎖状の界面活性化合物又は化合物の分子の末端の一方又は両方に結合していてもよいし、界面活性化合物又は化合物の側鎖に結合していてもよいし、直鎖状の界面活性化合物又は化合物の途中に、直鎖を中断する形で結合していてもよい。特に、直鎖状の分子の末端の一方又は両方に、好ましくは両方に、重合性官能基が結合した界面活性化合物又は化合物を用いることが好ましい。
架橋剤の作用により架橋されゲルを形成する化合物は、架橋剤と結合可能な官能基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、前記例示したような、低分子化合物、タンパク質、多糖類、ポリエチレングリコール等の高分子化合物を適宜使用することができる。
ゲル形成可能な化合物と共に泡膜形成用水溶液に添加することができる界面活性剤は特に限定されないが、例えばショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤を使用することができる。
泡膜を形成するための水溶液は、水中に、ゲル形成可能な界面活性化合物又はゲル形成可能な化合物を適当な濃度で含有する。当該化合物の濃度は適当な枠において泡膜を形成することができるように、当該化合物の種類に応じて適宜調節することができる。例えばゼラチン、コラーゲンなどのゲル形成可能なタンパク質を用いる場合、前記水溶液中での濃度は0.1〜50重量%とすることができる。アガロースなどのゲル形成可能な多糖類を用いる場合、前記水溶液中での濃度は0.1〜10重量%とすることができる。重合性官能基を含むポリエチレングリコール等の高分子化合物を用いる場合、前記水溶液中での濃度は0.1〜50重量%とすることができる。アクリルアミド等の、他の重合性化合物を用いる場合、前記水溶液中での濃度は0.1〜50重量%とすることができる。
ゲル形成可能な界面活性化合物としてゼラチンを使用する場合、ゼラチン水溶液中のゼラチン濃度は特に限定されないが、低濃度、具体的には0.1〜2.9重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、より好ましくは1.0〜2.0重量%の濃度で水中にゼラチンを含有する水溶液を使用することができる。ゼラチン濃度が前記低濃度である場合は、ゼラチン濃度が高い場合と比較して、泡膜が薄くなり、製造されるヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は柔軟性が十分に高く、凹凸表面上でも剥がれにくいものとなるため好ましい。
ゲル形成可能な界面活性化合物としてアガロースを使用する場合、アガロース水溶液中のアガロース濃度は特に限定されないが、低濃度、具体的には0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.5〜1.0重量%の濃度で水中にアガロースを含有する水溶液を使用することができる。アガロース濃度が前記低濃度である場合は、アガロース濃度が高い場合と比較し、泡膜が薄くなり、製造されるヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は柔軟性が十分に高く、凹凸表面上でも剥がれにくいものとなるため好ましい。
ゲル形成可能な界面活性化合物としてコラーゲンを使用する場合、コラーゲン水溶液中のコラーゲン濃度は特に限定されないが、低濃度、具体的にはコラーゲンを0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%の濃度で水中に含有する水溶液を使用することができる。コラーゲン濃度が前記低濃度である場合は、コラーゲン濃度が高い場合と比較して、泡膜が薄くなり、製造されるヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は柔軟性が十分に高く、凹凸表面上でも剥がれにくいものとなるため好ましい。
重合性の化合物又は重合性官能基を含む高分子化合物を含む水溶液中には、更に必要に応じて、重合を開始させるための重合開始剤が添加される。重合開始剤としては活性放射線、熱等の外部エネルギーの作用により励起または反応して活性種(ラジカル、アニオン又はカチオン)を生じるラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤が好適に使用できる。外部エネルギーとしては活性放射線が好ましい。活性放射線としては紫外線等の光、電子線が利用でき、特に光又は電子線が好ましい。他の重合開始剤、例えば、過酸化水素−第一鉄塩系に代表される、レドックス反応によりラジカルを生成するラジカル重合開始剤、塩基(アニオン重合開始剤)、酸(カチオン重合開始剤)等も使用することができ、適宜泡膜形成用水溶液に含まれてよい。好ましい重合開始剤としては2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン等が具体例として例示できる。重合開始剤の濃度は特に限定されないが、典型的には水溶液中に0.01〜1重量%であることができる。
架橋剤によりゲルを形成する化合物を用いる場合、泡膜を形成するための水溶液は架橋剤を更に含む。
泡膜形成のために使用する水溶液には適宜他の成分が含まれていてもよい。具体的には、該水溶液には、泡膜を安定化させる目的で界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤等が含まれることができる。界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステル等の生体に対する安全性の高い界面活性剤が好ましい。界面活性剤の濃度は特に限定されないが、典型的には水溶液中に0.01〜1重量%であることができる。乳化補助剤としてはメチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、スクロース、ポリグリセリン等の生体に対する安全性の高い乳化補助剤が好ましい。乳化補助剤の濃度は特に限定されないが、典型的には水溶液中に0.01〜10重量%であることができる。ゲル化前の泡膜からの水の揮発は泡膜破裂の原因となる。乳化補助剤は、泡膜からの水の揮発を抑制する作用、すなわち、泡膜の湿潤剤としての作用を有するため、泡膜破裂を抑制することを目的として添加することができる。
ポリエチレングリコール等の前記乳化補助剤は、湿潤剤としての作用に加えて、ヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜を構成する高分子の間に入り高分子間の架橋形成を抑制して膜の柔軟性を高めるという作用も有する。このため、乳化補助剤を含む泡膜形成用水溶液から調製されたヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は柔軟性が高く、皮膚等の生体表面に対する粘着性が高いという有利な効果を有する。
泡膜形成用水溶液中には更に、医薬として有効な成分や、化粧料として有効な成分などの、被貼付物に供給されるべき所望の成分を配合することも可能である。泡膜形成用水溶液に含まれる成分は、ヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜において高分子の網目構造中に取り込まれ保持されることができる。
泡膜の表裏の両表面にはそれぞれ、界面活性物質が疎水部分を外側、親水部分を内側となるように配置していると考えられる。泡膜は表裏が均質な構造を有していることから、泡膜から調製されるヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜は表裏が均質であり表裏の区別なく利用可能である。
泡膜21を形成するための枠10の寸法及び形状は適宜選択すればよい。枠10に形成された開口11は、最も広い部分の幅が1cm以上であることが好ましく3cm以上であることがより好ましい。開口11の面積は1〜200cmが好ましく、5〜100cmがより好ましい。開口11の形状は特に限定されず、目的に応じて円形、多角形(三角形、四角形など)など任意の形状であることができる。なかでも開口11の形状は、円形や、角部が丸みを帯びた多角形が好ましく、これらの形状の場合、泡膜21の周縁にかかる応力を低減できるので、泡膜21の取扱いやすさを向上させることができる。
泡膜形成用水溶液20から調製された泡膜21の厚さは、枠10の水溶液20からの引き上げ速度を調節するなどして調節可能である。さらに、枠10に泡膜21を形成した後に、ピペット等を用いて泡膜21から水溶液20を抜き取り膜厚を薄くすることや、泡膜21に水溶液20を追加して膜厚を厚くすることも可能である。泡膜21の厚さは好ましくは1μm〜200μmである。泡膜の厚さの測定法:光学顕微鏡により膜−空気界面の位置を、焦点を合わせることで測定し厚みを計測した(使用機器:ナノサーチ顕微鏡、型番:OLS3500、メーカー:オリンパス)。
泡膜21をゲル化してヒドロゲル薄膜22とする方法は、ゲル形成可能な化合物の種類に応じて適宜選択される。
例えば、ゼラチン、アガロース等のように、高温条件でゾル状態であり、低温条件でゲル化する化合物を用いる場合、ゾル状態を呈する温度に維持された水溶液20から泡膜21を形成した後、温度を低下させてヒドロゲル薄膜22を形成する。
コラーゲンのように、低温(4〜23℃)且つpH3.0付近のpH条件(2.0〜4.0)においてゾル状態であり、高温(32〜37℃)且つpH7.0付近のpH条件(6.0〜8.0)においてゲル状態であるという特徴を有する化合物を用いる場合、ゾル状態を呈する温度に維持された水溶液20から泡膜21を形成した後、加温してヒドロゲル薄膜22を形成する。コラーゲン水溶液は、泡膜を形成する前にpHが6.0〜8.0となるようにpHが調節されることが好ましい。pHの調節は水酸化ナトリウム等のアルカリ成分の添加により行うことができる。
ゲル形成可能な化合物又は界面活性化合物として、重合性の化合物又は重合性官能基を1つ以上含む高分子化合物を用いる場合には、当該化合物と光重合開始剤とを溶解させた水溶液20から泡膜を形成した後、光を照射してヒドロゲル薄膜22を形成する。ゲル化の際に泡膜21から水分が揮発し乾燥すること防ぐためには、ゲル化を低温(1〜19℃)で行うことや、短時間(1分間以下)で行うことや、飽和湿度に調整された密閉容器内で行うことが好ましい。
ヒドロゲル薄膜22の厚さは特に限定されないが、1μm〜200μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。ヒドロゲル薄膜の厚さがこの範囲である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に薄膜が剥がれ難いため有利である。ヒドロゲル薄膜の厚さの測定法:光学顕微鏡により膜−空気界面の位置を、焦点を合わせることで測定し厚みを計測した(使用機器:ナノサーチ顕微鏡、型番:OLS3500、メーカー:オリンパス)。
<乾燥ゲル薄膜>
乾燥ゲル薄膜は、ヒドロゲル薄膜22を、更に乾燥させることにより調製される(図2e)。
ゲル化工程と乾燥工程とは別々の工程として実施される必要はなく、ゲル化が進行するとともに乾燥が行われる条件において泡膜21を処理して、中間産物としてヒドロゲル薄膜22を取得することなく乾燥ゲル薄膜23を直接得ることもできる。
乾燥のための条件は特に限定されないが、19℃以下で2時間以上乾燥させるという条件が好ましい。乾燥ゲル薄膜23中の水分は特に限定されないが、水分量が10重量%以下になるまで乾燥させることが好ましい。
乾燥ゲル薄膜の厚さは特に限定されないが、100nm〜10μmであることが好ましく、200nm〜1μmであることがより好ましい。乾燥ゲル薄膜の厚さがこの範囲である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に薄膜が剥がれ難いため有利である。また厚さが上記の下限値以上である場合には光干渉による構造色が目視で観察できるため、極薄であるにも関わらず着色剤により着色しなくとも乾燥ゲル薄膜を目視により識別可能である。乾燥ゲル薄膜の厚さの測定法:光学顕微鏡により膜−空気界面の位置を、焦点を合わせることで測定し厚みを計測した(使用機器:ナノサーチ顕微鏡、型番:OLS3500、メーカー:オリンパス)。
<シート状貼付用物品>
本発明のシート状貼付用物品は、少なくとも被貼付物に貼付される部分に、前記ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜を備えることを特徴とする。
シート状貼付用物品は、前記ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に1つ以上の他の層が積層された多層構造のシート状物品であってもよいし、前記ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に他の層が積層されていない単層構造のシート状物品であってもよい。図5には、ヒドロゲル薄膜22と、他の層51とが積層した多層構造のシート状貼付用物品50を示す。図6には、乾燥ゲル薄膜23と、他の層61とが積層した多層構造のシート状貼付用物品60を示す。
前記ヒドロゲル薄膜及び前記乾燥ゲル薄膜は皮膚などの生体又は生体材料の表面に高い吸着性を有しており、且つ、柔軟性が高い。このため、前記ヒドロゲル薄膜及び前記乾燥ゲル薄膜を有するシート状貼付用物品は、皮膚のように動きのある微細な凹凸表面に貼付された場合でも剥がれにくい。図3には、ヒドロゲル薄膜22の単層構造を有するシート状貼付用物品30を指の関節部分の皮膚表面に、指を曲げた状態(上図)で貼付した場合に、貼付後に指を伸ばし皮膚表面にシワが形成されてもシワの形状に追従してヒドロゲル薄膜22も変形すること(下図)、及び、指の曲げ伸ばしを繰り返しても剥がれにくいことを模式的に示す。ヒドロゲル薄膜23の単層構造を有するシート状貼付用物品40を使用した場合でも同様の効果があることを図4に模式的に示す。
ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜は網目構造を有しているために、医薬として有効な成分や、化粧料として有効な成分などの、被貼付物に供給されるべき所望の成分を保持すること及び/又は透過することが可能である。
ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に所望の成分を保持させる第一の方法としては、泡膜形成用水溶液に、所望の成分を更に加えたものを使用してヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜を調製する方法が挙げられる。ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に所望の成分を保持させる第二の方法としては、調製されたヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に所望の成分を接触させる方法が挙げられる。第二の方法における所望の成分の接触は、該成分を含む液中へのヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜の浸漬や、該成分を含む液のヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜への塗布等の任意の方法により行うことができる。
図5及び6に示すように、ヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23を、他の層51、61と積層する実施形態では、他の層51、61は、被貼付物に供給されるべき所望の成分を含む層であることができる。この実施形態では、所望の成分はヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23を透過し被対象物に供給されることができる。他の層51、61は、所望の成分を適当な支持担体中に含む構造であることができる。他の層51、61とヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23とは直接積層されていることは必須ではなく、間に更なる他の層が介在していてもよい。
ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜は生体又は生体材料の表面を保護する目的で使用することも可能である。
本発明のヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜を備えたシート状貼付用物品は美容用途又は医療用途において有用である。具体的には、化粧用パック材、皮膚表面の創傷を保護するための創傷被覆材、薬剤を経皮的に適用するための経皮吸収製剤、生体内の臓器や組織の表面に貼付され、臓器や組織の表面を保護する、及び/又は、他の臓器や組織との癒着を防止する保護シート等の用途で利用可能である。
<支持枠を備えたシート状貼付用物品>
本発明のシート状貼付用物品は、支持枠により形状が保持されたものであることが好ましい。ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜は、支持枠の開口を塞ぐように支持枠に張られた状態で固定されていることが好ましい。
支持枠は、泡膜形成時に用いられた枠であることが好ましい。図1に示すように、泡膜形成時に使われる枠10は、ヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23調製後も膜から分離せず支持枠として利用可能である。この実施形態では、ヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23の周縁が支持枠10と結合している。泡膜形成のために用いられた枠を支持枠71、81として用いる実施形態において、ヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23に1以上の他の層が更に積層されていてもよい(図7、8参照)。
他の実施形態では、ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜を、泡膜形成時に使われた枠から分離し、別途用意された、1つ以上の開口を有する支持枠に、該開口を塞ぐように固定することもできる。この実施形態においても任意の段階において、必要に応じて、ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に対して、適当な寸法へのカット、所望の成分の添加、他の層との積層などの処理を施すことができる。
支持枠は好ましくは可撓性のフィルム状部材である。図9に示すように、フィルム状部材により形成される支持枠91と、支持枠91の開口を塞ぐように張られたヒドロゲル薄膜22とを備えるシート状貼付用物品90は、表面が平坦ではない被貼付物92の表面形状に沿って変形することができ、支持枠91に固定された状態のヒドロゲル薄膜22の表面を、被貼付物92の表面に十分に吸着させ貼付することができる(図9b)。ヒドロゲル薄膜22の周縁と支持枠91とは、ヒドロゲル薄膜22の表面と被貼付物92の表面との吸着後に支持枠91を剥離した場合に分離する程度に弱く結合されているため、ヒドロゲル薄膜22を被貼付物92表面に残すことができる(図9c)。図10に示すように、フィルム状部材により形成される支持枠101と、支持枠101の開口を塞ぐように張られた乾燥ゲル薄膜23とを備えるシート状貼付用物品100も同様の操作により被貼付物92の表面に貼付することができる。図7、8に示す、他の層51、61とともに多層化されたヒドロゲル薄膜22又は乾燥ゲル薄膜23の周縁の支持枠71、81を可撓性のフィルム状部材により形成した、支持枠付シート状貼付用物品70、80においても同様の貼付が可能である。
<包装されたシート状貼付用物品>
本発明のシート状貼付用物品は、前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜の表面が流動体で被覆された状態で包装された、「包装されたシート状貼付用物品」として提供されても良い。
流動体は、ヒドロゲル薄膜の乾燥を防ぐ目的や、ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜に所望の成分を付与する目的で使用される。流動体は、必要に応じて他の成分が配合された、水、油脂、有機溶媒等の溶媒を含む流動体である。この実施形態では、ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜の両面がともに流動体により被覆されている必要はない。例えば、被貼付物に貼付される一方の表面のみが流動体により被覆されていてもよい。
包装部材はシート状貼付用物品の全体を包装するバッグ状部材であってもよいし、ヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜の表面を被覆するシート状部材であってもよい。
図11aに示す一実施形態では、包装されたシート状貼付用物品110は、ヒドロゲル薄膜22及びその周縁に結合した支持枠111を備えるシート状貼付用物品と、ヒドロゲル薄膜22の両表面を覆う流動体112と、流動体112の流出を防ぐ、周縁が支持枠111に接着されたシート状包装部材113とを備える。使用時には、シート状包装部材113の一方又は両方を除去し被貼付物に貼付されることができる。図11bに示すように、包装されたシート状貼付用物品120の周縁は密閉されている必要はなく、ヒドロゲル薄膜22の両面に、流動体の層112とシート状包装部材113とが配置された形態であってもよい。
<実験1>
<貼付シートの作成>
A.支持枠の準備
4cm×4cm、厚さ250μmのポリスチレン製フィルム(SUNDIC社製)を、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠(図12a)を準備した。
B.溶液の準備
以下の3種類の溶液を準備した。
溶液1
ゼラチン(シグマアルドリッチ社製)を純水に2重量%の濃度となるように溶解して調製した溶液を「溶液1」とした。
溶液2
アガロース(シグマアルドリッチ社製)を純水に1重量%の濃度となるように溶解して調製した溶液を「溶液2」とした。
溶液3
純水に、ポリエチレングリコールジアクリルレイト(シグマアルドリッチ社製)を50重量%、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン(シグマアルドリッチ社製)を1重量%、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ社製)を0.1重量%となるように溶解して調製した溶液を「溶液3」とした。
C.泡膜からのヒドロゲル薄膜の作成
試料1
溶液1を用いて以下のようにして試料1を作成した。
支持枠を37℃のゾル状態である溶液1に1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を溶液1から、支持枠の開口に溶液1の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持体を4℃の温度条件に曝して、溶液1の泡膜をゲル化させることで、厚さ約10μmのヒドロゲル薄膜(試料1)を作成した(図12b)。
試料2
ゾル状態である50℃の溶液2を用いた点を除き、試料1と同様の手順でヒドロゲル薄膜(試料2)を作成した。
試料3
さらに、溶液3を用いて以下のようにして試料3を作成した。
支持枠を溶液3に1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を溶液3から、支持枠の開口に溶液3の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに泡膜に、波長250−400nmの紫外線を30mJ/cm(波長350nmで計測)の線量で照射し、ゲル化させることで、厚さ約10μmのヒドロゲル薄膜(試料3)を作成した。
比較試料(厚さ1mmのヒドロゲル膜)
ゾル状態の溶液2をガラス基板上に1mm厚になるようにコートしゲル化させることでヒドロゲル膜を作製し、比較試料とした。比較試料は強度があるためピンセットにより基板から剥離しハンドリングすることが可能である。
<貼付評価>
上記で作成された開口に試料1〜3のヒドロゲル薄膜が形成された支持枠の、支持枠部分をつかんでヒト皮膚とのヒドロゲル薄膜を接触させると表面張力でヒドロゲル薄膜が皮膚に接着し、支持枠部分を皮膚から遠ざけるとヒドロゲル薄膜が支持枠部分から分離し、ヒドロゲル薄膜だけを皮膚に貼付することができた(図9)。またヒドロゲル薄膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、曲げた状態の指関節に貼付すると曲面形状に追随する様にヒドロゲル薄膜が全て皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際もヒドロゲル薄膜が皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった(図13)。
一方、比較試料(1mm厚のヒドロゲル膜)を曲げた状態の指関節に接触させると一部が浮き上がり、また指の屈折の際にヒドロゲル膜が皮膚からずれるなど密着性が悪く、また貼付後の見た目も目立っていた。
<実験2>
<貼付シートの作成>
E.パッケージ
実験1と同様にして試料1〜3のヒドロゲル薄膜を作成した。ヒドロゲル薄膜を有する各支持枠を水平に保持した状態で、上面に純水100μLを供給し、次いで、該上面の側を覆うように、厚さ50μmのポリスチレン製フィルム(SUNDIC社製)を保護シートとして支持枠部分に貼合した。上下を反転させて、同様に、ヒドロゲル薄膜の反対側の面を上方として、該面上に純水100μLを供給し、次いで、該面の側を覆うように、厚さ50μmのポリスチレン製フィルム(SUNDIC社製)を保護シートとして支持枠部分に貼合した(図11a)。
<実験3>
<貼付シートの作成>
F.乾燥
実験1と同様にして試料1及び2のヒドロゲル薄膜を作成した。支持体に固定された状態の各ヒドロゲル薄膜を4℃、120分間乾燥処理を行い、厚さ約400nmの乾燥した膜(乾燥ゲル薄膜)を得た(試料1、2のヒドロゲル薄膜が乾燥した乾燥ゲル薄膜を、それぞれ試料4、5と称する)。また膜厚が可視光領域付近であるため光干渉により構造色で膜が色づいていた(図12c)。
<貼付評価>
上記で作成された開口に試料4、5の乾燥ゲル薄膜が形成された支持枠の、支持枠部分をつかんでヒト皮膚と乾燥ゲル薄膜を接触させると、乾燥ゲル薄膜が非常に薄いので柔軟性があり皮膚の微細形状に追随するように皮膚に密着し、支持枠を皮膚から遠ざけると乾燥ゲル薄膜が支持枠から剥がれ、乾燥ゲル薄膜だけを皮膚に貼付することができた(図10)。また乾燥ゲル薄膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、曲げた状態の指関節に貼付すると曲面形状に追随する様に膜が全て皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際も試料4、5の乾燥ゲル薄膜は皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった(図14、図15)。
<実験4>
アガロース又はコラーゲンを用いたヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜の調製
<支持枠の準備>
4cm×4cm、厚さ250μmのポリスチレン製フィルム(SUNDIC社製)を、中央に3.2cmφの真円形の開口が形成されるように切り抜き、開口を有する支持枠を準備した。
<溶液の準備>
・溶液4
アガロース(シグマアルドリッチ社製)を純水に2重量%の濃度となるように溶解して調製した溶液を「溶液4」とした。
・溶液5
コラーゲン(新田ゼラチン、Cellmatrix Type I−A)を2重量%(pH=3)の濃度になるように調整した溶液を「溶液5」とした。
<アガロースのヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜>
支持枠を50℃でゾル状態である溶液4に1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を溶液から、支持枠の開口に溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持体を4℃の温度条件に10分間曝して溶液の泡膜をゲル化させることで、厚さ約10μmのヒドロゲル薄膜(ヒドロゲル薄膜4)を作製した。また、ヒドロゲル薄膜を4℃で120分間乾燥処理を行い、厚さ約400nmの乾燥した膜(乾燥ゲル薄膜4)を得た。一方、溶液4の泡膜をゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をすると、泡膜が壊れてしまった。
<コラーゲンのヒドロゲル薄膜及び乾燥ゲル薄膜>
4℃で溶液5を水酸化ナトリウムでpH=7に調整し、4℃のままゾル状態である溶液に1秒間浸し、その後、支持枠が鉛直方向に平行となるように支持枠を溶液から、支持枠の開口に溶液の泡膜が形成されるように引き揚げた。引き揚げ後、速やかに、支持体を37℃の温度条件に30分間曝して、溶液の泡膜をゲル化させることで、厚さ約10μmのヒドロゲル薄膜(ヒドロゲル薄膜5)を作製した。また、ヒドロゲル薄膜を23℃で120分間乾燥処理を行い、厚さ約400nmの乾燥した膜(乾燥ゲル薄膜5)を得た。一方、同様に4℃で溶液5をpH=7に調整し泡膜を形成して、ゲル化せずに23℃の温度条件で乾燥処理をすると、泡膜が壊れてしまった。
<ヒドロゲル薄膜のヒト皮膚への貼付評価>
上記で作製されたヒドロゲル薄膜4、5それぞれについてヒドロゲル薄膜が形成された支持枠の、支持枠部分をつかんでヒト皮膚とのヒドロゲル薄膜を接触させると表面張力でヒドロゲル薄膜が皮膚に接着し、支持枠部分を皮膚から遠ざけるとヒドロゲル薄膜が支持枠部分から分離し、ヒドロゲル薄膜だけを皮膚に貼付することができた。またヒドロゲル薄膜が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、曲げた状態の指関節に貼付すると曲面形状に追随する様にヒドロゲル薄膜が全て皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際もヒドロゲル薄膜が皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。
<乾燥ゲル薄膜のヒト皮膚への貼付評価>
上記で作製された乾燥ゲル薄膜4,5それぞれについて乾燥ゲル薄膜が形成された支持枠の、支持枠部分をつかんでヒト皮膚と乾燥ゲル薄膜を接触させると、乾燥ゲル薄膜が非常に薄いので柔軟性があり皮膚の微細形状に追随するように皮膚に密着し、支持枠を皮膚から遠ざけると乾燥ゲル薄膜4,5が支持枠から剥がれ、乾燥ゲル薄膜4,5だけを皮膚に貼付することができた。また乾燥ゲル薄膜4,5が非常に薄いため曲面部位や屈折部位への貼付も可能で、曲げた状態の指関節に貼付すると曲面形状に追随する様に膜が全て皮膚に密着し、また貼付後の指の屈折の際も乾燥ゲル薄膜4,5は皮膚に密着したまま剥がれることがなく、貼付後の見た目もほとんど目立たなかった。
<実験5>
<ポリエチレングリコール添加による膜の柔軟性の影響>
ゼラチンが2重量%でポリエチレングリコールが0重量%、1重量%、2重量%、6重量%含む溶液をそれぞれ1mlずつ、3cm×3cmのスガラス上に、溶液を37℃でゾル状態にしておいて均一にコートし、4℃の温度条件に10分間曝して溶液をゲル化させ、4℃で24時間乾乾燥処理を行うことで、スガラス上に乾燥膜を形成した。その後、乾燥膜の硬さを測定したところ(ピコデンター、HM500、フィッシャー・インストルメンツ)、ポリエチレングリコールの量の増加に伴い膜のマルテンス硬さの値が低くなり柔軟性が高まった(下表参照)。
Figure 0006044104

Claims (15)

  1. シート状貼付用物品であって、被貼付物に貼付される表面に、ゲル形成可能な界面活性化合物及び水を含む、もしくは、ゲル形成可能な化合物、界面活性剤及び水を含む、厚さ1μm〜200μmのヒドロゲル薄膜、又は、ゲル形成可能な界面活性化合物を含む、もしくは、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む、厚さ100nm〜10μmの乾燥ゲル薄膜を備え、
    前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜において、前記界面活性化合物又は前記界面活性剤が、疎水部分を外側、親水部分を内側となるように配置されている
    前記シート状貼付用物品。
  2. 被貼付物が生体又は生体材料である、請求項1のシート状貼付用物品。
  3. 少なくとも1つの開口が形成された支持枠を更に備え、前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、前記支持枠に、前記開口を塞ぐように固定されている、請求項1又は2のシート状貼付用物品。
  4. 前記支持枠が、少なくとも1つの開口が形成された可撓性のフィルム状部材である、請求項3のシート状貼付用物品。
  5. 前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、被貼付物に供給されるべき成分を含む、請求項1〜4のいずれか1項のシート状貼付用物品。
  6. 前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、他の層と積層されていない、請求項1〜5のいずれか1項のシート状貼付用物品。
  7. 前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜上に積層された1以上の他の層を更に備える、請求項1〜5のいずれか1項のシート状貼付用物品。
  8. 請求項1〜のいずれかのシート状貼付用物品と、
    前記シート状貼付用物品の前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜の表面を覆う流動体と、
    前記流動体を前記表面上に保持する包装用部材と
    を備える、包装されたシート状貼付用物品。
  9. 被貼付物に貼付される表面にヒドロゲル薄膜又は乾燥ゲル薄膜を備えるシート状貼付用物品の製造方法であって、
    前記シート状貼付用物品が前記ヒドロゲル薄膜を備える場合、
    前記ヒドロゲル薄膜を、ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液の泡膜、又は、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液の泡膜をゲル化して調製するヒドロゲル薄膜調製工程を含み、
    前記シート状貼付用物品が前記乾燥ゲル薄膜を備える場合、
    前記乾燥ゲル薄膜を、前記ヒドロゲル薄膜調製工程により調製された前記ヒドロゲル薄膜を乾燥させて調製する乾燥ゲル薄膜調製工程を含む、
    前記方法。
  10. 前記シート状貼付用物品が、少なくとも1つの開口が形成された支持枠を更に備え、前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜が、前記支持枠に、前記開口を塞ぐように固定されており、
    前記泡膜を形成するための枠として前記支持枠を用いる、或いは、調製された前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜を、前記支持枠の前記開口を塞ぐように固定する工程を更に含む
    請求項の方法。
  11. 前記支持枠が、少なくとも1つの開口が形成された可撓性のフィルム状部材である、請求項10の方法。
  12. 前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜に、被貼付物に供給されるべき成分を保持させることを含む、請求項11のいずれか1項の方法。
  13. 前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜を他の層と積層しない、請求項12のいずれか1項の方法。
  14. 前記ヒドロゲル薄膜又は前記乾燥ゲル薄膜上に、1以上の他の層を積層させることを含む、請求項12のいずれか1項の方法。
  15. ゲル形成可能な界面活性化合物を含む水溶液の泡膜、又は、ゲル形成可能な化合物及び界面活性剤を含む水溶液の泡膜をゲル化して調製されたヒドロゲル薄膜、又は、前記ヒドロゲル薄膜を乾燥させて調製された乾燥ゲル薄膜の、シート状貼付用物品における被貼付物に貼付される表面としての使用。
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