JP2015144641A - 貼付用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】医療用途または美容用途における利用に適した貼付用シートにおいて、貼付用シートの操作性を向上するための支持枠の表面および裏面を容易に認識可能にする。【解決手段】貼付用シート1はゲル膜または高分子膜2と、ゲル膜または高分子膜の外縁に配置され、ゲル膜または高分子膜を支持するとともに第1の面12aと、第1の面の反対側の第2の面12bとを有する支持枠12とを備え、支持枠は第1の面側と、第2の面側において異なる特性を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、医療用途または美容用途における利用に適した貼付用シートに関する。
美容用のシート状化粧料や医療用のハップ剤のように、皮膚等の生体表面に貼付される貼付用シートが従来から開発されている。例えば特許文献1には、アルキルセルロース誘導体を放射線照射により架橋して得られる自己架橋型アルキルセルロース誘導体ハイドロゲルを基材とするシート状パック化粧料が開示されている。
生体貼付用シートでは生体と接する表面に粘着剤を用いないことが望ましい。しかしながら、粘着剤を用いない従来の生体貼付用シートは生体表面に対する接着性が十分ではなく、なお改善の余地がある。
一方、特許文献2には、枠に張られた界面活性高分子化合物の水溶液の泡膜を乾燥させて高分子自立膜を製造する方法が開示されている。特許文献2によれば、厚さがナノメートルオーダーの高分子自立膜を製造可能である。特許文献2では、製造された高分子自立膜を分離膜等の用途に利用することが意図されているが、生体へ貼付する用途については一切検討されていない。
特許文献3には、両面に機能性物質を有する薄膜状高分子構造体(ナノシート)を皮膚の表面に貼付することが開示されている。具体的には、薄膜状高分子構造体を可溶性支持膜の表面に支持された状態で皮膚に貼付し、貼付後に可溶性支持膜を溶解させることにより皮膚上に薄膜状高分子構造体を残すという技術が開示されている。この技術は可溶性支持膜の溶解という煩雑な作業を必要とする。
特許文献4には、ヒアルロン酸またはその誘導体を担持させた基材膜と、水溶性高分子膜または布である支持膜とが積層しており、基材膜の厚さが10〜500nmである薄膜化粧料が開示されている。特許文献4では、薄膜化粧料の使用方法として、貼付直前に水溶性高分子膜を溶解除去し、ヒアルロン酸またはその誘導体を担持させた基材膜を皮膚に貼付する方法、および、濡らした皮膚に薄膜化粧料を貼付し、布のみを剥離する方法が開示されている。前者の方法は水溶性高分子膜の溶解という煩雑な作業を必要とする。また、後者の方法では、布を剥離することが困難であったり布を剥離する際に基材膜が破損したりするおそれがある。
特許文献5には、ポリリジンもしくはポリリジン誘導体またはこれらの塩を含む溶液を用いて形成されたA層と、アルギン酸もしくはアルギン酸誘導体またはこれらの塩を含む溶液を用いて形成されたB層とが交互に積層された、皮膚貼合用の薄膜フィルム(ナノメートルサイズのシート)が開示されている。特許文献5によれば、薄膜フィルムは基材上にA層とB層とを繰り返し積層することによって製造される。また、薄膜フィルムは基材から剥離されたのち皮膚に貼付される。この場合も、薄膜フィルムが非常に薄いために、基材から剥離することが困難であったり基材から剥離する際に薄膜フィルムが破損したりするおそれがある。
特許文献6には、基材と、基材上に形成された薄膜フィルムとを備え、薄膜フィルムが、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含み、pHが1.6〜5.4である溶液を用いて形成されるB層とを有する基材付き薄膜フィルムが開示されている。特許文献6には基材付き薄膜フィルムの使用方法について記載されていないが、特許文献5と同様に基材から薄膜フィルムを剥離するのであれば、同様の問題が生じる。
特許文献7には、浸透性基材、溶解性支持層、およびナノ薄膜層を備えるナノ薄膜転写シートであって、浸透性基材が、溶解性支持層を溶解する溶液を浸透または通過させるものであり、ナノ薄膜層が、ポリカチオンを含む溶液を用いて形成されるA層と、ポリアニオンを含む溶液を用いて形成されるB層とを有するナノ薄膜転写シートが開示されている。特許文献7によれば、ナノ薄膜転写シートは、ナノ薄膜層を皮膚に貼合した後、浸透性基材に水を垂らしかけながら溶解性支持層を溶解させ、その後、浸透性基材を剥がすことで、ナノ薄膜層のみを皮膚に転写することができる。この方法は溶解性支持層の溶解という煩雑な作業を必要とする。
また、特許文献8、9には、ゲル原料を含む水溶液から泡膜を形成し、泡膜を水を含んだ状態でゲル化させてヒドロゲル膜を得る方法が示されている。この方法によれば、泡膜を直接乾燥する特許文献2に記載の方法と異なり、水溶液中でのゲル原料が低濃度である場合でも泡膜が壊れることなくヒドロゲル膜を形成可能である。また得られたヒドロゲル膜を乾燥させた場合でも膜が壊れることがないことを見出した。さらには、この方法で得られたヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜が、皮膚表面で十分な密着性を有し、かつ、動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくくなっている。
しかしながら、上記のようなヒドロゲル膜や乾燥ゲル膜は水で膨潤することから、水に濡れると剥がれやすくなったり膜の強度が低下して破れてしまったりするという問題がある。
上述のように貼付用シートとして、ゲル膜を有するものが知られており、貼付用シートの操作性を考慮してゲル膜の外縁は支持枠により支持されている。
また貼付用シートのゲル膜上には、所望により例えば機能層あるいは保護層が形成される。この場合、ゲル膜と、機能層と、保護層とを合わせた薄膜全体の総厚みは、100nm〜10μmと極めて薄くなっている。貼付用シートを使用する際、ゲル膜側が生体表面を向き、機能層又は保護層が外方を向くようにして貼付シートが生体表面に貼付されるが、薄膜全体の総厚みは上述のように極めて薄くなっているため、貼付用シートの薄膜をみただけでは、貼付用シートのゲル膜が正しく生体表面を向いているか否か判断することはむずかしい。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、貼付用シートの向きを迅速かつ確実に認識することが可能な貼付用シートを提供することを目的とする。
本発明は、貼付用シートにおいて、ゲル膜または高分子膜と、前記ゲル膜または高分子膜の外縁に配置され、前記ゲル膜または高分子膜を支持するとともに、第1の面とこの第1の面の反対側の第2の面とを有する支持枠とを備え、前記支持枠は前記第1の面側と、前記第2の面側において異なる特性を有することを特徴とする貼付用シートである。
本発明は、前記支持枠の前記ゲル膜または高分子膜の露出面に対して法線方向の断面形状は、その中心に関して前記第1の面側と前記第2の面側で非対称となってもよい。
本発明は、前記支持枠の前記第1の面と前記第2の面は、互いに異なる表面状態を有していてもよい。
本発明は、前記支持枠の第1の面および前記第2の面の少なくとも一方に表示部を設けてもよい。
本発明は、前記支持枠の前記第1の面側部分と前記第2の面側部分は互いに異なる材料又は色であってもよい。
本発明は、前記ゲル膜または高分子膜上に、機能層又は保護層が形成されていてもよい。
本発明によれば、支持枠の表面および裏面を容易に認識することができ、これにより貼付用シートの向きを容易に判断することができる。
以下、本実施の形態の貼付用シートについて詳細に説明する。
本実施の形態の貼付用シートは、ゲル膜と、上記ゲル膜の外縁に配置され、上記ゲル膜を支持する支持枠とを有している。またゲル膜上に所望に応じて機能層又は保護層が形成され、乾燥後の上記ゲル膜および機能層又は保護層を含む薄膜の総厚が100nm〜10μmの範囲内となっている。
本実施の形態の貼付用シートは、ゲル膜と、上記ゲル膜の外縁に配置され、上記ゲル膜を支持する支持枠とを有している。またゲル膜上に所望に応じて機能層又は保護層が形成され、乾燥後の上記ゲル膜および機能層又は保護層を含む薄膜の総厚が100nm〜10μmの範囲内となっている。
ここで、「乾燥後のゲル膜」とは、例えばゲル膜が水を含んだ状態である場合には、乾燥させたゲル膜をいう。
「乾燥後のゲル膜および機能層又は保護層を含む薄膜の総厚が100nm〜10μmの範囲内である」とは、例えばゲル膜が水を含んだ状態である場合には、乾燥させたゲル膜および機能層又は保護層を含む薄膜の総厚が上記範囲内であればよく、実際のゲル膜および機能層又は保護層を含む薄膜の総厚は上記範囲内でなくともよい。
また支持枠とゲル膜の境界についてはメニスカスによってゲル膜の厚みが厚くなり部分的に上記範囲を超える場合があるが、乾燥後の総厚が上記範囲内である領域があれば本発明の貼付用シートを皮膚等に貼付することができる。
本実施の形態の貼付用シートについて図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)は本実施の形態の貼付用シートの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に例示するように貼付用シート1は、ゲル膜2と、ゲル膜2の外縁に配置され、ゲル膜2を支持する支持枠12とを有しており、ゲル膜2は、支持枠12の開口13を塞ぐように支持枠12に張られた状態で固定されている。また、乾燥後のゲル膜2を含む薄膜1Aの厚みは所定の範囲内になっている。図1(a)(b)において、ゲル膜2は薄膜1Aを構成する。
図1(a)、(b)は本実施の形態の貼付用シートの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に例示するように貼付用シート1は、ゲル膜2と、ゲル膜2の外縁に配置され、ゲル膜2を支持する支持枠12とを有しており、ゲル膜2は、支持枠12の開口13を塞ぐように支持枠12に張られた状態で固定されている。また、乾燥後のゲル膜2を含む薄膜1Aの厚みは所定の範囲内になっている。図1(a)(b)において、ゲル膜2は薄膜1Aを構成する。
本実施の形態によれば、乾燥後のゲル膜2の厚みが所定の範囲内であり、ゲル膜2は非常に厚さが薄いため、皮膚等の生体または生体材料の表面への高い密着性を有しており、かつ、高い柔軟性を有している。したがって本発明の貼付用シート1は、粘着剤成分を使用することなく生体または生体材料へ十分な強度で密着させることができる。そのため、貼付時に粘着剤成分によるかぶれや肌荒れを抑制し、皮膚等への刺激を低減することができる。さらに、ゲル膜2は高い凹凸追従性を有しており、本実施の形態の貼付用シートを動きのある凹凸表面に貼付した場合でも剥がれにくくすることができる。
次に貼付用シート1のゲル膜2を支持する支持枠12について説明する。
支持枠12は開口13を有するリング状の平面形状を有する(図1(a)参照)。また、支持枠12は表面(第1の面)12aと表面12aと反対側の裏面(第2の面)12bとを有している。貼付用シート1は、貼付用シート1と平行する基準面Sを有しており、支持枠12の基準面Sに直交する断面形状(ゲル膜2の露出面に対して法線方向の断面形状)は、表面12a側と裏面12b側とで非対称となっている(図1(b)参照)。
支持枠12は開口13を有するリング状の平面形状を有する(図1(a)参照)。また、支持枠12は表面(第1の面)12aと表面12aと反対側の裏面(第2の面)12bとを有している。貼付用シート1は、貼付用シート1と平行する基準面Sを有しており、支持枠12の基準面Sに直交する断面形状(ゲル膜2の露出面に対して法線方向の断面形状)は、表面12a側と裏面12b側とで非対称となっている(図1(b)参照)。
すなわち、図1(b)に示すように、支持枠12の断面形状は、表面12a側へ突出する半円形状をもつ。この半円形状は貼付用シート1の基準面Sに平行な中心線lに関して、表面12a側と裏面12b側とで非対称となる。
このため支持枠12を外方から触れるだけで支持枠12の表面12aおよび裏面12bを容易かつ簡単に認識して、支持枠12の向きを誤りなく、正しく判断することができる。このことにより、後述のように貼付用シート1を被貼付物30に貼付する際、貼付用シート1を正しい向きに向かせて被貼付物30上に貼付することができる。
ここで支持枠12の断面形状における中心線lとは、断面形状の中心線lから上端までの長さd1と中心線lから下端までの長さd2とが等しくなる線をいう。
このように、支持枠12はその断面形状が表面12a側と裏面12b側とで非対称となっている。このため支持枠12は表面12a側と裏面12b側において、異なる特性を持つことになる。ここで「異なる特性」とは、後述のように断面形状、表面状態など「構造的に異なる」場合だけではなく、表面12a側と裏面12b側とで「材料又は色が異なる」場合も含む。
以下、本実施の形態の貼付用シート1における各構成について説明する。
<ゲル膜>
本実施の形態におけるゲル膜2は、乾燥後のゲル膜が上述した所定の範囲内になるように、所定の厚さを有するものである。
本実施の形態におけるゲル膜2は、乾燥後のゲル膜が上述した所定の範囲内になるように、所定の厚さを有するものである。
ゲル膜としては、所定の厚さを有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヒドロゲル膜、乾燥ゲル膜が挙げられる。
ここで、「ヒドロゲル」とは、高分子が結合して形成された網目状構造物に多量の水が保持された状態のゲルを指す。
以下、ヒドロゲル膜および乾燥ゲル膜に分けて説明する。
(1)ヒドロゲル膜
本実施の形態におけるヒドロゲル膜は、乾燥後のヒドロゲル膜および機能層又は保護層の総厚が所定の範囲内になるように、所定の厚さを有するものである。
本実施の形態におけるヒドロゲル膜は、乾燥後のヒドロゲル膜および機能層又は保護層の総厚が所定の範囲内になるように、所定の厚さを有するものである。
ヒドロゲル膜としては、所定の厚さを有するものであれば特に限定されるものではないが、生体に対する安全性が高いことから、生体由来材料からなることが好ましい。例えばタンパク質、多糖類を挙げることができる。具体的には、コラーゲン、ヒアルロン酸、ペプチドハイドロゲル、ラミニン、コンドロネクチン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、その他の細胞外マトリックス成分タンパク質、ゼラチン、アガロース、セルロース、オリゴ核酸、ポリ核酸、フィブリン、キトサン、アルギン酸等の高分子化合物によるゲルが挙げられる。また、生体から抽出したものではなく、人工的に合成された生体由来材料模倣材料も用いることができる。例えば、各種の人工ペプチドおよびその誘導体、人工オリゴペプチドおよびその誘導体、人工ポリペプチドおよびその誘導体、人工多糖類およびその誘導体等が挙げられる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等の水溶性高分子も用いることができる。
ヒドロゲル膜の形成方法としては、後述するように所定の厚さを有するヒドロゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロゲル膜は泡膜をゲル化させたものであってもよい。この場合、ヒドロゲル膜は、ゲル原料を含む水溶液の泡膜を、水を含有する状態でゲル化して調製されたものであることが好ましい。
上記の場合、ゲル原料としては、水溶性を有し、かつ、界面活性を示すものであり、泡
膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、上述の材料を用いることができる。中でも、ゼラチン、コラーゲン、アガロースが好ましく用いられる。ゼラチン、コラーゲン、アガロースはいずれも界面活性を有するため、泡膜の表裏の両表面にはそれぞれ、これらの化合物の分子が疎水部分を外側、親水部分を内側となるように配置していると考えられる。泡膜は表裏が均質な構造を有していることから、泡膜から調製されるゲル膜は表裏が均質であり表裏の区別なく利用可能である。
膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、上述の材料を用いることができる。中でも、ゼラチン、コラーゲン、アガロースが好ましく用いられる。ゼラチン、コラーゲン、アガロースはいずれも界面活性を有するため、泡膜の表裏の両表面にはそれぞれ、これらの化合物の分子が疎水部分を外側、親水部分を内側となるように配置していると考えられる。泡膜は表裏が均質な構造を有していることから、泡膜から調製されるゲル膜は表裏が均質であり表裏の区別なく利用可能である。
ゼラチンの起源は特に限定されないが、ブタの表皮、ブタの骨、牛の皮膚、牛の骨、魚等に由来するゼラチンを使用することができる。
コラーゲンの起源は特に限定されないが、ブタの皮膚、ブタの骨、牛の皮膚、牛の骨、魚等に由来するコラーゲンを使用することができる。
アガロースの起源は特に限定されないが、海藻等に由来するアガロースを使用することができる。
また、ヒドロゲル膜は、適宜、界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤等を含有していてもよい。界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤は、ゲル膜を形成する際に泡膜を安定化させる目的で使用されるものである。
界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル等の生体に対する安全性の高い界面活性剤が好ましい。
乳化補助剤としては、メチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、スクロース、ポリグリセリン等の生体に対する安全性の高い乳化補助剤が好ましい。ゲル化前の泡膜からの水の揮発は泡膜破裂の原因となる。乳化補助剤は、泡膜からの水の揮発を抑制する作用、すなわち泡膜の湿潤剤としての作用を有するため、泡膜破裂を抑制することを目的として添加することができる。また、ポリエチレングリコール等の乳化補助剤は、湿潤剤としての作用に加えて、ゲル膜を構成する高分子の間に入り、高分子間の架橋形成を抑制して膜の柔軟性を高めるという作用も有する。このため、乳化補助剤を含む水溶液から調製されたゲル膜は柔軟性が高く、皮膚等の生体表面に対する密着性が高いという有利な効果を有する。
さらに、ヒドロゲル膜は、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を含有していてもよい。これらの成分は、ゲル膜において高分子の網目構造中に取り込まれ保持されることができる。
また、ヒドロゲル膜は、高分子化合物の網目構造を有しているため、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を透過することが可能である。
ヒドロゲル膜の厚さとしては、乾燥後のヒドロゲル膜の厚みが所定の範囲内になるような厚さであればよく、具体的には、100nm〜200μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜200μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜100μmの範囲内であることがさらに好ましい。ヒドロゲル膜の厚さが上記範囲内である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に膜が剥がれ難いため有利である。
ここで、ヒドロゲル膜の厚さは、光学顕微鏡により膜−空気界面の位置を、焦点を合わせることで測定し、計測した値である。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
(2)乾燥ゲル膜
本実施の形態における乾燥ゲル膜は、その厚みが所定の範囲内になるように、所定の厚さを有するものである。
本実施の形態における乾燥ゲル膜は、その厚みが所定の範囲内になるように、所定の厚さを有するものである。
乾燥ゲル膜としては、所定の厚さを有するものであれば特に限定されるものではなく、上記ヒドロゲル膜と同様の材料を用いることができる。
乾燥ゲル膜の形成方法としては、後述するように所定の厚さを有する乾燥ゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、乾燥ゲル膜は泡膜をゲル化させたものであってもよい。この場合、乾燥ゲル膜は、ゲル原料を含む水溶液の泡膜を、水を含有する状態でゲル化し乾燥させて調製されたものであることがより好ましい。ゲル原料としては、上記ヒドロゲル膜と同様である。
また、乾燥ゲル膜は、適宜、界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤等を含有していてもよい。界面活性剤、乳化補助剤、湿潤剤としては、上記ヒドロゲル膜と同様である。
さらに、乾燥ゲル膜は、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を含有していてもよい。これらの成分は、ゲル膜において高分子の網目構造中に取り込まれ保持されることができる。
また、乾燥ゲル膜は、高分子化合物の網目構造を有しているため、医薬として有効な成分や化粧料として有効な成分等の皮膚等の生体に供給されるべき所望の成分を透過することが可能である。
乾燥ゲル膜の厚さとしては、その厚みが所定の範囲内になるような厚さであればよく、具体的には、100nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、200nm〜1μmの範囲内であることがより好ましい。乾燥ゲル膜の厚さが上記範囲内である場合、膜の柔軟性が非常に高いため、皮膚等の微細な凹凸を有する表面への密着性が高く、貼付後に膜が剥がれ難いため有利である。また、乾燥ゲル膜の厚さが上記下限値以上である場合には光干渉による構造色が目視で観察できるため、極薄であるにも関わらず着色剤により着色しなくとも乾燥ゲル膜を目視により識別可能である。
ここで、乾燥ゲル膜の厚さの測定に際しては、カバーガラス表面を水で濡らし、乾燥ゲル膜をガラス表面に表面張力で密着させ、1時間真空乾燥し水を完全に揮発させ、光学顕微鏡により膜−空気界面とガラス表面の段差を測定し、乾燥ゲル膜の厚さとした。光学顕微鏡には、オリンパス社製のナノサーチ顕微鏡 OLS3500を用いることができる。
(3)ゲル膜の形成方法
ゲル膜の形成方法としては、所定の厚さを有するゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、泡膜形成用支持枠を用いてゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成し、泡膜をゲル化する方法がある。
ゲル膜の形成方法としては、所定の厚さを有するゲル膜を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、泡膜形成用支持枠を用いてゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成し、泡膜をゲル化する方法がある。
図3(a)〜(c)および図4(a)〜(e)は本実施の形態におけるゲル膜の形成方法の一例を示す工程図である。まず、図3(a)および図4(a)に示すように、少なくとも1つの開口13が形成された支持枠12を用意する。次に、図4(b)に示すように、支持枠12を泡膜形成用水溶液22に浸し引き揚げて、図4(c)に示すように、開口13を塞ぐように張られた泡膜形成用水溶液の泡膜23を形成する。次いで、図3(b)および図4(d)に示すように、泡膜23を水を含有する状態でゲル化することにより、ヒドロゲル膜2aを形成する。続いて、図3(c)および図4(e)に示すように、ヒドロゲル膜2aをさらに乾燥させることにより、乾燥ゲル膜2を形成する。
<支持枠>
支持枠12の材質としては、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂、ガラス、金属等を挙げることができる。また、支持枠は可撓性を有していることが好ましいが、有さなくてもよい。中でも、支持枠は可撓性のフィルム状部材であることが好ましい。
支持枠12の材質としては、ゲル原料を含む泡膜形成用水溶液の泡膜を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、樹脂、ガラス、金属等を挙げることができる。また、支持枠は可撓性を有していることが好ましいが、有さなくてもよい。中でも、支持枠は可撓性のフィルム状部材であることが好ましい。
支持枠の寸法および形状は適宜選択すればよい。支持枠に形成された開口13の面積は泡膜を形成可能な程度であればよいが、100mm2〜40000mm2の範囲内であることが好ましく、300mm2〜2000mm2の範囲内であることがより好ましい。開口13の形状は特に限定されず、目的に応じて円形、三角形、四角形等の多角形等、任意の形状であることができる。中でも、開口13の形状は、円形や、角部が丸みを帯びた多角形が好ましい。これらの形状の場合、泡膜の周縁にかかる応力を低減できるので、泡膜の取扱いやすさを向上させることができる。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
図2(a)〜(c)は本実施の形態の貼付用シートの使用方法の一例を示す模式図である。図2(a)〜(b)に示すように、支持枠12と、支持枠12で保持されているゲル膜2とを有する貼付用シート1は、表面が平坦ではない被貼付物30の表面形状に沿って変形することができる。まず、使用者は貼付用シート1のゲル膜2上に化粧水2A等を塗布する。次に、図2(b)に示すように、貼付用シート1の支持枠12に固定された状態のゲル膜2の面を、水で湿らせた皮膚等の被貼付物30の表面に表面張力で十分に密着させ貼付する。ゲル膜2の周縁と支持枠12とは、ゲル膜2の表面と被貼付物30の表面との密着後に支持枠12を剥離した場合に分離する程度に弱く結合されているため、図2(c)に示すように、ゲル膜2を被貼付物30表面に残すことができる。
ところで、図2(a)〜(c)において、貼付シート1を被貼付物30の表面に貼付する場合、上述のように支持枠12の断面形状は表面12a側へ突出する半円形状をもつため、支持枠12を外方から触れるだけで支持枠12の表面12aおよび裏面12bを容易かつ簡単に認識して支持枠12の向きを誤りなく、正しく判断することができる。
このように本実施の形態によれば、支持枠12の表面12aおよび裏面12bを容易に認識して、ゲル膜2が被貼付物30側を向くような向きに向かせることができる。このため誤りなく貼付シート1を被貼付物30上に貼付することができる。
次に本実施の形態による貼付シートの変形例について、図5乃至図10により説明する。
図1乃至図4に示す実施の形態において、貼付用シート1はゲル膜2と、ゲル膜2を支持する支持枠12とを有する例を示したが、これに限らず、図5に示すようにゲル膜2上に機能層5を設けるとともに、この機能層5を覆って保護層3を設けてもよい。図5において、ゲル膜2と、機能層5と、保護層3とにより薄膜1Aが構成される。
図1乃至図4に示す実施の形態において、貼付用シート1はゲル膜2と、ゲル膜2を支持する支持枠12とを有する例を示したが、これに限らず、図5に示すようにゲル膜2上に機能層5を設けるとともに、この機能層5を覆って保護層3を設けてもよい。図5において、ゲル膜2と、機能層5と、保護層3とにより薄膜1Aが構成される。
あるいはまた、図6に示すように、ゲル膜2上に保護層3のみを設けてもよい。図6において、ゲル膜2と保護層3とにより、薄膜1Aが構成される。
図5および図6に示す変形例において、他の構成部分は図1乃至図4に示す実施の形態と略同一である。図5および図6に示す変形例において、図1乃至図4に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
次に図5および図6に示す変形例において用いられる保護層3及び機能層5の構成について説明する。
<保護層>
本実施の形態における保護層は、上記ゲル膜の少なくとも一方の表面に形成されるものであり、乾燥後のゲル膜および保護層を含む薄膜の総厚が所定の範囲内(100nm〜10μm)になるように、所定の厚さを有するものである。また、保護層は、例えば本実施の形態の貼付用シートに耐水性を付与するものである。
<保護層>
本実施の形態における保護層は、上記ゲル膜の少なくとも一方の表面に形成されるものであり、乾燥後のゲル膜および保護層を含む薄膜の総厚が所定の範囲内(100nm〜10μm)になるように、所定の厚さを有するものである。また、保護層は、例えば本実施の形態の貼付用シートに耐水性を付与するものである。
本実施の形態においては、貼付用シートを皮膚等に貼付した後にゲル膜上に保護層が存在することで例えば耐水性が発揮される。そのため、保護層は、特許文献3〜7とは異なり、貼付用シートの貼付後にゲル膜から剥離されるものではない。
保護層としては、ゲル膜が水で膨潤するのを抑制できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、保護層の水に対する膨潤度が上記ゲル膜の水に対する膨潤度よりも小さいことにより、ゲル膜への水の浸透を抑制することができる。なお、保護層は非常に薄いため保護層の水に対する膨潤度を測定することは困難である場合があるが、保護層の水に対する膨潤度は、保護層を含む貼付用シートの水に対する膨潤度で評価することができる。この場合、保護層を含む貼付用シートの水に対する膨潤度がゲル膜の水に対する膨潤度よりも小さければ、保護層の水に対する膨潤度がゲル膜の水に対する膨潤度よりも小さいということができる。具体的には、貼付用シートの水に対する膨潤度は、100%〜4000%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは100%〜2000%の範囲内、さらに好ましくは100%〜1000%の範囲内である。
ここで、膨潤度は、「乾燥後の貼付用シートの重量」に対する「水分保持後の貼付用シートの重量」の割合であり、下記式により求められる。
膨潤度(%)=(水分保持後の貼付用シートの重量)÷(乾燥後の貼付用シートの重量)×100
膨潤度(%)=(水分保持後の貼付用シートの重量)÷(乾燥後の貼付用シートの重量)×100
具体的には、ポリエチレンフィルム(東洋紡社製、LIX-NP、100μm厚)の両面の全領域に貼付用シートを貼付し1時間真空乾燥させた乾燥積層体の重量を電子天秤で測定し、同様にポリエチレンフィルム単体を乾燥させた乾燥ポリエチレンフィルムの重量を測定し、乾燥積層体および乾燥ポリエチレンフィルムの重量の差分を「乾燥後の貼付用シートの重量」とする。次に、上記の乾燥積層体を23℃の水に5秒間浸漬させた水分保持積層体の重量を乾燥しないように素早く電子天秤で測定し、同様に上記の乾燥ポリエチレンフィルム単体を水に浸漬させた水分保持ポリエチレンフィルムの重量を測定し、水分保持積層体および水分保持ポリエチレンフィルムの重量の差分を「水分保持後の貼付用シートの重量」とする。そして、上記式により膨潤度を算出する。
また、保護層は疎水性を有することが好ましい。疎水性を有する保護層によって水をはじくことができ、ゲル膜への水の浸透を抑制することができる。
ここで、「疎水性」とは、保護層表面の水接触角が50°以上であることをいう。
具体的には、保護層表面の水接触角は、50°〜180°の範囲内であることが好ましく、より好ましくは70°〜180°の範囲内、さらに好ましくは80°〜180°の範囲内である。保護層表面の水接触角が上記範囲内であることにより、本実施の形態の貼付用シートの剥がれや破れを効果的に抑制することができるからである。
なお、水接触角は、乾燥状態(23℃−65%RH)下で、水平に設置した保護層上に、マイクロシリンジから水(純水)を2μl滴下して水の液滴を形成し、30秒静置後に測定を行うことで得ることができる。また、水接触角とは、保護層表面と水の液滴とが接触する点における水の液滴表面に対する接線と保護層表面とがなす角であり、水の液滴を含む側の角度をいう。例えば、水接触角は、全自動接触角計(協和界面化学(株)CA−Z型)を用いて測定することができる。
保護層の材料としては、上記の特性を満たすものであることが好ましく、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂、共役ジエン共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ニトロセルロース等が挙げられる。また、保護層として高分子が架橋された高分子ゲル層を用いてもよい。高分子ゲル層に用いられる高分子としては、上記ゲル膜に用いられる材料を適用することができる。
保護層の厚さとしては、乾燥後のゲル膜および保護層を含む薄膜の総厚が所定の範囲内になるような厚さであればよく、具体的には、10nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、100nm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、200nm〜1μmの範囲内であることがさらに好ましい。保護層の厚さが上記範囲内であれば、ゲル膜の皮膚等への高い密着性を維持することができるとともに、ゲル膜上に保護層を形成可能である。
<機能層>
本実施の形態においては、ゲル膜および保護層の間に、ゲル膜の貼付性に影響を与えない機能層が形成されている。ゲル膜上に機能層が形成されていることにより、貼付用シートに機能性を付与することができる。例えば機能層に顔料や染料等の着色剤を用いることで着色することができる。この場合、ゲル膜に着色剤を含有させる場合とは異なり、ゲル膜の形成後に機能層を形成可能であるため、例えば色制御が容易である。さらに、ゲル膜の厚さ以上の粒径をもつ顔料等も貼付用シートの貼付性や使用感を劣化させることなく適用可能である。また、機能層に化粧料成分や薬の有効成分等を含有させることもできる。
本実施の形態においては、ゲル膜および保護層の間に、ゲル膜の貼付性に影響を与えない機能層が形成されている。ゲル膜上に機能層が形成されていることにより、貼付用シートに機能性を付与することができる。例えば機能層に顔料や染料等の着色剤を用いることで着色することができる。この場合、ゲル膜に着色剤を含有させる場合とは異なり、ゲル膜の形成後に機能層を形成可能であるため、例えば色制御が容易である。さらに、ゲル膜の厚さ以上の粒径をもつ顔料等も貼付用シートの貼付性や使用感を劣化させることなく適用可能である。また、機能層に化粧料成分や薬の有効成分等を含有させることもできる。
ここで、「貼付性」とは、皮膚等の生体または生体材料の表面への貼付性をいう。
「ゲル膜の貼付性に影響を与えない」とは、ゲル膜上に機能層を形成した後も皮膚等の生体または生体材料の表面に貼付可能な程度にゲル膜の貼付性が維持されていることをいう。
次に図7乃至図10により、本実施の形態による貼付シートの他の変形例について説明する。
図7乃至図10に示す変形例は支持枠12の構成が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図4に示す実施の形態と略同一である。
図7乃至図10に示す変形例は支持枠12の構成が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図4に示す実施の形態と略同一である。
図7乃至図10に示す変形例において、図1乃至図4に示す実施の形態と同一部分については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
まず図7および図8に示す変形例において、支持枠12は開口13を有する平面矩形状をなし、開口13内にゲル膜2が配置されている。また支持枠12は表面12aと裏面12bとを有しており、支持枠12の表面12aには表面12aを特定する複数、例えば4個の表示部15が設けられている。この表示部15は、支持枠12の表面12aに直接、転写で形成したり、エンボス加工で凹凸構造を形成したり、またはインクを塗布することで着色する等により形成することができる。または、転写、エンボス加工、インク塗布等により形成した別体の表示部形成用部材を支持枠12の表面12aに貼り付けることにより、支持枠12の表面12aに間接的に形成することもできる。このように支持枠12の表面12aに表示部15を設けることにより、表面12aと裏面12bは互いに異なる表面状態をもつことになる。
貼付用シート1を使用する使用者は、支持枠12の表面12a上に設けられた表示部15を確認することにより、支持枠12の表面12aおよび裏面12bを容易かつ簡単に認識することができ、貼付シート1を正しい向きで被貼付物30上に貼付することができる。
また図9に示すように、支持枠12の表面12a側を表面側部材12Aから構成し、裏面12b側を表面側部材12Aと異なる裏面側部材1Bから構成してもよい。
この場合、表面側部材12Aと裏面側部材12Bとは、互いにその構成材料が異なっていてもよい。この場合、「構成材料が異なる」とは材料種が異なるだけでなく組成比のみが異なる場合も含む。また構成材料の異なるフィルム部材をラミネートさせて形成する場合も含む。また表面側部材12Aと裏面側部材12Bは互いにその色が異なっていてもよい。この場合、「色が異なる」とは支持枠12の材料自体に顔料や染料を混ぜて色を異ならせることをいう。
貼付シート1を使用する使用者は互いに異なる色又は材料をもつ表面側部材12Aおよび裏面側部材12Bによって、支持枠21の表面12aおよび裏面12bを容易かつ簡単に確認することができ、貼付シート1を正しい向きで被貼付物30上に貼付することができる。
あるいはまた図10に示すように、支持枠12の表面12aに表面処理Aを施して表面処理層17を形成し、裏面12bに表面処理Bを施して表面処理層18を形成してもよい。この場合、表面処理層17と表面処理層18は、異なる表面状態をもつ。
貼付シート1を使用する使用者は支持枠12の互いに異なる表面処理層17、18を触れることにより、支持枠12の表面12aおよび裏面12bを容易かつ簡単に確認することができ、貼付シート1を正しい向きで被貼付物30上に貼付することができる。
なお、図10において、支持枠12の表面12aに表面処理Aを施し、裏面12bに表面処理Bを施す例を示したが、これに限らず表面12aのみに表面処理Aを施してもよい。この場合、支持枠12の表面12aのみに表面処理層17が形成され、表面12aと裏面12bとは異なる表面状態をもつ。
図10に示す変形例において、支持枠12の表面12aおよび裏面12bに施される表面処理A、Bとしては、例えばマット面を形成するマット処理を挙げることができ、マット面の程度を変化させることにより、表面処理層17の表面状態と、表面処理層18の表面状態を互いに変化させることができる。
あるいはマット処理に加え、コロナ処理、電子線照射、紫外線照射、プラズマ処理、コーティング処理により、表面状態を互いに変化させることもできる。
また図7乃至図10に示す変形例において、貼付シート1がゲル膜2と支持枠12とを有する例を示したが、ゲル膜2上に機能層5と、保護層3を設けてもよく(図5参照)、ゲル膜2上に保護層3を設けてもよい(図6参照)。
さらにまた、図1、図8、図9および図10に示す実施の形態を適宜組合せることもできる。さらにまた、図1、図8、図9および図10に示す支持枠12において、表面12a側の構成と裏面12b側の構成を相互に反転させてもよい。
さらに、支持枠12の全体で表面12a側(第1の面側)と裏面12b側(第2の面側)との特性を異ならせても良いし、支持枠12の少なくとも一部において特性を異ならせても良い。
また、上記各実施の形態において、ゲル膜2の代わりに高分子膜を用いてもよい。ここで高分子膜とは高分子の水溶液から溶媒を乾燥させた膜であり、例えば特許文献2の高分子膜を用いることができる。高分子膜の厚みは、上述したゲル膜2の厚みと同様の厚みを設定することができる。
1 貼付用シート
2 ゲル膜
3 保護層
5 機能層
12a 表面
12b 裏面
12A 表面側部分
12B 裏面側部分
13 開口
15 表示部
17 表面処理層
18 表面処理層
2 ゲル膜
3 保護層
5 機能層
12a 表面
12b 裏面
12A 表面側部分
12B 裏面側部分
13 開口
15 表示部
17 表面処理層
18 表面処理層
Claims (6)
- 貼付用シートにおいて、
ゲル膜または高分子膜と、
前記ゲル膜または高分子膜の外縁に配置され、前記ゲル膜または高分子膜を支持するとともに、第1の面とこの第1の面の反対側の第2の面とを有する支持枠とを備え、
前記支持枠は前記第1の面側と、前記第2の面側において異なる特性を有することを特徴とする貼付用シート。 - 前記支持枠の前記ゲル膜または高分子膜の露出面に対して法線方向の断面形状は、その中心線に関して前記第1の面側と前記第2の面側で非対称となっていることを特徴とする請求項1記載の貼付用シート。
- 前記支持枠の前記第1の面と前記第2の面は、互いに異なる表面状態を有することを特徴とする請求項1記載の貼付用シート。
- 前記支持枠の第1の面および前記第2の面の少なくとも一方に表示部を設けたことを特徴とする請求項3記載の貼付用シート。
- 前記支持枠の前記第1の面側部分と前記第2の面側部分は互いに異なる材料又は色であることを特徴とする請求項1記載の貼付用シート。
- 前記ゲル膜または高分子膜上に、機能層又は保護層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の貼付用シート。
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JP2014017896A JP2015144641A (ja) | 2014-01-31 | 2014-01-31 | 貼付用シート |
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