JP2014030663A - 徐放性組織再生材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】血小板由来成分を徐放して優れた組織再生促進効果を発揮することができる徐放性組織再生材料の提供。
【解決手段】コラーゲン及び/又はゼラチンからなる生体吸収性多孔質基材と、該生体吸収性多孔質基材に担持された血小板分解産物とからなる徐放性組織再生材料。該血小板分解産物は、濃縮されたものであることが好ましい。該生体吸収性多孔質基材は、コラーゲンとゼラチンとの複合体であることが好ましい。該徐放性組織再生材料は、生体組織が創傷や火傷によって広範囲に欠損した場合、早期に欠損部を閉鎖することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、血小板由来成分を徐放して優れた組織再生促進効果を発揮することができる徐放性組織再生材料に関する。
生体組織が創傷や火傷によって広範囲に欠損した場合、早期に欠損部を閉鎖するとともに、欠損した組織を早急に再生する必要がある。このような生体組織欠損部の閉鎖、再生を促進するために種々の組織再生材料が提案されている。このような組織再生材料としては、コラーゲン、ゼラチン等の天然高分子からなるものや、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−ε−カプロラクトン等の合成高分子からなるものがある。なかでも、コラーゲンやゼラチンを多孔質状に加工した組織再生材料は、生体適合性に優れ、細胞増殖の足場材料としても優れていることから、創傷被覆材、人工皮膚、生体組織補綴材等の種々の組織再生材料として用いられている。
組織再生材料を用いて生体組織を再生を促進させる方法として、成長因子や細胞増殖因子を組織再生材料に担持させ、それを徐放させる方法も提案されている。なかでも、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)には優れた組織再生促進効果が認められ、これをコラーゲンスポンジからなる組織再生材料に担持させた組織再生用基材も提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載された組織再生用基材を組織欠損部に移植すれば、bFGFが徐々に放出されることから、長期にわたって組織再生促進効果が発揮される。
しかしながら、本来の生体組織の治癒には、血液中の血小板が大きな役割を果たすことが知られている。従って、脳下垂体由来のbFGFよりも、血小板由来成分を用いた方が、より自然に近い治癒が期待される。また、現時点においてbFGFを医療用材料として認可している国も限られており、世界的な利用は難しい状況にある。
これに対して特許文献2には、多血小板血漿(Platelet Rich Plasma、以下「PRP」ともいう。)とゼラチンハイドロゲルとを含む徐放製剤が開示されている。PRPとは、末梢血を低速で遠心分離して赤血球を除くことにより得られる濃厚血小板血漿である。PRPには、血小板中に含まれる血小板由来成長因子(PDGF)、トランスホーミング成長因子β(TGF−β)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)等の成長因子が多く含まれていることから、これをゼラチンハイドロゲル中に担持させ徐放させることにより、組織再生促進効果が発揮されるとされている。
しかしながら、実際にPRPを含むゼラチンハイドロゲルを組織欠損部に移植しても、期待したほどには組織再生促進効果が得られないという問題があった。
特開2007−68884号公報 特開2004−123576号公報
本発明は、血小板由来成分を徐放して優れた組織再生促進効果を発揮することができる徐放性組織再生材料を提供することを目的とする。
本発明は、コラーゲン及び/又はゼラチンからなる生体吸収性多孔質基材と、該生体吸収性多孔質基材に担持された血小板分解産物とからなる徐放性組織再生材料である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、PRPを含むゼラチンハイドロゲルが期待したほどには組織再生促進効果を有しない原因について検討した。その結果、PRPをゼラチンハイドロゲル中に含ませても、実際にはPRPはほとんどゼラチンには吸着されていないか、吸着されているとしても保持力が極めて弱く、初期の段階でほとんどが流出してしまっていることを見出した。
本発明者は、更に鋭意検討の結果、PRPに代えて血小板分解産物(Platelet Lysate、以下「PL」ともいう。)を用いることにより、コラーゲン及び/又はゼラチンからなる生体吸収性多孔質基材に容易に、かつ、比較的強い強度で吸着させることができ、長期に渡って徐放させることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の徐放性組織再生材料は、生体吸収性多孔質基材と、該生体吸収性多孔質基材に担持されたPLとからなる。
本明細書においてPLとは、血液から分離した血小板を破壊した後、遠心分離して固体成分を分離して得た上澄み分画を意味する。PLは、血小板中に含まれる血小板由来成長因子(PDGF)、トランスホーミング成長因子β(TGF−β)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)等の成長因子を含有する一方、血小板の細胞壁に由来する固体成分を含有しない。この点においてPRPとは明確に区別されるものである。
PRPに比べてPLが生体吸収性多孔質基材に容易に、かつ、比較的強い強度で吸着させることができる理由は不明であるが、おそらく血小板に由来する固体成分に吸着を妨げる作用があり、それを除いたPLの吸着性能が向上するためと考えられる。
また、PLは濃縮が可能であることから、容易に高濃度で生体吸収性多孔質基材に担持させることが可能である。更に、PLはPRPに比べて保存安定性にも優れるという利点もある。
上記PLは、血小板を破壊した後、遠心分離して固体成分を分離して得た上澄み分画からなる。
上記PLの原料は血液であるが、効率の点から、成分献血により回収した血小板を用いることが好ましい。
上記血小板を破壊する方法は特に限定されず、液体窒素等を用いて凍結と溶融とを繰り返す方法や、トロンビンを用いる方法等が挙げられる。これらの方法は、血小板中に含まれる血小板由来成長因子等を活性化する効果もある。
上記遠心分離して固体成分を分離して得た上澄みは、更に、血小板に由来する固体成分を確実に除く目的で、フィルターを用いて濾過することが好ましい。
上記方法により得られたPLは、凍結乾燥を行った後、より少量の蒸留水、生理食塩水、緩衝液等を用いて再溶解することにより、容易に濃縮することができる。このような濃縮PLを用いることにより、より高濃度で生体吸収性多孔質基材に担持させることができる。
上記生体吸収性多孔質基材は、コラーゲン及び/又はゼラチンからなる。
上記生体吸収性多孔質基材は、コラーゲン又はゼラチンからなるものであってもよいが、コラーゲンとゼラチンとの複合体が好適である。
上記ゼラチンは特に限定されず、例えば、牛、豚、鶏、鮭等の骨、腱、皮等に由来するものを用いることができる。上記ゼラチンは、酸処理又はアルカリ処理されていることが好ましい。酸処理されたゼラチンは正電荷に、アルカリ処理されたゼラチンは負電荷に帯電することから、この電荷を利用すれば、正又は負の電荷を有するゼラチンを含む生体吸収性多孔質基材に、静電結合により上記PLを変性させることなく比較的強固に吸着させることができ、PLの良好な徐放が可能になる。
上記コラーゲンは特に限定されず、牛、豚等の皮膚や腱等に由来するものを用いることができる。抗原性を排除してより安全性を高める観点から、コラーゲンをプロテアーゼやペプシン等の酵素で処理して、テロペプチドをできる限り除去したアテロコラーゲンが好ましい。アテロコラーゲンには、I〜IV型があるが、基材の用途に応じて選択することができる。培養皮膚や創傷被覆材として用いる場合、真皮の構成成分に近い、I又はIII型を用いることが好ましい。生体吸収性多孔質基材にコラーゲンを含有させることにより、該基材への細胞の侵入が容易となる。
上記生体吸収性多孔質基材がコラーゲンとゼラチンとの複合体である場合、上記生体吸収性多孔質基材に含まれるゼラチンの含有量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は70重量%である。ゼラチンの含有量が1重量%未満であると、静電的相互作用により上記PLを吸着する性能が低くなり、得られる徐放性組織再生材料の徐放性能が低下することがあり、70重量%を超えると、得られる徐放性組織再生材料への細胞の侵入性が低下することがある。ゼラチンの含有量のより好ましい下限は20重量%、より好ましい上限は60重量%であり、更に好ましい下限は30重量%、更に好ましい上限は50重量%である。
上記生体吸収性多孔質基材は、三次元的に組織を再生する基材とするため、多孔質構造を有する。なかでも、多数の連続孔(連続した微細小孔)を有していることが好ましい。このような多数の連続孔を有することにより、本発明の徐放性組織再生材料に細胞を播種したときには、細胞が微細小孔内に浸入して接着し三次元的に伸展することが可能となり、また、細胞を播種することなく移植した場合にも、周辺の細胞が容易に侵入することができる。更に、接着した細胞へ充分な栄養を供給することが可能となり、細胞を正常に増殖及び分化させることができる。
上記生体吸収性多孔質基材の微細小孔の平均孔径は、再生しようとする組織又は器官により最適な値を選択することができるが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は500μmである。上記微細小孔の平均孔径が10μm未満であると、徐放性組織再生材料の内部に細胞が侵入できず細胞接着性が極端に劣ったり、接着した細胞が三次元的に伸展できなかったりすることがあり、500μmを超えると、細胞の密度が低くなり組織又は器官を再生できないことがある。上記微細小孔の平均孔径のより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は300μmである。
上記組織再生用基材を調製する方法は特に限定されず、例えば、コラーゲン及び/又はゼラチンを含む水性混合物を凍結乾燥した後、得られた一次凍結乾燥体に架橋処理を施す等の従来公知の方法により調製することができる。
即ち、まず、上記ゼラチン及び/又はコラーゲンを溶解した水溶液を調製し、これを適当な型枠の中に流延した後、−40〜−80℃で30分〜2時間程度凍結する。この凍結物を凍結乾燥することにより一次凍結乾燥体が得られる。
次に、得られた一次凍結乾燥体に適当な架橋処理を施すことにより、生体組織欠損部に移植した場合にでも一定期間形状を保持する性能を付与することができる。
上記架橋処理の方法は特に限定されず、例えば、熱架橋法、紫外線照射法、電子線照射法、X線照射法、グルタルアルデヒド等の架橋剤を用いる化学架橋法等が挙げられる。そのうち、基材の全体が均一の架橋度となるように架橋できることから、熱架橋法や架橋剤を用いる化学架橋法が好適である。
上記組織再生用基材に施す架橋処理の程度は特に限定されないが、下記式にて算出される含水率が90〜99.8%程度となるように架橋処理を施すことが好ましい。上記含水率が90%未満であると、得られる徐放性組織再生材料が移植に適する柔軟性を有しないことがあり、99.8%を超えると、得られる徐放性組織再生材料が培養液や緩衝液中で強度を保つことができないことがある。上記含水率のより好ましい下限は95%、より好ましい上限は98%である。
含水率(%)=[(Ws−Wd)/Ws]×100(%)
式中、Wsは、組織再生用基材を25℃においてリン酸緩衝生理食塩水中に1時間浸漬したときの重量(湿潤重量)を表し、Wdは、癒着防止材を真空乾燥機を用いて完全に乾燥したときの重量(乾燥重量)を表す。
上記組織再生用基材に上記PLを担持させる方法は特に限定されず、例えば、上記PL又はPLの濃縮物を上記組織再生用基材に滴下したり、含浸させたりする方法等が挙げられる。
なお、上記組織再生用基材にPLを担持させた後、凍結乾燥を行うことにより、本発明の徐放性組織再生材料の保存性を著しく向上させることも可能である。
本発明の徐放性組織再生材料における上記PLの含有量は、その再生する対象組織等に応じて適宜選択することができ特に限定はないが、血小板由来成長因子(PDGF)換算での好ましい範囲は0.1〜50ng/cm、より好ましい範囲は1〜10ng/cmであり、トランスホーミング成長因子β(TGF−β)換算での好ましい範囲は1〜1000ng/cm、より好ましい範囲は20〜200ng/cmである。
生体内において血小板は、創傷等により欠損した生体組織の治癒には不可欠な役割を果たすものである。本発明の徐放性組織再生材料は、血小板由来のPLを長時間に渡り安定して徐放できるという、優れた徐放性能を有している。これにより、bFGFを用いた組織再生材料と同様に優れた生体組織再生促進効果を発揮できるとともに、より自然に近い治癒が期待される。また、血小板から調製されるPLは、bFGFとは異なり医療用材料としての制限も少ないことから、各国の医療行政にかかわらず世界的な利用も考えられる。更に、患者から採取した血小板から調製したPLを用いることも可能である。
本発明の徐放性組織再生材料は、例えば、皮膚、骨、軟骨、心筋、脂肪等の生体組織の再生に好適に用いられる。なかでも、皮膚(真皮)の組織再生用、即ち人工真皮として特に好適である。
本発明によれば、血小板由来成分を徐放して優れた組織再生促進効果を発揮することができる徐放性組織再生材料を提供することができる。
実施例及び比較例で得られた徐放性組織再生材料からの血小板由来成長因子(PDGF)の徐放性の評価 実施例1で得られた徐放性組織再生材料からのトランスホーミング成長因子β(TGF−β)の徐放性の評価 全創皮膚欠損創に徐放性組織再生材料を移植した後の残存創面積の評価 全創皮膚欠損創に徐放性組織再生材料を移植した後の上皮化進展距離の評価
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)PLの調製
全血液から血液成分分離装置を用いて血小板成分を採取し、濃厚血小板を調製した。得られた濃厚血小板を−80℃で一晩凍結し、37℃で急速に解凍した。この操作を2回繰り返した。解凍した濃厚血小板を遠心分離(3000g、30分)して上澄みを採取した。採取した上澄みをフィルター(孔径0.22μm、商品名「Steradisc」、倉敷紡績社製)で濾過し、非濃縮タイプのPLを調製した。
得られた非濃縮タイプのPLは、ヘパリンを2単位/mLの割合で添加したうえで、−80℃で保管した。更に、凍結保存しておいた非濃縮タイプのPLを、凍結乾燥機を用いて−30℃で凍結乾燥させて粉末PLを調製した。粉末PLは、4℃で保管した。
使用直前に、粉末PLを元の溶液量の1/4量の生理食塩水に溶解させて4倍濃縮PLを調製し、更に生理食塩水を加えてPLの2倍濃縮物を得た。
(2)生体吸収性多孔質基材の調製
豚腱由来タイプIコラーゲンと豚皮膚由来ゼラチンとを、ゼラチンの比率が10重量%となるように混合し、蒸留水に溶解して水溶液とした。得られた水溶液を型枠に入れて−40℃で1時間凍結し、その後凍結乾燥することにより一次凍結乾燥体を得た。
得られた一次凍結乾燥体を真空下、110℃で処理することにより熱架橋を行った。更に熱架橋後、0.2%グルタルアルデヒドを含む0.05N酢酸水溶液に浸漬し、化学架橋を行った。水洗にて余剰のグルタルアルデヒドを除去し、再度凍結乾燥することにより架橋された生体吸収性多孔質基材を得た。
(3)徐放性組織再生材料の製造
PLの2倍濃縮物150μLを、1cm×1.5cm、厚さ3mmに成形した上記生体吸収性多孔質基材に滴下して、徐放性組織再生材料を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により粉末PLを調製した。
使用直前に、粉末PLを元の溶液量の1/4量の生理食塩水に溶解させて4倍濃縮PLを調製し、更に生理食塩水を加えてPLの3倍濃縮物を得た。
得られたPLの3倍濃縮物を用いた以外は実施例1と同様にして徐放性組織再生材料を得た。
(比較例1)
(1)PRPの調製
採血により得られた抹消血末梢血30mLを50mLの遠心管に入れ、遠心機を用いて2400rpmで10分間遠心した後、更に3600rpmで10分間遠心するダブルスピン法によりPRPを調製した。
(2)徐放性組織再生材料の製造
実施例1と同様の方法により調製した1cm×1.5cm、厚さ3mmに成形した生体吸収性多孔質基材に、得られたPRPを150μL含浸させて、徐放性組織再生材料を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られた徐放性組織再生材料について、以下の方法により評価を行った。
(1)PL及びPPRの含有量の測定
実施例及び比較例で得られた徐放性組織再生材料を、コラゲナーゼを用いて生体吸収性多孔質基材を完全に溶解した溶液を得た。得られた溶液について、ELISA法によりトランスホーミング成長因子β(TGF−β)の含有量を測定し、徐放性組織再生材料1cmに担持されたTGF−β量を算出した。また、後述する徐放性の評価における積算値から、徐放性組織再生材料1cmに担持されたPDGF量を算出した。結果を表1に示した。(ただし、比較例1についてのTGF−β量は未測定。)
Figure 2014030663
表1より、いずれの徐放性組織再生材料にもTGF−β及びPDGFが含まれていることが判る。また、PLの場合、2倍濃縮物に比べて3倍濃縮物を用いた方が、より多くのTGF−β及びPDGFを含有させることができることが判る。
(2)徐放性の評価
実施例及び比較例で得られた徐放性組織再生材料を、37℃のリン酸緩衝液中に浸漬し、0.5、1、2、4、6、8、12、24、24.5、25、26、28、30、32、36、48時間毎にリン酸緩衝液中に放出されたPDGF量をELISA法により測定した。得られた測定値をもとに、各時間までに放出された徐放性組織再生材料中のPDGFの積算量(%)を求めた。結果を表2に示した。また、表2をもとに各徐放性組織再生材料からのPDGFの徐放性を比較した図を、図1に示した。
Figure 2014030663
同様に、実施例1で得られた徐放性組織再生材料から各時間までに放出されたTGF−βの積算量(%)を求め、その結果を表3に示した。また、表3をもとに実施例1の徐放性組織再生材料からのTGF−βの徐放性を示した図を、図2に示した。
Figure 2014030663
表2、3及び図1、2より、PLを担持させた実施例1、2の徐放性組織再生材料では、浸漬後20時間までに約50%のTGF−β、PDGFが放出された後も、48時間後まで徐々にTGF−β、PDGFが放出され続けた。これは、生体吸収性多孔質基材に吸着されていないか、吸着されているとしても極めて弱い保持力でしか吸着されていなかったPLが浸漬後20時間までに放出された一方、その後は強い保持力で吸着されたPLが、生体吸収性多孔質基材の分解に伴い徐々に放出されたものと考えられる。
これに対して、PRPを担持させた比較例1の徐放性組織再生材料では、浸漬後の早い時間にほぼ100%のPDGFが放出されてしまった。PRPは、ほとんど生体吸収性多孔質基材には吸着されておらず、ごく初期の段階でほとんどが流出してしまうものと考えられる。
(実施例3)
実施例1で調製した生体吸収性多孔質基材を直径8mm、厚さ3mmの円盤状に成形し、実施例と同様の方法にて調製したPL(濃縮なし)、PLの2倍濃縮物、PLの3倍濃縮物及びPLの4倍濃縮物を150μL含浸させて、徐放性組織再生材料を作製した。
麻酔薬を腹腔投与して麻酔した後に、C57マウスの背部に直径8mmの全層皮膚欠損層を作製した。得られた徐放性組織再生材料を全層皮膚欠損層に移植し、5−0ナイロン縫合糸を用いて固定した。
移植後1及び2週間目にマウスの腹腔に麻酔薬を過剰投与することにより犠牲死させた後に、徐放性組織再生材料を移植した部位を写真撮影し、NIHイメージングソフトウエアVer1.62(National Institutes of Health社製)を用いて残存創面積を測定した。結果を図3に示した。
創面積を測定した後に、背部皮膚を皮下組織を含めて切除し、常法に従ってホルマリン固定してパラフィン切片を作製し、HE染色を行った。HE染色像を観察し、全創皮膚欠損創の辺縁部間の距離、即ち、上皮化進展距離を測定した。結果を図4に示した。
本発明によれば、血小板由来成分を徐放して優れた組織再生促進効果を発揮することができる徐放性組織再生材料を提供することができる。

Claims (3)

  1. コラーゲン及び/又はゼラチンからなる生体吸収性多孔質基材と、該生体吸収性多孔質基材に担持された血小板分解産物とからなることを特徴とする徐放性組織再生材料。
  2. 血小板分解産物は、濃縮されたものであることを特徴とする請求項1記載の徐放性組織再生材料。
  3. 生体吸収性多孔質基材は、コラーゲンとゼラチンとの複合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の徐放性組織再生材料。
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