JP2005211477A - 再生医療用支持体 - Google Patents

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【課題】 細胞の侵入が可能であり、かつ、生理活性物質を徐放することができる、再生のための足場材と再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得る再生医療用支持体を提供する。
【解決手段】 架橋されたゼラチンからなり、平均孔径が10〜500μmである多数の微細小孔を有する基材と、前記基材の表面に静電結合したタンパク質性生理活性物質とからなる再生医療用支持体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、細胞の侵入が可能であり、かつ、生理活性物質を徐放することができる、再生のための足場材と再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得る再生医療用支持体に関する。
近年の細胞工学技術の進展によって、ヒト細胞を含む数々の動物細胞の培養が可能となり、また、それらの細胞を用いてヒトの組織や器官を再構築しようとする、いわゆる再生医療の研究が急速に進んでいる。再生医療においては、細胞が増殖分化して三次元的な生体組織様の構造物を構築できるかがポイントであり、組織又は器官の再生の足場になる支持体を患者に移植することが行われている。このような支持体としては、例えば、特許文献1に、コラーゲン単糸からなる移植用基材が開示されている。
支持体を用いる再生医療の手法としては、例えば、細胞の接着していない支持体を患者の体内に移植し、周りの組織又は器官から細胞を支持体中に侵入させ増殖分化させて組織又は器官を再生する方法;予め自家又は他家の組織又は器官から採取した細胞を支持体中に播種、培養し、これを患者に移植して、その細胞を増殖分化させて組織又は器官を再生する方法等が挙げられる。
一方、欠損した組織や器官が再生治癒される過程においては、各種の細胞から種々の生理活性物質が分泌され、これらの生理活性物質が組織や器官を構成する細胞に作用し、細胞の移動や増殖、更には組織や器官への分化を促進することが知られている。例えば、繊維芽細胞増殖因子(bFGF)は、肉芽組織や血管組織の形成を促進することが知られており、骨形成因子(BMP)は、骨細胞の形成を促進することが知られている。そこで従来から、生理活性物質を患部に投与することにより組織の再生を人工的に促進する方法が試みられている。しかし、生理活性物質を患部に投与しても、体内の血流等の作用により生理活性物質は速やかに患部から運び去られてしまうことから、充分な効果を挙げることができないという問題があった。
これに対して、例えば、生理活性物質をゼラチンのハイドロゲル中に含浸させ、このゼラチンハイドロゲル又は該ハイドロゲルからなる粒子を患部に移植する方法が試みられている。ハイドロゲル中に生理活性物質を含浸させることにより、移植部位に固定されたハイドロゲルの生分解に合わせて含浸されていた生理活性物質が徐々に放出され、長期間にわたって患部に作用し続けることができることから、高い治癒効果が期待できる。
再生医療用支持体を用いた治療においても、生理活性物質の徐放の考え方を応用できればより高い治療効果が期待できると考えられる。再生医療用の支持体から生理活性物質を徐放させることができれば、支持体自体が組織又は器官の再生の足場になると同時に、支持体に播種した細胞や移植後に浸入した細胞に徐放された生理活性物質が作用してその増殖や分化を促進することができる。即ち、このような支持体は、再生のための足場材と、再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得るものである。
しかしながら、支持体を用いる再生医療においては支持体内に細胞が浸入することが重要であるところ、従来の生理活性物質を含浸したハイドロゲル等では、細胞はハイドロゲル内には侵入することができず、組織の再生はハイドロゲルの表面にとどまってしまうという問題があった。また、ハイドロゲルからなる粒子では、患部に均一に注入するのが困難であり、操作性にも問題があった。一方、細胞が浸入しやすいスポンジ状の支持体を用いた場合、単に生理活性物質を支持体に付着させただけでは血流等により短期間に生理活性物質は運び去られてしまい、また、生理活性物質を化学的に支持体に結合させた場合には生理活性が失活してしまうことがあり、結合可能な生理活性物質の種類が著しく制限された。
例えば、特許文献2には、哺乳動物皮膚由来の細胞を培養皮膚用基材に播種培養して得られた培養皮膚を凍結乾燥する人工皮膚の製造法が開示されている。この方法によれば、播種した細胞から分泌された生理活性物質が凍結乾燥時に細胞の表面や基材の表面に付着することから、この人工皮膚を移植すれば高い治療効果が得られるとされている。しかしながら、実際には生理活性物質は移植後の比較的早い段階で血流等により運び去られてしまうことから、治癒にはほとんど寄与することがなかった。
そこで、細胞の播種や侵入が可能であり、かつ、長期間にわたって生理活性物質を徐放できるような再生医療用支持体が求められていた。
特開2003−193328号公報 特開平9−173362号公報
本発明は、上記現状に鑑み、細胞の侵入が可能であり、かつ、生理活性物質を徐放することができる、再生のための足場材と再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得る再生医療用支持体を提供することを目的とする。
本発明は、架橋されたゼラチンからなり、平均孔径が10〜500μmである多数の微細小孔を有する基材と、前記基材の表面に静電結合したタンパク質性生理活性物質とからなる再生医療用支持体である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の再生医療医療用支持体は、架橋されたゼラチン(以下、架橋ゼラチンともいう)からなる基材とタンパク質性生理活性物質とからなる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ゼラチンには静電結合により各種のタンパク質生理活性物質を変性させることなく結合することが可能であり、また、適当に架橋することにより、移植したり培養液やバッファー中に浸漬したりした場合にもゲル化することなく細胞の侵入に好適な微細小孔を有する構造を維持することができ、かつ、タンパク質性生理活性物質の徐放の速度をコントロールすることをもできることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記ゼラチンとしては特に限定されないが、牛、豚、鶏、鮭等の骨、腱、皮等に由来するものを用いることが好ましい。
上記ゼラチンは、用いる生理活性物質の性質にあわせて、酸又はアルカリで処理して、プラス又はマイナスに帯電させることが好ましい。例えば、生理活性物質として、生理的環境下においてプラスに帯電している繊維芽細胞増殖因子(bFGF)を用いる場合には、上記ゼラチンをアルカリ処理してマイナスに帯電させることにより生理的環境下において繊維芽細胞増殖因子を静電結合させることができる。また、例えば、生理活性物質として生理的環境下においてマイナスに帯電している骨形成因子(BMP)を用いる場合には、上記ゼラチンを酸処理してプラスに帯電させることにより生理的環境下において骨形成因子を静電結合させることができる。
上記ゼラチンを酸処理する方法としては特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸等の酸溶液中にゼラチンを溶解して10〜24時間程度処理した後、水洗して、酸性水で抽出する方法等が挙げられる。
上記ゼラチンをアルカリ処理する方法としては特に限定されず、例えば、ゼラチンを水酸化カルシウム水溶液中に20℃、30〜100日間浸漬した後、水洗して、中性水で抽出する方法等が挙げられる。
なお、ゼラチン及びゼラチンの酸処理方法並びにアルカリ処理方法は、ゼラチンの由来によって適宜選択することが好ましい。例えば、牛骨由来のゼラチンはアルカリ処理を施すのに適しており、また、豚皮由来のゼラチンは、酸処理とアルカリ処理のいずれを施すにも適している。
上記架橋ゼラチンは、上記ゼラチンを架橋することにより作製することができる。架橋の方法としては特に限定されず、例えば、真空熱脱水法、乾熱法、γ線照射法、紫外線照射法、電子線照射法、X線照射法、架橋剤を用いる方法等が挙げられる。なかでも、後述するようにいったんスポンジ状に成形した状態のゼラチンを架橋する場合であっても内部にまで均一の架橋度となるように架橋できることから架橋剤を用いる方法が好適である。
上記架橋剤としては特に限定されず、例えば、グルタルアルデヒド、ホルマリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記架橋ゼラチンの含水率の好ましい下限は90%、好ましい上限は99.8%である。架橋ゼラチンの含水率は、ゼラチンの架橋度に対応しており、架橋度が高いほど含水率は低くなる。
含水率が90%未満であると、移植に適する柔軟性を損なうことに加え、生体内に移植しても生分解に長時間を要し、生理活性物質が徐放されず支持体内に留まってしまうことがある。99.8%を超えると、支持体が培養液やバッファー中で強度を保つことができなかったり、生理活性物質が徐放されなかったりすることがある。より好ましい下限は95%、より好ましい上限は98%である。
上記基材は、上記架橋ゼラチンからなるものであって、平均孔径が10〜500μmである多数の微細小孔を有するものである。多数の微細小孔を有する構造体としては特に限定されないが、例えば、スポンジ状、不織布状、織布状等が挙げられる。基材が多数の微細小孔を有する構造であることにより、細胞を播種したときには細胞が微細小孔内に浸入して接着し、三次元的に伸展することが可能となり、また、細胞を播種することなく移植した場合にも、周辺の細胞が容易に侵入することができ、再生の足場材としての役割を果たすことが可能となる。更に、接着した細胞へ充分な栄養を供給することが可能となり、細胞を正常に増殖、分化させることができる。
上記基材の微細小孔の平均孔径の下限は10μm、上限は500μmである。10μm未満であると、再生医療用支持体の内部に細胞が侵入できず細胞接着性が極端に劣ったり、接着した細胞が三次元的に伸展できなかったりし、500μmを超えると、細胞の密度が低くなり組織又は器官を再生できない。好ましい下限は20μm、好ましい上限は200μmである。
上記基材は、横編地、縦編地、組紐、織地、不織布等の補強材により補強されていてもよい。補強材により補強することにより、得られる本発明の再生医療用支持体の強度が向上し、取扱い性等が向上する。上記補強材を構成する材料と上記基材本体を構成する材料とは同一であってもよいし、異なっていてもよいが、生体内吸収性高分子材料からなることが好ましい。
上記上記生体内吸収性高分子材料としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−ε−カプロラクトン、乳酸−グリコール酸共重合体、グリコール酸−ε−カプロラクトン共重合体、乳酸−ε−カプロラクトン共重合体、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−シアノアクリレート、ポリ−β−ヒドロキシ酸、ポリトリメチレンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート、ポリ−γ−メチル−L−グルタメート、ポリ−L−アラニン等の合成高分子;デンプン、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、ペクチン酸及びその誘導体等の多糖類や、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、フィブリン等のタンパク質等の天然高分子等が挙げられる。
上記基材は、セラミック等のフィラーを配合することにより、圧縮抵抗性等の機械的物性を向上させてもよい。
上記フィラーとしては、例えば、ハイドロキシアパタイト、トリリン酸カルシウム(α−TCP、β−TCP)、アルミニウム、ジルコニア等からなるもの等が挙げられる。
上記基材を製造する方法としては特に限定されないが、未架橋のゼラチンを用いて所定の構造体を形成した後、架橋を施す方法;予め架橋を施したゼラチンを用いて所定の構造体を形成する方法等のいずれの方法であってもよい。具体的には、例えば、適当な濃度に調整したゼラチン水溶液を、ホモジナイザー等により激しく攪拌して発泡させた後、型枠に流延し、凍結後更に凍結乾燥してスポンジ状の成形体を得る。このスポンジ状成形体を適当な濃度のグルタルアルデヒド溶液に一定時間浸漬することにより架橋を施す。
なお、グルタルアルデヒド等の架橋剤処理において、処理の初期にスポンジ状構造体が膨潤してしまうことを避ける目的で、処理前に熱架橋処理等を施しておいてもよい。
また、架橋剤による架橋を行った場合には、反応末端を処理して毒性を除去することが好ましい。例えば、グルタルアルデヒド処理後には、グリシン水溶液等を用いて洗浄することにより、反応末端を失活させて毒性を除去することができる。
本発明の再生医療用支持体においては、上記基材にタンパク質性生理活性物質が結合している。上記タンパク質性生理活性物質としては特に限定されないが、例えば、酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、骨形成因子(BMP)、ヒト組換え型骨形成因子(rhBMP)、上皮細胞増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インターロイキン(IL)等が挙げられる。
上記タンパク質性生理活性物質は、両性電解質であることから等電点を有し、生理的条件下(通常は中性域)においてプラス又はマイナスのいずれかの電荷を有する。例えば、繊維芽細胞増殖因子(bFGF)は、生理的条件下ではプラスに帯電しており、また、骨形成因子(BMP)は、生理的条件下ではマイナスに帯電している。従って、上記基材が酸又はアルカリ処理されたゼラチンからなり生理的条件下でプラス又はマイナスに帯電している場合には、容易に上記タンパク質性生理活性物質を結合させることができる。このようなタンパク質性生理活性物質と基材との結合は静電結合であることから、タンパク質性生理活性物質は失活することなく基材の表面に結合できる。一方、この結合は移植後にも安定で容易に分解することがない。従って、上記タンパク質性生理活性物質は上記架橋ゼラチンが分解するまで基材に結合されており、架橋ゼラチンの分解に合わせて徐放されることになり、再生の促進剤としての役割を果たすことができる。
本発明の再生医療用支持体を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記タンパク質性生理活性物質を培養液やバッファー等に溶解又は懸濁した液を、上記架橋ゼラチンからなる基材に染み込ませる方法等が挙げられる。
本発明の再生医療用支持体は、架橋されたゼラチンからなり、一定の孔径の多数の微細小孔を有する基材からなることにより細胞が容易に浸入することができ、再生の足場材としての役割を果たすことができる。また、基材の表面にはタンパク質性生理活性物質が静電結合しており基材の分解に合わせて徐放されることから、長期間に渡って細胞に該タンパク質性生理活性物質を作用させ続けることができ、治癒効果を飛躍的に増大させることができる。この該タンパク質性生理活性物質の徐放速度は、ゼラチンの架橋度を調整することにより調節することも可能である。即ち、本発明の再生医療用支持体は、再生のための足場材と再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得るものである。
本発明の再生医療用支持体を用いた治療方法としては特に限定されないが、例えば、本発明の再生医療用支持体を予め細胞等を播種することなく直接患者に移植する方法;本発明の再生医療用支持体に予め自家又他家の組織又は器官から採取した細胞を播種してから患者に移植する方法等が挙げられる。
本発明の再生医療用支持体を移植する治療方法もまた、本発明の1つである。
本発明の再生医療用支持体に細胞を播種してなる培養組織もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、細胞の侵入が可能であり、かつ、生理活性物質を徐放することができる、再生のための足場材と再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得る再生医療用支持体を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)基材の製造
ゼラチンとして、新田ゼラチン社製の酸処理品(酸処理ゼラチン)を用いた。
酸処理ゼラチンを蒸留水に溶解して3重量%のゼラチン水溶液を調製した。得られたゼラチン水溶液60mLと、0.16重量%グルタルアルデヒド水溶液0.4mLとをホモジナイザーに加え、5000rpm、3分間攪拌することにより発泡させた。発泡したゼラチン水溶液を12cm×12cmの型枠に流延し、4℃、12時間静置して架橋反応を行った後、−40℃にて凍結し、凍結乾燥を行いスポンジ体を得た。
得られたスポンジ体を、0.1Nグリシン水溶液を用いて1時間洗浄を3回行った後、更に水洗し、再度凍結乾燥して基材を得た。
(2)再生医療用支持体の製造
得られた基材から5mmの大きさの小片を切り出し、この小片に、濃度250μg/mLの骨形成因子(BMP)水溶液20μLを含浸させ、4℃、12時間静置することにより、骨形成因子(BMP)を基材に結合させて再生医療用支持体を得た。
(比較例1)
骨形成因子(BMP)を基材に含浸させなかった以外は実施例1と同様の方法により再生医療用支持体を得た。
(比較例2)
酸処理ゼラチンの代わりに、コラーゲン(新田ゼラチン社製)を用いた以外は実施例1と同様の方法により再生医療用支持体を得た。
なお、コラーゲンは、ゼラチンのような静電相互作用は有さない。
(比較例3)
ゼラチンとして、新田ゼラチン社製の酸処理品(酸処理ゼラチン)を用いた。
酸処理ゼラチンを蒸留水に溶解して3重量%のゼラチン水溶液を調製した。得られたゼラチン水溶液60mLと、0.16重量%グルタルアルデヒド水溶液0.4mLとを12cm×12cmの型枠に流延し、4℃、12時間静置して架橋反応を行ってゲル化させた後、得られたゲルを、0.1Nグリシン水溶液を用いて1時間洗浄を3回行った後、更に水洗した。このゲルを−40℃にて凍結し、凍結乾燥を行ってゼラチンハイドロゲル凍結乾燥物を得た。
得られたゼラチンハイドロゲル凍結乾燥物から5mmの大きさの小片を切り出し、この小片に、濃度250μg/mLの骨形成因子(BMP)水溶液20μLを含浸させ、4℃、12時間静置して再生医療用支持体を得た。
(評価)
実施例1及び比較例1〜3で得られた再生医療用支持体について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
(1)微小細孔の孔径測定
画像解析法により平均孔径を測定した。
(2)含水率の測定
含水時及び乾燥時の再生医療用支持体の重量を測定し、下記式により含水率を算出した。
含水率(%)=(含水時重量−乾燥時重量)/含水時重量×100
(3)埋入試験
再生医療用支持体をラット(6週齢、雄)の背部皮下に移植し、移植2週間後に取り出した。
取り出した資料について、p−ニトロリン酸基質法によりアルカリフォスファターゼ(ALP)の含有量を測定するとともに、組織切片を作製しALP染色を行った。
各組織切片のALP染色像を図1に示した。
本発明によれば、細胞の侵入が可能であり、かつ、生理活性物質を徐放することができる、再生のための足場材と再生の促進剤との2つの役割を同時に果たし得る再生医療用支持体を提供することができる。
実施例で作製した各組織切片のALP染色像である。

Claims (4)

  1. 架橋されたゼラチンからなり、平均孔径が10〜500μmである多数の微細小孔を有する基材と、前記基材の表面に静電結合したタンパク質性生理活性物質とからなることを特徴とする再生医療用支持体。
  2. ゼラチンは酸処理又はアルカリ処理されていることを特徴とする請求項1記載の再生医療用支持体。
  3. 架橋されたゼラチンは、含水率が90〜99.8%であることを特徴とする請求項1又は2記載の再生医療用支持体。
  4. 架橋されたゼラチンは、架橋剤により架橋されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の再生医療用支持体。
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