JP2023131487A - 徐放性基材、その製造方法及び徐放材 - Google Patents

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Kumiko Natsuhara
泰彦 田畑
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Abstract

【課題】膨潤状態の強度が高く、生体内における生理活性物質の初期放出が抑制され、生理活性物質を長期間徐放するのに用いることができる徐放性基材、その製造方法及び徐放材を提供する。【解決手段】本発明は、生理活性物質の徐放に用いる徐放性基材であって、前記徐放性基材は、ゼラチンを主成分とするゼラチン不織布を含み、前記ゼラチン不織布は、繊維交点が少なくとも部分的に溶着しており、かつ、比表面積が1.20m2/gより大きい徐放性基材に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞増殖因子などの生理活性物質の徐放に用いる徐放性基材、その製造方法及び徐放材に関する。
細胞増殖因子などの生理活性物質の徐放には、ゼラチン、コラーゲンなどの生体分解性高分子が広く用いられている。例えば、特許文献1には、コラーゲンとゼラチンの混合スポンジを細胞増殖因子の徐放に用いることが記載されている。
特開2007-68884号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスポンジは、膨潤状態の強度や徐放性能をさらに向上させることが求められている。
本発明は、膨潤状態の強度が高く、生体内における生理活性物質の初期放出が抑制され、生理活性物質を長期間徐放するのに用いることができる徐放性基材、その製造方法及び徐放材を提供する。
本発明は、生理活性物質の徐放に用いる徐放性基材であって、前記徐放性基材は、ゼラチンを主成分とするゼラチン不織布を含み、前記ゼラチン不織布は、繊維交点が少なくとも部分的に溶着しており、かつ、比表面積が1.20m/gより大きいことを特徴とする徐放性基材に関する。
本発明は、また、前記徐放性基材の製造方法であって、膨潤状態のゼラチン不織布を30℃以上100℃以下の温度で熱処理し、加熱されたゼラチン不織布を0℃以下の温度下で冷凍する工程、及び冷凍したゼラチン不織布を凍結乾燥する工程を含む徐放性基材の製造方法に関する。
本発明は、また、前記徐放性基材、及び生理活性物質を含むことを特徴とする徐放材に関する。
本発明によれば、膨潤状態の強度が高く、生体内における細胞増殖因子などの生理活性物質の初期放出が抑制され、生理活性物質を長期間徐放するのに用いることができる徐放性基材、その製造方法及びそれを含む徐放材を提供することができる。
ゼラチン不織布製造装置の模式的説明図である。
本発明の発明者らは、上述した課題を解決するため、検討を重ねた。その結果、徐放性基材として、繊維交点が少なくとも部分的に溶着しており、かつ、比表面積が1.20m/gより大きいゼラチン不織布を用いることで、生体内において、細胞増殖因子などの生理活性物質の初期放出を抑制し、細胞増殖因子などの生理活性物質を長期間(例えば、1週間以上)徐放し得ることを見出した。特に、該徐放性基材及び生理活性物質を含む徐放材を組織再生材として生体内に移植した場合、生体内において、細胞増殖因子などの生理活性物質を長期間(例えば、1週間以上)徐放することができ、血管新生などの組織再生を促進することができる。また、ゼラチン不織布において、繊維交点が少なくとも部分的に溶着していることにより、繊維が3次元のネットワーク構造を形成するため、強度が高く、膨潤状態でもへたらず、徐放性基材及び徐放材の取り扱い性も良好である。
繊維交点が少なくとも部分的に溶着しているゼラチン不織布、すなわち3次元構造を有するゼラチン不織布は、細胞培養の足場として好適に用いられているが、本発明の発明者らは、当該ゼラチン不織布の比表面積を1.20m/gより大きくすることで、驚くことに、生体内において、ゼラチン不織布の優れた強度などの力学特性を保持しつつ、細胞増殖因子などの生理活性物質の初期放出を抑制し(例えば、生体内に移植した3日後の生理活性物質の放出量が多い)、細胞増殖因子などの生理活性物質を長期間(例えば、1週間以上)徐放し得る構造体が得られることを見出した。このような特定の比表面積を有するゼラチン不織布は、好適には、3次元構造を有するゼラチン不織布を膨潤した後に水性溶液中で熱処理し、加熱されたゼラチン不織布を急速に冷凍し、その後に凍結乾燥することで得ることができる。
(徐放性基材)
徐放性基材は、ゼラチンを主成分とするゼラチン不織布を含む。本発明において、「ゼラチンを主成分とする」とは、ゼラチンを90質量%以上含むことを意味する。前記ゼラチン不織布は、ゼラチンを95質量%以上含んでもよく、実質的にゼラチン100質量%からなるものでもよい。前記ゼラチン不織布は、ゼラチンに加えて、必要に応じて、他の成分を10質量%以下含んでもよく、5質量%以下含んでもよい。他の成分は、他の生体適合性ポリマー、架橋剤、可塑剤、他の添加剤などであってもよい。
前記ゼラチンの原材料となるコラーゲンが由来する動物の種類や部位は特に限定されない。コラーゲンは、例えば脊髄動物由来でもよく、魚由来でもよい。また、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などの様々な器官や組織由来のコラーゲンを適宜用いることができる。また、コラーゲンからゼラチンを調製する方法も特に限定されず、例えば酸処理、アルカリ処理、及び酵素処理などが挙げられる。前記ゼラチンの分子量も特に限定されず、様々な分子量のものを適宜選択して用いることができる。また、ゼラチンは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゼラチンは、特に限定されないが、適度な柔軟性及び硬さを有し、ゼラチン不織布のハンドリング性を高める観点から、ゼリー強度が100g以上400g以下であることが好ましく、より好ましくは150g以上360g以下である。本発明において、ゼリー強度は、JIS K 6503:2001に準じて測定する。前記ゼラチンは、市販品であってもよい。
前記他の生体適合性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、天然高分子や合成高分子を用いることができる。天然高分子としては、例えばタンパク質や多糖類が挙げられる。タンパク質としては、例えばコラーゲン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン、フィブリンなどが挙げられる。多糖類としては、例えばキトサン、アルギン酸カルシウム、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、 デンプン、ジェランガム、アガロース、グァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ダイユータンガムなどの天然高分子を用いてもよく、カルボキシメチルセルロースなどの天然高分子の誘導体を用いてもよい。合成高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、シクロオレフィンポリマー、アモルファスフッ素樹脂などの非吸収性の合成高分子や、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノンなどの生体吸収性高分子などが挙げられる。上述した他の生体適合ポリマーは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記ゼラチン不織布において、繊維交点が少なくとも部分的に溶着している。これにより、ゼラチン不織布中の繊維が3次元のネットワーク構造を形成し、ゼラチン不織布は膨潤状態でもへたらず、膨潤状態の強度が高くなる。また、ゼラチン不織布中の繊維が3次元のネットワーク構造を形成することで、ゼラチン不織布は所望の形に成形しやすく、かつ成形安定性も高いものとなる。ゼラチン不織布において、繊維交点は一部が溶着してもよく、繊維交点の全部が溶着してもよい。繊維交点の溶着は、特に限定されないが、例えば、ゼラチン不織布の製造時に完全に固化していない状態の繊維を堆積することで発現させることができる。
前記ゼラチン不織布を構成する繊維は、特に限定されないが、膨潤状態の平均繊維径が10μm以上200μm以下であることが好ましく、より好ましくは20μm以上150μm以下であり、さらに好ましくは30μm以上100μm以下であり、特に好ましくは40μm以上80μm以下である。繊維の平均繊維径が上記範囲内であると、徐放材を生体内に移植した際、移植早期に、細胞及び血管がゼラチン不織布内部に侵入しやすい。本発明の1以上の実施形態において、「平均繊維径」は、膨潤状態のゼラチン不織布から任意に選択した50本の繊維の直径の平均値を意味する。
本発明の1以上の実施形態において、「膨潤」とは、ゼラチン不織布を水性溶液、例えば水、生理食塩水及び緩衝液からなる群から選ばれる一つ以上の水性溶液で飽和状態まで膨潤することを意味する。例えば、ゼラチン不織布を水性溶液中に室温で約10分以上浸漬することで膨潤させることができる。或いは、ゼラチン不織布を水性溶液中に2℃以上10℃以下の温度で10時間以上浸漬することで膨潤させることができる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液などが挙げられる。本明細書において、「膨潤状態」という指摘がない場合は、乾燥状態を意味する。本発明の1以上の実施形態において、乾燥状態は、含水率20%以下であることを意味する。
前記ゼラチン不織布は、膨潤状態において、含水率が60%以上100%以下であることが好ましく、65%以上95%以下であることがより好ましい。本発明の1以上の実施形態において、ゼラチン不織布の含水率は、含水率の測定対象であるゼラチン不織布の重量Wsを測定した後、該ゼラチン不織布を絶乾した後の絶乾重量Wdを測定し、下記数式で算出する。ゼラチン不織布の絶乾は、ゼラチン不織布を105±5℃に設定された恒温器に入れ、水分が完全になくなるまで乾燥することを意味する。
含水率(%)=(Ws-Wd)/Wd×100
前記ゼラチン不織布は、比表面積が1.20m/gより大きい。これにより、生理活性物質の初期放出量を抑制し、長期徐放性が高まる。生理活性物質の初期放出量の抑制効果及び長期徐放性をより向上する観点から、ゼラチン不織布の比表面積は1.3m/g以上であることが好ましく、1.4m/g以上であることがより好ましく、1.5m/g以上であることがさらに好ましい。ゼラチン不織布の比表面積の上限は特に限定されないが、強度保持観点から、6m/g以下であることが好ましく、5m/g以下であることがより好ましい。より具体的には、ゼラチン不織布の比表面積は、1.20m/gより大きく6m/g以下であることが好ましく、1.3m/g以上5m/g以下であることがより好ましく、1.5m/g以上4m/g以下であることがさらに好ましい。本発明の1以上の実施形態において、比表面積は、窒素吸着(BET法)又は水銀圧入法によって測定できる。
前記ゼラチン不織布は、細孔径分布測定による平均細孔直径が70μm以下であることが好ましく、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。これにより、生理活性物質の初期放出量を抑制し、長期徐放性が高まる。生理活性物質の初期放出量の抑制効果及び長期徐放性がより向上する。細孔径分布測定による平均細孔直径の下限は特に限定されないが、生理活性物質の含浸のしやすさの観点から、10μm以上であってもよい。本発明の1以上の実施形態において、細孔径分布測定は、水銀圧入法に基づいて行う。
前記ゼラチン不織布は、特に限定されないが、移植時の扱いやすさ、及び後期のゼラチン不織布の分解性の観点から、膨潤状態において、強度(圧縮強度)が5000Pa以上40000Pa以下であることが好ましく、10000Pa以上38000Pa以下であることがより好ましく、15000Pa以上37000Pa以下であることがさらに好ましい。本発明の1以上の実施形態において、「強度」は70%ひずみ時の応力を意味する。
前記ゼラチン不織布の密度は、特に限定されず、生理活性物質の種類及び徐放性基材の適用部位などに応じて適宜決めることができる。例えば、取扱性及び生理活性物質の徐放性の観点から、0.05g/cc以上0.70g/cc以下であることが好ましく、0.10g/cc以上0.60g/cc以下であることがより好ましく、0.15g/cc以上0.50g/cc以下であることがさらに好ましい。
前記ゼラチン不織布の目付は、特に限定されず、生理活性物質の種類及び徐放性基材の適用部位などに応じて適宜決めることができる。例えば、取扱性及び生理活性物質の徐放性の観点から、20g/m以上1000g/m以下であることが好ましく、30g/m以上900g/m以下であることがより好ましく、40g/m以上800g/m以下であることがさらに好ましい。
前記ゼラチン不織布の厚みは、特に限定されず、生理活性物質の種類及び徐放性基材の適用部位などに応じて適宜決めることができる。例えば、取扱性及び生理活性物質の徐放性の観点から、膨潤状態の厚みが0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.2mm以上4mm以下であることがより好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがさらに好ましい。
前記ゼラチン不織布は、架橋ゼラチン不織布であることが好ましい。これにより形態安定性及び耐水性を高めることができる。生体安全性の観点から、熱架橋ゼラチン不織布であることがより好ましい。
(徐放性基材の作製方法)
徐放性基材は、特に限定されないが、例えば、ゼラチン不織布を膨潤した後に熱処理し、加熱されたゼラチン不織布を冷凍し、その後に凍結乾燥することで作製することができる。本発明の1以上の実施形態において、ゼラチン不織布は、3次元構造を有するゼラチン不織布、すなわち繊維交点が少なくとも部分的に溶着したゼラチン不織布を意味する。
繊維交点が少なくとも部分的に溶着したゼラチン不織布は、特に限定されないが、夾雑物の発生を抑制し、製品汚染を防ぐ観点から、ゼラチンを含む紡糸液をノズル吐出口から空気中に押し出し、前記ノズル吐出口の後方に位置し、前記ノズル吐出口とは非接触状態の流体噴射口から前方に向けて圧力流体を噴射し、前記押し出された紡糸液を前記圧力流体に随伴させて繊維形成させ、得られた繊維を集積させて不織布とすることで作製することが好ましい。紡糸後に繊維を集積(堆積)させる時に繊維同士が、水分を含んだ状態で積層されるため、繊維同士が溶着することや互いに絡むことで一体化される。繊維を堆積させる際の捕集距離を変えることで、容易に不織布密度を変えることができる。捕集距離は、例えば、10cm以上200cm以下であることが好ましく、20cm以上180cm以下であることがより好ましく、30cm以上150cm以下であることがさらに好ましい。
図1はゼラチン不織布の製造装置の模式的説明図である。不織布製造装置10において、加温槽1に入れたゼラチンを含む紡糸液2をノズル吐出口3から空気中に押し出す。加温槽1にはコンプレッサー4により、所定の圧力をかけておく。12は保温容器である。
また、ノズル吐出口3の後方に位置し、ノズル吐出口3とは非接触状態の流体噴射口5から前方に向けて圧力流体7を噴射させる。
押し出された紡糸液2は圧力流体7に随伴されてゼラチン繊維8となり、巻き取りロール11上でゼラチン不織布9となって堆積される。この時、堆積された繊維は水分を含み、完全には固化していないので、繊維交点の少なくとも一部において接している繊維が互いに溶着する。なお、巻き取りロールに変えてネットなどの他の捕集手段を用いてもよい。
まず、ゼラチン単独、或いは、必要に応じてゼラチンと上述した他の成分として用いることができる他の生体適合ポリマーを溶媒、好ましくは水に溶解して紡糸液を調製する。溶解温度(水などの溶媒の温度)は20℃以上90℃以下が好ましく、30℃以上80℃以下であることがより好ましい。必要に応じて、ゼラチンを水などの溶媒に溶解した後、フィルトレーションして異物やごみなどを除去してもよい。また、必要に応じて、その後、減圧又は真空脱泡して溶解空気を除去してもよい。効率よく気体(気泡)を除去する観点から、減圧脱泡時の真空度は5kPa以上30kPa以下であることが好ましい。ゼラチンが水溶性であることで、紡糸液として水溶液の状態で紡糸でき、生体に対する安全性が高くなる。水としては、例えば、純水、イオン交換水、蒸留水、超純水などを適宜用いることができる。なお、他の成分として、他の生体適合性水溶性高分子を用いる場合、ゼラチンと同時に水に溶解することで、紡糸液を調製することができる。
前記紡糸液の温度は20℃以上90℃以下であることが好ましく、30℃以上80℃以下であることがより好ましい。前記の範囲であればゼラチンは安定したゾル状態を維持できる。また、前記ゼラチン水溶液のゼラチン濃度は、ゼラチン水溶液を100質量%とした時、30質量%以上55質量%以下であることが好ましく、より好ましくは35質量%以上50質量%以下である。前記の濃度であれば安定したゾル状態を維持できる。前記ゼラチン水溶液(紡糸液)の粘度は500mPa・s以上3000mPa・s以下が好ましい。ゼラチン水溶液の粘度が前記の範囲であれば安定した紡糸ができる。
前記紡糸液を紡糸機のノズルから吐出し、前記流体噴射口から圧力流体を供給し、前記吐出したゼラチン水溶液を前記圧力流体に随伴させて繊維形成させ、得られたゼラチン繊維を集積させてゼラチン不織布とする。ノズルの吐出圧は、特に限定されないが、例えば0.1MPa以上1MPa以下であってもよい。流体噴射口5にはコンプレッサー6から圧力流体(例えば圧空)が供給される。流体噴射口とノズル吐出口との距離は、5mm以上30mm以下であることが好ましく、5mm以上15mm以下であることがより好ましい。
前記圧力流体の温度は、20℃以上120℃以下であることが好ましく、80℃以上120℃以下であることがより好ましい。圧力流体の流速及び周囲雰囲気の温度にもよるが、前記の温度範囲であれば安定した紡糸ができる。圧力流体は空気を使用することが好ましく、圧力は0.1MPa以上1MPa以下であることが好ましい。前記の範囲であれば、ノズル吐出口から空気中に押し出された紡糸液を吹き飛ばして繊維化できる。
前記ゼラチン不織布は、架橋される。架橋により、ゼラチン不織布は、形態安定性及び水性溶液への耐溶解性が向上する。架橋は、架橋剤などの化合物を用いた化学架橋であってもよいが、生体安全性の観点から、生体安全性を有する架橋剤を用いる架橋、架橋剤を用いない架橋であることが好ましい。架橋剤を用いない架橋としては、例えば、熱架橋、電子線架橋、γ線などの放射線架橋、紫外線架橋などが挙げられる。電子線照射、γ線などの放射線照射の場合は、滅菌と架橋を同時にすることもできる。簡便に所望の架橋効果を得やすい観点から、熱架橋であることが好ましく、熱脱水架橋であることがより好ましい。熱架橋は、例えば、100℃以上180℃以下で行ってもよく、100℃以上160℃以下で行ってもよい。架橋時間は、例えば、24時間以上96時間以下であってもよい。熱脱水架橋は、例えば、100℃以上180℃以下で、24時間以上96時間以下行ってもよく、100℃以上160℃以下で、24時間以上96時間以下行ってもよい。また、熱脱水架橋は、例えば、1kPa以下の真空下で行ってもよい。架橋する前に、乾燥してもよい。乾燥は、特に限定されないが、例えば、室温での風乾や、凍結乾燥などで行うことができる。
前記ゼラチン不織布を膨潤する。膨潤は、特に限定されず、水性溶液、例えば、水、生理食塩水及び緩衝液からなる群から選ばれる一つ以上の水性溶液を用いて膨潤してもよい。例えば、ゼラチン不織布を水性溶液中に、2℃以上10℃以下の温度で5分以上24時間以下浸漬することで膨潤させてもよい。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液などが挙げられる。前記ゼラチン不織布は、膨潤する前に、必要に応じて、所定の形状や大きさにカットしてもよい。
膨潤状態のゼラチン不織布は、特に限定されないが、例えば、含水率が60%以上100%以下であってもよく、65%以上95%以下であってもよい。
膨潤状態のゼラチン不織布を熱処理する。熱処理前に、膨潤状態のゼラチン不織布の表面に残存している水性溶液を除去してもよく、水性溶液中に浸漬されている膨潤状態のゼラチン不織布をそのまま熱処理してもよい。熱処理の温度は、30℃以上100℃以下であればよく、35℃以上90℃以下であることが好ましく、40℃以上80℃以下であることがより好ましい。熱処理の時間は、15分以上10時間以下であることが好ましく、30分以上9時間以下であることがより好ましく、1時間以上8時間以下であることがさらに好ましい。
次に、熱処理にて加熱されたゼラチン不織布を0℃以下の温度で冷凍する。冷凍する前に、加熱されたゼラチン不織布の表面に残存している水性溶液を取り除いてもよい。このように、30℃以上の温度の熱処理にて加熱されたゼラチン不織布を0℃以下の温度で急速に冷凍することで、膨潤状態の強度を高く維持しつつ、高い比表面積を有するゼラチン不織布を得ることができる。冷凍温度は、0℃以下であることが好ましく、-80℃以下であることがより好ましく、-150℃以下であることがさらに好ましい。冷凍温度の下限は特に限定されないが、-196℃以上であることが望ましい。冷凍温度に達するまでに要する時間は3分以下であることが好ましく、2分以下であることがより好ましく、1分以下であることがさらに好ましい。冷凍の保持時間は、5分以上2時間以下であってもよく、30分以上1時間以下であってもよい。熱処理にて加熱されたゼラチン不織布を液体窒素に浸漬して10分以上放置することで凍結することが特に好ましい。
次に、凍結されたゼラチン不織布を直ちに凍結乾燥する。凍結乾燥は、例えば、1Pa以上10Pa以下の真空下で行ってもよく、3Pa以上8Pa以下の真空下で行ってもよい。また、凍結乾燥は、例えば、3時間以上96時間以下行ってもよく、24時間以上72時間以下行ってもよい。
凍結乾燥後のゼラチン不織布は、生体に移植する場合には、滅菌処理されることが望ましい。滅菌方法としては、例えば、エチレンオキサイドガス滅菌、水蒸気(オートクレーブ)滅菌、電子線照射、γ線などの放射線照射などにて滅菌してもよく、エタノール処理などで殺菌することもできる。
(徐放材)
徐放材は、上述した徐放性基材、及び生理活性物質を含む。
生理活性物質としては、特に限定されず、生物に対して生理作用または薬理作用を発現する物質を適宜用いることができる。また、生理活性物質は、生体物質であってもよく、合成物質であってもよい。生理活性物質としては、徐放性基材に担持しやすい観点から、細胞増殖因子、分化誘導因子、細胞接着因子などを好適に用いることができ、細胞増殖因子を用いることが好ましい。
細胞増殖因子(細胞成長因子とも称される)としては、例えば、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子-α(TGF-α)、トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)、インスリン様増殖因子(IGF)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、上皮細胞増殖因子(EGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)などが挙げられる。線維芽細胞増殖因子(FGF)は、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)でもよく、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)でもよい。生理活性物質がbFGF等の塩基性物質の場合、ゼラチン不織布はアルカリ処理ゼラチン、すなわち酸性ゼラチン(等電点約5)を主成分とすることが好ましい。この場合、pHが約7の環境下で、bFGFは徐放性基材を構成するゼラチンと静電相互作用で結合することができ、望ましい。生理活性物質がaFGF等の酸性物質の場合、ゼラチン不織布は酸処理ゼラチン、すなわち塩基性ゼラチン(等電点約8~9)を主成分とすることが好ましい。この場合、pHが約7の環境下で、aFGFは徐放性基材を構成するゼラチンと静電相互作用で結合することができ、望ましい。
徐放材において、生理活性物質の含有量は、目的などに応じて適宜決めればよく、特に限定されない。例えば、徐放性基材100質量部に対して生理活性物質を0.1質量部以上10質量部以下含んでもよく、0.15質量部以上7質量部以下含んでもよく、0.2質量部以上5質量部以下含んでもよい。
徐放材は、徐放性基材に生理活性物質を含む水性溶液を含浸させることで作製することができる。生理活性物質を含む水性溶液に徐放性基材を浸漬することで、徐放性基材に生理活性物質を担持させてもよい。コストの観点から、徐放性基材に所定量の生理活性物質を含む水性溶液を含浸させた後、2℃以上40℃以下の温度条件下、3分以上放置することで、徐放性基材に生理活性物質を担持させることができる。
前記水性溶液中の生理活性物質の濃度は、特に限定されず、生理活性物質の種類や徐放材の目的などに応じて適宜決めればよい。例えば、生理活性物質がbFGFなどの細胞増殖因子の場合、水性溶液中のbFGFなどの細胞増殖因子の濃度は、0.02mg/mL以上10mg/mL以下であってもよく、0.05mg/mL以上5mg/mL以下であってもよい。
徐放材は、徐放性基材の両面に配置された保護フィルムを含んでもよい。保護フィルムは、防水性材料で構成してもよい。徐放性基材に生理活性物質を含む水性溶液を含浸させて作製した徐放材を直ちに使用する場合は、保護フィルムを有しなくてもよい。生理活性物質の効果保持の観点から、徐放性基材に生理活性物質を含む水性溶液を含浸させて作製した徐放材は直ちに使用することが好ましい。
徐放材は、生体内の組織再生が必要な箇所に移植することで、組織再生材や創傷治癒材として用いることができる。移植箇所において、生理活性物質の初期放出量が抑制される(例えば、3日目の放出量が大きい)とともに、生理活性物質を長期間(例えば、1週間以上)放出することができる。
徐放材において、生理活性物質がbFGFなどの細胞増殖因子の場合、徐放材は血管形成を必要とする組織再生に用いることができ、細胞増殖や神経再生が期待できる。より具体的には創傷箇所に移植して創傷被覆材として用いることができる。この場合、徐放性基材100質量部に対して生理活性物質を0.1質量部以上10質量部以下含んでもよく、0.15質量部以上7質量部以下含んでもよく、0.2質量部以上5質量部以下含んでもよい。
以下、実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。本明細書において、特に指摘がない場合は、操作は室温(20±5℃)で行う。
測定・評価方法は下記のとおりである。
<比表面積>
乾燥状態のゼラチン不織布の比表面積を窒素吸着(BET法)によって測定した。なお、ゼラチン不織布を作製した後に80℃以上160℃以下(例えば、110℃)で2時間乾燥させることで、乾燥状態のゼラチン不織布とする(以下、同様である)。
<細孔径分布>
水銀圧入法にて乾燥状態のゼラチン不織布の細孔径分布を測定し、平均細孔直径を算出した。
<強度>
膨潤状態のゼラチン不織布において、70%ひずみ時の応力をクリープメータ(山電社、RE2-33005C)で測定し、強度とした。ゼラチン不織布をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS(-)(1x)、ナカライテスク社)中に室温で10分静置することで、膨潤状態のゼラチン不織布とする(以下、同様である)。
<平均繊維径>
膨潤状態のゼラチン不織布をマイクロスコープ(キーエンス社、BZ-X700)で観察し、任意に選択した50本の繊維を用いて、それぞれの直径を測定し、それらを平均することで膨潤状態の平均繊維径を算出した。
<目付(単位面積あたりの質量)>
乾燥状態のゼラチン不織布の目付は、JIS L 1913:2010に準じて測定した。
<厚み>
乾燥状態のゼラチン不織布の厚みはシックネスゲージ(Mitsutoyo社、PK―1025)及び膨潤状態のゼラチン不織布の厚みは、山電社製のクリープメータで測定した。
<密度>
乾燥状態のゼラチン不織布の密度は、重さをマイクロスケール(ザルトリウス社、SECURA225D-1SJP)で測定し、厚みも用いて計算した。
(実施例1)
<徐放性基材>
ゼラチンとして新田ゼラチン社製(ゼリー強度262g、原料:アルカリ処理牛骨、等電点約5)を使用し、ゼラチン:水=3:5の質量比(ゼラチン濃度37.5質量%)とし、温度60℃で溶解した。60℃におけるゼラチン水溶液の粘度は960~970mPa・sであった。このゼラチン水溶液を紡糸液とし、図1に示す製造装置を使用して、ゼラチン不織布を作製した。紡糸液の温度は60℃、ノズル直径(内径)250μm、吐出圧0.2MPa、ノズル高さ5mm、エアー圧力0.375MPa、エアー温度100℃、流体噴射口とノズル吐出口との距離は5mm、捕集距離50cmとした。ゼラチン不織布は室温で一晩風乾し、次いで加熱脱水架橋させた。架橋条件は温度140℃、48時間とした。得られた乾燥状態のゼラチン不織布の目付は約100g/mであった。
次に、乾燥状態のゼラチン不織布を直径約8mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約4.5mg)、円盤状のゼラチン不織布を1mLの超純水とともに1.5mLのチューブに入れ、4℃で一晩静置した。
その後、50℃に加熱したヒートブロックにチューブを入れ、4時間静置した。その後、ヒートブロック上でチューブ中の超純水を除去し、直ちにチューブごと液体窒素(-196℃)に浸漬して急冷した。10分経過した後、液体窒素から取り出し、直ちに、72時間真空凍結乾燥を行い、目付が約63g/mの徐放性基材(乾燥状態)を得た。
<徐放材>
上記で得られた徐放性基材を直径約8mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約2.5mg)3枚をエチレンオキサイドガスにて滅菌した後、細胞接着処理のしていない(non-treated)24ウェルプレートのウェルに入れた。各ウェルにbFGF溶液18uLを滴下し、徐放性基材にbFGF溶液を含浸させた。bFGF溶液(pH7)は、bFGF原液(10mg/mL)3μLをD-PBS(+)(ナカライテスク社のダルベッコリン酸緩衝液(D-PBS(-)(1x)15μLに加えたものである。ウェルの間にD-PBS(-)を添加することで加湿をして、37℃で15分インキュベートすることで、bFGFが含浸された徐放性基材、すなわち徐放材を得た。徐放材において、bFGFは徐放性基材を構成するゼラチンと静電相互作用で結合している。
(比較例1)
<徐放性基材>
実施例1と同様にして乾燥状態の目付が約100g/mであるゼラチン不織布を得て、該乾燥状態のゼラチン不織布を直径約6mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約2.5mg)、比較例1の徐放性基材とした。
<徐放材>
上記で得られた徐放性基材を用いた以外は、実施例1と同様にして徐放材を作製した。
(比較例2)
<徐放性基材>
実施例1と同様にして乾燥状態の目付は約100g/mであるゼラチン不織布を得た。
次に、該乾燥状態のゼラチン不織布を直径約8mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約4.5mg)、円盤状のゼラチン不織布を1mLの超純水とともに1.5mLのチューブに入れ、4℃で一晩静置した。
その後、50℃に加熱したヒートブロックにチューブを入れ、4時間静置した。その後、ヒートブロックからチューブを取り出し、チューブ中の超純水を除去し、室温中に1時間静置した。その後、-80℃、8Paの条件下、72時間真空凍結乾燥を行い、目付が約55g/mの徐放性基材(乾燥状態)を得た。
<徐放材>
上記で得られた徐放性基材を直径約8mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約2.5mg)を用いた以外は、実施例1と同様にして徐放材を作製した。
(比較例3)
<徐放性基材>
ゼラチンスポンジ(ファイザー社製、「ゼルフォーム No.12」)を直径約4mmの円盤状に打ち抜き(乾燥質量約2.5mg)、比較例3の徐放性基材とした。
<徐放材>
上記で得られた徐放性基材(乾燥質量約2.5mg)を用いた以外は、実施例1と同様にして徐放材を作製した。
実施例1、比較例1及び2のゼラチン不織布、並びに比較例3のゼラチンスポンジの比表面積、細孔径分布、厚み、強度(膨潤状態)、平均繊維径(膨潤状態)、目付及び密度を上述したとおりに測定・算出した。その結果を下記表1に示した。
Figure 2023131487000001
実施例1、比較例1~3の徐放材を用いて下記のように細胞増殖因子の徐放性試験を行った。結果を下記表2に示した。なお、実施例1、比較例1~3において、徐放材の作製は同時に行った。
(徐放性試験)
(1)正常マウス(Slc:ddY、7週齢、メス、清水実験材料社から入手)の背中中心に皮下ポケットを作製した。
(2)マウスの皮下ポケットに、作製した直後の徐放材(bFGFが含浸された徐放性基材)を移植した。
(3)移植3日後(n=3)及び7日後(n=3)に徐放性基材と周辺組織をそれぞれ回収した。徐放性基材は形態を保っており、ピンセットでつまんで回収した。周辺組織としては、徐放性基材が接触していた筋肉組織にシリコーン枠を置き、表面にある血管を、ディスポーザブルメスで1cm四方をかきとったもの(エリア内に染み出した血液はキムワイプで軽くぬぐ)と、徐放性基材が接触していた皮下組織にシリコーン枠を置き、ディスポーザブルメスで1cm四方の皮膚を切り出したものを用いた。
(4)徐放性基材及び周辺組織をそれぞれ2mLチューブに入れた抽出バッファー1mLに浸漬し、4℃で24時間静置した。抽出バッファーは、17mMのTris-HClバッファー(pH7.6)に0.75質量%の塩化アンモニウムを加えたものである。
(5)卓上遠心機でフラッシュ遠心後、上清をヘモグロビンアッセイキット(シグマアルドリッチ社)で定量した。徐放性基材からの上清と周辺組織からの上清を同量混合した溶液を用いて定量したデータを合計として示した。ヘモグロビン量は、bFGFの活性を示す指標であり、ヘモグロビン量が大きい程、bFGFの活性が高く、bFGF量が多いことを意味する。
Figure 2023131487000002
表1から分かるように、実施例の方が、比較例に比べて、3日目及び7日目の合計ヘモグロビン量が大きく、7日目時点での長期徐放性も比較例1~3に比べて向上している。
また、特定の比表面積を有するゼラチン不織布を徐放性基材として用いた実施例の徐放材は、組織移植後において、周囲組織への細胞増殖因子の徐放性に優れるとともに、徐放性基材中の血管新生も良好であった。
1 加温槽
2 紡糸液
3 ノズル吐出口
4、6 コンプレッサー
5 流体噴射口
7 圧力流体
8 ゼラチン繊維
9 ゼラチン不織布
10 不織布製造装置
11 巻き取りロール
12 保温容器

Claims (12)

  1. 生理活性物質の徐放に用いる徐放性基材であって、
    前記徐放性基材は、ゼラチンを主成分とするゼラチン不織布で構成されており、
    前記ゼラチン不織布は、繊維交点が少なくとも部分的に溶着しており、かつ比表面積が1.20m/gより大きいことを特徴とする、徐放性基材。
  2. 前記ゼラチン不織布は、膨潤状態の平均繊維径が10μm以上200μm以下である、請求項1に記載の徐放性基材。
  3. 前記ゼラチン不織布は、目付が20g/m以上1000g/m以下である、請求項1又は2に記載の徐放性基材。
  4. 前記前記ゼラチン不織布は、膨潤状態の厚みが0.1mm以上5mm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の徐放性基材。
  5. 前記ゼラチン不織布は、細孔径分布測定による平均細孔直径が70μm以下である、請求項1~4のいずれかに記載の徐放性基材。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の徐放性基材の製造方法であって、
    膨潤状態のゼラチン不織布を30℃以上100℃以下の温度で熱処理し、加熱されたゼラチン不織布を0℃以下の温度下で冷凍する工程、及び
    冷凍したゼラチン不織布を凍結乾燥する工程を含む、徐放性基材の製造方法。
  7. 前記ゼラチン不織布は、熱架橋されている、請求項6に記載の徐放性基材の製造方法。
  8. 熱処理後のゼラチン不織布を液体窒素に浸漬することで冷凍する、請求項6又は7に記載の徐放性基材の製造方法。
  9. 請求項1~5のいずれかに記載の徐放性基材、及び生理活性物質を含むことを特徴とする、徐放材。
  10. 前記生理活性物質は、細胞増殖因子である、請求項9に記載の徐放材。
  11. 前記徐放性基材に生理活性物質の水性溶液が含浸されている、請求項9又は10に記載の徐放材。
  12. 創傷被覆材である、請求項9~11のいずれかに記載の徐放材。
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