JP2000060956A - コラーゲン材及びその製法 - Google Patents

コラーゲン材及びその製法

Info

Publication number
JP2000060956A
JP2000060956A JP10201405A JP20140598A JP2000060956A JP 2000060956 A JP2000060956 A JP 2000060956A JP 10201405 A JP10201405 A JP 10201405A JP 20140598 A JP20140598 A JP 20140598A JP 2000060956 A JP2000060956 A JP 2000060956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collagen
solution
fibers
matrix
extracted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10201405A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4968976B2 (ja
Inventor
Yoshihiko Shimizu
慶彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAPIKKU KK
Original Assignee
TAPIKKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP20140598A priority Critical patent/JP4968976B2/ja
Application filed by TAPIKKU KK filed Critical TAPIKKU KK
Priority to KR1020007013982A priority patent/KR20010052714A/ko
Priority to EP99923930A priority patent/EP1098024A4/en
Priority to CA002334664A priority patent/CA2334664A1/en
Priority to PCT/JP1999/003019 priority patent/WO1999064655A1/ja
Priority to CN99807217A priority patent/CN1105795C/zh
Priority to US09/719,316 priority patent/US7084082B1/en
Priority to TW88109458A priority patent/TWI229113B/zh
Publication of JP2000060956A publication Critical patent/JP2000060956A/ja
Priority to CN03102533A priority patent/CN1440818A/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP4968976B2 publication Critical patent/JP4968976B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コラーゲンが本来有する生化学的特性を保持
しながらも縫合可能な程度の物性を有し、生体への適用
後もある程度の期間その形状を保持することのできるコ
ラーゲン材、その製造方法、及びそれに基づく医用材料
を提供する。 【解決手段】 コラーゲン材であって、コラーゲンの超
微細線維を基本単位とする不織布状多元構造体のマトリ
ックス中に、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収
され得る物質を充填してなる又は介在させてなることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コラーゲン超微細
線維性不織布状多層体のマトリックス中、又は生体適合
性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質の不織布
状のマトリックス中に、生体適合性を有し、且つ生体内
で分解吸収され得る物質を含有してなるコラーゲン材、
該コラーゲン材を含む特定形態の材料、 該材料からなる
医用材料及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医用材料として用いられる各種素材のう
ち動物由来のコラーゲンは、生体親和性及び組織適合性
に優れ、抗原性が低く、宿主細胞の分化・増殖を促進さ
せる作用を有し、止血作用を有し、生体内で完全に分解
吸収されることから、医用材料の素材として特に優れた
特性を有している。動物由来のコラーゲンとしては、現
在、I〜XIX 型までが発見されており、このうちI〜V
型コラーゲンが、医用材料として多様な方法で使用され
ている。なかでも細胞外マトリックスとして有用なI型
コラーゲンが最も多く使用されている。これらのコラー
ゲンは、ウシ、ブタ、トリ、カンガルーなどの動物の皮
膚、骨、軟骨、腱、臓器などの各種器官の結合組織か
ら、酸可溶化法、アルカリ可溶化法、中性可溶化法、酵
素可溶化法などによって抽出及び精製されたものであ
る。従来使用されている抽出コラーゲンは、分子レベル
では、モノマー〜オリゴマー程度にまで分解されたもの
であり、粉末状又は液状で保存される。これらの抽出コ
ラーゲンは、コラーゲン分子がモノマー〜オリゴマー程
度に分解された状態であるため、水、体液又は血液など
と接触すると、極めて早くゾル化してしまう。このた
め、これらのコラーゲンを医用材料として成形して用い
る際には、加工時にある程度の強度を持たせるために、
ナイロン、シリコーンなどの合成高分子材料の表面をコ
ラーゲンで被覆して使用するか、あるいは生体に適用し
た場合にある程度の期間その形状を保持させるために、
抽出コラーゲンの成形物を、架橋剤による化学的架橋処
理、あるいは、放射線、電子線、紫外線、又は熱などに
よる物理的架橋処理に付して使用している。また、これ
らの抽出コラーゲンは、糸状に加工されて、医療用の糸
としても使用されるが、その紡糸には、湿式紡糸法が採
用されている。
【0003】しかし、コラーゲンを合成高分子材料と組
み合わせた材料の場合、合成高分子材料が生体内に異物
として残存し、肉芽形成、炎症などの障害を引き起こし
易く、また、このような材料を全ての細胞や臓器に適用
することはできない。また、コラーゲン材料に架橋処理
を行っても、コラーゲン材料の物性、特に引き裂き強度
はほとんど上昇しないため、これを加工して、縫合を必
要とする医用材料にすることは不可能であった。また、
グルタールアルデヒド又はエポキシなどの架橋剤を用い
ると、架橋剤自体の生体に対する毒性が問題になるばか
りでなく、コラーゲンが本来有する生化学的特性、特
に、細胞増殖に対する促進効果が失われるという欠点も
ある。また物理的架橋処理では、架橋率が不安定で、十
分な物性を付与することができず、また生体内での吸収
速度をコントロールできるよう架橋処理することも困難
であった。一方、紡糸したコラーゲンも、十分な強度を
有さないため、縫合糸としては不十分であった。
【0004】また一方、各種疾患又は外傷などのため、
脳や、各種臓器の外科手術を行い、術創を閉じる際に、
切開した脳硬膜、心膜、胸膜、腹膜又は漿膜などを再縫
合して閉鎖する必要があるが、縫いしろによる短縮分が
生じたり、膜が部分的に切除されるために術創を完全に
閉鎖しきれず、膜に欠損部が生じることが多い。このよ
うな欠損部をそのまま放置すると、膜の欠損した箇所か
ら脳、心臓、肺、腸などの臓器が脱出して重大な障害を
おこしたり、臓器や臓器周辺から水や空気が漏出して術
創が治癒しない。また臓器が周囲の組織との癒着を起こ
すため、組織が損傷し、良好な予後が得られない。この
ため従来は、この欠損部分の補填材として使用すること
のできる医用代替膜として、死体より採取した凍結乾燥
ヒト脳硬膜や、多孔性の延伸ポリテトラフルオロエチレ
ンフィルム材(EPTFE)(組織用ゴアテックス、登
録商標)、ポリプロピレンメッシュ、テフロンシート、
ダクロンシートなどが使用されており、また乳酸とε−
カプロラクトンとの共重合体(50:50)が現在開発
されつつある。また自己の大腿筋膜や自己の心膜、皮
膚、筋肉などを用いる方法もやむなく行われている。
【0005】しかし、ヒト脳硬膜の使用については、補
填したヒト脳硬膜と脳実質組織とが癒着を生じ、術後に
テンカンの発作を惹起する恐れがあるという難点がある
ばかりでなく、ヒトの死体から採取するという倫理上の
問題や、供給量が非常に限定されているという問題があ
り、更にまた最近では、脳硬膜を移植された患者におけ
る、移植脳硬膜が原因のCreutzfeldt-JakobDisease(C
JD)の発生が報告され(脳神経外科、21(2):167-170,
1993)、日本では、現在はヒト脳硬膜は使用されていな
い。また、EPTFE材などは、生体内で分解されず、
異物として残存するため、感染をおこしやすく、また生
体組織と接触すると、組織細胞が脂肪変性を起こしてし
まうなど、術後合併症を起こすことが多いことが知られ
ている。乳酸とε−カプロラクトンとの共重合体は、生
体内分解性であり、生体への適用後、徐々に分解する
が、分解吸収されるまでにほぼ2年という長期間を要す
る。そのため、やはり異物として生体内にしばらくの間
残存して、分解過程で組織に炎症を惹起し、肉芽腫を形
成することがある。この共重合体はモノマーとして、
(L)体の乳酸を使用しているため、共重合体中で乳酸
が結晶化して、炎症を惹起することがある。更に、EP
TFE、乳酸とε−カプロラクトンとの共重合体のいず
れにも、生体膜の再生を促す作用はない。また自己の大
腿筋膜などを用いる方法は患者、医師の両方にとって大
きな負担である。
【0006】心膜の補填材としては、上記のEPTF
E、ポリプロピレンメッシュ(マーレックス)、ヒト乾
燥脳硬膜、グルタールアルデヒド(GA)処理ウシ心膜
などが従来用いられてきたが、EPTFEとヒト乾燥脳
硬膜は上述の欠点を有する。また、ポリプロピレンメッ
シュは、心臓との間に強い癒着を起こす。GA処理ウシ
心膜は、生体内で吸収分解されずに残存するため、石灰
沈着による劣化を起こし、またウシ心膜に対する免疫反
応による間質性肺炎の合併症が観察されている。
【0007】また肺手術後の手術箇所からの空気漏れを
軽減するために、ポリグリコール酸不織布やウシ心膜
が、胸膜補填材として、又はオートスーチャー用に使用
されているが、ポリグルコール酸は不透明であるためオ
ートスーチャーでは使用しにくい。またウシ心膜は、上
述したような欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の理由から、コラ
ーゲンが本来有する生化学的特性を保持しながらも、縫
合可能な程度の物性を有し、更に生体への適用後もある
程度の期間その形状を保持することのできるコラーゲン
材、その製造方法、及びそれに基づく医用材料、例え
ば、人工神経管、人工脊髄、人工食道、人工気管、人工
血管、人工弁、代替脳硬膜などの人工医用代替膜、人工
靭帯、人工腱、外科用縫合糸、外科用補填材、外科用補
強材、創傷保護材、人工皮膚、又は人工角膜などの開発
が求められてきた。そして各種医用材料のなかでも特
に、倫理上の問題もなく、安定して供給され、生体への
適用後は、術後の術創の癒着を防止し、感染の恐れがな
く、組織の変性を起こさず、適用後の分解速度をコント
ロールでき、更に生体膜、特に脳硬膜、心膜、胸膜、腹
膜又は漿膜に対して再生促進作用がある、医用代替膜と
して使用することができる材料の開発も臨床現場で強く
求められてきた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、コラーゲンの超微細
線維を基本単位とする不織布状多元構造体のマトリック
ス中に、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され
得る物質を充填してなる又は介在させてなるコラーゲン
材、又は生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され
得る物質の不織布状のマトリックス中に、生体適合性を
有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質を充填してな
るコラーゲン材が、医用材料として特に優れた特性を有
するとともに、縫合可能な物性を有することを見いだし
て本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、コラーゲン材であっ
て、コラーゲンの超微細線維を基本単位とするコラーゲ
ン線維の不織布状多元構造体のマトリックス中に、生体
適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質を充
填してなる又は介在させてなることを特徴とする。
【0011】本発明のコラーゲン材は、図1に示すよう
な基本構造を有しており、その中心をなすコラーゲン線
維の不織布状多元構造体のマトリックスは、以下に説明
するようにサイズ及び形態を異にする各種の線維性コラ
ーゲンから多元的に構成されている。
【0012】すなわち、コラーゲン線維の不織布状多元
構造体は、コラーゲン分子数個からなる直径3〜7nmの
超微細線維15をその基本単位とし、該超微細線維がバ
ンドルとなって直径30〜70nmの微細線維14を形成
し、該微細線維が更なるバンドルとなって直径1〜3μ
m の細線維13a、13bを形成し、次いで該細線維の
バンドル列が縦横互い違いに積層されて直径5〜8μm
の線維12を形成し、次に該線維が同軸方向に重なりあ
って直径20〜50μm の板状線維11を形成してい
る。最終的にこの板状線維11が、ランダムに絡み合っ
てコラーゲン超微細線維性不織布状多層体10中の最大
単位としての線維性コラーゲンを形成しているのであ
る。
【0013】本発明のコラーゲン材は、この板状線維1
1が不織布状に集合した線維化コラーゲンの多元構造体
のマトリックス中に、生体適合性を有し、且つ生体内で
分解吸収され得る物質を含有してなるものである。ここ
で、該生体適合性と生体内分解吸収性を有する物質とし
ては、該マトリックス中に導入された抽出コラーゲンの
塩酸溶液を、凍結と凍結乾燥処理に付し、それによって
新たに該マトリックス中で線維化させたコラーゲンの超
微細線維を含むコラーゲン線維が代表的なものである
が、該マトリックス中に該抽出コラーゲンの溶液又はヒ
アルロン酸溶液を導入し、該溶液を風乾せしめたもの
(以下、コラーゲン由来のそれを、アモルファスコラー
ゲンという)も候補として挙げられる。
【0014】更に、本発明のコラーゲン材は、前記のコ
ラーゲン材の表面の所定部位に抽出コラーゲンの溶液を
風乾せしめたものからなる層を更に形成せしめたもので
あってもよい。
【0015】また本発明のコラーゲン材は、図1の構造
を基本とするが、該材料の用途によっては、前記のコラ
ーゲン線維の不織布状多元構造体の内部に生体内分解吸
収性材料からなるシート状又は筒状のメッシュ様中間材
を更に有するものにしてもよい。
【0016】更に、本発明のコラーゲン材は、前記のマ
トリックスを、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸
収され得る物質、例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳
酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、ポリジオキサノ
ン、グリコール酸とトリメチレンカーボネートの共重合
体、又はポリグリコール酸とポリ乳酸の混合物の群から
選択される材料からなる不織布状のシート又は筒状体と
し、該マトリックス中に充填される生体適合性を有し、
且つ生体内で分解吸収され得る物質を、前記のマトリッ
クス中に充填したものと同様のコラーゲン(コラーゲン
線維又はアモルファスコラーゲン)又はヒアルロン酸と
するものであってもよい。
【0017】このような本発明のコラーゲン材は、以下
のステップからなるプロセスにて製造し得る。
【0018】〔基本プロセス〕ステップa 抽出コラーゲンの塩酸溶液を所望の厚みにキャスティン
グしてコラーゲン溶液層を形成する。ここで、キャステ
ィングは、目的とするコラーゲン材の形状に応じて適宜
公知の方法を選択して行えばよい。例えば、膜状のコラ
ーゲン材を求める場合には、バット等をその型として、
また管状のコラーゲン材を求める場合には、その壁部と
なる部分を空洞にした型を用いて、それぞれ行えばよい
(以下、同様)。
【0019】ステップb 該コラーゲン溶液層を一旦凍結し、所望時間その状態を
保持し、次いで凍結乾燥する(この時点で、コラーゲン
の超微細線維を基本単位とするコラーゲン線維の多元構
造体が形成される。但し、該コラーゲン線維の多元構造
体はマトリックス故その中には多数の空隙−溶液が侵入
し得る空間という意味であり、いわゆる孔ではない−が
存在している)。
【0020】ステップc 該凍結乾燥されたものに熱脱水架橋を施す(マトリック
スを構成する線維化コラーゲンに次ステップにおける所
定の耐水溶解性を付与する)。
【0021】ステップd 該熱脱水架橋が施こされたもののマトリックス中に抽出
コラーゲンの塩酸溶液を導入する(結果として、該マト
リックス中の空隙が非線維化コラーゲンにて埋められ
る。ここで、この操作にて埋められる空隙は、該マトリ
ックス中の空隙の全容積である必要はない。尚、導入の
具体的方法としては、弱い真空で吸引する方法が例示さ
れる。勿論、微少空間へ液を効果的に導入し得るもので
あれば同方法に限定されない)。
【0022】ステップe 該抽出コラーゲンの溶液を導入されたものを再度凍結
し、所望時間その状態を保持し、次いで凍結乾燥する
(この操作にて、前記のマトリックス中の空隙の少なく
とも一部が新たに線維化せしめられたコラーゲンの超微
細線維を含むコラーゲン線維にて埋められる。ここで
“埋められる”とは、正確には、該マトリックス中の空
隙内で新たに線維化せしめられたコラーゲンの超微細線
維を含むコラーゲン線維が該マトリックスを構成する線
維化コラーゲンの各線維と絡みつくように存在せしめら
れていることをいう)。
【0023】ステップg 該凍結乾燥されたものを圧縮する。
【0024】ステップi そして、該圧縮されたものに熱脱水架橋を施す(新たに
線維化せしめられたコラーゲンの超微細線維を含むコラ
ーゲン線維に最終製品としての、又は変法として行われ
る更なるステップにおける、所定の耐水溶解性を付与す
る)。
【0025】更に、前記のステップeとステップgの間
で下記のステップを順に行ってもよい(前記のマトリッ
クス中の空隙を更に新たに線維化せしめられたコラーゲ
ンの超微細線維を含むコラーゲン線維にて、でき上がっ
たコラーゲン材に要求される強度以外の特性、例えば
“風合い”とか“しなやかさ”等、が許容されるかぎり
所望の強度を得るために該空隙を極力埋めるのが好まし
い。因に、空隙率で表した該空隙の容積率は、一般的に
マトリックスのそれが50〜60%、ステップeの後で
10%程度、ステップdとステップeの繰り返し1回目
のステップeの後で5%程度であり、該コラーゲン材の
通常の用途、例えば医用代替膜においては、このステッ
プf1及びf2は1回行うだけで十分である)。
【0026】ステップf1 前記の凍結乾燥されたもののマトリックス中に該抽出コ
ラーゲンの塩酸溶液を導入する。
【0027】ステップf2 該抽出コラーゲンの塩酸溶液を導入されたものを、再度
一旦凍結し、所望時間その状態を保持し、次いで凍結乾
燥する。
【0028】また更に、前記のステップgとステップi
の間で、下記のステップを行ってもよい。
【0029】ステップh1 前記の圧縮されたものの表面の所定部位に、コラーゲン
溶液層を形成する(具体的には、該圧縮されたものを、
少なくとも1回、抽出コラーゲンの塩酸溶液−好ましく
はコラーゲン濃度が2.0%以下−に、所定の時間、浸
漬・風乾すればよい。当該部位からの体液の侵入による
強度低下を極力抑えたいコラーゲン材の用途を志向する
場合。尚、“所定の部位”へのコラーゲン溶液層の形成
は、抽出コラーゲンの塩酸溶液への浸漬において、該コ
ラーゲン溶液層の形成を必要としない部分を公知の適当
な手段にてブロックすればよい)。
【0030】このステップh1を行う場合において、更
に次ステップであるステップiを行う前に下記のステッ
プh2、すなわち『前記のコラーゲン層を再度圧縮す
る』という操作を行ってもよい(コラーゲン材の表面の
凹凸をなくす、又は少なくして、“風合い”や“肌さわ
り”の向上を所望する場合)。
【0031】尚、前記のマトリックス中に充填する物質
として該マトリックス中に抽出コラーゲンの塩酸溶液又
はヒアルロン酸溶液(前記のステップdにおける「抽出
コラーゲンの塩酸溶液」を「ヒアルロン酸溶液」と読み
替える)を導入・風乾せしめたものを用いる場合には、
前記のステップe〜ステップiの操作を省き、前記の抽
出コラーゲンの塩酸溶液又はヒアルロン酸溶液をその中
に導入されたマトリックスを加圧しつつ該マトリックス
に所定の時間、熱脱水架橋を施せばよい。ここで、該マ
トリックスを加圧するのは、該マトリックス中に残存し
ている空気の影響、すなわちコラーゲン材の局部的な
“ふくれ”の発生を極力抑制するためである)。
【0032】一方、前記のマトリックス中に介在させる
生体適合性を有し、且つ生体内で分解され得る物質とし
て、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸
の共重合体、ポリジオキサノン、グリコール酸とトリメ
チレンカーボネートの共重合体、又はポリグリコール酸
とポリ乳酸の混合物の群から選択される材料(以下、ポ
リグリコール酸等、という)を用いる場合には、前記の
ステップaにおいて、抽出コラーゲンの塩酸溶液のキャ
スティングを2回に分けて行い、両キャスティング操作
の間で、前記の材料からなるシート状又は筒状のメッシ
ュ様物を単に介在させればよい(具体的には1回目のキ
ャスティングされたコラーゲン溶液層の上に該材料を載
置−膜状物を得る場合−すればよい)。尚、これらの材
料は親水性に乏しいので、介在の直前にプラズマ等でそ
の表面を改質させておくことが好ましい)。尚、該マト
リックス中にこのような材料を介在させる場合には、こ
れらの材料とマトリックスとの複合効果にて所定の強度
が得られるため、原則として該マトリックス中への線維
化せしめられたコラーゲンの超微細線維を含むコラーゲ
ン線維の新たなる増強は不要である(システム構成:一
部変更したステップa→ステップb→ステップc→ステ
ップg)。但し、圧縮されたものの表面の生化学的状態
を整える意味でコラーゲン溶液層又はゼラチン溶液層の
形成を行うことは好ましい。
【0033】また、本発明のコラーゲン材として、前記
のマトリックスを、生体適合性を有し、且つ生体内で分
解吸収され得る物質、例えば、ポリグリコール酸、ポリ
乳酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、ポリジオキサノ
ン、グリコール酸とトリメチレンカーボネートの共重合
体、又はポリグリコール酸とポリ乳酸の混合物の群から
選択される材料からなる不織布状のシート又は筒状体と
し、該マトリックス中に充填される生体適合性を有し、
且つ生体内で分解吸収され得る物質を、前記のマトリッ
クス中に充填したものと同様のコラーゲン(コラーゲン
線維又はアモルファスコラーゲン)又はヒアルロン酸と
するものの場合には、以下に示すようにして製造すれば
よい。尚、説明の都合上、該マトリックス中に導入され
る物質がコラーゲンの場合であって、作成されるコラー
ゲン材が膜状のものである場合を例として以下に説明す
る。
【0034】ステップj ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸の共
重合体、ポリジオキサノン、グリコール酸とトリメチレ
ンカーボネートの共重合体、又はポリグリコール酸とポ
リ乳酸の混合物の群から選択される材料からなる不織布
状のシートからなるマトリックス中に抽出コラーゲンの
塩酸溶液を導入した後、風乾する。この抽出コラーゲン
の塩酸溶液の導入操作は、若干の減圧環境、例えば水流
アスピレータ等でその中の空気が排除され大気圧より多
少低い圧力雰囲気に置かれた容器内に、該マトリックス
をその中に浸漬した所定濃度の抽出コラーゲンの塩酸溶
液(別の容器に入れておく)を入れ、所定時間、その状
態を保持することによってなされる。具体的には、該マ
トリックス中に該抽出コラーゲンの塩酸溶液がしみ込ん
でいくことによってなされる。尚、この操作から明らか
なように、該マトリックスの内部のみならずその表面に
も該抽出コラーゲンの塩酸溶液からなる薄層が必然的に
形成されている。
【0035】ステップl 該抽出コラーゲンの塩酸溶液が導入・風乾されたものの
少なくとも一方の面にコラーゲン溶液層を形成する。具
体的には、前記と同様の抽出コラーゲンの塩酸溶液へ該
抽出コラーゲンの塩酸溶液が導入・風乾されたものを浸
漬・風乾すればよい(好ましくは1〜5回程度繰り返
す。その結果物がコラーゲン溶液層である。尚、片面だ
けにこのコラーゲン溶液層を形成させるには、もう一方
の面を適当な手段にてブロックしてこのステップを行え
ばよい)。
【0036】ステップo 該コラーゲン溶液層の上にゼラチン溶液層を形成する。
具体的には、所定濃度のゼラチン水溶液の塗布又は該ゼ
ラチン水溶液への浸漬を行えばよい。尚、このステップ
は、最終製品として癒着防止能が求められる場合に必要
となる任意ステップである。
【0037】ステップp 該ゼラチン溶液層が形成されたものに、所定の時間、熱
脱水架橋を施す(目的は、先に述べた方法におけるコラ
ーゲン線維等へのそれと同様耐水溶解性の付与であ
る)。
【0038】ここまでがこの方法における基本ステップ
であるが、この方法にも変法が存在する。その内の一つ
が、ステップjとステップlの間及びステップlとステ
ップoの間でそれぞれ行う、コラーゲン溶液の線維化で
ある。具体的には、先に述べた方法と同様、マトリック
ス中に導入された抽出コラーゲン及びコラーゲン溶液層
に凍結→保持→凍結乾燥という一連の操作を加える(前
者に対するそれ:付加ステップk、後者に対するそれ:
付加ステップm1である)。尚、この付加ステップは用
いる強度発現部材としてのマトリックスの強度が弱い
(具体的には不織布状マトリックスの厚さが薄い)場合
に採用するステップである。ここで、付加ステップm1
に引き続き、該凍結乾燥されたものを圧縮する(付加ス
テップm2)ことが好ましい。全体としての強度が増す
からである。
【0039】更なる付加ステップとしては、熱脱水架橋
が挙げられる。その実行場所としては、ステップlとス
テップoとの間、又はステップm2とステップoとの間
である(付加ステップn。目的は先の方法にて述べたも
のと同様結果物の耐水溶解性の付与である)。
【0040】本発明のコラーゲン材は、人工神経管、人
工脊髄、人工食道、人工気管、人工血管、人工弁、人工
靭帯、人工腱、外科用補填材、外科用補強材、創傷保護
材、人工皮膚などの医用材料の主構成材料としても用い
得るが、殆どそのままの形態にて使用し得るし、更にそ
れへの要望が大きいという点において生体膜、就中、脳
硬膜、心膜、胸膜、腹膜、漿膜又は角膜などの人工医用
代替膜用途に好適である。
【0041】尚、外科用補填材、外科用補強材、創傷保
護材などの膜様物においては、本発明のコラーゲン材の
片面又は両面に架橋処理されたゼラチンゲル層又はヒア
ルロン酸層を更に有するものであってもよい。
【0042】本発明のコラーゲン材は、更にまた、糸状
材料及び該糸状材料からなる医用材料、例えば外科用縫
合糸としても使用し得る。該糸状材料は、前記のステッ
プaにおけるコラーゲン溶液層の形成に代え、湿式紡糸
を行ってコラーゲン糸を先ず得る操作を行う点を除き、
その他の材料と同様の操作にて製造し得る。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明のコラーゲン材の原料とし
て使用するコラーゲンとしては、従来から用いられてい
る各種コラーゲン、好ましくは中性可溶化コラーゲン、
酸可溶化コラーゲン、アルカリ可溶化コラーゲン又は酵
素可溶化コラーゲンを使用することができる。これらの
うち、酵素可溶化コラーゲンは、不溶性コラーゲンを、
酵素(例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシ
ン、パパイン、プロナーゼなど)処理したもので、これ
らの処理によりコラーゲン分子中の抗原性の強いテロペ
プチド部分が除去されて抗原性が低減されるので、特に
好ましい。これらコラーゲンの由来は、特に限定され
ず、一般に、ウシ、ブタ、ウサギ、ヒツジ、カンガル
ー、鳥、魚などの動物の皮膚、骨、軟骨、腱、臓器など
から抽出及び精製によって得られるI型コラーゲン、又
はI型及びIII 型の混合コラーゲンを用いることができ
る。
【0044】上述したようなコラーゲンの超微細線維を
基本単位とするコラーゲン線維の不織布状多元構造体を
マトリックスとして有する本発明のコラーゲン材を、従
来各種医用材料として使用されてきたコラーゲン分子が
モノマー〜オリゴマーの状態で分散しているアモルファ
ス構造の非線維化コラーゲンのみからなる材料と比較す
ると、前者は、コラーゲンが本来有する生体に対する作
用は保持しながらも、後者に比べて、優れた物性、特に
優れた引き裂き強度を有するばかりでなく、生体内での
吸収速度も十分に延長されている。また、本発明のコラ
ーゲン材を含む糸状材料は、その形態が糸状であるとい
う点を除けば、その構成においては先に述べたものと同
じものであり、また、本発明のコラーゲン材を含む医用
材料とは、同様のマトリックスとその中に生体適合性を
有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質を充填してな
るコラーゲン材を、各種医用材料に加工したものであ
る。医用材料の形態としては、膜状、管状、袋状、塊状
などが挙げられる。本医用材料の用途としては、特に医
用代替膜を挙げることができ、更に特にその片面又は両
面に架橋処理されたゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層
を有する医用代替膜を好適に挙げることができる。この
場合のその厚さは、好ましくは約0.1〜5mmであ
る。
【0045】本発明の医用代替膜がその表面に有してい
ることのできるゼラチンゲル層は、ゼラチンの有する細
胞の接着及び増殖を妨げる作用のため、癒着を防止する
必要のある箇所において、周辺の生体組織からの細胞の
伸展を防ぐための癒着防止層として作用する。また、ヒ
アルロン酸は、コラーゲンの安定性を向上させる効果を
有し、また癒着防止能も有する。本発明の医用代替膜で
は、生体に適用後、約3〜4週間、ゼラチンゲル層又は
ヒアルロン酸層が分解吸収されずに残存する必要がある
ため、このゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層もまた、
架橋処理されている。
【0046】本発明のコラーゲン材を調製するには、上
記のような抽出コラーゲン(勿論、精製後)の約1N
塩酸溶液(pH約3)(コラーゲン分子がモノマー〜オリ
ゴマーの状態で分散している非線維化コラーゲンの溶液
である。以下、同様。コラーゲン濃度は、好ましくは約
0.5〜3重量%、特に約1重量%)を調製し、流し込
みなどの慣用の方法にて、シャーレなどの容器に、液層
が任意の均一な厚さとなるようコラーゲン塩酸溶液の層
を形成する(管状のものを求める場合には、例えば、そ
の壁部が中空となった型を用いればよいし、場合によっ
ては、マンドレルなどの基材の表面に塗布・風乾などし
て形成すればよい。コラーゲン以外のものであって、生
体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質
(コラーゲンマトリックス中への介在材料として)とな
り得るものとして、ポリグリコール酸等を用いる場合に
は、この操作の中で、該材料のシート状又は筒状のメッ
シュ様物そのものを該コラーゲン塩酸溶液の層中に介在
せしめておけばよく、またそのような材料をマトリック
スとして用いる場合(不織布様のシート状物又は筒状
体)には、該マトリックス中にアモルファスコラーゲン
や繊維化コラーゲン等のコラーゲン(場合によってはヒ
アルロン酸等)を該マトリックス中に充填(陰圧下でし
み込ませる等)すればよい。尚、以下の説明において、
マトリックス中にコラーゲン等を充填すること及び該充
填されたコラーゲン等に対する更なる処置並びにそのよ
うな処置を施されたマトリックスに対する更なる処置に
関する説明は、特記しない限り、この非コラーゲン材料
であって、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収さ
れ得る物質をマトリックスとして用い、該マトリックス
中にコラーゲン等を充填する形態のコラーゲン材の場合
についても適用される)。コラーゲン塩酸溶液の層の厚
さは、本発明のコラーゲン材の用途に応じて決定する
が、例えば医用代替膜である脳硬膜として使用する場
合、好ましくは約1〜5cm、特に約1〜3cmとする。こ
れを、好ましくは約−10〜−196℃、特に約−20
℃で、少なくとも約6時間、好ましくは約6〜48時
間、特に約24時間凍結する。凍結することによって、
塩酸溶液中に分散しているコラーゲン分子の間に微細な
氷が形成され、コラーゲン塩酸溶液が層分離を起こし、
コラーゲン分子が再配列することによって微細線維化す
る。凍結時間が6時間未満であると、コラーゲン塩酸溶
液が十分に凍結しないため、コラーゲン分子の微細線維
化が不十分であり、十分な物性が得られない。次に、上
記の凍結させたコラーゲン塩酸溶液を、真空下、好まし
くは約−40〜−80℃、特に約−80℃で、好ましく
は約24〜48時間、特に約48時間凍結乾燥する。凍
結乾燥することによって、コラーゲン分子間の微細な氷
が気化するとともに、コラーゲン分子からなる超微細線
維が基本単位となって、上述したような微細線維、細線
維、線維、板状線維から多元的に構成された不織布状の
コラーゲン構造体が得られる。尚、このコラーゲン塩酸
溶液に凍結→(保持)→凍結乾燥という操作を施すこと
は、ポリグリコール酸等の非コラーゲン材料を併せ用い
るコラーゲン材の場合においても線維化コラーゲンを求
める場合には必須の操作である。
【0047】次に、上記で得られた不織布状のコラーゲ
ン構造体のマトリックス中に生体適合性を有し、且つ生
体内で分解吸収され得る物質となり得るものの一つとし
ての非線維化コラーゲン、具体的には抽出コラーゲンの
塩酸溶液を導入する(生体適合性を有し、且つ生体内で
分解吸収され得る物質(コラーゲンマトリックス中への
介在材料として)となり得るものとして、ポリグリコー
ル酸等を用いる場合には、この操作は原則不要であ
る)。ここで、該溶液のコラーゲン濃度としては0.5
重量%以下のものを用いるのが好ましい。該導入がスム
ース且つ該導入された溶液の該マトリックス中での拡散
がより均一に行われ、結果として該マトリックス内残存
空気の排除がスムースに行われるからである。該溶液導
入の具体的方法としては、該マトリックスはそれほど大
きな抵抗を有さないので、50cmH2O程度の弱い真
空、例えばアスピレータを利用して該コラーゲン塩酸溶
液を吸引する方法が簡単である(勿論、その他の方法、
例えば、この前の操作である凍結乾燥における真空雰囲
気を利用し、該マトリックスの中に該コラーゲン塩酸溶
液を自然に滲み込ませる方法によってもよい)。尚、先
の操作で形成された該マトリックス中のコラーゲン線維
が該コラーゲン塩酸溶液(当然にその中には水を含んで
いる)にて溶解されることを防止するため、該コラーゲ
ン塩酸溶液の導入に先立ち該不織布状のコラーゲン層に
対し熱脱水架橋(真空下、好ましくは約105〜150
℃、特に約140℃で、好ましくは約6〜48時間、特
に約24時間該マトリックスを加熱する。ここで、約1
05℃未満では十分な架橋反応が起きないし、一方、約
150℃を超えるとコラーゲンが変性してしまう。尚、
本発明のコラーゲン材を含む医用材料を生体への適用
後、所望の期間残存させるように調節することがこの操
作の本来の目的である)を施こしておくことが好まし
い。
【0048】次に、コラーゲン塩酸溶液がマトリックス
中に導入された不織布状のコラーゲン構造体を一旦凍結
し、その状態を所定時間保持した後、凍結乾燥し、該導
入されたコラーゲン塩酸溶液を線維化コラーゲンに転換
する(結果として、該マトリックスの空隙の所定空間が
新たに線維化せしめられたコラーゲンにて埋められる、
すなわち該マトリックスを構成している線維化コラーゲ
ンに該新たに線維化されたコラーゲンが絡みつくように
該マトリックス中の空隙が該新たに線維化されたコラー
ゲンにて充填される。尚、条件は、前記の凍結・凍結乾
燥に同じ。生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収さ
れ得る物質(コラーゲンマトリックス中への介在材料と
して)となり得るものとして、ポリグリコール酸等を用
いる場合には、この操作も原則不要である)。次いで、
該新たに線維化されたコラーゲンにてその空隙の所定空
間が充填された該マトリックスを圧縮(例えば、500
kgf/cm2 ×15sec.)した後で熱脱水架橋を施す(条件
は前記の熱脱水架橋に同じ)。
【0049】以上のようにして製造された本発明のコラ
ーゲン材は、乾燥状態で少なくとも30N の一点支持張
力及び少なくとも65N の耐破断張力、湿潤状態で少な
くとも1.4N の一点支持張力及び少なくとも6.5N
の耐破断張力を有し(厚さ1mmの場合であって、マトリ
ックス中に充填してなる生体適合性を有し、且つ生体内
で分解吸収され得る物質−以下、生体分解吸収性物質、
という−がマトリックス中で新たに微細線維化させたコ
ラーゲンの超微細線維を含むコラーゲン線維−以下、充
填コラーゲン線維、という−の場合)、又は乾燥状態で
少なくとも10N の一点支持張力及び少なくとも25N
の耐破断張力、湿潤状態で少なくとも5N の一点支持張
力及び少なくとも15N の耐破断張力を有し(厚さ1mm
の場合であって、マトリックス中に介在させてなる生体
分解吸収性物質がポリグリコール酸等の場合。該マトリ
ックスとして非コラーゲン材料を用いる場合には当然に
該数値以上の能力を示す)、従来のコラーゲン材と比べ
て優れた強度を有するため、各種医用材料に加工するこ
とができ、縫合も可能である(特に後者のコラーゲン材
においては、湿潤状態での強度がより優れたものとなる
ため術者の縫合技術の巧拙を問わない、という点におい
て好都合である)。また生体内に適用された場合に約3
〜8週間その形状を保持することができる。更に、コラ
ーゲンが本来有する医用材料としての特性も保持してい
る。
【0050】尚、更なる強度の増強を所望の場合には、
この、該コラーゲン塩酸溶液の該マトリックス中への導
入(条件は前記に同じ)→凍結・凍結乾燥(条件は前記
に同じ)という操作を少なくとも1回(通常は、1回で
十分である)繰り返してもよい。
【0051】一応、前記迄のステップにて本発明のコラ
ーゲン材が得られるが、必要に応じて次に、前記のコラ
ーゲン材の表面の所定の部位に非線維化コラーゲンの層
を形成せしめる。その具体的方法は次の通りである。 該圧縮されたコラーゲン材を抽出コラーゲンの塩酸
溶液(コラーゲン濃度:約0.5〜3重量%、特に約2
重量%)へ浸漬・風乾する(少なくとも1回。通常の用
途においては1回で十分である);そして 該表面の所定の部位に非線維化コラーゲンの層を有
するコラーゲン材に対し熱脱水架橋を施す(前記と同様
の条件にて可)。
【0052】ここで、前記の操作ととの間で更に該
表面の所定の部位に非線維化コラーゲンの層を有するコ
ラーゲン材を圧縮してもよい。最終的に得られるコラー
ゲン材の表面の凸凹が小さくなり、“風合い”や“手触
り感”が向上するからである。
【0053】尚、これまでは前記のマトリックス中に充
填する生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得
る物質となり得るものとしてコラーゲン塩酸溶液を原料
とし、該マトリックス中に該溶液を導入した後新たに該
コラーゲンを繊維化させたものにて説明してきたが、用
途によっては他のもの、例えば該溶液又はヒアルロン酸
の溶液を該マトリックス中に導入した後単に風乾せしめ
たものであってもよい。これら導入後単に風乾せしめた
ものを充填物とするのは、本発明のコラーゲン材からな
る医用材料を生体に適用した際の体液の空隙への更なる
侵入によって湿潤状態の強度が低下することを多少なり
とも該空隙をなくすことで抑制しようとするもの故、該
マトリックス中への導入・風乾操作の後の操作として
は、原則として熱脱水架橋の適用のみ(但し、この操作
においては200kg/cm2の圧力での加圧下に行うのがよ
い)、場合によっては圧縮と前記の追加操作を熱脱水
架橋の適用に先立ち行えばよい。
【0054】更に必要に応じて次に、上記の基本ステッ
プ又は基本ステップ+追加ステップにて得られたコラー
ゲン材を、エチレンオキシドガス処理又は紫外線もしく
はγ線照射などにより滅菌する。
【0055】上記のようにして調製した本発明のコラー
ゲン材を、その片面又は両面に架橋処理されたゼラチン
ゲル層又はヒアルロン酸層を有する医用代替膜に加工す
る場合には、 ゼラチンゲル層の場合では、好ましくは約
2〜70重量%、特に約60重量%のゼラチン水溶液を
用いてゼラチンゲル層を形成するが、約60重量%のゼ
ラチン水溶液を用いる場合、湿潤時で好ましくは約0.
1〜5mm、特に約1mm、乾燥時で好ましくは約0.06
〜3mm、特に約0.6mmになるように、ゼラチンゲル層
を形成する。ゼラチンゲル層は、塗布、浸漬など、どの
ような方法によって形成してもよいが、例えば、シャー
レなどの容器にゼラチン水溶液を注入して必要な厚さに
なるようにし、その上に上記のようにして得た本発明の
コラーゲン材を置いて放置し、ゼラチンをゲル化させ
る。その両面にゼラチンゲル層を形成する場合は、もう
一方の面についても、同様の処置を行って、両面にゼラ
チンゲル層を形成させる。
【0056】次に、このようにして得たその片面又は両
面にゼラチンゲル層を形成させたコラーゲン材を、架橋
処理に付す。架橋処理を行うことによって、ゼラチンゲ
ル層の分解吸収速度をコントロールする。架橋方法とし
ては、熱脱水架橋が好ましい。ゼラチンゲル層を生体に
適用後約3〜4週間残存させるには、該ゼラチンゲル層
を形成させたコラーゲン材を、真空下、好ましくは約1
05〜150℃、特に約140℃で、好ましくは約6〜
48時間、特に約24時間熱脱水架橋処理に付す(約1
05℃未満では、架橋反応が十分に起きず、約150℃
を超えると、コラーゲンが変性してしまうので好ましく
ない)。
【0057】このようにして形成された架橋処理された
ゼラチンゲル層は、各生体膜が再生するまで、本医用代
替膜のコラーゲン部分が周辺組織と癒着するのを防止す
る役割を有し、膜欠損部の周辺から生体膜が伸びて再生
して、膜の欠損部分を塞ぐまでの約3〜4週間、ゼラチ
ンゲル層は分解吸収されずに残存する。
【0058】一方、ヒアルロン酸層を形成する場合に
は、好ましくは約0.5〜2.0mg/ml、特に約1.0mg
/ml のヒアルロン酸ナトリウム水溶液を用いて、上記の
ようにして得た本発明のコラーゲン材の片面又は両面
に、塗布又は浸漬などの方法によって、ヒアルロン酸ナ
トリウム水溶液層を形成し、この水溶液層を風乾するこ
とによってヒアルロン酸層とする。ヒアルロン酸ナトリ
ウム水溶液層は、修復すべき膜の欠損部分の周辺から生
体膜が伸びて再生して、膜の欠損部分を塞ぐまでの約3
〜4週間ヒアルロン酸層が分解吸収されずに残存するこ
とができるよう、湿潤時で好ましくは約0.5〜4.0
mm、特に約2mm、乾燥時で好ましくは約0.1〜2.0
mm、特に約1.0mmの厚さとなるように形成する(約
1.0mg/ml の水溶液の場合)。コラーゲン材の表面に
ヒアルロン酸を固定して、ヒアルロン酸層とするため
に、更に第2の架橋処理を行うが、ヒアルロン酸の場合
は、水溶性カルボジイミド(WSC)で架橋処理を行う
のが好ましい。この場合、ヒアルロン酸ナトリウム水溶
液にあらかじめWSCを混合しておき、ヒアルロン酸ナ
トリウムと共に、コラーゲン材に適用することによっ
て、コラーゲンのカルボキシル基とヒアルロン酸のアミ
ノ基とを架橋させることが好ましい。ヒアルロン酸ナト
リウム水溶液に含有させるWSCの濃度は、好ましくは
約5〜20mg/ml、特に約8〜15mg/ml とする。このヒ
アルロン酸ナトリウム及びWSCを含有する水溶液を調
製し、十分に撹拌し、厚さが好ましくは約1mmとなるよ
うに、コラーゲン材の両面又は片面に塗布し、風乾し
て、ヒアルロン酸層を形成する。
【0059】本発明のコラーゲン材は、優れた強度を有
するため、手術用縫合糸としても使用することができ
る。本発明のコラーゲン材を含む糸状材料は、前記のコ
ラーゲン材の調整法の最初のステップを、抽出(勿論精
製後の)コラーゲンの約1N 塩酸溶液(pH約3)(コラ
ーゲン濃度は、好ましくは約0.5〜3重量%、特に約
1重量%)を調製し、これを孔径が好ましくは約50〜
300μm、特に約100μm のノズルから凝固浴中に噴
出させることによって湿式紡糸する、ことに代え、その
他のステップは前記のコラーゲン材の調整法と同様に行
うことによって調製することができる。
【0060】上記のように調製した本発明のコラーゲン
材は、従来の抽出コラーゲン材料に比べて、優れた物
性、特に優れた引き裂き強度を有するため、合成高分子
材料などに積層せずにそれのみで、各種医用材料に加工
することができ、縫合することもできる。また、本発明
のコラーゲン材は、生体内に適用した場合、すぐには溶
解せずに、約3〜8週間その形状を保持することができ
る。これらの理由から、本発明のコラーゲン材は、更に
用途に応じて膜状、管状、袋状、塊状などの形態に加工
することによって、各種医用材料として使用することが
できる。例えば、人工神経管、人工脊髄、人工食道、人
工気管、人工血管、人工弁、人工脳硬膜などの人工医用
代替膜、人工靭帯、人工腱、外科用縫合糸、外科用補填
材、外科用補強材、創傷保護材、人工皮膚又は人工角膜
などとして使用して、傷害を受けた生体組織が回復、再
生するのを促すことができる。あるいは、圧迫止血材、
あるいは細胞培養における三次元培地としても使用する
ことができる。
【0061】また、上記のようにして得られた本発明の
医用材料からなる医用代替膜は、各種外科手術後の膜欠
損部分を補填することによって、膜欠損部分における臓
器と周辺組織との癒着を予防するために使用することが
できる。本発明の医用代替膜においては、癒着を防止す
る必要のある周辺組織と接する側に架橋したゼラチンゲ
ル層又はヒアルロン酸層が向くように、その片面又は両
面にゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層を形成した本発
明の医用代替膜を使用する。本医用代替膜を、心膜の代
替膜として使用する場合は、両面にゼラチンゲル層又は
ヒアルロン酸層を形成した代替膜を、また胸膜、腹膜又
は漿膜の代替膜として使用する場合は、片面にゼラチン
ゲル層又はヒアルロン酸層を形成した代替膜を、ゼラチ
ンゲル層又はヒアルロン酸層が周辺組織と接する側に向
くように使用する。脳硬膜の代替膜として使用する場合
は、両面又は片面にゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層
を形成した代替膜のいずれも使用することができる。片
面にゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層を形成した代替
膜を使用する場合は、ゼラチンゲル層又はヒアルロン酸
層が、脳実質組織と接する側に向くように使用する。更
にまた、上記の用途のほか、血管、消化管、気管、尿
管、膀胱、粘膜、歯根膜などの縫合に、補強材としても
使用することができる。
【0062】上記のように生体膜の欠損部分を補填する
材料としての本発明の医用代替膜は、脳硬膜、心膜、胸
膜、腹膜又は漿膜の代替膜として使用することができ
る。本代替膜を術創に適用すると、術創周辺に残存して
いる脳硬膜、心膜、胸膜、腹膜又は漿膜などの生体膜
が、本代替膜との接触箇所から本代替膜のコラーゲン部
分を再生の足場として伸展して再生する一方、生体組織
がゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層と接する箇所で
は、細胞の侵入・伸展が予防されるために癒着が防止さ
れ、最終的には欠損部分が、再生した生体膜によって塞
がれ、本代替膜は、生体によって分解吸収され、完全に
消失する。
【0063】上述のように、本発明のコラーゲン材、及
び本発明のコラーゲン材を含む医用材料、特に医用代替
膜は、従来のコラーゲン材及びそれを含む医用材料に比
べて、優れた引き裂き強度を有するが、本医用材料を、
例えば人工膀胱などとして使用する際には、更に強度が
必要とされる場合がある。このため、本発明のコラーゲ
ン材、及び本発明のコラーゲン材を含む医用材料として
は、前記のマトリックス中に生体内分解吸収性材料から
なるシート状のメッシュ様中間材を介在せしめてもよ
い。生体内分解吸収性材料としては、ポリグリコール
酸、ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、ポリジ
オキサノン、グリコール酸とトリメチレンカーボネート
の共重合体、又はポリグリコール酸とポリ乳酸の混合物
を挙げることができる。これらの材料からなるシート状
のメッシュ様中間材は、例えば約50〜2,000μm
の孔径を有する、例えばメッシュシート、織布、不織
布、パンチ穴を形成したシートなどの形態であり、その
厚さは、例えば約100〜2,000μm であるが、メ
ッシュ様中間材の孔径とその厚さは、用途に応じて適宜
変更すればよい。
【0064】このような、マトリックス中に生体内分解
吸収性材料からなるシート状のメッシュ様中間材を介在
せしめたコラーゲン材を調製するには、前記のコラーゲ
ン材の調整法の最初のステップであるコラーゲン塩酸溶
液層を形成する際にキャスティングしたコラーゲンの塩
酸溶液の中に上記のようなシート状のメッシュ様中間材
を浸したまま、該コラーゲン塩酸溶液層の凍結・凍結乾
燥など以降のステップに付せばよい。但し、この形態の
場合には、マトリックス中に新たなコラーゲンの超微細
線維を充填することは原則不要故、該充填に要するステ
ップ、例えば、抽出コラーゲンの塩酸溶液の追加導入→
再凍結→再凍結乾燥というステップ及び最終的な熱脱水
架橋ステップは行わなくてよい。一方、その他の追加ス
テップ、すなわち該コラーゲン材の表面(片面又は両
面)への追加層の形成、例えば、コラーゲン溶液層と
か、ゼラチンゲル層又はヒアルロン酸層の形成(原則と
してこれらの操作の後では熱脱水架橋を行う)は、必要
に応じて適宜行えば良い。
【0065】以下に本発明を膜状のコラーゲン材を製造
した実施例を1例として説明する。
【0066】実施例1 豚皮由来のコラーゲンを用いて、抽出コラーゲンの1N
塩酸溶液(コラーゲン濃度:1重量%)を調製し、シャ
ーレに注いで、18mmの厚さのコラーゲン溶液層とし
た。これを、−20℃で24時間凍結し、次に−80℃
で48時間凍結乾燥した。次に該凍結乾燥させたコラー
ゲン線維の多元構造体(以下、単に多元構造体という)
を真空下、140℃で24時間熱脱水架橋処理に付した
後、流水アスピレータにて該多元構造体の内部に負圧
(50cmH2 O)を発生させて抽出コラーゲンの1N 塩
酸溶液(コラーゲン濃度:0.5重量%)を該多元構造
体中に導入し、該多元構造体の内部の空隙を非線維化コ
ラーゲンにて埋め、次いで前記のそれと同一条件下、凍
結と凍結乾燥を行った(新たに形成された線維化コラー
ゲンにより該多元構造体の内部の空隙を減らす操作)
後、厚みが1mmまで圧縮(500kgf/cm2 )し、次いで
該圧縮されたものを抽出コラーゲンの1N 塩酸溶液(コ
ラーゲン濃度:2重量%)へ浸漬・風乾(コラーゲン溶
液層の形成。回数は1回)し、前記のそれと同一条件下
の熱脱水架橋処理を施して、本発明のコラーゲン材を得
た。
【0067】上記で調製した本発明のコラーゲン材につ
いて、以下に記載する方法により、その一点支持張力と
耐破断張力を乾燥状態及び湿潤状態で測定した。その結
果を表1に示す。
【0068】大きさ10×25mmの短冊型の試験片を作
製した。以下の方法で25℃、湿度50%の恒温恒湿室
中でデジタルプッシュプルゲージ(AIKOHENGINEERING製
CPUゲージ)を用いて試験片の長軸方向にISOのB
速度(5mm/min) で均一に張力をかけ、膜が破断するま
での最大張力を乾燥状態及び湿潤状態(37℃の生理食
塩水中で1分間又は30分間の水和を行ったもの)の両
者で測定した。
【0069】1.一点支持張力 試験片の片端の中央より5mm内側の部位を糸(4−Oプ
ロリン又は2デキソン)で縫合固定し、他方の端はクリ
ップで均一に把持して張力をかけた。
【0070】2.耐破断張力 試験片の両端をクリップで均一に把持して張力をかけ
た。結果を表1に示す(表中、「湿潤状態A」は水和時
間が1分間のデータを、「湿潤状態B」は水和時間が3
0分間のデータである)。
【0071】実施例2 前記の圧縮されたものへのコラーゲン溶液層の形成の回
数を5回にしたことを除き実施例1と同様にして、本発
明のコラーゲン材を得た。該コラーゲン材について、実
施例1と同様の方法により、その一点支持張力と耐破断
張力を乾燥状態及び湿潤状態で測定した。その結果を表
1に示す。
【0072】実施例3 前記の2回目の凍結乾燥操作と圧縮操作との間で、前記
のそれと同一条件下、熱脱水架橋処理と新たに形成され
た線維化コラーゲンにより多元構造体の内部の空隙を減
らす操作をこの順に行ったこと、及び前記の圧縮された
ものへのコラーゲン溶液層の形成を行わなかったことを
除き実施例1と同様の方法により、その一点支持張力と
耐破断張力を乾燥状態及び湿潤状態で測定した。その結
果を表1に示す。
【0073】実施例4 前記の圧縮されたものへのコラーゲン溶液層の形成を行
わなかったことを除き実施例1と同様にして、本発明の
コラーゲン材を得た。該コラーゲン材について、実施例
1と同様の方法により、その一点支持張力と耐破断張力
を乾燥状態及び湿潤状態で測定した。その結果を表1に
示す。
【0074】実施例5 最初のコラーゲン溶液層の形成時に、予めその表面にプ
ラズマ放電処理を施したポリグリコール酸のメッシュシ
ート(目開き:1mm)を介在せしめたこと、及び新たに
形成された線維化コラーゲンにより該多元構造体の内部
の空隙を減らす操作を行わなかったことを除き実施例1
と同様にして、本発明のコラーゲン材を得た。該コラー
ゲン材について、実施例1と同様の方法により、その一
点支持張力と耐破断張力を乾燥状態及び湿潤状態で測定
した。その結果を表1に示す。
【0075】実施例6 前記の圧縮されたものへのコラーゲン溶液層の形成に代
えて該圧縮されたものの片面にゼラチンゲル層を形成
(15%ゼラチン水溶液を当該面に塗布・乾燥)したこ
とを除き実施例5と同様にして、本発明のコラーゲン材
を得た。該コラーゲン材について、実施例1と同様の方
法により、その一点支持張力と耐破断張力を乾燥状態及
び湿潤状態で測定した。その結果を表1に示す。
【0076】実施例7 ゼラチンゲル層の形成を前記の圧縮されたものの両面に
行ったことを除き実施例6と同様にして、本発明のコラ
ーゲン材を得た。該コラーゲン材について、支持張力と
耐破断張力を乾燥状態及び湿潤状張力と耐破断張力を乾
燥状態及び湿潤状態で測定した。その結果を表1に示
す。
【0077】
【表1】
【0078】表1に示す通り、本発明のコラーゲン材
は、縫合に耐える優れた物性を有することが確認され
た。尚、同表において参考とは、ポリグリコール酸のメ
ッシュシートのみのデータである。
【0079】実施例8 容器内にプラズマ放電処理を施したポリグリコール酸の
不織布(2plies −厚さ:0.20mm、空隙率:88.
75%−)とそれを浸漬可能な十分量の抽出コラーゲン
塩酸溶液(コラーゲン濃度:1%)とを入れ、該容器を
デシケータ中に収容し、該デシケータ内を水流アスピレ
ータにて減圧(−50cmH2 O)し、所定時間(1〜2
分間)その状態を保持して該不織布中に該抽出コラーゲ
ン塩酸溶液を十分にしみ込ませた後、該不織布を該デシ
ケータより取り出し風乾させた。該風乾させた不織布に
実施例1と同様の条件にて凍結→保持→凍結乾燥→熱脱
水架橋の各操作を行い、次いで、抽出コラーゲン塩酸溶
液(コラーゲン濃度:1%)への浸漬と風乾を2回繰り
返し、その中に線維化コラーゲンを充填された不織布の
表面にアモルファスコラーゲンの溶液層を形成した。次
いで、該アモルファスコラーゲンの溶液層の表面にゼラ
チンゲル層を形成させた(20%ゼラチン水溶液への浸
漬と風乾を2回繰り返すことによって実行)後、実施例
1と同様の条件にて熱脱水架橋を施して本発明のコラー
ゲン材を得た。
【0080】実施例9 ポリグリコール酸の不織布として4plies (厚さ:0.
55mm、空隙率:75.1%)のものを用いたこと及び
その中に抽出コラーゲン塩酸溶液を十分にしみ込ませた
該不織布に対し凍結→保持→凍結乾燥→熱脱水架橋とい
う一連の操作を行わなかったことを除き実施例8と同様
にして本発明のコラーゲン材を得た。尚、予備試験にて
強度が得られることを確認し得たので実施例8のそれと
同様、更なる詳細な強度試験を行わなかった。
【0081】
【発明の効果】本発明のコラーゲン材は、コラーゲンが
本来有する生化学的特性を保持しながらも、縫合可能な
程度の物性を有するため、各種医療材料として広く使用
することができる。また本発明の医用代替膜は、倫理上
の問題もなく、安定して供給され、生体膜の欠損部分を
補填する材料又は癒着防止材として術創に縫合すること
ができる。また縫合後、生体膜が再生するまでの期間残
存して、癒着防止効果を示す一方、徐々に分解吸収され
るため、生体組織に長期間残存して炎症などを惹起する
ことがなく、安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコラーゲン材の構造を示す。
【符号の説明】
10・・・・・・・・・・・・コラーゲン超微細線維性不織布状多層
体 11・・・・・・・・・・・・板状線維 12・・・・・・・・・・・・線維 13a、13b・・細線維 14・・・・・・・・・・・・微細線維 15・・・・・・・・・・・・超微細線維 20・・・・・・・・・・・・新たに形成せしめた線維化コラーゲン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AA02 AB11 AB13 AB15 AB16 AB17 AB18 AB21 AC02 AC03 BA11 BA12 BA16 BA17 BB08 CA172 CA202 CC01 CC04 CC05 CD082 CD121 CD122 CD141 CD152 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 DA15 DB01 DC03 DC12 DC13 EA02 EA03 EA06 EA14

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コラーゲンの超微細線維を基本単位とす
    るコラーゲン線維の不織布状多元構造体のマトリックス
    中に、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得
    る物質を充填して又は介在させてなるコラーゲン材。
  2. 【請求項2】 前記のマトリックス中に充填してなる、
    生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質
    が、前記のマトリックス中に導入した抽出コラーゲンの
    塩酸溶液から凍結と凍結乾燥操作によって新たに線維化
    させたコラーゲンの超微細線維を含むコラーゲン線維で
    ある請求項1に記載のコラーゲン材。
  3. 【請求項3】 前記のマトリックス中に介在させてな
    る、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る
    物質が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と
    乳酸の共重合体、ポリジオキサノン、グリコール酸とト
    リメチレンカーボネートの共重合体、又はポリグリコー
    ル酸とポリ乳酸の混合物の群から選択されるものであ
    り、メッシュ状のシートもしくは筒状体又は不織布状の
    シートもしくは筒状体として用いられるものである請求
    項1に記載のコラーゲン材。
  4. 【請求項4】 前記のコラーゲン線維の不織布状多元構
    造体が、その直径が20〜50μm のコラーゲンの板状
    線維がランダムに絡み合ったものからなり、該板状線維
    が、その直径が5〜8μm のコラーゲンの線維が同軸方
    向に重なり合ったものからなり、該線維が、その直径が
    1〜3μm のコラーゲンの細線維のバンドル列が縦横互
    い違いに積層されたものからなり、該細線維が、その直
    径が30〜70nmのコラーゲンの微細線維がバンドルと
    なったものからなり、該微細線維が、コラーゲンの分子
    数個からなるその直径が3〜7nmのコラーゲンの超微細
    線維がバンドルとなったものからなるものである請求項
    2又は3に記載のコラーゲン材。
  5. 【請求項5】 生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸
    収され得る物質の不織布状のマトリックス中に、生体適
    合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質を充填
    してなるコラーゲン材。
  6. 【請求項6】 前記の不織布状のマトリックスを構成す
    る、生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る
    物質が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と
    乳酸の共重合体、ポリジオキサノン、グリコール酸とト
    リメチレンカーボネートの共重合体、又はポリグリコー
    ル酸とポリ乳酸の混合物の群から選択されるものである
    請求項5に記載のコラーゲン材。
  7. 【請求項7】 前記のマトリックス中に充填してなる、
    生体適合性を有し、且つ生体内で分解吸収され得る物質
    が、前記のマトリックス中に導入した抽出コラーゲンの
    塩酸溶液を風乾せしめたアモルファスコラーゲン、又は
    該抽出コラーゲンの塩酸溶液から凍結と凍結乾燥操作に
    よって繊維化させたコラーゲンの微細線維を含むコラー
    ゲン線維である請求項5に記載のコラーゲン材。
  8. 【請求項8】 前記のコラーゲン線維が、その直径が2
    0〜50μm のコラーゲンの板状線維がランダムに絡み
    合ったものからなり、該板状線維が、その直径が5〜8
    μm のコラーゲンの線維が同軸方向に重なり合ったもの
    からなり、該線維が、その直径が1〜3μm のコラーゲ
    ンの細線維のバンドル列が縦横互い違いに積層されたも
    のからなり、該細線維が、その直径が30〜70nmのコ
    ラーゲンの微細線維がバンドルとなったものからなり、
    該微細線維が、コラーゲンの分子数個からなるその直径
    が3〜7nmのコラーゲンの超微細線維がバンドルとなっ
    たものからなるものである請求項7に記載のコラーゲン
    材。
  9. 【請求項9】 乾燥状態で少なくとも30N の一点支持
    張力と少なくとも65N の耐破断張力を、湿潤状態で少
    なくとも1.4N の一点支持張力と、少なくとも6.5
    N の耐破断張力(厚さ1mmの場合)を有する請求項2又
    は4に記載のコラーゲン材。
  10. 【請求項10】 乾燥状態で少なくとも10N の一点支
    持張力と少なくとも25N の耐破断張力を、湿潤状態で
    少なくとも5N の一点支持張力と、少なくとも15N の
    耐破断張力(厚さ1mmの場合)を有する請求項3、4又
    は6乃至8のいずれか1に記載のコラーゲン材。
  11. 【請求項11】 少なくとも下記のステップを記載の順
    に行うコラーゲン材の製造方法: a.抽出コラーゲンの塩酸溶液を所望の厚みにキャステ
    ィングしてコラーゲン溶液層を形成する; b.該コラーゲン溶液層を一旦凍結し、所望時間その状
    態を保持し、次いで凍結乾燥する; c.該凍結乾燥されたものに、所定の時間、熱脱水架橋
    を施す; d.該熱脱水架橋を施されたもののマトリックス中に該
    抽出コラーゲンの塩酸溶液を導入する; e.該抽出コラーゲンの溶液を導入されたものを一旦凍
    結し、所望時間その状態を保持し、次いで凍結乾燥す
    る; g.該凍結乾燥されたものを圧縮する;そして i.該圧縮されたものに、所定の時間、熱脱水架橋を施
    す。
  12. 【請求項12】 前記のステップeとステップgの間で
    下記のステップを順に行う、請求項11に記載の方法。 f1.該凍結乾燥されたもののマトリックス中に該抽出
    コラーゲンの塩酸溶液を再度、導入する; f2.該抽出コラーゲンの溶液を導入されたものを一旦
    凍結し、所望時間その状態を保持し、次いで凍結乾燥す
    る。
  13. 【請求項13】 前記のステップgとステップiの間で
    下記のステップを行う、請求項11又は12に記載の方
    法。 h1.該圧縮されたものの表面の所定部位に、コラーゲ
    ン溶液層を形成する。
  14. 【請求項14】 前記のステップh1とステップiの間
    で下記のステップを行う、請求項13に記載の方法。 h2.該コラーゲン溶液層を圧縮する。
  15. 【請求項15】 前記のステップb、e及びf2におけ
    る凍結操作時の凍結保持時間が6〜48時間である請求
    項11乃至14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記のステップd及びf1における抽
    出コラーゲンの塩酸溶液のコラーゲン濃度が0.5%以
    下である請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記のステップh1におけるコラーゲ
    ン溶液層を形成するための抽出コラーゲンの塩酸溶液の
    コラーゲン濃度が2.0%以下である請求項13又は1
    4に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記のステップaにおいて、抽出コラ
    ーゲンの塩酸溶液のキャスティングを2回に分けて行
    い、両キャスティング操作の間で、ポリグリコール酸、
    ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、ポリジオキ
    サノン、グリコール酸とトリメチレンカーボネートの共
    重合体、又はポリグリコール酸とポリ乳酸の混合物の群
    から選択される材料からなるメッシュ状のシート又は筒
    状体を介在させると共に、前記のステップcに次いで前
    記のステップgを行い、更に前記ステップiを行わな
    い、請求項11又は15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記のステップgの後で下記のステッ
    プを更に行う請求項18に記載の方法。 h3.該圧縮されたものの少なくとも一方の面にコラー
    ゲン溶液層又はゼラチン溶液層を形成する; h4.該コラーゲン溶液層又はゼラチン溶液層を形成さ
    れたものに、熱脱水架橋を施す。
  20. 【請求項20】 前記のコラーゲン溶液層を形成するた
    めの抽出コラーゲンの塩酸溶液のコラーゲン濃度が2%
    以下である請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記のゼラチン溶液層を形成するため
    のゼラチン水溶液のゼラチン濃度が5〜25%である請
    求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも下記のステップを記載の順
    に行うコラーゲン材の製造方法: j.ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコール酸と乳酸
    の共重合体、ポリジオキサノン、グリコール酸とトリメ
    チレンカーボネートの共重合体、又はポリグリコール酸
    とポリ乳酸の混合物の群から選択される材料からなる不
    織布状のシート又は筒状体のマトリックス中に抽出コラ
    ーゲンの塩酸溶液を導入した後、風乾する; l.該抽出コラーゲンの塩酸溶液が導入・風乾されたも
    のの少なくとも一方の面にコラーゲン溶液層を形成す
    る; o.該コラーゲン溶液層の上にゼラチン溶液層を形成す
    る;そして p.該ゼラチン溶液層が形成されたものに、所定の時
    間、熱脱水架橋を施す。
  23. 【請求項23】 前記のステップjとステップlの間で
    下記のステップkを、前記のステップlとステップoの
    間で下記のステップmを、それぞれ行う請求項22に記
    載の方法: k.該抽出コラーゲンを導入されたものを一旦凍結し、
    所望時間その状態を保持し、次いで凍結乾燥する;及び m1.該コラーゲン溶液層が形成されたものを一旦凍結
    し、所望時間その状態を保持し、次いで凍結乾燥する;
    そして m2.該凍結乾燥されたものを圧縮する。
  24. 【請求項24】 前記のステップlとステップoの間、
    又は前記のステップm2とステップoの間で下記のステ
    ップnを行う請求項22又は23に記載の方法: n.該コラーゲン溶液層が形成されたもの、又は該凍結
    乾燥されたものに所定の時間、熱脱水架橋を施す。
  25. 【請求項25】 前記のステップj及びlにおける抽出
    コラーゲンの塩酸溶液のコラーゲン濃度が2.0%以下
    である請求項22乃至24のいずれか1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記のステップoにおけるゼラチン水
    溶液のゼラチン濃度が5〜25%である請求項22乃至
    24のいずれか1に記載の方法。
  27. 【請求項27】 製造されたコラーゲン材が、乾燥状態
    で少なくとも30Nの一点支持張力と少なくとも65N
    の耐破断張力を、湿潤状態で少なくとも1.4N の一点
    支持張力と、少なくとも6.5N の耐破断張力(厚さ1
    mmの場合)を有する請求項11乃至17のいずれか1に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 製造されたコラーゲン材が、乾燥状態
    で少なくとも10Nの一点支持張力と少なくとも25N
    の耐破断張力を、湿潤状態で少なくとも5Nの一点支持
    張力と、少なくとも25N の耐破断張力(厚さ1mmの場
    合)を有する請求項18乃至26のいずれか1に記載の
    方法。
JP20140598A 1998-03-06 1998-07-16 コラーゲン材及びその製法 Expired - Fee Related JP4968976B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20140598A JP4968976B2 (ja) 1998-03-06 1998-07-16 コラーゲン材及びその製法
EP99923930A EP1098024A4 (en) 1998-06-11 1999-06-07 COLLAGEN MATERIAL AND MANUFACTURING METHOD
CA002334664A CA2334664A1 (en) 1998-06-11 1999-06-07 Collagen material and its production process
PCT/JP1999/003019 WO1999064655A1 (fr) 1998-06-11 1999-06-07 Materiau collagenique et procede de production
KR1020007013982A KR20010052714A (ko) 1998-06-11 1999-06-07 콜라겐재 및 그의 제조 방법
CN99807217A CN1105795C (zh) 1998-06-11 1999-06-07 胶原材料及其制造方法
US09/719,316 US7084082B1 (en) 1998-06-11 1999-06-07 Collagen material and its production process
TW88109458A TWI229113B (en) 1998-06-11 1999-06-08 Collagen material and its production process
CN03102533A CN1440818A (zh) 1998-06-11 2003-02-09 胶原材料及其制造方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5478298 1998-03-06
JP10-54782 1998-03-06
JP1998054782 1998-03-06
JP10-163674 1998-06-11
JP1998163674 1998-06-11
JP16367498 1998-06-11
JP20140598A JP4968976B2 (ja) 1998-03-06 1998-07-16 コラーゲン材及びその製法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009227351A Division JP2010029684A (ja) 1998-03-06 2009-09-30 コラーゲン材及びその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000060956A true JP2000060956A (ja) 2000-02-29
JP4968976B2 JP4968976B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=27295406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20140598A Expired - Fee Related JP4968976B2 (ja) 1998-03-06 1998-07-16 コラーゲン材及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4968976B2 (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003024496A1 (en) * 2001-09-05 2003-03-27 Hans Biomed Corporation A process for preparing a biomaterial for tissue repair
JP2003126236A (ja) * 2001-10-18 2003-05-07 Korea Inst Of Science & Technology 損傷された眼球組織の再生のための生分解性高分子から製造された多孔性支持体
JP2003235955A (ja) * 2001-12-13 2003-08-26 Nipro Corp 癒着防止膜
JP2004209228A (ja) * 2002-12-16 2004-07-29 Gunze Ltd 医療用フィルム
JP2004523484A (ja) * 2000-11-17 2004-08-05 ヴァージニア コモンウェルス ユニバーシティ インテレクチュアル プロパティー ファンデーション 電気処理されたコラーゲン
JPWO2003028782A1 (ja) * 2001-09-27 2005-01-13 田畑 泰彦 生体組織再生用複合材料
JP2005349025A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Tohoku Univ 生体親和性金属ステント及び管腔系内臓再生医療用スキャフォールド
JP2007508900A (ja) * 2003-10-21 2007-04-12 クック・インコーポレイテッド 自然組織ステント
WO2009072552A1 (ja) * 2007-12-07 2009-06-11 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha 神経再生誘導管の製造方法
JP2009538700A (ja) * 2006-05-31 2009-11-12 アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド 遅発型炎症反応の確率を低減する植込型医療装置の製作方法
US7718556B2 (en) 2002-12-16 2010-05-18 Gunze Limited Medical film
JP4572996B2 (ja) * 2009-02-02 2010-11-04 東洋紡績株式会社 神経再生誘導管
US8703627B2 (en) 2001-06-15 2014-04-22 Gunze Limited Antiadhesive material
JP2016158765A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 グンゼ株式会社 医療用多層筒状体
JP2017524480A (ja) * 2014-08-11 2017-08-31 ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド 陰圧閉鎖療法と一緒に使用するための、プロテアーゼ調節創傷インターフェース層
JP2018504206A (ja) * 2015-01-21 2018-02-15 ライフセル コーポレーションLifeCell Corporation 制御された多孔性または機械的特性を有する組織マトリックス
JP2018521234A (ja) * 2015-06-29 2018-08-02 モダン メドウ,インコーポレイテッド 布帛及び培養細胞からの布帛の製造方法
CN112755251A (zh) * 2021-01-21 2021-05-07 中怡(深圳)医疗科技集团有限公司 一种基于冷冻铸造技术的仿生生物关节及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354429A (ja) * 2000-04-08 2001-12-25 Carl Zeiss:Fa 清掃容易ガラスセラミック体
JP2004193050A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Nippon Electric Glass Co Ltd 調理器用トッププレート
JP2005170034A (ja) * 2003-09-13 2005-06-30 Schott Ag 本体のための透明保護層

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354429A (ja) * 2000-04-08 2001-12-25 Carl Zeiss:Fa 清掃容易ガラスセラミック体
JP2004193050A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Nippon Electric Glass Co Ltd 調理器用トッププレート
JP2005170034A (ja) * 2003-09-13 2005-06-30 Schott Ag 本体のための透明保護層

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523484A (ja) * 2000-11-17 2004-08-05 ヴァージニア コモンウェルス ユニバーシティ インテレクチュアル プロパティー ファンデーション 電気処理されたコラーゲン
US8703627B2 (en) 2001-06-15 2014-04-22 Gunze Limited Antiadhesive material
WO2003024496A1 (en) * 2001-09-05 2003-03-27 Hans Biomed Corporation A process for preparing a biomaterial for tissue repair
JPWO2003028782A1 (ja) * 2001-09-27 2005-01-13 田畑 泰彦 生体組織再生用複合材料
JP2003126236A (ja) * 2001-10-18 2003-05-07 Korea Inst Of Science & Technology 損傷された眼球組織の再生のための生分解性高分子から製造された多孔性支持体
JP2003235955A (ja) * 2001-12-13 2003-08-26 Nipro Corp 癒着防止膜
JP4595279B2 (ja) * 2001-12-13 2010-12-08 ニプロ株式会社 癒着防止膜
JP4554916B2 (ja) * 2002-12-16 2010-09-29 グンゼ株式会社 医療用フィルム
JP2004209228A (ja) * 2002-12-16 2004-07-29 Gunze Ltd 医療用フィルム
US7718556B2 (en) 2002-12-16 2010-05-18 Gunze Limited Medical film
JP2007508900A (ja) * 2003-10-21 2007-04-12 クック・インコーポレイテッド 自然組織ステント
JP4658065B2 (ja) * 2003-10-21 2011-03-23 クック インコーポレイテッド 自然組織ステント
JP2005349025A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Tohoku Univ 生体親和性金属ステント及び管腔系内臓再生医療用スキャフォールド
JP2009538700A (ja) * 2006-05-31 2009-11-12 アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド 遅発型炎症反応の確率を低減する植込型医療装置の製作方法
WO2009072552A1 (ja) * 2007-12-07 2009-06-11 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha 神経再生誘導管の製造方法
JP4596335B2 (ja) * 2007-12-07 2010-12-08 東洋紡績株式会社 神経再生誘導管の製造方法
JP2009136575A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Toyobo Co Ltd 神経再生誘導管の製造方法
US8632844B2 (en) 2007-12-07 2014-01-21 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Method for the manufacture of nerve regeneration-inducing tube
US9687592B2 (en) 2007-12-07 2017-06-27 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Method for the manufacture of nerve regeneration-inducing tube
JPWO2010087015A1 (ja) * 2009-02-02 2012-07-26 東洋紡績株式会社 神経再生誘導管
JP4572996B2 (ja) * 2009-02-02 2010-11-04 東洋紡績株式会社 神経再生誘導管
JP2017524480A (ja) * 2014-08-11 2017-08-31 ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド 陰圧閉鎖療法と一緒に使用するための、プロテアーゼ調節創傷インターフェース層
JP2018504206A (ja) * 2015-01-21 2018-02-15 ライフセル コーポレーションLifeCell Corporation 制御された多孔性または機械的特性を有する組織マトリックス
JP2016158765A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 グンゼ株式会社 医療用多層筒状体
JP2018521234A (ja) * 2015-06-29 2018-08-02 モダン メドウ,インコーポレイテッド 布帛及び培養細胞からの布帛の製造方法
CN112755251A (zh) * 2021-01-21 2021-05-07 中怡(深圳)医疗科技集团有限公司 一种基于冷冻铸造技术的仿生生物关节及其制备方法
CN112755251B (zh) * 2021-01-21 2022-05-20 中怡(深圳)医疗科技集团有限公司 一种基于冷冻铸造技术的仿生生物关节及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4968976B2 (ja) 2012-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4251665B2 (ja) コラーゲン材及びその製法
US7084082B1 (en) Collagen material and its production process
EP1022031B1 (en) Suturable adhesion-preventing membrane
EP1319415B1 (en) Adhesion preventive membrane, method of producing a collagen single strand, collagen nonwoven fabric and method and apparatus for producing the same
JP2000060956A (ja) コラーゲン材及びその製法
JP3463596B2 (ja) 縫合可能な癒着防止膜
WO2000061045A1 (en) Oriented biopolymeric membrane
IL90714A (en) Product for use in surgery
US11622892B2 (en) Methods of making bioactive collagen wound care dressings
US9796769B2 (en) Methods of making bioactive collagen medical scaffolds such as for wound care dressings, hernia repair prosthetics, and surgical incision closure members
JP3536295B2 (ja) 縫合可能な組織再生誘導型癒着防止膜
JP3726280B2 (ja) 医療用コラーゲン膜
JPH06292716A (ja) 医用材料
WO1998022156A1 (fr) Oesophage artificiel
AU2004255202A1 (en) Oriented biopolymeric membrane for meningeal tissue repair
JP4345296B2 (ja) 癒着防止膜
JP4595279B2 (ja) 癒着防止膜
JP2010029684A (ja) コラーゲン材及びその製法
CN108514658A (zh) 一种仿生管状材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090529

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091001

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20091028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120403

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees