JP2017149814A - 表面加工コラーゲン成形体 - Google Patents
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〔1〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部が凹形状及び/又は凸形状を有し、かつ上記成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子である表面加工コラーゲン成形体。
〔2〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、少なくとも一部が転写部材と接触した状態で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部に上記転写部材の形状が転写又は反映された被転写部を有しており、上記被転写部に凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体。
〔3〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部に、凹形状及び/又は凸形状に変形した表面形状を有する表面加工コラーゲン成形体。
〔4〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜から選択されるコラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する工程を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状に変形加工された表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
〔5〕転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、上記線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する第二工程とを含む、表面が凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
〔6〕上記架橋処理中は、上記転写部材と接触している部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通又は浸潤しており、上記転写部材と接触していない部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通している状態とする、上記〔4〕又は〔5〕に記載の表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
本発明に係る表面加工コラーゲン成形体(以下「本成形体」とも称する)は、例えば、次の3つの態様で表すことができるものである。なお、いずれの態様においても、本成形体は、切削等の加工手段によることなく、凹形状及び/又は凸形状を有している。そのため、本成形体の当該形状を有する部分は、それ以外の部分と同様の平滑性が保たれている。
本発明の目的が達成される限り、本成形体の表面全体がパターン形状を有していてもよく、表面の一部がパターン形状を有していてもよい。例えば、本成形体の外形が平膜状の場合、その上面、下面及び側面のうちから選択されるいずれか又は全ての表面がパターン形状を有していてもよい。また、その上面、下面及び側面から選択されたいずれかの面において、その面全体がパターン形状を有していてもよく、その面の一部の領域がパターン形状を有していてもよい。以下、パターン形状が形成された領域を「パターン領域」と称する場合がある。一つの面の異なる領域に、複数のパターン領域が形成されてもよい。
本成形体は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋されたものである。以下、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜を、「コラーゲン基材」とも称する。また、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射による架橋を、「照射架橋」とも称する。
本発明の目的が阻害されない限り、使用目的に応じて、本成形体に、その他構成要素として各種添加剤が配合されてもよい。その他構成要素の例として、フィブリン、トロンビン、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸等が挙げられる。
本成形体において、用いられるコラーゲンの種類は特に限定されないが、生体内での存在量が多いI型コラーゲンが好ましく、抗原決定基であるテロペプタイドが除去されたアテロコラーゲンがより好ましい。また、通常、哺乳類、魚介類、鳥類、爬虫類等の生物原料由来のコラーゲンが使用されうるが、ヒトと共通のウイルスを有しない魚介類由来のコラーゲンが好適に用いられる。
第1態様の特徴的部分は、本成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子であることにある。即ち、表面の少なくとも一部にパターン形状を有する本成形体が、切削等の加工手段による損傷を受けていないコラーゲンを主要構成要素として構成されていることを意味する。
第2態様の特徴的部分は、転写部材と接触した状態で架橋されることにより、転写部材の形状が転写又は反映されたパターン形状を有する被転写部が、本成形体の表面の少なくとも一部に存在することである。当該パターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、転写部材の形状が完全に反転された形状だけでなく、その相似形状であってもよい。また、コラーゲン基材の表面が転写部材によって変形された形状であってもよい。変形の一例として、コラーゲン基材として弾力性を有したものを用いたときに、直方体状の突起を有した転写部材によって形成された略ドーム型の窪み形状(凹形状)が挙げられる。
第3態様の特徴的部分は、本成形体の表面の少なくとも一部が、所定のパターン形状に変形していることである。つまり、このパターン形状は、本成形体の表面の「変形」によるものであり、切削等の加工手段によるものではない。本態様には、第2態様で挙げた「変形の一例」も含まれる。
本発明に係る表面加工コラーゲン成形体の製造方法として、次の第1製法と第2製法を例示することができる。なお、本発明の目的が達成される限り、第1製法及び第2製法において、更に他の工程を含んでもよい。
コラーゲン基材としては未架橋のものを用いる。本発明の目的が阻害されない限り、コラーゲン基材が、少量の架橋コラーゲンを含んでもよい。以下、「未架橋の」と特に限定しなくても、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜は、架橋されていないものを指すこととする。
転写部材は、本成形体にパターン形状を形成することができる部材である。当該機能を有している限り、転写部材の種類、形状等は特に限定されることはなく、使用目的に応じて適切な転写部材を選択することが望ましい。ここで、転写部材のうち、本成形体のパターン形状の形成に寄与する部分を転写部と称する。
水性溶媒は、例えば、水、緩衝液、酸性溶液等が挙げられ、これらに有機溶媒を添加した混合溶媒でもよい。コラーゲン基材の種類と照射架橋の方法に応じて適宜使い分けることが好ましい。このような使い分けの具体例について、以下に説明する。
架橋処理方法は、照射架橋法である。γ線照射、電子線照射、UV照射及びプラズマ照射のうち2種以上を組み合わせてもよい。好適な照射架橋法は、透過力が高く、均一に架橋させることができるγ線照射による架橋法である。特に、γ線照射による架橋処理では、照射線量を適宜設定することによって、高強度の表面加工コラーゲン成形体を得ることもできる。γ線照射では、線量率が固定の線源を用い、照射時間等の条件を適宜設定することにより、所定の照射線量を簡便に得ることができる。例えば、コバルト60線源を用いる場合、照射線量5〜75kGyで架橋処理を行うことができる。照射線量として、好ましくは5〜50kGyであり、より好ましくは10〜50kGyであり、さらに好ましくは15〜30kGyである。照射時間は、コラーゲン基材の量や大きさに応じて架橋反応が十分に進行するように設定することが好ましい。さらに、照射条件を適宜設定すれば架橋処理と同時に滅菌処理を行うことができる。そのため、架橋処理中及び架橋処理後の密封状態を保つようにすることで、滅菌済み製品として、そのまま市場に流通させることも可能である。
第1製法及び第2製法において、作用機序については定かではないが、水性溶媒の存在下で照射架橋をおこなうことによって、照射(γ線等)により発生した水のラジカルがコラーゲンの未架橋部分に作用し、これによって架橋反応を開始又は進行させると推測される。これにより、細胞培養環境や生体内環境で使用された場合にも、分解し難いという特性を付与することができると考えられる。特に好適な一形態は、照射架橋処理中に、転写部材と接触している部分のコラーゲン基材には水性溶媒が流通又は浸潤しており、転写部材と接触していない部分のコラーゲン基材には水性溶媒が流通している状態とすることである。即ち、転写部材と接触していない部分は当然のことながら、たとえ転写部材と接触している部分のコラーゲン基材であっても、水性溶媒の流動性が少なからず確保されている状態とする。これによって、水性溶媒の流動とともに、新たに発生した水のラジカルが順次コラーゲンの未架橋部分に作用して架橋反応を進行させてより強い架橋とすることも可能になると考えられる。尚、上記水性溶媒の流通又は浸潤においては、たとえ撹拌等による外力が作用しなくても、水分子のレベルでコラーゲン基材の内部から外部へ、またその逆方向への動きが確保されている状態であればよいと考えられる。
第1製法では、水性溶媒の存在下、コラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で照射架橋する。転写部材による押圧の程度は特に限定されないが、コラーゲン基材の表面を所定の形状に加工できる程度の押圧力とすることが好ましい。好適な一形態は、押圧部分だけが変形し、それ以外の部分は大きく変形しない程度の圧力とすることである。
第2製法は、転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、転写部材と接触した状態の線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下で照射架橋する第二工程とを含むものである。
第1製法及び第2製法の各最終工程に引き続き、架橋処理物を脱溶媒することにより乾燥させる乾燥工程を更に含んでもよい。乾燥の程度は、用途に応じて適宜設定すればよい。乾燥方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定されることはない。本成形体の主要構成要素が非線維化コラーゲンである場合、コラーゲンの線維化が生じない乾燥方法及び乾燥条件とすることが好ましい。
前述したその他構成要素を本成形体に配合する場合は、その他構成要素の種類、目的とする用途等に応じて、その他構成要素の配合タイミングを適切に選択することが好ましい。配合タイミングとして、例えば、架橋処理前、架橋処理後等が挙げられる。
本成形体は、細胞培養基材、再生医療用足場材料、移植用材料、創傷被覆用材料、癒着防止用材料等への適用が可能である。
(可溶化コラーゲン溶液の調製)
ティラピアの鱗から製造された多木化学(株)製「セルキャンパス FD-08G」(凍結乾燥品)をpH3のHCl溶液に溶解した後、コラーゲン濃度1.1%、pH3に調整して、無色透明の可溶化コラーゲン溶液を得た。
可溶化コラーゲン溶液の9容量部と、10倍濃度のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)の1容量部とを混合し、この混合液0.79mlをシリコーン製成形器(直径20mm、高さ2.5mm)に注入した。水分の蒸発を防ぐために、成形器の上面をスライドグラスで覆い、25℃で12時間保持して線維化コラーゲンゲルを得た。当該線維化コラーゲンゲルを、エタノール/水混合液(容量比50/50)に浸漬した。続いて、容量比70/30、90/10、100/0のエタノール/水混合液に順次浸漬して、この線維化コラーゲンゲルを脱塩した。その後、成形器から取り出した線維化コラーゲンゲルの上下面をポリスチレン板で覆い、側面のみから脱溶媒することにより乾燥させて膜状の線維化コラーゲン成形体(以下、「線維化コラーゲン膜」と称する)を得た。
転写部材としてポリウレタンスポンジを使用した。上記線維化コラーゲン膜の上面及び下面をあらかじめD-PBSに浸漬した2枚のポリウレタンスポンジで挟んで押圧し、クリップで固定して押圧状態を保持した。その後、D-PBS中に投入して、25kGyのγ線を照射することにより、実施例1の表面加工コラーゲン成形体を得た。得られた表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
実施例1の表面加工コラーゲン成形体の上面及び下面を、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製「JSM-6010LA」)で観察した。その結果、この成形体の上面及び下面に、ポリウレタンスポンジの表面形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した(図1B、倍率50倍)。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。尚、図1Aは、転写部材として用いたポリウレタンスポンジ表面の走査型電子顕微鏡像(倍率50倍)である。
実施例1の表面加工コラーゲン成形体を、6wellプレートに配し、D-PBS 5ml中に37℃で5日間浸漬した。5日後、上澄みのみをサンプリングし、80℃で1日間乾燥した後、溶解重量を測定し、溶解率を求めた。その結果、溶解率は3%であった。
転写部材として、2枚のポリウレタンスポンジに替えて2枚のナイロンスポンジを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
2枚のポリウレタンスポンジに替えて各1枚のポリエチレンシート及びナイロンメッシュ(目開き:300μm、繊維径:100〜150μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の表面加工コラーゲン成形体を得た。実施例3における転写部材は、ナイロンメッシュである。実施例3で得られた表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
実施例4では、転写部材として、表面に凹凸構造のパターンが形成され、水性溶媒を通水しないウレタンプレートと、実施例1で前述したポリウレタンスポンジとを使用した。実施例1と同様にして得られた線維化コラーゲン膜を、各1枚のウレタンプレート及びポリウレタンスポンジで挟んで押圧した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
実施例5では、転写部材として、その底面に凹凸構造のパターンが形成されたシリコーン製容器と、実施例1で前述したポリウレタンスポンジとを使用した。実施例1と同様の方法で調製した可溶化コラーゲン溶液の9容量部と、10倍濃度のD-PBSの1容量部とを混合した。この混合液0.79mlを、転写部材であるシリコーン製容器(直径20mm、高さ2.5mm)に注入した。水分の蒸発を防ぐために、この容器の上面をスライドグラスで覆い、25℃で12時間保持して線維化コラーゲンゲルを得た。当該線維化コラーゲンゲルをシリコーン製容器に入れたまま、このゲルの上面にポリウレタンスポンジを押し当てた状態でD-PBS中に投入し、D-PBS中に浮いている状態で、25kGyのγ線を照射した。γ線の照射終了後、シリコーン製容器から取り出すことにより、実施例5の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体は、架橋された線維化コラーゲンが水性溶媒で膨潤したハイドロゲルである。
実施例1と同様の方法で調製した可溶化コラーゲン溶液の9容量部と、10倍濃度のD-PBSの1容量部とを混合し、この混合液0.79mlをシリコーン製成形器(直径20mm、高さ2.5mm)に注入した。次に、実施例3で前述したナイロンメッシュを転写部材として、可溶化コラーゲン溶液の上面に載置した。さらに、水分の蒸発を防ぐために、成形器の上面をスライドグラスで覆い、25℃で12時間保持して、ナイロンメッシュが載置された線維化コラーゲンゲルを得た。得られた線維化コラーゲンゲルをシリコーン製成形器に入れたまま、ナイロンメッシュを載置した状態で、D-PBS中に投入して25kGyのγ線を照射した。γ線の照射終了後に載置されたナイロンメッシュを除去して、成形器から取り出すことにより、実施例6の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体は、架橋された線維化コラーゲンが水性溶媒で膨潤したハイドロゲルである。
比較例1では、いかなる転写部材も使用しなかった。具体的には、実施例1と同様にして得られた線維化コラーゲン膜の上面及び下面に、ポリウレタンスポンジを接触させることなく架橋処理をおこなった以外は実施例1と同様にして、比較例1のコラーゲン成形体を得た。比較例1のコラーゲン成形体の上下面の走査型電子顕微鏡像(図5、倍率50倍)によれば、その表面に殆ど凹凸は確認出来なかった。
線維化コラーゲン膜の上面及び下面を、乾燥状態のポリウレタンスポンジ2枚で挟んで押圧し、クリップで固定した後、D-PBS中に投入せずに、25kGyのγ線を照射した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のコラーゲン成形体を得た。比較例2の成形体は、37℃で5日間、D-PBSに浸漬している間に崩壊した。
特開2015−213676号公報に記載の実施例1に従って、多孔質状のコラーゲン成形体を作製した。先ず、実施例1と同様の方法で調製した可溶化コラーゲン溶液の9容量部に対し、重炭酸ナトリウム水溶液1容量部を、重炭酸ナトリウム/可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン(モル比)=1.5×103となるように添加して、線維化コラーゲンを析出させ線維化コラーゲンゲルを得た。次に、当該線維化コラーゲンゲルを12wellプレートに2mlずつ分注した後、-35℃・3時間で凍結乾燥して、線維化コラーゲンで構成された多孔体を得た。次いで、この多孔体を0.05mol/Lの重炭酸ナトリウム水溶液中に浸漬した状態で25kGyのγ線照射を行うことによって、比較例3の多孔質コラーゲン成形体を得た。比較例3の多孔質コラーゲン成形体の表面には凹凸は殆ど確認出来なかった。図6に、比較例3の多孔質コラーゲン成形体の表面状態を示す走査型電子顕微鏡像(倍率100倍)を示した。特開2015−213676号公報に記載の方法で平均孔径を求めたところ、多孔質コラーゲン成形体の平均孔径は95.5μmであった 。
Claims (6)
- 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、
上記成形体の表面の少なくとも一部が凹形状及び/又は凸形状を有し、
かつ上記成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子である表面加工コラーゲン成形体。 - 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、少なくとも一部が転写部材と接触した状態で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、
上記成形体の表面の少なくとも一部に上記転写部材の形状が転写又は反映された被転写部を有しており、
上記被転写部に凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体。 - 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、
上記成形体の表面の少なくとも一部に、凹形状及び/又は凸形状に変形した表面形状を有する表面加工コラーゲン成形体。 - 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜から選択されるコラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する工程
を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状に変形加工された表面加工コラーゲン成形体の製造方法。 - 転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、
上記線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する第二工程と
を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体の製造方法。 - 上記架橋処理する工程における架橋処理中は、上記転写部材と接触している部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通又は浸潤しており、上記転写部材と接触していない部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通している状態とする、
請求項4又は5に記載の表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
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