JP2017149814A - 表面加工コラーゲン成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工による損傷が少ない表面加工コラーゲン成形体の提供。【解決手段】この表面加工コラーゲン成形体は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体である。この成形体の少なくとも一部は凹形状及び/又は凸形状を有しており、かつこの成形体の主要構成要素は、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子である。この成形体の製造方法は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜から選択されるコラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、表面加工コラーゲン成形体に関する。詳細には、その表面が凹形状及び/又は凸形状に加工された表面加工コラーゲン成形体に関する。
コラーゲンは、生体内のタンパク質の30%を占め、骨格支持及び細胞接着等の機能を有する重要なタンパク質であり、例えば、骨・軟骨、靭帯・腱、角膜実質、皮膚、肝臓、筋肉等の組織は、コラーゲン線維からできている。生体内におけるコラーゲン線維は、3重螺旋構造のコラーゲン分子が略規則的に配向した会合体である。
従来、生体組織から取得したコラーゲンを用いて、細胞培養基材、再生医療用の足場材料(例えば、軟骨・骨・脊椎・髄核・靭帯・角膜実質・皮膚・血管・神経・肝臓組織の再生材料)、移植用材料、創傷被覆用材料、骨補填剤、止血用材料、癒着防止用材料、薬物送達担体等の用途に適合させるために、様々な技術開発が行われてきた。尚、本願明細書において、「コラーゲン」とは、3重螺旋構造を有するコラーゲン分子及びこのコラーゲン分子からなる会合体や集合体を意味する。本願明細書における「コラーゲン」の概念には、3重螺旋構造が解けた熱変性コラーゲン(ゼラチン)及びコラーゲンペプチドは含まれない。
生体組織に含まれるコラーゲンを可溶化して可溶化コラーゲン溶液を得る方法として、酵素で可溶化処理する方法、希酸で抽出処理する方法、アルカリで可溶化処理する方法等が知られている。本願明細書において、特に断らない限り、「可溶化コラーゲン溶液」とは、任意の処理方法によって可溶化されたコラーゲン溶液のことを指すものとする。
可溶化コラーゲン溶液に適当な緩衝液を添加して、可溶化コラーゲン溶液を適度なイオン強度及びpHとすると、コラーゲン分子が配向して、生体内のコラーゲン線維に類似した構造をとることにより、一定の形状を有するコラーゲンゲルが得られる。このコラーゲンゲルは「線維化コラーゲンゲル」と称される。
特許文献1には、線維化コラーゲンゲルを架橋処理して得られるコラーゲン成形体が開示されている。特許文献1のコラーゲン成形体は、線維化コラーゲンゲルの表面全体が水性溶媒によって覆われている状態で、即ち、水性溶媒の存在下で、γ線照射、電子線照射、プラズマ照射又はUV照射により架橋処理されている。
一方、特許文献2には、非荷重下で凸状に形成されたコラーゲンゲルが開示されている。また、特許文献3には、底面に複数の氷粒子を配置した鋳型にブタI型アテロコラーゲン酸性水溶液を注入し、これを凍結してから減圧乾燥することにより氷粒子を除去した後、グルタルアルデヒドで架橋処理することにより、表面に複数の凹部が設けられた多孔質コラーゲン成形体の製造に関する技術が開示されている。
特許第5633880号公報 特開2014−140384号公報 特許第5822266号公報
特許文献1は、表面に凹形状や凸形状が設けられたコラーゲン成形体の開発を想定したものではないため、表面加工に関する技術については何ら開示していない。
特許文献2に開示されたコラーゲンゲルは、培養細胞との接着性向上を目的とした凸形状であるため、その凸形状を長期にわたり保持することについては考慮されていない。従って、コラーゲンの架橋処理に関して何ら言及されていない。
特許文献3に記載の多孔質コラーゲン成形体では、その表面に存在する凹部形状は別として、成形体そのものが多孔質に形成されている。特許文献3に記載された製造方法は、凍結乾燥によりコラーゲン水溶液中の氷結晶を除去する方法であるため、細胞にとっては相当に大きな孔径の孔を有した多孔質の成形体が形成されると考えられる。したがって、このような多孔質コラーゲン成形体を細胞培養基材として用いた場合、細胞が成形体の孔内部に落ち込むため、成形体の表面にとどまるのが困難となる傾向がある。よって、特に、細胞培養基材の表面で組織形成する細胞種にとって、特許文献3に記載の多孔質コラーゲン成形体は、好適な材料とは言い難かった。一説には、孔径が数十μm程度あれば、細胞が孔内部に落ち込むと言われている。
表面加工されたコラーゲン成形体を製造する他の方法として、切削、切断、穿孔等の加工手段が挙げられる。しかし、これらの加工手段によれば、コラーゲンの耐熱性や機械的強度の低さから、その切断面に摩擦や熱による損傷を受ける場合がある。このような損傷を受けたコラーゲン成形体では、表面の平滑性が低下する。例えば、コラーゲン成形体を培養基材として細胞培養試験をおこなう場合、培養基材表面の平滑性が細胞接着性、成長速度等に影響することがある。表面の平滑性が低下した培養基材を用いて細胞を培養すると、適正な試験結果が得られない可能性がある。また、加工時の切削屑の発生や加工時間の長期化等、製造効率上も好ましくない。
本発明の課題は、表面の平滑性が損なわれることなく、その表面が凹形状及び/又は凸形状を有し、かつ細胞培養環境及び生体内環境で使用されても分解し難い非多孔質のコラーゲン成形体及びその効率的な製造方法の提供である。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、転写部材による押圧や接触によって凹形状及び/又は凸形状が付与された未架橋の非多孔質コラーゲン基材に対し、水性溶媒の存在下で照射架橋による架橋処理を施すことによって、転写部材の形状がそのまま転写された表面形状又は転写部材の形状が反映された表面形状を有するコラーゲン成形体が得られることを見出し、係る知見に基づき本発明を完成させたものである。
本発明は、以下のとおりである。
〔1〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部が凹形状及び/又は凸形状を有し、かつ上記成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子である表面加工コラーゲン成形体。
〔2〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、少なくとも一部が転写部材と接触した状態で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部に上記転写部材の形状が転写又は反映された被転写部を有しており、上記被転写部に凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体。
〔3〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部に、凹形状及び/又は凸形状に変形した表面形状を有する表面加工コラーゲン成形体。
〔4〕未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜から選択されるコラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する工程を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状に変形加工された表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
〔5〕転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、上記線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する第二工程とを含む、表面が凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
〔6〕上記架橋処理中は、上記転写部材と接触している部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通又は浸潤しており、上記転写部材と接触していない部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通している状態とする、上記〔4〕又は〔5〕に記載の表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
本発明に係る表面加工コラーゲン成形体は、その表面の少なくとも一部に凹形状及び/又は凸形状を有している。この成形体は、切削等の加工手段により生じうる損傷を受けていないため、上記凹形状及び/又は凸形状の部分においても、それ以外の部分の表面と同様の平滑性が保たれたものである。例えば、この成形体を細胞培養基材として用いる場合、平滑性の低下に起因する細胞接着性等への影響が抑制されうる。さらに、本発明に係る表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された架橋コラーゲンである。この成形体は、生体への悪影響が懸念される架橋剤等の化学物質を含まない。よって、この成形体は、生体親和性及び生体安全性により優れたものと言える。また、架橋コラーゲンを主要構成要素とするこの成形体は、細胞培養環境、生体内環境等においても分解し難いという利点を有する。
また、本発明に係る表面加工コラーゲン成形体の製造方法によれば、簡便な方法で、その表面を損傷することなく、目的とする表面形状に加工することができるという利点を有する。
図1Aは、実施例1に用いた転写部材であるウレタンスポンジ表面の走査型電子顕微鏡像であり、図1Bは、実施例1の表面加工コラーゲン成形体に形成された表面形状を示す走査型電子顕微鏡像である。 図2Aは、実施例2に用いた転写部材であるナイロンスポンジ表面の走査型電子顕微鏡像であり、図2Bは、実施例2の表面加工コラーゲン成形体に形成された表面形状を示す走査型電子顕微鏡像である。 実施例3の表面加工コラーゲン成形体に形成された表面形状を示す走査型電子顕微鏡像である。 実施例6の表面加工コラーゲン成形体に形成された表面形状を示す走査型電子顕微鏡像である。 比較例1のコラーゲン成形体の表面状態を示す走査型電子顕微鏡像である。 比較例3の多孔質コラーゲン成形体の表面状態を示す走査型電子顕微鏡像である。
以下、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明されるが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
〔表面加工コラーゲン成形体〕
本発明に係る表面加工コラーゲン成形体(以下「本成形体」とも称する)は、例えば、次の3つの態様で表すことができるものである。なお、いずれの態様においても、本成形体は、切削等の加工手段によることなく、凹形状及び/又は凸形状を有している。そのため、本成形体の当該形状を有する部分は、それ以外の部分と同様の平滑性が保たれている。
第1態様は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部が凹形状及び/又は凸形状を有し、かつ上記成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子である表面加工コラーゲン成形体である。
第2態様は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、少なくとも一部が転写部材と接触した状態で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部に上記転写部材の形状が転写又は反映された被転写部を有しており、上記被転写部に凹形状及び/又は凸形状を有している表面加工コラーゲン成形体である。
第3態様は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、上記成形体の表面の少なくとも一部が凹形状及び/又は凸形状に変形した表面形状を有する表面加工コラーゲン成形体である。
第1〜3態様に係る本成形体の好適な製造方法として、後掲の第1製法と第2製法を挙げることができる。このうち、第3態様については、特に好適な製法として、第1製法を挙げることができる。以下、本願明細書において、本成形体の表面の凹形状及び/又は凸形状を「パターン形状」と称する場合がある。また、本成形体の表面とは、外表面を意味する。
以下、第1〜3態様に共通な事項である表面形状と架橋処理について説明した後、個々の態様について説明する。
(表面形状)
本発明の目的が達成される限り、本成形体の表面全体がパターン形状を有していてもよく、表面の一部がパターン形状を有していてもよい。例えば、本成形体の外形が平膜状の場合、その上面、下面及び側面のうちから選択されるいずれか又は全ての表面がパターン形状を有していてもよい。また、その上面、下面及び側面から選択されたいずれかの面において、その面全体がパターン形状を有していてもよく、その面の一部の領域がパターン形状を有していてもよい。以下、パターン形状が形成された領域を「パターン領域」と称する場合がある。一つの面の異なる領域に、複数のパターン領域が形成されてもよい。
本成形体の表面全体の面積に対して、全てのパターン領域が占める面積の比率は、この成形体の外形や使用目的により適宜選択することが好ましい。
本成形体におけるパターン形状の個数は、1個であっても複数個であってもよい。複数個のパターン形状を有する場合、それらが規則的なパターンで配列されたものでもよく、不規則なパターンで配列されたものでもよい。例えば、細胞培養基材用途として用いる場合は、培養効率の観点から、複数個のパターン形状が規則的なパターンで配列されることがより好ましい。
本成形体において、パターン形状の種類や大きさは、用途に応じて適宜選択されうる。例えば、パターン形状が凹形状である場合、当該形状は窪みのある形状であれば特に限定されることはなく、平面視形状として、正方形、長方形といった多角形、円、楕円等が例示でき、鉛直方向での断面視形状として、半円、長方形、三角形、台形等が例示できる。また、本成形体の一面を横断する凹形状であっても、また、無数の窪み形状であっても構わない。パターン形状が凸形状である場合、当該形状は突起のある形状であれば特に限定されることはなく、平面視形状については上記凹形状と同様の形状が例示でき、断面視形状については上記凹形状と上下向きを反転させた形状が例示できる。本成形体において、一の面に凹形状と凸形状が併存してもよく、またそれぞれの形状が2種以上で併存してもよい。また、平面視したときの1個のパターン形状の大きさについても特に限定されることはなく、用途に応じて適宜設定することが好ましい。
凹形状の深さ及び凸形状の高さは、目的とする用途に応じて適宜設定されうる。例えば、細胞培養基材として用いる場合、培養細胞に最適の深さ及び高さが選択されるが、敢えて数値範囲で示すと、非パターン領域の面を基準面として、この基準面と凹形状の最深部との差を、10〜1000μmの範囲に設定することが好ましく、この基準面と凸形状の最高部との差を、10〜1000μmの範囲に設定することが好ましい。尚、凹形状の深さ及び凸形状の高さは、例えば、本成形体断面の走査型電子顕微鏡像により求められる。
前述した通り、本発明における凹形状及び凸形状は、あくまでも、非多孔質である本成形体の表面形状である。従って、凹形状の深さ及び凸形状の高さは、非多孔質である本成形体の非パターン領域を基準面として計測されるものであり、例えば、特許文献3及び特開2015−213676号公報に記載された多孔質体の平均孔径とは、本質的に異なる技術事項である。
(架橋)
本成形体は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋されたものである。以下、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜を、「コラーゲン基材」とも称する。また、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射による架橋を、「照射架橋」とも称する。
ここで、本成形体を特定するにあたって、架橋処理の規定を設けた理由を説明する。コラーゲンの架橋法として、物理的架橋法と化学的架橋法が知られている。物理的架橋法の代表例として、照射架橋と熱脱水架橋があり、化学的架橋法の代表例として、水溶性化学架橋剤又は気化能を有する化学架橋剤による架橋がある。以下、架橋法を問わず、架橋されたコラーゲンを「架橋体」と称する。
まず、物理的架橋法について、照射架橋によって得られた架橋体と、熱脱水架橋によって得られた架橋体とは、架橋体同士を見比べても外観的な違いを見出すことは極めて困難であり、また、分析によってもいずれの架橋法によって架橋されたものかを区別することは極めて困難である。
次に、照射架橋によって得られた架橋体と、化学的架橋法によって得られた架橋体とは、架橋体同士を見比べても外観的な違いを見出すことは極めて困難である。化学的架橋法のうち、化学的架橋剤として、例えば、グルタルアルデヒドやポリエポキシ化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)を用いた場合は、化学的架橋剤がコラーゲンと結合して架橋反応が起きるために、化学的架橋剤を検出できれば、両者の判別は可能である。しかし、化学的架橋剤として1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩等のコラーゲンと結合しないタイプのものを用いたときには、架橋体を分析しても化学的架橋剤の痕跡を見出すことはほぼ不可能である。
また、架橋されていないコラーゲン(「未架橋体」と称する)と架橋体との区別も極めて困難である。例えば、分析によって未架橋体と架橋体の違いを見出すことは、特に照射架橋体においては架橋点の多寡の違いしかないため、極めて困難である。未架橋体は架橋体よりも一般に強度的に弱く、水中保存安定性も低い傾向があるが、それら物理的傾向の違いが架橋処理の有無に起因したものであることを立証することも極めて困難である。
以上の区別の困難性から、第1〜3態様において本成形体が照射架橋によって架橋されたものであることを発明特定事項としたのである。
ところで、水性溶媒の存在下で照射架橋された架橋体の一特性は、例えば、特許文献1に記載されているように、細胞培養環境や生体内環境において分解し難いというものである。例えば、この架橋体をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)中に37℃で5日間浸漬した場合の溶解率が10質量%以下であるとき、この架橋体が上記特性を有するといえる。尚、溶解率とは、D-PBS中への架橋体からの溶出成分の質量の、浸漬前の架橋体の質量に対する割合(%)である。溶解率は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPS)によって、D-PBS中の溶出成分の分子量分布を測定する方法、又はD-PBS中の溶出成分の質量を測定する方法によって評価できる。本成形体の溶解率も、10質量%以下である。
(その他構成要素)
本発明の目的が阻害されない限り、使用目的に応じて、本成形体に、その他構成要素として各種添加剤が配合されてもよい。その他構成要素の例として、フィブリン、トロンビン、ゼラチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸等が挙げられる。
(コラーゲン)
本成形体において、用いられるコラーゲンの種類は特に限定されないが、生体内での存在量が多いI型コラーゲンが好ましく、抗原決定基であるテロペプタイドが除去されたアテロコラーゲンがより好ましい。また、通常、哺乳類、魚介類、鳥類、爬虫類等の生物原料由来のコラーゲンが使用されうるが、ヒトと共通のウイルスを有しない魚介類由来のコラーゲンが好適に用いられる。
以下、第1〜3態様における各特徴的部分を説明する。なお、コラーゲン基材、水性溶媒等は、後掲の製造方法において説明する。
(第1態様)
第1態様の特徴的部分は、本成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子であることにある。即ち、表面の少なくとも一部にパターン形状を有する本成形体が、切削等の加工手段による損傷を受けていないコラーゲンを主要構成要素として構成されていることを意味する。
(第2態様)
第2態様の特徴的部分は、転写部材と接触した状態で架橋されることにより、転写部材の形状が転写又は反映されたパターン形状を有する被転写部が、本成形体の表面の少なくとも一部に存在することである。当該パターン形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、転写部材の形状が完全に反転された形状だけでなく、その相似形状であってもよい。また、コラーゲン基材の表面が転写部材によって変形された形状であってもよい。変形の一例として、コラーゲン基材として弾力性を有したものを用いたときに、直方体状の突起を有した転写部材によって形成された略ドーム型の窪み形状(凹形状)が挙げられる。
(第3態様)
第3態様の特徴的部分は、本成形体の表面の少なくとも一部が、所定のパターン形状に変形していることである。つまり、このパターン形状は、本成形体の表面の「変形」によるものであり、切削等の加工手段によるものではない。本態様には、第2態様で挙げた「変形の一例」も含まれる。
〔表面加工コラーゲン成形体の製造方法〕
本発明に係る表面加工コラーゲン成形体の製造方法として、次の第1製法と第2製法を例示することができる。なお、本発明の目的が達成される限り、第1製法及び第2製法において、更に他の工程を含んでもよい。
第1製法は、未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜から選択されるコラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する工程を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状に変形加工された表面加工コラーゲン成形体の製造方法である。
第2製法は、転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、上記線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する第二工程とを含む、表面が凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体の製造方法である。
以下、第1製法及び第2製法に共通な事項について説明した後、個々の製法について説明する。
(コラーゲン基材)
コラーゲン基材としては未架橋のものを用いる。本発明の目的が阻害されない限り、コラーゲン基材が、少量の架橋コラーゲンを含んでもよい。以下、「未架橋の」と特に限定しなくても、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜は、架橋されていないものを指すこととする。
線維化コラーゲンゲルは上述のように、可溶化コラーゲン溶液に適当な緩衝液を添加し、可溶化コラーゲン溶液のイオン強度及びpHを適正な範囲に調整して、コラーゲンの線維化を引き起こすことにより得られるものであり、水性溶媒等を含んでいるため、所謂ハイドロゲルと呼ばれるものである。ゲル化の程度により、粘稠性を有した液状物から一定の形状を有するものまでさまざまな性状の線維化コラーゲンゲルが得られるが、製造方法に応じて適宜使い分けることが好ましい。例えば、第1製法の場合、一定の形状を有するゲルを用いることが好ましい。また、第2製法の場合、第一工程において、目的に応じた好適なゲル化度の線維化コラーゲンゲルを調製して用いればよい。線維化コラーゲンゲルの全体的な外観形状については、特に限定されることはなく、例えば、膜状、立方体状、円柱状等の形状が挙げられる。
線維化コラーゲン膜は、線維化コラーゲンゲルから作製された膜状のものである。好適な一形態として、例えば、特許文献1、再公表特許第2012−70679号公報等に記載の架橋前の線維化コラーゲン膜が挙げられる。具体的には、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて線維化コラーゲンゲルを調製し、これを脱塩した後乾燥させる。脱塩においては、エタノール/水の容量比を50/50〜100/0まで段階的に変化させた混合液に順次浸漬させることが好ましい。また、乾燥においては、膜の上下面をポリスチレン板で覆い、側面のみから脱媒させることが好ましい。
非線維化コラーゲン膜は、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させることなく膜状に作製されたものである。好適な一形態として、例えば、特許文献1、再公表特許第2012−70680号公報等に記載の架橋前の非線維化コラーゲン膜が挙げられる。具体的には、成形器に入れたコラーゲン酸性溶液を乾燥させることによって得られる。
特に、コラーゲン基材として、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜を用いた場合は、細胞培養環境や生体内環境において収縮又は膨張し難い架橋体を得ることも可能である。
(転写部材)
転写部材は、本成形体にパターン形状を形成することができる部材である。当該機能を有している限り、転写部材の種類、形状等は特に限定されることはなく、使用目的に応じて適切な転写部材を選択することが望ましい。ここで、転写部材のうち、本成形体のパターン形状の形成に寄与する部分を転写部と称する。
転写部材は、例えば、転写部材全体が非通水性のものであってもよいし、転写部材全体が通水性を有するものであってもよい。後者の一例は、多孔質部材である。多孔質の孔構成は規則的であっても不規則であってもよい。また、転写部以外は非通水性であり、転写部のみが通水性を有する転写部材であってもよい。
転写部材の形状は、網、織布、不織布等の凹凸を有した平面形状部材であってもよく、パンチングメタルのような多孔板であってもよい。さらに、容器型であって、その内側の側面又は底面にパターン形状を有するものであってもよい。また、印判のように特定の部分に転写部を有したものであってもよい。転写部材の製造方法は特に限定されず、射出成形、押出成形、加圧成形等の既知の成形方法や、既存の成形品の表面加工等の製造方法を例示できる。
転写部材の材質は、コラーゲンとの相性や架橋方法を勘案して選択すればよい。例えば、コラーゲンが付着し難い材質や照射架橋に対する耐久性の高い材質を選択することも好ましい態様である。材質の具体例として、熱可塑性樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、スチロール樹脂等が挙げられ、また、熱硬化性樹脂、例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、無機材料、例えば、金属、ガラス等を材質として選択することも可能である。これらのうち、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等がより好ましく、特に好ましくはウレタン樹脂である。
(水性溶媒)
水性溶媒は、例えば、水、緩衝液、酸性溶液等が挙げられ、これらに有機溶媒を添加した混合溶媒でもよい。コラーゲン基材の種類と照射架橋の方法に応じて適宜使い分けることが好ましい。このような使い分けの具体例について、以下に説明する。
線維化コラーゲンゲル又は線維化コラーゲン膜のように線維化コラーゲンを主要構成要素とする場合は、可溶化コラーゲン溶液から線維化コラーゲンを得るために用いた緩衝液と同様の緩衝液を水性溶媒として選択することが好適な一形態である。好ましくは、pH3.0〜10.0の範囲の緩衝液であり、より好ましくは、pH6.0〜8.0の範囲の中性塩水溶液又はpH8.0〜10.0の範囲のアルカリ性塩水溶液である。更に好ましくは、線維化コラーゲンを溶解しにくいpHに調整された中性塩水溶液又はアルカリ性塩水溶液である。しかし、線維化コラーゲンを比較的溶解し易い水性溶媒であっても、この水性溶媒への浸漬及び架橋処理を短時間でおこなう場合には使用可能である。線維化コラーゲンゲル又は線維化コラーゲン膜への適用に好適な水性溶媒として、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)、トリス緩衝生理食塩水、HEPES緩衝生理食塩水等を例示できる。
次に、非線維化コラーゲン膜の場合は、コラーゲンの線維化を引き起こさない水性溶媒を用いることが望ましい。例えば、酵素で可溶化したコラーゲン溶液又は希酸で抽出したコラーゲン溶液から得られた非線維化コラーゲン膜の場合、水性溶媒としてpH2.0〜6.0の酸性溶液を用いることが好ましく、より好ましくはpH3.0〜5.0のものである。酸性溶液としては、例えば、二酸化炭素が溶解した水溶液が挙げられ、具体的には、酸性水、酸性緩衝液、有機溶媒添加酸性水性溶媒等を例示できる。前記酸性水、酸性緩衝液及び有機溶媒添加酸性水性溶媒は、水、緩衝液若しくは有機溶媒添加水性溶媒に二酸化炭素をバブリングする方法、水、緩衝液若しくは有機溶媒添加水性溶媒にドライアイスを投入する方法等によって作製することができる。二酸化炭素の溶解量は、特に限定されないが、pHを上記範囲とする溶解量に設定することが好ましい。また、二酸化炭素を含まない酸性緩衝液として、例えば、酢酸緩衝溶液、クエン酸緩衝溶液、塩酸等を使用することも可能である。
(架橋処理方法)
架橋処理方法は、照射架橋法である。γ線照射、電子線照射、UV照射及びプラズマ照射のうち2種以上を組み合わせてもよい。好適な照射架橋法は、透過力が高く、均一に架橋させることができるγ線照射による架橋法である。特に、γ線照射による架橋処理では、照射線量を適宜設定することによって、高強度の表面加工コラーゲン成形体を得ることもできる。γ線照射では、線量率が固定の線源を用い、照射時間等の条件を適宜設定することにより、所定の照射線量を簡便に得ることができる。例えば、コバルト60線源を用いる場合、照射線量5〜75kGyで架橋処理を行うことができる。照射線量として、好ましくは5〜50kGyであり、より好ましくは10〜50kGyであり、さらに好ましくは15〜30kGyである。照射時間は、コラーゲン基材の量や大きさに応じて架橋反応が十分に進行するように設定することが好ましい。さらに、照射条件を適宜設定すれば架橋処理と同時に滅菌処理を行うことができる。そのため、架橋処理中及び架橋処理後の密封状態を保つようにすることで、滅菌済み製品として、そのまま市場に流通させることも可能である。
(架橋処理と水性溶媒)
第1製法及び第2製法において、作用機序については定かではないが、水性溶媒の存在下で照射架橋をおこなうことによって、照射(γ線等)により発生した水のラジカルがコラーゲンの未架橋部分に作用し、これによって架橋反応を開始又は進行させると推測される。これにより、細胞培養環境や生体内環境で使用された場合にも、分解し難いという特性を付与することができると考えられる。特に好適な一形態は、照射架橋処理中に、転写部材と接触している部分のコラーゲン基材には水性溶媒が流通又は浸潤しており、転写部材と接触していない部分のコラーゲン基材には水性溶媒が流通している状態とすることである。即ち、転写部材と接触していない部分は当然のことながら、たとえ転写部材と接触している部分のコラーゲン基材であっても、水性溶媒の流動性が少なからず確保されている状態とする。これによって、水性溶媒の流動とともに、新たに発生した水のラジカルが順次コラーゲンの未架橋部分に作用して架橋反応を進行させてより強い架橋とすることも可能になると考えられる。尚、上記水性溶媒の流通又は浸潤においては、たとえ撹拌等による外力が作用しなくても、水分子のレベルでコラーゲン基材の内部から外部へ、またその逆方向への動きが確保されている状態であればよいと考えられる。
第1製法及び第2製法において、使用する水性溶媒の量は、特に限定されず、コラーゲン基材の外形や大きさに応じて調整される。例えば、少なくともコラーゲン基材の表面全体が水性溶媒で覆われる状態であり、好適には、コラーゲン基材が水性溶媒に浸漬した状態である。また、コラーゲン基材が水性溶媒に完全に浸漬していない状態、例えば、コラーゲン基材の一部が水性溶媒に浸漬していない場合であっても、当該部分における浸潤性が確保できていれば、コラーゲン基材が水性溶媒に浸漬した状態と言える。本願明細書では、以上例示したようなコラーゲン基材に対する水性溶媒の状態を含めて、「水性溶媒の存在下」と称するものである。水性溶媒の量として、例えば、コラーゲン基材の容量に対して、2〜100倍の範囲が好ましく、5〜100倍の範囲がより好ましく、10〜50倍の範囲が更に好ましい。
(第1製法)
第1製法では、水性溶媒の存在下、コラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で照射架橋する。転写部材による押圧の程度は特に限定されないが、コラーゲン基材の表面を所定の形状に加工できる程度の押圧力とすることが好ましい。好適な一形態は、押圧部分だけが変形し、それ以外の部分は大きく変形しない程度の圧力とすることである。
第1製法の別の好適な一形態は、押圧側と反対側にコラーゲン基材を支える支持部材を用いることである。このとき、例えば、非通水性の転写部材を用いる場合には、通水性を有する支持部材を用いて、コラーゲン基材と転写部材との接触部分に、水性溶媒が僅かでも浸潤できるような全体設計とすることが好ましい。さらに別の好適な一形態は、膜状のコラーゲン基材を用いて、この膜の両面を転写部材で押圧するものである。このときは、少なくとも一方に、通水性を有する転写部材を用いることが好ましく、コラーゲン基材の両面を押圧する転写部材を、適当な治具を用いて、押圧状態が保持されるように固定することが好ましい。
また、さらに別の好適な一形態は、所定の弾力性を有するコラーゲン基材を用いるものである。この場合、非通水性の転写部材を用いたとしても、転写部材と、転写部材に押圧されたコラーゲン基材との間にたわみが生じ易いために、水性溶媒が流通できる隙間の確保が容易となることがある。
(第2製法)
第2製法は、転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、転写部材と接触した状態の線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下で照射架橋する第二工程とを含むものである。
第一工程では、容器に入れた可溶化コラーゲン溶液又は線維化が進行中の可溶化コラーゲン溶液の上面に転写部材を載置することにより、転写部材と可溶化コラーゲン溶液とを接触させてもよいし、転写部材を予め底面に敷設した容器に可溶化コラーゲン溶液を投入することにより、接触させてもよい。転写部材を載置する場合は、可溶化コラーゲン溶液中に転写部材が沈み込まないようにすることが好ましい。可溶化コラーゲン溶液中への転写部材の沈降を避ける方法として、例えば、軽量な転写部材を用いる方法、あるいは、可溶化コラーゲン溶液を容器上端まで充填し転写部材を容器に橋渡しに架ける方法等が挙げられる。また、容器の底面又は側面に転写部を有するものを転写部材として用い、この容器中で可溶化コラーゲン溶液を線維化させてもよい。
第二工程では、転写部材と接触した部分の線維化コラーゲンゲルに水性溶媒が流通又は浸潤するような全体設計とすることが好ましい。架橋処理は、線維化コラーゲンゲルを容器から取り出して実施してもよいし、容器に入れたままで実施してもよい。後者においては、架橋処理中に、線維化コラーゲンゲルが容器内で位置を変えないように、通水性を有する部材を用いて線維化コラーゲンゲルを固定してもよい。
(乾燥工程)
第1製法及び第2製法の各最終工程に引き続き、架橋処理物を脱溶媒することにより乾燥させる乾燥工程を更に含んでもよい。乾燥の程度は、用途に応じて適宜設定すればよい。乾燥方法は、公知の方法を用いればよく、特に限定されることはない。本成形体の主要構成要素が非線維化コラーゲンである場合、コラーゲンの線維化が生じない乾燥方法及び乾燥条件とすることが好ましい。
(その他構成要素の配合)
前述したその他構成要素を本成形体に配合する場合は、その他構成要素の種類、目的とする用途等に応じて、その他構成要素の配合タイミングを適切に選択することが好ましい。配合タイミングとして、例えば、架橋処理前、架橋処理後等が挙げられる。
(用途)
本成形体は、細胞培養基材、再生医療用足場材料、移植用材料、創傷被覆用材料、癒着防止用材料等への適用が可能である。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。
〔実施例1〕
(可溶化コラーゲン溶液の調製)
ティラピアの鱗から製造された多木化学(株)製「セルキャンパス FD-08G」(凍結乾燥品)をpH3のHCl溶液に溶解した後、コラーゲン濃度1.1%、pH3に調整して、無色透明の可溶化コラーゲン溶液を得た。
(線維化コラーゲン成形体の作製)
可溶化コラーゲン溶液の9容量部と、10倍濃度のダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)の1容量部とを混合し、この混合液0.79mlをシリコーン製成形器(直径20mm、高さ2.5mm)に注入した。水分の蒸発を防ぐために、成形器の上面をスライドグラスで覆い、25℃で12時間保持して線維化コラーゲンゲルを得た。当該線維化コラーゲンゲルを、エタノール/水混合液(容量比50/50)に浸漬した。続いて、容量比70/30、90/10、100/0のエタノール/水混合液に順次浸漬して、この線維化コラーゲンゲルを脱塩した。その後、成形器から取り出した線維化コラーゲンゲルの上下面をポリスチレン板で覆い、側面のみから脱溶媒することにより乾燥させて膜状の線維化コラーゲン成形体(以下、「線維化コラーゲン膜」と称する)を得た。
(表面加工コラーゲン成形体の製造)
転写部材としてポリウレタンスポンジを使用した。上記線維化コラーゲン膜の上面及び下面をあらかじめD-PBSに浸漬した2枚のポリウレタンスポンジで挟んで押圧し、クリップで固定して押圧状態を保持した。その後、D-PBS中に投入して、25kGyのγ線を照射することにより、実施例1の表面加工コラーゲン成形体を得た。得られた表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
(表面観察)
実施例1の表面加工コラーゲン成形体の上面及び下面を、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製「JSM-6010LA」)で観察した。その結果、この成形体の上面及び下面に、ポリウレタンスポンジの表面形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した(図1B、倍率50倍)。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。尚、図1Aは、転写部材として用いたポリウレタンスポンジ表面の走査型電子顕微鏡像(倍率50倍)である。
(溶解率)
実施例1の表面加工コラーゲン成形体を、6wellプレートに配し、D-PBS 5ml中に37℃で5日間浸漬した。5日後、上澄みのみをサンプリングし、80℃で1日間乾燥した後、溶解重量を測定し、溶解率を求めた。その結果、溶解率は3%であった。
〔実施例2〕
転写部材として、2枚のポリウレタンスポンジに替えて2枚のナイロンスポンジを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
実施例2の表面加工コラーゲン成形体の上面及び下面を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、この成形体の上面及び下面に、ナイロンスポンジの表面形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した(図2B、倍率50倍)。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。尚、図2Aは、転写部材として用いたナイロンスポンジ表面の走査型電子顕微鏡像(倍率50倍)である。
〔実施例3〕
2枚のポリウレタンスポンジに替えて各1枚のポリエチレンシート及びナイロンメッシュ(目開き:300μm、繊維径:100〜150μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の表面加工コラーゲン成形体を得た。実施例3における転写部材は、ナイロンメッシュである。実施例3で得られた表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
実施例3の表面加工コラーゲン成形体の、ナイロンメッシュと接していた表面の走査型電子顕微鏡像(図3、倍率50倍)により、この表面にナイロンメッシュの表面形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。
〔実施例4〕
実施例4では、転写部材として、表面に凹凸構造のパターンが形成され、水性溶媒を通水しないウレタンプレートと、実施例1で前述したポリウレタンスポンジとを使用した。実施例1と同様にして得られた線維化コラーゲン膜を、各1枚のウレタンプレート及びポリウレタンスポンジで挟んで押圧した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体の主要構成要素は、架橋された線維化コラーゲンである。
実施例4の表面加工コラーゲン成形体の、ウレタンプレートと接していた表面の走査型電子顕微鏡像により、この表面にウレタンプレートの表面形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した。尚、この表面加工コラーゲン成形体の、ポリウレタンスポンジと接していた表面には、実施例1と同様のパターン形状が形成されていることを確認した。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。
〔実施例5〕
実施例5では、転写部材として、その底面に凹凸構造のパターンが形成されたシリコーン製容器と、実施例1で前述したポリウレタンスポンジとを使用した。実施例1と同様の方法で調製した可溶化コラーゲン溶液の9容量部と、10倍濃度のD-PBSの1容量部とを混合した。この混合液0.79mlを、転写部材であるシリコーン製容器(直径20mm、高さ2.5mm)に注入した。水分の蒸発を防ぐために、この容器の上面をスライドグラスで覆い、25℃で12時間保持して線維化コラーゲンゲルを得た。当該線維化コラーゲンゲルをシリコーン製容器に入れたまま、このゲルの上面にポリウレタンスポンジを押し当てた状態でD-PBS中に投入し、D-PBS中に浮いている状態で、25kGyのγ線を照射した。γ線の照射終了後、シリコーン製容器から取り出すことにより、実施例5の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体は、架橋された線維化コラーゲンが水性溶媒で膨潤したハイドロゲルである。
実施例5の表面加工コラーゲン成形体の、シリコーン製容器の底面に接していた表面の走査型電子顕微鏡像により、この表面にシリコーン製容器の底面の形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した。尚、この表面加工コラーゲン成形体の、ポリウレタンスポンジと接していた表面には、実施例1と同様のパターン形状が形成されていることを確認した。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。
〔実施例6〕
実施例1と同様の方法で調製した可溶化コラーゲン溶液の9容量部と、10倍濃度のD-PBSの1容量部とを混合し、この混合液0.79mlをシリコーン製成形器(直径20mm、高さ2.5mm)に注入した。次に、実施例3で前述したナイロンメッシュを転写部材として、可溶化コラーゲン溶液の上面に載置した。さらに、水分の蒸発を防ぐために、成形器の上面をスライドグラスで覆い、25℃で12時間保持して、ナイロンメッシュが載置された線維化コラーゲンゲルを得た。得られた線維化コラーゲンゲルをシリコーン製成形器に入れたまま、ナイロンメッシュを載置した状態で、D-PBS中に投入して25kGyのγ線を照射した。γ線の照射終了後に載置されたナイロンメッシュを除去して、成形器から取り出すことにより、実施例6の表面加工コラーゲン成形体を得た。この表面加工コラーゲン成形体は、架橋された線維化コラーゲンが水性溶媒で膨潤したハイドロゲルである。
実施例6の表面加工コラーゲン成形体の、ナイロンメッシュを載置していた表面の走査型電子顕微鏡像(図4、倍率50倍)により、この表面にナイロンメッシュの表面形状が転写又は反映された、一定のパターン形状が形成されていることを確認した。また、この成形体そのものが多孔質構造を有するものでないことを確認した。実施例6の表面加工コラーゲン成形体の溶解率は8%であった。
〔比較例1〕
比較例1では、いかなる転写部材も使用しなかった。具体的には、実施例1と同様にして得られた線維化コラーゲン膜の上面及び下面に、ポリウレタンスポンジを接触させることなく架橋処理をおこなった以外は実施例1と同様にして、比較例1のコラーゲン成形体を得た。比較例1のコラーゲン成形体の上下面の走査型電子顕微鏡像(図5、倍率50倍)によれば、その表面に殆ど凹凸は確認出来なかった。
〔比較例2〕
線維化コラーゲン膜の上面及び下面を、乾燥状態のポリウレタンスポンジ2枚で挟んで押圧し、クリップで固定した後、D-PBS中に投入せずに、25kGyのγ線を照射した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のコラーゲン成形体を得た。比較例2の成形体は、37℃で5日間、D-PBSに浸漬している間に崩壊した。
〔比較例3〕
特開2015−213676号公報に記載の実施例1に従って、多孔質状のコラーゲン成形体を作製した。先ず、実施例1と同様の方法で調製した可溶化コラーゲン溶液の9容量部に対し、重炭酸ナトリウム水溶液1容量部を、重炭酸ナトリウム/可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲン(モル比)=1.5×103となるように添加して、線維化コラーゲンを析出させ線維化コラーゲンゲルを得た。次に、当該線維化コラーゲンゲルを12wellプレートに2mlずつ分注した後、-35℃・3時間で凍結乾燥して、線維化コラーゲンで構成された多孔体を得た。次いで、この多孔体を0.05mol/Lの重炭酸ナトリウム水溶液中に浸漬した状態で25kGyのγ線照射を行うことによって、比較例3の多孔質コラーゲン成形体を得た。比較例3の多孔質コラーゲン成形体の表面には凹凸は殆ど確認出来なかった。図6に、比較例3の多孔質コラーゲン成形体の表面状態を示す走査型電子顕微鏡像(倍率100倍)を示した。特開2015−213676号公報に記載の方法で平均孔径を求めたところ、多孔質コラーゲン成形体の平均孔径は95.5μmであった 。

Claims (6)

  1. 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、
    上記成形体の表面の少なくとも一部が凹形状及び/又は凸形状を有し、
    かつ上記成形体の主要構成要素が、損なわれていない(intact)線維化コラーゲン又はコラーゲン分子である表面加工コラーゲン成形体。
  2. 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、少なくとも一部が転写部材と接触した状態で、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、
    上記成形体の表面の少なくとも一部に上記転写部材の形状が転写又は反映された被転写部を有しており、
    上記被転写部に凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体。
  3. 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜又は非線維化コラーゲン膜が、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射により架橋された成形体であって、
    上記成形体の表面の少なくとも一部に、凹形状及び/又は凸形状に変形した表面形状を有する表面加工コラーゲン成形体。
  4. 未架橋の線維化コラーゲンゲル、線維化コラーゲン膜及び非線維化コラーゲン膜から選択されるコラーゲン基材の表面の少なくとも一部を転写部材で押圧した状態で、水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する工程
    を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状に変形加工された表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
  5. 転写部材と接触した状態で、可溶化コラーゲン溶液中のコラーゲンを線維化させて、コラーゲン基材である線維化コラーゲンゲルを調製する第一工程と、
    上記線維化コラーゲンゲルを水性溶媒の存在下、γ線照射、電子線照射、UV照射又はプラズマ照射によって架橋処理する第二工程と
    を含む、表面が凹形状及び/又は凸形状を有する表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
  6. 上記架橋処理する工程における架橋処理中は、上記転写部材と接触している部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通又は浸潤しており、上記転写部材と接触していない部分のコラーゲン基材には上記水性溶媒が流通している状態とする、
    請求項4又は5に記載の表面加工コラーゲン成形体の製造方法。
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