JPH1146626A - 釣り用擬似餌及びその製造方法 - Google Patents

釣り用擬似餌及びその製造方法

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JPH1146626A
JPH1146626A JP21454597A JP21454597A JPH1146626A JP H1146626 A JPH1146626 A JP H1146626A JP 21454597 A JP21454597 A JP 21454597A JP 21454597 A JP21454597 A JP 21454597A JP H1146626 A JPH1146626 A JP H1146626A
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JP
Japan
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gel
gellan gum
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water
concentration
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JP21454597A
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English (en)
Inventor
Akira Matsuda
朗 松田
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INA Food Industry Co Ltd
Original Assignee
INA Food Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトワームとして優れた引張強度と柔軟性
とを有すると共に、水溶性と生分解性を有して環境を汚
染することがない釣り用擬似餌とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ネイティブ型ジェランガムを0.2〜1
5重量%の濃度で水に分散すると共に、カチオンを塩の
形で5重量%以下の濃度で添加し(S1)、加熱溶解さ
せ(S2)、必要に応じて海藻エキス等を添加し(S
3)、この溶解液をワーム型に入れて(S4)、冷却凝
固させることにより(S5)、水溶性で且つ生分解性を
有するゲルからなる、柔軟で且つ引張強度の大きい擬似
餌を作る。擬似餌は更に必要に応じて塩蔵処理を行う
(S6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、釣り用擬似餌と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、釣り用の擬似餌は、プラスチ
ックや金属等を用いて、魚や虫の形に成形し着色して作
られている。特に近年は、ゴム状弾性を有する軟質プラ
スチックを用いて、水流中で魚や虫と似た動きをするソ
フトワームと呼ばれる擬似餌が広く使われるようになっ
ている。多くのソフトワームは、浮力を考慮することに
より、活きた魚や虫の動きとよく似た動きをさせる工
夫、匂いや味の添加、更に蛍光材塗布や着色等により、
より実際の魚や虫に似せる工夫もなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の擬似餌は、繰り
返し使用が可能であるという利点を有するが、プラスチ
ックや金属等を用いているために、使用済みの擬似餌を
廃棄するといつまでも分解されないゴミとして残り、ま
たこれを魚や鳥が誤って飲み込む、といった環境汚染の
原因となる。
【0004】この発明は、上記事情を考慮してなされた
もので、ソフトワームとして優れた引張強度と柔軟性を
有すると共に、水溶性と生分解性を有して環境を汚染す
ることがない釣り用擬似餌とその製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る釣り用擬
似餌は、ネイティブ型ジェランガムを用いた水溶性ゲル
からなり、ネイティブ型ジェランガム濃度が0.2〜1
5重量%に設定されていることを特徴とする。この発明
に係る擬似餌はまた、水溶性ゲルが、ゲル化の工程で5
重量%以下のカチオンイオンを含むようにしたことを特
徴とする。この発明に係る擬似餌は更に、ゲル化後に塩
蔵処理により、水溶性ゲルのカチオンイオンの濃度を高
めたことを特徴とする。
【0006】この発明に係る釣り用擬似餌の製造方法
は、ネイティブ型ジェランガムを0.2〜15重量%の
濃度で水に分散すると共に、必要に応じてカチオンを塩
の形で5重量%以下の濃度で添加し、加熱溶解させた後
冷却凝固させて水溶性ゲルからなる擬似餌を作ることを
特徴とする。この発明に係る釣り用擬似餌の製造方法
は、また、ネイティブ型ジェランガムを0.2〜15重
量%の濃度で水に分散し、必要に応じてカチオンを塩の
形で添加し、加熱溶解させた後冷却凝固させて水溶性ゲ
ルからなる擬似餌を作り、この擬似餌を塩類溶液または
塩類粉末に漬けることを特徴とする。
【0007】ジェランガムは、水生植物から分離された
微生物(Pseudomonas elodea)を液体培地にて培養し
て、菌体外に産生される粘性物を培養液から回収して得
られるもので、回収の際に脱アシル化したものを脱アシ
ル型ジェランガム、脱アシル化せず回収したものをネイ
ティブ型ジェランガムといい、それぞれ図2(a)
(b)に示す分子構造を有する。図から明らかなよう
に、ネイティブ型ジェランガムは、グルコース残基にグ
リセリル基とアセチル基を持つ点が脱アシル型ジェラン
ガムと異なり、この構造上の相違から、脱アシル型ジェ
ランガムに比べて粘弾性の非常に強いゲルを作るという
特性を持つ。
【0008】この発明は、この様なネイティブ型ジェラ
ンガムの特性に着目してなされたもので、0.2〜15
重量%の濃度でネイティブ型ジェランガムを含む水溶性
ゲルにより擬似餌を作ることにより、釣り針を引っかけ
たときの引張強度が十分でしかも、しなやかな魚や虫の
擬態を可能とする優れた柔軟性を持つ擬似餌が得られる
ことが確認された。ちなみに、脱アシル型ジェランガム
の場合、ゲル強度の高いゲルを形成するが、曲げにより
脆性破壊する脆い性質を有し、従って、粘性或いは粘弾
性を付与する他の材料を併用しないと、単独では擬似餌
としての機能を発揮することができない。これに対して
ネイティブ型ジェランガムの場合、単独で擬似餌として
好ましい粘弾性を持つゲルを形成することができる。た
だし、0.2重量%未満ではゲル強度が十分でなく、ま
た15重量%を越えるとゲル形成が困難になる。好まし
くは、2〜10重量%において優れた柔軟性を持つ擬似
餌が得られる。1重量%以下では、例えば2cm程度以
下の小ワームに適した好ましい粘弾性を持つゲルを形成
する。更に、0.5重量%以下では、カチオンイオンの
添加によりワームとして使用できるゲルを形成するが、
他のゲル化剤と併用することによりワームを作ることも
できる。
【0009】ジェランガムは、食材や食品添加物として
も用いられるため、魚の食性にも合致する。また生分解
性を有するため、廃棄されたとしても微生物により分解
されて自然界に戻る。従ってこの発明による擬似餌は、
従来のプラスチック等によるソフトワームと異なり、環
境を汚染するおそれはない。
【0010】ネイティブ型ジェランガムは上述のゲル特
性の他、脱アシル型ジェランガムと比較して、カチオン
との反応性が比較的低い、離水が少ない、耐冷凍性に優
れる、ゲルの融点は低いがカチオン添加により80℃前
後の融点が得られる、といった特徴を持つ。この発明に
よれば、ネイティブ型ジェランガムを用いた水溶性ゲル
を作る際にに更にカチオンイオンを5重量%以下の範囲
で添加することにより、ゲル強度を上げて、擬似餌とし
ての特性を最適化することができる。カチオン添加量
は、5重量%を越えると急激にゲル強度が低下し、7重
量%を越えるとゲル化しなくなるから、5重量%以下に
抑えることが必要である。カチオン添加によりゲル強度
を高めると、ゲルは少し脆くなるが、脱アシル型ジェラ
ンガムを用いた場合に比べると十分に柔軟性を持ったゲ
ルが得られる。この発明において、カチオンとしては、
Na,K,Ca,Mg,Al等のイオンを塩類の形で添
加すればよい。このとき選択されるカチオンとしては、
食品にも使用でき、海水等にも含まれる塩類であること
が好ましく、例えば塩ナトリウムや塩化カリウム等がコ
スト的にも好ましい。
【0011】カチオンの添加は、擬似餌の微生物による
腐敗を防ぎ、日持ちをよくするという効果をも有する。
この効果は、擬似餌の生分解性と一見矛盾するように見
えるが、水中においては浸透圧の差により塩類が水中に
溶け出して、塩類濃度が下がるため、生分解性を損なう
ことはない。従ってこのカチオン添加による生分解性の
コントロールは、使用前の保存期間を十分に確保する上
で意味がある。また、カチオン添加は、擬似餌の製造上
も意味を持つ。ネイティブ型ジェランガムを水に分散さ
せて、これにカチオンを塩類の形で添加すると、ジェラ
ンガムの“ダマ”が形成されにくくなり、良好な分散液
が得られる。この分散液を加熱溶解させ、これを例えば
ワーム型に流し込んで冷却凝固させることにより、水溶
性ゲルからなる擬似餌が得られる。
【0012】この発明において、カチオン添加は、ゲル
形成後の塩蔵処理により行うこともできる。即ち成形さ
れた擬似餌を、1%〜飽和濃度の塩類溶液または塩類粉
末に漬けることにより、擬似餌の塩類濃度を高め、日持
ち特性を向上させることができる。このゲル形成後の塩
蔵処理によるカチオン添加は、ゲル形成時のカチオン添
加の代替手段として有効であるのみならず、ゲル形成時
のカチオン添加と併用することも有効である。この場
合、塩蔵処理により、カチオン濃度が5重量%を越えて
もゲル強度が上がることが、本発明者等により見出され
ている。その詳細な機構は不明であるが、一度ゲルとし
ての網目構造を形成した後におけるカチオンとの結合は
網目の阻害要因とはならず、網目構造に橋架けしてゲル
強度を高めるものと推測される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1は、この発明の実施例による
擬似餌の製造工程を示している。ネイティブ型ジェラン
ガムを3重量%、カチオン塩として食塩を1重量%水に
分散させる(S1)。この分散液を加熱沸騰させてネイ
ティブ型ジェランガムを溶解させる(S2)。この溶解
液に必要に応じて、海藻エキス,魚介類エキス,蛍光
剤,着色剤等を適量添加し(S3)、これをワーム型に
充填して(S4)、冷却凝固させる(S5)。更に、図
1に示すように、擬似餌を成形した後に、塩類の溶液ま
たは粉末に擬似餌を漬けるという塩蔵処理を行う(S
6)。この塩蔵処理での塩類濃度は、1%〜飽和濃度の
範囲で選択できる。 以上により、引張強度が十分大き
く、しかもしなやかな柔軟性を持つ擬似餌を作ることが
できる。カチオンの添加量は、ソフトワームの種類に応
じて選択でき、特に柔らかいものを作る場合には、カチ
オンを添加しなければよい。
【0014】図3は、ネイテイブ型ジエランガムと脱ア
シル型ジェランガムについて、実施例と同様に3重量%
の濃度のゲルを作り、塩蔵処理した後に、レオメータ
((株)サン科学社製)を用いてゲルの強度と粘性を測
定した結果を示す。縦軸は一定速度で圧縮される荷重強
度、横軸は一定速度の圧縮の圧縮距離を示す。明らかに
破断距離は脱アシル型ジエランガムが大きいにも拘ら
ず、ゲル破断までの圧縮距離(即ち時間)は、脱アシル
型ジェランガムの方が短い。これは、ネイティブ型ジエ
ランガムの方がより粘弾性に優れていることを示してい
る。下記表1は、図1の実施例において、ジエランガム
を2重量%に下げて、食塩添加量を種々変えた場合の最
終的なゲル中の食塩濃度とゲル強度の関係を、ゲル形成
時の食塩添加のみによる場合と、ゲル形成後の塩蔵処理
を組み合わせた場合について示している。
【0015】
【表1】
【0016】表1のゲル中食塩濃度0%の例は、ゲル形
成時の食塩添加もゲル形成後の塩蔵処理も行わない場合
である。表1から、ゲル形成時の食塩添加のみによる場
合、食塩濃度5重量%を越えると急激にゲル強度が下が
ること、一方ゲル形成後の塩蔵処理を組み合わせると、
トータルの食塩濃度が5重量%を越えても、ゲル強度が
上がることが確認される。従って、塩蔵処理は、擬似餌
の塩濃度を高めて、アウトドアの釣りの厳しい条件での
擬似餌の日持ち特性改善に有効である。
【0017】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、ネ
イティブ型ジェランガムを用いた水溶性ゲルにより、ソ
フトワームとして優れた引張強度と柔軟性を有すると共
に、生分解性を有して環境を汚染することがない釣り用
擬似餌を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例による擬似餌の製造工程を
示す。
【図2】 脱アシル型及びネイティブ型ジェランガムの
分子構造を示す。
【図3】 脱アシル型及びネイティブ型ジェランガムの
3重量%ゲルのレオメータによる強度と粘性の測定結果
を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ネイティブ型ジェランガムを用いた水溶
    性ゲルからなり、ネイティブ型ジェランガム濃度が0.
    2〜15重量%に設定されていることを特徴とする釣り
    用擬似餌。
  2. 【請求項2】 前記水溶性ゲルは5重量%以下のカチオ
    ンイオンが添加されていることを特徴とする請求項1記
    載の釣り用擬似餌。
  3. 【請求項3】 前記水溶性ゲルを塩蔵してなることを特
    徴とする請求項1記載の釣り用擬似餌。
  4. 【請求項4】 ネイティブ型ジェランガムを0.2〜1
    5重量%の濃度で水に分散すると共に、カチオンを塩の
    形で5重量%以下の濃度で添加し、加熱溶解させた後冷
    却凝固させて水溶性ゲルからなる擬似餌を作ることを特
    徴とする釣り用擬似餌の製造方法。
  5. 【請求項5】 ネイティブ型ジェランガムを0.2〜1
    5重量%の濃度で水に分散し、加熱溶解させた後冷却凝
    固させて水溶性ゲルからなる擬似餌を作り、この擬似餌
    を塩類溶液または塩類粉末に漬けることを特徴とする釣
    り用擬似餌の製造方法。
JP21454597A 1997-08-08 1997-08-08 釣り用擬似餌及びその製造方法 Pending JPH1146626A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105076082A (zh) * 2015-08-04 2015-11-25 安徽宏飞钓具有限公司 注塑仿生鱼饵基料处理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105076082A (zh) * 2015-08-04 2015-11-25 安徽宏飞钓具有限公司 注塑仿生鱼饵基料处理方法
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