JPH1144768A - 放射線検出器及びそれを用いた放射線モニタ - Google Patents
放射線検出器及びそれを用いた放射線モニタInfo
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- JPH1144768A JPH1144768A JP9213836A JP21383697A JPH1144768A JP H1144768 A JPH1144768 A JP H1144768A JP 9213836 A JP9213836 A JP 9213836A JP 21383697 A JP21383697 A JP 21383697A JP H1144768 A JPH1144768 A JP H1144768A
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Abstract
系へα線パルスの混入割合を抑制できる放射線検出器及
びそれを利用した放射線モニタを得ることである。 【解決手段】 外部からの光は遮光膜3で遮光され、入
射されたα線によりα線シンチレータ4で発光する。α
線シンチレータ4での発光はファイバ状波長シフタ14
で光電変換器7に導かれ、光電変換器7で電気信号に変
換されα線が検出される。
Description
れる放射線を検出して放射能レベルを測定する放射線検
出器及びそれを用いた放射線モニタに関する。
放射能汚染の有無を測定するために各種の放射線モニタ
が使用されている。すなわち、体表面モニタ、体内モニ
タ、物品モニタ、衣服(ランドリ)モニタ、ダストモニ
タ、エリアモニタ、ガスモニタ、水モニタ等が使用され
ている。また、放射能物質の量を測定するプロセスモニ
タや放射能物質の核分裂管理を行うプロセスモニタも使
用されている。そして、これら放射線モニタには、大面
積検出器や2線種以上の放射線を同時測定する放射線検
出器が用いられている。ここで、放射線モニタに使用さ
れている放射線検出器について説明する。 (1)α線検出器 α線検出器としては、ZnSシンチレーション検出器や
ガスフロー検出器が多く使用されているが、いずれも大
面積化するには問題があった。ZnSシンチレーション
検出器は、α線がZnSと反応して発光する光を集光す
ることにより、α線を測定するようにしたものであるの
で、大面積発光部の光を等感度に集光するには、複雑で
大体積の集光装置が必要であった。また、ガスフロー検
出器は、大面積にするとノイズ及び自然計数が多くなる
欠点があった。 (2)中性子線検出器(n線検出器) 中性子線検出器としては、3He比例計数管や半導体検
出器等があるが、大面積検出器は供給されていないの
で、大面積測定ができなかった。 (3)α/β線複合検出器 α/β線複合検出器は、α線シンチレータとしてのZn
Sシンチレーション検出器と、β線シンチレータとして
のプラスチックシンチレーション検出器とを組み合わせ
た検出器、ガスフロー検出器とプラスチックシンチレー
ション検出器とを組み合わせた検出器が多く供給されて
いるが、(1)項のα線検出器の欠点がある。また、α
線とβ線との分離特性が悪い(α線測定系にβ線計数が
混入するβ線測定系にα線計数が混入する)という問題
があった。 (4)γ/n線複合検出器 γ/n線複合検出器は、エリアモニタ、放射能物質用プ
ロセスモニタで使用するが、2線種測定できる大面積で
小型検出器は供給されていない。小面積大型であり分離
した2個の検出器である。 (5)α/β/γ線複合検出器 α/β/γ線複合検出器は、物品モニタ、衣服モニタで
使用するが、大面積で小型検出器は供給されていない。
現状では大面積大型検出器である。β/γ線検出器にお
いては、検出感度を高めるためには鉛等の放射線遮蔽材
を必要とするが、検出器が小型化できないために多量の
遮蔽材を必要としていた。 (6)汚染モニタ α線用、β線用、γ線用の各々別検出器を用いたモニタ
が多い。一部のモニタでα/β線同時測定型モニタがあ
るが、前述したように、α/β分離特性が悪く厚型検出
器である。β/γ線一体型モニタも一部供給されている
が、β線検出部が厚いために鉛シールド厚が厚い等の欠
点があった。 (7)ダストモニタ、プロセス放射線モニタ α線、β線、γ線用の各々別検出器を用いたモニタが多
い。一部のモニタでα/β同時測定を行っているが、分
離測定精度が悪い。 (8)核分裂モニタ用プロセスモニタ n(中性子)線、γ線用の各々別検出器を用いていた。 (9)エリアモニタ 大面積中性子エリアモニタ検出器は供給されていない。
β線用、n線用、γ線用各々別検出器を用いたモニタで
あった。
β線複合検出器の説明図である。α線及びβ線を検出す
る放射線検出部1は箱体のケース2内に構成され、α線
はケース2の上部に設けられた遮光膜3を透過し、α線
シンチレータ4であるZnS(Ag)シンチレータと反
応して発光する。発光した光はβ線シンチレータ5を透
過し、ライトガイド6により集光されて光電変換器7に
入り電気信号に変換される。同様に、β線は遮光膜3及
びα線シンチレータ4を透過し、β線シンチレータ5と
反応して発光する。発光した光は、ライトガイド6によ
り集光され光電変換器7に入り電気信号に変換される。
(感度分布特性)が要求される。そこで、例えば、±2
0%の感度均等性を得るには、ライトガイド6を複雑で
大型化する必要がある。このため、α/β線複合検出器
を薄型化することが難しく、大面積検出面の検出が困難
であるという欠点があった。また、物品モニタ等では大
面積β線検出器を用いるが、大型検出器となるため、鉛
等の放射線遮蔽材も多量に使用していた。
定回路図である。放射線検出部1においてα線又はβ線
により1箇所で発光した光は、ライトガイド6により2
個の光電変換器7に入射し、各々で電気信号に変換され
る。電気信号はα/β線分離回路8により、波高値の差
又はパルス立上がり時間の差によりα線とβ線との信号
に分離される。α線の信号は2個のα線パルス増幅回路
9で増幅され、β線の信号は2個のβ線パルス増幅回路
10で増幅される。
11でノイズとα線信号とを弁別判定される。同様に、
β線の信号はβ線用同時計数回路12でノイズとβ線信
号とを弁別判定される。α線用同時計数回路11では、
2個の増幅回路9から同時に信号が入力されたときα線
信号としてパルス出力する。同様に、β線用同時計数回
路12では、2個の増幅回路10から同時に信号が入力
されたときβ線信号としてパルス出力する。
のα/β線分離特性の例を示す。図12に示すように、
ノイズ領域S1、β線計数領域S2、α線計数領域S3
であるので、波高値V1〜V2をβ線測定系とし、波高
値がV2以上でα線測定系とする。従って、β線測定系
にα線パルスが混入していることが判る。このように、
従来方式では、β線測定系にα線パルスが混入してお
り、その混入割合は10%以上〜数10%となる。
では、薄型化することが難しく大面積検出面の検出が困
難であり、また、α線とβ線との分離が正確に行われな
いという欠点があるため、従来はα線用とβ線用との2
種類の検出器を使用し、別々に測定することが多かっ
た。この場合、2回測定する必要があり、放射線管理区
域から退出する際に利用する体表面モニタ、物品モニタ
に測定待ちの人行列ができる状態であった。
が可能で、β線測定系へα線パルスの混入割合を抑制で
きる放射線検出器及びそれを利用した放射線モニタを得
ることである。
放射線検出器は、外部からの光を遮光するための遮光膜
と、放射線のうちα線により発光するα線シンチレータ
と、α線シンチレータの発光を電気信号に変換する光電
変換器と、α線シンチレータの発光を光電変換器に導く
ためのファイバ状波長シフタとを備えたものである。
は、外部からの光は遮光膜で遮光され、入射されたα線
によりα線シンチレータで発光する。α線シンチレータ
での発光はファイバ状波長シフタで光電変換器に導か
れ、光電変換器で電気信号に変換されα線が検出され
る。
請求項1の発明に係わる放射線検出器において、中性子
線のエネルギーを減速させて熱中性子にする中性子減速
材と、熱中性子と反応してα線を放出する反応物質とを
設け、α線シンチレータを反応物質からのα線で発光さ
せ中性子線を検出するようにしたものである。
は、請求項1の発明の作用に加え、中性子減速材で中性
子線を減速させて熱中性子にし、その熱中性子を反応物
質で反応させてα線を放出する。α線シンチレータは反
応物質からのα線で発光し、これにより中性子線を検出
する。
外部からの光を遮光するための遮光膜と、放射線のうち
β線により発光するβ線シンチレータと、β線シンチレ
ータの発光を電気信号に変換する光電変換器と、β線シ
ンチレータの発光を光電変換器に導くためのファイバ状
波長シフタとを備えたものである。
は、外部からの光は遮光膜で遮光され、入射されたβ線
によりβ線シンチレータで発光する。β線シンチレータ
での発光はファイバ状波長シフタで光電変換器に導か
れ、光電変換器で電気信号に変換されβ線が検出され
る。
請求項1又は請求項2の発明に係わる放射線検出器にお
いて、α線シンチレータに遮光膜を介してβ線により発
光するβ線シンチレータを設けたものである。
は、請求項1又は請求項2の発明の作用に加え、α線シ
ンチレータによりα線が検出され、β線によりβ線シン
チレータが発光してβ線が検出される。
請求項1乃至請求項4の発明に係わる放射線検出器にお
いて、遮光及び部品保持するための保持板を介してγ線
により発光するγ線シンチレータを設けたものである。
は、請求項1乃至請求項4の発明の作用に加え、γ線に
よりγ線シンチレータが発光してγ線が検出される。
請求項1乃至請求項5の発明に係わる放射線検出器にお
いて、α線、中性子線、β線又はγ線に対してそれぞれ
複数本のファイバ状波長シフタを設け、さらにそれらの
複数本のファイバ状波長シフタに対応して複数個の光電
変換器を設け、複数個の光電変換器の出力を同時計数す
る同時計数回路を設けたものである。
は、請求項1乃至請求項5の発明の作用に加え、α線、
中性子線、β線又はγ線に対してそれぞれ、設けられた
複数本のファイバ状波長シフタにより感度分布特性を向
上させ、それらの複数本のファイバ状波長シフタに対応
して設けられた複数個の光電変換器によりノイズ低減を
実現する。そして、同時計数回路にて複数個の光電変換
器の出力を同時計数し検出精度を向上させる。
請求項1乃至請求項6の放射線検出器のうちのα線検出
器、α/β線一体型検出器、α/γ線一体型検出器又は
α/β/γ線一体型検出器と、2〜3線種の放射線を同
時に測定する演算測定部とを備えたものである。
は、請求項1乃至請求項6の放射線検出器のうちのα線
検出器、α/β線一体型検出器、α/γ線一体型検出器
又はα/β/γ線一体型検出器のいずれかで放射線を検
出し、演算測定部で2〜3線種の放射線を同時に測定す
る。
請求項3乃至請求項5に記載の放射線検出器のうちα/
β線一体型検出器又はα/β/γ線一体型検出器と、α
/β線又はα/β/γ線を分離測定し2〜3種放射線の
割合変化を演算する演算測定部と、演算測定部の演算測
定結果を放射能物質の核種変化として表示する表示器と
を備えたものである。
は、請求項3乃至請求項5に記載の放射線検出器のうち
α/β線一体型検出器又はα/β/γ線一体型検出器の
いずれかで放射線を検出し、演算測定部でα/β線又は
α/β/γ線を分離測定し2〜3種放射線の割合変化を
演算する。そして、演算測定部の演算測定結果を放射能
物質の核種変化として表示器に表示する。
請求項5又は請求項6に記載の放射線検出器のうちのn
/γ線一体型検出器と、中性子線及びγ線を独立に同時
に測定する演算測定部とを備え、核原料物質の安定性を
高信頼度で監視するようにしたものである。
は、請求項5又は請求項6に記載の放射線検出器のうち
のn/γ線一体型検出器で放射線を検出し、演算測定部
で中性子線及びγ線を独立に同時に測定し、核原料物質
の安定性を高信頼度で監視する。
は、請求項5又は請求項6に記載の放射線検出器のうち
のβ/γ線一体型検出器、n/γ線一体型検出器又はβ
/b/γ一体型検出器と、2〜3線種の放射線を独立に
測定し各線種ごとの線量から線種別又は線種合計値の線
量当量を測定する演算測定部と、演算測定部の演算測定
結果を表示する表示器とを備えたものである。
は、請求項5又は請求項6に記載の放射線検出器のうち
のβ/γ線一体型検出器、n/γ線一体型検出器又はβ
/n/γ線一体型検出器のいずれかで放射線を検出し、
演算測定部で2〜3線種の放射線を独立に測定し各線種
ごとの線量から線種別又は線種合計値の線量当量を測定
し、演算測定部の演算測定結果を表示器に表示する。
は、請求項1乃至請求項6のうちのいずれかの放射線検
出器と、各線種別放射能、合計放射能、又は合計線量当
量を測定し演算する演算測定部と、演算測定部の演算測
定結果を表示する表示器とを備えたものである。
は、請求項1乃至請求項6のうちのいずれかの放射線検
出器で放射線を検出し、演算測定部で、各線種別放射
能、合計放射能、又は合計線量当量を測定し演算し、そ
の演算測定部の演算測定結果を表示器に表示する。
する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる放射線
検出器の構成図である。この第1の実施の形態は、α線
を検出する放射線検出器を示している。図1(a)は放
射線検出器の斜視図であり、図1(b)は放射線検出部
の内部構成図である。
る放射線(α線)は放射線検出部1で検出され、ファイ
バ状波長シフタ14により光電変換器7に入力される。
放射線検出部1は、図1(b)に示すように、ケース2
の上面には光を遮断するための遮光膜3が設けられ、そ
の下面にはα線を検出するα線シンチレータ4が設けら
れている。このα線シンチレータ4はα線により発光す
るものであり、ZnSシンチレータ又はAgを含んだZ
n(Ag)シンチレータが用いられる。α線シンチレー
タ4で発光した光はライトガイド6で集光され、ファイ
バ状波長シフタ14により光電変換器7に導かれ、光電
変換器7では、その光を電気信号に変換しα線を検出す
ることになる。
ンチレータ4と反応すると、α線の大きさに応じて発光
する。発光した光は空気と反射材等で構成されるライト
ガイド6を経由してファイバ状波長シフタ14に入る。
ファイバ状波長シフタ14に入った光は伝送損失の少な
い波長に変換されて光電子増幅管などの光電変換器7に
入り、光電変換により電気信号に変換される。ここで、
ファイバ状波長シフタ14は、マルチモードタイプ光フ
ァイバと同じように、入力光の波長400nm〜450
nmを500nm〜550nm程度の波長に変換して光
伝送するものである。
ァイバ状波長シフタ14を設置したので、放射線検出部
が薄形となる。α線シンチレータ14で発光した光は、
ケース2の内面のライトガイド6で反射しながら効率良
く端部に伝達されるので、結果的にファイバ状光波長シ
フタ14から光電変換器7に多くの光を到達させること
ができ、放射線検出器としての感度を確保することが可
能となる。
1mm程度の円柱又は角柱でその機能(光波長変換と変
換後の光の伝送)を発揮するので、ライトガイド6の厚
さもmm単位の非常に薄い形状とすることができる。図
1では、ファイバ状波長シフタ14は、ライトガイド6
の端部に設置したものを示しているが、ライトガイド6
内に複数配列した構造であってもよい。
る放射線検出器での測定回路図である。2本(複数本)
のファイバ状波長シフタ14からの光をそれぞれに対応
する放電変換器7に入力し、ディスクリアンプ回路15
を介してα線用同時計数回路11に入力する。α線用同
時計数回路11は、同時に入射した光による信号のみを
取り出し、電気的なノイズのように、2系統に同時性の
ないランダムに発生する信号をカットする。これによ
り、放射線検出器の性能をさらに向上させることができ
る。
る放射線検出器での他の測定回路図であり、2本(複数
本)のファイバ状波長シフタ14からの光信号を1つの
光電変換器7に入力し、ディスクリアンプ回路15を介
してカウンタ16で放射線を計測するようにしたもので
ある。これにより、集光量を増大させることができる。
集光量が増大することで放射線の信号が大きくなり、ノ
イズとの分離が容易となると共に放射線検出器としての
感度が向上する。
器について述べたが、β線を検出する放射線検出器に適
用できることは言うまでもない。
る。図4及び図5は本発明の第3の実施の形態に係わる
放射線検出器の説明図である。この第2の実施の形態
は、第1の実施の形態におけるα線シンチレータ14に
熱中性子と反応してα線を放出する反応物質(6Li
F)を付着させることで放射線として中性子線(n線)
を検出するものである。
子とするための中性子減速材13が設けられている。ま
た、ケース2の上面には光を遮断するための遮光膜3が
設けられ、その下面にはα線を検出するα線シンチレー
タ4が設けられている。このα線シンチレータ14に
は、熱中性子と反応してα線を放出する反応物質17、
例えば6LiFを付着させる。反応物質(6LiF)17
は、6Liの核反応である中性子を吸収しα線を放出す
る性質を有しており、中性子が入射されるとその大きさ
に応じてα線を発生する。従って、中性子束の検出が可
能となる。
α線シンチレータ4に入射され、α線シンチレータ4は
そのα線により発光する。α線シンチレータ4で発光し
た光はライトガイド6で集光され、ファイバ状波長シフ
タ14により光電変換器7に導かれ、光電変換器7で
は、その光を電気信号に変換し中性子線を検出すること
になる。
Fを付着させることで、6Liの核反応である中性子を
吸収しα線を放出する性質を利用し、中性子の検出を可
能にしている。そして、α線放出後は、第1の実施の形
態と同様にα線を光信号に変換して放射線(中性子線)
を検出する。従って、この場合も、大面積化及び薄型化
が可能となる。
1の実施の形態と同様に、2本(複数本)のファイバ状
波長シフタ14からの光をそれぞれに対応する放電変換
器7に入力したり、2本(複数本)のファイバ状波長シ
フタ14からの光信号を1つの光電変換器7に入力した
りすることも可能である。また、図5に示すように、複
数のファイバ状波長シフタ14をライトガイド6内に配
置することも可能である。この場合、検出面が大きくて
も、ライトガイド6での光の伝達距離を一定以内とする
ことができるので、集光能力の位置依存性を維持でき
る。
る。図6は本発明の第3の実施の形態に係わる放射線検
出器のブロック構成図である。この第3の実施の形態
は、α線、β線、γ線、中性子線をそれぞれ独立して測
定するための検出要素を一体化した放射線検出部1を備
えたものである。これは、放射線検出部1を薄型にでき
ることから、放射線が物質内を透過するにつれて減衰す
ることを最小限に押さえることができるので、階層状に
形成しても問題がないからである。
は、α線検出要素18、β線検出要素19、γ線検出要
素20、中性子線検出要素21を備え、これら検出要素
を一体化したα/β/γ/n線一体型検出器を構成して
いる。そして、これら各々の検出要素で検出されたα
線、β線、γ線、n線は、光信号としてそれぞれファイ
バ状波長シフタ14で各々の光電変換器7に入力され
る。なお、図6(a)では、α線検出要素18、γ線検
出要素20、中性子線検出要素21については、2本の
ファイバ状波長シフタ14に対して1個の光電変換器7
を設けたものを示し、β線検出要素19については1本
のファイバ状波長シフタ14に対して1個の光電変換器
7を設けたものを示している。
放射線検出部1の内部構成図である。ケース2の上部か
らα線検出要素18、β線検出要素19、γ線検出要素
20、中性子線検出要素21が設けられている。
成される。ケース2の上面には光を遮断するための遮光
膜3が設けられ、その下面にはα線により発光するα線
シンチレータ4が設けられている。α線シンチレータ4
で発光した光はライトガイド6で集光され、ファイバ状
波長シフタ14により光電変換器7に導かれ、光電変換
器7では、その光を電気信号に変換しα線を検出するこ
とになる。
成される。α線検出要素の下面に遮光膜3が設けられ、
その下面にはβ線により発光するβ線シンチレータ5が
設けられている。β線シンチレータ5で発光した光は、
ファイバ状波長シフタ14により光電変換器7に導か
れ、光電変換器7では、その光を電気信号に変換しβ線
を検出することになる。
成される。β線検出要素19の下部には保持板22が設
けられ、この保持板22でα線検出要素18及びβ線検
出要素19を保持すると共に遮光を行う。保持板22の
下面にはγ線により発光するγ線シンチレータ23が設
けられている。γ線シンチレータ23で発光した光は、
ファイバ状波長シフタ14により光電変換器7に導か
れ、光電変換器7では、その光を電気信号に変換しβ線
を検出することになる。
に構成される。γ線検出要素20の下部には保持板22
が設けられ、この保持板22の下部及び内ケース24の
周囲には熱中性子とするための中性子減速材13が設け
られている。また、内ケース24の上面には光を遮断す
るための遮光膜3が設けられ、その下面にはα線を検出
するα線シンチレータ4が設けられている。このα線シ
ンチレータ14には、熱中性子と反応してα線を放出す
る反応物質(6LiF)17が付着されている。反応物
質(6LiF)17は、6Liの核反応である中性子を吸
収しα線を放出する性質を有しており、中性子が入射さ
れるとその大きさに応じてα線を発生する。従って、中
性子束の検出が可能となる。
α線シンチレータ4に入射され、α線シンチレータ4は
そのα線により発光する。α線シンチレータ4で発光し
た光はライトガイド6で集光され、ファイバ状波長シフ
タ14により光電変換器7に導かれ、光電変換器7で
は、その光を電気信号に変換し中性子線を検出すること
になる。
検出器の測定回路の回路図である。α線検出要素18で
検出されたα線は、2本のファイバ状波長シフタ14を
介して1個の光電変換器7に入力され、ディスクリアン
プ回路15を介してα線パルスとして出力される。ま
た、β線検出要素19で検出されたβ線は、2本のファ
イバ状波長シフタ14を介してそれぞれの光電変換器7
に入力され、それぞれのディスクリアンプ回路15を介
してβ線同時計数回路12に入力される。そして、この
β線同時計数回路12からβ線パルスとして出力され
る。
は、2本のファイバ状波長シフタ14を介して1個の光
電変換器7に入力され、ディスクリアンプ回路15を介
してγ線パルスとして出力される。同様に、中性子線検
出要素21で検出された中性子線は、2本のファイバ状
波長シフタ14を介して1個の光電変換器7に入力さ
れ、ディスクリアンプ回路15を介して中性子線パルス
として出力される。
は、一体型検出部1でそれぞれ独立して測定されるの
で、管理レベルの異なる場合や、内面汚染及び中性子源
の有無を確認できる。
出要素19、γ線検出要素20、中性子線検出要素21
の4個の検出要素を一体化したものであるが、α線検出
要素18及びβ線検出要素19の2個の検出要素を一体
化することも可能である。すなわち、α線検出要素18
及びβ検出要素19の2個の検出要素を形成し、α線及
びβ線をそれぞれ個別に測定する。
性を図8に示す。図8(a)はα線検出要素18での検
出特性であり、図8(b)はβ線検出要素19での検出
特性である。図8において、ノイズ領域S1、β線計数
領域S2、α線計数領域S3である。
るので、α線及びβ線の管理レベルが異なる時(国内の
法律では、管理区域外へ持ち出すことの許容値を、α線
を放出する核種は、4Bq/cm2,β線を放出する核
種では、0.48q/cm2と定められている。)に、
それぞれの管理レベルをそれぞれの測定値と比較判定で
きる。従って、従来のグロス測定に比較し個別管理が可
能である。
19に、さらにγ線検出要素20を設け、3個の検出要
素とすることも可能である。この場合、α線及びβ線を
それぞれ独立して測定するとともに、γ線も独立して測
定することができる。γ線については、国内の法律は、
β線を放出する核種と同等の管理区域外への持ち出し基
準であるので、この面では独立測定の意味が少ないが、
例えば、配管の様な内面の汚染測定は、β線では計測困
難であるが、γ線は金属も透過する程透過力が強いの
で、独立に測定することで内部の汚染量の評価ができ
る。
19、γ線検出要素20、中性子線検出要素21の4個
の検出要素のうち2個又は3個を適宜組み合わせて一体
化した放射線検出部1としても良いことは言うまでもな
い。
る。図9は本発明の第4の実施の形態に係わる放射線モ
ニタの構成図である。
れた放射線は、演算測定部26に入力され、各種測定演
算が行われその結果を表示装置27に表示するようにな
っている。
ニタを実現する場合について説明する。汚染モニタとし
ては、体表面モニタ、体内モニタ、物品モニタ、衣服モ
ニタ、床モニタ等がある。この場合には、放射線検出器
25として、α/β線一体型検出器、α/γ線一体型検
出器、又はα/β/γ線一体型検出器を用いる。これに
より、一度に複数の放射線の検出が可能となるので、汚
染測定回数を1/2〜1/3にできる。また、2〜3線
種の放射線を同時に測定できるので、汚染検知漏れ防止
を実現できる。
器、α/γ線検出器、又はα/β/γ線検出器を一体化
した大面積薄型複合型検出器であるので、α/β線検出
器では鉛シールが薄く軽量化及び小型化が図れ、α/β
線の同時測定により2回測定が1回測定で良い。また、
α/γ一体型検出器では、α線の飛程が短いことによる
測定エラーを同時に測定するγ線検出器で少なくでき
る。
モニタやプロセス放射線モニタを実現する場合について
説明する。この場合は、放射線検出器25として、α/
β線一体型検出器又はα/β/γ線一体型検出器を使用
する。そして、演算測定部26では、α/β線又はα/
β/γ線を分離測定し、2〜3種放射線の割合変化を演
算し、放射能物質の核種変化を表示器27に表示して監
視する。
爆管理用に用いられることが多く、プロセス配管からの
放射能物質のリーク監視用に有効であるが、Rn−Tn
の変化量が大きいため使用が少ない。そこで、演算測定
部26にてα/β/γ線を同時測定しα/β/γ線の計
数の変化割合を求める。これにより、Rn−Tnと人工
核種との区別がより容易となる。この場合、核種分析装
置ではないので、60Coなどの特定核種ごとにα/β
/γ線の計数感度比を前もって測定しておく必要があ
る。
するプロセスモニタを実現する場合について説明する。
この場合は、放射線検出器25として、n/γ線一体型
検出器を使用する。これにより、中性子線及びγ線を独
立に同時に測定し、核原料物質の安定性を高信頼度で監
視する。
時に測定することにより、測定時の信頼性が向上する。
つまりノイズと放射線との分離測定精度が向上する。
アモニタを実現する場合について説明する。この場合
は、放射線検出器25として、β/γ線一体型検出器、
n/γ線一体型検出器又はβ/n/γ線一体型検出器を
使用する。そして、演算測定部26では、2〜3線種の
放射線を独立に測定し、各線種ごとの線量から線種別又
は線種合計値の線量当量を測定し、その結果を表示器2
7に表示する。
検出器を用いたモニタとなり、設置場所が少なくて良
い。従って、作業エリアでのエリアモニタに有利であ
る。また、グローボックスなどの放射能物質収納ケース
に取り付けでき、省スペース化となる。β/n/γ線一
体型検出器では、各線種からの放射線を線種別に線量当
量に変換し、各線種からの合計線量当量を測定できる。
このことで各作業場所での被爆管理が容易になる。ま
た、演算測定部26で、各線種別放射能、合計放射能、
又は合計線量当量を測定し演算し、その演算測定結果を
表示器27に表示するので監視が適切に行える。
ァイバ状波長シフタで集光するので、その径lmm程度
の厚さで集光可能であり、薄型の放射線検出器が実現で
きコンパクトとなる。また、薄くできることから、α
線、β線、γ線をそれぞれ検出する検出要素を設けて
も、遮蔽効果を少なくすることができ、高感度の線種分
離測定形の検出器とすることができる。
器の構成図。
器での測定回路の一例を示す回路図。
器での測定回路の他の一例を示す回路図。
器における放射線検出部の構成図。
器の構成図。
器の構成図。
器での測定回路の一例を示す回路図。
器でα線及びβ線を分離して測定した場合の特性を示す
特性図。
タの構成図。
分離回路でのα/β線分離の特性を示す特性図。
Claims (11)
- 【請求項1】 被検体から放出される放射線を検出して
放射能レベルを測定する放射線検出器において、外部か
らの光を遮光するための遮光膜と、放射線のうちα線に
より発光するα線シンチレータと、前記α線シンチレー
タの発光を電気信号に変換する光電変換器と、前記α線
シンチレータの発光を前記光電変換器に導くためのファ
イバ状波長シフタとを備えたことを特徴とする放射線検
出器。 - 【請求項2】 請求項1の発明に係わる放射線検出器に
おいて、中性子線のエネルギーを減速させて熱中性子に
する中性子減速材と、前記熱中性子と反応してα線を放
出する反応物質とを設け、前記α線シンチレータを前記
反応物質からのα線で発光させ中性子線を検出するよう
にしたことを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項3】 被検体から放出される放射線を検出して
放射能レベルを測定する放射線検出器において、外部か
らの光を遮光するための遮光膜と、放射線のうちβ線に
より発光するβ線シンチレータと、前記β線シンチレー
タの発光を電気信号に変換する光電変換器と、前記β線
シンチレータの発光を前記光電変換器に導くためのファ
イバ状波長シフタとを備えたことを特徴とする放射線検
出器。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2の発明に係わる放
射線検出器において、前記α線シンチレータに遮光膜を
介してβ線により発光するβ線シンチレータを設けたこ
とを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の発明に係わる放
射線検出器において、遮光及び部品保持するための保持
板を介してγ線により発光するγ線シンチレータを設け
たことを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の発明に係わる放
射線検出器において、α線、中性子線、β線又はγ線に
対してそれぞれ複数本の前記ファイバ状波長シフタを設
け、さらにそれらの複数本のファイバ状波長シフタに対
応して複数個の前記光電変換器を設け、複数個の前記光
電変換器の出力を同時計数する同時計数回路を設けたこ
とを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の放射線検出器の
うちのα線検出器、α/β線一体型検出器、α/γ線一
体型検出器又はα/β/γ線一体型検出器と、2〜3線
種の放射線を同時に測定する演算測定部とを備えたこと
を特徴とする放射線モニタ。 - 【請求項8】 請求項3乃至請求項5に記載の放射線検
出器のうちα/β線一体型検出器又はα/β/γ線一体
型検出器と、α/β線又はα/β/γ線を分離測定し2
〜3種放射線の割合変化を演算する演算測定部と、前記
演算測定部の演算測定結果を放射能物質の核種変化とし
て表示する表示器とを備えたことを特徴とする放射線モ
ニタ。 - 【請求項9】 請求項5又は請求項6に記載の放射線検
出器のうちのn/γ線一体型検出器と、中性子線及びγ
線を独立に同時に測定する演算測定部とを備え、核原料
物質の安定性を高信頼度で監視する放射線モニタ。 - 【請求項10】 請求項5又は請求項6に記載の放射線
検出器のうちのβ/γ線一体型検出器、n/γ線一体型
検出器又はβ/b/γ一体型検出器と、2〜3線種の放
射線を独立に測定し各線種ごとの線量から線種別又は線
種合計値の線量当量を測定する演算測定部と、演算測定
部の演算測定結果を表示する表示器とを備えたことを特
徴とする放射線モニタ。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項6のうちのいずれ
かの放射線検出器と、各線種別放射能、合計放射能、又
は合計線量当量を測定し演算する演算測定部と、前記演
算測定部の演算測定結果を表示する表示器とを備えたこ
とを特徴とする放射線モニタ。
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