JP2017161378A - 放射線モニタ及び放射線測定方法 - Google Patents

放射線モニタ及び放射線測定方法 Download PDF

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修一 畠山
Shuichi Hatakeyama
修一 畠山
田所 孝広
Takahiro Tadokoro
孝広 田所
克宜 上野
Katsunobu Ueno
克宜 上野
名雲 靖
Yasushi Nagumo
名雲  靖
上野 雄一郎
Yuichiro Ueno
雄一郎 上野
耕一 岡田
Koichi Okada
耕一 岡田
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Abstract

【課題】シンチレーション検出器において、広いダイナミックレンジでの線量率測定を実現する。
【解決手段】入射した放射線に対して単一光子の束である光を発する放射線発光素子2と、放射線発光素子から放出された光を伝送する伝送部3と、伝送された光の少なくとも一部を単一光子に分解させる光学フィルタ4と、分解された光子の各々を電気パルス信号に変換する変換部5と、電気パルス信号を計数するカウンタ6と、電気パルス信号の計数に基づいて放射線の線量率を求める解析部7を有するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線モニタ及び放射線測定方法に関する。
従来、放射線の線量率を測定する放射線モニタとして、電離箱、GM計数管、半導体検出器等と共に、シンチレーション検出器が用いられている。特に高感度が要求される放射線モニタにはシンチレーション検出器が適用される。シンチレーション検出器を用いた放射線モニタは、例えば原子力発電プラントや核燃料再処理施設、放射性同位元素を使用する医療施設、産業施設、研究用加速器施設、一般環境モニタリング装置等で利用されている。シンチレーション検出器を用いて放射線の線量率を測定する場合は、一般的に、1つの放射線の入射によってシンチレーション検出器の素子内部で生成した複数の単一光子を、光電子増倍管等を用いて電圧パルスとして測定し、その電圧パルスの計数率から線量率を導出する。
このシンチレーション検出器を、上記施設における広い線量率レンジが観測される環境下において使用する場合に、例えば、シンチレーション素子内で発生した光子をパルスに変換した後、波高レベルに応じて複数に分離して計数し、該各々の分離した計数結果を計数率に応じたエネルギー換算関数を適用して放射線測定値を算出するものが知られている。このような技術は特開2004−108796号公報に記載されている。
特開2004−108796号公報
シンチレーション検出器を、上記施設における例えば6桁程度の広い線量率レンジが観測される環境下において使用する場合、特に高線量率環境下においては複数の放射線がほぼ同時にシンチレーション素子に入射する確率が高くなる。ほぼ同時に放射線が入射することで、シンチレーション素子内で発生した複数の単一光子がほぼ同時に発生する。このため、放射線入射によって生じる上記電圧パルスがほぼ同時に2つ生じることで、これらの電圧パルスが重なる現象(パイルアップ)が生じる。これにより、カウンタにおいて電圧パルスの数え落としが発生し、広いダイナミックレンジでの線量率測定が低精度となる。
上記の従来技術では、各々のチャネルごとの計数結果に、計数率に応じたエネルギー換算関数を適用して放射線測定値を算出しているところ、該エネルギー換算関数の適用では、現実に発生する個々のパイルアップ事象に対応することは難しく、また、線量率の測定精度は確率に寄与するところ、低線量率環境下では統計誤差の増大により精度は低下するものであり、特に、例えば人工的な核種の出現により、特定チャンネルのカウント数が著しく増加すると線量率の測定誤差が大きくなる。このように上記の従来技術では、広いダイナミックレンジでの線量率測定において、特にパイルアップに起因する測定精度の低下が問題となる。
本発明の目的は、線量率測定ダイナミックレンジを拡大しつつ、かつ正確な線量率測定を可能とする放射線モニタ及び放射線測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、入射した放射線に対して単一光子の束である光を発する放射線発光素子と、前記放射線発光素子から放出された光を伝送する伝送部と、前記伝送された光の少なくとも一部を単一光子に分解させる光学フィルタと、前記分解された光子の各々を電気パルス信号に変換する変換部と、前記電気パルス信号を計数するカウンタと、前記電気パルス信号の計数に基づいて放射線の線量率を求める解析部を有するように構成した。
より具体的には、入射した放射線に対して光を発する発光部を有する放射線発光素子と、前記放射線発光素子に接続され、前記発光部から放出された複数の単一光子を伝送する光ファイバと、前記光ファイバに接続され、伝送された単一光子の集団を単一光子一つ一つに分解させる光学フィルタと、前記放射線発光素子で生じた前記光の総量に応じて前記光学フィルタを選択し、前記光の総量を制御する光学フィルタ駆動機構と、前記光学フィルタ選択機構に接続され、伝送された前記単一光子を検出し、前記単一光子を電気パルス信号に変換する光検出器と、前記光検出器に接続され、前記光検出器から出力された前記電気パルス信号を計数するカウンタと、前記カウンタに接続され、前記カウンタで計数された前記電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する解析・表示装置と、前記解析・表示装置と前記光学フィルタ選択機構の間に接続され、前記解析・表示装置から出力された線量率に応じて前記光学フィルタ選択機構を制御する制御装置を備え、前記制御装置において解析・表示装置で測定された電気パルス信号の波高値が単一光子条件を満たしているかを判別し、その判別結果に応じて光学フィルタ選択機構を制御することを特徴とするものである。
当該放射線モニタは、放射線発光素子と光検出器の光路上に設置された光学フィルタ選択機構において、光ファイバで伝送された光子を、所定の波長範囲内に制限し光子数を制御する波長フィルタ、または所定割合で光子数を減衰させる減衰フィルタを少なくとも1つ以上有することが好ましい。
当該放射線モニタは、解析・表示装置で出力された線量率に応じて、予め測定された単一光子測定データと比較して、光学フィルタを選択することが好ましい。
当該放射線モニタは、発光部が少なくも1種の稀土類元素を含有していることが好ましい。
当該放射線モニタは、発光部がハウジングに収納されていることが好ましい。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、入射した放射線に対して光を発する発光部を有する放射線発光素子と、前記放射線発光素子に接続され、前記発光部から放出された光子を伝送する光ファイバと、前記光ファイバに接続され、伝送された光子の光路を選択する光駆動機構と、前記光駆動機構に接続され、前記光駆動機構から伝送された光子の集団を一つ一つの光子に減衰させる第1の光学フィルタと、前記第1の光学フィルタに接続され、伝送された前記一つ一つの光子を検出し、電気パルス信号に変換する第1の光検出器と、前記第1の光検出器に接続され、前記第1の光検出器から出力された電気パルス信号を計数する第1のカウンタと、前記第1のカウンタに接続され、前記第1のカウンタで計数された電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する第1の解析・表示装置と、前記光駆動機構に接続され、前記光駆動機構から伝送された光子の集団を一つ一つの光子に減衰させる第2の光学フィルタと、前記第2の光学フィルタに接続され、伝送された前記一つ一つの光子を検出し、電気パルス信号に変換する第2の光検出器と、前記第2の光検出器に接続され、前記第2の光検出器から出力された電気パルス信号を計数する第2のカウンタと、前記第2のカウンタに接続され、前記第2のカウンタで計数された電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する第2の解析・表示装置と、前記第1の解析・表示装置と光駆動機構の間に接続され、前記第1の解析・表示装置から出力された線量率に応じて前記第2の光学フィルタへの光路の切り替えを制御する制御装置を備えている放射線モニタである。
当該放射線モニタは、第1の光学フィルタ及び第2の光学フィルタにおいて、光ファイバで伝送された光子を、所定の波長範囲内に制限し光子数を制御する波長フィルタ、または所定割合で光子数を減衰させる減衰フィルタを少なくとも1つ以上有することが好ましい。
当該放射線モニタは、解析・表示装置で出力された線量率に応じて、予め測定された単一光子測定データと比較して、光学フィルタを選択することが好ましい。
当該放射線モニタは、発光部が少なくも1種の稀土類元素を含有していることが好ましい。
本発明は、幅広いダイナミックレンジで正確に線量率を測定可能となる。
本発明の放射線モニタの第1の実施例を示す概略ブロック図。 図1の放射線モニタにおける放射線発光素子の概略拡大断面図。 光学フィルタ選択機構の一例を示す概略図。 その他の光学フィルタ選択機構の一例を示す概略図 放射線の線量率と単一光子の計数率の関係の一例を示す概略図。 複数放射線が入射した際の放射線発光素子内の光の生成の一例を示す概略図。 複数放射線が入射した際の測定電気パルス信号の一例を示す概略図。 図7の電気パルス信号の光子数を確率的に減衰させた電気パルス信号の一例を示す概略図。 光学フィルタ選択機構の第1の制御手順を示すフローチャート。 図1の放射線モニタの一使用例を示す概略図。 光学フィルタ選択機構の第2の制御手順を示すフローチャート。 光学フィルタ選択機構の第3の制御手順を示すフローチャート。 光学フィルタ選択機構の第4の制御手順を示すフローチャート。 本発明の放射線モニタの第5の実施例を示す概略ブロック図。 光駆動機構の一例を示す概略図。 光駆動機構の第1の制御機構を示すフローチャート。 光駆動機構の第2の制御機構を示すフローチャート。 光駆動機構の第3の制御機構を示すフローチャート。 光駆動機構の第4の制御機構を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態の放射線モニタについて図面に基づいて説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施態様にのみ限定されるものではない。
なお、本明細書において「電気パルス信号の計数率」とは、単位時間あたりに測定された電気パルス信号の数を意味している。また、本明細書において、「単一光子条件」とは、予め測定条件に対応して測定された単一光子情報を意味している。具体的には、単一光子の波高値、減衰時間、積分値情報を表す。また、本明細書において、「波高値」とは、電気パルス信号が立ち上がり始めてから立ち下がり始めるまでの波形の高さを表す。具体的には、例えば、電気パルス信号における最大の波形の高さ(最大波高値)を表す。また、本明細書において、「減衰時間」とは、電気パルス信号が最大波高値に達してから立ち下がるまでの時間を表す。具体的には、例えば、電気パルス信号が最大波高値に対して90%から10%まで立ち下がるまでの時間を表す。また、本明細書において、「積分値」とは、電気パルス信号が立ち上がり始めてから立ち下がるまでの波形を積分した値を表す。具体的には、例えば、電気パルス信号が立ち上がる前のベースラインの平均を外そうした直線と電気パルス信号で囲まれた面積を表す。また、本明細書において「所定の波長範囲」とは、透過可能な波長範囲を示し、特定波長の光子のみを透過させることで光子数を制御する。また、本明細書において「所定割合」とは、光子数を減衰させる割合を示し、入射光子数に対する透過光子数の比を表す。また、本明細書において「単一光子測定」とは、放射線の入射によって発光素子内部で生成された一つ一つの光子を指す。
以下、本発明の一実施例を図1から図10に沿って説明する。
図1は、本発明の放射線モニタの第1の実施例を示す概略ブロック図である。当該放射線モニタ1は、図1に示すように、概略的に、放射線発光素子2と、光ファイバ3と、光学フィルタ選択機構4と、光検出器5と、カウンタ6と、解析・表示装置7と、制御装置8とを備えている。なお、当該放射線モニタ1で計測することができる放射線としては、例えば、X線、γ線などの電磁波と、α線、β線、中性子線などの粒子線等が挙げられる。
図2は、図1の放射線モニタにおける放射線発光素子2の概略拡大断面図である。図2に示すように、放射線発光素子2は、入射した放射線の線量率に対応する強度の光を発する発光部11とハウジング12を有する素子である。
発光部11は、少なくとも1種の稀土類元素を含有している。具体的には、発光部11は、例えば、母材としてNaI、LiI、SrI2、BGO、CdWO4、PbWO4、ZnS、CaF2、LuAG、LuAP、YAG、YAP、LSO、LYSO、YSO、GSO、BaF2、CeF3、CeBr3、CsF、CsI、LiF、Gd2O2S、LaBr3、Gd3Al2Ga3O12、Cs2LiYCl6、ScTaO4、LaTaO4、LuTaO4、GdTaO4、YTaO4などの光透過性材料と、この光透過性材料中に含有されたCe、Pr、Nd、Eu、Yb、Yなどの希土類元素またはTl、Na、Ag、W、CO3などで形成されている。
このように、発光部11が少なくとも1種の希土類元素を含有していることで、発光部11に入射した放射線の線量率と光の強度の線形性を向上させることができ、当該放射線モニタ1は、線量率の高い放射線が入射する場合においても、放射線の線量率をより正確に計測することができる。
発光部11は、1 μs以上の長い減衰時定数を有することで、より効果的に光ファイバ3から伝送された単一光子の集団を単一光子一つ一つに分解することができる。なお、1 μs未満の減衰時定数を有する発光部11を使用することもできる。
ハウジング12は、発光部11を収納する容器である。ハウジング12を構成する材料としては、計測対象の放射線を透過可能なものであれば特に限定されず、例えば、アルミニウム等を採用することができる。
光ファイバ3は、放射線発光素子2に接続され、発光部11から放出された光を伝送する。この光ファイバ3は、放射線発光素子2と後述する光学フィルタ選択機構4に接続されている。光ファイバ3を構成する材料としては、例えば、石英、プラスチック等が挙げられる。
図3は、光学フィルタ選択機構4の一例を示す概略図である。図3に示すように、光学フィルタ選択機構4は、光ファイバ3に接続され、光ファイバ3から伝送された複数の単一光子の集団を一つ一つの単一光子に分解させる機構である。光学フィルタ選択機構4は、伝送された光子数を確率的に減衰させる、少なくとも一枚以上の光学フィルタ20(光学フィルタ20−1と光学フィルタ20−2からなる。光学フィルタ20−1と光学フィルタ20−2を総称して光学フィルタ20と称する)と、光学フィルタ20を駆動させる光学フィルタ駆動機構21を備えている。この光学フィルタ20としては、例えば、波長フィルタ、減衰フィルタ等を採用することができる。波長フィルタは、予め定められた波長範囲内の光子のみを透過可能なフィルタである。減衰フィルタは、予め定められた確率で光の光子数を減衰させるフィルタである。光学フィルタ20−1と光学フィルタ20−2は異なる減衰率を有する。光駆動機構21としては、例えば、モーター駆動または手動で光学フィルタ20を選択するフィルタホイール式を採用することができる。また、図4は、その他の光学フィルタ選択機構の一例を示す概略図である。図4に示すように、光駆動機構21としては、モーター駆動または手動で光学フィルタ20を選択するドロップイン式等を採用することができる。この例では、光学フィルタ20は、光学フィルタ20−1と光学フィルタ20−2の2つの光学フィルタから構成されているが、もちろん、3以上の互いに異なる減衰率の光学フィルタで構成しても良い。
光検出器5は、光学フィルタ選択機構4に接続され、光学フィルタ選択機構4から透過された光子を電気パルス信号に変換する検出器である。光検出器5としては、例えば、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード等を採用することができる。これら光電子増倍管等を用いることで、単一光子を電流増幅された一つの電流パルス信号として検出できる。
カウンタ6は、光検出器5に接続され、光検出器5から入力された電気パルス信号を計数する装置である。カウンタ6としては、例えば、デジタルシグナルプロセッサ等を採用することができる。
解析・表示装置7は、カウンタ6に接続され、カウンタ6で計数された電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算し、その値を表示する装置である。また、この解析・表示装置7は、カウンタ6と後述する制御装置8に接続され、カウンタ6で計数された電気パルス信号の波高値を制御装置8に出力する。解析・表示装置7は、電気パルス信号の計数率と放射線の線量率を対応付けるデータベースを保有している記憶装置と、上記データベースを用いて電気パルス信号の計数率から放射線の線量率を換算する演算装置と、換算した放射線の線量率を表示する表示装置を備えている。解析・表示装置7としては、例えば、上述した機能を有するパーソナルコンピュータ等を採用することができる。
制御装置8は、解析・表示装置7と上述の光学フィルタ選択機構4に接続され、解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の波高値が単一光子条件を満たしているかを判別し、その判別結果に応じて光学フィルタ選択機構4を制御する装置である。解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の波高値は、予め求めた単一光子の波高値データベースと比較され、測定した線量率に応じて少なくとも一枚以上の光学フィルタを選択する。
従来のγ線の計数率から放射線の線量率を換算する手法と異なり、本発明では、γ線の入射によって放射線発光素子2で生成された複数の光子に含まれる単一光子の計数率から放射線の線量率を換算する。図5は、放射線の線量率と単一光子の計数率の関係の一例を示す概略図である。図5に示すように、この単一光子の計数率を計測できれば放射線の線量率を取得することができる。したがって、この関係を用いることで測定した電気パルス信号の計数率から放射線の線量率を換算することができる。図5の関係として、光学フィルタ20−1に対応する放射線の線量率と単一光子の計数率の関係と、光学フィルタ20−2に対応する放射線の線量率と単一光子の計数率の関係とを有する。次に、当該放射線モニタ1の動作について説明する。図6は、複数放射線が入射した際の放射線発光素子内の光の生成の一例を示す概略図である。図6において、経路30で発光部11に放射線が入射されると、発光作用31が誘発される。この発光作用31に伴って単一光子32が発生する。また、図7は、光ファイバ3の入射部分で計測したと仮定した場合の、複数放射線が入射した際の測定電気パルス信号83の一例を示す概略図である。
通常、放射線発光素子2に一つの放射線が入射すると複数の単一光子が生成され、光検出器5を用いて一つの電気パルス信号として測定される。一方、図6に示すように、放射線発光素子2にほぼ同時に二つ以上の放射線が入射すると、図7に示すように、電気パルス信号のパイルアップが生じる。
上記パイルアップを解決するため、図1に示すように、放射線発光素子2と光検出器5の間に設けられた光学フィルタ選択機構4を用いて透過させる光子数を確率的に減衰させる。図8は、図7の電気パルス信号の光子数を確率的に減衰させた電気パルス信号の一例を示す概略図である。図8(a)は光学フィルタ20−1を通過した場合の電気パルス信号の一例を示す。図8(b)は光学フィルタ20−2を通過した場合の電気パルス信号の一例を示す。図8(a)では、光学フィルタ20−1を通過した場合、時間の経過と共に、初めに単一光子2つ分に相当する電気パルス信号81が出力され、その後、単一光子1つ分に相当する電気パルス信号82が出力される。一方、光学フィルタ20−2を通過した場合、時間の経過と共に、均一的に単一光子1つ分に相当する電気パルス信号82が出力される。すなわち、光学フィルタ20−2を通過した場合、時間の経過と共に、単一光子2つ分(或いは、単一光子2つ分以上)に相当する電気パルス信号82が出力されことはない。
これにより、図8に示すように、適切な光学フィルタを選択することにより、光検出器5で単一光子を測定することができる。この単一光子をカウンタ6で計数し、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
次に、制御装置8において光学フィルタ選択機構4を制御する手順を説明する。図9は、光学フィルタ選択機構の第1の制御手順を示すフローチャートである。図9に示すように、ステップ101で計数率の測定を開始し、ステップ102でデータを収集することで、ステップ103で測定時間終了と判断されるまで、すなわち、カウンタ6で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了するまでデータを収集する。ステップ104で、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の波高値情報を抽出する。抽出した波高値情報は、単一光子の波高値データベースを参照する。なお、単一光子の波高値は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の波高値情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。このように、ステップ105で、この結果に基づき単一光子測定ではないと判別した場合は、光学フィルタ選択機構4において光学フィルタ駆動機構を駆動させ、ステップ106で、光学フィルタを追加し、再度、カウンタ6で電気パルス信号を測定する。上記、光学フィルタ選択機構4の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、ステップ107で、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。さらに、ステップ108で、解析結果を表示する。
このように、当該放射線モニタ1は、光学フィルタ選択機構4と制御装置8を備えているため、放射線発光素子2に入射したγ線によって生成された単一光子の数を減衰させ、放射線の線量率に応じて最適な光学フィルタを選択することにより、単一光子測定を実現し、放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することができる。
次に、当該放射線モニタ1の好適な使用例について説明する。図10は、図1の放射線モニタの一使用例を示す概略図である。図10に示すように、放射線発光素子2を測定対象エリア40内に設置し、光ファイバ3と接続された光学フィルタ選択機構4と、光検出器5、カウンタ6、解析・表示装置7と制御装置8を測定対象エリア外に設置する。
これにより、例えば、原子炉格納容器内部を低線量率から高線量率にわたる幅広いダイナミックレンジで正確に計測することができる。また、測定対象エリア40内に、少なくとも二つ以上の放射線発光素子2を設置することにより、測定対象エリア40の線量率分布を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することができる。これらの効果から、原子力発電プラントや核燃料再処理施設、放射性同位元素を使用する医療施設、産業施設、研究用加速器施設、一般環境モニタリング装置等に放射線モニタ(モニタ・測定方法)が適用できる。
本発明の実施例2の放射線モニタ及びその方法について、図11を用いて説明する。以下の実施例1に代替する実施例では、同じ部分は同じ符号を付し、異なる部分のみ説明する。よって、説明が省略された部分は実施例1と同様である。図11は、光学フィルタ選択機構の第2の制御手順を示すフローチャートである。光学フィルタ選択機構4の第2の制御手順は、カウンタ6で計数された電気パルス信号の減衰時間を制御装置8に出力し、光学フィルタ選択機構4を制御する点で、異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3、光学フィルタ選択機構4および光検出器5は、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
制御装置8は、解析・表示装置7と上述の光学フィルタ選択機構4に接続され、ステップ111で、解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の減衰時間が単一光子条件を満たしているかを判別し、その判別結果に応じて光学フィルタ選択機構4を制御する装置である。解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の減衰時間は、予め求めた単一光子の波高値データベースと比較され、測定した線量率に応じて少なくとも一枚以上の光学フィルタを選択する。
図11に示すように、カウンタ6で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の減衰時間情報を抽出する。抽出した減衰時間情報は、単一光子の減衰時間データベースを参照する。なお、単一光子の減衰時間は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の減衰時間情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、単一光子測定ではないと判別した場合は、光学フィルタ選択機構4において光学フィルタ駆動機構を駆動させ、光学フィルタを追加し、再度、カウンタ6で電気パルス信号を測定する。上記、光学フィルタ選択機構4の第2の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
このように、カウンタ6で計数された電気パルス信号の減衰時間情報を制御装置8に入力し、光学フィルタ選択機構4を制御する機能を有することで、電気パルス信号に含まれる電気的ノイズの影響を低減し、制御装置8における単一光子の判別精度を高めることができる。したがって、効果的に放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することが可能となる。
本発明の実施例3の放射線モニタ及びその方法について、図12を用いて説明する。
図12は、光学フィルタ選択機構の第3の制御手順を示すフローチャートである。光学フィルタ選択機構4の第3の制御手順は、カウンタ6で計数された電気パルス信号の積分値情報を制御装置8に出力し、光学フィルタ選択機構4を制御する点で、異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3、光学フィルタ選択機構4および光検出器5は、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
制御装置8は、解析・表示装置7と上述の光学フィルタ選択機構4に接続され、ステップ112で、解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の積分値が単一光子条件を満たしているかを判別し、その判別結果に応じて光学フィルタ選択機構4を制御する装置である。解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の積分値は、予め求めた単一光子の積分値データベースと比較され、測定した線量率に応じて少なくとも一枚以上の光学フィルタを選択する。
図12に示すように、カウンタ6で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の積分値情報を抽出する。抽出した積分値情報は、単一光子の積分値データベースを参照する。なお、単一光子の積分値は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の積分値情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、単一光子測定ではないと判別した場合は、光学フィルタ選択機構4において光学フィルタ駆動機構を駆動させ、光学フィルタを追加し、再度、カウンタ6で電気パルス信号を測定する。上記、光学フィルタ選択機構4の第3の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
一般に、電気パルス信号の面積は光子数に比例し、また、その信号波形は高周波成分である電気的ノイズを含む。このため、電気パルス信号の積分値を求めることにより、信号波形中の電気的ノイズは平均化され、信号波形に含まれるノイズ成分を除去することが可能である。このように、カウンタ6で計数された電気パルス信号の積分値情報を制御装置8に入力し、光学フィルタ選択機構4を制御する機能を有することで、制御装置8における単一光子の判別精度を高めることができる。したがって、効果的に放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することが可能となる。
本発明の実施例4の放射線モニタ及びその方法について、図13を用いて説明する。
図13は、光学フィルタ選択機構の第4の制御手順を示すフローチャートである。光学フィルタ選択機構4の第4の制御手順は、カウンタ6で計数された電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値を制御装置8に出力し、光学フィルタ選択機構4を制御する点で、異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3、光学フィルタ選択機構4および光検出器5は、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
制御装置8は、解析・表示装置7と上述の光学フィルタ選択機構4に接続され、ステップ104及びステップ105、ステップ121乃至ステップ124で、解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値が単一光子条件を満たしているかを判別し、その判別結果に応じて光学フィルタ選択機構4を制御する装置である。解析・表示装置7で測定された電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値は、予め求めた単一光子の波高値、減衰時間、積分値の少なくとも二つ以上の各データベースと比較され、測定した線量率に応じて少なくとも一枚以上の光学フィルタを選択する。以下、単一光子の波高値、減衰時間、積分値の三つを単一光子条件に用いた場合について説明する。
図13に示すように、カウンタ6で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、さらに、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値情報を抽出する。抽出した波高値、減衰時間、積分値情報は、単一光子の波高値、減衰時間、積分値の各データベースを参照する。なお、単一光子の波高値、減衰時間、積分値は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の波高値、減衰時間、積分値の各情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、波高値、減衰時間、積分値のいずれかにおいて単一光子測定ではないと判別した場合は、光学フィルタ選択機構4において光学フィルタ駆動機構を駆動させ、光学フィルタを追加し、再度、カウンタ6で電気パルス信号を測定する。上記、光学フィルタ選択機構4の第3の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置7で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
このように、カウンタ6で計数された電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値の少なくとも二つ以上の情報を制御装置8に入力し、光学フィルタ選択機構4を制御する機能を有することで、制御装置8において測定された電気パルス信号を多角的に精査することが可能となり、高精度に単一光子を判別することができる。したがって、効果的に放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することが可能となる。
本発明の実施例5の放射線モニタ及びその方法について、図14から図16を用いて説明する。
図14は、本発明の放射線モニタの第5の実施形態を示す概略ブロック図である。図に示すように、当該放射線モニタ10は、放射線発光素子2と、光ファイバ3と、光駆動機構50と、第1の光学フィルタ51と、第1の光検出器52と、第1のカウンタ53と、第1の解析・表示装置54と、第2の光学フィルタ55と、第2の光検出器56と、第2のカウンタ57と、第2の解析・表示装置58と、制御装置8を備えている放射線モニタである。当該放射線モニタは、放射線発光素子2と接続された光ファイバ3の光路を光駆動機構50を用いて分岐させる点で異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3は、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
制御装置8は、解析・表示装置54と上述の光駆動機構50に接続され、解析・表示装置54で測定された電気パルス信号の波高値が単一光子条件を満たしているかを判別し、その判別結果に応じて光駆動機構50を制御する装置である。図15は、光駆動機構の一例を示す概略図である。図15に示すように、光駆動機構50は、光ファイバ3に接続され、光ファイバ3から伝送された複数の単一光子の集団を、第1の光路60と第2の光路61に分岐する機構である。この光駆動機構50としては、例えば、光スプリッタ、光カプラ等を採用することができる。解析・表示装置54で測定された電気パルス信号の波高値は、予め求めた単一光子の波高値データベースと比較され、測定した線量率に応じて、光駆動機構50を駆動し、第2の光学フィルタ55を選択する。なお、3つ以上の光学フィルタを選択することも可能である。以下、単一光子の波高値を単一光子条件に用いた場合について説明する。
図16は、光駆動機構の第1の制御機構を示すフローチャートである。図16に示すように、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52と接続された第1の光路60を用いて、第1のカウンタ53で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、解析・表示装置54で測定した電気パルス信号の波高値情報を抽出する。抽出した波高値情報は、単一光子の波高値データベースを参照する。なお、単一光子の波高値は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の波高値情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、単一光子測定ではないと判別した場合は、ステップ131乃至ステップ133で、光駆動機構50を駆動させ、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56と接続された第2の光路61を用いて電気パルス信号を測定する。上記、光駆動機構50の第1の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置58で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
次に、当該放射線モニタ10の好適な使用例について説明する。放射線発光素子2を測定対象エリア40内に設置し、光ファイバ3と接続された光駆動機構50と、第1の光学フィルタ51と、第1の光検出器52と、第1のカウンタ53と、第1の解析・表示装置54と、第2の光学フィルタ55と、第2の光検出器56と、第2のカウンタ57と、第2の解析・表示装置58と、制御装置8を測定対象エリア外に設置する(不図示)。
これにより、例えば、原子炉格納容器内部を低線量率から高線量率にわたる幅広いダイナミックレンジで正確に計測することができる。また、測定対象エリア40内に、少なくとも二つ以上の放射線発光素子2を設置することにより、測定対象エリア40の線量率分布を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することができる。これらの効果から、原子力発電プラントや核燃料再処理施設、放射性同位元素を使用する医療施設、産業施設、研究用加速器施設、一般環境モニタリング装置等に本発明の放射線モニタ及びその方法が適用できる。
本発明の実施例6の放射線モニタ及びその方法について、図17を用いて説明する。
図17は、光駆動機構50の第2の制御手順を示すフローチャートである。光駆動機構50の第2の制御手順は、第1のカウンタ53で計数された電気パルス信号の減衰時間を制御装置8に出力し、光駆動機構50を制御する点で、異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3、光駆動機構50、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56、第2のカウンタ57および第2の解析・表示装置58は、第5の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図17に示すように、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52と接続された第1の光路60を用いて、第1のカウンタ53で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、解析・表示装置54で測定した電気パルス信号の減衰時間情報を抽出する。抽出した減衰時間情報は、単一光子の減衰時間データベースを参照する。なお、単一光子の減衰時間は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の減衰時間情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、単一光子測定ではないと判別した場合は、ステップ131乃至ステップ133で、光駆動機構50を駆動させ、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56と接続された第2の光路61を用いて電気パルス信号を測定する。上記、光駆動機構50の第2の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置58で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
このように、第1のカウンタ53で計数された電気パルス信号の減衰時間情報を制御装置8に入力し、光駆動機構50を制御する機能を有することで、電気パルス信号に含まれる電気的ノイズの影響を低減し、制御装置8における単一光子の判別精度を高めることができる。したがって、効果的に放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することが可能となる。
本発明の実施例7の放射線モニタ及びその方法について、図18を用いて説明する。
図18は、光駆動機構50の第3の制御手順を示すフローチャートである。光駆動機構50の第3の制御手順は、第1のカウンタ53で計数された電気パルス信号の積分値を制御装置8に出力し、光駆動機構50を制御する点で、異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3、光駆動機構50、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56、第2のカウンタ57および第2の解析・表示装置58は、第5の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図18に示すように、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52と接続された第1の光路60を用いて、第1のカウンタ53で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、解析・表示装置54で測定した電気パルス信号の積分値情報を抽出する。抽出した積分値情報は、単一光子の積分値データベースを参照する。なお、単一光子の積分値は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の積分値情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、単一光子測定ではないと判別した場合は、ステップ131乃至ステップ133で、光駆動機構50を駆動させ、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56と接続された第2の光路61を用いて電気パルス信号を測定する。上記、光駆動機構50の第3の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置58で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
一般に、電気パルス信号の面積は光子数に比例し、また、その信号波形は高周波成分である電気的ノイズを含む。このため、電気パルス信号の積分値を求めることにより、信号波形中の電気的ノイズは平均化され、信号波形に含まれるノイズ成分を除去することが可能である。このように、第1のカウンタ53で計数された電気パルス信号の積分値情報を制御装置8に入力し、光駆動機構50を制御する機能を有することで、制御装置8における単一光子の判別精度を高めることができる。したがって、効果的に放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することが可能となる。
本発明の実施例8の放射線モニタ及びその方法について、図19を用いて説明する。
図19は、光駆動機構50の第4の制御手順を示すフローチャートである。光駆動機構50の第4の制御手順は、第1のカウンタ53で計数された電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値を制御装置8に出力し、光駆動機構50を制御する点で、異なっている。なお、放射線発光素子2、光ファイバ3、光駆動機構50、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56、第2のカウンタ57および第2の解析・表示装置58は、第5の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図19に示すように、第1の光学フィルタ51、第1の光検出器52と接続された第1の光路60を用いて、第1のカウンタ53で電気パルス信号を所定時間測定し、測定時間が終了すると、解析・表示装置54で測定した電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値情報を抽出する。抽出した波高値、減衰時間、積分値の情報は、単一光子の波高値、減衰時間、積分値の各データベースを参照する。なお、単一光子の波高値、減衰時間、積分値は測定条件によって異なるため、予め測定条件に対応した単一光子の波高値、減衰時間、積分値の各情報をデータベース化することで単一光子測定の当否を判別可能である。この結果、波高値、減衰時間、積分値のいずれかにおいて単一光子測定ではないと判別した場合は、ステップ131乃至ステップ133で、光駆動機構50を駆動させ、第2の光学フィルタ55、第2の光検出器56と接続された第2の光路61を用いて電気パルス信号を測定する。上記、光駆動機構50の第4の制御手順を少なくとも1回以上実行し、単一光子測定であると判別した場合は、解析・表示装置58で測定した電気パルス信号の計数率を放射線の線量率に換算する。
このように、第1のカウンタ53で計数された電気パルス信号の波高値、減衰時間、積分値の少なくとも二つ以上の情報を制御装置8に入力し、光駆動機構50を制御する機能を有することで、制御装置8において測定された電気パルス信号を多角的に精査することが可能となり、高精度に単一光子を判別することができる。したがって、効果的に放射線の線量率を幅広いダイナミックレンジで正確に計測することが可能となる。
1、10 放射線モニタ
2 放射線発光素子
3 光ファイバ
4 光学フィルタ選択機構
5 光検出器
6 カウンタ
7 解析・表示装置
8 制御装置
11 発光部
12 ハウジング
20 光学フィルタ
21 光学フィルタ駆動機構
30 放射線
31 複数の単一光子
40 測定対象エリア
50 光駆動機構
51 第1の光学フィルタ
52 第1の光検出器
53 第1のカウンタ
54 第1の解析・表示装置
55 第2の光学フィルタ
56 第2の光検出器
57 第2のカウンタ
58 第2の解析・表示装置
60 第1の光路
61 第2の光路

Claims (13)

  1. 入射した放射線に対して単一光子の束である光を発する放射線発光素子と、前記放射線発光素子から放出された光を伝送する伝送部と、前記伝送された光の少なくとも一部を単一光子に分解させる光学フィルタと、前記分解された光子の各々を電気パルス信号に変換する変換部と、前記電気パルス信号を計数するカウンタと、前記電気パルス信号の計数に基づいて放射線の線量率を求める解析部を有することを特徴とする放射線モニタ。
  2. 請求項1において、前記光学フィルタを複数有し、前記分解された光子が変換された信号に基づいて前記複数の光学フィルタから選択することを特徴とする放射線モニタ。
  3. 請求項2において、前記求められた線量率に応じて前記光学フィルタを選択することを特徴とする放射線モニタ。
  4. 請求項3において、前記カウンタで計数された前記単一光子の計数率から放射線の線量率に換算することを特徴とする、放射線モニタ。
  5. 請求項1において、前記カウンタで計数された前記電気パルスに基づき前記光学フィルタ選択することを特徴とする放射線モニタ。
  6. 請求項1において、前記カウンタで計数された前記電気パルスの減衰時間に基づいて前記光学フィルタを選択することを特徴とする放射線モニタ。
  7. 請求項1において、前記カウンタで計数された前記電気パルスの積分値に基づいて前記光学フィルタを選択することを特徴とする放射線モニタ及びその方法。
  8. 請求項1において、前記カウンタで計数された前記電気パルスの前記波高値、前記減衰時間、前記積分値の少なくとも2つ以上の情報に基づいて前記光学フィルタを選択することを特徴とする放射線モニタ及びその方法。
  9. 入射した放射線に対して単一光子の束である光を発する放射線発光素子と、前記放射線発光素子から放出された光を伝送する伝送部を有し、前記伝送部は分岐部を含み、前記分岐して伝送される光は各々第1の光学フィルタと第2の光学フィルタに導かれるものであって、前記光学フィルタの少なくとも一方を通過した光を電気パルス信号に変換する変換部と、前記電気パルス信号を計数するカウンタと、前記電気パルス信号の計数に基づいて放射線の線量率を求める解析部を有し、前記第1の光学フィルタと第2の光学フィルタの少なくとも一方は、前記伝送された光の少なくとも一部を単一光子に分解させる光学フィルタであることを特徴とする放射線モニタ。
  10. 請求項1と請求項9とのいずれか1項において、前記発光部で1μs以上の減衰時定数を有することを特徴とする放射線モニタ。
  11. 請求項1と請求項9とのいずれか1項において、前記放射線発光素子を測定対象エリア内に設置し、前記変換部と、前記カウンタと、前記解析部を測定対象エリア外に設置することを特徴とする放射線モニタ。
  12. 請求項11において、前記発光部を少なくとも2つ以上設置し、測定対象エリア内の線量率を測定することを特徴とする放射線モニタ。
  13. 入射した放射線に対して単一光子の束である光を放射線発光素子で発し、前記放射線発光素子から放出された光を伝送部で伝送し、前記伝送された光の少なくとも一部を光学フィルタで単一光子に分解させ、前記分解された光子の各々を電気パルス信号に変換部で変換し、前記電気パルス信号をカウンタで計数し、前記電気パルス信号の計数に基づいて解析部で放射線の線量率を求める放射線測定方法。
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