JP4528274B2 - シンチレーション検出器および放射線検出装置 - Google Patents

シンチレーション検出器および放射線検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、シンチレータを用いてβ線を検出するためのシンチレーション検出器に関する。
核燃料再処理施設から大気中に放出される気体廃棄物中には、放射性クリプトン(85Kr)が含まれる。このため、再処理施設の周辺には、いわゆるモニタリングポストとして、大気中の85Kr濃度を測定するためのクリプトンガスモニタが設置されている。
図7は、従来のクリプトンガスモニタ80の概略構成図である。図7において、クリプトンガスモニタ80は、β線検出用のプラスチックシンチレータ81を有する。このプラスチックシンチレータ81の両側には、それぞれ、大気が導入されるガス導入室82,83が形成されるとともに、光電子増倍管(PMT: PhotoMultiplier Tube)84,85が配置されている。2つのPMT84,85の出力はコインシデンス回路86に接続されており、コインシデンス回路86の出力は測定器87に接続されている。
このクリプトンガスモニタ80では、ガス導入室内の85Krから放出されるβ線がプラスチックシンチレータ81に入射すると、プラスチックシンチレータ81が当該β線に感応して光を発する。この光は、2つのPMT84,85により電流パルスであるβ線検出パルスに変換されてコインシデンス回路86に出力される。コインシデンス回路86は、PMT84,85の出力信号から熱雑音を除去してβ線検出パルスを取り出し、測定器87に出力する。測定器87は、β線検出パルスをカウントし、その結果から大気中の85Kr濃度を算出する。
しかし、上記プラスチックシンチレータ81は、γ線に対しても感度を有し、宇宙線(γ線)が入射した場合にも発光する。このため、上記クリプトンガスモニタ80では、宇宙線をも検出してしまい、85Krのβ線だけを正確に検出することができない。
特許文献1には、プラスチックシンチレータを用いてβ線を検出するシンチレーション検出器において、バックグラウンドとしてのγ線の影響を除去してβ線だけを正確に検出するようにしたものが開示されている。
図8は、特許文献1に開示されているシンチレーション検出器90の概略構成図である。このシンチレーション検出器90は、筐体91を有し、その測定面側と反対面側とには、それぞれ同一仕様のプラスチックシンチレータ92,93が取り付けられている。両プラスチックシンチレータ92,93の中間位置には、γ線透過性のβ線遮蔽体94が設けられている。また、プラスチックシンチレータ92に対しては一対のPMT95,96が配置され、プラスチックシンチレータ93に対しては一対のPMT97,98が配置されている。
上記構成では、測定面側のPMT95,96では、測定面側から入射する放射線のうちβ線とバックグラウンドとしてのγ線との両方が検出される。一方、反対面側のPMT97,98では、放射線のうちバックグラウンドとしてのγ線のみが検出される。そして、測定面側で検出されたβ線およびγ線の両方の検出信号から反対面側で検出されたγ線検出信号が差し引かれることにより、正味のβ線検出信号が得られる。
特開平1−287494号公報 特許第3542936号明細書
しかし、上記特許文献1に記載されたシンチレーション検出器90には、次の問題がある。
すなわち、宇宙線成分を効果的に除去するためには、宇宙線の到来方向(天頂方向)に対して測定面を垂直に配置するのが良いが、このような配置では、プラスチックシンチレータ92,93に入射する宇宙線(すなわちノイズ)の量が多く、β線の検出感度に不利である。一方、プラスチックシンチレータ92,93に入射する宇宙線の量を少なくするためには、宇宙線の到来方向に対して測定面を平行に配置するのが良いが、このような配置では、プラスチックシンチレータ92に入射した宇宙線がプラスチックシンチレータ93に入射せず、宇宙線成分を除去することができない。
また、図7に示される従来のクリプトンガスモニタ80や特許文献に記載のシンチレーション検出器90では、空気中の自然放射性核種であるラドン・トロンやこれらの子孫核種から放出される放射線をも検出してしまう。このことは、検出対象核種に対する測定感度を下げる要因となっている。
そこで、本発明は、検出対象核種から放出されるβ線をより正確に検出することを可能とするシンチレーション検出器を提供する。
本発明に係るシンチレーション検出器は、サンプルガス中の検出対象核種から放出されるβ線を検出するためのシンチレーション検出器であって、互いに平行に離間して配置され、β線及びγ線に感応して光を発する板状の第1及び第2のβ・γ線用シンチレータと、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータからなる平行配置体の両側に設けられ、前記サンプルガスが導入される第1及び第2ガス導入室と、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータの間に設けられ、前記サンプルガスが導入される第3ガス導入室と、前記第1のβ・γ線用シンチレータにおける第3ガス導入室側に配置され、前記第3ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第1のα線用シンチレータと、前記第2のβ・γ線用シンチレータにおける第3ガス導入室側に配置され、前記第3ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第2のα線用シンチレータと、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータの間を遮光する遮光体と、前記第1のβ・γ線用シンチレータの第1ガス導入室側に設けられ、前記第1のβ・γ線用シンチレータ及び前記第1のα線用シンチレータの光を検出する第1光検出部と、前記第2のβ・γ線用シンチレータの第2ガス導入室側に設けられ、前記第2のβ・γ線用シンチレータ及び前記第2のα線用シンチレータの光を検出する第2光検出部と、を有し、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータ、前記第1及び第2のα線用シンチレータ、及び、前記遮光体からなる構成は、一方のβ・γ線用シンチレータに入射した検出対象核種のβ線を他方のβ・γ線用シンチレータに入射させないものでありかつγ線透過性を有する、ことを特徴とする。
望ましい態様では、シンチレーション検出器は、サンプルガス中の検出対象核種から放出されるβ線を検出するためのシンチレーション検出器であって、β線およびγ線に感応して光を発する板状の第1のシンチレータと、前記第1のシンチレータに略平行に近接して配置された、γ線に感応して光を発する板状の第2のシンチレータと、前記2つのシンチレータの間を遮光する遮光体と、前記第1のシンチレータの外面側に設けられた、前記サンプルガスが導入されるガス導入室と、前記ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発するα線用のシンチレータと、前記第1のシンチレータの外面側に設けられた、前記第1およびα線用のシンチレータの光を検出する第1の光検出部と、前記第2のシンチレータの外面側に設けられた、前記第2のシンチレータの光を検出する第2の光検出部と、を有し、前記第1のシンチレータおよび前記遮光体は、前記第1のシンチレータに入射した検出対象核種のβ線が前記第2のシンチレータに入射しないように構成されるとともに、γ線透過性を有する、ことを特徴とする。
発明に係るシンチレーション検出器は、サンプルガス中の検出対象核種から放出されるβ線を検出するためのシンチレーション検出器であって、互いに平行に配置され、β線及びγ線に感応して光を発する板状の第1及び第2のβ・γ線用シンチレータと、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータの間を遮光する遮光体と、からなるサンドイッチ構造と、前記サンドイッチ構造の両側に設けられ、前記サンプルガスが導入される第1及び第2ガス導入室と、前記第1ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第1のα線用シンチレータと、前記第2ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第2のα線用シンチレータと、前記第1のβ・γ線用シンチレータ及び前記第1のα線用シンチレータの光を検出する第1検出部と、前記第2のβ・γ線用シンチレータ及び前記第2のα線用シンチレータの光を検出する第2検出部と、を有し、 前記サンドイッチ構造は、一方のβ・γ線用シンチレータに入射した検出対象核種のβ線を他方のβ・γ線用シンチレータに入射させないものでありかつγ線透過性を有する、ことを特徴とする。
本発明の好適な態様では、前記互いに略平行に近接して配置される2つのシンチレータおよび前記遮光体は、互いに密着して配置される。
また、本発明の好適な態様では、前記α線用のシンチレータは、前記β・γ線用のシンチレータの外面側の表面上に、当該β・γ線用のシンチレータの光が当該α線用のシンチレータの外側に出射可能な態様で、密着配置される。
また、本発明の好適な態様では、前記α線用のシンチレータは、前記ガス導入室の内面に設けられる。
また、本発明の好適な態様では、前記α線用のシンチレータはZnS(Ag)シンチレータであり、その他のシンチレータはプラスチックシンチレータである。
また、本発明の好適な態様では、前記互いに略平行に近接して配置される2つのシンチレータは、天頂方向に略平行に配置される。
本発明に係る放射線検出装置は、上記いずれかのシンチレーション検出器と、前記2つの光検出部の各々に対応して設けられた、前記光検出部の出力信号をα線の検出パルスとβ線またはγ線の検出パルスとに波形弁別する2つの波形弁別部と、前記2つの波形弁別部により弁別されたα線の検出パルスを計数するα線計数部と、前記2つの波形弁別部により弁別されたβ線またはγ線の検出パルスについて非同時計数を行う非同時計数部と、前記非同時計数部の出力パルスを計数するβ線計数部と、前記α線計数部および前記β線計数部の計数結果に基づき、前記検出対象核種のβ線の量を算出する演算部と、を有することを特徴とする。
本発明の好適な態様では、前記2つの光検出部は、それぞれ一対の光電子増倍管を含み、前記2つの波形弁別部は、それぞれ前記一対の光電子増倍管に対応して設けられた一対の波形弁別器を含み、前記放射線検出装置は、それぞれ対応する前記一対の波形弁別器により弁別されたα線の検出パルスについて同時計数を行う2つのα線用の同時計数器と、それぞれ対応する前記一対の波形弁別器により弁別されたβ線またはγ線の検出パルスについて同時計数を行う2つのβ・γ線用の同時計数器と、を有し、前記α線計数部は、前記2つのα線用の同時計数器の出力パルスを計数し、前記非同時計数部は、前記2つのβ・γ線用の出力パルスについて非同時計数を行う。
本発明によれば、検出対象核種から放出されるβ線をより正確に検出することを可能とするシンチレーション検出器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るクリプトンガスモニタ1の全体構成を示す概略図である。このクリプトンガスモニタ1は、サンプルガス中の検出対象核種から放出されるβ線を検出する装置である。具体的には、クリプトンガスモニタ1は、大気中の人工放射性核種である放射性クリプトン(85Kr)から放出される低エネルギーβ線を検出して、大気中の85Kr濃度を測定するものであり、例えば核燃料再処理施設の周辺でモニタリングポストとして用いられる。より具体的には、本実施の形態に係るクリプトンガスモニタ1は、宇宙線(γ線)および検出妨害核種から放出される放射線(α、β、γ線)の影響を除去して、85Kr濃度を高感度に測定するものである。検出妨害核種としては、例えば、ラドン、トロンや、これらの子孫核種などが挙げられる。なお、以下の説明では、ラドン、トロン、およびこれらの子孫核種を「Rn/Tn」と称する。
図1において、クリプトンガスモニタ1は、その主要構成要素として、シンチレーション検出器10を有する。このシンチレーション検出器10は、シンチレータを用いて放射線を検出するものである。なお、図には示されていないが、シンチレーション検出器10は、これを外部の放射線から遮蔽するため、鉛等の遮蔽体で蔽われている。
図2および図3は、それぞれシンチレーション検出器10の概略構成を示す側断面図および上面図である。図2,3に示されるように、シンチレーション検出器10は、円筒状の筐体11を有する。この筐体11の寸法は、例えば、高さ300mm、直径350mmである。
筐体11の中央部分には、2つの矩形平板状のプラスチックシンチレータ12,13が、筐体11の軸方向に沿って延びるように、互いに略平行に離間して近接配置されている。プラスチックシンチレータ12,13は、β線およびγ線に感応してシンチレーション光を発するβ・γ線用のシンチレータである。本実施の形態では、プラスチックシンチレータ12,13は、互いに同一仕様であり、略同一の特性を有する。2つのプラスチックシンチレータ同士の間隔は、20mm以内であることが好ましい。プラスチックシンチレータ12,13の材料には、例えば下記の構造式を持つPOPOPという高分子化合物が用いられる。
Figure 0004528274
プラスチックシンチレータ12,13のそれぞれの内面側には、ZnS(Ag)シンチレータ(以下、「ZnSシンチレータ」と称す)14,15が、各プラスチックシンチレータに近接して配置されている。このZnSシンチレータ14,15は、α線に感応して光を発するα線用のシンチレータである。本実施の形態では、ZnSシンチレータ14,15は、それぞれ、プラスチックシンチレータ12,13の内側表面にZnS(Ag)を塗布することにより形成されている。ただし、ZnSシンチレータ14,15としては、シート状のものなど、適宜の形態のものを利用することができる。
ZnSシンチレータ14,15の内側には、両側のシンチレータ間を遮光する、すなわち一方側のシンチレータ12,14と他方側のシンチレータ13,15との間を遮光する遮光膜16,17が配置されている。本実施の形態では、遮光膜16,17は、ZnSシンチレータ14,15の内側表面に貼り付けられている。遮光膜16,17は、α線透過性を有する。
2つのプラスチックシンチレータ12,13を挟んだ両側および2つのプラスチックシンチレータ12,13の間には、ガス導入室21,22,23が形成されている。ガス導入室21は、筐体11の内面およびプラスチックシンチレータ12の外側面により仕切られた断面略D字状の室であり、ガス導入室22は、筐体11の内面および遮光膜16,17の内側面により仕切られた断面略I字状の室であり、ガス導入室23は、筐体11の内面およびプラスチックシンチレータ13の外側面により仕切られた断面略D字状の室である。ガス導入室21,22,23には、不図示のポンプ等によって、サンプルガスとして85Krを含む外気が導入される。本実施の形態では、外気は、ガス導入室21に導入された後、ガス導入室21,22,23の順に一筆書き状に流れ、ガス導入室23から排出される。ただし、ガスの流通経路は、上記に限られず、例えば3つのガス導入室について並列にガスが導入され排出されてもよい。
また、プラスチックシンチレータ12,13を挟んだ両側には、それぞれと同じ側に配置されたシンチレータの光を検出する光検出部31,32が配置されている。一方側の光検出部31は、当該一方側に配置された、プラスチックシンチレータ12およびZnSシンチレータ14の光を検出し、他方側の光検出部32は、当該他方側に配置された、プラスチックシンチレータ13およびZnSシンチレータ15の光を検出する。具体的には、筐体11のプラスチックシンチレータ12側には、光検出部31として、シンチレータ12,14の光を検出する一対の光電子増倍管(PMT)31a,31bが取り付けられている。また、筐体11のプラスチックシンチレータ13側には、光検出部32として、シンチレータ13,15の光を検出する一対のPMT32a,32bが取り付けられている。PMT31a,31b,32a,32bは、シンチレータの光を電流に交換倍増し、電気的な検出パルスとして出力する変換器である。
上記構成において、プラスチックシンチレータ12,13、ZnSシンチレータ14,15、および遮光膜16,17は、一方のプラスチックシンチレータに入射したβ線が他方のプラスチックシンチレータに入射しないように構成されている。
また、プラスチックシンチレータ12,13、ZnSシンチレータ14,15、および遮光膜16,17は、一方のプラスチックシンチレータに入射したγ線が他方のプラスチックシンチレータにも入射するように、γ線透過性を有する。
また、プラスチックシンチレータ12,13は、宇宙線(γ線)の影響を出来るだけ小さくするため、天頂方向(図2の矢印A方向)に略平行に配置される。
また、上記シンチレーション検出器10では、放射線は、当該放射線の入射によるシンチレータの微弱な発光がPMTにより受光されて検出される。そこで、筐体11の内壁には、反射材がコートされている。また、クリプトンガスモニタ1は、シンチレーション検出器10が暗室状態となるように構成されている。
再び図1を参照すると、クリプトンガスモニタ1は、光検出部31に対応して設けられた、光検出部31の出力信号をα線の検出パルスとβ線またはγ線の検出パルスとに波形弁別する波形弁別部42を有する。具体的には、一対のPMT31a,31bに対応して一対の波形弁別器42a,42bが設けられている。より具体的には、PMT31a,31bの出力は、それぞれプリアンプ41a,41bを介して、微分回路を含む波形弁別器42a,42bの入力に接続されている。波形弁別器42a,42bは、それぞれ、PMT31a,31bから入力される放射線検出パルスを、α線の入射を示すα線検出パルスと、β線またはγ線の入射を示すβ・γ線検出パルスとに波形弁別する。この波形弁別は、α線の入射によりPMTから出力される検出パルスの波形と、β線またはγ線の入射によりPMTから出力される検出パルスの波形との違いを利用して行われる。なお、波形弁別の具体的内容については、様々な技術が広く知られているので、ここでは説明を省略する。
波形弁別器42a,42bのα線検出パルス側の出力は、α線用の同時計数器としてのコインシデンス回路43に接続されている。このコインシデンス回路43は、2つの入力信号について同時計数を行う(すなわちコインシデンスをとる)回路であり、具体的には2つの入力パルスが同時に入ってきたときのみ出力パルスを出すものである。したがって、コインシデンス回路43がパルスを出力した場合には、極めて高い確率で、ZnSシンチレータ14の発光がPMT31a,31bの両方で検出されたといえる。このような作用により、コインシデンス回路43は、波形弁別器42a,42bのα線検出パルス側の出力信号から、熱雑音などのノイズを除去し、ZnSシンチレータ14の発光に対応するα線検出パルスを取り出す。
波形弁別器42a,42bのβ・γ線検出パルス側の出力は、β・γ線用の同時計数器としてのコインシデンス回路44に接続されている。このコインシデンス回路44は、波形弁別器42a,42bのβ・γ線検出パルス側の出力信号から、熱雑音などのノイズを除去し、プラスチックシンチレータ12の発光に対応するβ・γ線検出パルスを取り出す。
上記と同様に、光検出部32に対応して波形弁別部46が設けられており、波形弁別部46は、一対のPMT32a,32bに対応する一対の波形弁別器46a,46bを含む。具体的には、PMT32a,32bの出力は、それぞれプリアンプ45a,45bを介して、波形弁別器46a,46bに接続されている。波形弁別器46a,46bのα線検出パルス側の出力は、α線用の同時計数器としてのコインシデンス回路47に接続されている。また、波形弁別器46a,46bのβ・γ線検出パルス側の出力は、β・γ線用の同時計数器としてのコインシデンス回路48に接続されている。
α線用のコインシデンス回路43,47の出力は、α線用の計数回路51に接続されている。この計数回路51は、コインシデンス回路43および47の出力パルスを合わせて計数するものである。
β・γ線用のコインシデンス回路44,48の出力は、アンチコインシデンス回路52に接続されている。アンチコインシデンス回路52は、2つの入力信号について非同時計数を行う(すなわちアンチコインシデンスをとる)回路であり、具体的には、入力されたパルスのうち、同時に入ってきたパルスを除き、残ったパルスを出力するものである。
アンチコインシデンス回路52の出力は、β線用の計数回路53に接続されている。この計数回路53は、アンチコインシデンス回路52の出力パルスを計数するものである。
α線用の計数回路51の出力およびβ線用の計数回路53の出力は、演算部54に接続されている。この演算部54は、計数回路51および53の計数結果に基づき、検出対象核種である85Krのβ線の量を算出するものである。なお、この算出の具体的な内容については後述する。
演算部54の出力は、表示部55に接続されている。この表示部55は、演算部54の演算結果を画面上に表示させるものである。
以下、上記構成を有するクリプトンガスモニタ1の動作について説明する。
(ガス導入室21内の85Krのβ線がシンチレータ12に入射した場合)
ガス導入室21内の85Krからβ線が放出され、当該β線がプラスチックシンチレータ12に入射した場合、プラスチックシンチレータ12はβ線に感応してシンチレーション光を発する。このシンチレーション光は、PMT31a,31bに受光されるが、遮光膜16に遮光されるためPMT32a,32bには受光されない。
PMT31a,31bは、それぞれ、上記シンチレーション光をβ線検出パルスPβ1に変換し、当該β線検出パルスPβ1をプリアンプ41a,41bを介して波形弁別器42a,42bに出力する。
波形弁別器42a,42bは、それぞれ、プリアンプ41a,41bから上記β線検出パルスPβ1を受けると、当該β線検出パルスPβ1をβ・γ線用のコインシデンス回路44に出力する。
コインシデンス回路44は、波形弁別器42a,42bから上記β線検出パルスPβ1を受けると、これらは同時入力なので、当該β線検出パルスPβ1をアンチコインシデンス回路52に出力する。
ところで、上記β線は、プラスチックシンチレータ12や遮光膜16等により遮蔽され、反対側のプラスチックシンチレータ13には入射しない。このため、プラスチックシンチレータ13は発光せず、コインシデンス回路48からは上記β線に対応するパルスは出力されない。
よって、アンチコインシデンス回路52は、一方のコインシデンス回路44からのみβ線検出パルスPβ1の入力を受けることとなり、当該β線検出パルスPβ1をβ線用の計数回路53に出力する。
(ガス導入室23内の85Krのβ線がシンチレータ13に入射した場合)
上記と同様に、一方のプラスチックシンチレータ13のみが発光し、この発光に対応するβ線検出パルスPβ2がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室22内の85Krのβ線がシンチレータ12に入射した場合)
ガス導入室22内の85Krからβ線が放出され、当該β線が遮光膜16およびZnSシンチレータ14を透過してプラスチックシンチレータ12に入射した場合、当該プラスチックシンチレータ12のみが発光し、この発光に対応するβ線検出パルスPβ3がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室22内の85Krのβ線がシンチレータ13に入射した場合)
上記と同様に、一方のプラスチックシンチレータ13のみが発光し、この発光に対応するβ線検出パルスPβ4がβ線用の計数回路53に出力される。
(プラスチックシンチレータに宇宙線が入射した場合)
プラスチックシンチレータ12側から宇宙線が到来し、当該宇宙線がプラスチックシンチレータ12に入射した場合、当該宇宙線は、プラスチックシンチレータ12、ZnSシンチレータ14、遮光膜16,17、ZnSシンチレータ15を透過して、反対側のプラスチックシンチレータ13にも入射する。これにより、プラスチックシンチレータ12,13の両方が同時に光を発する。
PMT31a,31bは、それぞれ、上記プラスチックシンチレータ12の光をγ線検出パルスPγ1に変換し、当該γ線検出パルスPγ1をプリアンプ41a,41bを介して波形弁別器42a,42bに出力する。
波形弁別器42a,42bは、それぞれ、プリアンプ41a,41bから上記γ線検出パルスPγ1を受けると、当該γ線検出パルスPγ1をβ・γ線用のコインシデンス回路44に出力する。
コインシデンス回路44は、波形弁別器42a,42bから上記γ線検出パルスPγ1を受けると、これらは同時入力なので、当該γ線検出パルスPγ1をアンチコインシデンス回路52に出力する。
これと同時に、PMT32a,32bは、それぞれ、上記プラスチックシンチレータ13の光をγ線検出パルスPγ2に変換し、プリアンプ45a,45bを介して波形弁別器46a,46bに出力する。波形弁別器46a,46bは、それぞれ、上記γ線検出パルスPγ2を受けると、当該γ線検出パルスPγ2をβ・γ線用のコインシデンス回路48に出力する。コインシデンス回路48は、上記γ線検出パルスPγ2を受けると、当該γ線検出パルスPγ2をアンチコインシデンス回路52に出力する。
よって、アンチコインシデンス回路52は、コインシデンス回路44および48の両方からγ線検出パルスPγ1,Pγ2を同時に受けることとなり、パルスを出力しない。
なお、プラスチックシンチレータ13側から宇宙線が到来した場合にも、上記と同様に、アンチコインシデンス回路52はパルスを出力しない。
(ガス導入室21内のRn/Tnのβ線がシンチレータ12に入射した場合)
この場合、例えば当該β線が低エネルギーであり、反対側のプラスチックシンチレータ13に入射しなければ、上記85Krのβ線の場合と同様に、β線検出パルスPβ1’がβ線用の計数回路53に出力される。一方、例えば当該β線が高エネルギーであり、反対側のプラスチックシンチレータ13に入射すれば、上記宇宙線の場合と同様に、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室23内のRn/Tnのβ線がシンチレータ13に入射した場合)
上記と同様に、当該β線が反対側のプラスチックシンチレータ12に入射しなければ、β線検出パルスPβ2’がβ線用の計数回路53に出力され、プラスチックシンチレータ12に入射すれば、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室22内のRn/Tnのβ線がシンチレータ12に入射した場合)
当該β線によりプラスチックシンチレータ12のみが発光し、この発光に対応するβ線検出パルスPβ3’がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室22内のRn/Tnのβ線がシンチレータ13に入射した場合)
当該β線によりプラスチックシンチレータ13のみが発光し、この発光に対応するβ線検出パルスPβ4’がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室21内のRn/Tnのγ線がシンチレータ12に入射した場合)
当該γ線によりプラスチックシンチレータ12,13の両方が発光するので、上記宇宙線の場合と同様に、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室23内のRn/Tnのγ線がシンチレータ13に入射した場合)
当該γ線によりプラスチックシンチレータ12,13の両方が発光するので、上記宇宙線の場合と同様に、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室22内のRn/Tnのγ線がシンチレータ12に入射した場合)
当該γ線によりプラスチックシンチレータ12のみが発光し、この発光に対応するγ線検出パルスPγ3’がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室22内のRn/Tnのγ線がシンチレータ13に入射した場合)
当該γ線によりプラスチックシンチレータ13のみが発光し、この発光に対応するγ線検出パルスPγ4’がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室22内のRn/Tnのα線がシンチレータ14に入射した場合)
ガス導入室22内のRn/Tnからα線が放出され、当該α線が遮光膜16を透過してZnSシンチレータ14に入射した場合、当該ZnSシンチレータ14はα線に感応してシンチレーション光を発する。このシンチレーション光は、PMT31a,31bに受光されるが、遮光膜16に遮光されるためPMT32a,32bには受光されない。
PMT31a,31bは、それぞれ、上記シンチレーション光をα線検出パルスPα1’に変換し、当該α線検出パルスPα1’をプリアンプ41a,41bを介して波形弁別器42a,42bに出力する。
波形弁別器42a,42bは、それぞれ、プリアンプ41a,41bから上記α線検出パルスPα1’を受けると、当該α線検出パルスPα1’をα線用のコインシデンス回路43に出力する。
コインシデンス回路43は、波形弁別器42a,42bから上記α線検出パルスPα1’を受けると、これらは同時入力なので、当該α線検出パルスPα1’をα線用の計数回路51に出力する。
(ガス導入室22内のRn/Tnのα線がシンチレータ15に入射した場合)
上記と同様に、当該α線によりZnSシンチレータ15のみが発光し、この発光に対応するα線検出パルスPα2’がα線用の計数回路51に出力される。
なお、ガス導入室21または23内のRn/Tnからα線が放出され、当該α線がプラスチックシンチレータ12または13に入射した場合、当該α線は、プラスチックシンチレータ12または13に遮断され、ZnSシンチレータ14または15には入射しない。
以上のように、β線用の計数回路53には、85Krのβ線に対応するβ線検出パルスPβ1〜Pβ4と、Rn/Tnのβ線に対応するβ線検出パルスPβ1’〜Pβ4’と、Rn/Tnのγ線に対応するγ線検出パルスPγ3’,Pγ4’とが入力される。また、α線用の計数回路51には、Rn/Tnのα線に対応するα線検出パルスPα1’,Pα2’が入力される。宇宙線については、プラスチックシンチレータ12,13による検出信号のアンチコインシデンスをとることにより除去される。
α線用の計数回路51は、コインシデンス回路43,47から入力されるα線検出パルスPα1’,Pα2’をカウントし、単位時間当たりのパルス数であるα線計数率を求め、当該α線計数率を演算部54に渡す。
β線用の計数回路53は、アンチコインシデンス回路52から入力されるβ線検出パルスPβ1〜Pβ4,Pβ1’〜Pβ4’、およびγ線検出パルスPγ3’,Pγ4’をカウントし、単位時間当たりのパルス数であるβ・γ線計数率を求め、当該β・γ線計数率を演算部54に渡す。
演算部54は、上記α線計数率に基づき、Rn/Tnによるβ線およびγ線の計数率を推定し、推定された計数率を上記β・γ線計数率から差し引くことで、85Krによる正味のβ線計数率を求める。具体的には、演算部54は、下記(1)式に基づいて、85Krによる正味のβ線計数率Cβを算出する。
Cβ=Cβγ−Cα×K ・・・(1)
ただし、上記(1)式において、Cβγはβ・γ線計数率であり、Cαはα線計数率であり、Kは予め実験等により定められる係数である。
ついで、演算部54は、算出された正味のβ線計数率に基づいて、大気中の85Krの濃度を表すパラメータとして、単位体積当たりの放射能量(Bq/cm3)を算出し、得られた85Kr濃度を表示部55に渡す。表示部55は、演算部54から受けた85Kr濃度を表示画面上に表示させる。
以上のとおり、本実施の形態に係るシンチレーション検出器10は、β線およびγ線に感応して光を発するプラスチックシンチレータ12,13と、これらを挟んだ両側およびこれらの間に設けられた、サンプルガスが導入されるガス導入室21,22,23と、両側のプラスチックシンチレータの内側に近接して配置された、ガス導入室22内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発するZnSシンチレータ14,15と、両側のシンチレータ間を遮光する遮光膜16,17と、プラスチックシンチレータ12,13を挟んで両側に設けられた、それぞれと同じ側に配置されたシンチレータの光を検出する光検出部31,32と、を有する。そして、プラスチックシンチレータ12,13、ZnSシンチレータ14,15、および遮光膜16,17は、一方のプラスチックシンチレータに入射した85Krのβ線が他方のプラスチックシンチレータに入射しないように構成されるとともに、γ線透過性を有する。
上記構成では、85Krのβ線は、一方側のプラスチックシンチレータに入射し、他方側のプラスチックシンチレータには入射しない。そして、上記一方側のプラスチックシンチレータは、上記β線の入射により光を発する。この光は、上記一方側の光検出部にて検出されるが、遮光膜に遮られ他方側の光検出部には検出されない。すなわち、85Krのβ線は、一方側の光検出部で検出される。宇宙線は、両側のプラスチックシンチレータを発光させ、両側の光検出部で検出される。Rn/Tnのβ線およびγ線のうち一方側のプラスチックシンチレータのみに入射するものについては、当該一方側の光検出部にて検出される。Rn/Tnのβ線およびγ線のうち両側のプラスチックシンチレータに入射するものについては、両側の光検出部で検出される。Rn/Tnのα線は、一方側のZnSシンチレータに入射し、他方側のZnSシンチレータには入射しない。そして、上記一方側のZnSシンチレータは、上記α線の入射により光を発する。この光は、上記一方側の光検出部にて検出されるが、遮光膜に遮られ他方側の光検出部には検出されない。すなわち、Rn/Tnのα線は、一方側の光検出部で検出される。
よって、本実施の形態に係るシンチレーション検出器10によれば、85Krのβ線、宇宙線、およびRn/Tnのα・β・γ線を弁別することが可能となり、85Krから放出されるβ線を正確に検出することが可能となる。具体的には、両側の光検出部の検出信号のアンチコインシデンスをとることにより、検出信号から宇宙線成分を除去することができる。また、波形弁別を行うことにより、光検出部の検出信号をα線成分とβ・γ線成分とに弁別することができ、検出信号からRn/Tnのα線成分を除去することができる。そして、弁別されたα線成分からRn/Tnのβ・γ線成分を推定することができ、検出信号からRn/Tnのβ・γ線成分を除去することができる。これにより、検出信号から宇宙線成分およびRn/Tnの放射線成分を除去することができ、85Krのβ線だけを検出することができる。この結果、感度良く85Krのβ線を検出することができ、高感度のクリプトンガスモニタを提供することが可能となる。
また、本実施の形態では、2つの板状のプラスチックシンチレータ12,13は、互いに略平行に近接配置される。このため、2つのシンチレータが大きく離して配置された場合と比較して、一方のプラスチックシンチレータに入射したγ線を他方のプラスチックシンチレータに確実に入射させることができる。これにより、より確実に宇宙線成分をキャンセルすることが可能となり、より正確に85Krのβ線の量を検出することが可能となる。また、プラスチックシンチレータ12,13を宇宙線の到来方向に平行に設置した場合であっても、両方のプラスチックシンチレータで確実に宇宙線を検出することができる。このため、プラスチックシンチレータを宇宙線の到来方向に平行に設置することによるノイズ低減効果と、宇宙線成分をキャンセルすることによるノイズ低減効果との両立を図ることが可能となり、より正確にβ線を検出することが可能となる。
また、本実施の形態では、互いに略同一の特性を有する2つのプラスチックシンチレータ12,13を用いるので、2つのプラスチックシンチレータ12,13で宇宙線を同様に検出することができ、宇宙線成分のキャンセルを良好に行うことができる。
また、本実施の形態では、2つのプラスチックシンチレータ12,13の両方を用いてβ線を検出するので、一方のシンチレータだけでβ線を検出する構成と比較して、β線の検出を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態に係るクリプトンガスモニタ1(放射線検出装置)では、光検出部31,32の出力信号を、α線の検出パルスと、β線またはγ線の検出パルスとに波形弁別する。そして、弁別された2系統のα線の検出パルスを計数する。また、弁別された2系統のβ線またはγ線の検出パルスのアンチコインシデンスをとり、アンチコインシデンスの出力パルスを計数する。そして、これらの計数結果に基づいて、85Krのβ線の量を算出する。このため、本実施の形態に係るクリプトンガスモニタ1によれば、シンチレーション検出器10の検出信号から、宇宙線成分およびRn/Tnの放射線成分を除去して、85Krのβ線の量を正確に測定することができる。
なお、上記実施の形態では、円筒形のシンチレーション検出器を例示したが、シンチレーション検出器の形状はこれに限られず、例えば四角筒形状などであってもよい。
また、上記実施の形態では、ZnSシンチレータを両側に設け、両側でα線を検出する構成としたが、片側だけにZnSシンチレータを設け、片側だけでα線を検出する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、両側のZnSシンチレータ14,15に遮光膜16,17を貼り付けることとしたが、両側のシンチレータ間を遮光する遮光体は、適宜の態様で設置可能である。例えば、図4に示されるように、ZnSシンチレータ14,15の間に、ZnSシンチレータ14,15とは離間して、遮光性のある反射板18を配置してもよい。さらに、ZnSシンチレータが十分に遮光性を有していれば、ZnSシンチレータが遮光体として機能してもよい。この場合には、遮光膜16,17や反射板18などといった、特別な遮光体は省略可能である。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るクリプトンガスモニタは、上記クリプトンガスモニタ1と殆ど同じものであるが、シンチレーション検出器の構成が異なるものである。以下、本実施の形態に係るクリプトンガスモニタについて説明するが、上記クリプトンガスモニタ1と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略する。
図5は、本実施の形態に係るシンチレーション検出器60の概略構成を示す側断面図である。図5に示されるように、シンチレーション検出器60は、円筒状の筐体61を有する。筐体61の中央部分には、2つの矩形平板状のプラスチックシンチレータ62,63が、筐体61の軸方向に沿って延びるように、互いに略平行に近接して配置されている。プラスチックシンチレータ62,63は、本実施の形態では、互いに同一仕様であり、略同一の特性を有する。
プラスチックシンチレータ62,63の間には、矩形平板状の遮光体64が配置されている。この遮光体64の面形状はプラスチックシンチレータ62,63と略同一であり、単位面積当りの質量は例えば200mg/cm2であり、厚さは例えば0.1〜1.0mmである。遮光体64は、少なくともプラスチックシンチレータ62,63間を遮光する機能を有するものであり、好ましくは光を反射する機能を有する。本実施の形態では、遮光体64は、表面が反射材でコートされた反射板である。
プラスチックシンチレータ62,63および遮光体64は、本実施の形態では、互いに密着して配置されており、3重のサンドイッチ構造を形成している。
プラスチックシンチレータ62,63を挟んだ両側には、ガス導入室65,66が形成されている。ガス導入室65は、筐体61の内面およびプラスチックシンチレータ62の外側面により仕切られた略半円筒状の室であり、ガス導入室66は、筐体61の内面およびシンチレータ63の外側面により仕切られた略半円筒状の室である。ガス導入室65,66には、不図示のポンプ等によって、サンプルガスとして85Krを含む外気が導入される。具体的には、ガス導入室65,66の一方(図5では上側)の開口から外気が導入され、他方(図5では下側)の開口から排出される。
また、プラスチックシンチレータ62,63のそれぞれの外側の表面上には、ZnSシンチレータ67,68が密着配置されている。ZnSシンチレータ67,68は、プラスチックシンチレータ62,63の光がZnSシンチレータ67,68の外側に出射可能な態様で配置される。本実施の形態では、プラスチックシンチレータ62,63の外側表面上にZnS(Ag)を格子状やストライプ状に塗布することにより、ZnSシンチレータ67,68が形成されている。
また、プラスチックシンチレータ62,63を挟んだ両側には、それぞれと同じ側に配置されたシンチレータの光を検出する光検出部71,72が配置されている。一方側の光検出部71は、当該一方側に配置された、プラスチックシンチレータ62およびZnSシンチレータ67の光を検出し、他方側の光検出部72は、当該他方側に配置された、プラスチックシンチレータ63およびZnSシンチレータ68の光を検出する。具体的には、筐体61のプラスチックシンチレータ62側には、光検出部71として、シンチレータ62,67の光を検出する一対のPMT71a,71bが取り付けられている。また、筐体61のプラスチックシンチレータ63側には、光検出部72として、シンチレータ63,68の光を検出する一対のPMT72a,72bが取り付けられている。
上記構成において、プラスチックシンチレータ62,63および遮光体64は、一方のプラスチックシンチレータに入射した85Krのβ線が他方のプラスチックシンチレータに入射しないように構成されている。本実施の形態では、85Krのβ線を遮蔽するβ線遮蔽能を遮光体64が有し、85Krのβ線は実質的に遮光体64で遮蔽される。ただし、プラスチックシンチレータに十分なβ線遮蔽能を持たせ、プラスチックシンチレータでβ線を遮蔽してもよい。
また、プラスチックシンチレータ62,63、ZnSシンチレータ67,68、および遮光体64は、一方のプラスチックシンチレータに入射したγ線が他方のプラスチックシンチレータにも入射するように、γ線透過性を有する。
また、プラスチックシンチレータ62,63は、宇宙線(γ線)の影響を出来るだけ小さくするため、天頂方向(図5の矢印B方向)に略平行に配置される。
なお、シンチレーション検出器以外の構成(符号41〜55で示される構成要素)は、上記第1の実施の形態と同様である。
以下、上記構成を有するクリプトンガスモニタの動作について説明する。
(ガス導入室65内の85Krのβ線がシンチレータ62に入射した場合)
この場合、プラスチックシンチレータ62は、当該β線に感応してシンチレーション光を発する。このシンチレーション光は、PMT71a,71bに受光されるが、遮光体64に遮光されるためPMT72a,72bには受光されない。また、上記β線は、プラスチックシンチレータ62や遮光体64によって遮断され、反対側のプラスチックシンチレータ63には入射しない。
よって、上記第1の実施の形態と同様に、プラスチックシンチレータ62の発光に対応するβ線検出パルスPβ1がβ線用の計数回路53に出力される。
(ガス導入室66内の85Krのβ線がシンチレータ63に入射した場合)
上記と同様に、当該β線によりプラスチックシンチレータ63のみが発光し、この発光に対応するβ線検出パルスPβ2がβ線用の計数回路53に出力される。
(プラスチックシンチレータに宇宙線が入射した場合)
上記第1の実施の形態と同様に、当該宇宙線により両側のプラスチックシンチレータ62,63が発光するので、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室65内のRn/Tnのβ線がシンチレータ62に入射した場合)
上記第1の実施の形態と同様に、当該β線が反対側のプラスチックシンチレータ63に入射しなければ、β線検出パルスPβ1’がβ線用の計数回路53に出力され、プラスチックシンチレータ63に入射すれば、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室66内のRn/Tnのβ線がシンチレータ63に入射した場合)
上記第1の実施の形態と同様に、当該β線が反対側のプラスチックシンチレータ62に入射しなければ、β線検出パルスPβ2’がβ線用の計数回路53に出力され、プラスチックシンチレータ62に入射すれば、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(Rn/Tnのγ線がシンチレータ62または63に入射した場合)
当該γ線によりプラスチックシンチレータ62,63の両方が発光するので、上記第1の実施の形態と同様に、アンチコインシデンスの効果により、β線用の計数回路53に対するパルスの出力は生じない。
(ガス導入室65内のRn/Tnのα線がシンチレータ67に入射した場合)
この場合、ZnSシンチレータ67は当該α線に感応してシンチレーション光を発する。このシンチレーション光は、PMT71a,71bに受光されるが、遮光体64に遮光されるためPMT72a,72bには受光されない。また、当該α線は、プラスチックシンチレータ62や遮光体64によって遮断され、反対側のZnSシンチレータ68には入射しない。
よって、ZnSシンチレータ67の発光に対応するα線検出パルスPα1’がα線用の計数回路51に出力される。
(ガス導入室66内のRn/Tnのα線がシンチレータ68に入射した場合)
上記と同様に、当該α線によりZnSシンチレータ68が発光し、α線検出パルスPα2’がα線用の計数回路51に出力される。
以上のように、β線用の計数回路53には、85Krのβ線に対応するβ線検出パルスPβ1,Pβ2と、Rn/Tnのβ線に対応するβ線検出パルスPβ1’,Pβ2’とが入力される。また、α線用の計数回路51には、Rn/Tnのα線に対応するα線検出パルスPα1’,Pα2’が入力される。宇宙線およびRn/Tnのγ線については、プラスチックシンチレータ62,63による検出信号のアンチコインシデンスをとることにより除去される。
α線用の計数回路51は、α線検出パルスPα1’およびPα2’をカウントしてα線計数率を求め、当該α線計数率を演算部54に渡す。
β線用の計数回路53は、β線検出パルスPβ1,Pβ2,Pβ1’,Pβ2’をカウントしてβ線計数率を求め、当該β線計数率を演算部54に渡す。
演算部54は、上記α線計数率に基づき、Rn/Tnによるβ線の計数率を推定し、推定された計数率を上記β線計数率から差し引くことで、85Krによる正味のβ線計数率を求める。具体的には、演算部54は、上記(1)式に基づいて、85Krによる正味のβ線計数率Cβを算出する。ただし、(1)式における係数Kには、本実施の形態に係るクリプトンガスモニタ用のものが用いられる。
以上のとおり、本実施の形態に係るシンチレーション検出器60は、β線およびγ線に感応して光を発するプラスチックシンチレータ62,63と、両者間を遮光する遮光体64と、プラスチックシンチレータ62,63を挟んで両側に設けられた、サンプルガスが導入されるガス導入室65,66と、ガス導入室65,66に対応して配置された、対応するガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発するZnSシンチレータ67,68と、プラスチックシンチレータ62,63を挟んで両側に設けられた、それぞれと同じ側に配置されたシンチレータの光を検出する光検出部71,72と、を有する。そして、プラスチックシンチレータ62,63および遮光体64は、一方のプラスチックシンチレータに入射した検出対象核種のβ線が他方のプラスチックシンチレータに入射しないように構成されるとともに、γ線透過性を有する。
上記構成では、85Krのβ線は、一方側の光検出部で検出される。宇宙線およびRn/Tnのγ線は、両側の光検出部で検出される。Rn/Tnのβ線のうち一方側のプラスチックシンチレータのみに入射するものは、当該一方側の光検出部にて検出される。Rn/Tnのβ線のうち両側のプラスチックシンチレータに入射するものは、両側の光検出部で検出される。Rn/Tnのα線は、一方側の光検出部で検出される。
よって、本実施の形態に係るシンチレーション検出器60によれば、85Krのβ線、宇宙線、およびRn/Tnのα・β・γ線を弁別することが可能となり、85Krから放出されるβ線を正確に検出することが可能となる。具体的には、両側の光検出部の検出信号のアンチコインシデンスをとることにより、検出信号から宇宙線成分およびRn/Tnのγ線成分を除去することができる。また、波形弁別を行うことにより、光検出部の検出信号をα線成分とβ・γ線成分とに弁別することができ、検出信号からRn/Tnのα線成分を除去することができる。そして、弁別されたα線成分からRn/Tnのβ線成分を推定することができ、検出信号からRn/Tnのβ線成分を除去することができる。これにより、検出信号から宇宙線成分およびRn/Tnの放射線成分を除去することができ、85Krのβ線だけを検出することができる。
また、本実施の形態では、2つのプラスチックシンチレータ62,63の間にガス導入室が必要とされない。このため、85Krのβ線の正確な検出を可能とするシンチレーション検出器を簡易な構成で実現することができる。また、プラスチックシンチレータ同士をより近接させて配置することができ、より高いγ線成分のキャンセル効果を得ることが可能となる。
また、本実施の形態では、プラスチックシンチレータ62,63および遮光体64は密着して配置されるので、さらに高いγ線成分のキャンセル効果を得ることが可能となる。
なお、上記実施の形態では、プラスチックシンチレータの表面上にZnSシンチレータを設ける構成を示したが、ZnSシンチレータは、ガス導入室内の検出妨害各種から放出されるα線に感応して光を発することができ、かつ当該光が光検出部により検出可能であれば、適宜の態様で設置可能である。例えば、図6に示されるように、ガス導入室65,66の内面に、ZnSシンチレータ69,70が設けられてもよい。図6において、ZnSシンチレータ69,70は、例えば、筐体61の壁面内側にZnS(Ag)を塗布することにより形成されている。なお、ZnS(Ag)は、PMT71a,71b,72a,72bの受光面(窓)の部分には塗布されない。
また、上記実施の形態では、ZnSシンチレータを両側に設け、両側でα線を検出する構成としたが、片側だけにZnSシンチレータを設け、片側だけでα線を検出する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、両側のシンチレータを用いて検出対象核種のβ線を検出する構成としたが、一方側のシンチレータによりβ線を検出する次のような構成としてもよい。すなわち、シンチレーション検出器は、β線およびγ線に感応して光を発する板状の第1のシンチレータと、これに略平行に近接して配置された、γ線に感応して光を発する板状の第2のシンチレータと、両シンチレータ間を遮光する遮光体と、第1のシンチレータの外面側に設けられた、サンプルガスが導入されるガス導入室と、当該ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発するα線用のシンチレータと、第1のシンチレータの外面側に設けられた、第1およびα線用のシンチレータの光を検出する第1の光検出部と、第2のシンチレータの外面側に設けられた、第2のシンチレータの光を検出する第2の光検出部と、を有する。そして、第1のシンチレータおよび遮光体は、第1のシンチレータに入射した検出対象核種のβ線が第2のシンチレータに入射しないように構成されるとともに、γ線透過性を有する。
この構成では、ガス導入室の検出対象核種から放出されたβ線は、第1のシンチレータに入射し、第2のシンチレータには入射しない。そして、第1のシンチレータは、上記β線の入射により光を発する。この光は、第1の光検出部にて検出されるが、遮光体に遮られ第2の光検出部には検出されない。宇宙線および検出妨害核種のγ線は、第1および第2の両方の光検出部で検出される。ガス導入室の検出妨害核種から放出されたβ線のうち第1のシンチレータのみに入射するものは、第1の光検出部で検出され、第1および第2のシンチレータに入射するものは、第1および第2の両方の光検出部で検出される。ガス導入室の検出妨害核種のα線は、第1の光検出部で検出される。
よって、当該構成のシンチレーション検出器によっても、宇宙線および検出妨害核種の影響を除去して、検出対象核種のβ線を検出することが可能となる。
なお、上記構成では、第1および第2のシンチレータのγ線に対する感度は、互いに略同一であることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。例えば、検出対象核種は、85Krに限られず、例えば放射性キセノン(133Xe)などであってもよい。また、上記実施の形態では、プラスチックシンチレータはβ線およびγ線に感度を有するとしたが、α線にも感度を有していてもよい。この場合、上記(1)式の係数Kは、Rn/Tnのα線によるプラスチックシンチレータの発光を考慮して決められることが好ましい。また、上記実施の形態では、β・γ線用のシンチレータとは別にα線用のシンチレータを設けているが、β・γ線用のシンチレータにα線の感度を十分に持たせ、β・γ線用のシンチレータをα線用のシンチレータとして機能させることも可能である。
第1の実施の形態に係るクリプトンガスモニタの全体構成を示す概略図である。 第1の実施の形態に係るシンチレーション検出器の概略構成を示す側断面図である。 第1の実施の形態に係るシンチレーション検出器の概略構成を示す上面図である。 第1の実施の形態に係るシンチレーション検出器の変形例を示す概略側断面図である。 第2の実施の形態に係るシンチレーション検出器の概略構成を示す側断面図である。 第2の実施の形態に係るシンチレーション検出器の変形例を示す概略側断面図である。 従来のクリプトンガスモニタの概略構成図である。 特許文献1に開示されているシンチレーション検出器の概略構成図である。
符号の説明
1 クリプトンガスモニタ、10,60 シンチレーション検出器、11,61 筐体、12,13,62,63 プラスチックシンチレータ、14,15,67,68,69,70 ZnSシンチレータ、16,17 遮光膜、18 反射板、21,22,23,65,66 ガス導入室、31,32,71,72 光検出部、31a,31b,32a,32b,71a,71b,72a,72b 光電子増倍管(PMT)、41a,41b,45a,45b プリアンプ、42,46 波形弁別部、42a,42b,46a,46b 波形弁別器、43,44,47,48 コインシデンス回路、51,53 計数回路、52 アンチコインシデンス回路、54 演算部、55 表示部、64 遮光体。

Claims (6)

  1. サンプルガス中の検出対象核種から放出されるβ線を検出するためのシンチレーション検出器であって、
    互いに平行に離間して配置され、β線及びγ線に感応して光を発する板状の第1及び第2のβ・γ線用シンチレータと、
    前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータからなる平行配置体の両側に設けられ、前記サンプルガスが導入される第1及び第2ガス導入室と、
    前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータの間に設けられ、前記サンプルガスが導入される第3ガス導入室と、
    前記第1のβ・γ線用シンチレータにおける第3ガス導入室側に配置され、前記第3ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第1のα線用シンチレータと、
    前記第2のβ・γ線用シンチレータにおける第3ガス導入室側に配置され、前記第3ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第2のα線用シンチレータと、
    前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータの間を遮光する遮光体と、
    前記第1のβ・γ線用シンチレータの第1ガス導入室側に設けられ、前記第1のβ・γ線用シンチレータ及び前記第1のα線用シンチレータの光を検出する第1光検出部と、
    前記第2のβ・γ線用シンチレータの第2ガス導入室側に設けられ、前記第2のβ・γ線用シンチレータ及び前記第2のα線用シンチレータの光を検出する第2光検出部と、
    を有し、
    前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータ、前記第1及び第2のα線用シンチレータ、及び、前記遮光体からなる構成は、一方のβ・γ線用シンチレータに入射した検出対象核種のβ線を他方のβ・γ線用シンチレータに入射させないものでありかつγ線透過性を有する、
    ことを特徴とするシンチレーション検出器。
  2. サンプルガス中の検出対象核種から放出されるβ線を検出するためのシンチレーション検出器であって、
    互いに平行に配置され、β線及びγ線に感応して光を発する板状の第1及び第2のβ・γ線用シンチレータと、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータの間を遮光する遮光体と、からなるサンドイッチ構造と、
    前記サンドイッチ構造の両側に設けられ、前記サンプルガスが導入される第1及び第2ガス導入室と、
    前記第1ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第1のα線用シンチレータと、
    前記第2ガス導入室内の検出妨害核種から放出されるα線に感応して光を発する第2のα線用シンチレータと、
    前記第1のβ・γ線用シンチレータ及び前記第1のα線用シンチレータの光を検出する第1検出部と、
    前記第2のβ・γ線用シンチレータ及び前記第2のα線用シンチレータの光を検出する第2検出部と、
    を有し、
    前記サンドイッチ構造は、一方のβ・γ線用シンチレータに入射した検出対象核種のβ線を他方のβ・γ線用シンチレータに入射させないものでありかつγ線透過性を有する、
    ことを特徴とするシンチレーション検出器。
  3. 請求項に記載されたシンチレーション検出器であって、
    前記第1及び第2のα線用のシンチレータは、前記1及び第2のガス導入室の内面に設けられることを特徴とするシンチレーション検出器。
  4. 請求項1又は2に記載されたシンチレーション検出器であって、
    前記第1及び第2のα線シンチレータはZnS(Ag)シンチレータであり、前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータはプラスチックシンチレータであることを特徴とするシンチレーション検出器。
  5. 請求項1又は2に記載されたシンチレーション検出器であって、
    前記第1及び第2のβ・γ線用シンチレータは、天頂方向に平行に配置されることを特徴とするシンチレーション検出器。
  6. 請求項1又は2に記載されたシンチレーション検出器と、
    前記第1及び第2光検出部の各々に対応して設けられ、各光検出部の出力信号をα線の検出パルスとβ線またはγ線の検出パルスとに波形弁別する2つの波形弁別部と、
    前記2つの波形弁別部により弁別されたα線の検出パルスを計数するα線計数部と、
    前記2つの波形弁別部により弁別されたβ線またはγ線の検出パルスについて非同時計数を行う非同時計数部と、
    前記非同時計数部の出力パルスを計数するβ線計数部と、
    前記α線計数部および前記β線計数部の計数結果に基づき、前記検出対象核種のβ線の量を算出する演算部と、
    を有することを特徴とする放射線検出装置。
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