JP3027886B2 - 放射性ガスモニタ用シンチレーション検出器 - Google Patents
放射性ガスモニタ用シンチレーション検出器Info
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Description
シンチレーション検出器、特に、低濃度、低エネルギー
の放射線を検出するシンチレーション検出器の構造に関
する。
出器は、放射線管理区域内からのガスが放出される時、
放射性物質による放出ガスの汚染の有無を検知するため
に用いられるものであり、近年、極めて低濃度・低エネ
ルギーの放射性物質の検知が可能であることが要請され
ている。
用シンチレーション検出器の構成および動作原理を説明
する。図4において、1は測定対象である放射性ガスを
示す。3は、放射性ガス1を導入・排出するガス入口2a
とガス出口2bを有するガス容器3aと、このガス容器3aの
一つの面(図示例では上部で、広い開口面積を有す)に
取付けられ放射線5a、5bをシンチレーション光10a 、10
b に変換するプラスチックシンチレータ7と、から構成
された放射性ガスモニタ用のガス容器である。このガス
容器3と、ガス容器3のシンチレータ7に取付けられシ
ンチレーション光を導く光ガイド8と、この光ガイド8
によって導かれてきたシンチレーション光を電流に変換
し増幅する光電子増倍管9と、から放射性ガスモニタ用
シンチレーション検出器が構成されている。
斜めの面には、外部からの迷光が侵入して、シンチレー
ション光として誤検出されることが無いように遮光膜が
形成されている。かかる構成で、放射性ガス1はガス入
口2aからガス容器3に導入されガス出口2bより排出され
る。ガス容器3に導入された放射性ガス1より放射され
た放射線5a、5bがシンチレータ7に入射すると、この放
射線はシンチレーション光10a 、10b に変換され、この
シンチレーション光10a 、10b はシンチレータ7に取付
けられた光ガイド8に入射し、光ガイド8により光電子
増倍管9に導かれ、電気的パルス信号に変換される。こ
のパルス信号が信号処理部にて信号処理され、放射線の
パルス数として計数される。
面から放出される放射線を検出する目的のシンチレーシ
ョン検出器を示し、本発明の用途目的(低濃度・低エネ
ルギーの放射性物質の検知)とは異なる他の目的(エネ
ルギーレベルが高い放射性物質の検知)で使用される大
面積のシンチレーション検出器である。人体表面モニタ
ーは作業者が放射線管理区域から退出する際に、作業者
が通過するゲートに図5の検出器が多数配設され、放射
線量が許容値以下であることを検知して、始めてゲート
が開けられ、作業者が退出できるものである。従来、こ
の種の人体表面モニターとか、物品搬出モニターでは検
知される放射線のエネルギーレベルが比較的高いβ線が
対象であり、検出器から多少離れた場所から放出された
放射線も十分検知できるものである。
チレーション光反射膜16(図示例では下部)が設けられ
ている。18は、シンチレータ17の光反射膜16とは反対側
の面に取付けられた板状部 18aと、板状部 18aからシン
チレータ17とは反対側に突出する突出部 18bと、この突
出部の側面に形成された少なくとも一個の光出射窓19と
を有し、プラスチックシンチレータ17に接する面と光出
射窓19が設けられている面を除く板状部 18aおよび突出
部 18bの輪郭面の少なくとも一部を、シンチレーション
光10が光出射窓19に到達し易いように曲面または斜面に
形成し、シンチレータ17から出射されるシンチレーショ
ン光10を光反射膜16と板状部 18aおよび突出部 18bの輪
郭面との反射により光出射窓19に導く光ガイドで、光出
射窓19には、シンチレーション光10を電流に変換し増幅
する光電子増倍管9が取付けられている。
積のプラスッチクシンチレータ17の任意の有感部に入射
した放射線はシンチレーション光10に変換され、光反射
膜16と光ガイド18の輪郭面での反射によって光出射窓19
に効率的に導かれ、光電子増倍管9にてパルス電流に変
換・検出され、大面積のシンチレーション検出器が構成
される。なお、プラスチックシンチレータ17の横の端面
と光ガイド18のシンチレータ17に接する面と光電子増倍
管に接する面を除きその他の面には、外部からの迷光が
侵入して、シンチレーション光として誤検出されること
が無いように遮光膜が形成されている。シンチレーショ
ン光反射膜16は、人体表面モニターとしてプラスチック
シンチレータ17が直接外界に晒されているため、外部か
らの迷光侵入防止の機能と、光ガイド18の輪郭面との反
射を利用してシンチレーション光10を光出射窓19に効率
的に導く機能と、を兼備えている。
モニタ用シンチレーション検出器で低濃度の放射線を測
定するためには、まず、ガス容器3の容積を増やし、シ
ンチレータに入射する放射線の数を増やすことである。
また、低エネルギーの放射線、特に、低エネルギーのβ
線(放射性同位元素14C)については、放射線の飛程が
短く、数cm程度の飛程でそのエネルギーは大きく減衰
する。そのため、ガス容器内の任意場所の放射性物質か
ら放出される放射線がシンチレータへ入射する距離を短
くする必要がある。即ち、ガス容器3は薄く、従って、
プラスチックシンチレータ7、17の有効面積はさらに広
くしなければならない。
ータ7の有効面積を広くするに従って、シンチレータ7
の端で出射したシンチレーション光、例えば、10b は光
ガイド8の斜面で反射されて、シンチレータ7へ戻され
る。このシンチレータ7には、後述の理由によりシンチ
レーション光反射膜が無いので、この戻された光は有効
に活用されない。即ち、シンチレータ7から出射したシ
ンチレーション光は光電子増倍管9へ直射する成分のみ
が有効となり、この成分の有効エネルギーは電子増倍管
の直下部よりシンチレータ7の端へずれるに従って急速
に減衰し、シンチレータ7の端で出射したシンチレーシ
ョン光の集光は困難となる。
ネルギーのβ線については、前述の如く、放射線の飛程
が短く、数cm程度の飛程でそのエネルギーは大きく減
衰し、測定が困難となる。従来技術の放射性ガスモニタ
用シンチレーション検出器のシンチレータ7にシンチレ
ーション光反射膜を有しない理由は、外界からの迷光は
ガス容器3aにて遮光されているため、この光反射膜によ
る放射線の減衰をさけ、検出器としての必要な感度を得
るためである。しかし、シンチレータ7が光反射膜を有
しないため、放射性ガス1が直接シンチレータ7に接す
ることとなり、シンチレータ7を汚染するという欠点が
ある。さらに、光ガイド8が寸法的に大きく、重量も重
いという欠点もある。
開発された技術であり、放射性ガスモニタ用シンチレー
ション検出器として低濃度・低エネルギーの放射線を測
定するものは従来実用化されていなかった。特に、低濃
度(1〜2個/秒)程度の放射性同位元素14Cを工業的
に測定するには適切なものがなかった。本発明は上記の
点にかんがみてなされたものであり、その目的は前記し
た課題を解決して、低エネルギーの放射線を低濃度まで
測定できる放射性ガスモニタ用シンチレーション検出器
を提供することにある。
に、本発明の放射性ガスモニタ用シンチレーション検出
器は、放射性ガスを流入する入口と前記放射性ガスを排
出する出口を有するほぼ短胴筒状の枠体と、シンチレー
ション光反射膜を有し、この光反射膜を前記枠体の内側
に向けてこの枠体の対向する両端面に設けられ、放射線
をシンチレーション光に変換するプラスチックシンチレ
ータと、このシンチレータに密接して設けられ、光出射
窓を有し、前記シンチレーション光を前記光出射窓に導
く光ガイドと、前記光出射窓に密接して設けられ、前記
光出射窓から出射するシンチレーション光を電流に変換
し増幅する光電子増倍管と、を備え、前記枠体と前記シ
ンチレータとで検出対象としての前記放射性ガスの容積
を規定するガス容器が構成されてなる、放射性ガスモニ
タ用シンチレーション検出器であって、前記光ガイド
は、板状部と、この板状部から前記プラスチックシンチ
レータとは反対側に突出する突出部と、を備え、この突
出部の側面に前記光出射窓が形成され、前記シンチレー
ション光反射膜と前記板状部および突出部の輪郭面とで
前記シンチレーション光を反射して前記光出射窓に導く
ものであり、前記ガス容器に取付けられた前記プラスチ
ックシンチレータが、検出対象の放射線の飛程以下の距
離間隔で対向配置して構成するものとする。
用シンチレーション検出器において、光ガイドは、この
光ガイドの内面に設けられた光反射面とシンチレーショ
ン光反射膜とでシンチレーション光を反射をさせて光出
射窓に導くものとする。また、前記構成における放射性
ガスモニタ用シンチレーション検出器において、1個の
光ガイドが2個の光出射窓を有し、この光出射窓の各々
に光電子増倍管が配設され、光電子増倍管にて検出され
たパルス波高値を検出対象の放射線に応じて予め設定さ
れた閾値に基づいて弁別する弁別手段と、2個の光電子
増倍管の検出出力を前記弁別手段で弁別して得られた信
号の論理積演算を行ってその演算結果を出力する第一信
号処理部と、前記ガス容器の上下に設けられた一対の前
記第一信号処理部の前記論理積演算出力どうしの排他論
理和を演算する第二信号処理部と、を備えるものとす
る。
度の放射性ガスが放射する放射線は、近接した間隔で相
対向したどちらかのシンチレーション光反射膜を透過
し、プラスチックシンチレータに入射し、シンチレーシ
ョン光に変換される。プラスチックシンチレータの有感
部の任意の場所で出射したシンチレーション光は、光ガ
イドに入射し、光反射膜と光ガイドの面とで反射され
て、比較的少ない光損失で光電子増倍管に導かれ、検出
される。
感面積を広くとり、また、低エネルギーの放射線の飛程
を考慮して、プラスチックシンチレータが比較的狭い間
隔に対向配設されているので、プラスチックシンチレー
タと平行な方向を除いて、大部分の方向に放射された放
射線はどちらかのプラスチックシンチレータに入射し、
低濃度の放射線も所要のガス容器容積を確保し、1〜2
個/秒程度の放射線をほぼ確実にシンチレーション光に
変換し、光電子増倍管に導き、測定することができる。
ラスチックシンチレータに形成されたシンチレーション
光反射膜による放射線エネルギーの減衰、および、光ガ
イドにおけるシンチレーション光の減衰、を受けて光電
子増倍管の出力信号となるが、1個の光ガイドに対して
2個の光出射窓と2個の光電子増倍管を配備し、この2
個の光電子増倍管の検出出力を弁別手段で弁別(予め設
定された上下限閾値内を1とする)し、弁別手段の出力
信号の論理積を放射線の検出出力として出力する。シン
チレーション光に基づく信号は高い確率で両光電子増倍
管に同時入力とするので、所定のエネルギーレベル以上
の弁別信号の論理積は放射線の検出出力となり、また、
両光電子増倍管の出す個々のノイズはランダムであるの
で、その論理積は殆ど出力されない。即ち、低エネルギ
ーの放射線も、光電子増倍管の出す個々のノイズレベル
よりも低い閾値で、高感度に検知することができる。プ
ラスチックシンチレータには上記理由により、前記光反
射膜を有することが可能となり、環境的に安定に動作す
る、工業用の放射能ガスモニタ用シンチレーション検出
器が得られた。
た上限の閾値を越える光電子倍増管の検出出力が入力さ
れたときの弁別出力を0とすることにより、必要以上に
高いエネルギーレベルの放射線は、本来の検出対象であ
る低エネルギーの放射線ではないとして、これを除去す
ることができ、バックグランドノイズとして検出器に与
える影響を除去することができる。
配設されたプラスチックシンチレータに同時に入射し、
シンチレーション光を出射し、両光電子増倍管の論理積
として出力されるが、この出力はガス容器の上下に配設
された光電子増倍管に対応する一対の第一信号処理部の
演算出力の論理積として同時に出力されるため、上下間
の検出器出力の排他論理和をとることにより、宇宙線ノ
イズの影響を除去し、必要とする低濃度・低エネルギー
の放射能ガスを高感度に測定できる。
図2は本発明の他の実施例の要部断面図を示すものであ
り、図3は本発明の実施例の平面図を示すものであり、
図4、図5に対応する同一部材には同じ符号が付してあ
る。図1において、1は測定対象である放射性ガスを示
す。4はガス1を導入・排出するガス入口2aとガス出口
2bを有するほぼ短胴筒状の枠体である。
し、この光反射膜16を枠体4の内側に向けてこの枠体の
対向する両端面に設けられ、放射線5a、5bをシンチレー
ション光 10a、10b に変換するプラスチックシンチレー
タである。以下、図1の構造は上下対象であるので、説
明は上部側で説明し、下部側の部品番号は該当の項に括
弧記号で示す。
れ、光出射窓19A,19B (19C,19D) を有し、シンチレーシ
ョン光10a (10b) を光出射窓19A,19B (19C,19D) に導く
光ガイドであり、9A,9B (9C,9D) は光出射窓19A,19B (1
9C,19D) に密接して設けられ、この光出射窓から出射す
るシンチレーション光 10a (10b)を電流に変換する光電
倍管である。
対象としての放射性ガス1の容積を規定するガス容器13
が構成されている。光ガイド18は、板状部18a と、この
板状部18a からプラスチックシンチレータ17とは反対側
に突出する突出部18b と、を備え、この突出部18b の側
面に2個の光出射窓19A,19B (19C,19D) を有し、プラス
チックシンチレータ17に接する面と光出射窓19A,19B (1
9C,19D) が設けられている面を除く板状部 18aおよび突
出部18b の輪郭面 18e, 18f, 18dの少なくとも一部分を
曲面または斜面に形成し、かつ、輪郭面 18e, 18f, 18d
には、内部からのシンチレーション光 10a、(10b) を光
ガイド18内に反射し、かつ、外部からの迷光の侵に対し
てこれを防ぐ遮光膜が形成されている。プラスチックシ
ンチレータ17から出射されたシンチレーション光 10a、
(10b) は、シンチレーション光反射膜16と輪郭面 18e,
18f, 18dの反射によって、光出射窓19A,19B (19C,19D)
に導かれるように構成されている。
光ガイド18の屈折率をほぼ近い値として、シンチレータ
17と光ガイド18の界面でシンチレーション光が全反射す
ることが少ないようにすることができる。なお、光ガイ
ド18は上述のように構成されるが、これと同様な機能を
有する光ガイドを図2に示す。図2において、輪郭面 1
8e, 18f, 18dに相当する部分を内壁面(点線で図示)に
有し、内部からのシンチレーション光に対して反射機能
を有する固体状壁体で構成された容器と、この容器とシ
ンチレータ17との間の空間に封入された空気と、で構成
しても差し支えない。この場合、光ガイド18は内壁面を
構成する輪郭部のみであるので、光ガイド機構を軽量に
形成することができる。
と、光ガイド18と、光電子増倍管9A,9B (9C,9D) と、を
備えた放射性ガスモニタ用シンチレーション検出器が、
低エネルギー・低濃度の放射能ガスを高感度に測定する
ために、所定の容積を有し、かつ、ガス容器13の相対向
する二面に、放射線の飛程以下の距離間隔で、前記シン
チレータ検出器を各々対向配備して構成している。
例を示す平面図であり、低エネルギーの放射線だけを高
感度に測定するのが目的である。図3において、上部の
光ガイド18に、2個の光出射窓 19A,19B(下部の光ガイ
ド18には 19C,19D) と2個の電子増倍管 9A,9B (下部に
9C,9D)が設けられ、この光電子増倍管 9A,9B (9C,9D)に
て検出された2個の検出信号9a,9b (9c,9d) を第一信号
処理部 11A (11B)に送り、この信号処理部 11A (11B)
は、検出対象の放射線に応じて予め設定された閾値に基
づいて弁別する弁別手段を有し、この弁別された二つの
検出信号の論理積に応じた信号11a (11b) を出力するよ
うに構成されている。
られた一対の第一信号処理部 11A、11B からの信号11a
、11b は第二信号処理部12に入力され、第二信号処理
部12にて検出信号11a,11b の排他論理和12a を出力する
ように構成されている。上記構成によって、放射性ガス
1はガス容器13にガス入口2aから導入されガス出口2bよ
り排出される。ガス容器13に導入された放射性ガス1よ
り放射された放射線5a、5bが光反射膜16を透過してシン
チレータ17に入射する。この放射線はシンチレーション
光 10a、(10b) に変換され、このシンチレーション光は
シンチレータ17に取付けられた光ガイド18に入射し、こ
の光ガイド18により光電子増倍管9A,9B (9C,9D) に導か
れ、電気的パルス信号9a,9b (9c,9d) として検出され
る。この検出信号が上記第一、第二の信号処理部にて信
号処理が行われ、放射線のパルス数として計数される。
17の任意の有感部に入射した放射線に基づくシンチレー
ション光 10a、(10b) を、比較的減衰量少なく光電子増
倍管9A,9B (9C,9D)に導くため、プラスチックシンチレ
ータ17は大面積のものを用いることができる。即ち、所
定のガス容器の容積を有して、相対向するプラスチック
シンチレータ17の間隔を狭くし、低エネルギーの放射線
の大部分を比較的短い距離で、ガス容器13の上下に取付
けられたプラスチックシンチレータ17、17に導くことが
できる。従来技術の放射性ガスモニタ用シンチレータ検
出器では、ガス容器の下方向の放射線は検知できなかっ
たが、本発明の構成では、ガス容器中の数少ない放射性
汚染物質が出射する放射線を効果的に検知することがで
きる。
て述べると、飛程の短い放射線は上述の比較的狭い間隔
で、大面積のシンチレータを相対向させることにより測
定を可能とした。また、測定ガスからシンチレータの汚
染防止の機能を果たす光反射膜16を透過するために生ず
る放射線の減衰は同様に光電子増倍管9A,9B (9C,9D)に
おける検出信号9a,9b (9c,9d) の低下を招く。この検出
信号は雑音から分離する必要がある。図3において、2
個の光電子増倍管9A,9B (9C,9D) を光ガイド18の中央部
に接近して配備し、シンチレータの有感面上の任意の場
所から出射したシンチレーション光 10a、(10b) が両光
電子増倍管9A,9B (9C,9D) に入射するように構成するこ
とにより、シンチレーション光の出射場所から両光電子
増倍管9A,9B (9C,9D) への入射距離はほぼ等しいため、
両光電子増倍管9A,9B (9C,9D) に同時にシンチレーショ
ン光が入射する。この両光電子増倍管9A,9B (9C,9D) の
検出出力9a,9b (9c,9d) を予め設定された下限閾値で弁
別し、かつ、この弁別出力の論理積をとれば、シンチレ
ーション光に基づくパルス信号が両光電子増倍管に入射
したものとして検出できる。一方、光電子増倍管の雑音
出力はランダムに発生するので、前記弁別出力の論理積
をとれば、多くの場合、その出力は発生しない。即ち、
両光電子増倍管の検出出力を予め設定された閾値で弁別
し、かつ、この弁別出力の論理積をとることにより、光
電子増倍管の雑音とシンチレーション光に基づく信号と
が分離・検出することができる。即ち、本検出器を測定
ガスからのシンチレータの汚染防止の機能を果たす光反
射膜16に基づく放射線の減衰を含めて、測定対象をより
低エネルギーの放射線に拡げる手段としても有効であ
る。さらに、ガス容器13の上下に比較的狭い間隔で光電
子増倍管が対向配備されているため、宇宙線ノイズの飛
来に対しても、ガス容器13の上下に配備されたシンチレ
ータ17に同時にシンチレーション光を発光させるため、
上下に設けられた第一信号処理部からの検出信号11a,11
b の排他論理和を出力するように論理構成をすることに
より、宇宙線ノイズの飛来に対しては両検出信号11a,11
b に1が立ち、排他論理和出力は0となり、一方、ガス
容器13内の放射能ガスに基づく検出信号はいずれかの検
出信号11aまたは11bに1が立ち、排他論理和出力は1
となる。即ち、宇宙線ノイズの飛来に基づく影響も上記
論理構成により効果的に除去することができる。
レータ検出器では、上述の如く、前記プラスチックシン
チレータが大面積を有する構成となっている。即ち、ガ
ス入口2aから放射能ガスを導入し、ガス出口2bに排出す
るガス容器3に放射性ガス1を導入した場合、容器の場
所によりガスがよどむ場所が発生する。このような場所
の存在は、ガス容器の有効容積の減少に作用したり、さ
らには、よどみ場所に放射性汚染物質が滞留した場合は
放射性物質が長期滞留することにより、放射性ガスモニ
タとしての測定に誤差を与える。そのため、ガス容器内
の放射性ガスを攪拌する手段、あるいは、ガス容器内に
仕切りを設けてガスの流れを一様にする手段、により低
濃度の放射性ガスを測定することは、測定データの再現
性の向上に役立つ。
ータ検出器によって、放射性同位元 14Cを含むガスから
のエネルギーが低い放射線を、その濃度がガス容器の全
体体積中で1〜2個/秒程度の場合にも高い検出効率で
測定できることが確かめられている。
ば、大型化したシンチレータと、このシンチレータの任
意の位置のシンチレーション光を集光できる光ガイド
と、シンチレーション光を電気信号に変換する光電子増
倍管とを備えたシンチレーション検出器において、放射
性ガスが導かれる短胴筒状のガス容器の両端面にシンチ
レータを、その放射線有感面が対向するように配置し、
かつ、低エネルギーの放射線でもどちらか一方のシンチ
レータに入射するような間隔で取付けて、放射能ガスモ
ニタ用シンチレーション検出器を構成した。この結果、
低エネルギーの放射線でも有感面を相対向したどちらか
のシンチレータに入射するため測定することができ、ま
た、低濃度の放射線に対しては、シンチレータの面積が
大きく、放射線の有感面積も広いので、ガス容器の全体
積中で1〜2個/秒程度の低濃度の放射線も測定がで
き、この結果、低エネルギーで低濃度の放射線を高い放
射線検出効率で測定できる効果が得られる。
の両面に大面積のシンチレータが対向配備されているの
で、例えば、宇宙線の飛来に対しても上下のシンチレー
タがシンチレーション光を同時に発光するので、上下の
光電子増倍管の論理積出力の排他論理和を取ることによ
り、宇宙線の飛来に基づく影響を除去することができ
る。
高いため、今まで測定が困難であった放射線同位元素14
Cを含むガスからのような低エネルギーの放射線、ある
いは、低濃度の放射線の測定が容易になると言う効果も
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】放射性ガスを流入する入口と前記放射性ガ
スを排出する出口を有するほぼ短胴筒状の枠体と、 シンチレーション光反射膜を有し、この光反射膜を前記
枠体の内側に向けてこの枠体の対向する両端面に設けら
れ、放射線をシンチレーション光に変換するプラスチッ
クシンチレータと、 このシンチレータに密接して設けられ、光出射窓を有
し、前記シンチレーション光を前記光出射窓に導く光ガ
イドと、 前記光出射窓に密接して設けられ、前記光出射窓から出
射するシンチレーション光を電流に変換し増幅する光電
子増倍管と、を備え、 前記枠体と前記シンチレータとで検出対象としての前記
放射性ガスの容積を規定するガス容器が構成されてな
る、 放射性ガスモニタ用シンチレーション検出器であって、 前記光ガイドは、板状部と、この板状部から前記プラス
チックシンチレータとは反対側に突出する突出部と、を
備え、この突出部の側面に前記光出射窓が形成され、前
記シンチレーション光反射膜と前記板状部および突出部
の輪郭面とで前記シンチレーション光を反射して前記光
出射窓に導くものであり、 前記ガス容器に取付けられた前記プラスチックシンチレ
ータが、検出対象の放射線の飛程以下の距離間隔で対向
配置された、 ことを特徴とする放射性ガスモニタ用シンチレーション
検出器。 - 【請求項2】請求項1に記載の放射性ガスモニタ用シン
チレーション検出器において、光ガイドは、この光ガイ
ドの内面に設けられた光反射面とシンチレーション光反
射膜とでシンチレーション光を反射をさせて光出射窓に
導くものである、ことを特徴とする放射性ガスモニタ用
シンチレーション検出器。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の放射性ガ
スモニタ用シンチレーション検出器において、 1個の光ガイドが2個の光出射窓を有し、この光出射窓
の各々に光電子増倍管が配設され、 光電子増倍管にて検出されたパルス波高値を検出対象の
放射線に応じて予め設定された閾値に基づいて弁別する
弁別手段と、 前記2個の光電子増倍管の検出出力を前記弁別手段で弁
別して得られた信号の論理積演算を行ってその演算結果
を出力する第一信号処理部と、 前記ガス容器の上下に設けられた一対の前記第一信号処
理部の前記論理積演算出力どうしの排他論理和を演算す
る第二信号処理部と、 を備えたことを特徴とする放射性ガスモニタ用シンチレ
ーション検出器。
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