JP2014081288A - 放射能可視化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高線量率環境下におけるホットスポットの特定と定量化、装置の小型軽量化を実現できる放射能可視化装置を提供する。
【解決手段】一方面が開口部を介して放射線を照射され、他方面が複数の光ファイバの端面側に配置され、複数の光ファイバから受けた刺激光に応じてOSL光を前記複数の光ファイバに送出する面状のOSL素子を収納した放射線検出部と、刺激光を発生させる光源と、複数の光ファイバからのOSL光を受光し電気信号に変換する光検出器と、光源からの刺激光を複数の光ファイバを介して面状のOSL素子に与え、面状のOSL素子からのOSL光を光検出器に振り向ける光分割装置と、光検出器の電気出力から積算線量を解析し、光源を制御する制御解析装置と、制御解析装置で得られた解析結果を表示する表示装置とを備え、表示装置に放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布を表示する。
【選択図】図1
【解決手段】一方面が開口部を介して放射線を照射され、他方面が複数の光ファイバの端面側に配置され、複数の光ファイバから受けた刺激光に応じてOSL光を前記複数の光ファイバに送出する面状のOSL素子を収納した放射線検出部と、刺激光を発生させる光源と、複数の光ファイバからのOSL光を受光し電気信号に変換する光検出器と、光源からの刺激光を複数の光ファイバを介して面状のOSL素子に与え、面状のOSL素子からのOSL光を光検出器に振り向ける光分割装置と、光検出器の電気出力から積算線量を解析し、光源を制御する制御解析装置と、制御解析装置で得られた解析結果を表示する表示装置とを備え、表示装置に放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布を表示する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光刺激ルミネセンス線量計OSL(Optically Simulated Luminescence)から放射されるOSL光を利用して測定対象の放射能分布を可視化する放射能可視化装置に関する。
原子炉施設や医療用施設等の放射性物質及び放射線発生装置を取り扱う施設においては、放射性物質の漏えい及び飛散箇所の可視化や、漏えい量及び飛散量の定量化が求められている。
放射性物質から放射される放射線を計測する放射線検出器として、電離箱、GM(ガイガーミュラー)計数管、シンチレーション検出器、半導体検出器等の検出器がある。これらの検出器は、エリアモニタ、プロセスモニタ、サーベイメータ等の線量モニタとして広く利用されている。
また、蛍光ガラス線量計、熱ルミネセンス線量計TLD(Thermoluminescent Dosimeter)、光刺激ルミネセンス線量計OSLが,個人被ばく管理やイメージングプレートとして利用されている。
上記の線量モニタ、個人線量計およびイメージングプレートは、原子力施設、放射性同位元素を使用する医療施設、研究用加速器施設等で主に利用されている。これらの放射線検出器は、単一では放射性物質の漏えい箇所を分布として検知できる機能はない。このため、ホットスポットなどの局所的に放射性物質が集まっている箇所等を特定することができず、このままでは可視化に貢献しえない。
これに対し放射能分布を可視化できる装置として、医療用装置ではガンマカメラが知られている。また医療以外の応用例として、原子炉施設やその周辺環境におけるホットスポットを特定するためのガンマカメラがある。これは例えば光学カメラと組合せることで、放射能漏えい箇所等を視覚的に特定することができるので、ホットスポットを容易に判断できる。
これらのガンマカメラで使用される放射線検出器は、半導体検出器のSi、CdTe、CZT等や、シンチレーション検出器のNaI:Tl、CsI:Tl、LSO、GSO、BGO等である。これらの検出器における放射能強度の計測方法は、検出した光子を計数する方式が主である。そのため、放射線検出部における線量率が100μSv/h(マイクロシーベルト/時間)以上になる場合、計数のパイルアップが発生しやすくなり、高精度の計測が困難である。
なお、本明細書での説明において例えばシンチレーション検出器の「NaI:Tl」について、「NaI:Tl」の表記は左側の母材NaIに添加物としてTlを加えた結晶であることを意味している。この表記約束は以下の説明でも同じである。
したがって、原子力施設の原子炉格納容器や加速器駆動エリア等の高線量率エリアにおいてホットスポットを特定、定量的に検知するには、放射線検出部における線量率を十分下げる必要がある。そのため、鉛やタングステンによる遮蔽体を用いるが、装置が重くなり、その取り扱いは困難となる。
半導体検出器の読出し回路は電気ノイズの影響を低減するため、放射線検出器に極めて近い箇所に設けられる。シンチレーション検出器の読出しは光検出器を用いて実施される。光検出器としては光電子増倍管やSiフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード等が用いられる。光検出器はシンチレーション検出器と光学接着する必要があるため、見かけ上はシンチレータと一体となる。
したがって、これらの放射線検出器を用いる場合、放射線を検知するセンサ部分は小型であっても、後段の回路系も含めるとその体積が大きくなるため、遮蔽体を含めた装置が重くなり、その取り扱いが困難となる。
装置重量を軽減し、取扱いが容易な放射能可視化装置を実現するには、高線量率環境での動作時に発生頻度が大きくなる計数のパイルアップを抑制する手段と、放射線検出部を小型化する手段を両立する必要がある。
数mSv/h以上の高線量率でも容易に動作する放射線検出器として電離箱があるが、電離発生部分の体積が大きく、小型化には不向きである。そこで、高線量率での動作と放射線検出部の小型化が両立できる放射線検出器として、積算線量を測定対象とする光刺激ルミネセンス素子の利用が考えられる。
ここで、本発明で採用する光刺激ルミネセンスによる放射線量の測定について概説しておく。ある種の物質(例えば、酸化アルミニウム)に放射線を照射した後、可視光より長い波長を照射すると発光する場合がある。光刺激ルミネッセンス線量計は、このような発光現象を利用しており、発光量は物質が受けた放射線量と発光を誘導するために照射した光の量に関係している。
係る光刺激ルミネセンス素子を利用する具体的な検出手法として以下のものが知られている。特許文献1は、光刺激ルミネセンス素子を2本の光ファイバの先端に接続し、任意のタイミングでレーザ光源による刺激光を、光ファイバを介して照射することで、光刺激ルミネセンス素子由来のシンチレーション光を発生させ、もう一方の光ファイバを介して後段の光検出器でその光を計測するものである。
特許文献2は、測定対象である試料を光刺激ルミネセンス素子で構成されるイメージングプレートに接触させることで2次元放射能分布を計測し、バックグラウンドを決定するしきい値を計測箇所以外の所定箇所から導出するものである。
装置重量が小さく、取扱いが容易な放射能可視化装置を実現するには、高線量率環境での動作時に発生頻度が大きくなる計数のパイルアップを抑制する手段と、放射線検出部を小型化する手段が必要である。
特許文献1では、光刺激ルミネセンス素子の結晶を設けた光ファイバを複数設け、それらの放射線計測位置情報に基づき放射線分布を演算する装置とその表示装置を設けるとしている。光刺激ルミネセンス素子を利用することで、ダイナミックレンジ上限の向上が期待できる。
しかしながら、特許文献1における放射線分布演算方法は、広い範囲に複数の放射線検出部を設置する必要があることと、各放射線検出部ではその位置における雰囲気線量率を計測していることから、特許文献1における装置及びその方法では、高線量率環境下で狭い範囲に存在するホットスポットを検知するには不向きである。
また特許文献1には、ホットスポットを検知するために不可欠なコリメータ及び遮蔽体に関する記載がない。特許文献1において複数の放射線検出部を集約し、コリメータを備えた遮蔽体内に設置させることも考えられる。この場合1つの光刺激ルミネセンス素子OSLに1つの光ファイバを接続するには、FCコネクタ等の一般的なコネクタが必要であるが、これらの一般的な光ファイバコネクタは光刺激ルミネセンス素子と比較して十分大きいため、放射線検出部の小型化は困難である。
特許文献2では、バックグラウンドを決定するしきい値を計測箇所以外の所定箇所から導出するとしている。しかしながら、特許文献2で本手法が適用できるのは線源位置が大凡把握できているためであって、線源位置が不明であるホットスポットを検知する方式としては不向きである。なお特許文献2にもホットスポットを検知するためのコリメータ及び遮蔽体に関する記載がない。
以上の課題を整理すると、高線量率環境での動作時に発生頻度が大きくなる計数のパイルアップを抑制する手段と、放射線検出部を小型化する手段を両立できれば、高線量率環境下におけるホットスポットの特定と定量化、装置の小型軽量化を実現できることになる。
以上のことから本発明の目的は、上述する課題を解決するための放射能可視化装置を提供することにある。
以上の課題を解決すべく、本発明においては、一方面が開口部を介して放射線を照射され、他方面が複数の光ファイバの端面側に配置され、複数の光ファイバから受けた刺激光に応じてOSL光を複数の光ファイバに送出する面状のOSL素子を収納した放射線検出部と、刺激光を発生させる光源と、複数の光ファイバからのOSL光を受光し電気信号に変換する光検出器と、光源からの刺激光を複数の光ファイバを介して面状のOSL素子に与え、面状のOSL素子からのOSL光を光検出器に振り向ける光分割装置と、光検出器の電気出力から積算線量を解析し、光源を制御する制御解析装置と、制御解析装置で得られた解析結果を表示する表示装置とを備え、表示装置に放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布を表示する。
本発明によれば、高線量率環境下におけるホットスポットの特定と定量化、装置の小型軽量化を実現できる放射能可視化装置を提供することができる。なお、各実施例における個別の効果は別途説明される。
本発明者らは、高線量率環境での動作時に発生頻度が大きくなる計数のパイルアップを抑制する手段と放射線検出部を小型化する手段を両立でき、高線量率環境下におけるホットスポットの特定と定量化、装置軽量化を実現できる放射能可視化装置について、種々検討した。本発明は、これにより得られた新たな知見に基づいてなされたものである。
この新たな知見では、積算線量を測定する光刺激ルミネセンス素子を適用することで、従来のガンマカメラで使用される放射線検出器で回避できない計数のパイルアップによる測定精度の劣化を回避できる。
また光刺激ルミネセンス素子が有する積算線量ダイナミックレンジ上限に達する前に、光源からの刺激光を光刺激ルミネセンス素子に照射し積算線量情報の読出しと積算線量情報の消去を実施すれば、線量率上限は容易に数Sv/h以上となる。これにより、従来放射線検出器と比較して非常に高くなり、遮蔽体を薄くすることができる。
さらに1つの面状の光刺激ルミネセンス素子に対して2本以上の光ファイバを配置することで、1つの積算線量情報を読み出す検出面積を光ファイバ径まで集約することで放射線検出部を小型化できる。
これらのことから、高線量率環境でのホットスポットの特定と定量化と装置軽量化を実現できる、というものである。
以下、本発明に係る放射能可視化装置の好適な実施例を、図面を参照して、新たな知見の内容を具体的に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の放射能可視化装置を、図1から図7を用いて説明する。
図1に放射能可視化装置の概略構成図を示す。実施例1の放射能可視化装置は、光刺激ルミネセンス素子(以下OSL素子と略称する)1、光ファイバ2、光分割装置3、光源4、光検出器5、制御解析装置6、表示装置7、コリメータ付遮蔽体8から構成される。コリメータ付遮蔽体8の内部には、OSL素子1と光ファイバ2の端面2Aが収納される放射線検出部9を備える。
OSL素子1は、光ファイバ2の一方の端面2Aと光学的に接続される。また光ファイバ2のもう一方の端面2Bは光分割装置3に接続され、光分割装置3を介して光源4及び光検出器5に接続される。光検出器5は制御解析装置6に接続され、さらに制御解析装置6は表示装置7に接続される。
本発明に適用可能なOSL素子1を構成する材料(結晶)の一例を挙げる。代表的なOSL素子の材料としては、イメージングプレートで使用されるBaFBr:Eu、個人線量計として使用されているAl2O3:Cがある。他のOSL素子としてBaFl:Eu、NaCl:Cu、KCl:Eu、KBr:Eu、RbBr:Tl、SrS:Eu,Sm、CsS:Eu,Sm、CaS:Ce,Sm、MgS:Eu,Sm、MgS:Ce,Sm、MgO:Fe、Zn2SiO4:Mn、Ba6(PO4)3O:Eu、25Na2O、75B2O3:Eu等が存在し、本発明にはいずれのOSL素子も適用可能である。
また本発明に適用可能な光ファイバ2の一例を挙げる。一般的に使用されている光検出器はシングルモード(SM)ファイバ及びマルチモード(MM)ファイバである。材質は石英、プラスティック等がある。本発明ではいずれの種類の光ファイバでも適用可能である。
図2に放射線検出部9の断面図を示す。また図3に放射線検出部9の側面図を示す。ここでは一例として、図2に特徴が表れているように、光ファイバ2を8×8に配列して光ファイバ束10として使用しているが、光ファイバ2の配置はこれに限るものではない。また図3に特徴が表れているように、光ファイバ束10の断面は、面状のOSL素子1から発生するOSL光を伝送するため、OSL素子1に対してほぼ垂直に配置される。本実施例は一例であり、垂直からずれることでOSL光の検出感度が劣化する可能性があるが、垂直から外れることで本実施例が無効になることはない。ここでは一例として光ファイバ2の端面がOSL素子1と光学接着する構成を示す。ただし光ファイバ2の端面2AとOSL素子1の間には空気等によるギャップがあっても問題はない。
図4にコリメータ付遮蔽体8の側面図を示す。コリメータ付遮蔽体8の内部には放射線検出部収納容器11が収納されている。また放射線検出部収納容器11内にOSL素子1及び光ファイバ2の一部が収納されている。なお、OSL素子1及び光ファイバ2は、コリメータ付遮蔽体8の開口部OPに面して配置され、これによりOSL素子1はその面上に開口部OPを介して放射線を感知する。そしてOSL素子1の背面に配置された光ファイバ2からの刺激光L1に感応して生じたOSL光L2を光ファイバ2に送出する。OSL光L2は、光ファイバ2を介して光分割装置3に向かって送出される。
この図で明らかなように、面状のOSL素子1は一方面がコリメータ付遮蔽体8の開口部OPに面して配置され、OSL素子1の他方面が複数の光ファイバ2にの端面に対向して配置されている。そして一方面に開口部OPを介して放射線を感知し、多方面に刺激光を受けてOSL光を放出する。
なお本実施例では一例として、ピンホールコリメータ12を備える構成とした。また一例として、OSL素子1の検出面中心部がコリメータ中心軸13に対してほぼ重なる構成とした。ここでコリメータとして、上記したピンホールコリメータ12の他にパラレルホールコリメータ、ファンビームコリメータがある。またピンホールコリメータ12を円柱とする構成もある。これらコリメータの選定は測定条件によって最適化される。
図5に光分割装置3の構成図を示す。ここでは、光源4から発生する刺激光L1を、光源用光学レンズ15を用いて拡大し、平行光とする。この平行光を、刺激光波長に対して反射性能を有するビームスプリッタ18を用いて刺激光進行方向19に反射させ、光ファイバ用光学レンズ14を介して複数の光ファイバ2に収束させる。上記過程によって放射線検出部9に収納されているOSL素子1に各光ファイバ2から刺激光L1を供給できる。
逆に刺激光L1によって発生したOSL光L2は、光ファイバ2及び光ファイバ用光学レンズ14を介して、平行光として光分割装置3内に放射される。光分割装置3内では、OSL光波長に対して透過性能を有するビームスプリッタ18を用いてOSL光進行方向20にOSL光L2を伝送し、OSL光収束用光学レンズ16を用いて光検出器5であるCCD検出器17に入射する。
なお本実施例は一例であるので、ビームスプリッタ18において反射光をOSL光L2とし、透過光を光源4からの刺激光L1とする構成であってもよい。また光検出器5としてCCD検出器17の他に、マルチチャンネル型の光電子増倍管、Si検出器、InGaAs検出器、アバランシェフォトダイオード(APD)等があり、いずれも適用可能である。また光源4は適用するOSL素子1の刺激光L1として適切な波長を供給する必要がある。光源4の種類は半導体レーザ、ガスレーザ、固体レーザ、金属レーザ、液体レーザがあり、刺激光として適切な波長を供給できればいずれでもよい。
このように図5に示す構成を用いることで、全ての光ファイバから伝送されるOSL光L2をほぼ同時に解析できる。図16は、図1の放射能可視化装置を用いるときの各部状態量の時系列的変化を示す図である。
この図において、上部の1には、OSL素子1の各部(1−1から1−64)における放射線受光量の時系列変化を示している。ここでOSL素子各部とは、図2の8×8の光ファイバ2のそれぞれの端面2Aが対向しているOSL素子部分を意味している。OSL素子各部の放射線受光量は初期状態t0において0であり、時間経過とともに累積していく。
制御解析装置6は適宜のタイミングt1で光源4に対して信号取り込み指令S1を与え、光源4はこれを受けて刺激光L1を発する。刺激光L1を受けたOSL素子1の各部(1−1から1−64)は、その最新の放射線受光量の大きさを反映したOSL光L2を、対向する位置の8×8の光ファイバ2のそれぞれの端面2Aに伝達し、光ファイバ2を介してCCD装置17などの光検出器5に伝送する。なお刺激光L1を受けたOSL素子1は放射線受光量の大きさを0に戻す。
制御解析装置6は、OSL光L2が光検出器5に伝送完了されたことを受けて、タイミングt2で光源4に対して信号取り込み停止指令S2を与え、光源4はこれを受けて刺激光L1を停止する。これにより、OSL素子各部の放射線受光量は時刻t2を初期状態として、再度時間経過とともに放射線を累積していく。
これによりCCD装置17などの光検出器5には、放射線検出部9のコリメータで定まる視野角内の放射線累積量の分布情報が得られたことになる。これは、例えば視野角内のプラント部位の放射能分布を写真撮影したと同じ事である。本発明の放射能可視化装置ではこのようにして放射能分布を可視化する。
なおこの事例では、CCD装置17などの光検出器5から得られる情報にはプラント位置などの情報を含んでいない。この点について、放射線検出部9をプラント内の特定の場所に設置し、かつその視野角が予定されたものであるという前提においては、事前に得られたプラント位置情報(背景情報)と放射能分布の可視化情報を用いて、プラント内背景の配管などの上に各部の放射能分布を重ねて表示装置7に表示することで、作業員に理解しやすい形での情報提供を可能とする。なお、プラント位置などの背景情報としては、3DCAD情報の利用が有効である。
またより簡便にプラント位置などの背景情報を得るには、工学カメラと併用するのが良い。図6に工学カメラを併用した放射能可視化装置の概略図を示す。本構成は図1の構成に光学カメラ21を加えたものである。光学カメラ21は表示装置7に接続され、表示装置7は光学カメラ21で得られた映像を表示する。ここで光学カメラ21はコリメータ付遮蔽体8のコリメータが見込む測定対象を含む範囲(視野角範囲)を撮影する。
これにより、表示装置7の画面上には光学カメラ21が検知する構造物などの背景画面に、OSL光から得られた放射能分布の画像が重ね合わせ表示される。なお、この場合には工学カメラ21の視野角と放射線検出部9のコリメータによる視野角が常に同じ範囲となるように、工学カメラ21と放射線検出部9が連動して駆動されるのが良い。
図7に表示装置の画面に表示された画面例の図を示す。表示装置7の画面に表示する情報を得るために、制御解析装置6では、光検出器5の電気出力から積算線量を導出し、各光ファイバ2に対応した積算線量を導出する解析機能を備える。また積算時間を制御することで、積算時間内における平均線量率を導出できる。
積算線量は、光ファイバ束10を構成する例えば8x8の64個の光ファイバ2ごとに算出される。また表示装置の画面には、8x8の64個の光ファイバ2の情報を面的に表示する。
図7の表示装置7では、制御解析装置6で得られた線量解析結果と光学カメラ21で得られた映像を組み合わせて、モニタ映像24として表示する。ここでは一例として、制御解析装置6で得られた8x8の64個の光ファイバ2における線量解析結果を、光ファイバ束10の形状に対応した放射能分布22として表示する。具体的には、放射能レベルや線量率などの強度を色の濃淡等で示す。
光学カメラ21で得られた映像と組み合わせることで、例えば配管23に存在する放射能分布を可視化する。図の例では、配管23と組み合わせて表示することで、配管各部の放射能分布が色分けして表示されている。
以上の本実施例で備えるOSL素子1、光ファイバ2、光分割装置3、光源4、光検出器5、制御解析装置6、表示装置7、コリメータ付遮蔽体8を適用することで、高線量率環境でのホットスポットの特定と定量化と装置軽量化を両立でき、オンラインで放射能分布を可視化できるので、高精度の放射能可視化装置及びその方法が実現できる。
本発明の他の実施例である実施例2の放射能可視化装置について説明する。実施例2では、単一のOSL素子と2本以上の光ファイバの組合せを複数備えることで、検出面の大面積化を実現する。
図8に実施例2の放射能可視化装置の概略構成図を示す。ここでは放射線検出部9に複数のOSL素子1を備え、それぞれのOSL素子1に対して2本以上の光ファイバ2を接続すること以外は実施例1と同等の構成である。
図9に放射線検出部9の断面図を示す。ここでは一例として、OSL素子1を4x4の16個備え、かつ個々のOSL素子1に対して光ファイバ2を2×2の4本を配置して1つの組体とし、複数の組体を縦横に接続する構成を示す。なお本実施例は一例であるので光ファイバの本数及び配列はこれに限定されない。本実施例では、大面積化が困難なOSL素子を使用する場合に、OSL素子と光ファイバ2の組体を複数組合せ、縦横に配列することで、大面積化の課題を解決するものである。したがって本実施例を適用することで、小型のOSL素子1を適用しても高感度及び高精度の放射能分布の可視化が実現できる。
本発明の他の実施例である実施例3の放射能可視化装置について説明する。実施例3では放射線検出部9のOSL素子1と光ファイバ2の端面2Aの間に、検出面積拡大用光学レンズを備えることで、光ファイバ径の面積より大きな検出面積を容易に確保するものである。
図10に放射線検出部9の側面図を示す。OSL素子1と光ファイバ2の端面2Aの間に検出面積拡大用光学レンズ25を備えること以外は実施例1と同じ構成である。検出面積拡大用光学レンズ25を用いることで、光ファイバ2の断面積より大きなOSL素子1の見込み範囲を得ることができる。そのため、1つの光ファイバ2あたりのOSL素子1の見込み面積を拡大できるので、全体の検出面積を拡大することになる。したがって、本実施例を適用することで、放射能可視化装置の感度向上及び視野角向上が期待できる。
本発明の他の実施例である実施例4の放射能可視化装置及びその方法について説明する。実施例4では、光分割装置3として光スイッチ及び光カプラを備えることで、容易かつ簡素に複数の光スイッチ切替えを制御するものである。
図11に光分割装置3の構成図を示す。光ファイバ2は光スイッチ26に接続される。光スイッチ26は光カプラ27と光学的に接続される。光カプラ27は光源4及び光検出器5と光学的に接続される。光スイッチ26における光ファイバ2の切替え制御は、電気信号を送信することで容易に可能である。光カプラ27は機械的な操作が不要なので、外部ノイズに影響することなく安定して光を伝送できる。
光スイッチ26の切替え制御と連携して、後段に備える制御解析装置6における線量解析を実施することで、オンラインで放射能分布を可視化できる。したがって、本実施例を適用することで、オンライン放射能分布表示機能を備えた放射能可視化装置が期待できる。
図1の実施例が写真撮影をしたものであるに対し、図11の実施例は、動画撮影したものということができる。図17は図11の放射能可視化装置を用いるときの各部状態量の時系列的変化を示す図であり、この図を用いて動画撮影の概念を説明する。
この場合、制御解析装置6は所定の周期Δtで光源4に対して信号取り込み指令S1を与え、光源4はこれを受けて刺激光L1を周期Δtで発する。刺激光L1は、光スイッチ26において順次各光ファイバ2に振り分けられる。例えば時刻t1の刺激光L1は、光ファイバ2に振り分けられてOSL素子1−1に与えられ、次の時刻t2の刺激光L1は、OSL素子1−2に与えられ、最後に時刻t64の刺激光L1は、OSL素子1−64に与えられる。
これを受けて、光検出器5には順次OSL素子1−1からのOSL光L2,OSL素子1−2からのOSL光が伝達され、最後にOSL素子1−64からのOSL光が伝達される。かつこれらの処理はサイクリックに継続して実施される。
図7の表示装置7には、時刻t1の処理で得られたOSL光に基づいて8x8の光ファイバマトリクスの左上の点が表示され、時刻t2の処理で得られたOSL光に基づいて8x8の光ファイバマトリクスの左上の2番目の点が表示され、時刻t64の処理で得られたOSL光に基づいて8x8の光ファイバマトリクスの右下の点が表示される。そして次の周期Δtでは再度8x8の光ファイバマトリクスの左上の点が表示され、以後これを繰り返す。
この処理は、CRTモニタにおける走査線の操作処理と同じであり、これにより視野角内の状態が連続して表示可能となる。
本発明の他の実施例である実施例5の放射能可視化装置について説明する。実施例5では2本以上の光ファイバ2をバンドルとして纏めることで、光ファイバにおける容量を最小化するものである。
図12にバンドル型光ファイバの構成図を示す。使用する全ての光ファイバ2を光ファイババンドル28としてケーブル化することで、光ファイバ2における容量を最小化できる。また光ファイバ2の取扱いが容易になる。したがって、本実施例を適用することで、放射線検出部を小型化でき、放射能可視化装置の軽量化が期待できる。
本発明の他の実施例である実施例6の放射能可視化装置について説明する。実施例6では中性子に対して感度が高い材料をOSL素子に塗布もしくは混入させることで、中性子を放射する放射線源による放射能分布を測定するものである。
図13に放射線検出部9の側面図を示す。OSL素子1に中性子反応材29を塗布する。ここで中性子反応材29は中性子に対して感度が高いリチウム、ホウ素、ロジウム、カドミウム、インジウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ハフニウム、エルビウム、ツリウム、水銀等を適用する。
中性子との相互作用で発生したγ線、α線、プロトン、電子線等をOSL素子1で検知することで中性子の放射能分布を可視化する。本実施例では一例としてOSL素子1の表面に中性子反応材29を塗布する構成としたが、OSL素子1に中性子反応材29を混入して中性子の放射能分布を可視化することもできる。
したがって、本実施例を適用することで、γ線環境下であっても中性子の放射能分布を可視化できる放射能可視化装置が期待できる。
本発明の他の実施例である実施例7の放射能可視化装置について説明する。実施例7ではコリメータ付遮蔽体のコリメータ断面部分に遮光機能を有するβ線検出用薄膜30を備えることで、β線を放射する放射線源による放射能分布を測定するものである。
図14にコリメータ付遮蔽体の側面図を示す。β線検出用薄膜30をOSL素子1の前面に設ける。ここで、β線検出用薄膜30はベリリウム、アルミニウム等の金属薄膜、有機化合物の薄膜とし、透過力が小さいβ線を検出できる厚さを有する。またこれらは遮光性能を有する。ここで本実施例では一例として、β線検出用薄膜30をOSL素子1の前面に設けたが、β線が入射するコリメータ内部の領域のいずれかにβ線検出用薄膜30を設ければ良い。
したがって、本実施例を適用することで、γ線環境下であってもβ線の放射能分布を可視化できる放射能可視化装置が期待できる。
本発明の他の実施例である実施例8の放射能可視化装置について説明する。実施例8では等方的に均一な放射線量が存在する場において、コリメータ付遮蔽体のコリメータを介して入射する放射線に由来する放射線量率(S)と、コリメータ以外の遮蔽部分を透過して入射する放射線に由来する放射線量率(N)との割合(S/N)を10/1以上とする遮蔽厚を有するものとする。
図15にコリメータ付遮蔽体の側面図を示す。ほとんどの測定環境では周辺に測定対象外に由来するバックグラウンドが存在する。高精度に放射能分布を可視化するには、バックグラウンドを効果的に低減する必要がある。等方的に均一な放射線量が存在する場において、コリメータ由来線量率31(S)と遮蔽体透過線量率32(N)の比をS/Nとする。
十分なS/Nを確保するには、S/Nが10/1以上を実現する遮蔽厚33の遮蔽体を設ける必要がある。遮蔽厚33の一例として、バックグラウンドのγ線エネルギーがCs−137による662keVである場合、遮蔽厚33を約2cmとすることで線量率を約1桁下げることができるので、S/Nが10/1以上を実現できる。
したがって、本実施例を適用することで、バックグラウンドによるノイズ成分に対して有意な線量情報に基づき放射能分布を測定でき、高精度の放射能可視化装置が期待できる。
本発明の他の実施例である実施例9の放射能可視化装置及びその方法について、上記した実施例1から実施例8を適切に組合せることで、高線量率環境下においても遮蔽重量を低減し、高精度及び高感度の放射能分布の可視化を実現できる。
以上詳細に説明した本発明とその実施例の構成により、以下の効果を奏することができる。
まず、図1に本発明の基本的な構成を示しているように、「一方面が開口部を介して放射線を照射され、他方面が複数の光ファイバの端面側に配置され、複数の光ファイバから受けた刺激光に応じてOSL光を複数の光ファイバに送出する面状のOSL素子を収納した放射線検出部と、刺激光を発生させる光源と、複数の光ファイバからのOSL光を受光し電気信号に変換する光検出器と、光源からの刺激光を複数の光ファイバを介して面状のOSL素子に与え、面状のOSL素子からのOSL光を光検出器に振り向ける光分割装置と、光検出器の電気出力から積算線量を解析し、光源を制御する制御解析装置と、制御解析装置で得られた解析結果を表示する表示装置とを備え、表示装置に放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布を表示する」ように構成することにより、以下の効果が得られる。
OSL素子を適用して積算線量を測定するため、従来のガンマカメラで使用される放射線検出器では回避できない計数のパイルアップによる測定精度の劣化を回避することができる。またOSL素子が有する積算線量ダイナミックレンジ上限に達する前に、光源からの刺激光をOSL素子に照射し積算線量情報の読出しと積算線量情報の消去を実施すれば、線量率上限は容易に数Sv/h以上となり、従来放射線検出器と比較して非常に高くなる。そのため、遮蔽体を薄くすることができ、放射能可視化装置の軽量化が実現できる。さらに1つの面状のOSL素子に対して2本以上の光ファイバを配置することで、1つの積算線量情報を読み出す検出面積を光ファイバ径まで集約することができ、放射線検出部の小型化による放射能可視化装置の軽量化が実現できる。したがって、高線量率環境でのホットスポットの特定と定量化と装置軽量化を両立できる放射能可視化装置が実現できる。
また図16に各部状態量の時系列変化を示しているように、「光分割装置は、光源からの刺激光を複数の光ファイバに同時に与え、複数の光ファイバからのOSL光を光検出器に同時に与える」ことにより、あたかも写真撮影を行ったように放射能分布を可視化して得ることができる。
また図16の光操作のためには、図5の光スプリッタを用いて「光分割装置は、複数の光ファイバの先端から放射される光を平行光にする光ファイバ用光学レンズと、光源からの刺激光もしくはOSL光を反射し、OSL光もしくは光源からの刺激光を透過するビームスプリッタと、光源からの刺激光を平行光にする光源用光学レンズと、ビームスプリッタを介したOSL光を収束するOSL光収束用光学レンズとを備え、光検出器として収束したOSL光を計測するCCD検出器を備える」ように構成することで実現が可能である。
さらに図5の構成により、同時刻に全ての光ファイバに光源からの刺激光を照射でき、それに伴うOSL光を検出できる。したがって、光ファイバ毎の検出時間差がほぼ無視でき、その検出時間差による測定誤差を無視できる高精度の放射能可視化装置が期待できる。
また図17に各部状態量の時系列変化を示しているように、「光分割装置は、光源からの刺激光を複数の光ファイバの個々に順次所定順番に従って与え、複数の光ファイバの個々からのOSL光を所定順番に従って光検出器に与える」ことにより、あたかも動画撮影を行ったように放射能分布を可視化して得ることができる。
また図17の光操作のためには、図11の光カプラを用いて「光分割装置は、各光ファイバを1本の光ファイバに機械的に接続可能な光スイッチと、光スイッチの1本の光ファイバと光源と光検出器とを光ファイバで接続する光カプラを備える」ように構成することで実現が可能である。
光スイッチ及び光カプラを備えることで、容易かつ簡素に複数の光スイッチ切替えを制御でき、安価で制御が容易な放射能可視化装置が期待できる。光スイッチの切り替えと連携して線量解析する制御解析装置と、その線量解析結果を放射能分布として表示する表示装置を備えることで、人間が視覚的に放射能分布を確認できるので、オンライン放射能分布表示機能を備えた放射能可視化装置が期待できる。
また図7に示すように「表示装置には、放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布が、当該測定対象領域の背景情報とともに表示」されている。またさらに図6に示すように、「測定対象領域の背景情報が工学カメラにより得られた画像情報」である。
このことにより、光学カメラで得られた映像と、制御解析装置で得られた線量解析結果を重ね合わせることで、人間が視覚的に放射能分布を確認できるので、カメラ映像と合わせたオンライン放射能分布表示機能を備えた放射能可視化装置が期待できる。
また図8、図9に示すように、「面状のOSL素子は、単一のOSL素子と単一のOSL素子の他方面に配置された複数の光ファイバにより組体を構成し、当該組体が同一面上に複数備えられている」という構成を採用する。
このことにより、OSL素子の大面積化が困難な場合であっても、複数の組合せを配列することによる検出面の大面積化を実現できる。したがって、小型OSL素子であっても高感度及び高精度の放射能可視化装置が期待できる。
また、図10に示すように「単一のOSL素子と各光ファイバとの間に、光ファイバから放射する刺激光を任意のOSL素子面積に対して平行光にする検出面積拡大用光学レンズを設ける」という構成を採用する。
検出面積拡大用光学レンズを設けることで、光ファイバ径の面積より大きな検出面積を容易に確保でき、放射能可視化装置の感度向上及び視野角向上が期待できる。
また図12に示したように、「複数の光ファイバは、2本以上の光ファイバをバンドルファイバとされた」ことで、光ファイバにおける容量を最小化でき、放射線検出部を小型化できるので、放射能可視化装置の軽量化が期待できる。
また「OSL素子の開口部側の前記一方面に、中性子に対して感度が高いリチウム、ホウ素、ロジウム、カドミウム、インジウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ハフニウム、エルビウム、ツリウム、水銀等を、中性子反応材として塗布もしくは混入する」ことで、中性子を検出できるので、中性子線を放射する放射線源による放射能分布を測定できる放射能可視化装置が期待できる。
また「放射線検出部は、コリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体のコリメータ断面部分に遮光機能を有するベリリウム、アルミニウム等のβ線検出用薄膜を備える」えることで、遮光を保ちつつ透過力が低いβ線を検出できるので、β線を放射する放射線源による放射能分布を測定できる放射能可視化装置が期待できる。
また「放射線検出部は、コリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体のコリメータ断面部分に遮光機能を有する有機化合物のβ線検出用薄膜を備える」ことで、遮光を保ちつつ透過力が低いβ線を検出できるので、β線を放射する放射線源による放射能分布を測定できる放射能可視化装置が期待できる。
また「OSL素子として、BaFBr:Eu、BaFBrI:Eu、Al2O3:C、BaFl:Eu、NaCl:Cu、KCl:Eu、KBr:Eu、RbBr:Tl、SrS:Eu,Sm、CsS:Eu,Sm、CaS:Ce,Sm、MgS:Eu,Sm、MgS:Ce,Sm、MgO:Fe、Zn2SiO4:Mn、Ba6(PO4)3O:Eu、25Na2O、75B2O3:Eu等を備える」ことで、積算線量に比例したOSL光を得ることができるので、高線量率環境下におけるホットスポットの特定と定量化を実現できる放射能可視化装置が期待できる。
また「放射線検出部は、コリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体はピンホールコリメータ、もしくはパラレルホールコリメータ、もしくはファンビームコリメータを備え、コリメータの中心軸が前記OSL素子から成る検出面のほぼ中心に配置される」ように構成されたことにより、放射能分布を測定するための測定対象を限定でき、高精度の放射能可視化装置が期待できる。
また図15を用い実施例8として示しているように、「放射線検出部は、等方的に均一な放射線量が存在する場において使用されるためにコリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体は、そのコリメータを介して入射する放射線に由来する放射線量率(S)と、コリメータ以外の遮蔽部分を透過して入射する放射線に由来する放射線量率(N)との割合(S/N)が10/1以上である遮蔽厚を有する」ように構成されている。
このように等方的に均一な放射線量が存在する場において、コリメータ付遮蔽体のコリメータを介して入射する放射線に由来する放射線量率(S)と、コリメータ以外の遮蔽部分を透過して入射する放射線に由来する放射線量率(N)との割合(S/N)が10/1以上である遮蔽厚を有するコリメータ付遮蔽体を備えることで、バックグラウンドによるノイズ成分に対して有意な線量情報に基づき放射能分布を測定でき、高精度の放射能可視化装置が期待できる。
1:OSL素子
2:光ファイバ
3:光分割装置
4:光源
5:光検出器
6:制御解析装置
7:表示装置
8:コリメータ付遮蔽体
9:放射線検出部
10:光ファイバ断面
11:放射線検出部収納容器
12:ピンホールコリメータ
13:コリメータ中心軸
14:光ファイバ用光学レンズ
15:光源用光学レンズ
16:OSL光収束用光学レンズ
17:CCD検出器
18:ビームスプリッタ
19:刺激光進行方向
20:OSL光進行方向
21:光学カメラ
22:放射能分布
23:配管
24:モニタ映像
25:検出面積拡大用光学レンズ
26:光スイッチ
27:光カプラ
28:光ファイババンドル
29:中性子反応材
30:β線検出用薄膜
31:コリメータ由来線量率
32:遮蔽体透過線量率
33:遮蔽厚
2:光ファイバ
3:光分割装置
4:光源
5:光検出器
6:制御解析装置
7:表示装置
8:コリメータ付遮蔽体
9:放射線検出部
10:光ファイバ断面
11:放射線検出部収納容器
12:ピンホールコリメータ
13:コリメータ中心軸
14:光ファイバ用光学レンズ
15:光源用光学レンズ
16:OSL光収束用光学レンズ
17:CCD検出器
18:ビームスプリッタ
19:刺激光進行方向
20:OSL光進行方向
21:光学カメラ
22:放射能分布
23:配管
24:モニタ映像
25:検出面積拡大用光学レンズ
26:光スイッチ
27:光カプラ
28:光ファイババンドル
29:中性子反応材
30:β線検出用薄膜
31:コリメータ由来線量率
32:遮蔽体透過線量率
33:遮蔽厚
Claims (16)
- 一方面が開口部を介して放射線を照射され、他方面が複数の光ファイバの端面側に配置され、前記複数の光ファイバから受けた刺激光に応じてOSL光を前記複数の光ファイバに送出する面状のOSL素子を収納した放射線検出部と、前記刺激光を発生させる光源と、前記複数の光ファイバからのOSL光を受光し電気信号に変換する光検出器と、前記光源からの刺激光を前記複数の光ファイバを介して前記面状のOSL素子に与え、前記面状のOSL素子からのOSL光を前記光検出器に振り向ける光分割装置と、前記光検出器の電気出力から積算線量を解析し、前記光源を制御する制御解析装置と、該制御解析装置で得られた解析結果を表示する表示装置とを備え、該表示装置に前記放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布を表示することを特徴とする放射能可視化装置。
- 請求項1に記載の放射能可視化装置において、
前記光分割装置は、前記光源からの刺激光を前記複数の光ファイバに同時に与え、前記複数の光ファイバからのOSL光を前記光検出器に同時に与えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の放射能可視化装置において、
前記光分割装置は、前記複数の光ファイバの先端から放射される光を平行光にする光ファイバ用光学レンズと、前記光源からの刺激光もしくはOSL光を反射し、OSL光もしくは光源からの刺激光を透過するビームスプリッタと、前記光源からの刺激光を平行光にする光源用光学レンズと、前記ビームスプリッタを介したOSL光を収束するOSL光収束用光学レンズとを備え、前記光検出器として収束したOSL光を計測するCCD検出器を備えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1に記載の放射能可視化装置において、
前記光分割装置は、前記光源からの刺激光を前記複数の光ファイバの個々に順次所定順番に従って与え、前記複数の光ファイバの個々からのOSL光を前記所定順番に従って前記光検出器に与えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項4に記載の放射能可視化装置において、
前記光分割装置は、各光ファイバを1本の光ファイバに機械的に接続可能な光スイッチと、該光スイッチの1本の光ファイバと前記光源と前記光検出器とを光ファイバで接続する光カプラを備えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記表示装置には、前記放射線検出部の開口部で限定される測定対象領域の放射線分布が、当該測定対象領域の背景情報とともに表示されていることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項6に記載の放射能可視化装置において、
前記測定対象領域の背景情報が工学カメラにより得られた画像情報であることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記面状のOSL素子は、単一のOSL素子と該単一のOSL素子の他方面に配置された複数の光ファイバにより組体を構成し、当該組体が同一面上に複数備えられて構成されていることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項8に記載の放射能可視化装置において、
前記単一のOSL素子と各光ファイバとの間に、光ファイバから放射する刺激光を任意のOSL素子面積に対して平行光にする検出面積拡大用光学レンズを設けることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
複数の光ファイバは、2本以上の光ファイバをバンドルファイバとされたものであることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記OSL素子の開口部側の前記一方面に、中性子に対して感度が高いリチウム、ホウ素、ロジウム、カドミウム、インジウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、ハフニウム、エルビウム、ツリウム、水銀等を、中性子反応材として塗布もしくは混入することを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記放射線検出部は、コリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体のコリメータ断面部分に遮光機能を有するベリリウム、アルミニウム等のβ線検出用薄膜を備えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記放射線検出部は、コリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体のコリメータ断面部分に遮光機能を有する有機化合物のβ線検出用薄膜を備えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記OSL素子として、BaFBr:Eu、BaFBrI:Eu、Al2O3:C、BaFl:Eu、NaCl:Cu、KCl:Eu、KBr:Eu、RbBr:Tl、SrS:Eu,Sm、CsS:Eu,Sm、CaS:Ce,Sm、MgS:Eu,Sm、MgS:Ce,Sm、MgO:Fe、Zn2SiO4:Mn、Ba6(PO4)3O:Eu、25Na2O、75B2O3:Eu等を備えることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記放射線検出部は、コリメータ付遮蔽体で構成され、コリメータ付遮蔽体はピンホールコリメータ、もしくはパラレルホールコリメータ、もしくはファンビームコリメータを備え、前記コリメータの中心軸が前記OSL素子から成る検出面のほぼ中心に配置されることを特徴とする放射能可視化装置。 - 請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の放射能可視化装置において、
前記放射線検出部は、等方的に均一な放射線量が存在する場において使用されるためにコリメータ付遮蔽体で構成され、該コリメータ付遮蔽体は、そのコリメータを介して入射する放射線に由来する放射線量率(S)と、コリメータ以外の遮蔽部分を透過して入射する放射線に由来する放射線量率(N)との割合(S/N)が10/1以上である遮蔽厚を有することを特徴とする放射能可視化装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016099177A (ja) * | 2014-11-20 | 2016-05-30 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 放射線計測装置及びその計測方法 |
CN117224859A (zh) * | 2023-11-14 | 2023-12-15 | 浙江大学 | 一种焦虑状态评估和多靶点时序光刺激和成像系统 |
-
2012
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---|---|---|---|---|
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CN117224859A (zh) * | 2023-11-14 | 2023-12-15 | 浙江大学 | 一种焦虑状态评估和多靶点时序光刺激和成像系统 |
CN117224859B (zh) * | 2023-11-14 | 2024-02-06 | 浙江大学 | 包括焦虑状态评估装置和多靶点时序光刺激和成像装置的系统 |
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