JPH1143813A - 接着芯地 - Google Patents

接着芯地

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JPH1143813A
JPH1143813A JP10091610A JP9161098A JPH1143813A JP H1143813 A JPH1143813 A JP H1143813A JP 10091610 A JP10091610 A JP 10091610A JP 9161098 A JP9161098 A JP 9161098A JP H1143813 A JPH1143813 A JP H1143813A
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JP
Japan
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angle
yarn
synthetic fiber
fabric
ray
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JP10091610A
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English (en)
Inventor
Hidemoto Okada
英基 岡田
Masaru Haruta
勝 春田
Koshi Takahashi
幸志 高橋
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な反撥弾性及び剛性と寸法安定性、高い接
着力を兼ね備えたポリエステルフィラメントからなる接
着芯地を提供する。 【解決手段】片面がサンディングされたポリエステル合
成繊維マルチフィラメント糸条を主体に構成される布帛
の上記サンディング面に熱可塑性樹脂が塗布されてなる
ことを特徴とする接着芯地。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着芯地に関す
る。さらに詳しくは、形態安定性、反撥弾性などの特性
を有し、かつ表地との接着性の高いポリエステルフィラ
メントからなる接着芯地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル合成繊維は、優れた物理的
特性、化学的特性を有するが故に、衣料用、産業用に広
く用いられている。
【0003】ポリエステル合成繊維のもつ特性、特に寸
法安定性面の特徴を利用し、織編物での芯地がかなり実
用化されている。
【0004】しかし、従来のポリエステルフィラメント
を用いた芯地では、反撥弾性特及び剛性に乏しくドレス
シャツ、カジュアルシャツ等の衿芯、カフス芯には用い
られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリエステルフ
ィラメントでは、良好な反撥弾性及び剛性と寸法安定
性、高い接着性を兼ね備えたもの、あるいはそれに加え
て優れた形状保持性を有する芯地は得難いのが現状であ
る。そのため、後加工技術を用いて、硬仕上げ等の検討
が実施されているが、繰り返し洗濯等により風合いが変
化する問題があった。
【0006】本発明は、上述の問題を解決し、良好な反
撥弾性及び剛性と寸法安定性、高い接着力を兼ね備えた
ポリエステルフィラメントからなる接着芯地を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明のポリエステルフィラメント接着芯地は、次のとお
りの構成をとるものである。
【0008】[1]片面がサンディングされたポリエス
テル合成繊維マルチフィラメント糸条を主体に構成され
る布帛の上記サンディング面に熱可塑性樹脂が塗布され
てなることを特徴とする接着芯地。
【0009】[2]前記ポリエステル合成繊維マルチフ
ィラメント糸条は、紡糸速度2000m/分〜4000
m/分で紡糸され、単糸繊度が3デニール以上10デニ
ール以下のものであることを特徴とする前記[1]記載
の接着芯地。
【0010】[3]前記ポリエステル合成繊維マルチフ
ィラメント糸条は、次の特性値(A)または特性値
(B)を満足するものであることを特徴とする前記
[1]または[2]に記載の接着芯地。
【0011】特性値(A): (1)小角X線散乱写真撮影によって得られた散乱像が
層線状像を呈し、かつ該写真上の子午線あるいは赤道か
ら散乱像の中心までの距離rにより下記式で求められる
J値が5〜15nm J=λ/2sin[{tan-1(r/R)}/2] ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)比重が1.360〜1.395 (3)広角X線回折測定から得られた結晶サイズが、面
指数(010)において2.5nm〜4.5nm、面指
数(100)において2.0nm〜4.0nm、面指数
(1バア05以下105と記載)において2.0nm〜
4.5nm (4)広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50
%〜85% (5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.100〜0.
350 特性値(B): (1)小角X線散乱写真撮影によって得られた散乱像が
層線状四点散乱像を呈し、かつ、該写真上から求めた長
周期のDm値が14nm以下、De値が15nm以上、
Dm/Deが1.0未満 (2)比重が1.370〜1.396 (3)広角X線回折測定から得られた結晶サイズが、面
指数(010)において2.0nm〜4.0nm、面指
数(100)において2.0nm〜4.2nm、面指数
(105)において2.0nm〜4.2nm (4)広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50
%〜85% (5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.200〜0.
450 (6)複屈折が30〜120×10-3 [4]前記ポリエステル合成繊維マルチフィラメント糸
条は、総繊度が200デニール以上、500デニール以
下のものであって、該ポリエステル合成繊維マルチフィ
ラメント糸条を主体に構成されたタテ糸密度が35〜1
00本/inch、ヨコ糸密度が30〜90本/inc
hの織物からなるとともに、該織物の片面がサンディン
グされ、該サンディング面に熱可塑性樹脂が塗布されて
なることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに
記載の接着芯地。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明をする。
【0013】本発明は次に述べる特性値を有することに
より、良好な反撥弾性及び剛性と寸法安定性などの特性
を有し、かつ表地との接着性の高いポリエステルフィラ
メント芯地を提供できることを見出だしたものである。
【0014】本発明のポリエステルフィラメント接着芯
地において、布帛を形成する繊維は特定の条件で溶融紡
糸された繊維で構成されるものであることが好ましい。
また、該布帛の片面をサンディングし、例えば織物でい
うタテ糸ヨコ糸を万遍なく均一にサンディングし、ポリ
エステルフィラメントをフィブリル化させ、細かい毛羽
を発生させるものである。本発明は該布帛の片面に熱可
塑性樹脂が塗布されているものである。その結果、表面
に発生した細かい毛羽上に熱可塑性樹脂が塗布されるこ
とにより、細かい毛羽の間に熱可塑性樹脂が喰い込む形
になり、アンカー効果により、高い接着力が得られる。
またサンディングにより、接着力を得るのに必要な分だ
けの毛羽密度、毛羽長を布帛の片面に形成させることが
できる。かかるサンディングは、サンドペーパーやエメ
リーペーパーなどの研磨紙を回転ロール表面に接着、巻
き付けて擦過するバフ加工、回転ベルトで同様に擦過す
るサンディング加工、あるいは布帛の被叩打部を剛体面
上に支持させつつ、布帛の表面を可撓性のある粗面体で
叩打しながら擦過処理する加工などにより布帛の片面を
擦過することによってなされる。なお、織物に限らず、
編物、不織布等でも同様の結果になるものであり、本発
明は布帛形態を問わない。
【0015】また、本発明のポリエステル合成繊維マル
チフィラメント糸条は、単糸繊度が3〜10dの太単糸
繊度糸を用いることが、優れた反撥弾性及び剛性を合わ
せ有させるために好ましい。さらに、ポリエステル合成
繊維使いであることにより、良好な寸法安定性を兼ね備
える。
【0016】上述のポリエステルフィラメントが次の特
性値(A)または特性値(B)を有することにより、さ
らに優れた反撥弾性が得られる。
【0017】ここで特性値(A)とは、(1)小角X線
散乱写真撮影によって得られた散乱像が層線状像を呈
し、かつ該写真上の子午線あるいは赤道から散乱像の中
心までの距離rにより下記式で求められるJ値が5〜1
5nm、好ましくは7〜13nmであり、 J=λ/2sin[{tan-1(r/R)}/2] ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)比重が1.360〜1.395であり、好ましく
は1.365〜1.390であり、(3)広角X線回折
測定から得られた結晶サイズが、面指数(010)にお
いて2.5nm〜4.5nm、好ましくは3.0nm〜
4.0nmであり、面指数(100)において2.0n
m〜4.0nm、好ましくは2.5nm〜3.5nmで
あり、面指数(105)において2.5nm〜4.5n
mであり、好ましくは3.0nm〜4.0nmであり、
(4)広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50
%〜85%であり、好ましくは60%〜82%であり、
(5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.100〜0.
350であり、好ましくは0.150〜0.300であ
る。
【0018】また、特性値(B)とは、(1)小角X線
散乱写真撮影によって得られた散乱像が層線状四点散乱
像を呈し、かつ、該写真上から求めた長周期のDm値が
14nm未満好ましくは12nm未満、De値が15n
m以上、好ましくは17以上であり、Dm/Deが1.
0未満であり、好ましくは0.9未満であり、(2)比
重が1.370〜1.396であり、好ましくは1.3
75〜1.393であり、(3)広角X線回折測定から
得られた結晶サイズが、面指数(010)において2.
0nm〜4.0nm、好ましくは2.5nm〜3.5n
mであり、面指数(100)において2.0nm〜4.
2nm、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、面
指数(105)において2.0nm〜4.2nmであ
り、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、(4)
広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50%〜8
5%であり、好ましくは60%〜82%であり、(5)
偏光蛍光法による非晶配向度が0.200〜0.450
であり、好ましくは0.250〜0.400であり、
(6)複屈折が30〜120×10-3、好ましくは50
〜100×10-3である。
【0019】前記特性値(A)を満足するポリエステル
繊維の面指数(010)の結晶配向度は50〜85
%、、さらに好ましくは60〜85%、面指数(10
5)の結晶配向度は50〜85%であることが好ましい
態様である。
【0020】また、前記特性値(A)を満足するポリエ
ステル繊維の複屈折が20〜80×10-3、非晶密度が
1.31〜1.37g/cm3 、非晶密度/非晶配向度
が4.0以上であることが好ましい態様である。
【0021】前記特性値(B)を満足するポリエステル
繊維の面指数(010)の結晶配向度は50〜85%面
指数(105)の結晶配向度は50〜85%、さらに好
ましくは60〜85%であることが好ましい態様であ
る。
【0022】また、前記特性値(B)を満足するポリエ
ステル繊維の非晶密度が1.31〜1.37g/c
3 、非晶密度/非晶配向度が3.0以上であることが
好ましい態様である。
【0023】本発明において、小角X線散乱写真撮影方
法および条件は、通常行なわれているX線散乱測定によ
り行うものであるが、本発明者等が行った方法および条
件は次のとおりである。
【0024】 X線発生装置;理学電機社(株)製:RU−200型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :50KV 200mA スリット径 :0.5mm径 撮影条件 カメラ半径 :400mm 露出時間 :120分 フイルム :Kodak DEF−5 また、各種特性の測定方法および条件は下記のとおりで
ある。
【0025】(A)比重;JIS−L1013 7.1
4.2密度勾配管法に準じた。
【0026】 (B)広角X線回折による結晶サイズ測定; (a)広角X線回析(カウンター法) X線発生装置;理学電機社(株)製 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 スリット径:2mm径ピンホールコリメータ 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;RAD−C、オンライン・データ処理システム 赤道線方向スキャン範囲:10〜35° 子午線方向スキャン範囲:30〜55° スキャン方法 ステップ:2θ/θ サンプリング間隔:0.05°/Step 積算時間 :2秒 円周方向(β)スキャン範囲:90〜270° サンプリング間隔:0.5°/Step 積算時間 :2秒 (b)広角プレート写真撮影 X線発生装置;理学電機社(株)製:4036A2型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA スリット径:1mm径ピンホールコリメータ使用 撮影条件 カメラ半径 :40mm 露出時間 :20分 フイルム :Kodak DEF−5 結晶サイズ算出は面指数(010)、(100)および
(105)のピークの半値幅から下記のScherre
rの式を用い計算した。
【0027】L(hkl)=Kλ/β0 cosθB ただし、L(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な
方向の平均の大きさ K:1.0、λ:X線の波長、β0 =(βE2−βI2
1/2 、 βE :見掛けの半値幅(測定値) βI :1.05×10-2rad.、θB :ブラッグ角 (C)広角X線回折測定による結晶配向度 2θ=17.5付近に観察される(010)面及び2θ
=25.7付近に観察される(100)面を円周方向に
スキャンして得られる強度分布の半値幅Hから下記式に
より算出したもの。
【0028】結晶配向度(%)=[(180−H)/1
80]×100 (D)複屈折:Na電球によりD線色光を用い、セナル
モン法およびコンペンセータ法で測定した。
【0029】(E)偏光蛍光法による非晶配向度 装 置:日本分光工業製FOM−1 光学系:透過法(励起光波長:365nm、蛍光波長:
420nm) 測定系:偏光子‖検光子、および偏光子〓検光子で回転
して、面内の偏光蛍光強度(I‖、I〓)の角度分布を
得た。
【0030】ここで、‖は平行を示し、〓は垂直を示
す。
【0031】非晶配向度は下記式からの一軸配向係数f
2 で求めた。
【0032】f2 =3/2[{I‖(0)+2I〓
(0)}/K−1/3] 但し、K={I‖(0)+4I〓(0)+8/3I‖
(90)} I‖(0):‖測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 I‖(90):‖測定での上記と直交方向の相対偏光蛍
光強度 I〓(0):〓測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 (F)結晶化度 W.Ruland の方法(W.Ruland,Acta Cryst.,14(1961),11
80-1185 )により結晶化度(%)を求めた。
【0033】 a.広角X線回析(ディフラクトメータ法) X線発生装置;理学電機社(株)製 RU-200(回転対陰極型) X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 湾曲結晶モノクロメーター(グラファイト使用) 出力 :50KV 200mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 2155D 型 スリット系:1゜-0.15mm-1゜ 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;理学電機社(株)製 RAD−B スキャン方式;2θ/θ:連続スキャン 測定範囲:2θ=5〜140゜ サンプリング:0.02゜ スキャン速度:3゜/分 (G)非晶密度 以下の式により非晶密度(da)を求めた。
【0034】da(g/cm3 )=[d−dc×{(Xc/100)/dc}×
d]/[1−{(Xc/100)/dc}×d] d :密度(g/cm3 ) dc :1.501 (g/cm3 ) Xc :結晶化度(%) この態様の本発明に用いるポリエステルフィラメント糸
は、特定の条件で溶融紡糸された繊維(以下、第一特定
領域)とし、繊維の微細構造すなわち結晶、非晶、配向
に限定された変化をもたらしうる処理を施すことによ
り、本発明のこの態様の要件である特定値となるように
制御された配向および結晶化の領域となる繊維(以下、
第二次特定領域)となし、本発明の目的である良好な反
発弾性と寸法安定性を兼ね備えかつ優れた保形性と形状
保持性を有することができる。
【0035】かかる製造方法の例を挙げると、第一次特
定領域の繊維を得るには、ポリエステル、好ましくはポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
トなどの芳香族ポリエステルまたはそれを主体とした共
重合体を用いる。加えて溶融紡糸における引取速度は2
000m/分〜4000m/分、特に好ましくは250
0〜3500m/分の条件という限定された条件で得ら
れるポリエステル繊維である。これは、通常POYとい
われる領域の繊維を含むものである。
【0036】本発明は、第一次特定領域にある特定のポ
リエステルに特定の熱処理を施すことにより達成される
ものである。この熱処理はポリエステルに結晶化が起こ
る雰囲気で行うことが好ましい。ポリエチレンテレフタ
レートの場合は90℃以上雰囲気で処理することが好ま
しく、特に好ましくは120℃以上である。したがっ
て、処理の温度領域は90〜230℃が好ましく、12
0〜230℃がより好ましく、140〜230℃がさら
に好ましい。また、加熱手段は乾熱および/または湿熱
のいずれでもかまわない。
【0037】熱処理を施す第一次特定領域のポリエステ
ルの状態は、上述したように、弛緩状態下、実質延伸の
伴わない拘束状態下または任意の形状に固定した状態下
において行われる。熱処理時、第一次特定領域のポリエ
ステルが弛緩状態下にあるか、あるいは拘束状態下にあ
るかによって第二次特定領域にシフトするポリエステル
製品の特性は大きく異なってくるので、その特性値は第
二次特定領域の範囲で目的に応じて適宜選択することが
できる。また、このことは、当然ながら、繊維が自由度
を有するシート構造のもの(織物、編物、不織布など)
については、熱処理において自ずと実質弛緩状態下とな
り、熱処理により収縮を伴うものが多く、本発明は収縮
を伴うものを用いる。
【0038】これらの熱処理は、通常のポリエステル繊
維製品の染色仕上条件で達成できる。
【0039】本発明に用いる熱可塑性樹脂はポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリビニール系樹脂等通常接着芯
地に用いられるものであれば用いることができる。ま
た、加工方法としては、シンター、ペーストドット、シ
ングルドット、ダブルドット加工機等通常接着芯地に用
いられるものであれば用いることができ、その貼着状態
も特に限定するものではないが、接着性、洗濯耐久性な
どの面より、ドット形態での貼着状態が好ましい。
【0040】本発明のポリエステル合成繊維マルチフィ
ラメント糸条の総繊度は200デニール以上、500デ
ニール以下であることが好ましい。200デニールより
小さいと優れた反撥弾性及び剛性が得られにくくなり、
また500デニールを越えると風合いが粗硬で、かつ地
厚になり、接着芯地として使いにくくなる。
【0041】また、布帛形態として織物、編物、不織布
等特に限定されないが、本発明の特徴である良好な反撥
弾性及び剛性を表現するためには織物が好ましい。織物
組織としては平織、綾織、朱子織等特に限定されない
が、芯地を薄地化できることより平織が好ましい。平織
のタテ糸密度は35〜100本/inch、ヨコ糸密度
は30〜90本/inchであるものが好ましい。上述
の密度より少ないと優れた反撥弾性及び剛性が得られに
くくなり、また多いと風合いが粗硬となり、接着芯地と
して使いにくくなる。
【0042】以上説明した特性値を有することにより、
良好な反撥弾性及び剛性と寸法安定性などの特性を有
し、かつ表地との接着性の高いポリエステルフィラメン
ト芯地を得ることができる。例えば、サンディング加工
を行っていない織物は単糸間に熱可塑性樹脂が喰い込み
にくくなり、良好な接着力が得られない。
【0043】なお、本発明でいうポリエステルフィラメ
ント芯地は、上述のとおりポリエステルフィラメントを
主体とするものであるが、ポリエステルスパン糸、綿
糸、麻等の天然繊維、または、レーヨン糸等の再生繊維
を含んでもなんら問題ない。またポリエステルフィラメ
ントは仮撚等の糸加工がほどこされていてもなんら問題
ない。
【0044】次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明する。
【0045】
【実施例】実施例に示す芯地の特性の測定方法、条件は
次のとおりである。
【0046】(1)毛羽長 布帛表面の毛羽の長さは、サンディング面を外側に布帛
を2つ折にし、折った直線部の立毛程度を測定し平均長
で表した。
【0047】(2)寸法安定性(接着収縮率、洗濯収縮
率) 試料サイズ :タテ×ヨコ 30cm×30cm 収縮率測定マーク:タテ、ヨコ方向にそれぞれ20cm
間隔にマークをつける。
【0048】収縮率:次式にて糸長差を算出する(試料
5点の平均値)。
【0049】収縮率(%)={20(cm)−処理後の
マーク間の長さ(cm)}×100/20(cm) 処理条件 ・接着収縮率 接着芯地を内側にし2枚重ね合わせ、ロータリープレス
機を用い温度160℃、圧力(実圧)1kg/cm2
時間15秒の条件で接着する。
【0050】・洗濯収縮率 次の条件で洗濯する。
【0051】 洗濯機 :家庭用2層式洗濯機 浴比 :1:50 洗剤及び使用量:弱アルカリ性洗剤0.2%owf 洗濯温度 :40℃ すすぎ温度 :常温 洗濯時間 :5分 すすぎ時間 :2分(オーバーフロー)×2回 脱水 :遠心脱水30秒 乾燥 :平干し (3)接着性(剥離強力) 次の条件で接着した後、剥離強力を測定する。
【0052】接着条件:表地に日清紡(株)製#T40
04(ポリエステル65%/綿45%シャツ用ブロー
ド)を使用し接着芯地を重ね、上述の接着収縮率測定の
項に記載した条件で接着する。
【0053】剥離強力:JIS L 1089 衣料用
接着布試験方法に準ずる。
【0054】(4)反撥弾性及び剛性 被験者5名で官能テストを実施した。
【0055】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(IV=0.68)を溶融
紡糸し、引取速度3100m/分のPOY、255デニ
ール、30フィラメントのポリエステルフィラメントを
得た。該ポリエステルフィラメントの特性を表1に示
す。
【0056】得られたポリエステルフィラメントを用い
織物のタテ糸として80T/mに加撚して使用し、ヨコ
糸として織上密度55本/inchになるようにエアー
ジェットルームを用いて打ち込んだ。織上密度はタテ密
度56本/inch、ヨコ密度55本/inch、織上
巾は135cmの平織物を得た。生機を得た後240番
のサンドペーパーを用いてサンディング加工を行い、精
練、液流リラックス、プレセット、アルカリ減量(減量
率10%)、染色、仕上げセットを施し、タテ密度82
本/inch、ヨコ密度75本/inchの織物を得
た。そのサンディング面にポリエチレン系合成樹脂接着
剤をドット形態(ドット数:タテ方向×ヨコ方向/in
ch 35ポイント×35ポイント)で10g/m2
樹脂付着量となるように貼着し接着芯地を得た。
【0057】表2に示すとおり、本接着芯地は良好な反
撥弾性及び剛性と寸法安定性、高い接着力を兼ね備えた
ポリエステルフィラメント芯地である。
【0058】実施例2 ポリエチレンテレフタレート(IV=0.68)を溶融
紡糸し、引取速度3100m/分のPOY、240デニ
ール、48フィラメントのポリエステルフィラメントを
得た。得られたポリエステルフィラメントを用い織物の
タテ糸として80T/mに加撚して使用し、ヨコ糸とし
て織上密度55本/inchになるようにエアージェッ
トルームを用いて打ち込んだ。織上密度はタテ密度56
本/inchヨコ密度55本/inch、織上巾は13
5cmの平織物を得た。生機を得た後400番のサンド
ペーパーを用いてサンディング加工を行い、その後は実
施例1と同様の染色加工を施し接着芯地を得た。表2に
示すとおり、反撥弾性及び剛性は実施例1よりやや劣る
ものの比較例よりは、高い接着力を兼ね備えたポリエス
テルフィラメント接着芯地である。
【0059】比較例1 実施例1において、サンディング加工を省略する以外は
全て同一の工程を実施した。
【0060】表2に示すとおり、得られた接着芯地は良
好な反撥弾性及び剛性と寸法安定性は兼ね備えているも
のの、接着力が低く、剥離強力測定後のサンプルを見る
と接着樹脂のほとんどが表地に付着し芯地側に付着して
いない。
【0061】
【表1】
【表2】
【0062】
【発明の効果】本発明は上記した構成とすることにより
次の如き優れた効果を奏する。
【0063】(イ)良好な反撥弾性及び剛性と寸法安定
性、かつ表地との高い接着性を兼ね備えたポリエステル
フィラメント接着芯地を提供することができる。
【0064】(ロ)従来は反撥弾性及び剛性を出すた
め、メラミン系の硬仕上げ剤を用いることが多く、その
ため有害なホルムアルデヒドが残留しやすいが、本発明
はそれらの仕上げ剤を用いなくてよいため、有害な薬剤
が残留しない。
【0065】(ハ)仕上げ剤を用いなくてよいため洗濯
等による風合い変化がほとんどない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】片面がサンディングされたポリエステル合
    成繊維マルチフィラメント糸条を主体に構成される布帛
    の上記サンディング面に熱可塑性樹脂が塗布されてなる
    ことを特徴とする接着芯地。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル合成繊維マルチフィラメ
    ント糸条は、紡糸速度2000m/分〜4000m/分
    で紡糸され、単糸繊度が3デニール以上10デニール以
    下のものであることを特徴とする請求項1記載の接着芯
    地。
  3. 【請求項3】前記ポリエステル合成繊維マルチフィラメ
    ント糸条は、次の特性値(A)または特性値(B)を満
    足するものであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の接着芯地。 特性値(A): (1)小角X線散乱写真撮影によって得られた散乱像が
    層線状像を呈し、かつ該写真上の子午線あるいは赤道か
    ら散乱像の中心までの距離rにより下記式で求められる
    J値が5〜15nm J=λ/2sin[{tan-1(r/R)}/2] ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)比重が1.360〜1.395 (3)広角X線回折測定から得られた結晶サイズが、面
    指数(010)において2.5nm〜4.5nm、面指
    数(100)において2.0nm〜4.0nm、面指数
    (1バア05以下105と記載)において2.0nm〜
    4.5nm (4)広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50
    %〜85% (5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.100〜0.
    350 特性値(B): (1)小角X線散乱写真撮影によって得られた散乱像が
    層線状四点散乱像を呈し、かつ、該写真上から求めた長
    周期のDm値が14nm以下、De値が15nm以上、
    Dm/Deが1.0未満 (2)比重が1.370〜1.396 (3)広角X線回折測定から得られた結晶サイズが、面
    指数(010)において2.0nm〜4.0nm、面指
    数(100)において2.0nm〜4.2nm、面指数
    (105)において2.0nm〜4.2nm (4)広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50
    %〜85% (5)偏光蛍光法による非晶配向度が0.200〜0.
    450 (6)複屈折が30〜120×10-3
  4. 【請求項4】前記ポリエステル合成繊維マルチフィラメ
    ント糸条は、総繊度が200デニール以上、500デニ
    ール以下のものであって、該ポリエステル合成繊維マル
    チフィラメント糸条を主体に構成されたタテ糸密度が3
    5〜100本/inch、ヨコ糸密度が30〜90本/
    inchの織物からなるとともに、該織物の片面がサン
    ディングされ、該サンディング面に熱可塑性樹脂が塗布
    されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の接着芯地。
JP10091610A 1997-05-26 1998-04-03 接着芯地 Pending JPH1143813A (ja)

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