JPH11200125A - 接着芯地の製造方法 - Google Patents

接着芯地の製造方法

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JPH11200125A
JPH11200125A JP965498A JP965498A JPH11200125A JP H11200125 A JPH11200125 A JP H11200125A JP 965498 A JP965498 A JP 965498A JP 965498 A JP965498 A JP 965498A JP H11200125 A JPH11200125 A JP H11200125A
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JP
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fabric
temperature
polyester
shrinkage
adhesive interlining
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JP965498A
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Hidemoto Okada
英基 岡田
Koshi Takahashi
幸志 高橋
Akira Takagi
明 高木
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル繊維布帛を加工シワ、染めムラな
どの加工欠点を発現させず、長手方向、幅方向に均一な
収縮を実施させ、良好な反発性を有し、表地と接着する
際のプレス収縮率が低く、表地との接着性の高い接着芯
地の製造方法を提供する。 【解決手段】ポリエステルの溶融紡糸に際し、引き取り
速度2000m/分〜4000m/分で引き取られたポ
リエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に乾熱収縮
処理、染色、仕上げセット、ドッティング加工する接着
芯地の製造方法において、該布帛の片面にサンディング
加工を施すことを特徴とする接着芯地の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル繊維を
用いて布帛となし、特定の乾熱収縮処理、仕上げセット
を施すことによって得られる良好な反発性を有し、表地
と接着する際のプレス収縮率が低く、かつ表地との接着
性の高い接着芯地の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル繊維布帛に高い収縮
を付与させる方法として、拡布状にて連続リラックス処
理を行い、その後布帛をプレセットすることなく、布帛
の収縮温度以上でロープ状でもみ効果を与えつつ液流処
理する方法などがあった。
【0003】しかしながら、該処理が拡布状処理であっ
た場合には、長手方向への加工テンションが発生するた
め、バイアス方向への収縮ムラが発生し、加工シワが発
現するという問題があり、またロープ状での処理であっ
た場合には、ロープ状の形態を保持したまま収縮するた
め、長手方向へのシワは避けられないものとなってい
た。さらにシワの発現を回避するため、プレセットを併
用する場合があるが、多くの場合、プレセットの処理後
に目的の収縮が十分に得られないという欠点があった。
また同様に上記の欠点を回避する目的で極端な太デニー
ル繊維を使用するものが試みられている。しかしなが
ら、太デニール繊維使用のものは反発性はやや改良され
るが風合いが著しく粗硬になり、かつ表地との接着性が
低くなり、とうてい満足できるものではなかった。
【0004】また、従来接着芯地を製造する際の仕上げ
セットは、長手方向、幅方向に伸長させることなく熱処
理を行い、その後シングルドット機を用い、接着樹脂を
塗布するものである。上記のドッティング加工を行う
際、ドッティングロール上で発生するシワを回避するた
めに長手方向に加工テンションをかけるが、布帛が長手
方向に引っ張られるため、歪みとして残り、表地との接
着の際の熱プレス処理で、表地は収縮しないものの接着
芯地が収縮してしまい、接着部がカール状に変形すると
いう欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来の技術の問題点を克服し、ポリエステル繊維布
帛を加工シワ、染めムラなどの加工欠点を発現させず、
長手方向、幅方向に均一な収縮を実施させ、良好な反発
性を有し、表地と接着する際のプレス収縮率が低く、表
地との接着性の高い接着芯地の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記接着芯地の
製造方法は、前述の課題を解決するため、次の通りの構
成をとるものである。
【0007】(1)ポリエステルの溶融紡糸に際し、引
き取り速度2000m/分〜4000m/分で引き取ら
れたポリエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に乾
熱収縮処理、染色、仕上げセット、ドッティング加工す
る接着芯地の製造方法において、該布帛の片面にサンデ
ィング加工を施すことを特徴とする接着芯地の製造方
法。
【0008】(2)前記サンディング加工は、前記収縮
処理の前に行うことを特徴とする前記(1)に記載の接
着芯地の製造方法。
【0009】(3)前記サンディング加工は、前記ドッ
ティング加工の前に行うことを特徴とする前記(1)に
記載の接着芯地の製造方法。
【0010】(4)前記接着芯地の製造方法において、
乾熱収縮処理の温度が60℃以上溶融温度以下であり、
かつ仕上げセットの温度が130℃以上ドッティング温
度未満の範囲において、該布帛を幅方向および/または
長手方向に0.5〜10.0%伸長して行うことを特徴
とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の接着芯地
の製造方法。
【0011】(5)前記ポリエステル繊維が、ポリエス
テル繊維の引っ張り強伸度を測定した荷重伸長曲線にお
いて、降伏応力点と該降伏応力点の応力より低い応力で
ポリエステル繊維が伸長される定応力伸度領域を有し、
かつ、該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点までの
伸度が100%未満であることを特徴とする前記(1)
〜(4)に記載の接着芯地の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。
【0013】本発明のポリエステル繊維布帛を形成する
繊維は特定の条件で溶融紡糸された繊維(以下、第1次
特定領域)とし、繊維の微細構造すなわち結晶、非晶、
配向に限定された変化をもたらし、次に示す乾熱収縮処
理、および仕上げセットを施すことにより、本発明のこ
の態様の要件である特定値となるように制御された配向
および結晶化の領域となる繊維(以下、第2次特定領
域)となし、本発明の目的である加工シワを発生させ
ず、良好な反発弾性を有し、表地と接着する際のプレス
収縮率が低く、かつ表地との接着性の高い接着芯地を得
ることができる。
【0014】本発明の接着芯地の製造方法において、布
帛の片面に行うサンディングとは、例えば織物でいうタ
テ糸ヨコ糸を万遍なく均一にサンディングし、ポリエス
テルフィラメントをフィブリル化させ、細かい毛羽を発
生させるものである。
【0015】本発明はドッティング加工時に該布帛の片
面に熱可塑性樹脂が塗布されているものであり、その結
果、表面に発生した細かい毛羽の間に接着樹脂が喰い込
む形になり、アンカー効果により、高い接着力が得られ
る。また、サンディングにより接着力を得るのに必要な
分だけの毛羽密度、毛羽長を布帛の片面に形成させるこ
とができる。
【0016】かかるサンディングは、サンドペーパーや
エメリーペーパーなどの研磨紙を回転ロール表面に接
着、巻き付けて擦過するバフ加工、回転ベルトで同様に
擦過するサンディング加工、あるいは布帛の被叩打部を
剛体面上に支持させつつ、布帛の表面を可撓性のある粗
面体で叩打しながら擦過処理する加工などにより布帛の
片面を擦過することによってなされる。
【0017】また、本発明の方法では、布帛に拡布状で
熱処理を施し収縮させることにより達成されるものであ
る。この熱処理はポリエステルの結晶化が起こる雰囲気
で行うことが好ましく、また熱処理温度は乾熱で60℃
〜230℃の範囲であることが好ましく、80℃〜18
0℃であることがさらに好ましい。該処理で熱処理を施
せば加工シワの発現はなく、高反発性を有する布帛を得
ることができる。熱処理温度が上記温度より低いと収縮
は発生せず、上記温度を越えると急激に収縮が開始する
ため加工シワが発現しやすくなり、製品に大きなシワを
生じさせるようになる。
【0018】また、長手方向、幅方向共に10〜30%
収縮させるために連続フリー熱処理機を用い、収縮時に
かかるテンションを解消させるため、布帛の送り込みを
布帛の収縮量に相当する量を実施し、弛緩状態下で熱処
理を施すことが好ましい。
【0019】また、一度の熱処理での収縮処理がハード
的に困難であれば、熱処理を2度以上行って目的の収縮
率を得ることにも何ら問題はない。
【0020】具体的には、溶融ポリエステルの溶融紡糸
に際し、2000m/分〜4000m/分で引き取られ
たポリエステル繊維を用いた布帛に、第1段階として6
0℃以上の乾熱の熱処理を施し、面積収縮率が10%以
上となるようにし、第2段階として前記第1段階の処理
温度以上であって、かつポリエステルの溶融温度以下の
温度の乾熱の熱処理を拡布状で施し、加工シワを発現さ
せることなく、面積収縮率が少なくとも20%以上の布
帛を得ることができる。
【0021】第1段階の熱処理は、長手方向、幅方向共
に5〜25%収縮可能な状態で拘束し実施する。この熱
処理の温度は乾熱で60℃〜230℃の範囲であること
が好ましく、80℃〜130℃の範囲であることがさら
に好ましい。熱処理温度が上記温度より低いと収縮は発
生せず、上記温度を越えると結晶化が進行し目的の収縮
が十分に得られない。また、染色加工工程通過性を考慮
した場合、長手方向、幅方向共に5〜15%収縮可能な
状態で拘束し熱処理を実施することはさらに好ましい。
【0022】第2段階の熱処理は、長手方向、幅方向共
に5〜25%収縮可能な状態で実施する。熱処理の温度
は第1段階以上の温度であり、乾熱で60℃〜230℃
の範囲であることが好ましく、80℃〜180℃の範囲
であることがさらにが好ましい。上記の処理条件で熱処
理を施せば加工シワの発現はなく、高反発性を持った布
帛を得ることができる。熱処理温度が上記温度より低い
と収縮は発生せず、上記温度を越えると急激に収縮が開
始するため加工シワが発現しやすくなり、製品に大きな
シワが残るようになる。また長手方向、幅方向共に5〜
25%収縮させるために連続フリー熱処理機を用い、収
縮時にかかるテンションを解消させるために布帛の送り
込みを布帛の収縮量に相当する量を実施し、弛緩状態下
で熱処理を施すことが好ましい。
【0023】上記収縮処理を行った後、染色を施し、仕
上げセットを行う。この仕上げセットの温度は130℃
以上、ドッティング温度以下の温度の範囲において、幅
方向および/または長手方向に0.5%〜10.0%伸
長して行うことが好ましく、160℃〜180℃の温度
の範囲において、幅方向および/または長手方向に0.
5%〜5.0%伸長して行うことがさらに好ましい。仕
上げセット温度が上記温度より低いと、セット性がな
く、伸長加工を施しても放縮してしまい仕上げセットを
行う前の幅、長さに戻ってしまう。上記温度を超える
と、セット性が高くなり、接着樹脂を塗布するドッティ
ング加工を行う際、ドッティングロール上で発生するシ
ワを回避するために長手方向に加工テンションをかける
が、布帛が長手方向に引っ張られるため歪みとして残
り、表地との接着の際の熱プレス処理で、表地は収縮し
ないものの接着芯地が収縮してしまい、接着部がカール
状に変形してしまう。
【0024】このような加工条件で仕上げセットを施せ
ば、接着樹脂を塗布するドッティング加工を行う際、ド
ッティングロール上で発生するシワを回避するため、布
帛に長手方向に加工テンションをかけ、長手方向に引っ
張られても、表地との接着の際に接着芯地は収縮せず、
接着プレス収縮率が低い接着芯地を得ることができる。
【0025】本発明のドッティング加工に用いる熱可塑
性樹脂は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニー
ル系樹脂など通常接着芯地に用いられるものであれば用
いることができる。また、その貼着状態も特に限定する
ものではないが、接着性、洗濯耐久性などの面を考慮す
ると、ドット形態での貼着状態が好ましい。
【0026】また、本発明のポリエステル繊維布帛の製
造方法の利点は何ら特別の加工機を使用することなく、
比較的安定的に製造できることにある。
【0027】繊維が第1次特定領域から第2次特定領域
にシフトすることにより、従来繊維にはない特定値を示
し、ポリエステルでありながら、ナイロンのごとき高弾
性と繰り返しの屈曲に対する耐屈曲性が抜群に良好とな
り、ポリエステル繊維本来の長所である乾湿おける寸法
安定性も兼ね備えることができる。すなわち、本発明に
かかるポリエステル繊維布帛は、ナイロンとポリエステ
ルの長所を同時に有するというこれまでにない画期的な
効果と実用的な物性を有するものとして、産業上極めて
有効に活用できる。
【0028】本発明に係るポリエステル繊維は、ポリエ
ステル繊維の引っ張り強伸度を測定した荷重伸長曲線に
おいて、降伏応力点と該降伏応力点の応力より低い応力
でポリエステル繊維が伸長される定応力伸度領域を有
し、かつ、該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点ま
での伸度が100%未満であることを満足するポリエス
テル繊維である。
【0029】上述のポリエステル繊維は、布帛におい
て、さらに良好な反発性を有するようにするために、次
の特性値(A)または特性値(B)を有することが好ま
しい。ここで特性値(A)とは、(1)小角X線散乱写
真撮影によって得られた散乱像が層線状像を呈し、かつ
該写真上の子午線あるいは赤道から散乱像の中心までの
距離rにより下記式で求められるJ値が5〜15nm、
好ましくは7〜13nmであり、 J=λ/2sin[{tan-1(r/R)}/2] ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)比重が1.360〜1.395であり、好ましく
は1.365〜1.390であり、(3)広角X線回折
測定から得られた結晶サイズが、面指数(010)にお
いて2.5nm〜4.5nm、好ましくは3.0nm〜
4.0nmであり、面指数(100)において2.0n
m〜4.0nm、好ましくは2.5nm〜3.5nmで
あり、面指数(1バア05以下105と記述する)にお
いて2.5nm〜4.5nmであり、好ましくは3.0
nm〜4.0nmであり、(4)広角X線回折測定から
得られた結晶配向度が50%〜85%であり、好ましく
は60%〜82%であり、(5)偏光蛍光法による非晶
配向度が0.100〜0.350であり、好ましくは
0.150〜0.300(6)複屈折率が20〜80×
10-3(7)非晶密度が1.31〜1.37g/cm3
(8)非晶密度/非晶配向度が4.0以上である。
【0030】また、特性値(B)とは、(1)小角X線
散乱写真撮影によって得られた散乱像が層線状四点散乱
像を呈し、かつ、該写真上から求めた長周期のDm値が
14nm未満好ましくは12nm未満、De値が15n
m以上、好ましくは17以上であり、Dm/Deが1.
0未満であり、好ましくは0.9未満であり、(2)比
重が1.370〜1.396であり、好ましくは1.3
75〜1.393であり、(3)広角X線回折測定から
得られた結晶サイズが、面指数(010)において2.
0nm〜4.0nm、好ましくは2.5nm〜3.5n
mであり、面指数(100)において2.0nm〜4.
2nm、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、面
指数(105)において2.0nm〜4.2nmであ
り、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、(4)
広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50%〜8
5%であり、好ましくは60%〜82%であり、(5)
偏光蛍光法による非晶配向度が0.200〜0.450
であり、好ましくは0.250〜0.400であり、
(6)複屈折が30〜120×10-3、好ましくは50
〜100×10-3(7)非晶密度が1.31〜1.37
g/cm3(8)非晶密度/非晶配向度が3.0以上で
ある。
【0031】本発明において、小角X線散乱写真撮影方
法および条件は、通常行なわれているX線散乱測定によ
り行うものであるが、本発明者等が行った方法および条
件は次のとおりである。
【0032】 X線発生装置;理学電機社(株)製:RU−200型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :50KV 200mA スリット径 :0.5mm径 撮影条件 カメラ半径 :400mm 露出時間 :120分 フイルム :Kodak DEF−5 また、各種特性の測定方法および条件は下記のとおりで
ある。
【0033】(A)比重;JIS−L1013 7.1
4.2密度勾配管法に準じた。
【0034】 (B)広角X線回折による結晶サイズ測定; (a)広角X線回析(カウンター法) X線発生装置;理学電機社(株)製 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 スリット径:2mm径ピンホールコリメータ 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;RAD−C、オンライン・データ処理システム 赤道線方向スキャン範囲:10〜35° 子午線方向スキャン範囲:30〜55° スキャン方法 ステップ:2θ/θ サンプリング間隔:0.05°/Step 積算時間 :2秒 円周方向(β)スキャン範囲:90〜270° サンプリング間隔:0.5°/Step 積算時間 :2秒 (b)広角プレート写真撮影 X線発生装置;理学電機社(株)製:4036A2型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA スリット径:1mm径ピンホールコリメータ使用 撮影条件 カメラ半径 :40mm 露出時間 :20分 フイルム :Kodak DEF−5 結晶サイズ算出は面指数(010)、(100)および
(105)のピークの半値幅から下記のScherre
rの式を用い計算した。
【0035】L(hkl)=Kλ/β0 cosθB ただし、L(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な
方向の平均の大きさ K:1.0、λ:X線の波長、β0 =(βE2−βI2
1/2 、βE :見掛けの半値幅(測定値) βI :1.05×10-2rad.、θB :ブラッグ角 (C)広角X線回折測定による結晶配向度 2θ=17.5付近に観察される(010)面及び2θ
=25.7付近に観察される(100)面を円周方向に
スキャンして得られる強度分布の半値幅Hから下記式に
より算出したもの。
【0036】結晶配向度(%)=[(180−H)/1
80]×100 (D)複屈折:Na電球によりD線色光を用い、セナル
モン法およびコンペンセータ法で測定した。
【0037】(E)偏光蛍光法による非晶配向度 装 置:日本分光工業製FOM−1 光学系:透過法(励起光波長:365nm、蛍光波長:
420nm) 測定系:偏光子‖検光子、および偏光子〓検光子で回転
して、面内の偏光蛍光強度(I‖、I〓)の角度分布を
得た。
【0038】ここで、‖は平行を示し、〓は垂直を示
す。
【0039】非晶配向度は下記式からの一軸配向係数f
2 で求めた。
【0040】f2 =3/2[{I‖(0)+2I〓
(0)}/K−1/3] 但し、K={I‖(0)+4I〓(0)+8/3I‖
(90)} I‖(0):‖測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 I‖(90):‖測定での上記と直交方向の相対偏光蛍
光強度 I〓(0):〓測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 かかるポリエステル繊維の製造方法の例を挙げると、第
1次特定領域の繊維を得るには、ポリエステル、好まし
くはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどの芳香族ポリエステルまたはそれを主体と
した共重合体を用いる。加えて溶融紡糸における引き取
り速度は2000m/分〜4000m/分、特に好まし
くは2500m/分〜3500m/分の条件という限定
された条件で得られるポリエステル繊維である。これ
は、通常POYといわれる領域の繊維を含むものであ
る。
【0041】本発明において用いられるポリエステル繊
維の太さは、特に限定されないが、一般的には単繊維繊
度で0.01〜200デニール、トータル繊度において
20〜1000デニールの糸として用いるのが好まし
い。
【0042】高強度、高弾性、防縮性を得る観点から
は、ポリエステルの極限粘度(オルソクロロフェノー
ル、30℃)が0.55〜1.00であることが好まし
い。また、染色を容易する観点からは、ポリエステル
が、ポリエチレンテレフタレートにポリアルキレングリ
コールが共重合された共重合体であって、90℃〜11
0℃で分散染料可染であることが好ましい。このポリエ
ステルを用いたポリエステル繊維の場合、天然繊維と混
用しての染色に有利であり好ましい。さらに、また、濃
色、鮮明な染色をする観点からは、ポリエステルが5−
ナトリウムスルホイソフタル酸が共重合されたカチオン
染料可染型ポリエステルであることが好ましい。
【0043】なお、実施例において、面積収縮率(%)
は、無張力状態で、かつシワが入っていない状態で生機
の経糸方向、緯糸方向に印を入れ、熱処理後の経糸方
向、緯糸方向の長さを読みとり、 [(生機の面積−熱処理後の織物面積)/生機の面積]
×100 で求めたものである。
【0044】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。勿論、本発明は下記実施例に何ら限定される
ものではない。
【0045】(実施例1)引取速度3100m/分のP
OY、240デニール、48フィラメントの糸を用い、
織物の経糸として80回/m加撚し使用し緯糸として織
上密度が55本/inchになるように打ち込んだ。織
上密度は経56本/inch、緯55本/inch、織
上巾は135cmの平織物を得た。
【0046】生機を得た後、240度のサンドペーパー
を用いてサンディング加工を行い、その後第1段階の拡
布状乾熱の熱処理としてピンテンターを使用し、セット
温度80℃で50秒間の処理を実施し、長手方向に8
%、巾方向に8%収縮させ面積収縮率15.4%を得
た。第2段階の熱処理として拡布状フリー乾燥機を使用
し、温度130℃で45秒間の乾熱処理を実施し、生機
巾に対し長手方向に16%、巾方向に19%収縮させ、
第1段階と第2段階の熱処理を合わせ長手方向に24
%、巾方向に27%収縮させ、合計面積収縮率44.5
%を得た。その後、分散染料を使用し染色を施した。そ
の後乾熱160℃、長手方向に3%、巾方向に3%伸長
する条件で仕上げセットを施した。
【0047】その後、ポリエチレン系合成樹脂接着剤を
190℃で溶融し、ドット形態(ドット数:タテ方向×
ヨコ方向/inch 35ポイント×35ポイント)で
10g/m2 の樹脂付着量となるように貼着した。
【0048】該平織布帛は長手方向、巾方向に均一収縮
しており、加工シワ、染めムラなどの加工欠点も発現し
ておらず、良好な反発性を有しかつ表地と接着する際の
接着プレス収縮率が低く接着性は高いものであった。
【0049】(実施例2)実施例1と同様の方法にて、
織上密度が経56本/inch、緯55本/inch、
織上巾は135cmの平織物を得た。生機を得た後第1
段階の拡布状乾熱の熱処理としてピンテンターを使用
し、セット温度80℃で50秒間の処理を実施し、長手
方向に8%、巾方向に8%収縮させ、面積収縮率15.
4%を得た。第2段階の熱処理として拡布状フリー乾燥
機を使用し、温度180℃で1分間の乾熱処理を実施
し、生機巾に対し長手方向に12%、巾方向に15%収
縮させ、第1段階と第2段階の熱処理を合わせ長手方向
に20%、巾方向に23%収縮させ、合計面積収縮率3
8.4%を得た。その後、分散染料を使用し染色を施し
た。その後乾熱160℃の条件、長手方向に3%伸長す
る条件で仕上げセットを施した。さらにその後、400
度のサンドペーパーを用いてサンディング加工を行い、
ポリエチレン系合成樹脂接着剤を190℃で溶融し、ド
ット形態(ドット数:タテ方向×ヨコ方向/inch
35ポイント×35ポイント)で10g/m2 の樹脂付
着量となるように貼着した。
【0050】該平織布帛は長手方向、巾方向に均一収縮
しており、加工シワ、染めムラなどの加工欠点も発現し
ておらず、良好な反発性を有し、かつ表地と接着する際
の接着プレス収縮率が低く、接着性は高いものであっ
た。
【0051】(比較例1)実施例1において、サンディ
ング加工を省略し、仕上げセットを乾熱160℃、長手
方向、幅方向に伸長せずに実施し、その他は全て同一の
条件、工程を実施した。得られた接着芯地は良好な反撥
弾性及び剛性は兼ね備えているものの、プレス収縮率が
高く、寸法安定性が悪く、表地と接着後接着部がカール
してしまう。また接着性は低いものであった。
【0052】(比較例2)実施例1において、サンディ
ング加工を省略し、仕上げセットを乾熱200℃、長手
方向に3%、幅方向に3%伸長して実施し、その他は全
て同一の条件、工程を実施した。得られた接着芯地は良
好な反撥弾性及び剛性は兼ね備えているものの、プレス
収縮率が高く、寸法安定性が悪く、表地と接着後接着部
がカールしてしまう。また接着性は低いものであった。
【0053】(比較例3)実施例1と同様の方法にて、
織上密度が経56本/inch、緯55本/inch、
織上巾は135cmの平織物を得た。
【0054】その後第1段階の拡布状乾熱の熱処理とし
てピンテンターを使用し、セット温度80℃で50秒間
の処理を実施し、長手方向に8%、巾方向に8%収縮さ
せ、面積収縮率15.4%を得た。第2段階の熱処理と
して液流染色機を使用し、温度130℃で湿熱処理を実
施し、生機巾に対し長手方向に5%、巾方向に4%収縮
させ、第1段階と第2段階の熱処理を合わせ長手方向に
13%、巾方向に12%収縮させ、合計面積収縮率2
3.5%を得た。
【0055】その後実施例1と同様の方法で仕上げ接着
芯地を得た。面積収縮率は十分に得られたが、第2段階
の熱処理がロープ状で行われるためロープ状の形態を保
持したまま収縮し長手方向のシワが発現した。また接着
性は低いものであった。
【0056】(比較例4)実施例1と同様の方法にて、
織上密度が経56本/inch、緯55本/inch、
織上巾は135cmの平織物を得た。生機を得た後、熱
処理として液流染色機を使用し、温度130℃で湿熱処
理を実施したが、長手方向に3%、巾方向に8%しか収
縮せず、面積収縮率10.8%しか得られなかった。そ
の後実施例1と同様の方法で仕上げ接着芯地を得た。目
標の面積収縮率も得られず、かつ熱処理がロープ状で行
われるためロープ状の形態を保持したまま収縮し長手方
向のシワが発現した。また接着性は低いものであった。
それぞれの評価を下記する。 1.毛羽長 布帛表面の毛羽の長さは、サンディング面を外側に布帛
を2つ折りにし、折った直線部の立毛程度を測定し平均
長で表した。
【0057】2.接着プレス収縮率 試料サイズ :タテ×ヨコ 30cm×30cm 収縮率測定マーク:タテ、ヨコにそれぞれ20cm間隔
にマークをつける。
【0058】収縮率 :次式にて糸長差を算出
する(試料5点の平均値)。
【0059】収縮率(%)=[20(cm)−処理後の
マーク間の長さ(cm)]/20(cm)×100 処理条件 :接着芯地を内側にし2枚重ね合わ
せ、ロータリープレス機を用い温度160℃、圧力(実
圧)1kg/cm2 、時間15秒の条件で接着する。
【0060】3.接着性(剥離強力) 次の条件で接着した後、剥離強力を測定する。
【0061】接着条件:表地に日清紡(株)製#T40
04(ポリエステル65%、綿35%シャツ用ブロー
ド)を使用し接着芯地を重ね、上述の接着プレス収縮率
測定の項に記載した条件で接着する。
【0062】剥離強力:JIS L 1089 衣料用
接着布試験方法に準ずる。
【0063】4.反発性評価 20cm×20cmの試料を家庭用洗濯機で1回洗濯し
た後、床面と垂直に置いた板状物を用いて1cmの幅で
一辺を固定し、官能検査により布帛の反発性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0064】5.加工シワ、染ムラ評価 熟練した仕上検査員による官能検査により加工上の欠点
を評価した。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】上述のごとく構成された本発明の方法に
よると、加工欠点を発現させることなく、かつ良好な反
発弾性を有し、しかも高い接着力を兼ね備えた接着芯地
を製造できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルの溶融紡糸に際し、引き取り
    速度2000m/分〜4000m/分で引き取られたポ
    リエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に乾熱収縮
    処理、染色、仕上げセット、ドッティング加工する接着
    芯地の製造方法において、該布帛の片面にサンディング
    加工を施すことを特徴とする接着芯地の製造方法。
  2. 【請求項2】前記サンディング加工は、前記収縮処理の
    前に行うことを特徴とする請求項1記載の接着芯地の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記サンディング加工は、前記ドッティン
    グ加工の前に行うことを特徴とする請求項1記載の接着
    芯地の製造方法。
  4. 【請求項4】前記接着芯地の製造方法において、乾熱収
    縮処理の温度が60℃以上溶融温度以下であり、かつ仕
    上げセットの温度が130℃以上ドッティング温度未満
    の範囲において、該布帛を幅方向および/または長手方
    向に0.5〜10%伸長して行うことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の接着芯地の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ポリエステル繊維が、ポリエステル繊
    維の引っ張り強伸度を測定した荷重伸長曲線において、
    降伏応力点と該降伏応力点の応力より低い応力でポリエ
    ステル繊維が伸長される定応力伸度領域を有し、かつ、
    該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点までの伸度が
    100%未満であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の接着芯地の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7503941B2 (en) 2002-07-18 2009-03-17 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Elastic fabric and process for producing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7503941B2 (en) 2002-07-18 2009-03-17 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Elastic fabric and process for producing the same

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