JP2831408B2 - ポリエステルフィラメント複合糸の製造方法 - Google Patents
ポリエステルフィラメント複合糸の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、布帛にした時極めて皺がつき難いポリエス
テルフィラメント複合糸の風合改良に関するものであ
る。
テルフィラメント複合糸の風合改良に関するものであ
る。
[従来技術とその問題点] 本発明者らは、先に特願昭61−30946号(特開昭62−1
91526号)において、布帛にした時皺がつき難いポリエ
ステルフィラメント複合糸を提案した。その要旨とする
所は、引張ればずるずる伸び殆んど弾性回復しない高伸
度・低剛性であるような未延伸糸を実質的に延伸するこ
となく熱処理することにより、高度に結晶化させ、他方
その沸水収縮率や熱応力(160℃に於ける)は低い水準
に維持したポリエステル未延伸(熱処理)糸(A′)
と、低伸度・高剛性で伸び難く、他方沸水収縮率や熱応
力(160℃に於ける)は高い水準にあるポリエステル延
伸糸(B′)とを合糸した複合糸を織物にすると、従来
のポリエステル繊維やその複合糸とは異なり、高度の改
善された防皺性を有することを見出したものである。
91526号)において、布帛にした時皺がつき難いポリエ
ステルフィラメント複合糸を提案した。その要旨とする
所は、引張ればずるずる伸び殆んど弾性回復しない高伸
度・低剛性であるような未延伸糸を実質的に延伸するこ
となく熱処理することにより、高度に結晶化させ、他方
その沸水収縮率や熱応力(160℃に於ける)は低い水準
に維持したポリエステル未延伸(熱処理)糸(A′)
と、低伸度・高剛性で伸び難く、他方沸水収縮率や熱応
力(160℃に於ける)は高い水準にあるポリエステル延
伸糸(B′)とを合糸した複合糸を織物にすると、従来
のポリエステル繊維やその複合糸とは異なり、高度の改
善された防皺性を有することを見出したものである。
その上、このポリエステル複合糸からは、従来のポリ
エステル複合糸や生糸(シルク)では得ることの出来な
かった、嵩高性に優れた織物が得られ、天然素材を越え
た新合繊素材として好評を博している。
エステル複合糸や生糸(シルク)では得ることの出来な
かった、嵩高性に優れた織物が得られ、天然素材を越え
た新合繊素材として好評を博している。
ところが、昨今のファッションの流行はピーチスキン
に代表される超ソフトな風合を求めるように変化しつつ
あり、したがって前記ポリエステル複合糸も防皺性、嵩
高性の特性に加えて、更に超ソフトな風合にモディファ
イしたものも必要となってきた。
に代表される超ソフトな風合を求めるように変化しつつ
あり、したがって前記ポリエステル複合糸も防皺性、嵩
高性の特性に加えて、更に超ソフトな風合にモディファ
イしたものも必要となってきた。
[発明の目的] 本発明は、前記のポリエステル複合糸の有する優れた
防皺性と嵩高性とを維持しつつ、この複合糸を超ソフト
な風合にモディファイする為のポリエステル複合糸の製
造方法を提供することにある。
防皺性と嵩高性とを維持しつつ、この複合糸を超ソフト
な風合にモディファイする為のポリエステル複合糸の製
造方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、上記目的を達成せんとした鋭意研究し
た結果、未延伸糸の熱処理に関して前掲の先願が推奨し
ている130℃以上の熱処理に代えて、130℃を境とした、
特定の連続二段熱処理(特に二段目はマイルドな熱処
理)を採用するとき、得られる複合糸は、依然として防
皺性、嵩高性の特性を維持しつつ、極めてソフトな感触
を呈することを究明した。
た結果、未延伸糸の熱処理に関して前掲の先願が推奨し
ている130℃以上の熱処理に代えて、130℃を境とした、
特定の連続二段熱処理(特に二段目はマイルドな熱処
理)を採用するとき、得られる複合糸は、依然として防
皺性、嵩高性の特性を維持しつつ、極めてソフトな感触
を呈することを究明した。
かくして、本発明によれば切断伸度が80%以上、沸水
収縮率が17%以上のポリエステル未延伸糸を実質的に延
伸することなく、熱処理結晶化して得た沸水収縮率が5
%以下、熱応力(160℃に於ける)が40mg/de以下のポリ
エステル未延伸糸(A)と伸度が40%以下、沸水収縮率
が5%以上、熱応力(160℃に於ける)が100mg/de以上
のポリエステル未延伸糸(B)とを合わせて複合糸を得
るに際し、前記未延伸糸(A)の該熱処理結晶化を二段
熱処理方式で行い、その際 (a)一段目の熱処理を130℃未満で、0.05〜0.4秒間、 (b)二段目の熱処理を一段目の熱処理温度よりも少く
とも3℃以上高く且つ130℃以上の温度で0.02〜0.09秒
間 の条件下に行うことを特徴とするポリエステル複合糸の
製造方法が提供される。
収縮率が17%以上のポリエステル未延伸糸を実質的に延
伸することなく、熱処理結晶化して得た沸水収縮率が5
%以下、熱応力(160℃に於ける)が40mg/de以下のポリ
エステル未延伸糸(A)と伸度が40%以下、沸水収縮率
が5%以上、熱応力(160℃に於ける)が100mg/de以上
のポリエステル未延伸糸(B)とを合わせて複合糸を得
るに際し、前記未延伸糸(A)の該熱処理結晶化を二段
熱処理方式で行い、その際 (a)一段目の熱処理を130℃未満で、0.05〜0.4秒間、 (b)二段目の熱処理を一段目の熱処理温度よりも少く
とも3℃以上高く且つ130℃以上の温度で0.02〜0.09秒
間 の条件下に行うことを特徴とするポリエステル複合糸の
製造方法が提供される。
本発明における物性は、以下の定義に従う。
(a)伸度(EL) 低速伸長引張試験機とこれに連動した記録装置を用い
て測定する。
て測定する。
試料の試長を10cmとし、初荷重をデニール当り1/30g
掛けた状態で両端をエアチャックで把持固定する。測定
条件は引張速度200%/min、記録紙の送り速度10cm/min
で行う。破断伸度は最大応力点で表わし、測定回数は5
回行い、その平均値を求める。
掛けた状態で両端をエアチャックで把持固定する。測定
条件は引張速度200%/min、記録紙の送り速度10cm/min
で行う。破断伸度は最大応力点で表わし、測定回数は5
回行い、その平均値を求める。
(B)沸水収縮率(BWS) 試料を検尺機(1周1.125m)にて10回転し綛を作製す
る。次に、デニール当り1/30の軽荷重を掛けて綛の長さ
を測定する。次に軽荷重を外し、収縮が妨げられない様
にガーゼに包み、更に金網カゴに入れて沸水中に30分間
浸せきさせた後、取り出して布で水分を切り自然乾燥
し、再び軽荷重を綛に掛けて長さを測る。測定はn=5
で行い、その平均値を次の式で求め沸水収縮率を表わ
す。
る。次に、デニール当り1/30の軽荷重を掛けて綛の長さ
を測定する。次に軽荷重を外し、収縮が妨げられない様
にガーゼに包み、更に金網カゴに入れて沸水中に30分間
浸せきさせた後、取り出して布で水分を切り自然乾燥
し、再び軽荷重を綛に掛けて長さを測る。測定はn=5
で行い、その平均値を次の式で求め沸水収縮率を表わ
す。
(c)熱応力(TS)(160℃に於ける) 熱応力測定器と、これに連動した記録装置を用いて測
定する。
定する。
試料をサンプリング治具を用いて5cmの輪を作る。次
に熱応力測定器と記録装置を20〜300℃、応力0〜20gの
範囲が測定可能な状態に準備し、先にサンプリングした
試料5cmの輪を熱応力測定器の上部、下部のフックに掛
けてデニール当り1/30の軽荷重を掛けた後熱応力の測定
に入る。昇温速度は300℃/120秒で行う。300℃に昇温し
た時点で測定を完了する。測定は3回行う。熱応力(16
0℃)では、160℃の点の応力mgを読取る。
に熱応力測定器と記録装置を20〜300℃、応力0〜20gの
範囲が測定可能な状態に準備し、先にサンプリングした
試料5cmの輪を熱応力測定器の上部、下部のフックに掛
けてデニール当り1/30の軽荷重を掛けた後熱応力の測定
に入る。昇温速度は300℃/120秒で行う。300℃に昇温し
た時点で測定を完了する。測定は3回行う。熱応力(16
0℃)では、160℃の点の応力mgを読取る。
(d)結晶化度(χρ) n−ヘプタンと四塩化炭素とで調整した密度勾配管を
用いて繊維の密度d(g/cm3)を測定し、次式により計
算して求めた。
用いて繊維の密度d(g/cm3)を測定し、次式により計
算して求めた。
ここでdk=1.470g/cm3,de=1.331g/cm3。
(e)皺回復 先願の特願昭61−30946号に記載した方法により測定
した。即ち、布帛を筒状にして、これに重錘を乗せ、3
時間放置後、重錘を除き、30分間放置した時の皺の程度
を目視でランク付けした。皺の残らないものが5級、逆
に皺がシャープに残るものを1級とし、5段階評価し
た。
した。即ち、布帛を筒状にして、これに重錘を乗せ、3
時間放置後、重錘を除き、30分間放置した時の皺の程度
を目視でランク付けした。皺の残らないものが5級、逆
に皺がシャープに残るものを1級とし、5段階評価し
た。
(f)布帛の柔軟性 JIS L1096の6.20.3.C法(剛軟度ループ圧縮法)によ
り測定した曲げ硬さ(BS)を評価した。
り測定した曲げ硬さ(BS)を評価した。
(g)布帛の表面タッチのソフト感 手触りで官能評価し、ランク付けした。
本発明を具体的な例を用いて更に詳しく説明する。第
1図は、本発明の一実施態様を示す工程図である。
1図は、本発明の一実施態様を示す工程図である。
ポリエステル未延伸糸1は、糸のたるみがない程度に
張力を調節されて130℃未満に加熱された加熱ローラ3
に導かれ、該加熱ローラ上で0.05〜0.4秒間熱処理化さ
れ、更に該加熱ローラ3よりも少くとも3℃高く且つ13
0℃以上に加熱された。ヒーター4で0.02〜0.09秒間熱
処理されて、結晶化度(χρ)が20%以上、沸水収縮率
(BWS)が5%以下、好ましくは3%以下、熱応力(T
S)が40mg/de以下、好ましくは20mg/de以下(160℃に於
ける)のポリエステル未延伸糸(A)とされる。
張力を調節されて130℃未満に加熱された加熱ローラ3
に導かれ、該加熱ローラ上で0.05〜0.4秒間熱処理化さ
れ、更に該加熱ローラ3よりも少くとも3℃高く且つ13
0℃以上に加熱された。ヒーター4で0.02〜0.09秒間熱
処理されて、結晶化度(χρ)が20%以上、沸水収縮率
(BWS)が5%以下、好ましくは3%以下、熱応力(T
S)が40mg/de以下、好ましくは20mg/de以下(160℃に於
ける)のポリエステル未延伸糸(A)とされる。
他方、延伸糸2は、伸度が40%以下、沸水収縮率(BW
S)が5%以下、熱応力(TS)が100mg/de以上(160℃に
於ける)のポリエステル延伸糸(B)を用い、前記の2
段階の熱処理結晶化を受けたポリエステル未延伸糸
(A)と合糸複合され、引取ローラ5を経て巻取られ
る。
S)が5%以下、熱応力(TS)が100mg/de以上(160℃に
於ける)のポリエステル延伸糸(B)を用い、前記の2
段階の熱処理結晶化を受けたポリエステル未延伸糸
(A)と合糸複合され、引取ローラ5を経て巻取られ
る。
ここで、未延伸糸1としては、切断伸度(EL)が80%
以上、好ましくは100%以上で沸水収縮率(BWS)が17%
以上、好ましくは25%以上の不安定な構造の糸が用いら
れる。そして、このような未延伸糸は、紡糸速度2000〜
4300m/minで紡糸することによって得られる。
以上、好ましくは100%以上で沸水収縮率(BWS)が17%
以上、好ましくは25%以上の不安定な構造の糸が用いら
れる。そして、このような未延伸糸は、紡糸速度2000〜
4300m/minで紡糸することによって得られる。
2000m/min未満で紡糸した未延伸糸では、熱処理した
際に表面が溶けて融着する恐れがあり、一方4300m/min
を越えて紡糸した未延伸糸では伸度が低く、沸水収縮率
も低い安定な構造の糸となり、本発明に用いる原糸とし
ては適さない。
際に表面が溶けて融着する恐れがあり、一方4300m/min
を越えて紡糸した未延伸糸では伸度が低く、沸水収縮率
も低い安定な構造の糸となり、本発明に用いる原糸とし
ては適さない。
他方、延伸糸(B)は、4000m/min以下の紡糸速度で
紡糸したポリエステル未延伸糸を、延伸温度や延伸倍率
等を調節して延伸して得られる。特に、高沸水収縮を望
む場合は、延伸後熱セットしないか、ポリエステルポリ
マーを変成する(例えば、第3成分を共重合)方法をと
ればよい。
紡糸したポリエステル未延伸糸を、延伸温度や延伸倍率
等を調節して延伸して得られる。特に、高沸水収縮を望
む場合は、延伸後熱セットしないか、ポリエステルポリ
マーを変成する(例えば、第3成分を共重合)方法をと
ればよい。
本発明において、最も重要なことは、未延伸糸の熱収
縮条件であり、前記(a)及び(b)の条件が満足され
たとき、はじめて所望の複合糸が得られる。先ず、加熱
ローラ3の温度は130℃未満とするが未延伸糸の結晶化
を起す必要性から、その下限は95℃以上、好ましくは10
5℃以上の温度が好ましい。他方上限温度が130℃以上と
なると結晶化が促進されすぎ、織物風合の超ソフトさが
損なわれる傾向がある。この意味では、上限の温度は13
0℃未満、好ましくは125℃未満の温度が好ましい。そし
て、その際の熱処理時間は0.05〜0.4秒の範囲にあるこ
とが必要である。
縮条件であり、前記(a)及び(b)の条件が満足され
たとき、はじめて所望の複合糸が得られる。先ず、加熱
ローラ3の温度は130℃未満とするが未延伸糸の結晶化
を起す必要性から、その下限は95℃以上、好ましくは10
5℃以上の温度が好ましい。他方上限温度が130℃以上と
なると結晶化が促進されすぎ、織物風合の超ソフトさが
損なわれる傾向がある。この意味では、上限の温度は13
0℃未満、好ましくは125℃未満の温度が好ましい。そし
て、その際の熱処理時間は0.05〜0.4秒の範囲にあるこ
とが必要である。
一段目の熱処理の時間が、0.05秒未満では、未延伸糸
の結晶化促進および沸水収縮率低下が不十分であり、こ
れに伴い二段目の熱処理時間が0.1秒以上必要となり、
超ソフトな織物が得られなくなる。逆に一段目の熱処理
を0.4秒を越えて長くしても、130℃未満の温度では、も
はや糸構造の変化は、微々たるもので、実用上、全く意
味がなく、むしろ糸の処理速度が低下し不利となる。
の結晶化促進および沸水収縮率低下が不十分であり、こ
れに伴い二段目の熱処理時間が0.1秒以上必要となり、
超ソフトな織物が得られなくなる。逆に一段目の熱処理
を0.4秒を越えて長くしても、130℃未満の温度では、も
はや糸構造の変化は、微々たるもので、実用上、全く意
味がなく、むしろ糸の処理速度が低下し不利となる。
二段目の熱処理の時間が、0.02秒未満では、一段目の
熱処理を施した未延伸糸の結晶化を更に促進させたり、
沸水収縮率を低下させたりするだけの効果がない。他
方、必要な結晶化の促進と沸水収縮率の低下は0.09秒以
内に十分達成できるので、0.09秒を越えて熱処理するこ
とは、糸の処理速度が低くなり、不利であり、また過剰
すぎると、多少風合が硬くなる傾向がある。
熱処理を施した未延伸糸の結晶化を更に促進させたり、
沸水収縮率を低下させたりするだけの効果がない。他
方、必要な結晶化の促進と沸水収縮率の低下は0.09秒以
内に十分達成できるので、0.09秒を越えて熱処理するこ
とは、糸の処理速度が低くなり、不利であり、また過剰
すぎると、多少風合が硬くなる傾向がある。
尚、本例においては、加熱ローラを例示したが、その
他プレートヒーターやスリットヒーターでもよい。た
だ、加熱ローラを用いる方が設備が単純な形となり、作
業の操作性もよくなる。
他プレートヒーターやスリットヒーターでもよい。た
だ、加熱ローラを用いる方が設備が単純な形となり、作
業の操作性もよくなる。
次いで二段目の熱処理においては、ヒーター4にはス
リットヒーター或いはプレートヒーターが用いられ、そ
の温度は第1段の熱処理温度よりも少くとも3℃高く、
好ましくは5℃高く、且つ130℃以上として未延伸糸の
結晶化を更に促進すると共に沸水収縮率を低下させる。
好ましいヒーター温度はスリットヒーターでは160〜240
℃,プレートヒーターでは145〜200℃であり、それ以上
の融点近傍の熱を受けると糸が硬化してしまう。
リットヒーター或いはプレートヒーターが用いられ、そ
の温度は第1段の熱処理温度よりも少くとも3℃高く、
好ましくは5℃高く、且つ130℃以上として未延伸糸の
結晶化を更に促進すると共に沸水収縮率を低下させる。
好ましいヒーター温度はスリットヒーターでは160〜240
℃,プレートヒーターでは145〜200℃であり、それ以上
の融点近傍の熱を受けると糸が硬化してしまう。
また、未延伸糸(A)と延伸糸(B)とを複合するに
当って、そのまま合糸するだけでもよいが、高圧空気の
ノズル6を用いて混繊交絡して複合する方が後工程の取
扱い性の面から望ましい。また空気ノズルで複合する場
合は引取ローラ5を段付ローラとして糸を加熱しながら
処理する方式が有利である。
当って、そのまま合糸するだけでもよいが、高圧空気の
ノズル6を用いて混繊交絡して複合する方が後工程の取
扱い性の面から望ましい。また空気ノズルで複合する場
合は引取ローラ5を段付ローラとして糸を加熱しながら
処理する方式が有利である。
空気ノズルの空気の噴射方法としては、糸に直角にあ
てる方法や糸の進行方向に沿ってあてる方法が適用で
き、前者の場合には比較的ストレートな糸形態となり、
後者の場合には、微細なループ、たるみも付与すること
ができ多少スパン感覚の糸形態となるが、いずれの場合
も糸のオーバーフィード率は高々10%までに維持するこ
とが必要で、それを越えるオーバーフィード率では布帛
の皺回復性が悪くなってしまう。
てる方法や糸の進行方向に沿ってあてる方法が適用で
き、前者の場合には比較的ストレートな糸形態となり、
後者の場合には、微細なループ、たるみも付与すること
ができ多少スパン感覚の糸形態となるが、いずれの場合
も糸のオーバーフィード率は高々10%までに維持するこ
とが必要で、それを越えるオーバーフィード率では布帛
の皺回復性が悪くなってしまう。
尚、空気圧は糸に付与する交絡数や混繊性とのの関係
で1〜5kg/cm2の間で調節すればよい。
で1〜5kg/cm2の間で調節すればよい。
[実施例] ポリエステルテレフタレート未延伸糸(紡糸速度2900
m/min、デニール50de,フィラメント数24本,伸度120
%,沸水収縮率40%,結晶化度8.3%,ブライト光沢,
三角断面糸)を用いて、図に示した工程で熱処理を施し
た。ホットローラで一段目の熱処理を行い、二段目の熱
処理はスリットヒーターで2%弛緩しながら表に示した
条件で処理し、熱処理未延伸糸(A)とした。
m/min、デニール50de,フィラメント数24本,伸度120
%,沸水収縮率40%,結晶化度8.3%,ブライト光沢,
三角断面糸)を用いて、図に示した工程で熱処理を施し
た。ホットローラで一段目の熱処理を行い、二段目の熱
処理はスリットヒーターで2%弛緩しながら表に示した
条件で処理し、熱処理未延伸糸(A)とした。
他方、延伸糸(B)には、ポリエチレンテレフタレー
トを1500m/minの速度で紡糸した後、85℃の加熱ローラ
を用いて、延伸倍率3倍で延伸して得た、フィラメント
デニール3de,フィラメント数12本,伸度35%,沸水収縮
率14%,熱応力(160℃に於ける)300mg/de,ブライト光
沢,丸断面のマルチフィラメント糸を用いて、両糸
(A),(B)を引取ローラ上で合糸し、空気インター
レースノズルを用いて、オーバーフィード率0.5%、空
気圧1.0kg/cm2の条件で複合して巻取った。
トを1500m/minの速度で紡糸した後、85℃の加熱ローラ
を用いて、延伸倍率3倍で延伸して得た、フィラメント
デニール3de,フィラメント数12本,伸度35%,沸水収縮
率14%,熱応力(160℃に於ける)300mg/de,ブライト光
沢,丸断面のマルチフィラメント糸を用いて、両糸
(A),(B)を引取ローラ上で合糸し、空気インター
レースノズルを用いて、オーバーフィード率0.5%、空
気圧1.0kg/cm2の条件で複合して巻取った。
尚、熱処理結晶化した未延伸糸(A)の糸特性は、表
に示した通りであった。
に示した通りであった。
次いで、得られた複合糸(81デニール,36フィーラメ
ント)を用いて、S撚350T/Mの追撚を施し、平組織で、
密度を経糸114本/インチ,緯糸90本/インチの生機を
得た。この生機を100℃で30分間かけてリラックスし、1
80℃で45秒間かけて皺を伸ばす程度の弱い引張率でプレ
セットした後、130℃で45分間染色して、最後に160℃で
45秒間、緊張しない程度に引張して熱セットして仕上げ
た。
ント)を用いて、S撚350T/Mの追撚を施し、平組織で、
密度を経糸114本/インチ,緯糸90本/インチの生機を
得た。この生機を100℃で30分間かけてリラックスし、1
80℃で45秒間かけて皺を伸ばす程度の弱い引張率でプレ
セットした後、130℃で45分間染色して、最後に160℃で
45秒間、緊張しない程度に引張して熱セットして仕上げ
た。
得られた織物の特性は表の通りであった。
比較例1は二段目の熱処理を施していないので、熱処
理後も未延伸糸(A)の沸水収縮率(BWS)が高く、結
晶化度(χρ)も低いので、複合糸にして得られた織物
は、皺回復が悪く、風合も硬い。
理後も未延伸糸(A)の沸水収縮率(BWS)が高く、結
晶化度(χρ)も低いので、複合糸にして得られた織物
は、皺回復が悪く、風合も硬い。
比較例2と実施例1,2,3は、一段目の熱処理時間を変
えたもので、二段目の熱処理は必要な温度と時間を与え
ている。これらの実験結果から見ると、一段目の熱処理
時間は、0.05秒以上必要で実施例1ではBWSが5%以下
となり、結晶化度も18%まで高められているので、織物
の皺回復も従来得られなかった良好な結果が得られ、同
時に風合も従来品より、はるかに柔かく、表面タッチも
ソフトな結果が得られている。これに対して、比較例2
は、一段目の熱処理時間が不足しており、BWSが高く、
χρも低い為、皺回復や風合の柔かさの改良が認められ
ない。実施例2は、十分な熱処理効果が得られている。
実施例3も同様に十分な熱処理効果が得られているが、
実施例2と織物特性に差が認められず、一段目の熱処理
時間を長くとる分だけ糸の処理速度が遅くなり、生産性
が低下するので実用的でない。
えたもので、二段目の熱処理は必要な温度と時間を与え
ている。これらの実験結果から見ると、一段目の熱処理
時間は、0.05秒以上必要で実施例1ではBWSが5%以下
となり、結晶化度も18%まで高められているので、織物
の皺回復も従来得られなかった良好な結果が得られ、同
時に風合も従来品より、はるかに柔かく、表面タッチも
ソフトな結果が得られている。これに対して、比較例2
は、一段目の熱処理時間が不足しており、BWSが高く、
χρも低い為、皺回復や風合の柔かさの改良が認められ
ない。実施例2は、十分な熱処理効果が得られている。
実施例3も同様に十分な熱処理効果が得られているが、
実施例2と織物特性に差が認められず、一段目の熱処理
時間を長くとる分だけ糸の処理速度が遅くなり、生産性
が低下するので実用的でない。
比較例3、実施例4,5,6および比較例4は二段目の熱
処理時間を変えたものである。これらの実験結果から見
ると、二段目の熱処理時間は、0.02秒以上必要で、実施
例4は、BWSが低下し、結晶化度も高くなっており、織
物の皺回復と柔かさ、ソフトタッチが得られているのに
対して、比較例3は、二段目の熱処理時間が不足してい
る為、BWSが5%を越え、結晶化度も16%と低く、織物
の特性も従来のものと差が認められない。
処理時間を変えたものである。これらの実験結果から見
ると、二段目の熱処理時間は、0.02秒以上必要で、実施
例4は、BWSが低下し、結晶化度も高くなっており、織
物の皺回復と柔かさ、ソフトタッチが得られているのに
対して、比較例3は、二段目の熱処理時間が不足してい
る為、BWSが5%を越え、結晶化度も16%と低く、織物
の特性も従来のものと差が認められない。
実施例5および6では最高の結果が得られている。
比較例4は二段目の熱処理時間が長すぎるため、皺回
復は改良されているものの、硬さや表面タッチの点がや
や硬くなっており、好ましくない。
復は改良されているものの、硬さや表面タッチの点がや
や硬くなっており、好ましくない。
実施例7は二段目の熱処理時間を実施例5の220℃か
ら150℃まで下げたもので、スリットヒーター使用の場
合は、この辺りの温度以上が好ましいとえる。
ら150℃まで下げたもので、スリットヒーター使用の場
合は、この辺りの温度以上が好ましいとえる。
比較例5は一段目の熱処理なしに、スリットヒーター
で二段目の熱処理のみを施したものである。この場合熱
処理糸(A)の糸特性はBWSも十分低く、結晶化度も十
分に高くなっており、織物の皺回復も改良されている
が、硬さと表面のソフトタッチの点で、本発明の目的と
する超ソフトな風合を満足していない。
で二段目の熱処理のみを施したものである。この場合熱
処理糸(A)の糸特性はBWSも十分低く、結晶化度も十
分に高くなっており、織物の皺回復も改良されている
が、硬さと表面のソフトタッチの点で、本発明の目的と
する超ソフトな風合を満足していない。
[発明の効果] 本発明によれば (a)先の特願昭61−30946号で提案した発明と同様に
嵩高性,皺回復性に優れた布帛を与える複合糸が得ら
れ、しかも先願の発明による複合糸の布帛に比べてはる
かに柔かく、ソフトなタッチの風合を強調した布帛が得
られる。
嵩高性,皺回復性に優れた布帛を与える複合糸が得ら
れ、しかも先願の発明による複合糸の布帛に比べてはる
かに柔かく、ソフトなタッチの風合を強調した布帛が得
られる。
(b)熱処理未延伸糸(A)の結晶化度が先願では25%
以上であったのに対し、本願発明では20%以上で同様に
高い皺回復性が得られる。
以上であったのに対し、本願発明では20%以上で同様に
高い皺回復性が得られる。
(c)また、先願では熱処理未延伸糸(A)の160℃で
の熱応力が測定,初荷重1/30g/de(33mg/de)に対し、4
0mg/de以下好ましい態様では20mg/de以下であって染色
仕上げのセット工程で糸(A)があまりつっぱらない
か、好ましくは自己伸長することを必要条件としている
が、本発明の熱処理未延伸糸(A)も同様な特性を維持
している。
の熱応力が測定,初荷重1/30g/de(33mg/de)に対し、4
0mg/de以下好ましい態様では20mg/de以下であって染色
仕上げのセット工程で糸(A)があまりつっぱらない
か、好ましくは自己伸長することを必要条件としている
が、本発明の熱処理未延伸糸(A)も同様な特性を維持
している。
図は、本発明の一実施態様を示す工程図である。 図中、1は未延伸原糸,2は延伸糸,3はホットローラ,4は
スリットヒーター,5は段付引取ローラ,6は空気交絡ノズ
ル,7は巻取装置である。
スリットヒーター,5は段付引取ローラ,6は空気交絡ノズ
ル,7は巻取装置である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00
Claims (2)
- 【請求項1】切断伸度が80%以上、沸水収縮率が17%以
上のポリエステル未延伸糸を実質的に延伸することな
く、熱処理結晶化して得た沸水収縮率が5%以下、熱応
力(160℃に於ける)が40mg/de以下のポリエステル未延
伸糸(A)と伸度が40%以下、沸水収縮率が5%以上、
熱応力(160℃に於ける)が100mg/de以上のポリエステ
ル延伸糸(B)とを合糸して複合糸を得るに際し、前記
未延伸糸(A)の該熱処理化を2段熱処理方式で行い、
その際 (a)一段目の熱処理を130℃未満で、0.05〜0.4秒間、 (b)二段目の熱処理を一段目の熱処理温度よりも少く
とも3℃以上高く且つ130℃以上の温度で0.02〜0.09秒
間 の条件下に行うことを特徴とするポリエステル複合糸の
製造方法。 - 【請求項2】未延伸糸(A)と延伸糸(B)とを合糸す
るに際し、空気ノズルに導入して合糸する、請求項1記
載のポリエステルフィラメント複合糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33114089A JP2831408B2 (ja) | 1989-12-22 | 1989-12-22 | ポリエステルフィラメント複合糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33114089A JP2831408B2 (ja) | 1989-12-22 | 1989-12-22 | ポリエステルフィラメント複合糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03193945A JPH03193945A (ja) | 1991-08-23 |
JP2831408B2 true JP2831408B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=18240319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33114089A Expired - Fee Related JP2831408B2 (ja) | 1989-12-22 | 1989-12-22 | ポリエステルフィラメント複合糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2831408B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-22 JP JP33114089A patent/JP2831408B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03193945A (ja) | 1991-08-23 |
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Legal Events
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