JPH111856A - ポリエステル繊維布帛の製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維布帛の製造方法

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JPH111856A
JPH111856A JP9148029A JP14802997A JPH111856A JP H111856 A JPH111856 A JP H111856A JP 9148029 A JP9148029 A JP 9148029A JP 14802997 A JP14802997 A JP 14802997A JP H111856 A JPH111856 A JP H111856A
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fabric
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polyester
stress
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JP9148029A
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Hidemoto Okada
英基 岡田
Mitsuo Fujiwara
光夫 藤原
Akira Takagi
明 高木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル繊維布帛を加工シワ、染めムラな
どの加工欠点を発現させず、長手方向、幅方向に均一な
収縮を実施させ、良好な反発性を有するポリエステル繊
維布帛を提供する。 【解決手段】ポリエステルの溶融紡糸に際し、引き取り
速度2000m/分〜4000m/分で引き取られたポ
リエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に60℃以
上の乾熱の熱処理を拡布状で施すことを特徴とするポリ
エステル繊維布帛の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のポリエステ
ル繊維を用いて布帛となし、特定の収縮熱処理を施すこ
とによって得られる良好な反発性を有するポリエステル
繊維布帛の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル繊維布帛に高い収縮
を付与する方法として、拡布状にて連続リラックス処理
を行い、その後布帛をプレセットすることなく布帛の収
縮温度以上でロープ状でもみ効果を与えつつ液流処理す
る方法などがあった。
【0003】しかしながら、上記の処理が拡布状処理で
あった場合には、長手方向への加工テンションが発生す
るため、バイアス方向への収縮ムラが発生し、加工シワ
が発現するという問題があり、またロープでの処理であ
った場合には、ロープ状の形態を保持したまま収縮する
ため、長手方向へのシワは避けられないものとなってい
た。さらに、シワの発現を回避するため、プレセットを
併用する場合があるが、多くの場合、プレセットの処理
後に目的の収縮が十分に得られないという欠点があっ
た。
【0004】また同様に、上記の欠点を回避する目的で
極端な太デニール繊維を使用するものが試みられてい
る。しかしながら、太デニール繊維使用のものは反発性
はやや改良されるものの、風合いが著しく粗硬となり、
とうてい満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来の技術の問題点を克服し、ポリエステル繊維布
帛を加工シワ、染めムラなどの加工欠点を発現させず、
長手方向、幅方向に均一な収縮を実施させ、良好な反発
性を有するポリエステル繊維布帛を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル繊
維布帛の製造方法は、前述の課題を解決するため、次の
通りの構成をとるものである。
【0007】(1)ポリエステルの溶融紡糸に際し、引
き取り速度2000m/分〜4000m/分で引き取ら
れたポリエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に6
0℃以上の乾熱の熱処理を拡布状で施すことを特徴とす
るポリエステル繊維布帛の製造方法。
【0008】(2)ポリエステルの溶融紡糸に際し、引
き取り速度2000m/分〜4000m/分で引き取ら
れたポリエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に、
第1段階として60℃以上の乾熱の熱処理を施し、第2
段階として前記第1段階の処理温度以上であって、かつ
ポリエステルの溶融温度以下の温度の乾熱の熱処理を拡
布状で施すことを特徴とするポリエステル繊維布帛の製
造方法。
【0009】(3)前記ポリエステル繊維が、ポリエス
テル繊維の引っ張り強伸度を測定した荷重伸長曲線にお
いて、降伏応力点と該降伏応力点の応力より低い応力で
ポリエステル繊維が伸長される定応力伸度領域を有し、
かつ、該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点までの
伸度が100%未満であることを特徴とする前記(1)
または(2)に記載のポリエステル繊維布帛の製造方法
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。
【0011】本発明のポリエステル繊維布帛を形成する
繊維は、特定の条件で溶融紡糸された繊維(以下、第1
次特定領域)とし、繊維の微細構造すなわち結晶、非
晶、配向に限定された変化をもたらし、次に示す熱処理
を施すことにより、本発明のこの態様の要件である特定
値となるように制御された配向および結晶化の領域とな
る繊維(以下、第2次特定領域)となし、本発明の目的
である加工シワを発生させず良好な反発弾性を有したポ
リエステル繊維布帛を得ることができる。
【0012】本発明の方法では、上記のような拡布状で
熱処理を施し、収縮させることにより達成されるもので
ある。この熱処理はポリエステルの結晶化が起こる雰囲
気で行うことが好ましい。この熱処理の温度は、乾熱で
60℃〜230℃の範囲であることが好ましく、80℃
〜180℃であることがさらに好ましい。このような処
理条件で熱処理を施せば、加工シワの発現はなく、高反
発性を有する布帛を得ることができる。熱処理温度が上
記温度より低いと、収縮は発生せず、また上記温度を越
えると、急激に収縮が開始するため、加工シワが発現し
やすくなり、製品に大きなシワを生じさせるようにな
る。また布帛の長手方向、および幅方向共に10〜30
%収縮させるために、連続フリー熱処理機を用い、収縮
時にかかるテンションを解消させるため、布帛の送り込
みを布帛の収縮量に相当する量を実施し、弛緩状態下で
熱処理を施すことが好ましい。
【0013】また、一度の熱処理での収縮処理がハード
的に困難な場合は、熱処理を2度以上行って目的の収縮
率を得るようにしても何ら問題はない。
【0014】具体的には、ポリエステルの溶融紡糸に際
し、引き取り速度2000m/分〜4000m/分で引
き取られたポリエステル繊維を用いた布帛に、第1段階
として60℃以上の乾熱の熱処理を施し、面積収縮率が
10%以上となるようにし、第2段階として前記第1段
階の処理温度以上であって、かつポリエステルの溶融温
度以下の温度の乾熱の熱処理を拡布状で施すことによっ
て、加工シワを発現させることなく、面積収縮率が少な
くとも20%以上の布帛を得ることができる。第1段階
での熱処理は、長手方向、幅方向共に5〜25%収縮可
能な状態で拘束し熱処理を実施する。この熱処理の温度
は乾熱で60℃〜230℃の範囲であることが好まし
く、80℃〜130℃の範囲であることがさらに好まし
い。熱処理温度が上記温度より低いと、収縮は発生せ
ず、上記温度を越えると、結晶化が進行し、目的の収縮
が十分に得られない。また、染色加工工程通過性を考慮
した場合、長手方向、幅方向共に5〜15%収縮可能な
状態で拘束し、熱処理を実施することはさらに好まし
い。
【0015】第2段階での熱処理は、長手方向、幅方向
共に5〜25%収縮可能な状態で実施する。熱処理の温
度は第1段階以上の温度であり、乾熱で60℃〜230
℃の範囲であることが好ましく、80℃〜180℃の範
囲であることがさらに好ましい。上記の処理条件で熱処
理を施せば加工シワの発現はなく高反発性を有する布帛
を得ることができる。熱処理温度が上記温度より低い
と、収縮は発生せず、上記温度を越えると、急激に収縮
が開始するため、加工シワが発現しやすくなり、製品に
大きなシワが残るようになる。また長手方向、幅方向共
に5〜25%収縮させるために、連続フリー熱処理機を
用い、収縮時にかかるテンションを解消させるために布
帛の送り込みを布帛の収縮量に相当する量実施し、弛緩
状態下で熱処理を施すことが好ましい。
【0016】また、本発明のポリエステル繊維布帛の製
造方法の利点は、何ら特別の加工機を使用することな
く、比較的安定的に製造できることにある。
【0017】繊維が第1次特定領域から第2次特定領域
にシフトすることにより、従来繊維にはない特定値を示
し、ポリエステルでありながら、ナイロンのごとき高弾
性と繰り返しの屈曲に対する耐屈曲性が抜群に良好とな
り、ポリエステル繊維本来の長所である乾熱、あるいは
湿熱における寸法安定性も兼ね備えることができる。す
なわち、本発明にかかるポリエステル繊維布帛は、ナイ
ロンとポリエステルの長所を同時に有するというこれま
でにない画期的な効果と実用的な物性を有するものとし
て、産業上極めて有効に活用できる。
【0018】本発明に係るポリエステル繊維は、ポリエ
ステル繊維の引っ張り強伸度を測定した荷重伸長曲線に
おいて、降伏応力点と該降伏応力点の応力より低い応力
でポリエステル繊維が伸長される定応力伸度領域を有
し、かつ、該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点ま
での伸度が100%未満であることを満足するポリエス
テル繊維である。
【0019】上述のポリエステル繊維は、布帛におい
て、さらに良好な反発性を有するようにするために、次
の特性値(A)または特性値(B)を有することが好ま
しい。ここで特性値(A)とは、(1)小角X線散乱写
真撮影によって得られた散乱像が層線状像を呈し、かつ
該写真上の子午線あるいは赤道から散乱像の中心までの
距離rにより下記式で求められるJ値が5〜15nm、
好ましくは7〜13nmであり、 J=λ/2sin[{tan-1(r/R)}/2] ここで、R:カメラ半径、λ:X線の波長、J:長周期 (2)比重が1.360〜1.395であり、好ましく
は1.365〜1.390であり、(3)広角X線回折
測定から得られた結晶サイズが、面指数(010)にお
いて2.5nm〜4.5nm、好ましくは3.0nm〜
4.0nmであり、面指数(100)において2.0n
m〜4.0nm、好ましくは2.5nm〜3.5nmで
あり、面指数(1バア05以下105と記述する)にお
いて2.5nm〜4.5nmであり、好ましくは3.0
nm〜4.0nmであり、(4)広角X線回折測定から
得られた結晶配向度が50%〜85%であり、好ましく
は60%〜82%であり、(5)偏光蛍光法による非晶
配向度が0.100〜0.350であり、好ましくは
0.150〜0.300である。
【0020】また、特性値(B)とは、(1)小角X線
散乱写真撮影によって得られた散乱像が層線状四点散乱
像を呈し、かつ、該写真上から求めた長周期のDm値が
14nm未満好ましくは12nm未満、De値が15n
m以上、好ましくは17以上であり、Dm/Deが1.
0未満であり、好ましくは0.9未満であり、(2)比
重が1.370〜1.396であり、好ましくは1.3
75〜1.393であり、(3)広角X線回折測定から
得られた結晶サイズが、面指数(010)において2.
0nm〜4.0nm、好ましくは2.5nm〜3.5n
mであり、面指数(100)において2.0nm〜4.
2nm、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、面
指数(105)において2.0nm〜4.2nmであ
り、好ましくは2.5nm〜3.8nmであり、(4)
広角X線回折測定から得られた結晶配向度が50%〜8
5%であり、好ましくは60%〜82%であり、(5)
偏光蛍光法による非晶配向度が0.200〜0.450
であり、好ましくは0.250〜0.400であり、
(6)複屈折が30〜120×10-3、好ましくは50
〜100×10-3である。
【0021】本発明において、小角X線散乱写真撮影方
法および条件は、通常行なわれているX線散乱測定によ
り行うものであるが、本発明者等が行った方法および条
件は次のとおりである。
【0022】 X線発生装置;理学電機社(株)製:RU−200型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :50KV 200mA スリット径 :0.5mm径 撮影条件 カメラ半径 :400mm 露出時間 :120分 フイルム :Kodak DEF−5 また、各種特性の測定方法および条件は下記のとおりで
ある。
【0023】(A)比重;JIS−L1013 7.1
4.2密度勾配管法に準じた。
【0024】 (B)広角X線回折による結晶サイズ測定; (a)広角X線回析(カウンター法) X線発生装置;理学電機社(株)製 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA ゴニオメータ;理学電機社(株)製 スリット径:2mm径ピンホールコリメータ 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置;RAD−C、オンライン・データ処理システム 赤道線方向スキャン範囲:10〜35° 子午線方向スキャン範囲:30〜55° スキャン方法 ステップ:2θ/θ サンプリング間隔:0.05°/Step 積算時間 :2秒 円周方向(β)スキャン範囲:90〜270° サンプリング間隔:0.5°/Step 積算時間 :2秒 (b)広角プレート写真撮影 X線発生装置;理学電機社(株)製:4036A2型 X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :35KV 15mA スリット径:1mm径ピンホールコリメータ使用 撮影条件 カメラ半径 :40mm 露出時間 :20分 フイルム :Kodak DEF−5 結晶サイズ算出は面指数(010)、(100)および
(105)のピークの半値幅から下記のScherre
rの式を用い計算した。
【0025】L(hkl)=Kλ/β0 cosθB ただし、L(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な
方向の平均の大きさ K:1.0、λ:X線の波長、β0 =(βE2−βI2
1/2 、 βE :見掛けの半値幅(測定値) βI :1.05×10-2rad.、θB :ブラッグ角 (C)広角X線回折測定による結晶配向度 2θ=17.5付近に観察される(010)面及び2θ
=25.7付近に観察される(100)面を円周方向に
スキャンして得られる強度分布の半値幅Hから下記式に
より算出したもの。
【0026】結晶配向度(%)=[(180−H)/1
80]×100 (D)複屈折:Na電球によりD線色光を用い、セナル
モン法およびコンペンセータ法で測定した。
【0027】(E)偏光蛍光法による非晶配向度 装 置:日本分光工業製FOM−1 光学系:透過法(励起光波長:365nm、蛍光波長:
420nm) 測定系:偏光子‖検光子、および偏光子〓検光子で回転
して、面内の偏光蛍光強度(I‖、I〓)の角度分布を
得た。
【0028】ここで、‖は平行を示し、〓は垂直を示
す。
【0029】非晶配向度は下記式からの一軸配向係数f
2 で求めた。
【0030】f2 =3/2[{I‖(0)+2I〓
(0)}/K−1/3] 但し、K={I‖(0)+4I〓(0)+8/3I‖
(90)} I‖(0):‖測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 I‖(90):‖測定での上記と直交方向の相対偏光蛍
光強度 I〓(0):〓測定での軸方向の相対偏光蛍光強度 かかるポリエステル繊維の製造方法の例を挙げると、第
1次特定領域の繊維を得るには、ポリエステル、好まし
くはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどの芳香族ポリエステルまたはそれを主体と
した共重合体を用いる。加えて溶融紡糸における引き取
り速度は2000m/分〜4000m/分、特に好まし
くは2500m/分〜3500m/分の条件という限定
された条件で得られるポリエステル繊維である。これ
は、通常POYといわれる領域の繊維を含むものであ
る。
【0031】本発明において用いられるポリエステル繊
維の太さは、特に限定されないが、一般的には単繊維繊
度で0.01〜200デニール、トータル繊度において
20〜1000デニールの糸として用いるのが好まし
い。
【0032】高強度、高弾性、防縮性を得る観点から
は、ポリエステルの極限粘度(オルソクロロフェノー
ル、30℃)が0.55〜1.00であることが好まし
い。また、染色を容易する観点からは、ポリエステル
が、ポリエチレンテレフタレートにポリアルキレングリ
コールが共重合された共重合体であって、90℃〜11
0℃で分散染料可染であることが好ましい。このポリエ
ステルを用いたポリエステル繊維の場合、天然繊維と混
用しての染色に有利であり好ましい。さらに、また、濃
色、鮮明な染色をする観点からは、ポリエステルが5−
ナトリウムスルホイソフタル酸が共重合されたカチオン
染料可染型ポリエステルであることが好ましい。
【0033】本発明は、上記のポリエステル繊維を用い
て、織物、編物、あるいは不織布などの布帛となし、布
帛の状態において前記した収縮熱処理を施すものであ
る。
【0034】また、本発明の目的、効果を損なわない範
囲で、他の繊維と複合あるいは混繊してもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定
されるものではない。
【0036】なお、実施例において、面積収縮率は、無
張力状態で、かつしわが入っていない状態で生機の経糸
方向、緯糸方向に印を入れ、熱処理後の経糸方向、緯糸
方向の長さを読み取り、[(生機の面積−熱処理後の織
物面積)/生機の面積]×100で求めたものである。
【0037】実施例1 引取速度3100m/分のPOY、240デニール、4
8フィラメントのポリエステル繊維糸をそのまま緯糸と
して使用し、織物の経糸として、上記ポリエステル繊維
糸をさらに80回/mに加撚したものを使用し、織上密
度が経56本/inch、緯55本/inch、織上巾
が135cmの平織物を得た。この生機を、第1段階の
拡布状の乾熱熱処理としてピンテンターを使用し、セッ
ト温度80℃で50秒間の処理を実施し、長手方向に8
%、巾方向に8%収縮させ、面積収縮率15.4%を得
た。第2段階の熱処理として、拡布状フリー乾燥機を使
用し、温度130℃で45秒間の乾熱処理を実施し、生
機巾に対し長手方向に16%、巾方向に19%収縮さ
せ、第1段階と第2段階の熱処理を合わせ長手方向に2
4%、巾方向に27%収縮させ、合計面積収縮率44.
5%を得た。その後、分散染料を使用し、染色を施し、
乾熱180℃の条件でファイナルセットを施した。得ら
れた平織布帛は長手方向、巾方向に均一収縮しており、
加工シワ、染めムラなどの加工欠点も発現しておらず、
良好な反発性を有するものであった。
【0038】実施例2 実施例1と同様の方法にて、織上密度が経56本/in
ch、緯55本/inch、織上巾は135cmの平織
物を得た。この生機を、第1段階の拡布状の乾熱熱処理
としてピンテンターを使用し、セット温度80℃で50
秒間の処理を実施し、長手方向に8%、巾方向に8%収
縮させ、面積収縮率18.4%を得た。第2段階の熱処
理として拡布状フリー乾燥機を使用し、温度180℃で
1分間の乾熱処理を実施し、生機巾に対し長手方向に1
2%、巾方向に15%収縮させ、第1段階と第2段階の
熱処理を合わせ長手方向に20%、巾方向に23%収縮
させ、合計面積収縮率38.4%を得た。その後、分散
染料を使用し、染色を施し、乾熱180℃の条件でファ
イナルセットを施した。得られた平織布帛は長手方向、
巾方向に均一収縮しており、加工シワ、染めムラなどの
加工欠点も発現しておらず、良好な反発性を有するもの
であった。
【0039】比較例1 実施例1と同様の方法にて、織上密度が経56本/in
ch、緯55本/inch、織上巾は135cmの平織
物を得た。この生機を、第1段階の拡布状の乾熱熱処理
としてピンテンターを使用し、セット温度80℃で50
秒間の処理を実施し、長手方向に8%、巾方向に8%収
縮させ、面積収縮率18.4%を得た。第2段階の熱処
理として液流染色機を使用し、温度130℃で湿熱処理
を実施し、生機巾に対し長手方向に5%、巾方向に4%
収縮させ、第1段階と第2段階の熱処理を合わせ長手方
向に13%、巾方向に12%収縮させ、合計面積収縮率
23.5%を得た。その後分散染料を使用し、染色を施
し、乾熱180℃の条件でファイナルセットを施した。
面積収縮率は十分に得られたが、第2段階の熱処理がロ
ープ状で行われたため、ロープ状の形態を保持したまま
収縮し長手方向のシワが発現した。
【0040】比較例2 実施例1と同様の方法にて、織上密度が経56本/in
ch、緯55本/inch、織上巾は135cmの平織
物を得た。生機を得た後第1段階の拡布状の湿熱熱処理
として連続リラックス機を使用し、長手方向に9%、巾
方向に18%収縮させ、面積収縮率25.4%を得た。
第2段階の熱処理として液流染色機を使用し、温度13
0℃で湿熱処理を実施したが、収縮しなかった。その後
分散染料を使用し染色を施し乾熱180℃の条件でファ
イナルセットを施した。
【0041】面積収縮率は十分に得られたが、第1段階
の熱処理が拡布状処理ではあったが、長手方向に加工テ
ンションが発生し、バイアス方向へ収縮ムラが発現し、
染色加工を行ってもその形態は維持され、加工シワ、染
めムラが発生した。
【0042】比較例3 実施例1と同様の方法にて、織上密度が経56本/in
ch、緯55本/inch、織上巾は135cmの平織
物を得た。この生機を、熱処理として液流染色機を使用
し、温度130℃で湿熱処理を実施したが、長手方向に
3%、巾方向に8%しか収縮せず、面積収縮率10.8
%しか得られなかった。
【0043】その後、分散染料を使用し染色を施し乾熱
180℃の条件でファイナルセットを施した。目標の面
積収縮率も得られず、かつ熱処理がロープ状で行われた
ため、ロープ状の形態を保持したまま収縮し長手方向の
シワが発現した。
【0044】それぞれの評価を下記に示す。
【0045】1.反発性評価 20cm×20cmの試料を家庭用洗濯機で1回洗濯し
た後、床面と垂直に置いた板状物を用いて1cmの幅で
一辺を固定し、官能検査により布帛の反発性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0046】2.加工シワ、染ムラ評価 熟練した仕上検査員による官能検査により加工上の欠点
を評価した。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】上述のごとく構成された本発明の方法に
よると、加工シワや、染めムラなどの加工欠点を発現さ
せることなく、かつ良好な反発弾性を有するポリエステ
ル布帛を製造できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルの溶融紡糸に際し、引き取り
    速度2000m/分〜4000m/分で引き取られたポ
    リエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に60℃以
    上の乾熱の熱処理を拡布状で施すことを特徴とするポリ
    エステル繊維布帛の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリエステルの溶融紡糸に際し、引き取り
    速度2000m/分〜4000m/分で引き取られたポ
    リエステル繊維を用いて布帛となし、該布帛に、第1段
    階として60℃以上の乾熱の熱処理を施し、第2段階と
    して前記第1段階の処理温度以上であって、かつポリエ
    ステルの溶融温度以下の温度の乾熱の熱処理を拡布状で
    施すことを特徴とするポリエステル繊維布帛の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記ポリエステル繊維が、ポリエステル繊
    維の引っ張り強伸度を測定した荷重伸長曲線において、
    降伏応力点と該降伏応力点の応力より低い応力でポリエ
    ステル繊維が伸長される定応力伸度領域を有し、かつ、
    該降伏応力点から該定応力伸長領域終了点までの伸度が
    100%未満であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のポリエステル繊維布帛の製造方法。
JP9148029A 1997-06-05 1997-06-05 ポリエステル繊維布帛の製造方法 Pending JPH111856A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103668852A (zh) * 2012-08-30 2014-03-26 有限会社佐藤化成工业所 聚酯纤维的纱条的制造方法及棉棒的制造方法

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