JP2996490B2 - ポリエステル編織物用原糸 - Google Patents
ポリエステル編織物用原糸Info
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Description
詳しくは、易染性であり且つアウター編織物分野にも展
開可能な熱収縮率を有するポリエステル編織物用原糸に
関する。
められるようになり、製糸工程、特に紡糸工程で、例え
ば5500m/分を越える高速度の引取速度を用いるいわゆる
高速紡糸引取法による製造が試みられるようになってき
た。この種の高速紡糸引取法によって得られるポリエス
テル繊維は、その微細構造が従来の紡糸工程と延伸工程
との2つの工程により製造される低速紡糸/延伸工程と
は著しく異なったものであり、そのために低速紡糸/延
伸糸とは、実用上の要求性能について際立った有用な特
長を持つことが特開昭57−121613号公報等により知られ
ている。
ことである。易染性は汎用の低速紡糸/延伸糸を高温高
圧染色して得られる程度のものを実用染色温度を110℃
ないし常圧で達成することができる程、優れたものであ
り、特に、6000m/分以上の引取速度を用いる高速紡糸引
取法で得られる繊維に至ってはその効果が顕著であるこ
とが特開昭57−121613号公報に開示されている。
よって得られる繊維は、沸水収縮率などの熱収縮率が極
めて低い為、編織物としては使用範囲が狭いという欠点
がある。例えば高速紡糸引取法によって得られた繊維を
撚糸し、緯糸としてアウター用織物にした場合、熱収縮
率が低い為、フクラミ感が得られ難く、微妙な風合が得
られない。更に織物加工工程中での巾入れ、巾出し等の
織物設計が困難であるという問題点を有している。また
編物とする際も低熱収縮率の為編密度の設計が難しく、
後工程での熱セット性が不充分であり、裁断した際編地
の端がカールし易く縫製しづらくなる。これらの問題の
為、高速紡糸引取法で得られた繊維は織物分野では無撚
で使用する裏地用織物として、編物分野では、丸編とし
てわずかに用いられているのが現状である。
によって得られた繊維を冷延伸し、熱収縮率を高くする
方法があるが、5500m/分を越える引取速度により得られ
た繊維は残留伸度が低い為、延伸倍率が上がらず、低速
紡糸/延伸糸並の熱収縮率には至らない。また冷延伸に
より繊維の非晶配向を上昇させる為、染色性の低下も招
く。
ポリエステルに第3成分を共重合させることが従来から
知られているが、この方法はポリエステルの融点の低下
を起こし易く、且つコストアップにつながり好ましくな
い。
能なポリエステル編織物用原糸は得られていないのが現
状である。
る繊維で易染性を有し且つ広範囲な編織物分野にも展開
可能な熱収縮率を有するポリエステル編織物用原糸を提
供することにある。
た結果、本発明に到達した。即ち、本発明によるポリエ
ステル編織物用原糸は、測定周波数110Hzにおける力学
的損失正接のピーク温度(Tmax)が、120℃以下であ
り、広角X線回折法によって求められる結晶配向度(C
o)が85%以上、沸水収縮率が5%以上であることを特
徴とする。
レートの繰返し単位を90モル%以上、好ましくは95モル
%以上含有する実質的にエチレンテレフタレートからな
るポリエステルであるが、熱および機械的安定性を損な
わない範囲で少量の第三成分を含有していても良い。
0Hzにおける力学的損失正接のピーク温度(Tmax)が120
℃以下であることを必要とする。
して、上記Tmaxが適切である。Tmaxが120℃以下であれ
ば染色温度が110℃以下で実用染色可能である。好まし
いTmaxは118℃以下である。
は130℃以上であり、この為に130℃以上の高温高圧での
染色が必要であった。
れる結晶配向度Coが88%以上でなければならない。88%
未満では、編織物用原糸の平均配向が不充分で強度が低
く、衣料用繊維としての使用は不適当である。Coの好ま
しい範囲は90%以上である。
いることが必要である。アウター織物とした際のフクラ
ミ感や微妙な風合を引出す為には、5%以上の沸水収縮
率を必要とする。また、編物を熱セットし、裁断した際
の編地端の部分のカールも5%以上であれば生じない。
沸水収縮率が5%未満では織物とした際のフクラミ感が
不足し、織物設計も難しくなる。編物にした場合、熱セ
ットし裁断後の編地端のカールが生じたり、編密度設計
も難しくなる。好ましい沸水収縮率は6%以上、更に好
ましくは7%以上である。
発明の目的とするポリエステル編織物用原糸は得られな
い。
について説明する。
ポリエステルを溶融紡糸するに際し、紡口より紡出され
たフィラメントを空冷し、糸条の温度が150℃以下に達
する以前に水性液を付与して、フィラメントの全周を急
冷し、しかる後に、紡糸速度5500m/分以上で引取ること
により達成される。
を示す。
した紡口2よりフィラメントとして紡出される。紡口下
に設けられた加熱筒3を出たフィラメント4は冷却チャ
ンバー7からの冷却風で冷却され、水付与ロール5によ
りフィラメントは全面を急冷される。次いで給油ノズル
6により油剤付与後巻取機によってパッケージ8として
巻取られる。
いては紡糸速度が5500m/分以上であることが必要であ
る。5500m/分未満では、本発明の目的とするTmaxが20℃
以下、Coが85%以上のものは得られない。
の目的が達成される。紡糸速度が8000m/分以上であって
も、極めて多量の水性液を付与することなどによっても
本発明の織物用原糸を得ることは可能であるが、紡糸中
に水性液の飛散などの障害が生じる。編織物用原糸の力
学的性質を考慮すると最も好ましい紡糸速度は6000〜75
00m/分である。
し、フィラメントの温度が150℃以下に達する以前に水
性液を付与して全周を急冷することが重要である。水性
液を付与することで、フィラメントの結晶成長を凍結
し、熱収縮率を向上させることが可能となる。水性液の
付与なしには、いかに紡糸条件を選択しても本発明の編
織物用原糸が得られない。水性液を付与する際のフィラ
メント温度が150℃未満では、本発明の目的は達せられ
ない。好ましいフィラメント温度は150℃〜250℃、更に
好ましくは、160℃〜230℃である。
ある。フィラメントの片側からの偏冷却では後工程中の
熱処理の際、捲縮が生じ本発明の目的とする編織物には
適さない。
できる方法であれば良く、例えば通常の紡糸油剤を付与
するロールを対向させ水膜をつくり、膜中をフィラメン
トを通過させる方式(第2図参照)や水槽中を通過させ
る方式が採用されるが本発明の目的を損なわない範囲で
他の方式も採用可能である。
セントで示される。本発明の目的とする編織物原糸を得
る為には約50重量パーセント以上付与すれば良い。
の紡糸用油剤エマルジョンなどが適用される。簡便には
水が用いられる。また水性液の温度は、低温程好ましい
が、特に常温以下に冷却せずとも本発明は達成される。
るまで、空冷するが、その方法は溶融紡糸で一般に採用
される冷却風による冷却によって達成される。
発明の繊維の特性の測定方法を述べる。
型動的粘弾性測定装置を用い、試料約0.1mg測定周波数1
10Hz、昇温速度5℃/分において乾燥空気中で各温度に
おけるtanδを測定する。tanδ−温度曲線からtanδの
ピーク温度Tmax(℃)と、同ピーク値(tanδ)maxが得
られる。
無荷重下で98℃×5分間沸水処理を行なった後、一昼夜
恒温恒湿室内(20℃±1℃,60%)で乾燥後、再び繊維
に0.1g/dの荷重をかけ、長さL2を測定した。沸水収縮率
は、次式で表わされる。
試験機により初長20cm、引張速度20cm/分で測定した。
℃で20分間精練し乾燥、調湿(20℃×50%RH)したもの
を用いた。
エル社商品名)を使用し、3%owf、浴比1:50で100℃×
120分間染色した。分散剤としてディスパーTLを1g/加
え、更に酢酸によりpH=6に調整した。
法により染着率を算出した。
になると極めて良好といえる。
赤道方向の回折角2θ=17゜〜26゜の範囲に3つの主要
な反射を有する。(低角度側から(100),(010),
(10)面)。結晶配向度(Co)の測定には(010)
面の反射を使用する。使用される(010)面の反射は赤
道線方向の回折強度曲線から決定する。尚赤道線方向の
回折強度曲線は下記の方法により求める。
約0.5mmとなる様調整する。スキャニング速度1゜/
分、チャート速度10mm/分、タイムコンスタント1秒、
ダイパージエンスリット1/2゜、レシービングスリット
0.3mm、スキャックリングスリット1/2゜において2θが
35゜から7゜まで回折曲度を記録させる。
定された2θ値にゴニオメーターをセットする。対称透
過法を用いて方向を−30゜〜+30゜走査し、方位角方向
の回折強度を記録する。さらに−180゜+180゜の方位角
方向の回折強度を記録する。この時のスキャニング速度
4゜/分、チャート速度10mmタイムコンスタント1秒、
コリメーター2mmφ、レシービングスリット縦幅19mm、
横幅3.5mmである。
は、±180゜で得られる回折強度の平均値をとり、水平
線を引きベースラインとする。ピーク頂点からベースラ
インに垂線をおろしその高さの中点を求める。中点を通
る水平線を引き、これと回折強度曲線との2つの交点間
の距離を測定し、この値を角度(゜)に換算した値を配
向角H(゜)とする。結晶配向度は次式によって与えら
れる。
ト温度を非接触で測定した。
し、緯糸として製織する。その際、緯糸密度は140本/
インチになるように設定する。得られた織物を精練・染
色し、フクラミ感を評価する。評価は官能検査で行な
い、H.E.S.C.風合い評価標準No.1のサンプルと比較し風
合値(HV)を決定した。HV値が大きい程、フクラミ感を
大である。
を孔径0.35mmφ、孔数24を有する紡糸口金を用いて第1
図に示す紡糸機で紡糸した。紡糸温度300℃とし、紡口
下には内径12cm、長さ25cmのアルミ鋳込みヒーター加熱
方式の加熱筒を紡口面と筒との間に間隙がない状態で設
置し、ヒーター温度を250℃に調整した。
バーにより、冷風温度20℃、風速0.30m/秒の冷却風によ
って冷却し、次いで第1図に示した方式で、2個のロー
ルを対向させ水膜をつくり、膜中にフィラメントを通過
させ急冷した。フィラメントには糸量当り120重量パー
セントの室温の水を付与した。
与後、紡糸速度6000m/分で50d/24fとし巻取った。尚水
付与位置は第1表に示す如く変化させた。
用原糸であれば、易染性でアウター用として充分なフク
ラミ感のある織物が得られた。
のの、染色性が不充分であり、原糸強度も低く織物とし
ては不適当である。
に供したところ本発明例であれば熱セットし、裁断した
後の編地端部のカールは生じず縫製を行い易いものとな
った。
同一条件で50d/24fの織物用原糸を得た。水付与は紡口
下50cm一定とした。この位置での糸温度は第2表に示す
ように、この紡糸速度範囲では約180℃〜190℃であっ
た。
発明の編織物用原糸が得られる。
範囲な編織物分野に展開可能な熱収縮率を有している。
本発明の編織物用原糸を織物にすると実用上充分なフク
ラミ感と柔らかな風合のものとなる。また編物にした際
も充分な風合とが得られ、縫製時の編地のカールも生じ
ない。編織物とする際の設計も容易となる。
く、低コストとなり経済的メリットも格段に向上する。
2図は水付与ロールを対向させできた水膜中を複数本の
フィラメントを通過させフィラメントの全周を急冷して
いる様子を示す側面図である。 図面において、 1……スピンヘッド、2……紡口、 3……加熱筒、4……フィラメント、 5……水付与ロール、6……給油ノズル、 7……冷却風チャンバー、8……パッケージ、 9……水膜。
Claims (1)
- 【請求項1】測定周波数110Hzにおける力学的損失正接
のピーク温度(Tmax)が120℃以下であり、広角X線回
折法によって求められる結晶配向度(Co)が88%以上
で、沸水収縮率が5%以上で、かつ非捲縮性であること
を特徴とするポリエステル編織物用原糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2175414A JP2996490B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | ポリエステル編織物用原糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2175414A JP2996490B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | ポリエステル編織物用原糸 |
Publications (2)
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---|---|
JPH0465516A JPH0465516A (ja) | 1992-03-02 |
JP2996490B2 true JP2996490B2 (ja) | 1999-12-27 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2175414A Expired - Fee Related JP2996490B2 (ja) | 1990-07-04 | 1990-07-04 | ポリエステル編織物用原糸 |
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JP (1) | JP2996490B2 (ja) |
-
1990
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