JPH1143577A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH1143577A
JPH1143577A JP20315497A JP20315497A JPH1143577A JP H1143577 A JPH1143577 A JP H1143577A JP 20315497 A JP20315497 A JP 20315497A JP 20315497 A JP20315497 A JP 20315497A JP H1143577 A JPH1143577 A JP H1143577A
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JP
Japan
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vinyl chloride
weight
acrylate
chloride resin
meth
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JP20315497A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tomita
博司 富田
Masaharu Kato
雅治 加藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性が優れ、しかも長時間の連続成形に
おいても表面性の優れた成形品が得られる塩化ビニル系
樹脂組成物を提供することを目的とし、さらに、成形時
の負荷の低減により成形性に優れた塩化ビニル系樹脂組
成物を提供する。 【解決手段】 特定のアクリル系共重合体(a)3〜1
0重量%に対し、塩化ビニル(b)が97〜90重量%
の割合で懸濁重合によりグラフト共重合されてなる重合
度800〜2,000の塩化ビニル系樹脂(A)に、無
機充填剤が配合されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性等に優れた特性を有する材料とし
て、幅広い用途に用いられている。さらに、配合によっ
て成形加工性を変えることができるため、押出成形、射
出成形、カレンダー成形、プレス成形等、多岐にわたる
成形加工方法によって成形されている。しかし、耐衝撃
性が劣るため、耐衝撃性を向上させるために種々の改質
方法が提案されている。
【0003】例えば、耐衝撃性を向上させる方法として
は、塩化ビニル樹脂に、塩素化ポリエチレン(以下、C
PEという)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(以下、MBSという)、アクリルゴム等
のゴム系樹脂を耐衝撃性強化剤として配合して成形する
方法が一般的である。
【0004】しかしながら、耐衝撃性強化剤を配合した
塩化ビニル系樹脂組成物を、管状に溶融押出成形して硬
質塩化ビニル樹脂管を製造する場合、CPEを配合する
と低温衝撃性が悪くなり、さらに十分な耐衝撃性が得ら
れる成形温度幅が非常に狭くなる等の問題点があった。
MBSを配合すると、暴露試験後の耐衝撃性が大幅に低
下したり、成形時の負荷が上昇する等の問題点があっ
た。また、アクリルゴムを配合すると、粒子が成形時に
均一に分散することが難しくなるため、加工条件により
塩化ビニル樹脂の耐衝撃性にむらが生じる等の欠点があ
った。
【0005】そこで、例えば、特開昭62−36412
号公報には、特定のアクリル系共重合体に塩化ビニルを
グラフト重合させた塩化ビニル系樹脂組成物が開示され
ている。しかし、この樹脂組成物を長時間押出成形する
と、成形体の表面にかすれやすじ等が発生するため、表
面状態の良好な成形体を長時間安定して得られないとい
う問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、耐衝撃性が優れ、しかも長
時間の連続成形においても表面性の優れた成形品が得ら
れる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的と
し、さらに、成形時の負荷の低減により成形性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂組成物は、単独重合体のガラス転移温度が−20℃未
満であるアルキル(メタ)アクリレート80〜100重
量%と、単独重合体のガラス転移温度が−20℃以上で
あるモノマー20〜0重量%とからなるアクリル系混合
モノマー(a−1)100重量及び多官能性モノマー
(a−2)0.1〜10重量部が共重合されたアクリル
系共重合体(a)3〜10重量%に対し、塩化ビニル
(b)が97〜90重量%の割合で懸濁重合によりグラ
フト共重合されてなる重合度800〜2,000の塩化
ビニル系樹脂(A)100重量部に、無機充填剤0.0
1〜10重量部が配合されてなることを特徴とする。
【0008】本発明について、以下に説明する。本発明
で用いられるアクリル系共重合体(a)は、アクリル系
混合モノマー(a−1)と多官能性モノマー(a−2)
との共重合体からなり、アクリル系混合モノマー(a−
1)は、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が−20
℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートと単独重合
体のガラス転移温度(Tg)が−20℃以上であるモノ
マーとの混合物からなる。
【0009】上記単独重合体のTgが−20℃未満であ
るアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定さ
れず、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、sec−ブチルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリレー
ト、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メ
タ)アクリレート、イソノニルアクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチル
コハク酸等が挙げられ、これらは単独で用いられても、
2種以上が併用されてもよい。
【0010】上記単独重合体のTgが−20℃以上であ
るモノマーとしては、特に限定されず、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n−プ
ロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタク
リレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチル
(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等の
極性基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ルなどが挙げられ、これらは単独で用いられても、2種
以上が併用されてもよい。
【0011】上記アクリル系混合モノマー(a−1)
中、単独重合体のTgが−20℃未満であるアルキル
(メタ)アクリレートの割合は、少なくなると十分な耐
衝撃性が得られなくなるので、80〜100重量%に制
限される。
【0012】上記単独重合体のTgが−20℃以上であ
るモノマーの使用によって、得られるアクリル系共重合
体(a)のTgを任意に調節することができる。上記ア
クリル系混合モノマー(a−1)中、単独重合体のTg
が−20℃以上であるモノマーの割合は、多くなると十
分な耐衝撃性が得られにくくなるので、20重量%以下
に制限される。
【0013】上記多官能性モノマー(a−2)として
は、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)
アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレ
ート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリル
フマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシ
アヌレート等のジアリル又はトリアリル化合物;ジビニ
ルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物などが挙げ
られ、これらは単独で用いられても、2種以上が併用さ
れてもよい。
【0014】上記アクリル系共重合体(a)において、
多官能性モノマー(a−2)の使用量は、少なくなると
架橋密度の低下に伴って、得られる成形体の衝撃強度が
低下し、多くなると架橋密度が高くなり過ぎて、得られ
る成形体の衝撃強度及び引張強度が低下するので、アル
キル(メタ)アクリレート(a)100重量部に対し
て、0.1〜10重量部に限定され、好ましくは0.1
〜8重量部である。
【0015】上記アクリル系共重合体(a)を得る方法
としては、特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁
重合法等が挙げられる。しかし、耐衝撃性の発現性を考
慮すると、乳化重合法が好ましい。
【0016】乳化重合法では、上記アクリル系混合モノ
マー(a−1)の乳化液中での分散安定性を向上させ、
重合を効率的に行う目的で、乳化分散剤が添加される。
上記乳化分散剤としては、特に限定されず、例えば、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート
(第一工業製薬社製「ハイテノールN−08」)等のア
ニオン系界面活性剤;ノニオン系界面活性剤;部分ケン
化ポリビニルアルコール;セルロース系分散剤;ゼラチ
ン等が挙げられる。
【0017】上記乳化重合法では、重合開始剤が使用さ
れる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶性重合開始
剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド等の有機系過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
【0018】また、上記乳化重合では、必要に応じて、
pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0019】上記乳化重合の方法としては、特に限定さ
れず、モノマーの添加方法の違いから、例えば、(1)
一括重合法、(2)モノマー滴下法、(3)エマルジョ
ン滴下法等が採用される。
【0020】(1)上記一括重合法では、例えば、ジャ
ケット付重合反応器内に、純水、乳化分散剤、重合開始
剤、ならびに上記アクリル系混合モノマー(a−1)及
び多官能性モノマー(a−2)からなる混合モノマーを
一括して添加し、窒素気流による酸素除去及び加圧条件
下で、攪拌により十分乳化した後、重合反応器内をジャ
ケットで昇温し重合反応を行う。 (2)上記モノマー滴下法では、例えば、ジャケット付
重合反応器内に、純水、乳化分散剤及び重合開始剤を入
れ、窒素気流による酸素除去及び加圧条件下で反応器内
をジャケットにより加熱した後、上記混合モノマーを一
定量ずつ滴下して徐々に重合反応を行う。 (3)エマルジョン滴下法では、例えば、上記混合モノ
マー、乳化分散剤ならびに純水を撹拌により十分乳化さ
せて乳化モノマーを予め調製し、次いで、ジャケット付
重合反応器内に純水及び重合開始剤を入れ、窒素気流に
よる酸素除去及び加圧条件下で重合反応器内を昇温した
後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下して徐々に重合
反応を行う。
【0021】本発明においては、上記の方法で得られる
アクリル系共重合体(a)を用い、アクリル系共重合体
(a)3〜10重量%に、塩化ビニル(b)97〜90
重量%を懸濁重合にてグラフト共重合することにより得
られる重合度800〜2000の塩化ビニル系樹脂
(A)を用いる。
【0022】塩化ビニル系樹脂(A)中、上記アクリル
系共重合体(a)の含有量は3〜10重量%である。含
有量が、3重量%未満であると、充分な耐衝撃性が得ら
れにくくなり、逆に10重量%を超えると、曲げ強度、
引張強度等の機械的強度が低くなるので、上記範囲に限
定され、好ましくは3〜8重量%である。
【0023】また、塩化ビニル系樹脂(A)中、上記塩
化ビニル(b)の含有量は90〜97重量%である。含
有量が、90重量%未満であると、曲げ強度、引張強度
等の機械的強度が低くなり、97重量%を超えると、充
分な耐衝撃性が得られにくくなるので、上記範囲に限定
され、好ましくは、92〜97重量%である。
【0024】上記塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度
は、800〜2000である。平均重合度が、800未
満であると、十分な耐衝撃性が得られにくくなり、逆に
2000を超えると、押出成形時の負荷が高くなり押出
成形が困難となるので、上記範囲に限定され、好ましく
は、1000〜1600である。
【0025】上記塩化ビニル系樹脂(A)を得る方法と
しては特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合
法等が挙げられるが、これらの中で懸濁重合法が好まし
い。懸濁重合法では、上記アクリル系共重合体(a)の
分散安定性を向上させ、塩化ビニルのグラフト共重合を
効率的に行う目的で、分散剤及び油溶性重合開始剤が使
用される。
【0026】上記分散剤としては、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン
化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、無
水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げられ、これら
は単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0027】上記油溶性重合開始剤としては、グラフト
共重合に好適なラジカル重合開始剤が好ましく、例え
ば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
ピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチル
パーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネ
オデカノエート等の有機パーオキサイド類;2,2−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物などが挙げら
れる。
【0028】上記懸濁重合法では、必要に応じて、pH
調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0029】上記塩化ビニル系樹脂(A)を懸濁重合法
によって得る場合は、例えば、攪拌器及びジャケットを
備えた耐圧重合反応器内に、イオン交換水、上記アクリ
ル系共重合体(a)、分散剤及び油溶性重合開始剤、さ
らに必要に応じて、重合度調節剤等を投入した後、真空
ポンプで重合反応容器内の空気を排出し、攪拌しながら
塩化ビニル(b)、必要に応じて、他のビニルモノマー
を添加し、ジャケットにより反応器内を昇温してグラフ
ト共重合を行う方法が採用される。
【0030】上記塩化ビニルのグラフト共重合は、発熱
反応であるので、ジャケット温度を変えることにより重
合反応容器内の温度を制御することができる。反応終了
後は、未反応の塩化ビニルを除去してスラリー状にし、
さらに脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂(A)
を製造することができる。
【0031】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記
塩化ビニル系樹脂(A)及び無機充填剤からなる。無機
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、マイカ、硫酸バリウム、フライアッシュ等が挙げ
られる。特に、押出成形時における長期成形性(ランニ
ング性)を改良する場合には、炭酸カルシウムの使用が
好ましい。また、押出成形時における負荷を低減するた
めには、フライアッシュの使用が好ましい。
【0032】上記無機充填剤の平均粒径は、0.01〜
10μmが好ましい。平均粒径が、0.01μm未満で
は取扱いが困難となり、10μmを超えると、得られる
成形体の衝撃強度が大幅に低下し、外観が損なわれる。
【0033】塩化ビニル系樹脂組成物中における無機充
填剤の添加量は、上記塩化ビニル系樹脂(A)100重
量部に対して0.01〜10重量部である。添加量が、
0.01重量部未満では長時間の成形において成形体の
外観が損なわれ、10重量部を超えると成形体の衝撃強
度が大幅に低下するため、上記範囲に制限される。
【0034】また、上記塩化ビニル系樹脂組成物には、
必要に応じて、熱安定剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、顔料等が添加されてもよい。
【0035】上記熱安定剤としては特に限定されず、例
えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプ
ト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブ
チル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオ
クチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジ
ブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定剤;ステ
アリン酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛
系安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤;バリウム−亜鉛
系安定剤;バリウム−カドミウム系安定剤等が挙げられ
る。これらは単独で用いられても、2種以上が併用され
てもよい。
【0036】上記滑剤としては特に限定されず、例え
ば、ポリエチレン系、パラフィン系等のワックス類;各
種エステル系ワックス類;ステアリン酸、リシノール酸
等の有機酸類;ステアリルアルコール等の有機アルコー
ル類;ジメチルビスアミド等のアミド系のものなどが挙
げられる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1〜7、比較例1〜7)下記の操作手順でアク
リル系共重合体(a)及び塩化ビニル系樹脂(A)を得
た。アクリル系共重合体(a)の調製 攪拌機及び還流冷却器付き反応容器に、純水2400重
量部、乳化分散剤(第一工業製薬社製「ハイテノールN
−08」)10重量部、過硫酸アンモニウム1重量部、
n−ブチルアクリレート1000重量部及びトリメチロ
ールプロパントリアクリレート4重量部を入れ、容器内
の酸素を窒素により置換した後、撹拌条件下で反応容器
を65℃に昇温し、5時間加熱撹拌することにより、ア
クリル系共重合体(a)ラテックス(固形分濃度30重
量%)を得た。
【0038】塩化ビニル系樹脂(A)の調製 攪拌機及びジャケットを備えた耐圧反応容器に、純水、
上記アクリル系共重合体(a)1060重量部、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール(クラレ社製「クラレポバー
ルL−8」)の3重量%水溶液250重量部、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース(信越化学社製「メトロー
ズ60SH50」)の3重量%水溶液125重量部、t
−ブチルパーオキシネオデカノエート2重量部、α−ク
ミルパーオキシネオデカノエート1重量部、ならびにC
aCl2 3重量部を一括投入した後、真空ポンプで反応
容器内の空気を排除し、撹拌条件下で塩化ビニル620
0重量部を投入した後30分間撹拌することにより、塩
化ビニルを均一に混合し、ジャケット温度の制御により
重合温度50℃にて重合を開始した。
【0039】重合開始後、6.2時間で反応容器内圧が
5.8kg/cm2 に低下することにより反応終了を確
認し、消泡剤(東レ社製「東レシリコンSH551
0」)3重量部を加圧添加した後反応を停止した。次い
で、未反応の塩化ビニルを除去した後、得られたスラリ
ー状の共重合物を脱水乾燥することにより、塩化ビニル
系樹脂(A)(重合度1400、アクリル含有量6重量
%)を得た。
【0040】塩化ビニル系樹脂(A)の性能評価 上記で得られた塩化ビニル系樹脂(A)100重量部
に、表1及び2に示した所定量の、有機錫系熱安定剤
(三共有機合成社製「SNT−461K」)、ポリエチ
レン系滑剤(三井石油化学社製「Hiwax220M
P」)、ステアリン酸(花王社製「S−30」)、ステ
アリン酸カルシウム(堺化学社製「SC−100」)、
アクリル系加工助剤(三菱レーヨン社製「メタブレン
P−501A」)及び無機充填剤を、スーパーミキサー
(カワタ社製、容量100L)により混合して塩化ビニ
ル系樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物
を、50mmの二軸押出機(プラスチック工学研究所製
「BT−50」)に供給し、直径20mmの硬質塩化ビ
ニル系樹脂管を得た。
【0041】上記で得られた硬質塩化ビニル系樹脂管に
つき、下記(1)〜(6)までの物性評価を行い、その
結果を表1及び2にまとめて示した。 (1)重合度 JIS K6721に準拠して、塩化ビニル系樹脂
(A)の粘度平均重合度を測定し重合度とした。 (2)耐衝撃性 JIS K6742に準拠して、硬質塩化ビニル樹脂管
の0℃、−10℃での落錘衝撃試験を実施した。単位は
cmである。JIS K7110に準拠して、ノッチ付
きの試験片を対象に23℃でのアイゾット衝撃試験を実
施した。単位はkg・cm/cm2 である。
【0042】(3)暴露試験 JIS A1415に準拠して、60、120、18
0、240時間暴露後の試験片の23℃でのアイゾット
衝撃試験を実施した。 (4)引張強度 JIS K7113に準拠し、23℃での引張強度試験
を実施した。単位はkg/cm2 である。 (5)ビガット軟化温度 JIS K7206に準拠し、ビガット軟化温度試験を
実施した。単位は℃である。 (6)ランニング性 押出機にて24時間連続押出成形した後の硬質塩化ビニ
ル樹脂管を目視観察によって、24時間後においても良
好な外観を有するものを○、連続押出成形中にかすれや
すじが発生したものを×、と判定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】尚、表中炭酸カルシウムにつき、下記のグ
レードを使用した。 (イ)CCR:白石工業社製「CCR」 (平均粒径:0.08μm) (ロ)305:白石工業社製「ホワイトン 305」(平均粒径:5.0μm) (ハ)P−50:白石工業社製「P−50」 (平均粒径:11.0μm) (ニ)95T:Pluss Staufer 社製「ハイドロカーブ 95T」 (平均粒径:0.85μm)
【0046】(実施例8〜10、比較例8〜10)実施例1
と同様の塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に、表3
に示した所定量の、有機錫系安定剤(三共有機合成社製
「SNT−461K」)、ポリエチレン系滑剤(三井石
油化学社製「Hiwax220MP」)、ステアリン酸
(花王社製「S−30」)、ステアリン酸カルシウム
(堺化学社製「SC−100」)、アクリル系加工助剤
(三菱レーヨン社製「メタブレン P−501A」)及
びフライアッシュ(秩父小野田社製「スーパーフロ
ー」)を、スーパーミキサー(カワタ社製、容量100
L)により混合して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。次
いで、得られた樹脂組成物を、50mmの二軸押出機
(プラスチック工学研究所製「BT−50」)に供給
し、直径20mmの硬質塩化ビニル系樹脂管を得た。
【0047】上記実施例8〜10及び比較例8〜10で得ら
れた硬質塩化ビニル系樹脂管につき、(6)ランニング
性を除く上記(1)〜(5)までの物性評価ならびに下
記(7)の外観の評価を行い、その結果を表3にまとめ
て示した。 (7)外観 硬質塩化ビニル系樹脂管の外観(光沢及び平滑性)を目
視観察により評価し、特に良好なものを◎、良好なもの
を○、かすれやすじ等の不良が発生したものを×と、判
定した。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上
述の通りであり、特定のアクリル系共重合体に塩化ビニ
ルをグラフト共重合させた塩化ビニル系樹脂を用い、こ
れに特定量の無機充填剤を配合した塩化ビニル系樹脂組
成物であって、従来の耐衝撃性強化剤を配合しなくても
優れた耐衝撃性を有すると共に、長時間の連続成形性
(ランニング性)においても表面性に優れた成形体を提
供する。特に、無機充填剤として炭酸カルシウムを使用
すると、より優れたランニング性が得られ、無機充填剤
としてフライアッシュを使用すると、成形時の負荷を軽
減することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合体のガラス転移温度が−20℃
    未満であるアルキル(メタ)アクリレート80〜100
    重量%と、単独重合体のガラス転移温度が−20℃以上
    であるモノマー20〜0重量%とからなるアクリル系混
    合モノマー(a−1)100重量部及び多官能性モノマ
    ー(a−2)0.1〜10重量部が共重合されたアクリ
    ル系共重合体(a)3〜10重量%に対し、塩化ビニル
    (b)が97〜90重量%の割合で懸濁重合によりグラ
    フト共重合されてなる重合度800〜2,000の塩化
    ビニル系樹脂(A)100重量部に、無機充填剤0.0
    1〜10重量部が配合されてなることを特徴とする塩化
    ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機充填剤が炭酸カルシウムであること
    を特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機充填剤がフライアッシュであること
    を特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002356595A (ja) * 2001-05-30 2002-12-13 Tatsuta Electric Wire & Cable Co Ltd 擦れ白化防止塩化ビニル樹脂組成物

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