JPH1143416A - 乳化組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ティッシュオフなしに水のみで除去でき、使用
時にべとつかず、のび、なじみが良く、かつ、保存安定
性の良好なクレンジング化粧料、マッサ−ジ化粧料など
に適した乳化組成物を提供する。 【解決手段】 成分（Ａ）としてポリオキシアルキレン
硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油脂肪
酸エステルから選ばれる一種または二種以上、成分
（Ｂ）としてポリオキシアルキレングリセリル脂肪酸エ
ステル、成分（Ｃ）として分子内にカルボキシル基を有
する水溶性高分子、成分（Ｄ）として油成分、成分
（Ｅ）として水を含有する乳化組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乳化組成物に関
し、詳細には皮膚塗布時にのびが良く、優れた使用感を
有し、かつ保存安定性の良好なクレンジングクリーム、
マッサージクリーム等の化粧料として有用な乳化組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術】皮膚の汚れやメイクアップ化粧料を落と
す目的で、あるいは皮膚をマッサ−ジする目的で油成分
を皮膚へ適用する化粧料として、クレンジング化粧料、
マッサ−ジ化粧料等があり、これらは皮膚に塗布しての
ばし、その使用後は皮膚から除去されるものである。こ
れらの化粧料としては、オイル状、Ｏ／Ｗ型もしくはＷ
／Ｏ型のエマルションのクリ−ム状、又は界面活性剤中
油型エマルションのゲル状の形態のものなどが市販され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】オイル状、Ｗ／Ｏ型エ
マルションの場合、連続相が油成分であるため、用済後
の化粧料の除去が困難で、ティッシュ等で良く拭き取っ
た後、水性の洗顔料で十分に洗い流す。しかしながら、
ティッシュオフ操作は角質細胞を脱離させ、肌にとって
好ましくない。また、油成分が手にべたつき、使用感が
好ましくない。Ｏ／Ｗ型エマルションの場合はティッシ
ュオフ操作なしにある程度洗い流すことも可能であるが
極めて不十分であり、油成分が肌に残留する。界面活性
剤中油型ゲル状エマルションは水に対する乳化分散性に
優れ、水だけの洗い流しが可能だが、２相領域の組成物
であるため使用時にべたつき、保存安定性に難点があ
る。上記の如き実情において、ティッシュオフなしに水
のみで除去でき、使用時にべとつかず、のび、なじみが
良く、かつ、保存安定性の良好なクレンジング化粧料、
マッサ−ジ化粧料の出現が望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
のない化粧料を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の
界面活性剤、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高
分子、油成分および水を併用すれば、上記要件を満たす
優れたクレンジング化粧料、マッサ−ジ化粧料等として
有用な組成物が得られることを見出だし、本発明を完成
させた。

【０００５】すなわち、本発明の請求項１の発明は、成
分（Ａ）としてポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポ
リオキシアルキレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルから選
ばれる一種または二種以上、成分（Ｂ）としてポリオキ
シアルキレングリセリル脂肪酸エステル、成分（Ｃ）と
して分子内にカルボキシル基を有する水溶性高分子、成
分（Ｄ）として油成分、成分（Ｅ）として水を含有する
乳化組成物である。また、本発明の請求項２の発明は、
成分（Ｄ）がシリコーン油を含む油成分である請求項１
記載の乳化組成物である。

【０００６】本発明で使用されるポリオキシアルキレン
硬化ヒマシ油は、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油（２０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油（３０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
（４０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
（６０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
（８０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
（１００Ｅ．Ｏ．）などが、また、ポリオキシアルキレ
ン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルは、例えば、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油モノラウレート（２０Ｅ．
Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノラウレー
ト（６０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
モノイソステアレート（６０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート（６０Ｅ．
Ｏ．）などＨＬＢ値が７以上のものが挙げられる。これ
らは１種または２種以上を組み合わせて使用され、本発
明の乳化組成物の全組成に対し通常０．１〜４０重量％
（以下、単に％で示す）、好ましくは１〜３０％の範囲
で配合される。

【０００７】本発明で使用されるポリオキシアルキレン
グリセリル脂肪酸エステルは、例えば、ポリオキシエチ
レングリセリルモノイソステアレート（６Ｅ．Ｏ．）、
ポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレート
（１０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレングリセリルモノ
イソステアレート（２０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレ
ングリセリルモノイソステアレート（６０Ｅ．Ｏ．）、
ポリオキシエチレングリセリルトリイソステアレート
（２０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレングリセリルトリ
イソステアレート（３０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレ
ングリセリルトリイソステアレート（６０Ｅ．Ｏ．）、
ポリオキシエチレングリセリルトリオレエート（２０
Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレングリセリルトリオレエ
ート（６０Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレングリセリル
モノステアレート（５Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレン
グリセリルモノステアレート（１５Ｅ．Ｏ．）などＨＬ
Ｂ値が７以上のものが挙げられる。これらは１種または
２種以上を組み合わせて使用され、本発明の乳化組成物
の全組成に対し通常０．１〜４０重量％（以下、単に％
で示す）、好ましくは１〜３０％の範囲で配合される。

【０００８】本発明で使用される分子内にカルボキシル
基を有する水溶性高分子は、例えば、ペクチン、アルギ
ン酸ソ−ダ，ＣＭＣ（カルボキシメチルセルロ−ス）、
ポリアクリル酸、スチレン−マレイン酸共重合体、カル
ボキシビニルポリマ−、アルキルアクリル酸−アクリル
酸共重合体などが挙げられる。これらは１種又は２種以
上を組み合わせて使用され、本発明の乳化組成物の全組
成に対し通常０．０１〜５％、好ましくは０．１２〜
０．６％配合される。

【０００９】本発明で使用される油成分は、化粧料、医
薬品等に通常使用されるものでよく、例えばシリコーン
油、炭化水素類、高級アルコ−ル高級脂肪酸エステル
類、高級アルコ−ル類、高級脂肪酸類、動植物油脂、コ
レステロ−ル脂肪酸エステル類、香料などが挙げられ、
これらは１種又は２種以上を組み合わせて使用され、好
ましいものとしては、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリ
シロキサンなどのシリコーン油を含む場合である。油成
分は本発明の乳化組成物の全組成に対し通常０．１〜８
０％，好ましくは５〜６０％配合される。

【００１０】また、水分量は本発明の使用目的、適切な
物性に応じて適宜選択し得る。

【００１１】本発明では、さらに化粧料、医薬品等に通
常使用される薬効剤、保湿成分、効炎症剤、殺菌剤、防
腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉体、
色素などを必要に応じて配合することができる。また、
本発明の効果を損なわない範囲で固形油分、半固形油分
を加えることができる。

【００１２】

【実施例】次ぎに実施例を挙げて本発明を説明するが、
それに先立ち評価方法を示す。尚、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。

【００１３】評価方法 （安定性）２０℃および４０℃の恒温槽に試作品をい
れ、１か月後に観察を行い、下記の基準に従って評価し
た。 （使用感）女子２０人（パネラー）が１週間連続使用し
た後、使用感（なじみ、のび）の良否を下記の基準に従
って評価した。

【００１４】実施例１、比較例１〜３（マッサ−ジクリ
−ム） 表１に示すマッサージクリームは次の製造法により調製
した。（製造法）表中の各成分を８０℃で加熱溶解混合
する。これを室温付近まで撹拌冷却して各マッサ−ジク
リ−ムを得る。これを試料として上記の評価方法に従っ
て評価した。その結果を表１に示す。

【００１５】

【表１】

【００１６】表１より本発明品は乳白色クリ−ム状とな
り、のび、なじみとも非常に良いことがわかる。また、
安定性にも優れている。

【００１７】実施例２、３（クレンジング化粧料） 表２で示す組成の全成分を加熱溶解、混合及び冷却操作
を施すことにより、クレンジング化粧料を調製した。

【００１８】

【表２】

【００１９】この実施例２、３のクレンジング化粧料は
半透明ジェル状となり、使用時にのび・なじみが良く、
さらにべとつかず、用済後水で十分洗い流すことがで
き、汚れの除去能も優れていた。また、保存安定性にも
優れていた。

【００２０】

【発明の効果】以上の記載の通り、本発明の乳化組成物
は、ティッシュオフなしに水のみで除去でき、使用時に
べとつかず、のび、なじみが良く、使用感に優れてお
り、さらに、保存安定性に優れている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ａ６１Ｋ 7/48 Ａ６１Ｋ 7/48 Ｂ０１Ｊ 13/00 Ｂ０１Ｊ 13/00 Ａ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 成分（Ａ）としてポリオキシアルキレン
   硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油脂肪
   酸エステルから選ばれる一種または二種以上、成分
   （Ｂ）としてポリオキシアルキレングリセリル脂肪酸エ
   ステル、成分（Ｃ）として分子内にカルボキシル基を有
   する水溶性高分子、成分（Ｄ）として油成分、成分
   （Ｅ）として水を含有する乳化組成物。
2. 【請求項２】 成分（Ｄ）がシリコーン油を含む油成分
   である請求項１記載の乳化組成物。