JP3460869B2 - 親水性乳化組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は親水性乳化組成物に関
し、詳細には皮膚塗布時にのびが良く、優れた使用感を
有し、かつ保存安定性の良好なクレンジングクリ−ム、
マッサ−ジクリ−ム等の化粧料として有用な親水性乳化
組成物に関する。 【０００２】 【従来の技術】皮膚の汚れやメイクアップ化粧料を落と
す目的で、あるいは皮膚をマッサ−ジする目的で油成分
を皮膚へ適用する化粧料として、クレンジング化粧料、
マッサ−ジ化粧料等があり、これらは皮膚に塗布しての
ばし、その使用後は皮膚から除去されるものである。こ
れらの化粧料としては、オイル状、親水性もしくは親油
性のエマルションのクリ−ム状、又は界面活性剤中油型
エマルションのゲル状の形態のものなどが市販されてい
る。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】オイル状、親油性エマ
ルションの場合、連続相が油成分であるため、使用後の
化粧料の除去が困難であり、例えば、ティッシュ等で良
く拭き取った後、水性の洗顔料で十分に洗い流す作業が
必要となる。しかしながら、この拭き取り操作は角質細
胞を脱離させるので、皮膚生理上好ましくない。また、
油成分が手にべたつき、使用感が好ましくない。親水性
エマルションの場合は拭き取り操作なしにある程度は洗
い流すことも可能であるが極めて不十分であり、油成分
が肌に残留するのが通常である。界面活性剤中油型ゲル
状エマルションは水に対する乳化分散性に優れ、水だけ
の洗い流しが可能だが、２相領域の組成物であるため使
用時にべたつき、保存安定性に難点がある。上記の如き
実情において、拭き取り操作なしに水のみで除去でき、
使用時にべとつかず、のび、なじみが良く、かつ、保存
安定性の良好なクレンジング化粧料、マッサ−ジ化粧料
の出現が望まれている。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
のない化粧料を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定の
界面活性剤、分子内にカルボキシル基を有する水溶性高
分子、油成分および水を併用すれば、上記要件を満たす
優れたクレンジング化粧料、マッサ−ジ化粧料等として
有用な組成物が得られることを見出だし、本発明を完成
させた。 【０００５】すなわち、本発明は、成分（Ａ）として高
級脂肪酸アルキロールアミド、成分（Ｂ）として（Ａ）
以外の非イオン界面活性剤、成分（Ｃ）として分子内に
カルボキシル基を有する水溶性高分子、成分（Ｄ）とし
て油成分を全組成に対し３０〜７０重量％、成分（Ｅ）
として水を含有するクレンジング又はマッサージ化粧料
用親水性乳化組成物である。 【０００６】本発明で使用される高級脂肪酸アルキロ−
ルアミドは、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド
（１：１型）、脂肪酸ジエタノ−ルアミド、ラウリン酸
ジエタノ−ルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド
（１：２型）、ヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルアミド、ポ
リオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルアミド、
ステアリン酸モノエタノ−ルアミドなどが挙げられる。
これらは１種または２種以上を組み合わせて使用され
る。脂肪酸アルキロ−ルアミドは、本発明の親水性乳化
物の全組成に対して好ましくは０．１〜１０重量％（以
下、単に％で示す）、さらに好ましくは１〜８％の範囲
で配合される。 【０００７】本発明で使用される高級脂肪酸アルキロ−
ルアミド以外の親水性非イオン界面活性剤はＨＬＢ値が
１０以上のものが適しており、例えば、ポリエキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テルの酸化エチレン誘導体、プロピレングリコ−ル脂肪
酸エステルの酸化エチレン誘導体、ポリエチレングリコ
−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエ−
テル、ポリオキシプロピレンアルキルエ−テル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油などの中でＨＬＢ値が１０以上のも
のを挙げることができる。これらは１種又は２種以上を
組み合わせて使用される。親水性非イオン界面活性剤は
本発明の親水性乳化物の全組成に対して好ましくは０．
１〜２０％、さらに好ましくは１〜６％配合される。 【０００８】本発明で使用される分子内にカルボキシル
基を有する水溶性高分子として例えば、ペクチン、アル
ギン酸ソ−ダ，ＣＭＣ（カルボキシメチルセルロ−
ス）、ポリアクリル酸、スチレン−マレイン酸共重合
体、カルボキシビニルポリマ−、アルキルアクリル酸−
アクリル酸共重合体等がある。これらは１種又は２種以
上を組み合わせて使用される。分子内にカルボキシル基
を有する水溶性高分子は本発明の親水性乳化物の全組成
に対して好ましくは０．０１〜５％、さらに好ましくは
０．１２〜０．４％配合される。 【０００９】本発明で使用される油成分は化粧料、医薬
部外品、皮膚外用剤等に通常使用されるものであればよ
く、例えば炭化水素類、高級アルコ−ル高級脂肪酸エス
テル類、高級アルコ−ル類、高級脂肪酸類、動植物油
脂、コレステロ−ル脂肪酸エステル類、香料等が挙げら
れ、好ましいものとしては、流動パラフィン、イソステ
アリルコレステリルエステル、２−エチルヘキサン酸ト
リグリセライド、ミリスチン酸オクチルドデシル、オリ
ブ油などをが挙げることができ。これらは１種又は２種
以上を組み合わせて使用される。油成分は本発明の親水
性乳化物の全組成に対し好ましくは０．１〜９０％，さ
らに好ましくは３０〜７０％配合される。 【００１０】水分量は本発明の使用目的、適切な物性に
応じて適宜選択し得るが、全組成に対して好ましくは１
〜９０％、さらに好ましくは５〜３０％配合される。 【００１１】本発明では、さらに化粧料、皮膚外用剤に
通常使用される薬効剤、保湿成分、効炎症剤、殺菌剤、
防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉
体、色素、香料等を必要に応じて配合することができ
る。また、本発明の効果を損なわない範囲で固形油分、
半固形油分を加えることができる。 【００１２】 【実施例】次ぎに実施例を挙げて本発明を説明するが、
それに先立ち評価方法を示す。尚、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。 【００１３】評価方法 （安定性）２０℃および４０℃の恒温槽に試作品をい
れ、１か月ごとに観察を行った。 （使用感）女子２０人（パネラ−）が１週間連続使用し
た後、使用感（なじみ、のび）の良否を下記の基準に従
って評価した。 評価基準 評価記号 良いと答えた人が１８人以上の場合 ◎ 良いと答えた人が１４〜１７人の場合 ○ 良いと答えた人が８〜１３人の場合 △ 良いと答えた人が７人以下の場合 × 【００１４】実施例１、比較例１〜３（マッサ−ジクリ
−ム） 表１に示すクレンジング用組成物は次の製造法により調
製した。 （製造法）表中の各成分を８０℃で加熱溶解混合する。
これを室温付近まで撹拌冷却して各クレンジング用組成
物を得る。これを試料として上記の評価方法に従って評
価した。その結果を表１に示す。 【００１５】 【表１】 【００１６】表１より本発明品の実施例１のマッサ−ジ
クリ−ムは乳白色クリ−ム状となり、比較例のマッサ−
ジクリ−ムよりものび、なじみの点で非常に優れること
がわかる。また、安定性にも優れている。 【００１７】実施例２（クレンジング化粧料） 表２で示す組成の全成分を加熱溶解、混合及び冷却操作
を施すことにより、クレンジング化粧料を調製した。 【００１８】 【表２】【００１９】このクレンジング化粧料は使用時にのびが
良くべとつかず、使用後水で十分洗い流すことができ、
汚れの除去能も優れていた。また、保存安定性にも優れ
ていた。 【００２０】 【発明の効果】以上の記載の通り、本発明の親水性乳化
組成物は、拭き取り操作なしに水のみで除去できる。ま
た、使用時にべとつかず、のび、なじみが良く、使用感
に優れている。さらに、保存安定性にも優れている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 A61K 7/02 A61K 7/48 B01J 13/00

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 成分（Ａ）として高級脂肪酸アルキロー
   ルアミド、成分（Ｂ）として（Ａ）以外の非イオン界面
   活性剤、成分（Ｃ）として分子内にカルボキシル基を有
   する水溶性高分子、成分（Ｄ）として油成分を全組成に
   対し３０〜７０重量％、成分（Ｅ）として水を含有する
   クレンジング又はマッサージ化粧料用親水性乳化組成
   物。