JPH1143334A - 金型保護膜の製造方法 - Google Patents

金型保護膜の製造方法

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JPH1143334A
JPH1143334A JP19586997A JP19586997A JPH1143334A JP H1143334 A JPH1143334 A JP H1143334A JP 19586997 A JP19586997 A JP 19586997A JP 19586997 A JP19586997 A JP 19586997A JP H1143334 A JPH1143334 A JP H1143334A
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hydrogen
film
mold
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film formation
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Tomoko Miyaura
智子 宮浦
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
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    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型とガラス素材との融着を長期間防止でき
る、離型性および耐久性に優れた金型保護膜の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 水素を含む雰囲気下でRFマグネトロン
スパッタ法により成膜することを特徴とする金型保護膜
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学レンズを製造
する際に用いられる成形用金型に形成される金型保護膜
の製造方法、特にリヒートプレス法を採用して光学レン
ズを製造する際に用いられる成形用金型に形成される金
型保護膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光学レンズの製造にはリヒート
プレス法がよく採用されている。リヒートプレス法とは
予め予備成形されたプリフォームを加圧成形機における
金型内で再度加熱し、金型を加圧することにより成形す
る方法をいうが、加圧成形後、成形体を金型から離型す
る際、成形体と金型との間で起こる融着により離型が困
難になるという問題が起こったり、またそれに伴って、
得られる成形体の品質に悪影響が及ぶという問題が生じ
ていた。また、金型の繰り返しの使用によって、その表
面で酸化あるいは腐食が起こり上記融着の原因となり、
その耐久性にも問題があった。
【0003】このため、成形用金型表面に公知のPVD
法(物理的蒸着法)またはCVD法(化学的蒸着法)に
より、高温での加圧成形環境下において化学的に安定
で、ガラスと反応しない材料からなる保護膜を形成する
ことが行われている。
【0004】例えば、特開昭63−95129号公報で
は、保護膜材料としてBN、TiN、CrN等の窒素化
合物またはホウ素含有物を主成分とした材料を用い、当
該保護膜を公知のPVD法またはCVD法によりガラス
プレス装置表面に形成する技術が報告されているが、か
かる保護膜材料であっても、実際にリヒートプレス法で
有効なものは一部であり、これら保護膜はすぐに剥離し
て長期間の使用に耐えることができず、その耐久性に問
題が生じている。また、上述の離型性等の問題も完全に
解決するには至っていない。
【0005】また、特公平3−29012号公報では、
AlNのみからなる被着膜をイオンビームスパッタリン
グまたはRFスパッタリングにより形成する技術が報告
されている。しかしながら、イオンビームスパッタ装置
は高価で、成膜面積も小さく、操作が複雑であり、経済
性および生産性に問題があり、またRFスパッタ装置で
は放電を維持するため比較的低い真空度で成膜を行わな
ければならず、得られる保護膜中に酸素等の不純物が比
較的多量に混入されることから、当該保護膜を形成した
金型を用いて加圧成形を繰り返すと、融着が発生し、得
られる成形体の品質に悪影響を及ぼすという問題が生じ
ている。
【0006】さらに、特公平4−61816号公報で
は、不活性ガス雰囲気下でRFマグネトロンスパッタ法
により硬質炭素膜を金型表面に形成する方法が開示され
ている。しかしながら、かかる方法では離型性、耐久性
等に関する上記問題を完全に解決するには至っていな
い。これは、得られる保護膜中には依然として酸素が比
較的多く混入されているため、繰り返しの加圧成形によ
って保護膜中の酸素成分とガラス素材が反応することに
起因するものと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金型とガラ
ス素材との融着を長期間防止できる、離型性および耐久
性に優れた金型保護膜の製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素を含む雰
囲気下でRFマグネトロンスパッタ法により成膜するこ
とを特徴とする金型保護膜の製造方法に関する。
【0009】本発明は、このように水素を含む雰囲気下
でRFマグネトロンスパッタ法により成膜することによ
り、カソード近傍の高密度プラズマ領域で励起された水
素を保護膜中に含有させ、当該保護膜中の酸素原子含有
濃度を低減せしめ、加圧成形時の酸素成分とガラス素材
との反応を防止し、融着を長期間にわたって回避しよう
とするものである。
【0010】本発明の方法において採用されるRFマグ
ネトロンスパッタ法とはRFスパッタ法を改良した方法
であり、詳しくは、カソードにマグネットを内蔵してカ
ソード近傍のプラズマ密度を向上させたものである。こ
のように、従来からのRFスパッタ法におけるプラズマ
領域に磁界をかけることにより、比較的高い真空度にお
いても安定な放電がなされ、スパッタ効率も向上する。
本発明の方法においてRFマグネトロンスパッタ法を採
用することによる他の利点としては、成膜速度が速いこ
と、得られる膜中に不純物が混入しにくいこと、スパッ
タガス以外のガスを含む混合ガスを用いることによりス
パッタガス以外のガスを含む膜が容易に得られること、
充填密度の高い膜が得られること、および基板との密着
性が良いこと等が挙げられる。なお、RFマグネトロン
スパッタ装置においては上記利点を実際に提供できるよ
う、一般に100ガウス以上のマグネットが使用され
る。
【0011】具体的には、本発明において成膜は、成膜
真空度0.008〜0.0003Torr、好ましくは
0.006〜0.0007Torrの水素を含む雰囲気下
で放電させて行われる。成膜真空度が0.008Tor
rより低いと本発明の効果が得られないおそれがあり、
すなわち保護膜中の酸素原子含有濃度を有意に低減せし
めることが不十分となって融着が比較的起こり易くな
り、離型性および耐久性に問題が生じるおそれがある。
一方、0.0003Torrより高いと安定な放電が行
われにくくなり、本発明の方法の実施に支障をきたすお
それがある。
【0012】「水素を含む雰囲気」とは水素混合割合が
5〜30体積%、好ましくは10〜20体積%になるよ
うに、水素をスパッタガス中に混合した混合ガスを導入
して形成された雰囲気を意味し、水素の代わりにアンモ
ニアを用いてもよく、窒素化合物の窒化を促すために窒
素が混合ガス中、10〜70体積%混合されていてもよ
い。水素またはアンモニアの混合割合が5体積%未満で
は得られる保護膜中への水素の含有が達成されないか、
またはその含有濃度が極端に低くなり本発明の効果が得
られないおそれがある。一方、30体積%を越えると膜
中にとり込まれなかった水素が排気系を通じて外部に放
出され、引火爆発の危険性が生じる。このように水素を
含む雰囲気下で成膜を行うことにより膜中に水素が取り
込まれ、本発明の目的が達成される。なお、スパッタガ
スとしては従来からスパッタガスとして使用されている
不活性ガスを使用することができ、この中でもアルゴン
ガスを用いることが好ましい。
【0013】また、成膜時の基板温度は300〜850
℃、好ましくは450〜700℃で行われる。当該温度
は高いほど基板である金型母材との密着性に優れ、成膜
時の熱履歴に対する耐久性が向上するが、必要以上に高
くすると金型母材の表面が荒れたり、変質したり、場合
によっては溶けてしまうため、これらを考慮する必要が
ある。一方、当該温度が低すぎると成膜時に膜剥がれが
起こり易くなる。従って、得られた保護膜を有する金型
を用いてガラス素材を成形する際の成形温度に対して±
200℃以内である上記範囲が有効である。
【0014】本発明において用いられる保護膜材料、す
なわちRFマグネトロンスパッタ法による成膜において
使用されるターゲット材料としては、従来から金型の保
護膜材料として用いられ、水素原子を含有させることの
できる材料であれば特に制限されることはなく、そのよ
うなものとして例えば、BN、AlN、TiN、CrN
等の窒素化合物が挙げられる。中でもBN、AlN、T
iNが好ましく用いられる。
【0015】本発明の方法を適用し得る金型材料として
は、研磨または研削等によって光学鏡面が得られ、硬質
性および耐熱性に優れた材料であれば特に制限されるこ
とはなく、例えば、超硬、炭化珪素、チッ化珪素、ステ
ンレス304等が用いられる。本発明の方法により保護
膜を形成するにあたっては、これらの材料からなる金型
母材におけるガラス素材との接触面は所望の面精度を有
していることが好ましい。
【0016】以上の本発明の方法を採用して金型に保護
膜を形成する際の手順は公知のRFスパッタ法を行う場
合と同様である。以下、図1(a)を用いて詳しく説明
する。なお、従来からのスパッタ装置との差異を明確に
すべく参考のためにRFスパッタ装置を図1(b)とし
て示す。まず、表面を鏡面研磨して十分に洗浄した金型
母材1を基板ホルダー2にセットしてヒーター5により
300〜850℃まで加熱しながら真空チャンバー3内
を10-7Torrオーダーまで排気した後、水素および
不活性ガスからなる上記の混合ガスを上記成膜真空度ま
で導入する。その後、マグネトロンカソード4と基板ホ
ルダー2の間の距離を5〜20cm、好ましくは7〜1
5cmに設定し、出力50〜500W、好ましくは10
0〜300W、周波数13.56MHz±0.05%M
Hzで3〜30分間、好ましくは5〜20分間スパッタ
リングを行い、金型表面に保護膜を形成する。なお、当
該RFマグネトロンスパッタ装置内において、マグネト
ロンカソード4は前述の保護膜材料からなるターゲット
6およびマグネット9からなり、当該カソードと基板ホ
ルダーとの間にはプラズマ領域7を有しており、そのカ
ソード近傍はマグネット9由来の磁力線11によってプ
ラズマ密度が高くなっている。以上の手順終了後、系中
のガスは排気系8へと排気される。
【0017】このようにして形成された金型保護膜中に
は水素原子が含まれている。すなわち水素原子が窒素化
合物の化学構造中に化学的に結合して存在している。こ
のように水素原子は化学的に結合した状態で保護膜中に
含有されることに起因して、保護膜中に含有される酸素
原子濃度が有意に低減し、本発明の効果が達成されると
考えられる。
【0018】金型保護膜中に含有される水素原子の含有
濃度は好ましくは0.05〜10%、さらに好ましくは
0.5〜5%である。0.05%より少ないと酸素原子含
有濃度を有意に低減せしめることが不十分となって融着
が比較的起こり易くなり、離型性および耐久性に問題が
生じるおそれがある。一方、10%より多いと加熱成形
時の水素欠乏をまねき、膜が粗になって金型からはがれ
やすくなる。なお、本明細書中における保護膜中の水素
原子含有濃度はFT−IR法(フーリエ変換赤外分光
法)により測定されており、主としてN−Hの結合によ
る3200cm-1付近の吸収強度より、下記の式にそれ
ぞれの数値を代入して算出することにより得られる値で
あり、その単位「%」は「原子%」を意味し、膜を構成
する全原子に対する割合をいう。
【0019】
【数1】
【0020】また、金型保護膜中に含有される酸素原子
の含有濃度は好ましくは10%以下、さらに好ましくは
8%以下である。10%を越えると、加圧成形時におけ
る当該保護膜中の酸素成分のガラス成分との反応による
融着の発生が比較的起こり易くなり、耐久性に問題が生
じるおそれがある。本発明の金型保護膜中に含有される
その他の成分の含有濃度は保護膜材料としての窒素化合
物に依存する。なお、本明細書中における保護膜中の水
素原子以外の成分の含有濃度はオージェ分析法により測
定される値を示しており、その単位「%」は「原子%」
を意味し、膜を構成する全原子に対する割合をいう。
【0021】また、本発明の方法により形成される金型
保護膜の膜厚については、従来と同様の値を採用すれば
よく、500〜10000Å、好ましくは1000〜5
000Åが適当であり、500Åより薄いと金型の離型
性、耐久性等を向上させる保護膜としての機能が発揮さ
れにくくなり、また10000Åより厚いと膜応力によ
り、金型母材からの膜はくりが起こりやすくなる。本発
明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0022】
【実施例】実施例1 金型母材として超硬を用い、これに、図1(a)に示す
RFマグネトロンスパッタ装置を用いて以下のようにし
て金型保護膜を形成した。なお、RFマグネトロンスパ
ッタ法におけるターゲットとしてはAlNを、スパッタ
ガスとしてはアルゴン80%および水素20%からなる
混合ガスを用いた。
【0023】まず、表面を鏡面研磨して十分に洗浄した
金型母材(1)を基板ホルダー(2)にセットして70
0℃まで加熱しながら真空チャンバー(3)内を2×1
-7Torrまで排気した後、上記混合ガスを0.00
05Torrまで導入した。その後、排気バルブを調節
して0.005Torrにし、マグネトロンカソード
(4)と基板ホルダー(2)の間の距離を10cmに設
定して、出力300W、周波数13.56MHzで60
分間スパッタリングを行い、金型表面に膜厚3000Å
のAlN保護膜を形成した。
【0024】この保護膜中の水素含有濃度をFT−IR
分析法により測定したところ、3.4%であり、アルミ
ニウムと水素、アルミニウムと窒素、および窒素と水
素、それぞれの結合が確認された。さらに、オージェ分
析法により残りの膜組成を分析したところ、それぞれの
濃度はアルミニウム46.5%、窒素46.7%、酸素
3.4%であった。
【0025】比較例1 スパッタガスとしてアルゴン100%ガスを用いたこと
以外、実施例1と同様にして、金型表面に膜厚3000
ÅのAlN保護膜を形成した。
【0026】この保護膜中の水素原子含有濃度をFT−
IR分析法により測定したところ、水素は検出されず、
アルミニウムと窒素の結合だけが確認された。さらに、
オージェ分析法により残りの膜組成を分析したところ、
それぞれの濃度はアルミニウム43.5%、窒素45.7
%、酸素10.8%であった。
【0027】比較例2 図1(a)に示すRFマグネトロンスパッタ装置のマグ
ネトロンカソードからマグネットを取り除いたカソード
を用いた図1(b)に示すRFスパッタ装置を用いて成
膜を行ったこと、それに伴って成膜時の真空チャンバー
内の成膜真空度を0.1Torrに調節したこと、およ
び成膜時の基板温度を700℃にしたこと以外、実施例
1と同様にして、金型表面に膜厚3000ÅのAlN保
護膜を形成した。
【0028】この保護膜中の水素原子含有濃度をFT−
IR分析法により測定したところ、水素は検出されず、
アルミニウムと窒素の結合だけが確認された。さらに、
オージェ分析法により残りの膜組成を分析したところ、
それぞれの濃度はアルミニウム42.5%、窒素40.7
%、酸素16.8%であった。
【0029】(評価)実施例1および比較例1および2
で得られた保護膜を有する金型を用いて、窒素雰囲気
下、成形温度690℃でリヒートプレス法による加圧成
形(圧力50kg/cm2、加圧時間30秒)を繰り返
し行った。ガラス素材としてはシリカホウ酸ランタン系
ガラス(転移点:632℃)を用いた。その結果、以下
の表1に示すショット数において、初めてそれぞれの金
型とガラスとの間で融着が発生したことが目視により確
認された。実施例1で得られた金型、すなわち水素ガス
を含む混合ガス雰囲気下でRFマグネトロンスパッタ法
により形成された保護膜を有する金型はガラスと融着し
にくく離型性が良く、耐久性に優れていることが明らか
となった。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 金型母材として炭化珪素を用い、これに、図1(a)に
示すRFマグネトロンスパッタ装置を用いて以下のよう
にして金型保護膜を形成した。なお、RFマグネトロン
スパッタ法におけるターゲットとしてはTiNを、スパ
ッタガスとしてはアルゴン70%、水素10%および窒
素20%からなる混合ガスを用いた。
【0032】まず、表面を鏡面研磨して十分に洗浄した
金型母材(1)を基板ホルダー(2)にセットして45
0℃まで加熱しながら真空チャンバー(3)内を2×1
-7Torrまで排気した後、上記混合ガスを0.00
03Torrまで導入した。その後、排気バルブを調節
して0.0008Torrにし、マグネトロンカソード
(4)と基板ホルダー(2)の間の距離を12cmに設
定して、出力200W、周波数13.56MHzで60
分間スパッタリングを行い、金型表面に膜厚1500Å
のTiN保護膜を形成した。
【0033】この保護膜中の水素含有濃度をFT−IR
分析法により測定したところ、1.4%であり、チタン
と水素、チタンと窒素、および窒素と水素、それぞれの
結合が確認された。さらに、オージェ分析法により残り
の膜組成を分析したところ、それぞれの濃度はチタン4
6.7%、窒素46.2%、酸素5.7%であった。
【0034】比較例3 図1(a)に示すRFマグネトロンスパッタ装置のマグ
ネトロンカソードからマグネットを取り除いたカソード
を用いた図1(b)に示すRFスパッタ装置を用いて成
膜を行ったこと、およびそれに伴って成膜時の真空チャ
ンバー内の成膜真空度を0.08Torrに調節したこ
と以外、実施例2と同様にして、金型表面に膜厚150
0ÅのTiN保護膜を形成した。
【0035】この保護膜中の水素原子含有濃度をFT−
IR分析法により測定したところ、水素は検出されず、
チタンと窒素の結合だけが確認された。さらに、オージ
ェ分析法により残りの膜組成を分析したところ、それぞ
れの濃度はチタン47.2%、窒素38.7%、酸素1
4.1%であった。
【0036】(評価)実施例2および比較例3で得られ
た保護膜を有する金型を用いて、窒素雰囲気下、成形温
度500℃でリヒートプレス法による加圧成形(圧力3
0kg/cm2、加圧時間20秒)を繰り返し行った。
ガラス素材としてはシリカ鉛系ガラス(転移点:443
℃)を用いた。実施例2で得られた金型、すなわち水素
ガスを含む混合ガス雰囲気下でRFマグネトロンスパッ
タ法により形成された保護膜を有する金型はガラスと融
着しにくく離型性が良く、耐久性に優れていることが明
らかとなった。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明による金型保護膜の製造方法によ
り、金型保護膜中の含有酸素が有意に減少した保護膜を
容易に形成できる。また、本発明の方法によって金型保
護膜を形成された金型はガラスと融着しにくく離型性が
良く、耐久性にも優れている。さらに、本発明の方法は
経済性、生産性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はRFマグネトロンスパッタ装置の概
略図を示し、(b)はRFスパッタ装置の概略図を示
す。
【符号の説明】
1:金型母材、2:基板ホルダー、3:真空チャンバ
ー、4:マグネトロンカソード、5:ヒーター、6:タ
ーゲット、7:プラズマ領域、8:排気系、9:内蔵マ
グネット、10:カソード、11:磁力線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含む雰囲気下でRFマグネトロン
    スパッタ法により成膜することを特徴とする金型保護膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 雰囲気中の水素混合割合が5〜30体積
    %であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 成膜時の成膜真空度が0.008〜0.0
    003Torrであることを特徴とする請求項1または
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 成膜時の基板温度が300〜850℃で
    あることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 RFマグネトロンスパッタ法におけるタ
    ーゲット材料がBN、AlN、TiN、CrNからなる
    群から選択されることを特徴とする請求項1〜4いずれ
    かに記載の方法。
JP19586997A 1997-07-22 1997-07-22 金型保護膜の製造方法 Pending JPH1143334A (ja)

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