JPH1142457A - 塗布ノズルおよび塗布装置 - Google Patents

塗布ノズルおよび塗布装置

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JPH1142457A
JPH1142457A JP20188997A JP20188997A JPH1142457A JP H1142457 A JPH1142457 A JP H1142457A JP 20188997 A JP20188997 A JP 20188997A JP 20188997 A JP20188997 A JP 20188997A JP H1142457 A JPH1142457 A JP H1142457A
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JP
Japan
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coating
substrate
nozzle
application
coating liquid
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Withdrawn
Application number
JP20188997A
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English (en)
Inventor
Kazuto Ozaki
一人 尾崎
Eiji Okuno
英治 奥野
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1142457A publication Critical patent/JPH1142457A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/0091Apparatus for coating printed circuits using liquid non-metallic coating compositions

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板とノズル部材間に間隔差があっても均一
な塗布膜厚を得、かつ塗布時のメニスカスカーブの上昇
を抑える。 【解決手段】 基板2とノズル部材19の前端面上部2
9との隙間30が上方ほど広がるようにしているため、
基板2とノズル部材19の間隔が小さいほど、塗布時に
メニスカスカーブDが形成される前端面上部29の上昇
液面位置におけるギャップ寸法は広がり、また、その間
隔が大きいほどその上昇液面位置におけるギャップ寸法
は狭くなるので、基板2と前端面27との間隔に差があ
る場合にも、その上昇液面位置での基板2と前端面上部
29とのギャップ寸法は同等となり、常に均一な塗布膜
厚となる。また、前端面上部29が傾斜しているので、
塗布時のメニスカスカーブの上昇もなく、塗布液によっ
て濡れる前端面上部の面積も狭くなって前端面上部29
を高くする必要はなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体
デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおい
て、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およ
びプリント基板などの基板表面に対して、フォトレジス
ト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁
膜および導電膜などを形成するために各種塗布液を毛細
管現象で汲み上げて塗布するための塗布ノズルおよび塗
布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板表面に塗布液を塗布する方式
としては、回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ
塗布方式およびロールコート方式などがある。
【0003】近年、液晶表示デバイスや半導体デバイス
などの製造プロセスにおいて、基板を水平に保った状態
で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布液に遠
心力を与えることで、基板表面上の中央部から外周部に
均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用されて
いる。
【0004】ところが、この回転塗布方式では、基板の
大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で
外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という
点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、
角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型
化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大
せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転
させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、その基板が大型化すると、その回転時における基板
表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗
布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しく
なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような回転塗布方
式の上記問題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置
スペースの増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、
基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、そ
の基板の幅方向(左右方向)のノズルから基板表面に対
して塗布液を吐出させつつ、そのノズルを基板上端から
下端に移動させるようにして塗布液を塗布する方式の塗
布装置が、特開平8−24740号公報「基板への塗布
液塗布装置」で提案されているが、この塗布装置につい
て、以下に説明する。
【0006】図12は、塗布装置の概略構成を示す正面
図であり、図13は、図12の2布装置におけるAA線
の断面図である。
【0007】図12および図13において、この塗布装
置は、基板100を垂直方向に立てて保持するステージ
101と、基板100の被塗布面に塗布液102を供給
する塗布液槽を内部に有するノズル部材103と、この
ノズル部材103を基板100に沿って下方に直線移動
させる移動手段(図示せず)とから構成されている。こ
のノズル部材103は、両端が閉塞され基板100の幅
方向に延在する筒状をなしており、基板100の被塗布
面と対向する前面壁部104に槽内から外部に貫通した
スリット状の塗布液流出路105をその幅方向に形成し
ている。また、基板100の被塗布面と平行に対向する
前面壁部104の前端面106は、基板100の被塗布
面に非接触でかつ近接するように配設され、その下端1
06aが塗布液流出路105の出口よりも下方で且つそ
の反対側の入口よりも上方に位置し、その上端106b
が、基板100の被塗布面と前端面106との間の隙間
107を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に塗布
液流出路105を通って隙間107内に流入した塗布液
が少なくとも毛細管現象などによって上昇するときの到
達高さ位置と塗布液流出路105の出口との間に位置す
るようになっている。
【0008】上記構成により、塗布液槽内に塗布液流出
路105の入口と前端面106の下端106aとの間の
高さまで塗布液を注入し、塗布液槽を大気開放とする
と、塗布液槽内に供給された塗布液102は、毛管現象
によって塗布液流出路105を通って槽外に流出し、ス
テージ101によって鉛直姿勢に保持された基板100
の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に流入
する。
【0009】この隙間107内に流入した塗布液は、毛
細管現象などによってその隙間107内を前端面106
の下端106aまで下降するが、前端面106の下端1
06aから流下することはない。また、隙間107内に
流入した塗布液の上方への流動は、毛細管現象などによ
ってその隙間107内を前端面106の上端106bま
で上昇するが、前端面106の上端106bで規制され
てそれ以上には上昇しない。このようにして、基板10
0の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に、
基板100の幅方向に延びる帯状の塗布液の液溜りが形
成されることになる。
【0010】さらに、この塗布液の液溜りが形成された
状態で、基板100の被塗布面と前端面106との間の
隙間107を保持したまま、基板100の縦方向(基板
100の幅方向と直交する上下方向)aにノズル部材1
03と基板100とを相対的に直動させると、基板10
0の被塗布面に塗布液が塗布されることになる。このと
き、基板100の被塗布面と前端面106の隙間107
にある液溜りの塗布液は、基板100の被塗布面に塗布
されていくに従って消費されるが、大気開放されたノズ
ル部材103の塗布液槽の塗布液にかかる大気圧と毛細
管現象などによって、その消費量とほぼ同等の塗布液が
塗布液槽内から塗布液流出路105を通ってその隙間1
07内に供給される。そのため、塗布時の隙間107内
の塗布液量は常にほぼ一定に保持されることになって、
基板100に塗布液が連続して塗布されることになる。
【0011】このように、基板100の被塗布面とノズ
ル部材103の前端面106との隙間107内にある液
溜り量を一定に保持して塗布することにより、塗布膜厚
を一定にすることができる。ところが、かかる構成では
実際には、基板100とノズル部材103とのギャップ
寸法によって塗布膜厚に差が生じ、例えば、基板100
の左右両端部で厚さ寸法に差があって基板100の幅方
向にテーパがあり、図14の基板100とノズル部材1
03との上面図のように基板100の左右両端部でギャ
ップ寸法G1,G2が異なるような場合(ただしG1<
G2)には、基板100の左右両端部において塗布膜厚
に差が生じてしまい、基板幅方向の塗布膜厚の均一化は
不可能であるという問題を有していた。
【0012】また、上記公報には、上記のノズル部材1
03のように塗布液の上方への流動を前端面106の上
端106bまでに規制するもののほか、図15(a)に
示すように、隙間107内に流入した塗布液が少なくと
も毛細管現象などによって上昇する到達高さ位置よりも
上方まで上端面106を延長したノズル部材103も記
載されている。しかしかかるノズル部材103を用いて
実際に塗布を行うと、塗布中において既に基板に塗布さ
れた塗布液が隙間107内の液溜りを引っ張る力が生
じ、塗布液中に図14(b)のようにメニスカスカーブ
Dが最上端106cに至るまで上昇してしまい、メニス
カスカーブDが最上端106cで規制されることになる
ため、塗布の特性が変化してしまう。それを避けるため
には、ノズル部材103の塗布液流出路105の流出口
よりも上方部分を十分に長く大きくする必要があり、ノ
ズル部材103が大型化してしまい、また、塗布液によ
って濡れて汚れる前端面106の面積も広く、複数の基
板100に対して塗布する場合には、塗布液によって濡
れて汚れた部分が乾くことによってパーティクルの発生
原因になったり、メニスカスのカーブ形状に悪影響を与
えて塗布膜厚が変化したりする虞があった。このため、
塗布液によって濡れた前端面106の部分を定期的に洗
浄しなければならず、作業者にとって作業工数が増加し
手間であった。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、基板とノズル部材との間隔に差があっても均一な塗
布膜厚を得ることができると共に、塗布時のメニスカス
カーブの上昇を抑えることができる塗布ノズルおよび塗
布装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布ノズルは、
斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設され、
この前面壁部の前端面に、塗布液流出路の一端が連通さ
れた外部流出口が配設され、毛管現象で塗布液流出路を
介して汲み上げられた塗布液を外部流出口から供給して
基板の被塗布面に塗布可能な塗布ノズルにおいて、この
前端面の外部流出口の上方に位置する前端面上部が、基
板の被塗布面との間隔が上方ほど広がるように前端面下
部に対して傾斜した傾斜面で構成されていることを特徴
とするものである。
【0015】この構成により、基板の被塗布面と前端面
上部との間隔が上方ほど広がるようになっているので、
例えば基板と塗布ノズルとの間隔が狭ければ、両者の間
隔における塗布液の到達高さは上昇し、かかる上昇位置
でのギャップ寸法(すなわち塗布液の到達高さにおける
基板と塗布ノズル前面との距離)は広くなり、逆に基板
と塗布ノズルとの間隔が広ければ、両者の隙間における
塗布液の到達高さは下降し、かかる下降位置でのギャッ
プ寸法は狭くなる。その結果として、基板のそりや厚み
の不均一などのために基板と塗布ノズル前面との間隔が
一定でなく差があるような場合にも、塗布時にメニスカ
スカーブが形成される前端面上部における上昇液面位置
での基板と塗布ノズルのギャップ寸法は同等となって、
基板に対して常に均一な塗布膜厚が得られることにな
る。また、この前端面上部の傾斜で塗布時のメニスカス
カーブの上昇が抑えられることから、前端面上部を高く
する必要はなく、また、塗布液によって濡れる前端面上
部の面積も狭くなるので、塗布ノズルのコンパクト化が
可能でコンタミネーションによるパーティクルの発生も
抑えることが可能となる。
【0016】また、好ましくは、本発明の塗布ノズルに
おいて、基板の被塗布面に対する前端面上部の傾斜角度
を0.3°〜30°の範囲内に設定する。さらに、好ま
しくは、本発明の塗布ノズルにおける前端面上部の傾斜
面と基板の被塗布面とのなす角度を1°〜15°前後の
範囲内に設定する。
【0017】この構成により、少なくとも0.3°〜3
0°の範囲内に前端面上部の傾斜角度を設定すれば、そ
の塗布液の粘度にもよるが、基板と前端面とのギャップ
寸法に差があっても良好に吸収されて、上昇液面位置で
の基板と塗布ノズルのギャップ寸法は同等範囲内となっ
て、常に均一な塗布膜厚となり得る。
【0018】本発明の塗布装置は、立設した基板の被塗
布面に対して、毛管現象で汲み上げられた塗布液を塗布
する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗布液槽
と、この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が
連通されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に
配設された前記請求項1または2記載の塗布ノズルと、
この塗布ノズルと基板を被塗布面に沿って相対移動させ
る移動手段と、移動手段を駆動制御する制御手段とを有
することを特徴とするものである。
【0019】この構成により、上記作用に加えて、従来
の回転塗布方式のように基板を水平に支持せず基板を立
設するために、その設置スペースの縮小が図られ、ま
た、従来の回転塗布方式のように基板を回転させた遠心
力で塗布液を周りに振りきりつつ塗布するのではなく、
立設した基板に対して、基板の被塗布面に沿ってノズル
部材を移動手段で移動させつつ、毛管現象で供給された
塗布液を基板の被塗布面に塗布するので、塗布液の節約
が図られることになる。
【0020】また、本発明の塗布装置は、立設した基板
の被塗布面に対して、毛管現象で汲み上げられた塗布液
を塗布する塗布装置において、塗布液を貯留可能な塗布
液槽と、塗布液槽から斜め上方に延びる塗布液流出路が
前面壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、塗布液
流出路の一端が連通された外部流出口が配設され、且つ
前端面と基板の被塗布面との間隔が上方ほど広がるよう
に前端面が被塗布面に対して傾斜するように配設され、
毛管現象で塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液
を外部流出口から供給して基板の被塗布面に塗布する塗
布ノズルと、塗布ノズルと基板を被塗布面に沿って相対
移動させる移動手段と、移動手段を駆動制御する制御手
段とを有することを特徴とするものである。
【0021】また、好ましくは、本発明の塗布装置にお
いて、基板の被塗布面に対する前端面の傾斜角度を0.
3°〜30°の範囲内に設定する。さらに好ましくは、
本発明の塗布装置における基板の被塗布面に対する前端
面の傾斜角度を1°〜15°の範囲内に設定する。
【0022】この構成により、上記と同様に設置スペー
スの縮小と塗布液の節約ができ、また、均一な塗布膜厚
が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る塗布装置の実
施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以
下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0024】図1は本発明の一実施形態における塗布装
置の概略構成を示す斜視図である。
【0025】図1において、壁状に構成されて立設され
た架台1の表面側中央部に、ガラス基板などの基板2の
被塗布面を外側に向けた状態で基板2を吸着して鉛直姿
勢に保持する吸着ステージ3が配設されている。この吸
着ステージ3は、用いるサイズの基板2毎の外周部に対
応した適所に、吸引可能な吸着部材としての吸盤(図示
せず)が出退自在に為されている細長い凹部3aが複数
配設されており、基板2への吸盤(図示せず)による吸
着後に吸盤(図示せず)を凹部3a内の所定位置に引き
込んで収納することで基板2を保持するようになってい
る。また、吸着部材としての吸盤(図示せず)が基板2
の中央部を保持しないのは、基板2の中央部は重要な回
路などが配置される部分であり、吸盤(図示せず)によ
る真空吸引と解除によって温度が下がったり上がったり
することで塗布むらとなるのを防止するためである。し
たがって、吸盤(図示せず)の形状も基板2の外周部だ
けを吸引すべく、細長い凹部3aと同様の細長い吸盤形
状となっている。なお、ここでは、吸着ステージ3によ
る基板2の保持は、吸盤(図示せず)による吸着の場合
を示したが、基板2の上下左右を爪状の部材でひっかけ
て保持するような構成であってもよいことは言うまでも
ないことである。
【0026】また、この架台1の表面側および裏面側の
幅方向両端部の上下位置の4角部にそれぞれ4個の各ア
イドルギヤ4が左右2組回転自在に各軸受部5でそれぞ
れ軸支されて配設されている。これらの上部に位置する
左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右
の各スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部
材7の両端上部がそれぞれ連結されており、また、左右
の各スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランス
ウェイト8の両端上部がそれぞれ連結されている。ま
た、下部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれ
ぞれ架けられた左右の各スチールベルト6の一方端には
それぞれ、ベース部材7の両端下部がそれぞれ連結され
ており、また、その左右の各スチールベルト6の他方端
にはそれぞれ、バランスウェイト8の両端下部がそれぞ
れ連結されて、ベース部材7が架台1の表面側で、バラ
ンスウェイト8が架台1の裏面側でそれぞれ水平に保持
されかつ上下に移動可能な状態で、各スチールベルト6
が、架台1の幅方向両端部の上下方向にそれぞれ左右2
組の各アイドルギヤ4をそれぞれ介して巻回されてい
る。このベース部材7上の中央部には、基板2の幅寸法
のノズル口9を有し、そのノズル口9から塗布液を吐出
可能なノズルユニット10が配設されている。これらの
ベース部材7およびノズルユニット10とバランスウェ
イト8とがそれぞれバランスが取れた静止状態で架台1
の表と裏の幅方向両端部間に水平にそれぞれ保持される
ようになっている。
【0027】また、架台1の表面側の両端部にはそれぞ
れ各上下方向に縦型の各リニアモータ11の固定子12
が配設されており、これら左右の各リニアモータ11は
その駆動によって、ノズルユニット10を載置したベー
ス部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に直線移
動させる構成となっている。この移動手段としてのリニ
アモータ11は、各上下方向に配設された各スチールベ
ルト6にそれぞれ沿ってベース部材7の両端部および各
スチールベルト6の内側にそれぞれ配設されており、図
2に示すように、幅方向両端部の各レール部13間にベ
ース部14を有する固定子12と、ベース部材7の両端
部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子12とそれぞれ対向
して配設され、各固定子12の上をスライド自在なスラ
イダ部材15とを有している。このスライダ部材15
は、その幅方向両側に各レール部13とそれぞれ嵌合し
て上下方向に案内される各リニアガイド部16と、各リ
ニアガイド部16の間に配設されると共に、固定子12
のベース部14に対向し、図示しない巻線による励磁に
よって磁力を発生させる磁気回路部17と、この磁気回
路部17の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネク
タ18とを有しており、この磁気回路部17の励磁によ
る磁力で、スライダ部材15は固定子12の各レール部
13に各リニアガイド部16で案内されて上下に移動自
在である。このスライダ部材15が、ノズルユニット1
0を載置したベース部材7の両端部裏側にそれぞれ固着
されており、これらの各スライダ部材15の移動によっ
てベース部材7が上下に移動自在になっている。
【0028】ここでは、ノズルユニット10を載置した
ベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に移
動させるように構成したが、ノズルユニット10と基板
2とが被塗布面に沿って相対的に移動するように構成す
ればよく、ノズルユニット10を固定して基板2を吸着
ステージ3と共に上下にリニアモータやボールねじなど
の移動手段で移動するように構成することもできる。こ
のように、吸着ステージ3を上下に移動させる方がノズ
ルユニット10を移動させるよりも振動が少なく、その
振動による塗布むら防止などの観点から吸着ステージ3
を移動させる方がよいのであるが、吸着ステージ3を上
下に移動させると、装置の高さが倍必要となり、クリー
ンルームの天井高さには制限があるので、非現実的なも
のとなってしまう。
【0029】さらに、ノズルユニット10は、図3に示
すように、基板2の被塗布面に対向して開口した水平方
向の細長いノズル口9から塗布液を吐出可能な塗布ノズ
ルとしてのノズル部材19と、このノズル部材19のノ
ズル口9を基板2の被塗布面への対向位置Mと、洗浄用
の下方位置N(2点鎖線で示す)との間で、ノズル部材
19をその長手方向を回動軸として回動させるノズル部
材回動機構部20と、ノズル部材19のノズル口9と基
板2の被塗布面との水平方向の隙間(ギャップ)を可変
させるべく、ノズル部材19を基板2に対して接近また
は離間自在に駆動するギャップ可変機構部21とを備え
ている。このノズルユニット10は、塗布処理される基
板2のサイズに合った幅寸法のノズル部材19と付け変
え可能に構成されている。
【0030】このノズル部材19は、図4に示すよう
に、塗布液22を溜める塗布液槽23が内部後方に配設
されており、この塗布液槽23は、両端が閉塞され基板
2の幅方向に延在する水平方向に細長い筒状に構成され
ている。この塗布液槽23の中央部に塗布液22を供給
する図1の供給チューブ24が連結されており、ベース
部材7上に載置されたポンプ43によって供給チューブ
24を介して外部から塗布液を塗布液槽23内に供給可
能に構成している。また、基板2の被塗布面2aと対向
する前面壁部25に塗布液槽23内から外部に斜め上向
きに貫通した塗布液流出路としてスリット26がその幅
方向に形成されている。このスリット26は、塗布液槽
23の下部とノズル口9との間で直線状に左上向きに傾
斜した状態で連結しており、スリット26の下方端が塗
布液槽23内に開口し、その上方端が水平方向に細長い
ノズル口9となっている。前端面27の下端27aは、
スリット26の出口であるノズル口9と、その反対側の
塗布液槽23内への開口との間の高さに位置するよう形
成されている。また、ノズル部材19の塗布液槽23に
は、その内部に貯留される塗布液の液面よりも上方部分
において塗布液槽23内部と連通してその内部を加圧
し、減圧し、または大気開放にするための圧力設定機構
(図示せず)が接続されている。さらに、基板2の被塗
布面2aと対向する前面壁部25の前端面27は、塗布
液の液溜りが形成可能なように、基板2の被塗布面2a
に非接触でかつ近接(例えば隙間28)するように配置
されるようになっている。
【0031】また、この前端面27の下端27aとスリ
ット26の塗布液槽23内への開口上端との高さ範囲B
内に塗布液槽23内の塗布液面が位置するように液面を
設定している。また、ノズル口9から上部の前端面上部
29は、上方に開くように傾斜した傾斜面となってい
る。つまり、この前端面上部29は、前端面27の平面
に対して鋭角θをなして交差するように前端面27の平
面よりも後ろ側に傾いて形成されている。そして、基板
2の被塗布面2aと前端面上部29との間の隙間30は
上に行くほど広がっており、塗布液22が毛細管現象な
どによってスリット26さらにノズル口9を介してこの
隙間30内を上昇する液面到達高さ位置まで来るように
なっている。
【0032】このように、前端面上部29を傾斜させる
ことで、基板2の被塗布面2aと前端面上部29との間
の隙間30は、上側に広がることになって、毛細管現象
で上昇する塗布液は隙間30の広がりに伴って急激に上
昇力を失い平衡状態になって止まる。また、塗布時の基
板2とノズル部材19の相対移動によって基板2側に付
着した塗布液とノズル部材19の前端面上部29側に付
着した塗布液とに、基板2とノズル部材19の相対移動
速度に応じた張力が生じる。この張力は、メニスカスカ
ーブDの上昇方向に働くことになり、従来のように前端
面上部が傾斜せず基板2の被塗布面2aと前端面上部と
の間隔が一定で平行の場合には、その張力によってメニ
スカスカーブDは上昇を続けてしまうが、本実施形態で
は前端面上部29を傾斜させており、基板2の被塗布面
2aと前端面上部29とのギャップが上側ほど広がって
いるので、メニスカスカーブDは、前端面上部29の若
干上昇した高さ位置で、上記相対移動速度に応じた張力
による上昇力が、重力とつり合うことで平衡状態となっ
て上昇しなくなる。
【0033】このとき、図5に示す前端面上部29の傾
斜角θは、塗布液22の表面張力とノズル走行速度であ
る上記相対移動速度(塗布速度)とに依存しており、適
正値が存在する。例えば上記相対移動速度を5〜50m
m/secとした場合の前端面上部29の傾斜角θの適
正値について、実験の結果導かれた値を以下の(表1)
に示している。この上記相対移動速度が早くなるほど、
ノズル部材19の走行速度に応じた張力が大きくなるの
で、前端面上部29の傾斜角θは以下の(表1)に示す
値よりも大きくなる方向に変えることがノズルのコンパ
クト化の点で望ましい。
【0034】
【表1】
【0035】この(表1)から明らかなように、塗布液
22の粘度が高いほど、前端面上部29の傾斜角θの適
正値は大きくなる方向に移行するが、その粘度範囲が5
cp〜30cpで適正傾斜角θの範囲は0.3°〜30
°である。また、この場合の最適な傾斜角θの範囲とし
ては1°〜15°前後となる。
【0036】一方、図3のノズル部材回動機構部20
は、図示しない電磁弁で制御されて、ロッド先端部31
を伸長位置と収縮位置との間を移動させるエアーシリン
ダ32が、矢印方向Cにシリンダ前方部のピン32aを
回動中心として回動可能に軸支されている。このロッド
先端部31は、アーム部材33の一方端部と回動可能に
ピン連結されてリンク機構を構成しており、アーム部材
33の他方端部は駆動軸34にその長手方向に直交する
方向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動
軸34は、所定幅で水平方向に延びたベース部材35を
下方から支持する支持部材35aを横方向から貫通して
固定されている。このベース部材35の前方端縁上側に
はノズル部材19がそのノズル口9を基板2の被塗布面
2a側に向けた状態で、ノズル部材19の長手方向と駆
動軸34の軸方向が一致する方向になるように取り付け
られている。図3は、エアーシリンダ32のロッド先端
部31が伸長した場合であり、このとき、ノズル部材1
9のノズル口9は基板2の被塗布面2aに対向して塗布
可能な状態である。これに対して、エアーシリンダ32
のロッド先端部31が収縮した場合には、ノズル部材1
9のノズル口9は、2点鎖線で示すように下方を向いて
図示しないノズル洗浄手段によりノズル部材19が洗浄
可能な状態となる。このロッド収縮の途中で、ピン32
aを回動中心としてエアーシリンダ32が矢印方向Cに
揺動しつつロッド先端部31が収縮されることになる。
【0037】また、ギャップ可変機構部21は、ステッ
ピングモータやサーボモータなどの接離モータ36と、
前後の軸受部37,38で軸支され、この接離モータ3
6の回転軸に連結部39を介して連結されたボールねじ
40と、このボールねじ40に螺合した移動部材41
と、移動部材41の上端が下面で固着されていると共に
ノズル部材回動機構部20を支持して基板2の被塗布面
2aに対してノズル部材19の前端面27が接近または
離間するようにスライド自在なスライド部材42とを備
えており、接離モータ36によるボールねじ40の回転
で、移動部材41が、ノズル部材19およびノズル部材
回動機構部20を載置した状態で前後に移動自在に構成
されている。
【0038】ここでは、ギャップ可変機構部21は中央
部1個所として、基板2の厚さのばらつき範囲内でギャ
ップ寸法を調整するようにしているが、さらに、基板2
の厚さのばらつきだけではなく、基板2の幅方向にテー
パがあって左右両端部での厚さ寸法に差があるような場
合には、ギャップ可変機構部21をベース部材7の左右
2個所配設することで左右独立にギャップ寸法を調整す
ることができ、ノズルユニット10の左右に長いノズル
部材19を、基板2の幅両端部で厚さが異なることによ
る幅方向テーパに合わせて平行に、左右位置で等ギャッ
プ寸法として傾け得るように構成することもできる。
【0039】図6は、図1の塗布装置の概略制御構成を
示すブロック図である。
【0040】図6において、操作部52としては、数字
を入力するテンキー、電源のオン・オフを入力する電源
キー、塗布スタートキー、リニアモータ11の駆動速度
の基準値を任意に手動で設定する速度設定キーおよび、
接離モータ36を駆動させて基板2の被塗布面2aとノ
ズル口9との隙間28を調整する隙間設定キー、基板サ
イズ、基板厚さ、塗布液粘度および塗布膜厚などを設定
する各種設定キーなどで構成されている。
【0041】さらに、この操作部52が接続される制御
部53はROM54およびRAM55に接続されてお
り、ROM54内に登録された各制御プログラムで用い
る制御データを操作部52からRAM55内に書き込み
可能である。また、これらの操作部52、ROM54お
よびRAM55が接続される制御部53は、リニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11に接続されて
おり、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御
プログラムと、操作部52から入力され、リニアモータ
駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、
制御部53は、その制御信号をリニアモータ駆動回路5
6に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ
11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を
基板2の被塗布面2aに対する所定の上下位置に移動自
在である。さらに、これらの操作部52、ROM54お
よびRAM55が接続される制御部53は、接離モータ
駆動回路57を介して接離モータ36に接続されてお
り、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プロ
グラムと、操作部52から入力され、接離モータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、制御部
53は、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力
し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動し
てベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗
布面2aに対して接近または離間させて所定ギャップ位
置に移動自在である。
【0042】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。
【0043】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2の外周部を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応させ
た状態で所定の位置に位置決めして、基板2の被塗布面
を外側に向けた状態で基板2を各吸盤で吸着する。さら
に、各吸盤を吸着ステージ3の凹部3a内の所定位置に
引き込んで収納することで基板2を保持する。
【0044】次に、ノズル部材19内の塗布液槽23に
所定量の塗布液22を、図1のベース部材7上に載置さ
れたポンプ43にて供給チューブ24を介して所定量供
給する。この塗布液槽23への塗布液22の供給は、ノ
ズルユニット10の停止中に行う方がよい。これは、塗
布中に塗布液槽23に塗布液22の供給を行えば、塗布
液槽23内の塗布液22の液面が揺れて、その高さが変
化する液面に応じた波動がノズル口9を介して伝播して
塗布むらとなる虞があるためである。
【0045】さらに、制御部53は、基板2の被塗布面
2aに対する原点位置にノズルユニット10におけるノ
ズル部材19のノズル口9を上方向または下方向に移動
するべく、ノズルユニット10と共にベース部材7をリ
ニアモータ11によって移動させる。このとき、ROM
54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと
その制御データに基づいて、制御部53が、その制御信
号をリニアモータ駆動回路56に出力することで、リニ
アモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動してベ
ース部材7上のノズルユニット10におけるノズル部材
19を、図7(a)に示すように基板2の被塗布面2a
に対する所定の塗始め高さ位置に原点復帰させることが
できる。この場合の制御データは、基板2の保持位置が
精密な場合には、登録された原点データであり、また、
マニュアル的に操作部52から所定の高さ位置が入力さ
れたデータであってもよい。さらに、塗布液22の塗始
め位置に原点センサ(図示せず)を設けて、その原点セ
ンサ(図示せず)がベース部材7を検知する所定の塗始
め位置で、制御部53がベース部材7を停止するように
リニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11を
駆動制御してもよい。
【0046】さらに、基板2の被塗布面2aとノズル部
材19のノズル口9との所定のギャップ寸法に移動する
べく、接離モータ36の駆動によるボールねじ40およ
び移動部材41によりノズル部材19のノズル口9を基
板2の被塗布面2aに対して接近または離間するように
移動させる。このとき、ROM54内に登録された接離
モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づい
て、制御部53が、その出力制御信号を接離モータ駆動
回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モー
タ36を駆動してベース部材7上のノズルユニット10
におけるノズル部材19を、図7(b)に示すように基
板2の被塗布面2aに対する所定のギャップ位置(ディ
スペンス位置)に移動させる。この場合の制御データ
は、塗布液22の粘度や必要塗布膜厚、塗布速度、塗布
液槽23内の液面高さなどの各種塗布条件に応じて設定
され登録されたギャップデータであってもよく、また、
これらの各種塗布条件に応じた実験データを参照してマ
ニュアル的に操作部52から入力されたギャップデータ
であってもよい。この所定のギャップ位置にノズル部材
19を移動させたとき(図7(b))、前記圧力設定機
構を動作させて塗布液槽23内の圧力を大気圧とするか
または一時的に高めるなどにより、基板2の被塗布面2
aとノズル部材19の前端面上部29との間の隙間30
には、塗布液22が毛管現象で塗布液槽23内からスリ
ット26を介して汲み上げられて液溜りが形成される。
【0047】さらに、基板2の被塗布面2aに所定の塗
布膜厚で塗布するべく、前記圧力設定機構を動作させて
塗布液槽23内の圧力を大気開放とし、操作部52のス
タートキーを操作すると、ROM54内に登録されたリ
ニアモータ駆動制御プログラムとその制御データとに基
づいて、制御部53は、その出力制御信号をリニアモー
タ駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回路56が
リニアモータ11を駆動してベース部材7をノズルユニ
ット10と共に基板2の被塗布面2aに対して下方向に
移動し始め、その移動開始後にノズル走行速度が一定に
なって、上記相対移動速度に応じた張力によるメニスカ
スカーブDの上昇力が、広くなるギャップにおけるメニ
スカスカーブDの毛細管下降力とつり合うように平衡状
態となって、図7(c)に示すようにメニスカスカーブ
Dはそれ以上は上昇せず、その後は図7(d)に示すよ
うに安定した塗布状態となって、図7(d)のメニスカ
スカーブDと同形状の図7(e)に示すメニスカスカー
ブDで安定に塗布処理が為される。
【0048】このとき、ノズル部材19は吸着ステージ
3と平行で且つそのノズル口9が水平向きとなるように
取り付けられているが、例えば基板2が反っていたりノ
ズル部材19の取付けが傾いていたり、また、基板2の
左右両端部で厚さ寸法に差があって基板2の幅方向にテ
ーパがある場合、具体的には図8の基板2とノズル部材
19との上面図のように基板2の左右両端部で間隔G1
1,G12が異なるような場合(G11<G12)や、
塗始めの上位置と塗終わりの下位置で間隔に差があるよ
うな場合に、例えば基板2の左右端部や上下端部などに
おいて従来では塗布膜厚に差を生じたが、本実施形態で
は隙間30が上方ほど広がっているので、基板とノズル
部材19との間隔が、図9(a)に示す間隔G11のよ
うに小さくなるほど、隙間30を上昇する塗布液22の
液面到達高さ位置も上昇することになり、前端面上部2
9の傾斜面で液面が上になるほどその液面位置における
ギャップ寸法30の寸法も増えることになる。また同様
に、図9(b)に示す間隔G12のように大きくなるほ
ど、隙間30を上昇する塗布液22の液面到達高さ位置
は上がらず、前端面上部29の傾斜面で液面が上がらな
いほどその液面位置におけギャップ寸法は減少すること
になる。したがって、例えば左右方向に細長いノズル口
9を有する前端面上部29の両端部における間隔G1
1,G12に差があっても、隙間30における液面到達
高さ位置におけるギャップ寸法は共にギャップ寸法G1
3となってその差は吸収されることになる。つまり、前
端面27における間隔G11,G12のギャップ差が、
ノズル部材19の取付けや基板寸法のばらつきなどを含
む範囲内において、間隔G11となる液面到達高さ位置
におけるギャップ寸法と、間隔G12となる液面到達高
さ位置におけるギャップ寸法とが、同等(塗布膜厚に影
響しない程度の寸法範囲内)のギャップ寸法G13にな
るように、上記(表1)に示すような前端面上部29の
適正傾斜角度θを実験的に求めている。このように、メ
ニスカスカーブDが形成される上昇液面位置における隙
間寸法が塗布膜厚に影響しているため、隙間30の寸法
が小さくなるほど塗布膜厚が厚くなるが、メニスカスカ
ーブDが形成される上昇液面位置における隙間寸法は広
がって塗布膜厚が薄くなって塗布膜厚差は生じにくくな
り、基板2の被塗布面2aに対して常に均一な塗布膜厚
を得ることができる。
【0049】また、以上のように、このノズル部材19
の前端面上部29に適正傾斜角度θを設けることによ
り、塗布中に、基板2の被塗布面に塗布済の塗布液で基
板2側に引っ張る弱い力によってノズル部材19におけ
る前端面上部29をメニスカスカーブDが上昇するのを
抑えることができる。したがって、ノズル部材19の前
端面上部29を必要以上に上側に高くして大型化する必
要はなくなり、また、塗布液によって濡れる前端面上部
29の面積も狭くなって、複数の基板2に対して塗布す
る場合にも、塗布液によって濡れた部分が乾くことによ
るコンタミネーションによるパーティクルの発生原因
や、メニスカスカーブDの形状に悪影響を与えることも
抑制されて、塗布品質が良好になると共に塗布膜厚の変
化が抑えられることになる。また、塗布液によって濡れ
て汚れた前端面の洗浄範囲も小さく、洗浄がより容易な
ものとなる。
【0050】以上のように、本実施形態によれば、基板
2とノズル部材19との間のギャップ寸法が図10に示
すギャップ寸法G11,G12のように変化しても、メ
ニスカスカーブDが形成される位置でのギャップ寸法は
同等になるため、常に一定の塗布膜厚を得ることができ
る。また、前端面上部の傾斜で塗布時のメニスカスカー
ブの上昇がないことから、前端面上部を高くする必要は
なく、塗布液によって濡れる前端面上部の面積も狭くな
るので、コンパクト化が可能でコンタミネーションによ
るパーティクルの発生を抑えることができる。さらに、
従来の回転塗布方式のように基板2を水平に支持せず基
板2を立設するために、その設置スペースの縮小を図る
ことができ、また、従来の回転塗布方式のように基板2
を回転させた遠心力で塗布液を周りに振りきりつつ塗布
するのではなく、立設した基板2に対して、基板2の被
塗布面に沿ってノズル部材19をリニアモータ11で移
動させつつ、毛管現象で供給された塗布液を基板2の被
塗布面に塗布するため、塗布液の節約を図ることができ
る。
【0051】なお、上記実施形態では、図11(a)に
示すように、ノズル部材19のノズル口9から所定高さ
だけ傾斜を付けず、その上方の前端面上部29に適正な
傾斜角度θを付けるようにしたが、これに限らず、例え
ば図11(b)〜図11(e)に示すような傾斜形状で
あってもよい。図11(b)の場合には図11(a)の
場合のよりも液面が上昇しにくく、図11(c)の場合
には液だれが少なく、図11(d)の場合にはギャップ
寸法が当初は変化量が急激に変化し、後では変化量が少
なく、さらに、図11(e)の場合にはギャップ寸法が
当初は変化量が少ないが後では急激に変化しているとい
う特徴がある。これらの図11(d)および図11
(e)における傾斜角度θとは、その曲面の接線と鉛直
線とのなす角度であり、そのなす角度は順次変化してい
る。
【0052】また、図11(f)に示すように、ノズル
部材19の前端面27を平面または若干の傾斜をもって
形成し、かかるノズル部材19全体を傾斜するよう塗布
装置に取り付けて前端面27を被塗布面に対して傾斜す
るように構成し、かかる傾斜状態を維持して被塗布面に
対して移動するようにしてもよい。この場合も、被塗布
面に対する前端面の傾斜の角度は表1とほぼ同様と考え
てよい。ただしこの場合には、前端面27の下端などが
基板に対して衝突しない範囲でギャップを設定するよう
注意を要する。
【0053】また、上記実施形態では、吸着ステージ3
によって基板2を鉛直姿勢に立設保持し、ノズル部材1
9の前端面27が鉛直面内に位置し、前端面上部29が
その鉛直面よりも後方に位置するように構成している
が、基板の姿勢が必ずしも鉛直姿勢である必要はなく、
若干傾斜を有する立設姿勢であってもよく、例えば基板
2が吸着ステージ3の上側に載るように若干傾斜した立
設姿勢でもよい。かかる場合でも、ノズル部材19の外
部流出口の上方に位置する前端面上部が、ノズル部材1
9と基板2の被塗布面とのギャップ寸法が上方ほど拡が
るように傾斜した傾斜面となるように形成配置されてい
ればよい。
【0054】また、上記実施形態では、塗布移動機構と
してリニアモータ11を用いたが、その他に、ボールね
じによる塗布移動機構、ピニオンとラックによる塗布移
動機構、ワイヤーとプーリおよびモータによる塗布移動
機構などであってもよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板と塗
布ノズルの前端面上部との隙間が上方ほど広がるように
しているため、基板と塗布ノズルとの間の間隔が変化し
ても、塗布中にメニスカスカーブが形成される位置での
ギャップ寸法は同等になるため、常に均一な塗布膜厚を
得ることができる。また、ノズル前端面上部の傾斜で、
塗布中、メニスカスカーブの上昇が抑えられるため、コ
ンパクト化が可能でパーティクルの発生を抑えることが
できると共に、塗布液によって濡れて汚れた前端面上部
の洗浄範囲も小さく、洗浄がより容易である。
【0056】また、少なくとも0.3°〜30°の範囲
内に前端面上部の傾斜角度を設定すれば、その塗布液の
粘度にもよるが、基板と前端面との間隔に差があっても
良好に吸収されて、上昇液面位置での基板と塗布ノズル
のギャップ寸法は同等範囲内となって、常に均一な塗布
膜厚とすることができる。
【0057】さらに、従来の回転塗布方式のように基板
を水平に支持せず基板を立設するために、その設置スペ
ースを縮小することができ、また、従来の回転塗布方式
のように基板を回転させた遠心力で塗布液を周りに振り
きりつつ塗布するのではなく、立設した基板に対して、
基板の被塗布面に沿ってノズル部材を移動手段で移動さ
せつつ、毛管現象で供給された塗布液を基板の被塗布面
に塗布するため、塗布液を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における塗布装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアモータの概略構成を示す一部破断
斜視図である。
【図3】図1のノズルユニットの概略構成図である。
【図4】図1のノズル部材の概略断面構成を示す模式図
である。
【図5】図4のノズル部材における前端面上部の傾斜角
度θを示す図である。
【図6】図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック
図である。
【図7】(a)〜(e)はそれぞれ図4の基板およびノ
ズル部材の概略断面構成に対する塗布動作を示す模式図
である。
【図8】図4の基板とノズル部材の間隔が両端部で異な
る場合を示す概略上面図である。
【図9】図8における基板およびノズル部材の概略断面
構成を示す模式図であって、(a)は間隔が狭い側の一
方端部における断面図、(b)は間隔が広い側の他方端
部における断面図である。
【図10】基板とノズル部材の間隔に対する塗布膜厚の
関係を示す図である。
【図11】(a)〜(f)は前端面上部の傾斜例と他の
実施形態を示す図である。
【図12】本出願人による塗布装置の概略構成を示す正
面図である。
【図13】図12の塗布装置におけるAA線の断面図で
ある。
【図14】図12の基板とノズル部材の間隔が両端部で
異なる場合を示す上面図である。
【図15】(a)および(b)はメニスカスカーブDの
上昇を説明するための基板とノズル部材の断面構成を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
2 基板 3 吸着ステージ 9 ノズル口 10 ノズルユニット 11 リニアモータ 19 ノズル部材 22 塗布液 23 塗布液槽 25 前面壁部 26 スリット 27 前端面 29 前端面上部 30 隙間 36 接離モータ 40 ボールねじ 41 移動部材 52 操作部 53 制御部 54 ROM 55 RAM 56 リニアモータ駆動回路 57 接離モータ駆動回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁
    部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液流
    出路の一端が連通された外部流出口が配設され、毛管現
    象で塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液を前記
    外部流出口から供給して基板の被塗布面に塗布可能な塗
    布ノズルにおいて、 前記前端面の外部流出口の上方に位置する前端面上部
    が、前記基板の被塗布面との間隔が上方ほど広がるよう
    に前端面下部に対して傾斜した傾斜面で構成されている
    ことを特徴とする塗布ノズル。
  2. 【請求項2】 前記基板の被塗布面に対する前記前端面
    上部の傾斜角度を0.3°〜30°の範囲内に設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の塗布ノズル。
  3. 【請求項3】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
    現象で汲み上げられた塗布液を塗布する塗布装置におい
    て、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
    されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
    された前記請求項1または2記載の塗布ノズルと、 前記塗布ノズルと基板を被塗布面に沿って相対移動させ
    る移動手段と、 前記移動手段を駆動制御する制御手段とを有することを
    特徴とする塗布装置。
  4. 【請求項4】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
    現象で汲み上げられた塗布液を塗布する塗布装置におい
    て、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 前記塗布液槽から斜め上方に延びる塗布液流出路が前面
    壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液
    流出路の一端が連通された外部流出口が配設され、且つ
    前記前端面と前記基板の被塗布面との間隔が上方ほど広
    がるように前記前端面が前記被塗布面に対して傾斜する
    よう配設され、毛管現象で塗布液流出路を介して汲み上
    げられた塗布液を前記外部流出口から供給して基板の被
    塗布面に塗布する塗布ノズルと、 前記塗布ノズルと基板を被塗布面に沿って相対移動させ
    る移動手段と、 前記移動手段を駆動制御する制御手段とを有することを
    特徴とする塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記基板の被塗布面に対する前記前端面
    の傾斜角度を0.3°〜30°の範囲内に設定したこと
    を特徴とする請求項4記載の塗布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009008982A2 (en) * 2007-07-06 2009-01-15 Lam Research Corporation Single phase proximity head having a controlled meniscus for treating a substrate

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WO2009008982A3 (en) * 2007-07-06 2009-04-09 Lam Res Corp Single phase proximity head having a controlled meniscus for treating a substrate

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