JPH11601A - 塗布ノズルおよび塗布装置 - Google Patents

塗布ノズルおよび塗布装置

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Publication number
JPH11601A
JPH11601A JP15252197A JP15252197A JPH11601A JP H11601 A JPH11601 A JP H11601A JP 15252197 A JP15252197 A JP 15252197A JP 15252197 A JP15252197 A JP 15252197A JP H11601 A JPH11601 A JP H11601A
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JP
Japan
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coating liquid
coating
substrate
nozzle
slit
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP15252197A
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English (en)
Inventor
Kazuto Ozaki
一人 尾崎
Eiji Okuno
英治 奥野
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 基板幅方向に亘ってより均一な塗布膜厚を得
る。 【解決手段】 スリット26の塗布液槽23側の開口部
26aの近傍を広く構成したので、ノズル口9と塗布液
槽23の水平距離を変えずにスリット26の流路長が短
縮されスリット26内を塗布液22が通過するときの抵
抗も減少することになり、塗布液22のスリット通過抵
抗がノズル口9の基板幅方向(ノズル口9の開口長手方
向)に亘ってばらつくことがなく塗布液22の流出量が
より均一となって、より均一な塗布膜厚となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体
デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおい
て、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およ
びプリント基板などの基板表面に対して、フォトレジス
ト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁
膜および導電膜などを形成するために各種塗布液を毛細
管現象で汲み上げて塗布する塗布ノズルおよび塗布装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板表面に塗布液を塗布する方式
としては、回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ
塗布方式およびロールコート方式などがある。
【0003】近年、液晶表示デバイスや半導体デバイス
などの製造プロセスにおいて、基板を水平に保った状態
で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布液に遠
心力を与えることで、基板表面上の中央部から外周部に
均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用されて
いる。
【0004】ところが、この回転塗布方式では、基板の
大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で
外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という
点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、
角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型
化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大
せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転
させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、その基板が大型化すると、その回転時における基板
表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗
布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しく
なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような回転塗布方
式の上記問題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置
スペースの増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、
基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、そ
の基板の幅方向(左右方向)のノズルから基板表面に対
して塗布液を吐出させつつ、そのノズルを基板上端から
下端に移動させるようにして塗布液を塗布する方式の塗
布装置が、特願平8−24740号公報「基板への塗布
液塗布装置」で提案されているが、この塗布装置につい
て、以下に説明する。
【0006】図9は、塗布装置の概略構成を示す正面図
であり、図10は、図9の塗布装置におけるAA線の断
面図である。
【0007】図9および図10において、この塗布装置
は、基板100を垂直方向に立てて保持するステージ1
01と、基板100の被塗布面に塗布液102を供給す
る塗布液槽を内部に有するノズル部材103と、このノ
ズル部材103を基板100に沿って下方に直線移動さ
せる移動手段(図示せず)とから構成されている。この
ノズル部材103は、両端が閉塞され基板100の幅方
向に延在する筒状をなしており、基板100の被塗布面
と対向する前面壁部104に槽内から外部に貫通したス
リット状の塗布液流出路105をその幅方向に形成して
いる。また、基板100の被塗布面と対向する前面壁部
104の前端面106は、基板100の被塗布面に非接
触でかつ近接するように配設され、その下端106aが
塗布液流出路105の出口よりも下方で且つその反対側
の入口よりも上方に位置し、その上端106bが、基板
100の被塗布面と前端面106との間の隙間107を
上方へ無限に延長させたと仮定した場合に塗布液流出路
105を通って隙間107内に流入した塗布液が少なく
とも、毛細管現象などによって上昇するときの到達高さ
位置と塗布液流出路105の流出口との間に位置するよ
うになっている。
【0008】上記構成により、塗布液槽内に塗布液流出
路105の入口と前端面106の下端106aとの間の
高さまで塗布液102を注入し、塗布液槽を大気開放と
すると、塗布液槽内に供給された塗布液102は、毛管
現象によって、塗布液流出路105を通って槽外に流出
し、ステージ101によって鉛直姿勢に保持された基板
100の被塗布面と前端面106との間の隙間107内
に流入する。
【0009】この隙間107内に流入した塗布液は、毛
細管現象などによってその隙間107内を前端面106
の下端106aまで下降するが、前端面106の下端1
06aから流下することはない。また、隙間107内に
流入した塗布液の上方への流動は、毛細管現象などによ
ってその隙間107内を前端面106の上端106bま
で上昇するが、前端面106の上端106bで規制され
てそれ以上には上昇しない。このようにして、基板10
0の被塗布面と前端面106との間の隙間107内に、
基板100の幅方向に延びる帯状の塗布液の液溜りが形
成されることになる。
【0010】さらに、この塗布液の液溜りが形成された
状態で、基板100の被塗布面と前端面106との間の
隙間107を保持したまま、基板100の縦方向(基板
100の幅方向と直交する上下方向)aにノズル部材1
03を直動させると、基板100の被塗布面に塗布液が
塗布されることになる。このとき、基板100の被塗布
面と前端面106の隙間107にある液溜りの塗布液
は、基板100の被塗布面に塗布されていくに従って消
費されるが、大気開放されたノズル部材103の塗布液
槽の塗布液にかかる大気圧と毛細管現象などによって、
その消費量とほぼ同等の塗布液が塗布液槽内から塗布液
流出路105を通ってその隙間107内に供給される。
そのため、塗布時の隙間107内の塗布液量は常にほぼ
一定に保持されることになって、基板100に塗布液が
連続して塗布されることになる。
【0011】このように、基板100の被塗布面とノズ
ル部材103の前端面106との隙間107内にある液
溜り量を一定に保持して塗布することにより、塗布膜厚
を一定にすることができると考えられていた。しかしな
がら、現実には基板幅方向で塗布膜厚が変動し、一定の
厚みの塗布膜を得ることは困難であった。そこで、本発
明者らが鋭意研究したところ、かかる塗布膜厚の変動
は、塗布液流出路105の塗布液102に対する流出抵
抗が基板100の幅方向にばらついており、塗布液10
2の流出量に影響を与えたためであることがわかってき
た。すなわち、このように、塗布膜厚の均一性は、水平
方向に長いスリット状の塗布液流出路105を上昇する
塗布液の流出抵抗によっており、上記従来の塗布液流出
路105では、スリット間隙が狭く流出路が長いため
に、この塗布液流出路105の流出抵抗はかなり大き
く、塗布膜厚の均一性に大きく悪影響していた。特に、
塗布液102の粘度が高い場合などに顕著であった。こ
の場合、スリット間隙を単に広げれば上記流路抵抗が軽
減されることは明白であるが、毛細管現象を利用してい
るため、スリット間隙を広げ過ぎると、基板100とノ
ズル部材103との隙間107内に塗布液102を供給
することができなくなるという原理的な課題があった。
また、塗布液流出路105の流出口と塗布液槽との間の
水平距離についても、これを短縮して上記流路長を短く
することはノズル構造上限界があった。
【0012】また、特に、上記内部塗布液槽の代りに、
図11に示すように、別置式の外部塗布液槽111を設
けた場合には、基板100の幅方向に対して塗布膜厚の
均一性がさらに悪くなる。これは、ノズル部材112の
前端面113と底面114の間に配設されたスリット状
の塗布液流出路115において、その流路長が上記内部
塗布液槽がノズル部材112内になくなった分だけ長く
なって流路抵抗が大きくなると共に、これに、外部塗布
液槽111から塗布液流出路115に塗布液102が供
給される塗布液供給管116の流路抵抗分が加算される
ので、塗布液の流出抵抗はかなり大きくなって、基板1
00の幅方向に流出量がばらついて塗布膜厚の均一性が
さらに悪くなってしまう。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、基板幅方向に亘ってより均一な塗布膜厚を得ること
ができる塗布ノズルおよび塗布装置を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布ノズルは、
一端が塗布液槽に開口され塗布液槽から斜め上方に延び
るスリット状の塗布液流出路が前面壁部に配設され、こ
の前面壁部の前端面に、塗布液流出路の他端が連通され
た外部流出口が配設され、毛管現象で塗布液槽から塗布
液流出路を介して汲み上げられた塗布液を外部流出口か
ら供給して基板の被塗布面に塗布可能な塗布ノズルにお
いて、塗布液流出路の一端開口部が、基板幅方向に亘っ
て外部流出口のスリット間隙よりも広く構成されている
ことを特徴とするものである。
【0015】この構成により、塗布液流出路の塗布液槽
内への一端開口部が、基板幅方向に亘って外部流出口の
スリット間隙よりも広く構成されているので、塗布液流
出路の流路長が短縮され、スリット状の塗布液流出路内
部を塗布液が通過するときの抵抗が減少する。よって、
その塗布液流出路の塗布液通過抵抗が塗布液流出路の基
板幅方向にばらつくことが抑えられて塗布液の流出量が
より均一となり、より均一な塗布膜厚となる。
【0016】また、本発明の塗布ノズルは、一端が塗布
液槽に連通され塗布液槽から斜め上方に延びるスリット
状の塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面壁部
の前端面に、塗布液流出路の他端が連通された外部流出
口が配設され、毛管現象で塗布液槽から塗布液流出路を
介して汲み上げられた塗布液を外部流出口から供給して
基板の被塗布面に塗布可能な塗布ノズルにおいて、塗布
液流出路が、基板幅方向に亘って外部流出口のスリット
間隙よりも前記塗布液槽側に広がっていることを特徴と
するものである。
【0017】この構成により、塗布液流出路が、基板幅
方向に亘って前記外部流出口のスリット間隙よりも塗布
液槽側に広がっているので、毛細管現象で塗布液槽から
塗布液を汲み上げる力を確保しつつ塗布液流出路の塗布
液通過抵抗が軽減されて塗布液流出路の基板幅方向にば
らつくことが抑えられ塗布液の流出量がより均一とな
り、より均一な塗布膜厚となる。
【0018】さらに、本発明の塗布ノズルは、一端が塗
布液槽に連通され塗布液槽から斜め上方に延びるスリッ
ト状の塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面壁
部の前端面に、塗布液流出路の他端が連通された外部流
出口が配設され、毛管現象で塗布液槽から塗布液流出路
を介して汲み上げられた塗布液を外部流出口から供給し
て基板の被塗布面に塗布可能な塗布ノズルにおいて、基
板幅方向に亘って塗布液流出路の液流量が均一となるよ
うに、斜め上方に延びる塗布液流出路の傾斜角度が設定
されていることを特徴とするものである。
【0019】この構成により、基板幅方向に亘って塗布
液流出路の液流量を均一とするべく、斜め上方に延びる
塗布液流出路の傾斜角度を現状の傾斜角度よりも小さく
設定しているので、塗布液流出路の流路長が短縮されて
スリット状の塗布液流出路内部を塗布液が通過するとき
の抵抗が減少すると共に、毛細管現象で汲み上げる高さ
が低くなる分だけ汲み上げる高さが低くなる分だけ容易
に塗布液を汲み上げることが可能となって、塗布液の流
出量が基板幅方向にばらつくことが抑えられてより均一
となり、より均一な塗布膜厚となる。
【0020】さらに、本発明の塗布ノズルは、斜め上方
に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設され、この前面
壁部の前端面に、塗布液流出路の一端が連通された外部
流出口が配設され、毛管現象で塗布液流出路を介して汲
み上げられた塗布液を外部流出口から供給して基板の被
塗布面に塗布可能な塗布ノズルにおいて、ノズル本体内
部の塗布液流出路下端部に液溜り部が配設され、この液
溜り部に、外部塗布液槽と連通した塗布液供給管が連結
されていることを特徴とするものである。
【0021】この構成により、ノズル本体内部の塗布液
流出路下端部に液溜り部が配設され、この液溜り部に外
部塗布液槽が接続されているので、この液溜り部で塗布
液流出路の塗布液通過抵抗が軽減され、流出抵抗が基板
幅方向にばらつくことが抑えられて塗布液の流出量がよ
り均一となり、より均一な塗布膜厚となる。
【0022】さらに、本発明の塗布装置は、立設した基
板の被塗布面に対して、毛管現象で塗布液槽から塗布液
流出路を介して汲み上げられた塗布液を外部流出口から
供給して塗布する塗布装置において、請求項1〜4のう
ち少なくとも何れかに記載の塗布ノズルと、塗布ノズル
と基板を被塗布面に沿って相対移動させる移動手段と、
塗布ノズルと基板の被塗布面を接近または離間するよう
に移動させるギャップ可変手段と、移動手段およびギャ
ップ可変手段を駆動制御する制御手段とを有することを
特徴とするものである。
【0023】この構成により、上記作用に加えて、基板
を立設した状態で、被塗布面に沿って塗布ノズルを移動
させつつ、毛管現象で供給された塗布液をその被塗布面
に塗布するので、基板を水平状態で回転させ、その遠心
力で塗布液を塗布する回転塗布方式に比べて、設置スペ
ースが縮小されると共に塗布液も節約される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る塗布装置の実
施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以
下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0025】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
における塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
【0026】図1において、壁状に構成されて立設され
た架台1の表面側中央部に、ガラス基板などの基板2の
被塗布面を外側に向けた状態で基板2を吸着して保持す
る吸着ステージ3が配設されている。この吸着ステージ
3は、用いるサイズの基板2毎の外周部に対応した適所
に、吸引可能な吸着部材としての吸盤(図示せず)が出
退自在に為されている細長い凹部3aが複数配設されて
おり、基板2への吸盤(図示せず)による吸着後に吸盤
(図示せず)を凹部3a内の所定位置に引き込んで収納
することで基板2を保持するようになっている。また、
この吸着ステージ3による基板2の保持状態は、鉛直
(垂直)方向であってもよく、また傾斜した姿勢であっ
てもよく、例えば基板2が吸着ステージ3の上側に位置
するように若干傾いた状態でもよい。さらに、吸着部材
としての吸盤(図示せず)が基板2の中央部を保持しな
いのは、基板2の中央部は重要な回路などが配置される
部分であり、吸盤(図示せず)による真空吸引と解除に
よって温度が下がったり上がったりすることで塗布むら
となるのを防止するためである。したがって、吸盤(図
示せず)の形状も基板2の外周部だけを吸引すべく、細
長い凹部3aと同様の細長い吸盤形状となっている。な
お、ここでは、吸着ステージ3による基板2の保持は、
吸盤(図示せず)による吸着の場合を示したが、基板2
の上下左右を爪状の部材でひっかけて保持するような構
成であってもよいことは言うまでもないことである。
【0027】また、この架台1の表面側および裏面側の
幅方向両端部の上下位置の4角部にそれぞれ4個の各ア
イドルギヤ4が2組回転自在に各軸受部5でそれぞれ軸
支されて配設されている。これらの上部に位置する左右
2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右の各
スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部材7
の両端上部がそれぞれ連結されており、また、左右の各
スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランスウェ
イト8の両端上部がそれぞれ連結されている。また、下
部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架
けられた左右の各スチールベルト6の一方端にはそれぞ
れ、ベース部材7の両端下部がそれぞれ連結されてお
り、また、その左右の各スチールベルト6の他方端には
それぞれ、バランスウェイト8の両端下部がそれぞれ連
結されて、ベース部材7が架台1の表面側で、バランス
ウェイト8が架台1の裏面側でそれぞれ水平に保持され
かつ上下に移動可能な状態で、各スチールベルト6が、
架台1の幅方向両端部の上下方向にそれぞれ左右2組の
各アイドルギヤ4をそれぞれ介して巻回されている。こ
のベース部材7上の中央部には、基板2の幅寸法のノズ
ル口9を有し、そのノズル口9から塗布液を吐出可能な
ノズルユニット10が配設されている。これらのベース
部材7およびノズルユニット10とバランスウェイト8
とがそれぞれバランスが取れた静止状態で架台1の表と
裏の幅方向両端部間に水平にそれぞれ保持されるように
なっている。
【0028】また、架台1の表面側の両端部にはそれぞ
れ各上下方向に縦型の各リニアモータ11の固定子12
が配設されており、これら左右の各リニアモータ11は
その駆動によって、ノズルユニット10を載置したベー
ス部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に直線移
動させる構成となっている。この移動手段としてのリニ
アモータ11は、各上下方向に配設された各スチールベ
ルト6にそれぞれ沿ってベース部材7の両端部および各
スチールベルト6の内側にそれぞれ配設されており、図
2に示すように、幅方向両端部の各レール部13間にベ
ース部14を有する固定子12と、ベース部材7の両端
部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子12とそれぞれ対向
して配設され、各固定子12の上をスライド自在なスラ
イダ部材15とを有している。このスライダ部材15
は、その幅方向両側に各レール部13とそれぞれ嵌合し
て上下方向に案内される各リニアガイド部16と、各リ
ニアガイド部16の間に配設されると共に、固定子12
のベース部14に対向し、図示しない巻線による励磁に
よって磁力を発生させる磁気回路部17と、この磁気回
路部17の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネク
タ18とを有しており、この磁気回路部17の励磁によ
る磁力で、スライダ部材15は固定子12の各レール部
13に各リニアガイド部16で案内されて上下に移動自
在である。このスライダ部材15が、ノズルユニット1
0を載置したベース部材7の両端部裏側にそれぞれ固着
されており、これらの各スライダ部材15の移動によっ
てベース部材7が上下に移動自在になっている。
【0029】ここでは、ノズルユニット10を載置した
ベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に移
動させるように構成したが、ノズルユニット10と基板
2とが被塗布面に沿って相対的に移動するように構成す
ればよく、ノズルユニット10を固定して基板2を吸着
ステージ3と共に上下にリニアモータやボールねじなど
の移動手段で移動するように構成することもできる。こ
のように、吸着ステージ3を上下に移動させる方がノズ
ルユニット10を移動させるよりも振動が少なく、その
振動による塗布むら防止などの観点から吸着ステージ3
を移動させる方がよいのであるが、吸着ステージ3を上
下に移動させると、装置の高さが倍必要となり、クリー
ンルームの天井高さには制限があるので、非現実的なも
のとなってしまう。なお、44は配線や薬液供給チュー
ブなどを収容したケーブルベアである。
【0030】さらに、ノズルユニット10は、図3に示
すように、基板2の被塗布面2aに対向して開口した水
平方向の細長いノズル口9から塗布液を吐出可能な塗布
ノズルとしてのノズル部材19と、このノズル部材19
のノズル口9を基板2の被塗布面への対向位置Mと点線
で示す洗浄用の下方位置Nとの間で、ノズル部材19を
その長手方向を回動軸として回動させるノズル部材回動
機構部20と、ノズル部材19のノズル口9と基板2の
被塗布面との水平方向の隙間(ギャップ)を可変させる
べく、ノズル部材19を基板2に対して接近または離間
自在に駆動するギャップ可変機構部21とを備えてい
る。このノズルユニット10は、塗布処理される基板2
のサイズに合った幅寸法のノズル部材19と付け変え可
能に構成されている。
【0031】このノズル部材19のうち、図4(a)に
はノズル部材19aが、図4(b)には別の型のノズル
部材19bが模式的に示されている。これらのノズル部
材19a,19b内には、塗布液22を溜める塗布液槽
23が配設されており、この塗布液槽23は、両端が閉
塞され基板2の幅方向に延在する水平方向に細長い筒状
に構成されている。この塗布液槽23の中央部に塗布液
22を供給する図1の供給チューブ24が連結されてお
り、ベース部材7上に載置されたポンプ43によって供
給チューブ24を介して外部から塗布液22を塗布液槽
23内に供給可能に構成している。なお、ノズル部材1
9a,19bのいずれにおいても、塗布液槽23はその
内部に貯留される塗布液の液面よりも上方部分におい
て、外部と連通する連通路23pによって大気開放され
ており、内部は大気圧となっている。また、基板2の被
塗布面2aと対向する前面壁部25に塗布液槽23内か
ら外部に斜め上向きに貫通した塗布液流出路としてスリ
ット26が基板2の幅方向に形成されている。このスリ
ット26は、塗布液槽23の下部とノズル口9との間で
直線状に左上向きに傾斜した状態で連結しており、スリ
ット26の下方端が塗布液槽23内に開口し、その上方
端が水平方向に細長いノズル口9となっている。また、
このスリット26の下方端の塗布液槽23内への開口部
26aでは、塗布液槽23内の液面高さよりも下方位置
で、基板幅方向に亘ってノズル口9のスリット間隙dよ
りも広く開口している。さらに、基板2の被塗布面2a
と対向する前面壁部25の前端面27は、塗布液の液溜
りが形成可能なように、基板2の被塗布面2aに非接触
でかつ所定の隙間28で近接するように配置される。
【0032】この開口部26aの形状としては、本実施
形態では開口部26aの天井壁面26bは水平面に構成
され、底壁面26cはスリット26の傾斜と同一の傾斜
状態で塗布液槽23内に至っている。この天井壁面26
bは傾斜面となっていてもよく、要は、スリット26の
流路長および流路抵抗が低減されるように開口部26a
が広がっていればよい。また、スリット26の間隙d
は、塗布液槽23内の塗布液22が毛細管現象によって
スリット26内を上昇することができて、ノズル口9か
ら基板2とノズル部材19との隙間28内に塗布液22
を供給することができる最も大きい間隙寸法である。こ
れは、スリット26の間隙dは大きいほど流路抵抗は小
さくなって塗布膜厚の均一性への影響は少なくなるから
である。
【0033】次に、図4(a)のノズル部材19aで
は、前端面27の下端27aは、スリット26の出口で
あるノズル口9と、その反対側の塗布液槽23内への開
口との間の高さに位置するように形成されている。ま
た、この前端面27の下端27aとスリット26の塗布
液槽23内への開口部26aの上端との高さ範囲B内に
塗布液槽23内の塗布液面が位置するように液面を設定
し、その前端面27の上端27bが、基板2の被塗布面
2aと前端面27との間の隙間28を上方へ無限に延長
させたと仮定した場合にその隙間内に流入した塗布液2
2が毛細管現象などによって上昇することができる到達
高さ位置とスリット26の流出口であるノズル口9との
間に位置するようになっている。
【0034】また、図4(b)の別の型のノズル部材1
9bでは、前端面27の下端27aは、スリット26の
出口であるノズル口9と、その反対側の塗布液槽23内
への開口との間の高さに位置するように形成されてい
る。また、前端面27の下端27aとスリット26の塗
布液槽23内への開口部26aの上端との高さ範囲B内
に塗布液槽23内の塗布液面が位置するように液面を設
定し、ノズル口9から前端面27の前端面上部29は、
上方に開くように傾斜している。つまり、基板2の被塗
布面2aと前端面上部29との間の隙間30は上に行く
ほど広がっており、塗布液22が毛細管現象などによっ
てスリット26さらにノズル口9を介して隙間30内を
上昇する液面到達高さ位置まで来ている。
【0035】これらのタイプが異なるノズル部材19
a,19bの特徴を比較すると、ノズル部材19aで
は、塗布液22が毛細管現象などによって上昇する到達
高さ位置よりも低い位置で前端面27の上端27bが形
成されているため、毛細管現象などによる塗布液22の
上昇力が内在されており、塗布液22の塗始めから所定
膜厚に至るまでの時間がノズル部材19bの場合よりも
早く到達するというメリットがある。つまり、ノズル部
材19aでは、塗布液22の塗始めの薄い膜厚範囲が、
ノズル部材19bの場合よりも狭いというメリットがあ
る。
【0036】また、ノズル部材19aでは、その前端面
27は塗布液22で常に濡れているために塗布液22が
乾くことがなく、乾くことによるコンタミネーションの
発生原因は抑えられることになる。一方、ノズル部材1
9bでは、前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液
面が毛細管現象などによって上昇する到達高さ位置は、
塗始めと塗終わりなどで、消費した液量差による槽内の
液面高さの低下などのため一定しておらず、液面が低下
することによって、今まで塗布液22で濡れていた前端
面上部29の傾斜面が乾いてコンタミネーションが生
じ、そこから発生したパーティクルが塗布液22中に混
入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下す
るという虞がある。また、ノズル部材19bでは、次に
別の基板2の被塗布面2aを塗布する場合にも同様に、
前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液面が毛細管
現象などによって上昇する到達高さ位置は、前回の塗布
時と比べて、基板2の被塗布面2aと前端面上部29と
の隙間30が広くなったり狭くなったりすることで一定
化しない。このため、その隙間30が広くなったギャッ
プ部分では液面到達高さ位置が低下することによって、
今まで塗布液22で濡れていた前端面上部29の傾斜面
が乾くことになる。その乾いた部分にコンタミネーショ
ンが発生し、それによるパーティクルが塗布液22中に
混入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下
するという虞がある。
【0037】さらに、ノズル部材19aでは、基板2の
被塗布面2aと前端面27との隙間28の寸法によって
塗布する塗布液22の膜厚が変化するために、膜厚調整
用としては効力を発揮するが、細長いノズル口9と基板
2の被塗布面2aとの隙間28に、細長いノズル口9の
両端位置で、また、塗始めの位置と塗終わりの位置など
でギャップ差が生じるような場合には、その隙間28の
差が塗布膜厚差となって反映することになって、基板2
の被塗布面2aに均一な膜厚の塗布液22を塗布するこ
とができないという虞がある。これに対して、ノズル部
材19bでは、基板2の厚みが変化したり基板2の被塗
布面2aと細長いノズル口9との隙間30に、基板2が
反っていたりノズル部材19bが傾いていたりして、細
長いノズル口9の両端位置で、また、塗始めの位置と塗
終わりの位置でギャップ差があるような場合にも、隙間
30が上方に広がっているので、細長いノズル口9の両
端部などでのギャップ差が吸収されて、塗布膜厚差が生
じにくく、基板2の被塗布面2aにより均一な膜厚の塗
布液22を塗布することができるようになる。つまり、
隙間30の寸法が小さくなるほど塗布膜厚が厚くなる
が、この場合、隙間30を上昇する塗布液22の液面到
達高さ位置も上昇することになり、前端面29の傾斜面
で液面が上になるほど液面位置における隙間寸法も増え
て、細長いノズル口9の両端部などでのギャップ差が吸
収されることになる。この上昇液面位置における隙間寸
法が塗布膜厚に影響しているため、隙間30の寸法が小
さくなるほど塗布膜厚が厚くなるが、上昇液面位置にお
ける隙間寸法は広がって塗布膜厚が薄くなる方向に移行
して塗布膜厚差は生じにくくなり、基板2の被塗布面2
aに対してより均一な膜厚の塗布液22を塗布すること
ができるようになる。
【0038】一方、図3のノズル部材回動機構部20
は、図示しない電磁弁で制御されて、ロッド先端部31
を伸長位置と収縮位置との間を移動させるエアーシリン
ダ32が、矢印方向Cにシリンダ前方部のピン32aを
回動中心として回動可能に軸支されている。このロッド
先端部31は、アーム部材33の一方端部と回動可能に
ピン連結されてリンク機構を構成しており、アーム部材
33の他方端部は駆動軸34にその長手方向に直交する
方向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動
軸34は、所定幅で水平方向に延びたベース部材35を
下方から支持する支持部材35aを横方向に貫通して固
定されている。このベース部材35の前方端縁上側には
ノズル部材19がそのノズル口9を基板2の被塗布面2
a側に向けた状態で、ノズル部材19の長手方向と駆動
軸34の軸方向が一致する方向になるように取り付けら
れている。図3は、エアーシリンダ32のロッド先端部
31が伸長した場合であり、このとき、ノズル部材19
のノズル口9は基板2の被塗布面2aに対向して塗布可
能な状態である。これに対して、エアーシリンダ32の
ロッド先端部31が短縮した場合には、ノズル部材19
のノズル口9は、2点鎖線で示すように下方を向いて洗
浄可能な状態となる。このロッド短縮の途中で、ピン3
2aを回動中心としてエアーシリンダ32が矢印方向C
に揺動しつつロッド先端部31が短縮されることにな
る。
【0039】また、ギャップ可変機構部21は、ステッ
ピングモータやサーボモータなどの接離モータ36と、
前後の軸受部37,38で軸支され、この接離モータ3
6の回転軸に連結部39を介して連結されたボールねじ
40と、このボールねじ40に螺合した移動部材41
と、移動部材41の上端が下面で固着されていると共に
ノズル部材回動機構部20を支持して基板2の被塗布面
2aに対してノズル部材19の前端面27が接近または
離間するようにスライド自在なスライド部材42とを備
えており、接離モータ36によるボールねじ40の回転
で、移動部材41が、ノズル部材19およびノズル部材
回動機構部20を載置した状態で前後に移動自在に構成
されている。
【0040】ここでは、ギャップ可変機構部21は中央
部1個所として、基板2の厚さのばらつき範囲内でギャ
ップ寸法を調整するようにしているが、さらに、基板2
の厚さのばらつきだけではなく、基板2の幅方向にテー
パがあって左右両端部での厚さ寸法に差があるような場
合には、ギャップ可変機構部21をベース部材7の左右
2個所配設することで左右独立にギャップ寸法を調整す
ることができ、ノズルユニット10の左右に長いノズル
部材19を、基板2の幅両端部で厚さが異なることによ
る幅方向テーパに合わせて平行に、左右位置で等ギャッ
プ寸法として傾け得るように構成することもできる。
【0041】図5は、図1の塗布装置の概略制御構成を
示すブロック図である。
【0042】図5において、操作部52としては、数字
を入力するテンキー、電源のオン・オフを入力する電源
キー、塗布スタートキー、リニアモータ11の駆動速度
の基準値を任意に手動で設定する速度設定キーおよび、
接離モータ36を駆動させて基板2の被塗布面2aとノ
ズル口9との隙間28または隙間30を調整する隙間設
定キー、基板サイズ、基板厚さ、塗布液粘度および塗布
膜厚などを設定する各種設定キーなどで構成されてい
る。また、この操作部52が接続される制御部53はR
OM54およびRAM55に接続されており、ROM5
4内に登録された各制御プログラムで用いる制御データ
を、操作部52から制御部53を介してRAM55内に
書き込み可能である。
【0043】また、これらの操作部52、ROM54お
よびRAM55が接続される制御部53は、リニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11に接続されて
おり、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御
プログラムと、操作部52から入力され、リニアモータ
駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、
制御部53は、その制御信号をリニアモータ駆動回路5
6に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ
11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を
基板2の被塗布面2aに対する所定上下位置に移動自在
である。また、制御部53は、ROM54内に登録され
たリニアモータ駆動制御プログラムと、基板サイズ、塗
布液粘度および塗布膜厚などの各種設定キーからの入力
や、操作部52の塗布スタートキーの入力によって、リ
ニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに
基づいて、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモ
ータ11を駆動して所定速度でノズル走行させつつ塗布
可能なように制御するようになっている。
【0044】さらに、これらの操作部52、ROM54
およびRAM55が接続される制御部53は、接離モー
タ駆動回路57を介して接離モータ36に接続されてお
り、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プロ
グラムと、操作部52から入力され、接離モータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、制御部
53は、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力
し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動し
てベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗
布面2aに対して接近または離間させて所定ギャップ位
置に移動自在に制御可能である。
【0045】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。
【0046】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2の外周部を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応させ
た状態で所定の位置に位置決めして、基板2の被塗布面
を外側に向けた状態で基板2を各吸盤で吸着する。さら
に、各吸盤を吸着ステージ3の凹部3a内の所定位置に
引き込んで収納することで基板2を保持する。
【0047】次に、ノズル部材19内の塗布液槽23に
所定量の塗布液22を、図1のベース部材7上に載置さ
れたポンプ43にて供給チューブ24を介して供給す
る。この塗布液槽23への塗布液22の供給は、ノズル
ユニット10の停止中に行う方がよい。これは、塗布中
に塗布液槽23に塗布液22の供給を行えば、塗布液槽
23内の塗布液22の液面が揺れて、その高さが変化す
る液面に応じた波動がノズル口9を介して伝播して塗布
むらとなる虞があるためである。
【0048】さらに、制御部53は、基板2の被塗布面
2aに対する原点位置にノズルユニット10におけるノ
ズル部材19のノズル口9を上方向または下方向に移動
するべく、ノズルユニット10と共にベース部材7をリ
ニアモータ11によって移動させる。このとき、ROM
54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと
その制御データに基づいて、制御部53が、その制御信
号をリニアモータ駆動回路56に出力することで、リニ
アモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動してベ
ース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗布面
2aに対する所定の塗始め位置に原点復帰させることが
できる。この場合の制御データは、基板2の保持位置が
精密な場合には、登録された原点データであり、また、
マニュアル的に操作部52から所定の高さ位置が入力さ
れたデータであってもよい。さらに、塗布液22の塗始
め位置に原点センサ(図示せず)を設けて、その原点セ
ンサ(図示せず)がベース部材7を検知する所定の塗始
め位置で、制御部53がベース部材7を停止するように
リニアモータ駆動回路56を介してリニアモータ11を
駆動制御してもよい。
【0049】さらに、基板2の被塗布面とノズル部材1
9のノズル口9との所定のギャップ寸法に移動するべ
く、接離モータ36の駆動によるボールねじ40および
移動部材41によりノズル部材19の前端面27のノズ
ル口9を基板2の被塗布面に対して接近または離間する
ように移動させる。このとき、ROM54内に登録され
た接離モータ駆動制御プログラムとその制御データに基
づいて、制御部53が、その出力制御信号を接離モータ
駆動回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離
モータ36を駆動してベース部材7上のノズル部材19
を基板2の被塗布面2aに対する所定のギャップ位置に
移動させる。この場合の制御データは、塗布液22の粘
度や必要塗布膜厚、塗布速度などの各種塗布条件に応じ
て設定され登録されたギャップデータ(所定ギャップ位
置データ)であってもよく、また、これらの各種条件に
応じた実験データを参照してマニュアル的に操作部52
から入力されたギャップデータであってもよい。この所
定のギャップ位置にノズル部材19を移動させたとき、
基板2の被塗布面2aとノズル部材19の前端面27と
の間には、塗布液22が毛管現象で塗布液槽23内から
汲み上げられて液溜りが形成されている。
【0050】さらに、基板2の被塗布面2aに所定の塗
布膜厚で塗布するべく、操作部52の塗布スタートキー
を操作すると、ROM54内に登録されたリニアモータ
駆動制御プログラムと所定の塗布膜厚に応じた制御デー
タとに基づいて、制御部53は、その出力制御信号をリ
ニアモータ駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回
路56がリニアモータ11を駆動してベース部材7をノ
ズルユニット10と共に基板2の被塗布面2aに沿って
下方向に移動させてノズル走行を行いつつ基板2の被塗
布面2aに対して塗布する。
【0051】以上のように、本実施形態1によれば、ス
リット26の開口部26aの近傍を広く構成したので、
ノズル口9と塗布液槽23の水平距離を変えずにスリッ
ト26の流路長が実質的に短縮され、スリット26内を
塗布液22が通過するときの抵抗も減少することにな
り、塗布液22のスリット通過抵抗がノズル口9の基板
幅方向(ノズル口9の開口長手方向)に亘って全体的に
低下することにより、その通過抵抗の基板幅方向でのば
らつきも少なくなり、塗布液22の流出量がより均一と
なって、より均一な塗布膜厚となる。また、このように
して、スリット26の流路長および流路抵抗を減少させ
たので、塗布速度を上げても均一な塗布膜厚を確保する
ことができ、生産性の向上や厚膜化を容易に図ることが
できる。さらに、ノズル部材19は複数の部品を組み立
てることで構成されているが、一部の部品を水平に削る
だけの簡単な平面加工だけで、ノズル部材19の基本設
計を大きく変更することなく、塗布膜厚の均一化に対応
することができる。
【0052】また、従来の回転塗布方式のように基板2
を水平に支持せず基板2を立設するために、その設置ス
ペースの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布
方式のように基板2を回転させた遠心力で塗布液を周り
に振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板2に
対して、基板2の被塗布面に沿ってノズル部材19をリ
ニアモータ11で移動させつつ、毛管現象で供給された
塗布液を基板2の被塗布面に必要量だけ塗布するため、
塗布液の節約を図ることができる。
【0053】(実施形態2)図6(a)および図6
(b)は本発明の実施形態2の塗布装置におけるノズル
部材の概略断面構成を示す模式図であって、(a)と
(b)はそれぞれ異なるタイプを示す断面図である。こ
こでは、図1〜図5の各部材と同一の作用効果を奏する
部材には同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0054】図6(a)および図6(b)において、ス
リット26eはノズル口9から塗布液槽23に至るに従
ってスリット間隙dが連続的(または段階的)に広くな
るように構成されている。つまり、塗布液流出路として
のスリット26eが、基板幅方向に亘ってノズル口9の
スリット間隙dよりも塗布液槽23側に広がっている。
このスリット26eの間隙dの、ノズル口9と塗布液槽
23側の開口とにおける差は、塗布液槽23内の塗布液
22が毛細管現象によってスリット26e内を上昇する
ことができて、ノズル口9から基板2とノズル部材19
との隙間28内に塗布液22を供給することができる最
大間隙差である。これは、スリット26eの間隙dの差
が大きいほど流路抵抗は小さくなって塗布膜厚への抵抗
は小さくなるからである。つまり、塗布液槽23内の液
面高さ位置におけるスリット26eの間隙dが毛細管現
象によってスリット26e内を上昇することができる最
も大きな間隙dであればよいことになる。
【0055】以上のように、本実施形態2によれば、ス
リット26eの間隙dを、ノズル口9から塗布液槽23
の開口部に至るまで広くなるように構成したので、ノズ
ル口9と塗布液槽23の水平距離を変えずにスリット2
6内を塗布液22が通過するときの抵抗が減少すること
になり、先の実施形態1と同様に、塗布液22のスリッ
ト通過抵抗がノズル口9の基板幅方向(ノズル口9の開
口長手方向)ばらつくことがなく塗布液の流出量がより
均一となって、より均一な塗布膜厚となる。また、この
ようにして、スリット26の流路長および流路抵抗を減
少させたので、塗布速度を上げても均一な塗布膜厚を確
保することができ、生産性の向上や厚膜化を容易に図る
ことができる。
【0056】(実施形態3)図7(a)および図7
(b)は本発明の実施形態3の塗布装置におけるノズル
部材の概略断面構成を示す模式図であって、(a)と
(b)はそれぞれ異なるタイプを示す断面図である。こ
こでは、図1〜図5の各部材と同一の作用効果を奏する
部材には同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0057】図7(a)および図7(b)において、ノ
ズル口9から斜め下方の塗布液槽23に直線状に至るス
リット26gの傾斜角度θ(例えば30°)を図4
(a)および図4(b)のスリット26の傾斜角度(例
えば45°)に比べて小さく構成している。この場合、
ノズル口9の位置は変えずに、塗布液槽23を上方向に
移動させてノズル口9と塗布液槽23の流出開口部とを
スリット26gで連結するればよい。つまり、スリット
26gは、傾斜角度を現状よりも小さくすることで流路
長を短くし、基板2の幅方向に亘ってノズル口9からの
液流量がより均一となるように、斜め延びる傾斜角度が
設定されている。かかる傾斜角度θは、塗布時の塗布液
22の液面高さを前端面27の下端27aよりも下方に
保つことができる範囲で且つ流路抵抗の低下により所望
の塗布均一性が得られる程度に設定される。
【0058】以上のように、本実施形態3によれば、ス
リット26gの傾斜角度θを現状の傾斜角度よりも小さ
く構成したので、ノズル口9と塗布液槽23の水平距離
を変えずにスリット26eの流路長が短縮されると共に
毛細管現象による塗布液22の到達すべき高さが低くな
って、スリット26内を塗布液22が通過するときの抵
抗も減少することになり、塗布液22のスリット通過抵
抗が基板幅方向(ノズル口9の開口長手方向)に亘って
ばらつくことがなく塗布液の流出量がより均一となっ
て、より均一な塗布膜厚となる。また、このようにし
て、スリット26の流路長および流路抵抗を減少させた
ので、塗布速度を上げても均一な塗布膜厚を確保するこ
とができ、生産性の向上や厚膜化を容易に図ることがで
きる。
【0059】(実施形態4)図8は本発明の実施形態4
の塗布装置における要部構成を模式的に示す断面図であ
る。ここでは、図1〜図5の各部材と同一の作用効果を
奏する部材には同一の符号を付けてその説明を省略す
る。
【0060】図8において、塗布液22を供給可能な塗
布ノズルとしてのノズル部材60には、ノズル内部に設
けられて、連通路23pにより外部と連通されて内側が
大気圧とされた上記塗布液槽23の代りに、気層がなく
且つ大気開放されていない液溜り部61が形成されてい
る。この液溜り部61は、斜め上方に位置するノズル口
9に塗布液流出路としてのスリット62aを介して連結
されていると共に、その液溜り部61の下方部には塗布
液供給管62bの一端が連結されている。この塗布液供
給管62bの他端は、塗布液22を所定量貯留可能で且
つ上方に設けた連通路22pにより大気開放されて内部
が大気圧とされた外部塗布液槽63の底部に連結されて
いる。この気層のない液溜り部61の形状は、エアー抜
きを容易にするため上部には上方にのみ傾斜を有する形
状となっている。また、このような外部塗布液槽63に
よる外部タンク方式であれば上記塗布液槽23による内
部タンク方式に比べてメンテナンスも容易である。
【0061】以上のように、本実施形態4によれば、外
部塗布液槽63による外部タンク構造において、スリッ
ト62aの下部に液溜り部61を設けたので、液溜り部
61がスリット62aの幅方向の圧力分布を分散し、ス
リット62a内を塗布液22が通過する流路長も短くな
ってその流路抵抗も減少することになり、塗布液22の
スリット通過抵抗がノズル口9の基板幅方向でばらつく
ことがなく、塗布液の流出量が基板幅方向(ノズル口9
の開口長手方向)に亘ってより均一となって、より均一
な塗布膜厚となる。
【0062】なお、上記実施形態1では、スリット26
の開口部26aの近傍を広く構成し、上記実施形態2で
は、スリット26eの間隙dをノズル口9から塗布液槽
23の開口部に至るまで連続的または段階的に広くなる
ように構成し、上記実施形態3では、スリット26gの
傾斜角度θを小さく構成したが、上記塗布液槽23のス
リット26の開口部近傍を広くすると共に、スリット傾
斜角度θを現状よりも小さく構成するなど、これら3項
目(実施形態1〜3)のうち少なくとの2項目を同時に
実施するようにしてもよい。この場合には、更なる塗布
膜厚の均一化を図ることができる。
【0063】また、上記実施形態1〜4では、塗布移動
機構としてリニアモータ11を用いたが、その他に、ボ
ールねじによる塗布移動機構、ピニオンとラックによる
塗布移動機構、ワイヤーとプーリおよびモータによる塗
布移動機構などであってもよい。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、塗布液流
出路を一部広くしたりその傾斜角度を小さくしたりし
て、塗布液が毛細管現象で上昇する塗布液流出路の流路
抵抗を軽減したため、基板幅方向に亘ってより均一な塗
布膜厚を得ることができる。また、基板を立設した状態
で、被塗布面に沿って塗布ノズルを移動させつつ、毛管
現象で供給された塗布液をその被塗布面に塗布するた
め、基板を水平状態で回転させ、その遠心力で塗布液を
塗布する回転塗布方式に比べて、省塗布液で省設置スペ
ースを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における塗布装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアモータの概略構成を示す一部破断
斜視図である。
【図3】図1のノズルユニットの概略構成図である。
【図4】図1のノズル部材の概略断面構成を示す模式図
であって、(a)と(b)はそれぞれ異なるタイプを示
す図である。
【図5】図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック
図である。
【図6】本発明の実施形態2の塗布装置におけるノズル
部材の概略断面構成を示す模式図であって、(a)と
(b)はそれぞれ異なるタイプを示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態3の塗布装置におけるノズル
部材の概略断面構成を示す模式図であって、(a)と
(b)はそれぞれ異なるタイプを示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態4の塗布装置における要部構
成を模式的に示す断面図である。
【図9】本出願人による塗布装置の概略構成を示す正面
図である。
【図10】図9の塗布装置におけるAA線の断面図であ
る。
【図11】外部タンク方式の塗布装置における要部構成
を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2 基板 3 吸着ステージ 9 ノズル口 10 ノズルユニット 11 リニアモータ 19,19a,19b,19e,19f,19g,19
h,60 ノズル部材 21 ギャップ可変機構部 22 塗布液 23 塗布液槽 26,26e,26g,62a スリット 26a 開口部 26b 天井壁面 26c 下壁面 27 前端面 36 接離モータ 40 ボールねじ 41 移動部材 53 制御部 54 ROM 55 RAM 56 リニアモータ駆動回路 57 接離モータ駆動回路 61 液溜り部 63 外部塗布槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が塗布液槽に開口され前記塗布液槽
    から斜め上方に延びるスリット状の塗布液流出路が前面
    壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液
    流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管
    現象で塗布液槽から塗布液流出路を介して汲み上げられ
    た塗布液を前記外部流出口から供給して基板の被塗布面
    に塗布可能な塗布ノズルにおいて、 前記塗布液流出路の一端開口部が、基板幅方向に亘って
    前記外部流出口のスリット間隙よりも広く構成されてい
    ることを特徴とする塗布ノズル。
  2. 【請求項2】 一端が塗布液槽に連通され前記塗布液槽
    から斜め上方に延びるスリット状の塗布液流出路が前面
    壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液
    流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管
    現象で塗布液槽から塗布液流出路を介して汲み上げられ
    た塗布液を前記外部流出口から供給して基板の被塗布面
    に塗布可能な塗布ノズルにおいて、 前記塗布液流出路が、基板幅方向に亘って前記外部流出
    口のスリット間隙よりも前記塗布液槽側に広がっている
    ことを特徴とする塗布ノズル。
  3. 【請求項3】 一端が塗布液槽に連通され前記塗布液槽
    から斜め上方に延びるスリット状の塗布液流出路が前面
    壁部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液
    流出路の他端が連通された外部流出口が配設され、毛管
    現象で塗布液槽から塗布液流出路を介して汲み上げられ
    た塗布液を前記外部流出口から供給して基板の被塗布面
    に塗布可能な塗布ノズルにおいて、 基板幅方向に亘って前記塗布液流出路の液流量が均一と
    なるように、斜め上方に延びる前記塗布液流出路の傾斜
    角度が設定されていることを特徴とする塗布ノズル。
  4. 【請求項4】 斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁
    部に配設され、この前面壁部の前端面に、前記塗布液流
    出路の一端が連通された外部流出口が配設され、毛管現
    象で塗布液流出路を介して汲み上げられた塗布液を前記
    外部流出口から供給して基板の被塗布面に塗布可能な塗
    布ノズルにおいて、 ノズル本体内部の前記塗布液流出路下端部に液溜り部が
    配設され、この液溜り部に、外部塗布液槽と連通した塗
    布液供給管が連結されていることを特徴とする塗布ノズ
    ル。
  5. 【請求項5】 立設した基板の被塗布面に対して、毛管
    現象で塗布液槽から塗布液流出路を介して汲み上げられ
    た塗布液を外部流出口から供給して塗布する塗布装置に
    おいて、 前記請求項1〜4のうち少なくとも何れかに記載の塗布
    ノズルと、 前記塗布ノズルと基板を被塗布面に沿って相対移動させ
    る移動手段と、 前記塗布ノズルと基板の被塗布面を接近または離間する
    ように移動させるギャップ可変手段と、 前記移動手段およびギャップ可変手段を駆動制御する制
    御手段とを有することを特徴とする塗布装置。
JP15252197A 1997-06-10 1997-06-10 塗布ノズルおよび塗布装置 Withdrawn JPH11601A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6547168B2 (en) 2000-02-22 2003-04-15 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Coating head

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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