JPH1140397A - 環状導波路を有するマイクロ波供給器及びそれを備えたプラズマ処理装置及び処理方法 - Google Patents

環状導波路を有するマイクロ波供給器及びそれを備えたプラズマ処理装置及び処理方法

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JPH1140397A
JPH1140397A JP10135100A JP13510098A JPH1140397A JP H1140397 A JPH1140397 A JP H1140397A JP 10135100 A JP10135100 A JP 10135100A JP 13510098 A JP13510098 A JP 13510098A JP H1140397 A JPH1140397 A JP H1140397A
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伸昌 鈴木
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学 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧領域で処理を行う場合でも、より低温で
より高品質な処理をより均一に行うことが可能になるよ
うに、大面積均一な平板状の高密度低電位プラズマを発
生できるプラズマ処理装置及び処理方法を提供するこ
と。 【解決手段】 容器1内に被処理体Wを保持するための
保持手段2と、容器1内に配された被処理体Wに対向し
て設けられ誘電体窓4を透してマイクロ波を容器1内に
導入するマイクロ波供給手段と、容器1内にガスを供給
する手段7と、容器1内を排気する手段8とで構成さ
れ、マイクロ波供給手段は、平板状のH面に所定の間隔
で設けられていた複数のスロットを有する環状導波路を
1つ或いは複数有しており、必要に応じてガス放出口が
H面を向いていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波を用い
て被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に関
し、特に、環状導波路を有するマイクロ波供給器及びそ
れを備えたプラズマ処理装置、並びに多重環状導波路を
有するマイクロ波供給器及びそれを備えたプラズマ処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波をプラズマ生起用の励起源と
して使用するプラズマ処理装置としては、プラズマ重合
装置、CVD装置、表面改質装置、エッチング装置、ア
ッシング装置、クリーニング装置等が知られている。
【0003】こうしたいわゆるマイクロ波プラズマ処理
装置を使用するCVDは例えば次のように行われる。即
ち、マイクロ波プラズマCVD装置のプラズマ発生室及
び/又は成膜室内にガスを導入し、同時にマイクロ波エ
ネルギーを投入してプラズマ発生室内にプラズマを発生
させガスを励起及び/又は分解してプラズマ発生室又は
成膜室内に配された被処理体上に堆積膜を形成する。そ
して同様の手法で有機物のプラズマ重合や酸価、窒化、
フッ化等の表面改質を行うこともできる。
【0004】また、いわゆるマイクロ波プラズマエッチ
ング装置を使用する被処理体のエッチング処理は、例え
ば次のようにして行われる。即ち、該装置の処理室内に
エッチャントガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギ
ーを投入して該エッチャントガスを励起及び/又は分解
して該処理室内にプラズマを発生させ、これにより該処
理室内に配された被処理体の表面をエッチングする。
【0005】また、いわゆるマイクロ波プラズマアッシ
ング装置を使用する被処理体のアッシング処理は、例え
ば次のようにして行われる。即ち、該装置の処理室内に
アッシングガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギー
を投入して該アッシングガスを励起及び/又は分解して
該処理室内にプラズマを発生させ、これにより該処理室
内に配された被処理体の表面即ちホトレジストをアッシ
ングする。アッシング同様にして、被処理体の被処理面
に付着した不要物を除去するクリーニングを行うことも
できる。
【0006】マイクロ波プラズマ処理装置においては、
ガスの励起源としてマイクロ波を使用することから、電
子を高い周波数をもつ電界により加速でき、ガス分子を
効率的に電離、励起させることができる。それ故、マイ
クロ波プラズマ処理装置については、ガスの電離効率、
励起効率及び分解効率が高く、高密度のプラズマを比較
的容易に形成し得る、低温で高速に高品質処理できると
いった利点を有する。また、マイクロ波が誘電体を透過
する性質を有することから、プラズマ処理装置を無電極
放電タイプのものとして構成でき、これが故に高清浄な
プラズマ処理を行い得るという利点もある。
【0007】こうしたマイクロ波プラズマ処理装置の更
なる高速化のために、電子サイクロトロン共鳴(EC
R)を利用したプラズマ処理装置も実用化されてきてい
る。ECRは、磁束密度が87.5mTの場合、磁力線
の周りを電子が回転する電子サイクロトロン周波数が、
マイクロ波の一般的な周波数2.45GHzと一致し、
電子がマイクロ波を共鳴的に吸収して加速され、高密度
プラズマが発生する現象である。こうしたECRプラズ
マ処理装置においては、マイクロ波導入手段と磁界発生
手段との構成について、代表的なものとして次の4つの
構成が知られている。
【0008】即ち、(i)導波管を介して伝搬されるマ
イクロ波を被処理基体の対向面から透過窓を介して円筒
状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸
と同軸の発散磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた
電磁コイルを介して導入する構成;(ii)導波管を介
して伝送されるマイクロ波を被処理基体の対向面から釣
鐘状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心
軸と同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電
磁コイルを介して導入する構成;(iii)円筒状スロ
ットアンテナの一種であるリジターノコイルを介してマ
イクロ波を周辺からプラズマ発生室に導入し、プラズマ
発生室の中心軸と同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に
設けられた電磁コイルを介して導入する構成(リジター
ノ方式);(iv)導波管を介して伝送されるマイクロ
波を被処理基体の対向面から平板状のスロットアンテナ
を介して円筒状のプラズマ発生室に導入し、アンテナ平
面に平行なループ状磁界を平面アンテナの背面に設けら
れた永久磁石を介して導入する構成(平面スロットアン
テナ方式)である。
【0009】又、米国特許第5,034,086号の明
細書には、ラジアルラインスロットアンテナ(RLS
A)を用いたプラズマ処理装置が開示されている。
【0010】或いは、特開平5−290995号公報
や、米国特許第5,359,177号の明細書や、EP
0564359公報には、終端付環状導波管を用いたプ
ラズマ処理装置が開示されている。
【0011】これらとは別に、マイクロ波プラズマ処理
装置の例として、近年、マイクロ波の均一で効率的な導
入装置として複数のスロットが内側面に形成された環状
導波管を用いた装置が提案されている(特開平5−34
5982号公報、米国特許第5,538,699号)。
【0012】このマイクロ波プラズマ処理装置を図29
に、そのマイクロ波供給手段を図28に示す。
【0013】501はプラズマ発生室、502はプラズ
マ発生室501を大気側と分離する誘電体窓、503は
マイクロ波をプラズマ発生室501に供給するための円
筒状の外形をもつスロット付無終端環状導波管、505
はプラズマ発生用ガス供給手段、511はプラズマ発生
室501に連結した処理室、512は被処理体、513
は基体512の支持体、514は基体512を加熱する
ヒータ、515は処理用ガス供給手段、516は排気
口、521はマイクロ波を左右に分配するブロック、5
22は曲面523に設けられたスロットである。又、5
24は仕切板、525はマイクロ波導入口である。
【0014】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行なう。
【0015】排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
501内及び処理室511内を真空排気する。続いてプ
ラズマ発生用ガスをガス供給口505を介して所定の流
量でプラズマ発生室501内に導入する。
【0016】次に排気系(不図示)に設けられたコンダ
クタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室5
01内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図
示)より所望の電力を環状導波管503を介してプラズ
マ発生室501内に供給する。
【0017】この際、環状導波管503内に導入された
マイクロ波は、分配ブロック521で左右に二分配さ
れ、自由空間波長よりも長い管内波長をもって管内を伝
搬する。管内波長の1/2または1/4毎に設けられた
スロット522から誘電体窓502を透してプラズマ発
生室501にマイクロ波が供給され、プラズマ527を
生成する。
【0018】この時に処理用ガス供給管515を介して
処理用ガスを処理室511内に供給しておくと処理用ガ
スは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体5
13上に載置された被処理体512の表面を処理する。
【0019】このようなマイクロ波プラズマ処理装置を
用いることにより、マイクロ波パワー1kW以上で、直
径200mm程の空間に±3%以内の均一性をもって、
電子密度1012/cm3 以上、電子温度3eV以下、プ
ラズマ電位20V以下の高密度低電位プラズマが発生で
きるので、ガスを充分に反応させ活性な状態で被処理体
に供給でき、かつ入射イオンによる被処理体の表面ダメ
ージも低減するので、低温でも高品質で高速な処理が可
能になる。
【0020】しかしながら、図29に示したような高密
度抵電位プラズマを発生するマイクロ波プラズマ処理装
置を用いて、例えばアッシング処理の場合のように、1
00mTorr(約13.3322Pa)以上の高圧領
域で処理を行う場合、プラズマの拡散が抑制されるた
め、プラズマが周辺に局在し基体中央部分の処理速度が
低下することがある。
【0021】又、特開平7−90591号公開特許公報
には、円盤状のマイクロ波導入装置を用いたプラズマ処
理装置が開示されている。この装置ではガスを導波管内
に導入し、導波管に設けられたスロットからガスをプラ
ズマ発生室に向けて放出している。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−90591
号公報に記載の装置では、導波管内でプラズマが発生し
ないように、ガスの供給圧力、導波管内のコンダクタン
ス及びスロットのコンダクタンス、排気圧力等を精密に
調整しなければならない。従って最適圧力が互いに異な
るCVD、エッチング、アッシング等のいずれにも共通
に使用できる装置を設計することが非常に難しい。
【0023】そして、近年要求される直径305mmの
12インチウエハー(300mmウエハーと呼ぶことも
ある)やそれに相当する面積のガラス基板等の表面を処
理する為には、均一大面積で且つ薄い高密度プラズマの
層が必要とされる。
【0024】その為には、ガス供給手段の構成及び/又
はマイクロ波供給手段の構成を更に改良する必要があ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
より低温でより高品質な各種プラズマ処理を行うことが
できるプラズマ処理装置及び処理方法を提供することに
ある。
【0026】本発明の第2の目的は、ガスの供給手段を
改良し、比較的高圧の圧力領域で処理を行う場合であっ
ても、均一且つ大面積で薄い高密度プラズマの層を発生
し得るプラズマ処理装置及び処理方法を提供することに
ある。
【0027】本発明の第3の目的は、各種のマイクロ波
放射強度分布が得られる簡易且つ低価格の構造のマイク
ロ波供給器を提供することにある。
【0028】本発明の第4の目的は、マイクロ波供給手
段を改良し、均一且つ大面積で薄い高密度プラズマの層
を発生し得るマイクロ波供給器及びプラズマ処理装置並
びに処理方法を提供することにある。
【0029】本発明の第5の目的は、直径300mm以
上のウエハ或いはこれに相当する大面積の被処理基体を
プラズマ処理できるマイクロ波供給器及びプラズマ処理
装置並びに処理方法を提供することにある。
【0030】本発明は、内部が減圧可能な容器と、該容
器内にガスを供給するガス供給手段と、該容器内にプラ
ズマを発生させる為のマイクロ波を供給するマイクロ波
供給手段と、を有し、該プラズマを利用して被処理体を
処理するプラズマ処理装置において、該マイクロ波供給
手段は、互いに離間して設けられた複数のスロットを有
する平面状のH面と、マイクロ波の進行方向に垂直な矩
形断面と、を有する環状導波路を備え、該平面状のH面
に設けられた該複数のスロットより、該容器の誘電体窓
を透して該容器内にマイクロ波を供給するマイクロ波供
給器であり、該ガス供給手段は、該平面状のH面に向け
て該ガスを放出するガス放出口を備えていることを特徴
とする。これにより、比較的高い圧力であっても均一且
つ大面積で低温のプラズマを発生し得るものとなり、8
インチウエハー相当或いはそれ以上の大面積の被処理体
を処理できる。
【0031】又、別の本発明は、互いに離間して設けら
れた複数のスロットを有する平面と、マイクロ波の進行
方向に垂直な矩形断面と、を有する環状導波路を備え、
該平面に設けられた該複数のスロットより、マイクロ波
を該環状導波路外部に供給するマイクロ波供給器におい
て、環状の凹部とマイクロ波導入口が形成された導電部
材と、該複数のスロットが形成された板状の導電部材
と、からなる組み立て体により、該スロットを有する平
面がH面となる該環状導波路が形成されていることを特
徴とする。これにより、低コストで汎用性に富むマイク
ロ波供給器を作製できる。
【0032】更に別の本発明は、内部が減圧可能な容器
と、該容器内にガスを供給するガス供給手段と、該容器
内にプラズマを発生させる為のマイクロ波を供給するマ
イクロ波供給手段と、を有し、該プラズマを利用して被
処理体を処理するプラズマ処理装置において、該マイク
ロ波供給手段は、互いに離間して設けられた複数のスロ
ットを有する平面状のH面と、マイクロ波の進行方向に
垂直な矩形断面と、を有する環状導波路を複数同心状に
備え、各環状導波路の該平面状のH面に設けられた該複
数のスロットより、該容器の誘電体窓を透して該容器内
にマイクロ波を供給するマイクロ波供給器であることを
特徴とする。これにより、ガスの流れにかかわらず、大
面積で均一且つ低温のプラズマを発生し得るものとな
り、12インチウエハー相当或いはそれ以上の大面積の
被処理体を処理できる。
【0033】更に他の本発明は、互いに周長の異なる複
数の無終端環状導波路を同心状に配し、それらの平面状
のH面をそれぞれ同一平面とし、そこに複数のスロット
を設けたマイクロ波供給器に特徴がある。
【0034】これにより、均一且つ大面積の強度分布を
もつマイクロ波を放射・供給できる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の好適な実施の形
態によるプラズマ処理装置の主要部品を示している。
【0036】1は内部が減圧可能な容器、2はその上に
被処理体を保持する為の保持手段、3は容器1内にプラ
ズマを発生させる為のマイクロ波を供給するマイクロ波
供給手段(マイクロ波供給器又はマイクロ波アンテナと
呼ぶこともできる。)である。
【0037】そして、4は、誘電体窓、7は容器1内に
ガスを供給するガス供給手段である。
【0038】図2は、図1に示す部品を用いて構成した
プラズマ処理装置の断面図である。
【0039】マイクロ波供給器3は、互いに離間して設
けられた複数のスロット3bを有するH面3cと、マイ
クロ波の進行方向(図2中紙面に垂直な方向)に垂直な
矩形断面と、をもつ環状導波路3aを備えている。
【0040】マイクロ波導入口13より、マイクロ波供
給器3内に導入されたマイクロ波は、E分岐ブロックの
ような分配器10により互いに反対向きに進路を変え
て、環状導波路3a内を伝搬していく。
【0041】環状導波路3aは、みかけ上一本の矩形導
波管のE面を曲げて、両端を連結した格好をしている。
【0042】環状導波路3a内を伝搬・進行していく途
中で、下方のH面3cに設けられた複数のスロット3b
からマイクロ波が放射される。
【0043】各スロット3bから放射されたマイクロ波
は、マイクロ波供給器3の下方にある誘電体窓4を透過
して、容器1内のプラズマ発生空間9内に供給される。
【0044】容器1内のプラズマ発生空間9内は、排気
路8に連通する不図示の排気手段により排気され減圧状
態にある。又、ガス供給手段7のガス放出口7aから、
ガスがプラズマ発生空間9内に放出されている。
【0045】よって、プラズマ発生空間9内に供給され
たマイクロ波により、グロー放電が生じ、ガスの構成分
子はイオン化したり、活性種となったりする。プラズマ
はスロットの下方にドーナツ状に生じたり、又はH面の
下面に連続する層状(円板状)に生じたりする。
【0046】ガス供給手段7のガス放出口7aは、マイ
クロ波供給器3の環状導波路3aのH面3cに向けてガ
スを放出するように設けられている。
【0047】その為、ガス放出口7aから放出されたガ
スは、スロット3b下方の高密度プラズマ領域を経て、
マイクロ波供給器3の中心0付近に向かう。
【0048】従って、スロット3bの存在しない空間9
の中心0付近にもガスの活性種又はガスのイオンが充分
供給される。
【0049】この為に被処理体Wの被処理面全面に亘っ
て、均一なプラズマ処理が施せる。
【0050】図3は、マイクロ波供給器の環状導波路内
におけるマイクロ波の伝搬と、スロットからのマイクロ
波の放射の様子を説明する為の模式図である。
【0051】図3の(a)は、環状導波路を上方から見
た時の様子を示し、図3の(b)は、BB′線による断
面を図3a(c)はCC′線による断面を示している。
【0052】マイクロ波導入口13付近はE面分岐の等
価回路となっており、マイクロ波導入口13より導入さ
れたマイクロ波は時計回りd2 と反時計回りd1 とに分
配されるように進路を変更する。各スロットはマイクロ
波の進行方向d1 ,d2 と交差するように設けられてお
り、マイクロ波はスロットからマイクロ波を放出しなが
ら進む。
【0053】環状導波路は無終端である為、方向d1
2 に伝搬していくマイクロ波は互いに干渉し合い、所
定のモードの定在波を生成する。3gは導波路の中心を
結んで形成される環(輪)を示しており、この長さ即ち
周長を管内波長(路内波長)の整数倍とすれば、定在波
を生成し易くなる。
【0054】図3の(b)はマイクロ波の進行方向に垂
直な面を示しており、導波路の上下の面3cは電界EF
の向きに垂直なH面となっており、導波管の左右の面3
dは電界EFの向きに平行なE面となっている。
【0055】そして、このように導波路のマイクロ波進
行方向に垂直な断面は矩形断面になっている。
【0056】マイクロ波導入口13から環状導波路3a
内に導入されたマイクロ波MWは、分配器10で図中左
右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって
伝搬する。
【0057】図中EFは、マイクロ波の進行方向に垂直
で且つ導波路3aのH面に垂直な電界ベクトルを示して
いる。例えば管内波長の1/2または1/4毎に設置さ
れたスロット3bから誘導体窓4を透して放射された漏
れ波EWは、スロット4近傍にプラズマP1を生成す
る。また、誘電体窓4の内面524Sに垂直な直線に対
してブリュースタ角以上の角度で入射したマイクロ波
は、誘電体窓4内面524Sで全反射し、誘電体窓4内
面524Sを表面波SWとして伝搬する。表面波SWの
しみだした電界によってプラズマP2が生成される。
【0058】こうしてガスは、発生した高密度プラズマ
により励起され、被処理体Wの表面を処理する。
【0059】このようなプラズマ処理装置を用いること
により、マイクロ波パワー1kW以上で、直径300m
m以上の大口径空間に±3%以内の均一性をもって、電
子密度1012/cm3 以上、電子温度3eV以下、プラ
ズマ電位20V以下の高密度低電位プラズマが発生でき
るので、ガスを充分に反応させ活性な状態で被処理面に
供給できる。しかも、圧力2.7Pa、マイクロ波電力
2kWとした時、誘電体窓内面から8〜10mm離れた
位置でマイクロ波による電流は検出できなくなる。これ
は非常に薄いプラズマの層が出来ることを意味する。よ
って、入射イオンによる基板表面ダメージも低減するの
で、低温でも高品質で高速な処理が可能になる。
【0060】図4は、マイクロ波供給器のスロットの位
置と、ガス放出口の位置と、被処理体の位置とを示して
いる。
【0061】lwは、被処理体Wの一端から他端までの
距離(H面に平行な方向の間隔)を示しており、Siウ
エハのようにディスク状の被処理体であれば、その口径
に相当する。8インチウエハであればlwは約200m
mである。ガラス基板のように四角形の被処理体であれ
ば、その辺即ち縦又は横の長さに相当する。
【0062】図4の(a)において、lgは、一方のガ
ス放出口からそれに対向する位置にある別のガス放出口
までの距離(H面に平行な方向の間隔)であり、距離l
gは距離lwより長くなっている。
【0063】lsは1つのスロット長さを示しており、
lsoは一方のスロットの外端から該スロットに対向す
る位置にある他方のスロットの外端までの距離(H面に
平行な方向の間隔)を示しており、lso≒lgの関係
を満足する。
【0064】そして、本発明の実施の形態においてより
好ましくは、スロットが設けられたH面に垂直な方向に
おいて、l1 <l2 なる関係を満足するとよい。ここで
1はスロット直下にある誘電体窓下面(内面)からガ
ス放出口7aまでの距離(法線方向間隔)を示す。
【0065】l2 はガス放出口7aから被処理体Wの被
処理面までの距離(法線方向間隔)を示す。
【0066】このように、ガス放出口の位置を被処理体
Wよりも誘電体窓4により近い位置に定めることによ
り、ガスの励起効率又は分解効率をより一層高めること
ができる。
【0067】図4の(b)は、図4の(b)同様にマイ
クロ波供給手段のスロットの位置と、ガス放出口の位置
と、被処理体の位置とを示しており、図4の(a)の例
の変更例である。
【0068】lwは、被処理体Wの一端から他端までの
距離を示しており、Siウエハのようにディスク状の被
処理体であれば、その口径に相当する。12インチウエ
ハであればlwは約300mmである。ガラス基板のよ
うに四角形の被処理体であれば、その辺即ち縦又は横の
長さに相当する。
【0069】lgは、一方のガス放出口からそれに対向
する位置にあるガス放出口までの距離であり、距離lg
は距離lwより短くなっている。こうして、放出された
ガスがスロット直下のプラズマ密度の高い領域を介して
中心0付近に容易に流れつく。
【0070】lsは1つのスロットの長さを示してお
り、lsoは一方のスロットの外端から該スロットに対
向する位置にある他方のスロットの外端までの距離を示
しており、lso<lgの関係を満足する。
【0071】そして、本発明の実施の形態においてより
好ましくは、スロットが設けられたH面に垂直な方向に
おいて、l1 <l2 なる関係を満足するとよい。
【0072】ここでl1 はスロット直下にある誘電体窓
下面(内面)からガス放出口7aまでの距離を示す。
【0073】l2 はガス放出口7aから、被処理体Wの
被処理面までの距離を示す。
【0074】このように、ガス放出口の位置を被処理体
Wよりも誘電体窓4により近い位置に定めることによ
り、ガスの励起効率又は分解効率をより一層高めること
ができる。
【0075】特に図4の(b)の関係を満たす装置は、
図4の(a)に比べて直径300mm以上のウエハー又
はそれに相当する基板のような大面積被処理体の処理に
より適している。
【0076】(マイクロ波供給手段)本発明に用いられ
るマイクロ波供給手段としては図1〜図3に示したよう
に矩形断面をもち、そのH面に複数のスロットを有する
環状導波路(環状導波管)が好ましく用いられる。より
好ましくは無終端であることが望ましい。
【0077】図1の例は、矩形導波管を曲げて環状にし
たリング状の外形であったが、本発明に用いられるマイ
クロ波供給手段は、図5に示すように円盤状の外形をも
つものであってもよい。
【0078】図5は、本発明の別の実施の形態によるマ
イクロ波供給器を示す。
【0079】図5のマイクロ波供給器は、無終端環状の
凹部33とマイクロ波導入口13となる開口が形成され
た第1の導電性部材32と、複数のスロット3bが形成
された比較的薄い円板状の第2の導電性部材31との組
み立て体である。
【0080】(a)は断面を、(b)は第1の導電部材
32を、(c)は第2の導電部材31をそれぞれ示して
いる。
【0081】このようにスロット3bを有するH面を取
りはずし可能に構成すれば次のような効果を奏する。
【0082】スロットの形状、スロットの大きさ、スロ
ットの数、スロットの分布、等が異なる複数種の第2の
導電部材31を予じめ作製しておけば、第2導電部材3
1を必要とするマイクロ波の放射強度やプラズマ処理に
応じて適切なものに交換して用いることができる。これ
によりマイクロ波供給器の設計の自由度が増し、且つ低
コストでマイクロ波供給器を作製できる。
【0083】又、円板状の第2導電部材31は、破線D
Lにおいて、中心部をくり抜いてドーナツ形に加工して
も良いことは勿論である。
【0084】そして、この第2導電部材31は、第1導
電部材32と前述した誘電体窓とにより挟持されて組み
立てられる。
【0085】図6は、本発明に用いられる別のマイクロ
波供給手段を示している。図6の(a)はその縦の断面
を、図6の(b)はDD′線における横の断面を示して
いる。
【0086】このマイクロ波供給器3は、(b)に示す
ように角がとれた四角形の環状導波路3aを有してお
り、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板等、四
角形の基板或いは太陽電池用のウエブ基板を被処理体と
する場合に好適である。
【0087】このマイクロ波供給手段3においては、矩
形導波管5から導入されたマイクロ波は、分配器10に
より時計回りd2 と反時計回りd1 とに分かれて進行し
つつ、平面状のH面3cに設けられたスロット3bより
マイクロ波を放出する。両方向d1 ,d2 に進むマイク
ロ波は互いに干渉しながら進み減衰していく。導波路3
a内のマイクロ波の伝搬が安定すると、導波路3a内で
は定在波が生じる。
【0088】スロット3bから放射されたマイクロ波
は、図3を参照して説明したような原理に基づいて、誘
電体窓4を透して容器1内のプラズマ発生空間内に供給
される。
【0089】容器1内では、ガスが斜めに設けられたガ
ス放出口7aから放出されており、誘電体窓4の直下で
励起され図中の矢印GFで示すように流れる。
【0090】以上説明した本発明のマイクロ波プラズマ
処理装置に用いられる環状導波路を構成する部材の材質
は、導電体であれば使用可能であるが、マイクロ波の伝
搬ロスをできるだけ抑えるため導電率の高いAl,C
u,Ag/Cuメッキしたステンレス鋼などが最適であ
る。本発明に用いられる環状導波路への導入口は、環状
導波路内のマイクロ波伝搬空間に効率よくマイクロ波を
導入できるものであれば、以上説明したようにH面に設
けてH面に垂直にマイクロ波を導入し導入部で伝搬空間
の左右方向に二分配するものでもよいが、H面に平行な
伝搬空間の接線方向から導入することも可能である。
【0091】本発明に用いられるスロットの形状は、マ
イクロ波の伝搬方向に垂直な方向の長さが導波路内の波
長の(管内波長)の1/4以上であれば、矩形でも楕円
形でもS字形でも十字形でもアレイ状でもなんでもよ
い。本発明に用いられるスロット間隔は、特に限定され
るわけではないが、干渉によりスロットを横切る電界が
強め合うように、少なくとも、管内波長の1/2間隔で
スロットが配されるようにする。特に、管内波長の1/
2が最適である。なお、スロットは、たとえば、1〜1
0mm幅、40〜50mm長さの縦長の開口が好まし
い。また、スロットの配置としては、たとえば、環状導
波路の環の中心に対して放射状配置とすることも好まし
いものである。
【0092】具体例を図を参照して説明する。
【0093】図7は本発明のマイクロ波供給手段に用い
られる各種スロットの形状を示す。
【0094】図7の(a)はマイクロ波の進行方向d1
(d2 )に対して、その長手方向が交差する長さll
スロットであり、ピッチlP をもって互いに離間して設
けられている。
【0095】図7の(b)はマイクロ波の進行方向d1
(d2 )に対して、チルト角θをもって交差するスロッ
トであり、進行方向d1 (d2 )と垂直な方向の成分l
l をもち、ピッチlP をもって互いに離間して設けられ
ている。
【0096】図7の(c)はS字形のスロットを示して
いる。
【0097】スロットの配置間隔即ちピッチlP は前述
したとおり導波路内波長(管内波長)の1/2又は1/
4にするとより好ましい。
【0098】そしてスロットのマイクロ波の進行方向に
垂直な方向の長さll は管内波長の1/4乃至3/8の
範囲にするとより好ましい。
【0099】又、スロットは全て等間隔、例えば管内波
長の1/2ピッチで配される必要はなく、図8に示すよ
うに、等ピッチで配されたスロット群が、管内波長の1
/2より長い間隔をおいて配されていてもよい。
【0100】図中破線3gは、環状導波路の中心を結ん
で形成される環(隔)であり、この周長を管内波長の整
数倍にするとよい。
【0101】又、投入されるマイクロ波の電力はマイク
ロ波放出強度の均一性向上の為に、環状導波路内を1周
以上より好ましくは2周以上伝搬し得る程度にするとよ
い。この場合は、分配器10を省いた方がよいこともあ
る。
【0102】(誘電体窓)本発明に用いられる誘電体窓
としては、0.8乃至20GHzのマイクロ波を透過し
得るが、ガスを透過させることはない形状又は材料で構
成される。
【0103】その形状は、図1に示したようにH面下方
全てを覆うような円板、又はドーナツ状のものであって
もよいし、或いはスロット部分のみを塞ぐように各スロ
ットに対応して設けられてもよい。しかしながら、真空
容器の組み立てを容易にし、スロットの設計の自由度を
幅広くする為には、各スロット共通の板状の部材で構成
した方がより好ましいものである。
【0104】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置及び
処理方法において用いられる誘電体としては、酸化シリ
コン系の石英や各種ガラス、Si34 ,NaCl,K
Cl,LiF,CaF2 ,BaF2 ,Al23 ,Al
N,MgOなどの無機物が適当であるが、ポリエチレ
ン,ポリエステル,ポリカーボネート,セルロースアセ
テート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビ
ニリデン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリイミドなど
の有機物のフィルム、シートなども適用可能である。
【0105】特に石英、アルミナ等からなる板状のもの
が好ましく用いられる。
【0106】(容器)本発明に用いられる容器として
は、ガスを置換する目的又はプラズマを内部で発生させ
る目的の為に、大気圧より低い圧力に減圧し得る容器が
用いられる。
【0107】容器を構成する部材としては、アルミニウ
ム、ステンレス等の導電体、又は石英やシリコンカーバ
イド等の絶縁体、或いは導電性部材と絶縁性部材との組
み合わせ等により作製される。
【0108】絶縁体を用いる場合には、前述した誘電体
窓と一体化して容器を構成することもできる。
【0109】又、導電性容器の内面を絶縁体の膜で被覆
したものであってもよい。
【0110】そして、内部を少なくとも0.1mTor
r(約1.33×10-2Pa)程度に減圧できるように
構成する。
【0111】(ガス供給手段)本発明に用いられるガス
供給手段としては、マイクロ波供給手段のH面に向けて
ガスを放出する放出口を備えたものが用いられる。ガス
放出口に連通するガス放出路をH面に対して垂直又は斜
めに形成することで、容易にガス放出口の向きを定めら
れる。
【0112】ガス放出口は図1に示すように環状導波路
に沿って、互いに離間して設けられた複数の開口であっ
てもよいし、図9の(a)のように環状導波路に沿って
設けられたスリットであってもよい。
【0113】或いは、図9の(b)のように複数のガス
供給管とすることも出来る。
【0114】ガスの放出口のH面と平行な方向の位置
は、図4に示したようにすることが、より好ましもので
あり、これにより大面積の均一処理が容易になる。
【0115】そして、これらのガス供給手段は、不図示
のマスフローコントローラーやバルブや継手等を介して
ガスボンベ又はベーパライザーに接続される。
【0116】被処理体の保持手段は、その保持面が平面
であってもよいし、ピン等により数点で保持されるもの
であってもよく、保持面ないし保持点は導電体又は絶縁
体等の各種材料により構成し得る。保持手段には更に、
加熱手段や冷却手段が併設されていてもよい。又、被処
理体の搬入、搬出を容易にすべく、昇降可能なリフトピ
ンを有する構成も保持手段として好ましいものである。
【0117】加えて、プラズマ中の粒子の動きや位置を
制御すべく、バイアス印加手段を保持手段に設け、被処
理体に直流ないし交流バイアスを印加し得る構成にする
ことも好ましい。
【0118】本発明のマイクロ波プラズマ処理装置及び
処理方法において、より低圧で処理するために、磁界発
生手段を用いても良い。本発明のプラズマ処理装置及び
処理方法において用いられる磁界としては、ミラー磁界
なども適用可能であるが、環状導波路の複数のスロット
の中心を結ぶ曲線上にループ磁界を発生しスロット近傍
の磁界の磁束密度は基板近傍の磁界の磁束密度よりも大
きいマグネトロン磁界が最適である。磁界発生手段とし
ては、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能である。
コイルを用いる場合には過熱防止のため水冷機構や空冷
など他の冷却手段を用いてもよい。
【0119】また、処理のより高品質化のため、紫外光
を基体表面に照射してもよい。光源としては、被処理基
体もしくは基体上に付着したガスに吸収される光を放射
するものなら適用可能で、ArF又はKrF或いはXe
Cl等のダイマーを用いるエキシマレーザ、エキシマラ
ンプ、希ガス共鳴線ランプ、低圧水銀ランプなどが適当
である。
【0120】そして、本発明においては、0.8GHz
乃至20GHzの範囲から選択されるマイクロ波を発生
するマグネトロン等のプラズマ発生器を用いることが好
ましく、チューナーやアイソレーターやモード変換器等
を付設して、所定のモードのマイクロ波を、上述したマ
イクロ波供給器まで伝搬・供給する。
【0121】マイクロ波供給器の導入口に導入されるマ
イクロ波としてはTEモードのマイクロ波が好ましく用
いられ、特にTEn0モード又はH0nモードと呼ばれる
(ここでnは自然数)マイクロ波を導入することがより
好ましい。
【0122】そして、環状導波路内においても、マイク
ロ波の電界ベクトルはスロット付の平面に垂直なものと
なり、この平面がH面となる。
【0123】環状導波路3a内においても、マイクロ波
はTE10モード(H01モード)で伝搬するが、最終的に
は定在波が生じる場合もあるので、この場合の導波路3
a内のマイクロ波の伝搬モードは別のモードと見なすこ
とも可能である。
【0124】次に本発明による処理方法について述べ
る。
【0125】まず、容器1を開けて、被処理体保持手段
2上に被処理体を載せて、容器1を閉じる(図10の工
程S1)。
【0126】次に、容器1内を不図示の真空ポンプによ
り大気圧から約1.3Pa以下になるまで減圧する(図
10の工程S2)。
【0127】そして、ガス供給手段7のガス放出口7a
から容器1内にガスを放出する(図10の工程S3)。
【0128】容器1内の圧力が安定したら、不図示のマ
イクロ波発振器をオンしてマイクロ波を発生させ、本発
明マイクロ波導入手段3より容器1内にマイクロ波を供
給する(図10の工程S4)。
【0129】容器1に必要に応じて設けられたモニター
窓を透してプラズマ発光を観察する。
【0130】所定の処理時間が経過したら、マイクロ波
の供給を停止する(図10の工程S5)。
【0131】容器1内のガスをパージ用の窒素Ar,H
e,Ne又はクリーンエア等のガスに置換し、大気圧ま
でもどす(図10の工程S6)。
【0132】そして、容器1を開けて、被処理体を搬出
する(図10の工程S7)。
【0133】以上の処理を一枚の被処理体毎にくり返し
行えばよい。
【0134】本発明のマイクロ波プラズマ処理方法にお
けるプラズマ処理室内の圧力は0.1mTorr(約
0.133Pa)乃至10Torr(約1330Pa)
の範囲、より好ましくは、CVDやプラズマ重合や表面
改質の場合1mTorr(約0.133Pa)乃至10
0mTorr(約13.3Pa)、エッチングの場合
0.5mTorr(約0.067Pa)から50mTo
rr(約6.67Pa)、アッシングの場合範囲100
mTorr(約13.3pa)から10Torr(約1
330Pa)の範囲から選択することができる。又、ク
リーニングの場合は0.067Pa〜13.3Paにす
るとよい。
【0135】本発明のマイクロ波プラズマ処理方法によ
る堆積膜の形成は、使用するガスを適宜選択することに
よりSi34 ,SiO2 ,Ta25 ,TiO2 ,T
iN,Al23 ,AlN,MgF2 ,AlF3 などの
絶縁膜、a−Si(アモルファスシリコン),poly
−Si(ポリシリコン),SiC,GaAsなどの半導
体膜、Al,W,Mo,Ti,Taなどの金属膜等、T
iN,TiW,TiSiN等の各種の堆積膜を効率よく
形成することが可能である。
【0136】本発明のプラズマ処理方法により処理する
被処理体112は、半導体であっても、導電性のもので
あっても、あるいは電気絶縁性のものであってもよい。
そして、その表面が、半導体、絶縁体、導電体或いはそ
れら3つの複合表面になっていてもよい。
【0137】導電性基体としては、Fe,Ni,Cr,
Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb
などの金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレ
ス鋼などが挙げられる。
【0138】絶縁性基体としては、SiO2 系の石英や
各種ガラス、Si34 ,NaCl,KCl,LiF,
CaF2 ,BaF2 ,Al23 ,AlN,MgOなど
の無機物、ポリエチレン,ポリエステル,ポリカーボネ
ート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩
化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリア
ミド,ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなど
が挙げられる。
【0139】CVD法により基板上に薄膜を形成する場
合に用いられるガスとしては、a−Si、poly−s
i、SiCなどのSi系半導体薄膜を形成する場合:S
i原子を含有する原料ガスとしては、SiH4 ,Si2
6 などの無機シラン類,テトラエチルシラン(TE
S),テトラメチルシラン(TMS),ジメチルシラン
(DMS),ジメチルジフルオロシラン(DMDF
S),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有
機シラン類、SiF4 ,Si26 ,Si38 ,Si
HF3 ,SiH22 ,SiCl4 ,Si2 Cl6 ,S
iHCl3 ,SiH2Cl2 ,SiH3 Cl,SiCl2
2 などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であ
るものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。ま
た、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい
添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2 ,He,N
e,Ar,Kr,Xe,Rnが挙げられる。
【0140】Si34 ,SiO2 などのSi化合物系
薄膜を形成する場合のSi原子を含有する原料として
は、SiH4 ,Si26 などの無機シラン類,テトラ
エトキシシラン(TEOS),テトラメトキシシラン
(TMOS),オクタメチルシクロテトラシラン(OM
CTS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),
ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラ
ン類、SiF4 ,Si26 ,Si38 ,SiHF
3 ,SiH22 ,SiCl4 ,Si2 Cl6 ,SiH
Cl3 ,SiH2 Cl2 ,SiH3 Cl,SiCl2
2 などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であるも
のまたはベーパライザーやバグラーにより容易にガス化
し得るものが挙げられる。また、この場合の同時に導入
する窒素原料ガスまたは酸素原料ガスとしては、N2
NH3 ,N24 ,ヘキサメチルジシラザン(HMD
S),O2 ,O3 ,H2 O,NO,N2 O,NO2 など
が挙げられる。
【0141】Al,W,Mo,Ti,Ta,TiWなど
の金属薄膜を形成する場合の金属原子を含有する原料と
しては、トリメチルアルミニウム(TMAl),トリエ
チルアルミニウム(TEAl),トリイソブチルアルミ
ニウム(TIBAl),ジメチルアルミニウムハイドラ
イド(DMAlH),タングステンカルボニル(W(C
O)6 ),モリブデンカルボニル(Mo(CO)6 ),
トリメチルガリウム(TMGa),トリエチルガリウム
(TEGa)などの有機金属、AlCl3 ,WF6 ,T
iCl3 ,TaCl5 などのハロゲン化金属等が挙げら
れる。また、この場合、上述したSi原料ガスと混合し
て導入してもよい。又、添加ガスまたはキャリアガスと
しては、H2 ,He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rnが
挙げられる。
【0142】Al23 ,AlN,Ta25 ,TiO
2 ,TiN,WO3 ,TiW,TiSiNなどの金属化
合物薄膜を形成する場合の金属原子を含有する原料とし
ては、トリメチルアルミニウム(TMAl),トリエチ
ルアルミニウム(TEAl),トリイソブチルアルミニ
ウム(TIBAl),ジメチルアルミニウムハイドライ
ド(DMAlH),タングステンカルボニル(W(C
O)6 ),モリブデンカルボニル(Mo(CO)6 ),
トリメチルガリウム(TMGa),トリエチルガリウム
(TEGa)などの有機金属、AlCl3 ,WF6 ,T
iCl3 ,TaCl5 などのハロゲン化金属等が挙げら
れる。また、この場合の同時に導入する酸素原料ガスま
たは窒素原料ガスとしては、O2 ,O3 ,H2 O,N
O,N2 O,NO2 ,N2 ,NH3 ,N24 ,ヘキサ
メチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0143】基体表面をエッチングする場合の処理用ガ
ス導入口115から導入するエッチング用ガスとして
は、F2 ,CF4 ,CH22 ,C26 ,CF2 Cl
2 ,SF6 ,NF3 ,Cl2 ,CCl4 ,CH2 Cl
2 ,C2 Cl6 などが挙げられる。
【0144】フォトレジストなど基体表面上の有機成分
をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口115か
ら導入するアッシング用ガスとしては、O2 ,O3 ,H
2 O,NO,N2 O,NO2 などが挙げられる。
【0145】又、クリーニングの場合は、上記エッチン
グ用ガス又はアッシング用ガス或いは水素ガスや不活性
ガスが用いられる。
【0146】また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装
置及び処理方法を表面改質にも適用する場合、使用する
ガスを適宜選択することにより、例えばSi,Al,T
i,Zn,Taなどからなる基体もしくは表面層の酸化
処理あるいは窒化処理さらにはB,As,Pなどのドー
ピング処理等を行うこともできる。更に本発明において
採用する成膜技術は上述したとおりクリーニング方法に
も適用できる。その場合酸化物あるいは有機物や重金属
などのクリーニングに使用することもできる。
【0147】基体を酸化表面処理する場合の酸化性ガス
としては、O2 ,O3 ,H2 O,NO,N2 O,NO2
などが挙げられる。また、基体を窒化表面処理する場合
の窒化性ガスとしてはN2 ,NH3 ,N24 、ヘキサ
メチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0148】特に、基体表面の有機物をクリーニングす
る場合、またはフォトレジストなど基体表面上の有機成
分をアッシング除去する場合のガス導入口105から導
入するクリーニング/アッシング用ガスとしては、O
2 ,O3 ,H2 O,NO,N2O,NO2 などが挙げら
れる。また、基体表面の無機物をクリーニングする場合
のプラズマ発生用ガス導入口から導入するクリーニング
用ガスとしては、F2 ,CF4 ,CH22 ,C2
6 ,CF2 Cl2 ,SF6 ,NF3 などが挙げられる。
【0149】又、マイクロ波電源より供給するマイクロ
波電力は、マイクロ波放射強度の均一性向上の為に、環
状導波路内を1周以上より好ましくは2周以上スロット
よりマイクロ波を放射しつつ伝搬できるに充分な値とす
るとよい。この場合、分配器は設けない方がよい。
【0150】(プラズマ処理装置)以下装置例を挙げて
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置をより具体的に説
明するが、本発明はこれら装置例に限定されるものでは
ない。
【0151】(第1のプラズマ処理装置)本発明の第1
のプラズマ処理装置の具体例は図1、図2を参照して説
明したとおりのものである。
【0152】(第2のプラズマ処理装置)本発明のマイ
クロ波プラズマ処理装置の、二分配干渉型平板状スロッ
ト付環状導波管を用いた装置例を、図11を用いて説明
する。109は容器101内のプラズマ発生室、104
はプラズマ処理室109を大気側から分離する誘電体
窓、103はマイクロ波をプラズマ発生室109内に供
給するためのマイクロ波供給手段管、105は平板状ス
ロット付H面をもつ環状導波路103b内にマイクロ波
を導入する為の矩形導波管、103aはマイクロ派供給
手段103内をマイクロ波が伝搬する矩形断面をもつマ
イクロ波伝搬空間である導波路、103bはマイクロ波
を導入するスロット、Wは被処理体、102は保持手
段、114は加熱手段としてのヒーター、107はガス
供給手段、108は排気口である。
【0153】このプラズマ処理装置においては、ガス供
給系は、少なくともガスボンベ又は気化器或いはバブラ
ー等のガス源21と、バルブ22と、マスフローコント
ローラー23とを有しており、マスフローコントローラ
ー23によりプラズマ発生室109への供給ガス量が制
御される。そして、ガスは斜め上方を向いたガス放出口
107aより放出される。
【0154】又、ガス排気系は、少なくとも排気コンダ
クタンス制御バルブ26と開閉バルブ25と真空ポンプ
24とを有しており、排気コンダクタンス制御バルブ2
6によって、プラズマ発生室109内の処理時の圧力が
制御される。
【0155】そして6はマイクロ波電源を示しており、
マグネトロン等のマイクロ波発振器を有し、加えて、そ
こにはチューナーやアイソレーターやモード変換器等の
調整手段が必要に応じて付設されている。
【0156】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行なう。被処理体Wを基体保持手段102上に設置
し、ヒーター114を用いて基体Wを所望の温度まで加
熱する。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室10
9内を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスをガ
ス供給手段107を介して所定の流量でプラズマ発生室
109内に導入する。次に、排気系(不図示)に設けら
れたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズ
マ発生室109内を所定の圧力に保持する。マイクロ波
電源(不図示)より所望の電力を、導波管105よりT
10モードで環状導波管103内に導入する。導入され
たマイクロ波は、分配器110で二分配され空間103
a内を伝搬する。二分配されたマイクロ波は干渉し合
い、定在波が生じる。マイクロ波は、管内波長の1/2
毎にスロット103bを横切る電界を強め、スロット1
03bを介し誘電体窓104を透してプラズマ発生室1
09に供給される。プラズマ発生室109内に供給され
たマイクロ波の電界により電子が加速され、例えばプラ
ズマ処理室109の上部にプラズマPが発生する。この
際、処理用ガスは、発生した高密度プラズマにより励起
され、保持手段102上に載置された被処理基体Wの表
面を処理する。
【0157】誘電体窓104は、直径299mm、厚さ
12mmの合成石英で作製する。平板状スロット付環状
導波管103は、内壁断面の寸法が27mm×96mm
であって、中心径が202mmのTE10モードのマイク
ロ波を伝搬し得るものである。平板状スロット付環状導
波管103の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるた
め、すべてA1を用いる。平板状スロット付環状導波管
103のH面には、マイクロ波をプラズマ発生室109
へ導入するためのスロットが形成されている。スロット
の形状は長さ42mm、幅3mmの矩形であり、管内波
長の1/2間隔に放射状に形成されている。管内波長
は、使用するマイクロ波の周波数と、導波管の断面の寸
法とに依存するが、周波数2.45GHZ のマイクロ波
と、上記の寸法の導波管とを用いた場合には約159m
mである。使用した平板状スロット付環状導波管103
では、スロット103bは約79.5mm間隔で8個形
成されている。平板状スロット付環状導波管103に
は、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.
45GHZ の周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が
順に接合されており、TE10モードのマイクロ波を導入
するようになっている。
【0158】図11に示したマイクロ波プラズマ処理装
置を使用して、Ar流量500sccm、圧力10mT
orrと1Torr、マイクロ波パワー1.5kWの条
件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行
った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下
のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50
から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電
流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線か
らラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プ
ラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、10m
Torrの場合1.3×1012/cm3 ±2.1%(φ
200面内)、1Torrの場合7.2×1011/cm
3 ±5.3%(φ200面内)であり、高圧領域でも高
密度で均一なプラズマが形成されていることが確認され
た。
【0159】(第3のプラズマ処理装置)本発明のマイ
クロ波プラズマ処理装置の、接線導入型平板状スロット
付環状導波管を用いた装置例を、図12を用いて説明す
る。109はプラズマ発生室、104はプラズマ処理室
109を大気側から分離する誘電体窓、103はマイク
ロ波をプラズマ発生室109に供給するためのマイクロ
波供給手段、205は平板状スロット付環状導波管10
3の外周の正面に設けられたマイクロ波を導入する導入
部、103aは平板状スロット付環状導波管103内を
マイクロ波が伝搬する矩形断面をもつマイクロ波伝搬空
間、103bは平板状スロット付環状導波管103のH
面に設けられたマイクロ波を放射するスロット、102
は被処理体Wの保持手段、114は被処理体Wを加熱す
るヒータ、107は処理用ガス導入手段、108は排気
口である。
【0160】このプラズマ処理装置においては、ガス供
給系は、少なくともガスボンベ又は気化器或いはバブラ
ー等のガス源21と、バルブ22と、マスフローコント
ローラー23とを有しており、マスフローコントローラ
ー23によりプラズマ発生室109への供給ガス量が制
御される。ガスは斜め上方を向いたガス放出口107a
より誘電体窓に向けて放出される。 又、ガス排気系
は、少なくとも排気コンダクタンス制御バルブ26と開
閉バルブ25と真空ポンプ24とを有しており、排気コ
ンダクタンス制御バルブ26によって、プラズマ発生室
109内の処理時の圧力が制御される。
【0161】そして、6はマイクロ波電源を示してお
り、マグネトロン等のマイクロ波発振器を有し、加え
て、そこにはチューナーやアイソレーターやモード変換
器等の調整手段が必要に応じて付設されている。
【0162】プラズマ処理は以下のとおりである。
【0163】被処理体Wを保持手段102上に載せ、ヒ
ーター144にて被処理体Wを所定の温度まで加熱す
る。
【0164】排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
109内を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガス
を処理用ガス放出口107aを介して所定の流量でプラ
ズマ発生室109内に導入する。次に、排気系(不図
示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調
整し、室109内を所定の圧力に保持する。マイクロ波
電源(不図示)より所望の電力を、導入部205より平
板状スロット付環状導波管203内に接線導入する。導
入されたTE10モードのマイクロ波は、管内波長の1/
2毎に形成されたスロット103bを介し誘電体窓10
4を透してプラズマ発生室109内に供給される。室1
09内に供給されずに管103内を1周伝搬したマイク
ロ波は、導入部205で新たに導入されたマイクロ波と
干渉し強め合い、数周伝搬するまでにほとんどのマイク
ロ波はプラズマ発生室109内に供給される。供給され
たマイクロ波の電界により電子が加速され、プラズマ発
生109の上方にプラズマPが発生する。この際、処理
用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、保持
手段102上に載置された被処理体Wの表面を処理す
る。
【0165】誘電体窓104は、直径299mm、厚さ
16mmの合成石英の板である。平板状スロット付環状
導波管103は、内壁断面の寸法が27mm×96mm
の矩形断面をもち、中心径が202mmの前述したもの
と同じ導波管である。平板状スロット付環状導波管10
3の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべ
てA1を用いている。平板状スロット付環状導波管10
3のH面には、マイクロ波をプラズマ発生室109へ導
入するためのスロットが形成されている。スロットの形
状は長さ42mm、幅3mmの矩形であり、管内波長の
1/2間隔に放射状に形成されている。管内波長は、使
用するマイクロ波の周波数と、導波管の断面の寸法とに
依存するが、周波数2.45GHZ のマイクロ波と、上
記の寸法の導波管とを用いた場合には約159mmであ
る。使用した平板状スロット付環状導波管103では、
スロットは約79.5mm間隔で8個形成されている。
平板状スロット付環状導波管103には、4Eチュー
ナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHZ の周
波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接合されて
いる。
【0166】図12に示したマイクロ波プラズマ処理装
置を使用して、Ar流量500sccm、圧力10mT
orrと1Torr、マイクロ波パワー1.5kWの条
件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行
った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下
のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50
から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電
流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線か
らラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プ
ラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、10m
Torrの場合1.8×1012/cm3 ±2.3%(φ
200面内)、1Torrの場合7.7×1011/cm
3 ±5.6%(φ200面内)であり、高圧領域でも高
密度で均一なプラズマが形成されていることが確認され
た。
【0167】(第4のプラズマ処理装置)本発明のRF
バイアス印加機構を用いたマイクロ波プラズマ処理装置
について図13を用いて説明する。109はプラズマ発
生室、104はプラズマ発生室109を大気側から分離
する誘電体窓、103はマイクロ波をプラズマ発生室1
09に供給するためのマイクロ波供給手段、102は被
処理体Wの保持手段、114は被処理体を加熱するヒー
タ、107はガス供給手段、108は排気口、302は
RFバイアス印加手段である。
【0168】このプラズマ処理装置においては、ガス供
給系は、少なくともガスボンベ又は気化器或いはバブラ
ー等のガス源21と、バルブ22と、マスフローコント
ローラー23とを有しており、マスフローコントローラ
ー23によりプラズマ発生室109への供給ガス量が制
御される。ガスはガス放出口107aより誘電体窓10
4に向けて斜め上方に放出される。
【0169】又、ガス排気系は、少なくとも排気コンダ
クタンス制御バルブ26と開閉バルブ25と真空ポンプ
24とを有しており、排気コンダクタンス特許バルブ2
6によって、プラズマ発生室109内の処理時の圧力が
制御される。
【0170】そして、6はマイクロ波電源を示してお
り、マグネトロン等のマイクロ波発振器を有し、加え
て、そこにはチューナーやアイソレーターやモード変換
器等の調整手段が必要に応じて付設されている。
【0171】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行なう。被処理体Wを保持手段102上に設置し、ヒ
ータ114を用いて所望の温度に加熱する。排気系(2
4〜26)を介してプラズマ発生室109内を真空排気
する。続いて、プラズマ処理用ガスをガス供給手段10
7をより所定の流量でプラズマ発生室109内に導入す
る。次に、排気系(24〜26)に設けられたコンダク
タンス制御バルブ26を調整し、プラズマ発生室109
内を所定の圧力に維持する。RFバイアス印加手段30
2を用いて保持手段102にRF電力を供給するととも
に、マイクロ波電源6より所望の電力を、マイクロ波供
給手段103のスロット103bを介し誘電体窓104
を透してプラズマ発生室109に供給する。プラズマ発
生室109内に供給されたマイクロ波の電界により電子
が加速され、プラズマ発生室109内にプラズマが発生
する。この際、処理用ガスは発生した高密度プラズマに
より励起され、保持手段102上に載置された被処理体
Wの被処理面を処理する。また、RFバイアスにより被
処理体に入射するイオンの運動エネルギーを制御でき
る。
【0172】本発明の冷却手段を用いたマイクロ波プラ
ズマ処理装置について、図14を参照して説明する。1
09はプラズマ発生室、104はプラズマ発生室109
を大気側から分離する誘電体窓、203はマイクロ波を
プラズマ発生室109に導入するためのマイクロ波供給
手段であり、平板状スロット付無終端環状導波管からな
る。102は被処理体Wの保持手段、414は被処理体
を冷却するクーラ、107はガス供給手段、108は排
気口、302はRFバイアス印加手段である。
【0173】このプラズマ処理装置においては、ガス供
給系は、少なくともガスボンベ又は気化器或いはバブラ
ー等のガス源21と、バルブ22と、マスフローコント
ローラー23とを有しており、マスフローコントローラ
ー23によりプラズマ発生室109への供給ガス量が制
御される。ガスはガス放出口より斜め上方に放出され
る。
【0174】又、ガス排気系は、少なくとも排気コンダ
クタンス制御バルブ26と開閉バルブ25と真空ポンプ
24とを有しており、排気コンダクタンス特許バルブ2
6によって、プラズマ発生室109内の処理時の圧力が
制御される。
【0175】そして、6はマイクロ波電源を示してお
り、マグネトロン等のマイクロ波発振器を有し、加え
て、そこにはチューナーやアイソレーターやモード変換
器等の調整手段が必要に応じて付設されている。
【0176】冷却手段414は、冷媒を導入する導入管
415、冷媒を導出する導出管416とを有するヒート
パイプ417を備えている。
【0177】被処理体Wのエッチングやスパッタリング
現像により昇温し発生した熱はヒートパイプ417によ
り外部に放出される。
【0178】又、このプラズマ処理装置においては、マ
イクロ波供給手段203のスロットの長さを、導波路2
03aのH面の幅hと等しくしているが、前述した各実
施の形態のマイクロ波供給手段のスロットのように、ス
ロット203b長さを幅hより短くすることもできる。
【0179】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行う。被処理体Wを保持手段102上に設置し、クー
ラ114を用いて冷却する。排気系(24〜26)を介
してプラズマ発生室108内を真空排気する。続いて、
プラズマ処理用ガスをガス供給手段107を介して所定
の流量でプラズマ発生室109内に供給する。次に、排
気系(24〜26)に設けられたコンダクタンス制御バ
ルブ(26)を調整し、プラズマ発生室109内を所定
の圧力に保持する。RFバイアス印加手段302を用い
て保持手段102にRF電力を供給するとともに、マイ
クロ波電源6より所望の電力を、マイクロ波供給手段2
03のスロット203bを介し誘電体窓104を透して
プラズマ処理室109内に導入する。プラズマ発生10
9内に供給されたマイクロ波の電界により電子が加速さ
れ、プラズマ発生室109内にプラズマが発生する。こ
の際、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起
され、保持手段102上に載置された被処理体Wの表面
を処理する。また、RFバイアスにより基板に入射する
イオンの運動エネルギーを制御できる。さらにクーラ4
14を用いることにより、高密度プラズマと高バイアス
を用いた場合に問題となるイオン入射による基板の過加
熱を抑制することができる。
【0180】図15は、本発明のプラズマ処理装置を示
す模式的断面図である。
【0181】1は被処理体Wを内部に収容し、プラズマ
Pを発生室9内部に発生し得る真空容器であり、大気開
放型の容器である。
【0182】2は被処理体Wを真空容器1内に収容し、
保持する為の被処理体保持手段であり、被処理体Wを昇
降し得るリフトピン2aを有している。
【0183】3は真空容器1内にプラズマを発生させる
マイクロ波エネルギーを供給するマイクロ波供給手段で
ある。
【0184】4は真空容器1内を気密に封止するととも
にマイクロ波を透過させる誘電体窓である。
【0185】5はマイクロ波導波管、6はマイクロ波電
源である。
【0186】7はマイクロ波によってプラズマ化される
処理ガスを供給する為のガス供給路であり、斜め上方を
向いた放出路の先にガス放出口7aを有する。
【0187】ガス供給路7は図11〜図14のガス供給
系(21〜23)と同様のガス供給系に連通している。
【0188】8は、真空容器1内を排気する為の排気路
であり図11〜図14の排気系(24〜26)と同様の
排気系に連通している。
【0189】図15の装置によるプラズマ処理方法は以
下のとおりである。所定の圧力まで減圧、排気された真
空容器1内にガズ供給路7から処理ガスを供給する。
【0190】処理ガスはプラズマ発生室となる空間9に
放出された後、排気路8へと流れていく。
【0191】一方、マイクロ波電源6において発生した
マイクロ波は、同軸導波管、円筒導波管又は矩形導波管
5を介して伝搬され、マイクロ波供給手段3内に供給さ
れる。
【0192】マイクロ波は、マイクロ波供給手段3の無
終端環状導波管3a内を伝搬する。
【0193】無終端環状導波路3aのH面3cには、マ
イクロ波の進行方向と交差する縦長のスロット3bが設
けられている為に、そのスリット3bから、空間9に向
かって、マイクロ波が放射される。
【0194】マイクロ波は、マイクロ波透過窓4aを透
過して空間9内に供給される。
【0195】空間9内には、処理ガスが存在しており、
この処理ガズはマイクロ波励起されプラズマPを発生さ
せる。
【0196】被処理体Wの表面には、このプラズマを利
用して表面処理が施される。プラズマPは、投入される
マイクロ波の電力や容器内の圧力に応じて、図のように
スロット下方のみに存在することもあるし、又、誘電体
窓4の下面全面に拡がることもある。
【0197】図16は、マイクロ波供給器3の外観及び
断面を示す模式図である。
【0198】図17は、マイクロ波供給器3とマイクロ
波導波管5との接続部(導入部)の断面図である。
【0199】図18は、マイクロ波供給器3のスロット
3bが設けられたH面を下方から見た図である。
【0200】図15のマイクロ波供給手段3は、矩形導
波管のE面3dが曲面になるように、矩形導波管を曲げ
て、環状にしたものと等価である。従って対向する2つ
のH面はそれぞれ同一平面上に存在する。
【0201】導波管5から例えばTE10モードで伝搬し
てきたマイクロ波は、接続部にあるE分岐ブロックのよ
うなマイクロ波分配器10により相反する方向に分配さ
れる。
【0202】無終端環状の導波路3aを伝搬するマイク
ロ波は、進行方向MDと交差する方向に延びるスロット
3bから放出されつつ、伝搬していく。
【0203】このような、マイクロ波供給手段を、平板
状スロット付環状導波管とか、平板状マルチスロットア
ンテナ(PMA)と呼ぶ。
【0204】無終端環状の導波路3aの内では、マイク
ロ波はスロットからのエネルギー放出により減衰しなが
ら進行し伝搬する。しかも進行方向が両方向である為、
進行するマイクロ波同士が干渉し、空間9内には均一な
強度のマイクロ波が放射される。
【0205】以下に、本発明の特徴をまとめて示す。
【0206】高密度:周波数の高いマイクロ波を用
い、伝搬効率の高い表面波モードが生じているので、電
子密度1012cm-3台の高密度プラズマが発生する。し
たがって、高速で反応性の高い処理が可能になる。
【0207】大口径均一:多くのスロットからマイク
ロ波を多点導入し、誘電体窓近くに誘電体窓内の表面波
の伝搬効率が高く、均一化の難しい磁場を用いずとも電
界が誘電体窓近くに局在したプラズマが形成されるの
で、大口径で均一なプラズマを発生できる。したがっ
て、大面積基板の均一処理が可能になる。
【0208】低温度・低電位:マイクロ波吸収、即ち
プラズマ発生が誘電体窓内面近傍で行われ、電界は窓側
に局在し、拡散により基板側のプラズマが形成されるの
で、電子温度が低く抑えられる。したがって、エッチン
グの際のノッチ発生、チャージアップダメージ、DUV
ダメージが抑制される。また、電子温度が低いので、シ
ース電位も低く抑えられ、低ダメージな処理が可能にな
る。
【0209】高閉じ込め性:誘電体窓近傍に電界を局
在化できるので、プラズマ拡散が抑制される圧力40P
a以上の高圧領域で閉じ込め性の高いプラズマが発生で
きる。したがって、高度に低ダメージな処理が可能にな
る。
【0210】容量結合プラズマ(CCP)は電子密度が
低い、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ及び
ヘリコン波プラズマ(HWP)は電子温度が高い、大口
径均一化が難しいなどの問題があり、総合的に本発明が
次世代プラズマ源として有力である。
【0211】アッシャーへ応用する場合には、基板にプ
ラズマが接触しては不可なほどの低ダメージでかつ高速
な処理が要求されるので、高密度な閉じ込めプラズマを
発生できる本発明は最適であると考えられる。
【0212】そして、特に、本発明のプラズマ処理装置
においては、ガスをH面に向けて放出するようにしたた
め、ガスは均一且つ薄い高密度低温プラズマの発生領域
を経由して中心に流れる。こうして、被処理体の中央付
近においても処理速度が低下することなく、均一な処理
が行える。
【0213】次に、本発明の好適な実施の形態による別
のマイクロ波供給器について説明する。
【0214】図19は、マイクロ波供給器3の上面外観
(a)、横断面(b)及び縦断面(c)を示している。
【0215】このマイクロ波供給器3は直径が互いに異
なる複数の環状導波路43、44を有している。
【0216】大口径の外側環状導波路43は、E面とな
る外側壁49と、もう一つのE面となる内側壁48と、
平面状のH面となる上壁53と、もう一つの平面状のH
面となる下壁52と、で構成されている。そして、下壁
52にはスロット36’が複数設けられている。
【0217】小口径の内側環状導波路44は、同様にE
面となる最内側壁47と、上記内側壁48と、上記上壁
53、上記下壁52とにより構成されており、下壁52
にはスロット36が複数設けられている。
【0218】そして各環状導波路43、44は前出の実
施の形態による環状導波路3a(図1他参照)と同様の
構成であり、図19の(C)に示すようにそれぞれTE
モードでマイクロ波を伝搬し得るような矩形断面を有し
ている。
【0219】54は、外側環状導波路43へのマイクロ
波導入口であり、より好ましくは導波路43の矩形断面
と同じ大きさの矩形断面をもつ。55は、内側環状導波
路44へのマイクロ波導入口であり、より好ましくは導
波路44の矩形断面と同じ大きさの矩形断面をもつ。
又、より好ましくは各導波路に終端面を設けずに、無終
端環状とした方がよい。
【0220】図19の例は2つの導波管を一体化させて
構成したが、個別の環状導波管をある支持台上に円心状
に配置したものでも、後述するようにスロット付の平板
と導波路となる複数の環状溝を有する部材とを含む組み
立て体としたものでもよい。
【0221】マイクロ波供給器を組み立て体で構成する
場合には、外側環状導波路43用のスロット付平板と内
側環状導波路44用のスロット付平板とを別体とするこ
ともできる。そして、前述した図5の実施の形態同様、
スロットの形や数や大きさや分布等が異なる多数のスロ
ット付平板を用意し、これを交換可能にすれば、所望の
マイクロ波放射強度分布に適したマイクロ波供給器を簡
単に作製することができる。
【0222】各環状導波路43、44の形状は図19に
示したような円に限定されることはなく、図6の実施形
態と同様に四角であってもよいし、その他の多角形や星
形等であってもよい。
【0223】外側環状導波路43と内側環状導波路44
のそれぞれに設けられるスロットの形、数、大きさ、分
布は互いに同じであっても異なっていてもよい。特殊な
プラズマ処理に応用する場合を除いては、内側導波路4
4のスロット3bの数を、外側導波路43のスロット3
b′の数より少なくした方が装置設計が容易になる。
【0224】そして、装置構成を簡略化し、マイクロ波
電源を1つで済ます為には、マイクロ波供給器3のマイ
クロ波導入口54、55近傍に電磁波分配導入手段を構
成し、且つマイクロ波の分配比率を定める為の、H分岐
器を付設することが好ましい。
【0225】マイクロ波導入口55、56にそれぞれマ
イクロ波を、例えばTEnoモードで導入する。
【0226】環状導波路43、44内に導入されたマイ
クロ波は、分配器10にて互いに反対方向に分配され、
時計回り又は反時計回りにTEnoモードで導波路43、
44内をそれぞれ伝搬する。
【0227】伝搬中にマイクロ波はH面に設けられたス
ロット3b、3b′より外部に放射される。
【0228】互いに反対回りで進行してきたマイクロ波
は導波路43、44内で干渉し合い、場合によっては定
在波を発生させ、マイクロ波のスロットからの放射強度
が安定化する。
【0229】こうして、本発明のマイクロ波供給器によ
れば、大面積で比較的均一な強度分布のマイクロ波をほ
ぼ面状に放射できる。
【0230】ここで、図20〜23を参照して、組み立
て体型のマイクロ波供給器と、電磁波分配導入手段と、
それらを用いたプラズマ処理装置について詳述する。
【0231】図20において1はプラズマ発生室9を形
成する為の容器である。4は誘電体窓、3はマイクロ波
をプラズマ発生室9に供給する為のマイクロ波供給器と
しての平板状スロット付多重環状導波管、57は無終端
環状導波管3にマイクロ波を導入する為の導波管57、
Wは被処理体、2は被処理体Wの保持手段、7は処理用
ガス供給手段、8は排気口である。
【0232】マイクロ波供給器は溝付の第1導電部材3
2と、図21に示すようなスロット3b,3b′付の平
板からなる第2導電部材31と、の組み合て体である。
【0233】そして、マイクロ波導入口54、55の近
傍には、マイクロ波の導波路43、44への分配比率を
定める為の分配器56が設けられている。図20の装置
において電磁波分配導入手段は、分岐路をもつ導波管5
7とH分岐器のような分配器56とを含む。
【0234】分配器56としては、少なくとも2つの分
配面をもつ3角形断面の導電体で構成された例を図20
に示しているが、これに限られることはなく、板状の部
材であってもよい。
【0235】そして、分配器は分配比率を可変にし得る
構成にすることもできる。
【0236】本発明に用いられる各導波路43、44へ
の分配機付きH分岐器の例を図22に示す。61はT型
分岐の中央に板状もしくは三角柱状の可動の分配ブロッ
ク56を設けたものである。62はY型分岐の又の部分
を回転可能に可動にしたものである。63は変型Y型分
岐の又の部分を回転可能に可動したものであり、64は
又の部分が伸縮するタイプものである。
【0237】分配器56は、マイクロ波の入射方向への
反射が少なく、一方に対する他方への分配比を少なくと
も0.2乃至0.5、より好ましくは0.0乃至0.6
までの調整可能であれば、適用可能である。分配器56
が伸縮するタイプの場合は、例えば、ネジを用い、ネジ
の押し込み量を調整することにより高さを調整すれば簡
便に伸縮するタイプの分配比率可変の分配器を実現でき
る。
【0238】一例として、可動部分が回転するチルトタ
イプにおけるチルト角度に対するマイクロ波強度の関係
を図23に示す。分配比率は、インナー側を1とすると
アウター側は約0.9〜約3.5で変化させることが可
能であった。もちろん、分配比を変えたい場合には、分
配ブロックの長さあるいは回転角度又は三角柱の形状を
適宜変化させればよい。
【0239】なお、電磁波の分配率を調整する機構を有
するH分岐器は、プラズマ処理装置のみならず、電磁波
の分配率を調整する必要のなる他の場合においても用い
られるものである。一方、環状導波管43、44内のE
分岐器10は省略することもできる。
【0240】以上説明した本発明のH分岐器、E分岐器
や多重環状導波路を構成する部材の材質は、前述したシ
ングル環状導波管の構成部材と同じであり、導電体であ
れば使用可能であるが、そしてマイクロ波の伝搬ロスを
できるだけ抑えるため、導電率の高い、例えば、Al,
Cu,Ag/Cuメッキしたステンレス鋼などが最適で
ある。本発明に用いられる多重無終端環状導波路への導
入口の向きは、多重環状導波路内のマイクロ波伝搬空間
に効率よくマイクロ波を導入できるものであれば、H面
に平行に接線方向から導入してもよいし、H面に垂直に
導入し導入口付近で内側と外側の導波路に二分配するも
のでもよい。
【0241】本発明に用いられる多重環状導波路の各導
波路に設けられたスロットの形状は、前述したシングル
環状導波路のスロット形状と同じでありマイクロ波の伝
搬方向に垂直な方向の長さが管内波長の1/4以上であ
れば、矩形でも楕円形でもS字形でも、十字形でもアレ
イ状でもなんでもよい。
【0242】本発明に用いられる多重環状導波路のスロ
ット間隔やスロット寸法も、前述したシングル環状導波
路の場合と同様に選択し設計される。
【0243】そして、各々の環状導波路の矩形断面は互
いに異なる面積としてもよいが、同じモードのマイクロ
波を伝搬し得るように、マイクロ波の進行方向と垂直な
断面が同一矩形断面をもつ導波路を選ぶことが望まし
い。
【0244】そして、マイクロ波の放射強度はスロット
配置密度等で調整することが望ましい。
【0245】本実施の形態のマイクロ波供給器及びそれ
を用いたプラズマ処理装置によれば、複数の大きさの異
なる環状導波路を同心状に配置しその平面部にスロット
を設けた多重環状導波管を用いることにより、直径30
0mmのウエハ或いはそれに相当するもの以上の大面積
基板の処理を行う場合に好適な大面積プラズマを発生す
ることができる。これによりより低温で高品質な処理を
より均一に行うことが可能になる。
【0246】特に、環状導波路のH面が同一平面になる
ように複数の導波路を配設すると、高圧条件下でも大面
積基板であっても均一に高密度低電位プラズマを効率的
に発生させ得る。また、かかる効果は、磁界を用いずと
も達成可能である。
【0247】(第6のプラズマ処理装置)本発明のマイ
クロ波供給手段として多重無終端導波管を用いたプラズ
マ処理装置を、図20を用いて説明する。
【0248】1はプラズマ処理室、4はプラズマ発生室
9を大気側から分離する誘電体、3はマイクロ波をプラ
ズマ処理室101に導入するための多重無終端環状導波
管、56は多重無終端環状導波管3にマイクロ波を分配
導入する分配率調整機構付きH分岐器、43、44はマ
イクロ波が伝搬するマイクロ波伝搬空間である導波路、
3b、3b′は多重無終端環状導波管3からプラズマ発
生室9内にマイクロ波を供給するスロット、Wは被処理
体、2は保持手段、114は被処理体Wを加熱するヒー
タ、7は処理用ガス供給手段、8は排気口である。ガス
放出口7aをH面に向けることもより好ましい。
【0249】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行なう。被処理体Wを保持手段2上に設置し、必要に
応じてヒータ114を用いて被処理体Wを所望の温度ま
で加熱する。排気系(不図示)を介してプラズマ発生室
9内を真空排気する。
【0250】続いて、プラズマ処理用ガスを処理用ガス
放出口7aを介して所定の流量でプラズマ発生室9内に
放出する。次に、排気系(不図示)に設けられたコンダ
クタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室9
内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源6より所望
の電力を、分配率調整機構付きH分岐器56より環状導
波路43、44内に導入する。導入されたマイクロ波
は、H分岐器56で二分配され伝搬空間である導波路4
3、44内を時計回り及び反時計回りに数周伝搬する。
【0251】二分配されたマイクロ波は干渉し、例えば
管内波長の1/2毎設けられたスロット3b,3b′を
横切る電界を強め、スロット3b,3b′を介し誘電体
窓4を透してプラズマ発生室9に供給される。プラズマ
発生室9内に供給されたマイクロ波の電界により電子が
加速され、プラズマ発生室9内にプラズマが発生する。
この際、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励
起され、保持手段2上に載置された被処理体Wの表面を
処理する。
【0252】例えば誘電体窓4として、材質が合成石英
で、直径299mm、厚さ12mmのものを用いる。無
終端環状導波路3b,3b′,は、マイクロ波の進行方
向と垂直な内壁断面の寸法が27mm×96mmであっ
て、内側環状導波路44の中心径が152mm(周長3
λg)、外側環状導波路43の中心径が354mm(周
長7λg)とする。多重無終端環状導波管部材31、3
2の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべ
て導電体としてのA1を用いている。
【0253】多重無終端環状導波管3のH面を構成する
部材31には、マイクロ波をプラズマ発生室9へ供給す
るためのスロットが形成されている。1つのスロット形
状は長さ45mm、幅4mmの矩形であり、管内波長の
1/2間隔に放射状に形成されている。管内波長は、使
用するマイクロ波の周波数と、導波管の断面の寸法とに
依存するが、周波数2.45GHzのマイクロ波と、上
記の寸法の導波管とを用いた場合には約159mmとな
る。
【0254】図20多重無終端環状導波管3では、図2
1に示すようにスロットは約79.5mm間隔で内側導
波路に6個、外側導波路に14個形成されている。多重
無終端環状導波管3には、4Eチューナ、方向性結合
器、アイソレータを付設した2.45GHzの周波数を
持つマイクロ波電源6が順に接続されている。
【0255】図20に示したマイクロ波プラズマ処理装
置を使用して、Ar流量500sccm,圧力10mT
orrと1Torr,マイクロ波パワー1.5kWの条
件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行
った。
【0256】プラズマ計測は、シングルプローブ法によ
り以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を
−50から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流
れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V
曲線からラングミュアらの方法により電子密度,電子温
度,プラズマ電位を算出した。
【0257】その結果、電子密度は、10mTorrの
場合1.1×1012/cm3 ±2.7%(φ300面
内)、1Torrの場合5.7×1011/cm3 ±4.
2%(φ300面内)であり、大口径空間に高密度で均
一なプラズマが形成されていることが確認された。
【0258】(第7のプラズマ処理装置)図24は多重
環状導波路の一方143にマイクロ波を接線導入し、他
方144に分配器110に向けて導入する方式のプラズ
マ処理装置を示す。
【0259】101は内部プラズマ発生室109をもつ
真空容器、102は被処理体Wを載置し保持する保持手
段であり、必要に応じてヒーター114を有している。
【0260】103はマイクロ波供給手段であり、ここ
では図20例と同様に複数の環状導波路143、144
をもち、そのH面にスロット103b,103b′を有
する多重無終端環状導波管が採用されている。マイクロ
波電源6からのマイクロ波は、接線導入口105bと法
線導入口105aからそれぞれ導波路103b′,10
3bに導入される。
【0261】マイクロ波はスロット103b,103
b′より誘電体窓104を透して室109内に放射され
る。この装置によるプラズマ処理の方法は以下のとおり
である。保持手段102上に被処理体Wを載せ、ヒータ
ー114により所定の温度まで加熱する。
【0262】一方、排気系(24、25、26)を用い
て容器101内を排気する。続いてガス供給系(21、
22、23)よりガスを供給手段107に所定の流量で
導入すると、ガス放出口107aよりガスが放出され
る。ガス放出口107aの向きをH面に向けることもよ
り好ましい。
【0263】次に排気系(24、25、26)のコンダ
クタンス制御バルブ26を調整して、室109内を所定
の圧力に維持する。
【0264】マイクロ波電源6より所望の電力を、多重
無終端環状導波管103内に導入する。導入されたマイ
クロ波は、管内波長の1/2または1/4毎に形成され
たスロット103b、103b′を介し誘電体窓104
を透してプラズマ発生室109内に導入される。接線導
入された後スロットから放出されずに1周伝搬したマイ
クロ波は、新たに導入されたマイクロ波と干渉し強め合
い、数周伝搬するまでにほとんどのマイクロ波はプラズ
マ発生室109内に放出される。
【0265】プラズマ発生室109内に導入されたマイ
クロ波の電界により電子が加速され、プラズマ発生室1
09内にプラズマが発生する。この際、処理用ガスは発
生した高密度プラズマにより励起され、保持手段102
上に載置された被処理体Wの表面を処理する。
【0266】誘電体窓104の形状、大きさ、材質は図
20の誘電体窓4と同じものが用いられる。
【0267】各導波路143、144の形状や寸法,ス
ロット103b、103b′の形状や寸法や配置密度等
も図20の対応する部分と同じである。
【0268】図24に示したマイクロ波プラズマ処理装
置を使用して、Ar流量500sccm、圧力10mT
orrと1Torr、マイクロ波パワー1.5kWの条
件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行
った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下
のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50
から+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電
流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線か
らラングミュアらの方法により電子密度,電子温度,プ
ラズマ電位を算出した。
【0269】その結果、電子密度は、10mTorrの
場合1.3×1012/cm3 ±3.3%(φ300面
内)、1Torrの場合6.2×1011/cm3 ±4.
6%(φ300面内)であり、大口径空間に高密度で均
一なプラズマが形成されていることが確認された。
【0270】(第8のプラズマ処理装置)図25のプラ
ズマ処理装置は、図20に示したプラズマ処理装置の保
持手段102にRFバイアスを印加するバイアス印加機
構302を設けたものである。
【0271】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行なう。被処理体Wを保持手段102上に設置し、ヒ
ータ114を用いて所望の温度に加熱する。排気系(2
4、25、26)を介してプラズマ発生室109内を真
空排気する。
【0272】続いて、プラズマ処理用ガスを処理用ガス
放出口107aを介して所定の流量でプラズマ発生室1
09内に放出する。ガス放出口107aの向きをH面に
向けることもより好ましい。
【0273】次に、排気系(24、25、26)に設け
られたコンダクタンス制御バルブ26を調整し、プラズ
マ発生室109内を所定の圧力に保持する。RFバイア
ス印加手段302を用いて保持手段102にRF電力を
供給するとともに、マイクロ波電源6により所望の電力
を、分配率調整機構付きH分岐器56に向けて、導波路
57より供給する。分配されたマイクロ波は各導波路1
43、144内を伝搬し、スロット103b、103
b′を介し誘電体302を透してプラズマ発生室109
に供給される。プラズマ発生室109内に導入されたマ
イクロ波の電界により電子が加速され、室内にプラズマ
が発生する。
【0274】この際、処理用ガスは発生した高密度プラ
ズマにより励起され、保持手段102上に載置された被
処理体Wの表面を処理する。また、RFバイアスにより
基板に入射するイオンの運動エネルギーを制御できる。
【0275】(第9のプラズマ処理装置)図26のプラ
ズマ処理装置は、図25のプラズマ処理装置に冷却手段
としてのクーラー414を設けたものである。
【0276】プラズマの発生及び処理は以下のようにし
て行なう。被処理体Wを保持手段102上に設置し、ク
ーラー414を用いて冷却する。排気系(24、25、
26)を介してプラズマ発生室109内を真空排気す
る。
【0277】続いて、プラズマ処理用ガスを処理用ガス
放出口107aを介して所定の流量でプラズマ発生室1
09内に放出する。
【0278】次に、排気系(24、25、26)に設け
られたコンダクタンス制御バルブ26を調整し、室10
9内を所定の圧力に保持する。RFバイアス印加手段3
02を用いて保持手段102にRF電力を供給するとと
もに、マイクロ波電源6より所望の電力を、分配率調整
機構付きH分岐器56、多重無終端環状導波管103の
スロット103b、103b′を介し誘電体窓104を
透してプラズマ発生室109に供給する。プラズマ発生
室109内に導入されたマイクロ波の電界により電子が
加速され、室内にプラズマが発生する。
【0279】この際、処理用ガスは発生した高密度プラ
ズマにより励起され、クーラー414付の保持手段10
2上に載置され昇温が抑制された被処理体Wの表面を処
理する。
【0280】また、RFバイアスにより基板に入射する
イオンの運動エネルギーを制御できる。さらにクーラー
414を用いることにより、高密度プラズマと高バイア
スを用いた場合に問題となるイオン入射による基板の過
加熱を抑制することができる。
【0281】(図10のプラズマ処理装置)図27のプ
ラズマ処理装置は、前述した装置同様に、2つの無終端
環状導波路43、44が同心状に配されたマイクロ波供
給器103を有している。
【0282】マイクロ波供給器103は、溝付の導電部
材32とスロット103b、103b′を有する板状の
導電部材31との組み立て体である。
【0283】マイクロ波導入口付近には、H分岐器56
が設けられその設置角度が調整可能に配されている。
【0284】導波管57から導入されるマイクロ波はH
分岐器56により内側導波路44と外側導波路43とに
分配されて導入される。
【0285】各導波路43、44内では、マイクロ波は
分配器110により時計回り方向と反時計回り方向とに
分配され、無終端の各導波路43、44内を伝搬し干渉
し合う。各導波路43、44内に導入されたマイクロ波
は、スロット103b、103b′より、容器101内
のプラズマ発生室兼プラズマ処理室109内に誘電体窓
104を透して供給される。そして、環状導波路43、
44内をそれぞれ2〜3周伝搬するとプラズマを生じ得
ない程に減衰する。室109内には、ガス供給手段10
7の複数のガス放出口107aが設けられている。
【0286】斜め上方を向いたガス放出路の先にあるガ
ス放出口107aからガスが誘電体窓104及び各導波
路43、44のH面に向けて放出される。
【0287】容器101の周囲の内壁に、その放出口1
07aが斜めに複数設けられている為、ガスはプラズマ
領域P内を経由して室109の中心に向けて放出され
る。このガス放出口107aの構造は、図1、図2、図
6、図9に示した実施の形態と同様に選択し設計し得
る。
【0288】7Pはパージガスの供給手段であり、斜め
上方を向いたガス放出路の先の放出口は誘電体窓104
に向けられている。パージガス供給手段7Pは、窒素、
アルゴン等のパージガスの供給系(27〜29)に接続
されており、ボンベ27内のパージガスはバルブ28及
びマスフローコントローラー29を介して室内に供給さ
れる。
【0289】図27の装置を用いた処理は次のとおりで
ある。
【0290】まず保持手段102を下降させて容器を開
ける。
【0291】リフトピン102aを上昇させたところ
に、被処理体Wを載せる。
【0292】リフトピン102aを下降させて、保持手
段102直上に被処理体Wを配し、保持手段102を上
昇させて、容器を閉じる。
【0293】真空ポンプ24を動かして、排気口108
より容器内を排気し、減圧する。
【0294】ガス供給系(21〜23)より所定の流量
で処理用ガスを容器内に供給する。こうして、処理ガス
は複数のガス放出口107aからスロット付のH面に向
けて放出される。
【0295】マイクロ波電源6を動かし、マイクロ波を
マイクロ波供給器103に供給する。この時、マイクロ
波をTE10モードで供給し、その電力は、各導波路4
3、44を2〜3周伝搬し得るような値例えば1.0k
W以上とする。
【0296】この値は、導波路の周長やスロットの大き
さ等に依存するので、この値に限定されることはない。
【0297】スロット103b、103b′から放射さ
れたマイクロ波は誘電体窓を透して容器101内のプラ
ズマ発生室間109に供給され処理ガスをプラズマ化す
る。
【0298】このプラズマのラジカルやイオンや電子を
利用して被処理体Wに処理を施す。
【0299】処理が終了したら、パージガスを導入し、
大気圧まで容器内圧力を上昇させる。
【0300】保持手段102を下降して、容器を開き、
リフトピン102aを上昇させて、被処理体Wを取り出
す。
【0301】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明のマイクロ波プラ
ズマ処理装置及び処理方法をより具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0302】(実施例1)図11に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシング
を行った。
【0303】被処理体Wとしては、ホトレジストパター
ンより露出した層間絶縁膜をエッチングし、ビアホール
が形成された直後の8インチシリコンウエハを使用し
た。まず、Siウエハを保持手段102上に設置した
後、排気系(24〜26)を介してプラズマ発生室10
9内を真空排気し、10-5Torrまで減圧させた。プ
ラズマ処理用ガス供給手段107を介して酸素ガスを2
slmの流量で室内に導入した。ついで、排気系(24
〜26)に設けられたコンダクタンスバルブ26を調整
し、発生室109内を2Torrに保持した。マイクロ
波電源6より2.45GHz1.5kWのマイクロ波電
力をTE10モードで平板状スロット付環状導波管103
に導入した。かくして、スロット103bからマイクロ
波が放射されプラズマを室109内に発生させた。この
際、プラズマ処理用ガス供給口107を介して導入され
た酸素ガスはプラズマ発生室109で励起、分解、反応
してオゾンとなり、SiウエハWの方向に輸送され、S
iウエハ表面のホトレジストを酸化し、酸化されたホト
レジストは気化・除去された。こうしたアッシング後、
アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価し
た。
【0304】得られたアッシング速度は、8.6μm/
min±8.5%と極めて大きく、表面電荷密度も−
1.3×1011/cm2 と充分低い値を示した。
【0305】(実施例2)図12に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシング
を行った。
【0306】被処理体Wとしては、ホトレジストパター
ンより露出した層間絶縁膜をエッチングし、ビアホール
が形成された直後の8インチシリコンウエハを使用し
た。まずSiウエハを保持手段102上に設置した後、
排気系(24〜26)を介してプラズマ発生室109内
を真空排気し、10-5Torrまで減圧させた。プラズ
マ処理用ガス供給手段107を介して酸素ガスを2sl
mの流量で室内に導入した。ついで、排気系(24〜2
6)に設けられたコンダクタンスバルブ26を調整し、
室内を2Torrに保持した。マイクロ波電源6より
2.45GHz1.5kWのマイクロ波電力を平板状ス
ロット付環状導波管103内に接線導入した。かくし
て、スロットからマイクロ波が放射されプラズマ発生室
109内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処
理用ガス供給口107を介して導入された酸素ガスはプ
ラズマ発生室109内で励起、分解、反応してオゾンと
なり、SiウエハWの方向に輸送され、Siウエハ表面
のホトレジストを酸化し、酸化されたホトレジストが気
化・除去された。こうしたアッシング後、アッシング速
度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0307】得られたアッシング速度は、8.9μm/
min±9.4%を極めて大きく、表面電荷密度も−
1.4×1011/cm2 と充分低い値を示した。
【0308】(実施例3)図11に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、半導体素子保護用窒化シリコ
ン膜の形成を行った。
【0309】被処理体Wとしては、0.5μm巾及び
0.5μmピッチのラインアンドスペースのAl配線パ
ターンが形成された層間絶縁膜付きP型単結晶シリコン
基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用し
た。まず、シリコン基板Wを保持手段102上に設置し
た後、排気系(24〜26)を介してプラズマ発生室1
09内を真空排気し、10-7Torrの値まで減圧させ
た。続いてヒータ114に通電し、シリコン基板Wを3
00℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズ
マ処理用ガス供給手段107を介して窒素ガスを600
sccmの流量で、また、モノシランガスを200sc
cmの流量で室内に導入した。ついで、排気系(24〜
26)に設けられたコンダクタンスバルブ26を調整
し、室内を20mTorrに保持した。ついで、マイク
ロ波電源6より2.45GHz3.0kWのマイクロ波
電力をTM10モードで平板状スロット付環状導波管10
3に導入した。かくして、プラズマ発生室109内にプ
ラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス供給
口107を介して供給された窒素ガスはプラズマ発生室
109内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基
板Wの方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化
シリコン膜がシリコン基板W上に1.0μmの厚さで形
成した。成膜後、成膜速度、応力などの膜質について評
価した。応力は成膜前後の基板の反り量の変化をレーザ
干渉計Zygo(商品名)で測定し求めた。
【0310】得られた窒化シリコン膜の成膜速度は、5
40nm/minと極めて大きく、膜質も応力1.1×
109 dyne/cm2 (圧縮)、リーク電流1.2×
10-10 A/cm2 、絶縁耐圧9MV/cmの極めて良
質な膜であることが確認された。
【0311】(実施例4)図12に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、プラスチックレンズ反射防止
用酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行った。
【0312】被処理体としては、直径50mmプラスチ
ック凸レンズを使用した。レンズを保持手段102上に
設置した後、排気系(24〜26)を介してプラズマ発
生室109内を真空排気し、10-7Torrの値まで減
圧させた。プラズマ処理用ガス供給手段107を介して
窒素ガスを150sccmの流量で、また、モノシラン
ガスを100sccmの流量で室内に導入した。つい
で、排気系(24〜26)に設けられたコンダクタンス
バルブ26を調整し、室内を5mTorrに保持した。
ついでマイクロ波電源6より2.45GHz,3.0k
Wのマイクロ波電力を平板状スロット付環状導波管10
3に接線導入した。
【0313】かくして、マイクロ波はスロットより放射
され室内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処
理用ガス供給口107を介して供給された窒素ガスは、
室内で励起、分解されて窒素原子などの活性種となり、
レンズWの方向に輸送され、モノシランガスと反応し、
窒化シリコン膜がレンズW上に21nmの厚さで形成さ
れた。
【0314】次に、プラズマ処理用ガス供給手段107
を介して酸素ガスを200sccmの流量で、また、モ
ノシランガスを100sccmの流量で室内に導入し
た。ついで、排気系(24〜26)に設けられたコンダ
クタンス制御バルブ26を調整し、室内を1mTorr
に保持した。ついで、マイクロ波電源(不図示)より
2.45GHz2.0kWのマイクロ波電力を平板状ス
ロット付環状導波管103内に接線導入した。かくし
て、プラズマ発生室内にプラズマを発生させた。この
際、プラズマ処理用ガス供給口107を介して供給され
た酸素ガスは、プラズマ発生室109内で励起、分解さ
れて酸素原子などの活性種となり、レンズの方向に輸送
され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がレン
ズ上に86nmの厚さで形成された。成膜後、成膜速
度、反射特性について評価した。
【0315】得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン
膜の成膜速度はそれぞれ300nm/min、360n
m/minと良好で、膜質も、500nm付近の反射率
が0.3%と極めて良好な光学特性であることが確認さ
れた。
【0316】(実施例5)図13に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、半導体素子の層間絶縁用酸化
シリコン膜の形成を行った。
【0317】被処理体としては、最上部に幅0.5μ
m、ピッチ0.5μmのラインアンドスペースのA1パ
ターンが形成されたP型の単結晶シリコン基板(面方位
〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シ
リコン基板Wを保持手段102上に設置した。排気系
(24〜26)を介してプラズマ発生室109内を真空
排気し、10-7Torrの値まで減圧させた。続いてヒ
ータ114に通電し、シリコン基板を300℃に加熱
し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処理用ガス
供給手段107を介して酸素ガスを500sccmの流
量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で
室内に導入した。ついで、排気系(24〜26)に設け
られたコンダクタンス制御バルブ26を調整し、プラズ
マ発生室301内を30mTorrに保持した。つい
で、13.56MHz300Wの高周波電力を保持手段
102に印加するとともに、マイクロ波電源より2.4
5GHz、2.0kWのマイクロ波電力を平板状スロッ
ト付環状導波管103にTM10モードで導入した。かく
して、スロットからマイクロ波が放射されプラズマ発生
室109内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガ
ス供給口107を介して供給された酸素ガスは室内で励
起、分解されて活性種となり、シリコン基板の方向に輸
送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がシ
リコン基板W上に0.8μmの厚さで形成された。この
時、イオン種はRFバイアスにより加速されて基板に入
射しパターン上の膜を削り平坦性を向上させ作用を生じ
させている。処理後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及
び段差被覆性ついて評価した。段差被覆性は、Al配線
パターン上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観測し、ボイドを観測することに
より評価した。
【0318】得られた酸化シリコン膜の成膜速度と均一
性は240nm/min±2.5%と良好で、膜質も絶
縁耐圧8.5MV/cm、ボイドフリーであって良質な
膜であることが確認された。
【0319】(実施例6)図14に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、半導体素子の層間の絶縁膜の
エッチングを行った。
【0320】被処理体としては、0.35μm幅と0.
35μmピッチのラインアンドスペースのAlパターン
上に1μm厚の酸化シリコン膜が形成されたP型単結晶
シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)
を使用した。まず、シリコン基板を保持手段102上に
設置した後、排気系(24〜26)を介してプラズマ発
生室109内を真空排気し、10-7Torrの値まで減
圧させた。プラズマ処理用ガス供給手段107を介して
CF4 を300sccmの流量でプラズマ発生室内に導
入した。ついで、排気系(24〜26)に設けられたコ
ンダクタンス制御バルブ26を調整し、プラズマ発生室
109内を5mTorrの圧力に保持した。ついで、1
3.56MHz300Wの高周波電力を保持手段に印加
するとともに、マイクロ波電源6より2.45GHz
2.0kWのマイクロ波電力を平板状スロット付環状導
波管203内にTM10モードで導入した。かくして、ス
ロットからマイクロ波が放射されプラズマ発生室109
内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス供給口
107を介して供給されたCF4 ガスはプラズマ発生室
109内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基
板Wの方向に輸送され、自己バイアスによって加速され
たイオンによって酸化シリコン膜がエッチングされた。
クーラ414により基板温度は90℃を越えて上昇する
ことはなかった。エッチング後、エッチング速度、選択
比、及びエッチング形状について評価した。エッチング
形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査
型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0321】エッチング速度は600nm/min、対
ポリシリコン選択比20と良好であり、エッチング形状
もほぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないこと
が確認された。
【0322】(実施例7)図14に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、半導体素子のゲート電極用ポ
リシリコン膜のエッチングを行った。
【0323】被処理体としては、最上部にポリシリコン
膜が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈10
0〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シリコン
基板を保持手段102上に設置した後、排気系(24〜
26)を介してプラズマ発生室109内を真空排気し、
10-7Torrの値まで減圧させた。プラズマ処理用ガ
ス供給手段107を介してCF4 ガスを300scc
m、酸素を20sccmの流量でプラズマ発生室109
内に導入した。ついで、排気系(24〜26)に設けら
れたコンダクタンス制御バルブ26を調整し、プラズマ
発生室109内を2mTorrの圧力に保持した。つい
で、400kHz、300Wの高周波電力を保持手段1
02に印加するとともに、2.45GHz1.5kWの
マイクロ波電力を平板状スロット付環状導波管203内
にTM10モードで導入した。かくして、スロットからマ
イクロ波が放射されプラズマ発生室109内にプラズマ
を発生させた。プラズマ処理用ガス供給口107を介し
て供給されたCF4 ガス及び酸素はプラズマ発生室40
1内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板W
の方向に輸送され、自己バイアスにより加速されたイオ
ンによりポリシリコン膜がエッチングされた。クーラ4
14により、基板温度は80℃を越えて上昇することは
なかった。エッチング後、エッチング速度、選択比、及
びエッチング形状について評価した。エッチング形状
は、エッチングされたポリシリコン膜の断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0324】エッチング速度は800nm/min、対
SiO2 選択比は30と良好であり、エッチング形状も
垂直で、マイクロローディング校かも少ないことが確認
された。
【0325】(実施例8)図15に示すプラズマ処理装
置を用いて、実施例1と同様にプラズマを用いたホトレ
ジストのアッシングを行った。その結果、均一で残渣の
ないアッシングが短時間で行えた。
【0326】(実施例9)図20に示したマイクロ波プ
ラズマ処理装置を使用し、ホトレジストのアッシングを
行った。
【0327】被処理体Wとしては、ホトレジストパター
ンから露出したSiO2 膜をエッチングし、ビアホール
を形成した直後のシリコンウエハ(300mmウエハ)
を使用した。
【0328】まず、Siウエハを保持手段2上に設置し
た後、排気系(不図示)を介して室内を真空排気し、1
-5Torrまで減圧された。プラズマ処理用ガス供給
手段7を介して酸素ガスを2slmの流量で室内に導入
した。
【0329】ついで、排気系(不図示)に設けられたコ
ンダクタンス制御バルブ(不図示)を調整し、室内を2
Torrに保持した。
【0330】室内に、2.45GHzのマイクロ波電源
より2.0kWの電力を、分配率が内側0.5/外側
0.5になるように調整されたH分岐器56を利用して
多重無終端環状導波管3を介して供給した。
【0331】かくして、室内にプラズマを発生させた。
この際、供給された酸素ガスはプラズマ発生室9内で励
起、分解、反応してオゾンとなり、シリコンウエハの方
向に輸送され、ウエハ上のフォトレジストを酸化し、気
化・除去された。アッシング後、アッシング速度と基板
表面電荷密度などについて評価した。
【0332】得られたアッシング速度は、8.2μm/
min±7.2%を極めて大きく、表面電荷密度も1.
3×1011/cm2 と充分低い値を示した。
【0333】(実施例10)図24に示したマイクロ波
プラズマ処理装置を使用し、ホトレジストのアッシング
を行った。
【0334】被処理体として前記実施例9と同じものを
使用した。
【0335】まず、Siウエハを保持手段102上に設
置した後、排気系(24〜26)を介してプラズマ処理
室内を真空排気し、10-5Torrまで減圧させた。プ
ラズマ処理用ガス放出口107aを介して酸素ガスを2
slmの流量でプラズマ処理室内に導入した。
【0336】ついで、排気系(24〜26)に設けられ
たバルブ26を調整し、処理室内を2Torrに保持し
た。プラズマ処理室内に、2.45GHzのマイクロ波
電源より2.0kWの電力を、分配率が内側0.6/外
側0.4に調整された多重無終端環状導波管103を介
して供給した。かくして、プラズマ処理室内にプラズマ
を発生させた。この際、プラズマ処理用ガス放出口10
7aを介して放出された酸素ガスはプラズマ処理室内で
励起、分解、反応してオゾンとなり、シリコンウエハの
方向に輸送され、シリコンウエハ上のホトレジストを酸
化し、気化・除去された。アッシング後、アッシング速
度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0337】得られたアッシング速度は、8.6μm/
min±7.8%を極めて大きく、表面電荷密度も1.
2×1011/cm2 と充分低い値を示した。
【0338】(実施例11)図20に示したマイクロ波
プラズマ処理装置を使用し、半導体素子保護用窒化シリ
コン膜の形成を行った。
【0339】被処理体としては、Alの幅0.5μm、
ピッチ0.5μmのラインアンドスペースパターンが形
成された層間絶縁膜付き直径約300mmのP型単結晶
シリコンウエハ(面方位〈100〉,抵抗率10Ωc
m)を使用した。
【0340】まず、シリコンウエハを保持手段2上に設
置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室内
を真空排気し、10-7Torrの値まで減圧させた。続
いてヒーター114に通電し、シリコンウエハを300
℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処
理ガス放出口7aを介して窒素ガスを600sccmの
流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量
で処理室内に導入した。
【0341】ついで、排気系(不図示)に設けられたコ
ンダクタンス制御バルブ(不図示)を調整し、処理室内
を20mTorrに保持した。
【0342】ついで、2.45GHzのマイクロ波電源
(不図示)より3.0kWの電力を、分配率が内側0.
45/外側0.55に調整された多重無終端環状導波管
3を介して供給した。
【0343】かくして、プラズマ処理室内にプラズマを
発生させた。この際、プラズマ処理用ガス放出口7aを
介して導入された窒素ガスはプラズマ処理室内で励起、
分解されて活性種となり、シリコンウエハの方向に輸送
され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がシリ
コンウエハ上に1.0μmの厚さで形成した。成膜後、
成膜速度、応力などの膜質について評価した。応力は成
膜前後の基板の反り量の変化をレーザ干渉計Zygo
(商品名)で測定し求めた。
【0344】得られた窒化シリコン膜の成膜速度は、5
40nm/minと極めて大きく、膜質も応力1.1×
109 dyne/cm2 (圧縮)、リーク電源1.3×
10-10 A/cm2 、絶縁耐圧9.7MV/cmの極め
て良質な膜であることが確認された。
【0345】(実施例12)図24に示したマイクロ波
プラズマ処理装置を使用し、プラスチックレンズ反射防
止用膜として酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成
を行った。
【0346】被処理体Wとしては、直径50mmプラス
チック凸レンズを使用した。レンズ保持手段102上に
設置した後、排気系(24〜26)を介してプラズマ処
理室内を真空排気し、10-7Torrの値まで減圧させ
た。プラズマ処理用ガス放出口107aを介して窒素ガ
スを150sccmの流量で、また、モノシランガスを
100sccmの流量で処理室内に導入した。
【0347】ついで、排気系(24〜26)に設けられ
たバルブ26を調整し、処理室内を5mTorrに保持
した。ついで、2.45GHzのマイクロ波電源6より
3.0kwの電力を、分配率が内側0.7/外側0.3
に調整された多重無終端環状導波管103を介してプラ
ズマ処理室内に供給した。
【0348】かくして、プラズマ処理室内にプラズマを
発生させた。この際、プラズマ処理用ガス放出口107
aを介して導入された窒素ガスは、プラズマ処理室内で
励起、分解されて窒素原子などの活性種となり、レンズ
の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリ
コン膜がレンズ上に21nmの厚さで形成された。
【0349】次に、プラズマ処理用ガス放出口107a
を介して酸素ガスを200sccmの流量で、また、モ
ノシランガスを100sccmの流量で処理室内に導入
した。ついで、排気系(24〜26)に設けられたバル
ブ26を調整し、処理室内を1mTorrに保持した。
ついで、2.45GHzのマイクロ波電源6より2.0
kWの電力を、分配率が内側0.7/外側0.3に調整
された多重無終端環状導波管103を介してプラズマ発
生室内に供給した。
【0350】かくして、プラズマ処理室内にプラズマを
発生させた。この際、プラズマ処理用ガス放出口107
aを介して導入された酸素ガスは、プラズマ処理室内で
励起、分解されて酸素原子などの活性種となり、レンズ
の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリ
コン膜がレンズ上に86nmの厚さで形成された。成膜
後、成膜速度、反射特性について評価した。
【0351】得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン
膜の成膜速度はそれぞれ320nm/min、380n
m/minと良好で、膜質も、500nm付近の反射率
が0.25%と極めて良好な光学特性であることが確認
された。
【0352】(実施例13)図25に示したマイクロ波
プラズマ処理装置を使用し、半導体素子の層間絶縁膜用
の酸化シリコン膜の形成を行った。
【0353】被処理体Wとしては、最上部にAlパター
ン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成された直
径約300mmののP型単結晶シリコンウエハ(面方位
〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。
【0354】まず、シリコンウエハを保持手段102上
に設置した。排気系(24〜26)を介してプラズマ処
理室内を真空排気し、10-7Torrの値まで減圧させ
た。続いてヒータ−114に通電し、シリコンウエハを
300℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラ
ズマ処理用ガス放出口107aを介して酸素ガスを50
0sccmの流量で、また、モノシランガスを200s
ccmの流量で処理室内に導入した。
【0355】ついで、排気系(24〜26)に設けられ
たバルブ26を調整し、プラズマ処理室内を30mTo
rrに保持した。ついで、13.56MHzの高周波印
加手段を介して300Wの電力を保持手段102に印加
するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より
2.0kWの電力を、分配率が内側0.5/外側0.5
に調整された多重無終端環状導波管103を介してプラ
ズマ処理室内に供給した。
【0356】かくして、プラズマ処理室内にプラズマを
発生させた。プラズマ処理用ガス供給手段107を介し
て導入された酸素ガスはプラズマ処理室内で励起、分解
されて活性種となり、シリコンウエハの方向に輸送さ
れ、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がシリコ
ンウエハ上に0.8μmの厚さで形成された。
【0357】この時、イオン種はRFバイアスにより加
速されて基板に入射しパターン上の膜を削り平坦性を向
上させる。処理後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及び
段差被覆性について評価した。段差被覆性は、Al配線
パターン上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観測し、ボイドを観測することに
より評価した。
【0358】得られた酸化シリコン膜の成膜速度と均一
性は270nm/min±2.3%と良好で、膜質も絶
縁耐圧9.3MV/cm、ボイドフリーであって良質な
膜であることが確認された。
【0359】(実施例14)図26に示したマイクロ波
プラズマ処理装置を使用し、半導体素子用の層間絶縁膜
のエッチングを行った。
【0360】被処理体としては、Alパターン(ライン
アンドスペース0.35μm)上に1μm厚の層間Si
2 膜が形成された直径約300mmのP型単結晶シリ
コンウエハ(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を
使用した。
【0361】まず、シリコンウエハを保持手段102上
に設置した後、排気系(24〜26)を介してプラズマ
発生室内を真空排気し、10-7Torrの値まで減圧さ
せた。プラズマ処理用ガス放出口107aを介してCF
4 を300sccmの流量でプラズマ処理室内に導入し
た。ついで、排気系(24〜26)に設けられたバルブ
26を調整し、プラズマ処理室内を5mTorrの圧力
にい保持した。
【0362】ついで、13.56MHzの高周波印加手
段302を介して300Wの電力保持手段102に印加
するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源6より
2.0kWの電力を、分配率が内側0.4/外側0.6
に調整された多重無終端環状導波管103を介してプラ
ズマ処理室内に供給した。かくして、プラズマ処理室内
にプラズマを発生させた。
【0363】プラズマ処理用ガス放出口107aを介し
て導入されたCF4 ガスはプラズマ処理室内で励起、分
解されて活性種となり、シリコンウエハの方向に輸送さ
れ、自己バイアスによって加速されたイオンによって酸
化シリコン膜がエッチングされた。クーラー414によ
り基板温度は90℃までしか上昇しなかった。エッチン
グ後、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状に
ついて評価した。エッチング形状は、エッチングされた
酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で
観測し、評価した。
【0364】エッチング速度と対ポリシリコン選択比6
90nm/min、21と良好で、エッチング形状もほ
ぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確
認された。
【0365】(実施例15)図26に示したマイクロ波
プラズマ処理装置を使用し、半導体素子用ゲート電極と
なるポリシリコン膜のエッチングを行った。
【0366】被処理としては、最上部にポリシリコン膜
が形成された直径300mmのP型単結晶シリコンウエ
ハ(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用し
た。
【0367】まず、シリコンウエハを保持手段102上
に設置した後、排気系(24〜26)を介してプラズマ
処理室内を真空排気し、10-7Tirrの値まで減圧さ
せた。プラズマ処理用ガス放出口107aを介してCF
4 ガスを300sccm、酸素を20sccmの流量で
プラズマ処理室内に導入した。
【0368】ついで、排気系(24〜26)に設けられ
たバルブ26を調整し、プラズマ処理室内を2mTor
rの圧力に保持した。ついで、RFバイアス印加手段3
02を介して400kHzの高周波電力300Wをウエ
ハに印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電
源より1.5kwの電力を、分配率が内側0.45/外
側0.55に調整された多重無終端環状導波管103を
介してプラズマ処理室内に供給した。
【0369】かくして、プラズマ処理室内にプラズマを
発生させた。プラズマ処理用ガス放出口107aを介し
て導入されたCF4 ガス及び酸素はプラズマ処理室内で
励起、分解されて活性種となり、シリコンウエハの方向
に輸送され、自己バイアスにより加速されたイオンによ
りポリシリコン膜がエッチングされた。クーラー414
により、基板温度は80℃までしか上昇しなかった。
【0370】エッチング後、エッチング速度、選択比、
及びエッチング形状について評価した。エッチング形状
は、エッチングされたポリシリコン膜の断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0371】エッチング速度と対SiO2 選択比はそれ
ぞれ870nm/min、26と良好で、エッチング形
状も垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが
確認できた。
【0372】(実施例16)図27に示した装置を用い
て実施例9と同様にホトレジストのアッシングを行っ
た。
【0373】その結果、残渣のない均一な処理が短時間
で行えた。
【0374】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ波供給器の構
成に併せて、ガス放出口の向きを定めたので、比較的高
い圧力下であっても均一且つ大面積の低温プラズマを発
生し得るものとなり、直径約200mmのウエハ担当或
いはそれに相当するもの以上の大面積の被処理体を良好
に処理できる。
【0375】又、別の本発明によれば、マイクロ波供給
器をそのスロット板が交換可能な組み立て体とすること
により、低コストで汎用性に富むマイクロ波供給器を提
供できる。
【0376】更に別の本発明によれば、スロット付H面
が同一平面となるように複数の環状導波管を同心状に配
したことにより、均一且つ大面積の強度分布をもつマイ
クロ波を放射・供給することができる。こうして、直径
約300mmのウエハ担当或いはそれに相当するもの以
上の大面積の被処理体を良好にプラズマ処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態によるプラズマ処理
装置の主要部品を示す模式図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態によるプラズマ処理
装置の縦断面を示す模式図である。
【図3】本発明のマイクロ波供給器におけるマイクロ波
の伝搬と放射の様子を示す模式図である。
【図4】本発明のプラズマ処理装置におけるスロットと
ガス放出口と被処理体の位置を示す模式図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるマイクロ波供給器
を示す模式図である。
【図6】本発明に用いられる別のマイクロ波供給器を示
す模式図である。
【図7】本発明に用いられるスロットの構成を示す平面
図である。
【図8】本発明に用いられる別のスロットの配置例を示
す模式図である。
【図9】本発明に用いられるガス供給手段の構成を示す
模式図である。
【図10】本発明によるプラズマ処理方法のフローチャ
ートを示す図である。
【図11】本発明の別のプラズマ処理装置を示す模式図
である。
【図12】本発明の更に別のプラズマ処理装置を示す模
式図である。
【図13】本発明の他のプラズマ処理装置を示す模式図
である。
【図14】本発明の更に他のプラズマ処理装置を示す模
式図である。
【図15】本発明の別のプラズマ処理装置を示す模式図
である。
【図16】マイクロ波供給器の外観及び断面を示す模式
図である。
【図17】マイクロ波供給器のマイクロ波導入部の断面
を示す模式図である。
【図18】マイクロ波供給器のスロット付きH面を示す
模式図である。
【図19】本発明の別の実施の形態によるマイクロ波供
給器を示す模式図である。
【図20】本発明の別の実施の形態によるマイクロ波供
給器とそれを用いたプラズマ処理装置を示す模式図であ
る。
【図21】本発明の別の実施の形態による多重環状導波
路に用いられるスロットの配置の例を示す模式図であ
る。
【図22】本発明に用いられるマイクロ波の分配導入手
段の各種構造を示す模式図である。
【図23】分配器のチルト角に対するマイクロ波放射強
度変化のグラスを示す図である。
【図24】本発明の別のプラズマ処理装置を示す模式図
である。
【図25】本発明の更に別のプラズマ処理装置を示す模
式図である。
【図26】本発明の他のプラズマ処理装置を示す模式図
である。
【図27】本発明の更に他のプラズマ処理装置を示す模
式図である。
【図28】従来のマイクロ波供給器の模式的横断面図で
ある。
【図29】従来のマイクロプラズマ処理装置の模式的縦
断面図である。
【符号の説明】
1、101 容器 2、102 保持手段 3、103 マイクロ波供給器 4、104 誘電体窓 7、107 ガス供給手段 7a、107a ガス放出口 W 被処理体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H01Q 21/06 H01Q 21/06 H01L 21/302 B

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が減圧可能な容器と、該容器内にガ
    スを供給するガス供給手段と、該容器内にプラズマを発
    生させる為のマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段
    と、を有し、該プラズマを利用して被処理体を処理する
    プラズマ処理装置において、 該マイクロ波供給手段は、互いに離間して設けられた複
    数のスロットを有する平面状のH面と、マイクロ波の進
    行方向に垂直な矩形断面と、を有する環状導波路を備
    え、該平面状のH面に設けられた該複数のスロットよ
    り、該容器の誘電体窓を透して該容器内にマイクロ波を
    供給するマイクロ波供給器であり、 該ガス供給手段は、該平面状のH面に向けて該ガスを放
    出するガス放出口を備えていることを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  2. 【請求項2】 該環状導波路に、TE10モードのマイク
    ロ波が導入される請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 該環状導波路は、環状のの凹部とマイク
    ロ波導入口が形成された導電部材と、該複数のスロット
    が形成された板状の導電部材と、を含む組み立て体によ
    り形成されている請求項1記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 該平面状のH面に隣接して板状の該誘電
    体窓が設けられている請求項1記載のプラズマ処理装
    置。
  5. 【請求項5】 該平面状のH面と平行に板状の被処理体
    を保持する為の保持手段を有する請求項1記載のプラズ
    マ処理装置。
  6. 【請求項6】 該ガス放出口は、プラズマ発生空間を囲
    うように複数離間して設けられている請求項1記載のプ
    ラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 該ガス放出口は、該平面状のH面に対し
    て傾斜する角度をもって形成されたガス放出路に連通し
    ている請求項1記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 該ガス放出口と該誘電体窓間の該平面状
    のH面の法線方向間隙が、該ガス放出口と該被処理体間
    の該平面状のH面の法線方向間隙より小さくなるよう
    に、該ガス放出口が複数該誘電体窓の近傍に設けられて
    いる請求項1記載のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】 該ガス放出口が、該被処理体の被処理面
    の上方に配置されている請求項1記載のプラズマ処理装
    置。
  10. 【請求項10】 一対の該ガス放出口の該平面状のH面
    と平行な方向の間隔が、該被処理体の直径又は辺より小
    さくなるように、該ガス放出口が複数設けられている請
    求項1記載のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】 前記環状導波路の中心を結んで形成さ
    れる環の周長が管内波長の整数倍であり、かつ、該環に
    そって少なくとも管内波長の1/2間隔で該スロットが
    放射状に形成されている請求項1に記載のプラズマ処理
    装置。
  12. 【請求項12】 前記マイクロ波の進行方向に垂直な該
    スロットの長さは、管内波長の1/4乃至3/8の範囲
    にある請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】 前記環状導波路へのマイクロ波の導入
    口は、他方のH面に設けられており、かつ導入部には該
    マイクロ波をH面に平行な二方向に分配し該環状導波路
    内の両側に伝搬させる手段が設けられている請求項1に
    記載のプラズマ処理装置。
  14. 【請求項14】 前記環状導波路へのマイクロ波の導入
    口は、曲面状のE面に設けられている請求項1に記載の
    プラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】 前記スロットの近傍にマイクロ波の周
    波数のほぼ3.57×10-11 (T/Hz)倍の磁束密
    度をもつ磁界を発生する手段を有する請求項1に記載の
    プラズマ処理装置。
  16. 【請求項16】 前記容器内のプラズマ発生空間とは隔
    離された位置に前記被処理体を保持する保持手段が配さ
    れている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  17. 【請求項17】 前記保持手段は高周波バイアスを印加
    する手段を有する請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  18. 【請求項18】 前記環状導波路は無終端環状導波路で
    ある請求項1記載のプラズマ処理装置。
  19. 【請求項19】 互いに離間して設けられた複数のスロ
    ットを有する平面と、マイクロ波の進行方向に垂直な矩
    形断面と、を有する環状導波路を備え、該平面に設けら
    れた該複数のスロットより、マイクロ波を該環状導波路
    外部に供給するマイクロ波供給器において、 環状の凹部とマイクロ波導入口が形成された導電部材
    と、該複数のスロットが形成された板状の導電部材と、
    からなる組み立て体により、該スロットを有する平面が
    H面となる該環状導波路が形成されていることを特徴と
    するマイクロ波供給器。
  20. 【請求項20】 該環状導波路には、TE10モードのマ
    イクロ波が導入される請求項19に記載のマイクロ波供
    給器。
  21. 【請求項21】 該板状の導電部材には、マイクロ波分
    配器が取り付けられている請求項19に記載のマイクロ
    波供給器。
  22. 【請求項22】 同心状に配された複数の環状の凹部
    と、夫々の凹部に連通するマイクロ波導入口とが形成さ
    れた導電部材と、該複数のスロットからなるスロットア
    レイの複数が同心状に形成された板状の導電部材と、か
    らなる組み立て体により、複数の該環状導波路が形成さ
    れている請求項19記載のマイクロ波供給器。
  23. 【請求項23】 該マイクロ波導入口近傍には、マイク
    ロ波の分配比率を変えられる可動部分をもつ分配器が設
    けられている請求項19記載のマイクロ波供給器。
  24. 【請求項24】 内部が減圧可能な容器と、該容器内に
    ガスを供給するガス供給手段と、該容器内にプラズマを
    発生させる為のマイクロ波を供給するマイクロ波供給手
    段と、を有し、該プラズマを利用して被処理体を処理す
    るプラズマ処理装置において、 該マイクロ波供給手段は、互いに離間して設けられた複
    数のスロットを有する平面状のH面と、マイクロ波の進
    行方向に垂直な矩形断面と、を有する環状導波路を複数
    同心状に備え、各環状導波路の該平面状のH面に設けら
    れた該複数のスロットより、該容器の誘電体窓を透して
    該容器内にマイクロ波を供給するマイクロ波供給器であ
    ることを特徴とするプラズマ処理装置。
  25. 【請求項25】 該各環状導波路に、TE10モードのマ
    イクロ波が導入される請求項24に記載のプラズマ処理
    装置。
  26. 【請求項26】 該複数の環状導波路は、複数の環状の
    凹部とマイクロ波導入口が形成された導電部材と、該複
    数のスロットが形成された板状の導電部材と、を含む組
    み立て体により形成されている請求項24記載のプラズ
    マ処理装置。
  27. 【請求項27】 該平面状のH面に隣接して板状の該誘
    電体窓が設けられている請求項24記載のプラズマ処理
    装置。
  28. 【請求項28】 該平面状のH面と平行に板状の被処理
    体を保持する為の保持手段を有する請求項24記載のプ
    ラズマ処理装置。
  29. 【請求項29】 該ガス放出口は、プラズマ発生空間を
    囲うように複数離間して設けられている請求項24記載
    のプラズマ処理装置。
  30. 【請求項30】 該ガス放出口は、該平面状のH面に対
    して傾斜する角度をもって形成されたガス放出路に連通
    している請求項24記載のプラズマ処理装置。
  31. 【請求項31】 該ガス放出口と該誘電体窓間の該平面
    状のH面の法線方向間隙が、該ガス放出口と該被処理体
    間の該平面状のH面の法線方向間隙より小さくなるよう
    に、該ガス放出口が該誘電体窓の近傍に設けられている
    請求項24記載のプラズマ処理装置。
  32. 【請求項32】 該ガス放出口が、該被処理体の被処理
    面の上方外側に配置されている請求項24記載のプラズ
    マ処理装置。
  33. 【請求項33】 一対の該ガス放出口の該平面状のH面
    と平行な方向の間隔が、該被処理体の直径又は辺より大
    きくなるように、該ガス放出口が複数設けられている請
    求項24記載のプラズマ処理装置。
  34. 【請求項34】 外側の環状導波路のスロットの外端間
    隔より、該被処理体の直径又は辺が小さい請求項33記
    載のプラズマ処理装置。
  35. 【請求項35】 前記複数の環状導波路へのマイクロ波
    導入口に、各導波路へのマイクロ波の分配比を定めるた
    めのH分岐を設けた請求項24に記載のプラズマ処理装
    置。
  36. 【請求項36】 前記複数の環状導波路を構成する各々
    の導波路の中心を結んで形成される環の周長が管内波長
    の整数倍であり、かつ、該環にそって少なくとも管内波
    長の1/2間隔で該スロットが放射状に形成されている
    請求項24に記載のプラズマ処理装置。
  37. 【請求項37】 前記マイクロ波の進行方向に垂直な該
    スロットの長さは、管内波長の1/4乃至3/8の範囲
    にある請求項24に記載のプラズマ処理装置。
  38. 【請求項38】 前記各環状導波路へのマイクロ波の導
    入口は、他方のH面に設けられており、かつ導入部には
    該マイクロ波をH面に平行な二方向に分配し該各環状導
    波路内の両側に伝搬させる手段が設けられている請求項
    24に記載のプラズマ処理装置。
  39. 【請求項39】 前記スロットの近傍にマイクロ波の周
    波数のほぼ3.57×10-11 (T/Hz)倍の磁束密
    度をもつ磁界を発生する手段を有する請求項24に記載
    のプラズマ処理装置。
  40. 【請求項40】 前記容器内のプラズマ発生空間とは隔
    離された位置に前記被処理体を保持する保持手段が配さ
    れている請求項24に記載のプラズマ処理装置。
  41. 【請求項41】 前記基体支持手段に高周波バイアスを
    印加する手段を有する請求項24に記載のプラズマ処理
    装置。
  42. 【請求項42】 マイクロ波導入口近くに、仕切板と、
    該仕切板をチルトさせるための手段を有する請求項24
    に記載のプラズマ処理装置。
  43. 【請求項43】 マイクロ波導入口近くに、仕切板と、
    該仕切板を伸縮させる手段とを有する請求項24に記載
    のプラズマ処理装置。
  44. 【請求項44】 前記各環状導波路は無終端導波路であ
    る請求項24に記載のプラズマ処理装置。
  45. 【請求項45】 前記環状導波路には、該環状導波路を
    1周以上伝搬するに充分な電力のマイクロ波が供給され
    る請求項1又は24に記載のプラズマ処理装置。
  46. 【請求項46】 前記電力は、該環状導波路を2周以上
    伝搬するに充分な電力のマイクロ波である請求項1又は
    24に記載のプラズマ処理装置。
  47. 【請求項47】 前記環状導波路は、その内部に定在波
    が生じるように、周長が定められている請求項1又は2
    4に記載のプラズマ処理装置。
  48. 【請求項48】 前記容器内の圧力を処理中13.3P
    a以上1330Pa以下に保持する請求項1又は24に
    記載のプラズマ処理装置。
  49. 【請求項49】 前記プラズマ処理装置は、アッシング
    装置である請求項1又は24に記載のプラズマ処理装
    置。
  50. 【請求項50】 請求項1又は24記載のプラズマ処理
    装置を用いて被処理体に表面処理を施す処理方法。
  51. 【請求項51】 前記表面処理は、アッシング、エッチ
    ング、又はクリーニングである請求項50記載の処理方
    法。
  52. 【請求項52】 前記表面処理は、プラズマCVD又は
    プラズマ重合である請求項50記載の処理方法。
  53. 【請求項53】 前記表面処理は、ドーピング処理、酸
    化処理、窒化処理又はフッ化処理である請求項50記載
    の処理方法。
  54. 【請求項54】 互いに周長の異なる複数の無終端環状
    導波路を同心状に配し、それらの平面状のH面をそれぞ
    れ同一平面とし、そこに複数のスロットを設けたマイク
    ロ波供給器。
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