JP4669153B2 - プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および素子の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大面積基体を高速かつ均一に高品質処理するために、高密度・均一・低電子温度で安定な平板状プラズマを発生できるプラズマ処理装置、プラズマ処理方法および素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波をプラズマ生起用の励起源として使用するプラズマ処理装置としては、エッチング装置、アッシング装置、クリーニング装置、CVD装置、ドーピング装置、表面改質装置等が知られている。
【0003】
マイクロ波プラズマエッチング装置を使用する被処理基体のエッチング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマエッチング装置のプラズマ処理室内にエッチャントガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してエッチャントガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体の表面をエッチングする。
【0004】
また、マイクロ波プラズマアッシング装置を使用する被処理基体のアッシング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマアッシング装置のプラズマ処理室内にアッシングガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してアッシングガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体の表面をアッシングする。
【0005】
また、マイクロ波プラズマCVD装置を使用する被処理基体の成膜処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマCVD装置のプラズマ処理室内に反応ガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入して反応ガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体上に堆積膜を形成する。
【0006】
また、マイクロ波プラズマドーピング装置を使用する被処理基体のドーピング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマドーピング装置のプラズマ処理室内にドーピングガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入して反応ガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体の表面にドーピングを行う。
【0007】
プラズマ処理装置においては、ガスの励起源として高い周波数を持つマイクロ波を使用することから、電子加速の回数が増加するので電子密度が高くなり、ガス分子を効率的に電離、励起させることができる。それ故、プラズマ処理装置については、ガスの電離効率、励起効率及び分解効率が高く、高速に低温でも高品質処理できるといった利点を有する。また、マイクロ波が誘電体を透過する性質を有することから、プラズマ処理装置を無電極放電タイプのものとして構成でき、これが故に高清浄なプラズマ処理を行い得るという利点もある。
【0008】
こうしたプラズマ処理装置の更なる高速化のために、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用したプラズマ処理装置も実用化されてきている。ECRは、磁束密度が87.5mTの場合、磁力線の周りを電子が回転する電子サイクロトロン周波数が、マイクロ波の一般的な周波数2.45GHzと一致し、電子がマイクロ波を共鳴的に吸収して加速され、高密度プラズマが発生する現象である。こうしたECRプラズマ処理装置においては、マイクロ波導入手段と磁界発生手段との構成について、代表的なものとして次の4つの構成が知られている。
【0009】
即ち、(i)導波管を介して伝搬されるマイクロ波を被処理基体の対向面から透過窓を介して円筒状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の発散磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(NTT方式);(ii)導波管を介して伝送されるマイクロ波を被処理基体の対向面から釣鐘状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(日立方式);(iii)円筒状スロットアンテナの一種であるリジターノコイルを介してマイクロ波を周辺からプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(リジターノ方式);(iv)導波管を介して伝送されるマイクロ波を被処理基体の対向面から平板状のスロットアンテナを介して円筒状のプラズマ発生室に導入し、アンテナ平面に平行なループ状磁界を平面アンテナの背面に設けられた永久磁石を介して導入する構成(平面スロットアンテナ方式)、である。
【0010】
プラズマ処理装置の例として、近年、マイクロ波の均一で効率的な導入装置として複数の直線状スロットが平板状磁界面に放射状に形成された無終端環状導波管を用いた装置が提案されている(特開平10−233295号公報)。このプラズマ処理装置を図5(a)に、そのプラズマ発生機構を図5(b)に示す。101はプラズマ処理室、102は被処理基体、103は基体102の支持体、104は基体102の温度を調節する基体温度調節手段、105は高周波バイアス印加手段、106は処理用ガス導入手段、107は排気手段、108は排気コンダクタンス調整手段、109はプラズマ処理室101を大気側と分離する誘電体、110はマイクロ波を誘電体109を通してプラズマ処理室101に導入するためのスロット付無終端環状導波管、111は無終端環状導波管110内のマイクロ波導波路、112は無終端環状導波管内に導入されたマイクロ波を左右に分配するE分岐、113はE分岐112で分配されたマイクロ波同士の干渉により生じた定在波、114はスロット、115はスロット114を通して導入され誘電体109の表面を伝播する表面波、116は隣接するスロット114から導入された表面波115同士の干渉により生じた表面定在波、117は表面定在波による電子励起により生じた表面波干渉プラズマである。
【0011】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。排気手段107を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いてプラズマ処理用ガスを処理用ガス導入手段106を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。次にプラズマ処理室101と排気手段107との間に設けられたコンダクタンス調整手段108を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。必要に応じて、高周波バイアス印加手段105を介して被処理基体102にバイアスを印加する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給する。この際、無終端環状導波管110内に導入されたマイクロ波は、E分岐112で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導波路111を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、管内波長の1/2毎に定在波113を生じる。電流が最大になる位置、即ち、隣接する2つの定在波の間で無終端環状導波管110内のマイクロ波導波路111の中央に設置されたスロット114から誘電体109を通してプラズマ処理室101に導入されたマイクロ波は、スロット114近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子密度が、
ec=ε0eω2/e2
[ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波数,
e:電子電荷]
で表されるカットオフ密度(電源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり、さらに電子密度が増加する。この際、電子密度は、
es=(1+εd)ε0eω2/e2
[εd:誘電体窓比誘電率]
で表される真正表面波モードの閾値密度(石英窓[εd:3.8]の場合3.4×1011cm-3,AlN窓[εd:9.8]の場合7.6×1011cm-3)を超え、
δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2
=(2/ωμ0σ)1/2
[C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透磁率,
σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上になると、表皮厚は10mm以下になる)と、誘電体窓109の表面を表面波115として伝搬する。この際、隣接するスロット114から導入された表面波115同士が干渉し、
λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2
[λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]
で表される表面波115の波長の1/2毎に表面定在波116の腹を生じる。プラズマ処理室101にしみ出したこの表面定在波116によって電子が加速され表面波干渉プラズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)117が生成される。この時に処理用ガス導入手段106を介して処理用ガスをプラズマ処理室101内に導入しておくと処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体103上に載置された被処理基体102の表面が処理される。
【0012】
このようなプラズマ処理装置を用いることにより、圧力1.33Pa,マイクロ波パワー3kWの条件で、直径300mm以上の大口径空間に±3%以内の均一性をもって、電子密度2×1012cm-3以上、電子温度3eV以下、プラズマ電位15V以下の高密度低電子温度プラズマが発生できるので、ガスを充分に反応させ活性な状態で基板に供給でき、かつ入射イオンやチャージアップによる基板表面ダメージも低減するので、高品質で高速な処理が可能になる。
【0013】
また、アッシング処理などで使用する133Pa程度の高圧条件では電子密度5×1012cm-3程度の高密度プラズマが誘電体109近傍に局所的に発生するので、高速で極めて低ダメージな処理が可能になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示したような高密度低電子温度プラズマを発生するプラズマ処理装置を用いて処理を行う場合、中央部の電子密度が多少低く、処理によっては均一性が低下したり、放電が不安定になる場合があった。
【0015】
本発明の主たる目的は、上述した問題点を解決し、中央部の電子密度も高い高密度低電子温度プラズマを安定して発生できるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来のプラズマ処理装置における上述した問題点を解決し、上記目的を達成すべく鋭意努力した結果、プラズマ処理室内に被処理基体を支持する手段と、前記プラズマ処理室内にガスを導入する手段と、前記プラズマ処理室内を排気する手段と、スロットが形成された導波路と誘電体窓とを通してマイクロ波を該プラズマ処理室に導入するためのプラズマ発生用マイクロ波導入手段とを有するプラズマ処理装置において、
前記スロットは、前記導波路のマイクロ波の磁界面と平行な面に半径の異なる複数の同心円上に所定の角度間隔及び所定の開き角で穿孔されて設けられた円弧状スロットであり、nlを円弧状スロット間に生じる表面定在波の腹の個数(奇数)、λsを表面波の波長とすると、該複数の同心円の半径の差Δrsは略、
Δrs=nlλs/2
であることを特徴とするプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することが可能であるという知見を得た。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
図1、図2は本発明のプラズマ処理装置の一実施形態を示す。図1(a)は装置全体の断面を、図1(b)はそのスロット近傍の断面を拡大して示したものであり、図2はスロットの配置を示す。
【0019】
101はプラズマ処理室、102は被処理基体、103は基体102の支持体、104は基体102の温度を調節する手段、105は高周波バイアス印加手段、106は処理用ガス導入手段、107は排気手段、108は排気コンダクタンス調整手段、109はプラズマ処理室101を大気側と分離する誘電体、110はマイクロ波を誘電体109を通してプラズマ処理室101に導入するためのスロット付無終端環状導波管、111は無終端環状導波管110内の環状のマイクロ波導波路、112は無終端環状導波管内に導入されたマイクロ波を左右に分配するE分岐、113はE分岐112で分配されたマイクロ波同士の干渉により生じた定在波、114はスロット、115はスロット114を通して導入され誘電体109の表面を伝播する表面波、116は隣接するスロット114から導入された表面波115同士の干渉により生じた表面定在波、117は表面定在波による電子励起により生じた表面波干渉プラズマである。
【0020】
TE10(E01)モードの場合、120は導波路のE面、121は導波路のH面となる。
【0021】
ここで、スロット114は、図2に示すように、従来例のような放射状ではなく、半径の異なる2つの同心円上に所定の角度間隔及び所定の開き角で穿孔されて設けられた円弧状スロットであり、ngを該環状導波管(路)一周長lgの管内波長(路内波長)λgに対する倍率、nlを円弧状スロット間に生じる表面定在波の腹の個数(奇数)、λsを表面波の波長とすると、該2つの同心円の半径の差は略、
Δrs=nlλs/2
である。この結論に至った経緯を図1を用いて説明する。内側と外側のスロット114から発生した表面波115同士の干渉によって内外スロット114間に奇数個の表面定在波116が表面波の波長λsの1/2間隔で発生する。したがって、最も効率的に表面定在波を発生させるには、内外スロット間隔は、
Δrs=nlλs/2
であるべきとの結論に至った。また、干渉を効率的に生じさせるため、内外スロットから導入されるマイクロ波強度を同程度にしたい場合には、
c=ngλg/2π
で表される導波管中心半径から等間隔に内外スロットを形成すべきである。したがって、この場合には、内外スロットの存在する同心円の半径は
s=(ngλg/2π)±(nlλs/4)
である必要がある。
【0022】
また、窓の外周付近でのマイクロ波の遺漏や異常放電の発生を抑制するために外周付近における表面波強度を低下したい場合には、窓外縁での入射波と反射波が干渉により強めあうことがないようする必要がある。そのためには、nwを奇数とすると、外側スロットと窓縁との距離dswを、
sw=nwλs/4
にすることが有効である。したがって、この場合の窓の半径rwは、
w=(ngλg/2π)+{(nl+nw)λs/4}
で表される。
【0023】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。排気手段107を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いてプラズマ処理用ガスを処理用ガス導入手段106を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。次にプラズマ処理室101と排気手段107との間に設けられたコンダクタンス調整手段108を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。必要に応じて、高周波バイアス印加手段105を介して被処理基体102にバイアスを印加する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給する。この際、無終端環状導波管110内に導入されたマイクロ波は、E分岐112で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導波路111を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、管内波長の1/2毎に“腹”をもつ定在波113を生じる。“腹”の中心を挟んで内側と外側に形成された円弧状スロット114から誘電体109を通してプラズマ処理室101に導入されたマイクロ波は、スロット114近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子密度が、
ec=ε0eω2/e2
[ε0:真空誘電率,me:電子質量,ω:電源角周波数,
e:電子電荷]
で表されるカットオフ密度(電源周波数2.45GHzの場合、7×1010cm-3)を超えると、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり、さらに電子密度が増加する。この時、電子密度は、
es=(1+εd)ε0eω2/e2
[εd:誘電体窓比誘電率]
で表される真正表面波モードの閾値密度(石英窓[εd:3.8]の場合3.4×1011cm-3,AlN窓[εd:9.8]の場合7.6×1011cm-3)を超え、
δ=C/ωp=C(ε0e/e2e1/2
=(2/ωμ0σ)1/2
[C:光速,ωp:電子プラズマ角周波数,μ0:真空透磁率,
σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が1×1012cm-3以上になると、表皮厚は10mm以下になる)と、誘電体窓109の表面を表面波115として伝搬する。この時、隣接するスロット114から導入された表面波115同士が干渉し、
λs=λw{1−(ε0eω2/e2e1/2
[λw:完全導体間誘電体窓内マイクロ波波長]
で表される表面波115の波長の1/2毎に表面定在波116の腹を生じる。プラズマ処理室101にしみ出したこの表面定在波116によって電子が加速され表面波干渉プラズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)117が生成される。
【0024】
この時に処理用ガス導入手段106を介して処理用ガスをプラズマ処理室101内に導入しておくと処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体103上に載置された被処理基体102の表面が処理される。
【0025】
一周長/管内波長倍率ngは、2乃至5にするとよい。さらに、円弧状スロット間表面定在波の腹の個数nlは1,3,5のいずれかにするとより効果的である。また、円弧状スロットの角度間隔は、π/ngの関係にするとより効果的である。
【0026】
円弧状スロットの開き角は、π/2ng乃至15π/16ngにするとより効果的である。さらに、円弧状スロットの開き角は内側よりも外側のほうを大きくするとより効果的である。
【0027】
無終端環状導波管110の材質は、導電体であれば使用可能であるが、マイクロ波の伝搬ロスをできるだけ抑えるため導電率の高いAl、Cu、 Ag/CuメッキしたSUSなどが最適である。
【0028】
本実施形態に用いられる無終端環状導波管110の導入口の向きは、無終端環状導波管110内のマイクロ波導波路111に効率よくマイクロ波を導入できるものであれば、磁界面に平行で伝搬空間の接線方向でも、磁界面に垂直方向で導入部で導波管内部の左右方向に二分配するものでもよい。更に、アンテナの対称性を向上させるため、アンテナ中心で二分岐し、二箇所以上の導入口から無終端環状導波管110に導入してもよい。
【0029】
無終端環状導波管110の内外スロット114から導入されるマイクロ波強度を調整したい場合には、スロットの開き角を変化させても良いし、内外スロットを一緒に間隔を変えずに径方向にずらしても良い。
【0030】
また、用いられるマイクロ波周波数は、0.8GHz乃至20GHzの範囲から適宜選択することができる。
【0031】
用いられる誘電体109としては、SiO2系の石英や各種ガラス、Si34,NaCl,KCl,LiF,CaF2,BaF2,Al23,AlN,MgOなどの無機物が適当であるが、ポリエチレン,ポリエステル,ポリカーボネート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなども適用可能である。
【0032】
また、処理の高速化のために、磁界発生手段を用いても良い。用いられる磁界としては、ミラー磁界なども適用可能であるが、スロット114近傍の磁界の磁束密度は基板102近傍の磁界の磁束密度よりも大きいマグネトロン磁界が最適である。磁界発生手段としては、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能である。コイルを用いる場合には過熱防止のため水冷機構や空冷など他の冷却手段を用いてもよい。
【0033】
また、処理のより高品質化のため、紫外光を基体表面に照射してもよい。光源としては、被処理基体102もしくは基体102上に付着したガスに吸収される光を放射するものなら適用可能で、エキシマレーザ、エキシマランプ、希ガス共鳴線ランプ、低圧水銀ランプなどが適当である。
【0034】
プラズマ処理室101内の圧力は1.33×10-2Pa乃至1330Paの範囲、より好ましくは、CVDの場合1.33×10-1Pa乃至13.3Pa、エッチングの場合6.65×10-2Paから6.65Pa、アッシングの場合13.3Paから1330Paの範囲から選択することができる。
【0035】
以下のような処理を施すことにより素子を製造する。上記のプラズマ処理装置を利用した堆積膜の形成は、使用するガスを適宜選択することによりSi34、SiO2、Ta25、TiO2、TiN、Al23、AlN、MgF2などの絶縁膜、a−Si、poly−Si、SiC、GaAsなどの半導体膜、Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属膜等、各種の堆積膜を効率よく形成することが可能である。
【0036】
処理する被処理基体102は、半導体であっても、導電性のものであっても、あるいは電気絶縁性のものであってもよい。
【0037】
導電性基体としては、Fe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pbなどの金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼などが挙げられる。
【0038】
絶縁性基体としては、SiO2系の石英や各種ガラス、Si34,NaCl,KCl,LiF,CaF2,BaF2,Al23,AlN,MgOなどの無機物、ポリエチレン,ポリエステル,ポリカーボネート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなどが挙げられる。
【0039】
CVD法により基板102上に薄膜を形成する場合に用いられるガスとしては、一般に公知のガスが使用できる。
【0040】
a−Si、poly−Si、SiCなどのSi系半導体薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106を介してプラズマ処理室101へ導入するSi原子を含有する原料ガスとしては、SiH4,Si26などの無機シラン類,テトラエチルシラン(TES),テトラメチルシラン(TMS),ジメチルシラン(DMS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン類、SiF4,Si26,Si38,SiHF3,SiH22,SiCl4,Si2Cl6,SiHCl3,SiH2Cl2,SiH3Cl,SiCl22などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rnが挙げられる。
【0041】
Si34 ,SiO2 などのSi化合物系薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106を介して導入するSi原子を含有する原料としては、SiH4、Si26などの無機シラン類,テトラエトキシシラン(TEOS),テトラメトキシシラン(TMOS),オクタメチルシクロテトラシラン(OMCTS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン類、SiF4,Si26,Si38,SiHF3,SiH22,SiCl4,Si2Cl6,SiHCl3,SiH2Cl2,SiH3Cl,SiCl22などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合の同時に導入する窒素原料ガスまたは酸素原料ガスとしては、N2、NH3、N24、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、O2、O3、H2O、NO、N2O、NO2などが挙げられる。
【0042】
Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106を介して導入する金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボニル(W(CO)6)、モリブデンカルボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl3、WF6、TiCl3、TaCl5などのハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rnが挙げられる。
【0043】
Al23、AlN、Ta25、TiO2、TiN、WO3などの金属化合物薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段106を介して導入する金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボニル(W(CO)6)、モリブデンカルボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金属、 AlCl3、WF6、TiCl3、TaCl5などのハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合の同時に導入する酸素原料ガスまたは窒素原料ガスとしては、O2、O3、H2O、NO、N2O、NO2、N2、NH3、N24、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0044】
基体表面をエッチングする場合の処理用ガス導入口106から導入するエッチング用ガスとしては、F2、CF4、CH22、C26、C48、CF2Cl2、SF6、NF3、Cl2、CCl4、CH2Cl2、C2Cl6などが挙げられる。
【0045】
フォトレジストなど基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口106から導入するアッシング用ガスとしては、O2、O3、H2O、H2、NO、N2O、NO2などが挙げられる。
【0046】
また、上記のプラズマ処理装置を表面改質にも適用する場合、使用するガスを適宜選択することにより、例えば基体102もしくは表面層としてSi、Al、Ti、Zn、Taなどを使用してこれら基体102もしくは表面層の酸化処理あるいは窒化処理さらにはB、As、Pなどのドーピング処理等が可能である。更に本発明において採用するプラズマ処理技術はクリーニング方法にも適用できる。その場合酸化物あるいは有機物や重金属などのクリーニングに使用することもできる。
【0047】
基体102を酸化表面処理する場合の処理用ガス導入口106を介して導入する酸化性ガスとしては、O2、O3、H2O、NO、N2O、NO2などが挙げられる。また、基体102を窒化表面処理する場合の処理用ガス導入口106を介して導入する窒化性ガスとしては、N2、NH3、N24、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0048】
基体102表面の有機物をクリーニングする場合、またはフォトレジストなど基体102表面上の有機成分をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口106から導入するクリーニング/アッシング用ガスとしては、O2、O3、H2O、H2、NO、N2O、NO2などが挙げられる。また、基体102表面の無機物をクリーニングする場合の処理用ガス導入口106から導入するクリーニング用ガスとしては、F2、CF4、CH22、C26、C48、CF2Cl2、SF6、NF3などが挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下、本発明のプラズマ処理装置を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例1、2および3はプラズマを発生させる実施例で、実施例5〜11は、実施例1、2または3において発生させたプラズマを用いた処理についての実施例である。
【0050】
(実施例1)
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置の、導波路周長/管内波長倍率ngが4、スロット間表面定在波個数nlが1、誘電体が石英(εd:3.8)の場合の実施例について説明する。スロットの配置が図3に示すようになるが、装置の基本構成は図1に示したものと同様である。
【0051】
101はプラズマ処理室、102は被処理基体、103は基体102の支持体、104は基体102の温度を調節する手段、105は高周波バイアス印加手段、106は処理用ガス導入手段、107は排気手段、108は排気コンダクタンス調整手段、109はプラズマ処理室101を大気側と分離する石英窓、110はマイクロ波を石英窓109を通してプラズマ処理室101に導入するための無終端環状導波管、111は無終端環状導波管110内のマイクロ波導波路、112は無終端環状導波管内に導入されたマイクロ波を左右に分配するE分岐、113はE分岐112で分配されたマイクロ波同士の干渉により生じた定在波、114はスロットである。
【0052】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。排気手段107を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いてプラズマ処理用ガスを処理用ガス導入手段106を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。次にプラズマ処理室101と排気手段107との間に設けられたコンダクタンス調整手段108を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。必要に応じて、高周波バイアス印加手段105を介して被処理基体102にバイアスを印加する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給する。この際、無終端環状導波管110内に導入されたマイクロ波は、E分岐112で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導波路111を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、管内波長の1/2毎に8個の“腹”をもつ定在波113を生じる。“腹”の中央を挟んで内側と外側に設置されたスロット114から誘電体窓109を通してプラズマ処理室101に導入されたマイクロ波は、スロット114近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010cm-3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、さらに電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数,μ0:真空透磁率,σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は20mm以下になる)と、石英窓109の表面を表面波115として伝搬する。内側と外側のスロット114から導入された表面波115同士が干渉し、約28mm毎に表面定在波116を生じる。プラズマ処理室101にしみ出したこの表面定在波116によって電子が加速され表面波干渉プラズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)117が生成される。この時に処理用ガス導入手段106を介して処理用ガスをプラズマ処理室101内に導入しておくと、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体103上に載置された被処理基体102の表面を処理する。
【0053】
石英窓109には、直径368mm、厚さ16mmの無水合成石英を用いた。
無終端環状導波管110は、内部導波部断面の寸法が27mm×96mmであって、中心径が202.2mm(導波路周長が管内波長の4倍)である。無終端環状導波管110の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。無終端環状導波管110の磁界面には、マイクロ波をプラズマ処理室101へ導入するためのスロット114が形成されている。ここで、スロット114は、半径が略略87.3mmと115mmである二つの同心円周上に45°間隔、開き角内側34°/外側39°で8組形成されている。無終端環状導波管110には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0054】
図3に示したスロットを有するマイクロ波プラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Pa,マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−10から+30Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度,電子温度,プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合2.1×1012cm-3±2.7%(φ300面内)であり、低圧領域でも電子密度の高い安定したプラズマが形成されていることが確認された。
【0055】
(実施例2)
本発明のプラズマ処理装置の、導波路周長/管内波長倍率ngが3、スロット間表面定在波個数nlが3、誘電体がAlN(εd:9.8)の場合の実施例について説明する。装置の構成は図1、図2と同様である。
【0056】
101はプラズマ処理室、102は被処理基体、103は基体102の支持体、104は基体102の温度を調節する手段、105は高周波バイアス印加手段、106は処理用ガス導入手段、107は排気手段、108は排気コンダクタンス調整手段、109はプラズマ処理室101を大気側と分離するAlN窓、110はマイクロ波をAlN窓109を通してプラズマ処理室101に導入するための無終端環状導波管、111は無終端環状導波管110内のマイクロ波導波路、112は無終端環状導波管内に導入されたマイクロ波を左右に分配するE分岐、113はE分岐112で分配されたマイクロ波同士の干渉により生じた定在波、114はスロットである。
【0057】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。排気手段107を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いてプラズマ処理用ガスを処理用ガス導入手段106を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。次にプラズマ処理室101と排気手段107との間に設けられたコンダクタンス調整手段108を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。必要に応じて、高周波バイアス印加手段105を介して被処理基体102にバイアスを印加する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給する。この際、無終端環状導波管110内に導入されたマイクロ波は、E分岐112で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導波路111を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、管内波長の1/2毎に6個の“腹”をもつ定在波113を生じる。“腹”の中央を挟んで内側と外側に設置されたスロット114から誘電体窓109を通してプラズマ処理室101に導入されたマイクロ波は、スロット114近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010cm-3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、さらに電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数,μ0:真空透磁率,σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は20mm以下になる)と、AlN窓109の表面を表面波115として伝搬する。内側と外側のスロット114から導入された表面波115同士が干渉し、約17mm毎に表面定在波116を生じる。プラズマ処理室101にしみ出したこの表面定在波116によって電子が加速され表面波干渉プラズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)117が生成する。この時に処理用ガス導入手段106を介して処理用ガスをプラズマ処理室101内に導入しておくと、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体103上に載置された被処理基体102の表面が処理される。
【0058】
AlN窓109には、直径322mm、厚さ10mmのイットリア入り常圧焼結高純度AlN窓を用いた。無終端環状導波管110は、内部導波部断面の寸法が27mm×96mmであって、中心径が151.6mm(導波路周長が管内波長の3倍)である。無終端環状導波管110の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。無終端環状導波管110の磁界面には、マイクロ波をプラズマ処理室101へ導入するためのスロット114が形成されている。ここで、スロット114は、半径が略略50.3mmと101mmである二つの同心円周上に60°間隔、開き角内側45°/外側53°で6組形成されている。無終端環状導波管110には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0059】
図3に示したプラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力13.3×10-1Pa,マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−10から+30Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度,電子温度,プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、13.3×10-1Paの場合2.8×1012/cm3±4.3%(φ300面内)であり、低圧領域でも電子密度の高い安定したプラズマが形成されていることが確認された。
【0060】
(実施例3)
本発明のプラズマ処理装置の、導波路周長/管内波長倍率ngが5、スロット間表面定在波個数nlが3、誘電体がAlN(εd:9.8)の場合の装置例について説明する。スロットの配置が図4に示すようになるが、装置の基本構成は図1に示すものと同じである。
【0061】
101はプラズマ処理室、102は被処理基体、103は基体102の支持体、104は基体102の温度を調節する手段、105は高周波バイアス印加手段、106は処理用ガス導入手段、107は排気手段、108は排気コンダクタンス調整手段、109はプラズマ処理室101を大気側と分離する石英窓、110はマイクロ波を石英窓109を通してプラズマ処理室101に導入するための無終端環状導波管、111は無終端環状導波管110内のマイクロ波導波路、112は無終端環状導波管内に導入されたマイクロ波を左右に分配するE分岐、113はE分岐112で分配されたマイクロ波同士の干渉により生じた定在波、114はスロットである。
【0062】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。排気手段107を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いてプラズマ処理用ガスを処理用ガス導入手段106を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。次にプラズマ処理室101と排気手段107との間に設けられたコンダクタンス調整手段108を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。必要に応じて、高周波バイアス印加手段105を介して被処理基体102にバイアスを印加する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給する。この際、無終端環状導波管110内に導入されたマイクロ波は、E分岐112で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって導波路111を伝搬する。分配されたマイクロ波同士は干渉しあい、管内波長の1/2毎に10個の“腹”をもつ定在波113を生じる。“腹”の中央を挟んで内側と外側に設置されたスロット114から誘電体窓109を通してプラズマ処理室101に導入されたマイクロ波は、スロット114近傍にプラズマを生成する。生成したプラズマの電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば、電子密度が7×1010cm-3を超える場合、電子プラズマ周波数が電源周波数2.45GHzを超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、さらに電子密度が増加し、
δ=(2/ωμ0σ)1/2
[ω:電源角周波数,μ0:真空透磁率,σ:プラズマ導電率]
で表される表皮厚が十分薄くなる(例えば、電子密度が2×1012cm-3以上になると、表皮厚は20mm以下になる)と、AlN窓109の表面を表面波115として伝搬する。内側と外側のスロット114から導入された表面波115同士が干渉し、約17mm毎に表面定在波116を生じる。プラズマ処理室101にしみ出したこの表面定在波116によって電子が加速され表面波干渉プラズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)117が生成する。この時に処理用ガス導入手段106を介して処理用ガスをプラズマ処理室101内に導入しておくと、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体103上に載置された被処理基体102の表面を処理する。
【0063】
AlN窓109は、直径354mm、厚さ10mmのイットリア助剤入り常圧焼結高純度AlNを用いた。無終端環状導波管110は、内部導波部断面の寸法が27mm×96mmであって、中心径が252.7mm(導波路周長が管内波長の5倍)である。無終端環状導波管110の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。無終端環状導波管110の磁界面には、マイクロ波をプラズマ処理室101へ導入するためのスロット114が形成されている。ここで、スロット114は、半径が略略101mmと152mmである二つの同心円周上に36°間隔、開き角内側32°/外側27°で8組形成されている。無終端環状導波管110には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0064】
図4に示すスロットを有するマイクロ波プラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Pa,マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−10から+30Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度,電子温度,プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合2.1×1012cm-3±2.3%(φ300面内)であり、低圧領域でも電子密度の高い安定したプラズマが形成されていることが確認された。
【0065】
(実施例4)
図3に示すスロットと図1に示すマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
【0066】
基体102としては、層間SiO2膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。まず、Si基板102を基体支持体103上に設置し、温度調節手段104を介してSi基板102を250℃に加熱した後、排気系107を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-3Paまで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介して酸素ガスを500sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、処理室101内を3.99Paに保持した。プラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWの電力を無終端環状導波管110を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応して酸素ラジカルとなり、Si基板102の方向に輸送され、Si基板102上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。アッシング後、アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0067】
得られたアッシング速度及び均一性は、5.8μm/min±4.7%と極めて良好で、表面電荷密度も−1.5×1011cm-2と充分低い値を示した。
【0068】
(実施例5)
図4に示したスロットと図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
【0069】
基体102としては、層間SiO2膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。まず、Si基板102を基体支持体103上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-3Paまで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介して酸素ガスを1slmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、処理室101内を79.8Paに保持した。プラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWの電力を無終端環状導波管103を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応して酸素ラジカルとなり、Si基板102の方向に輸送され、基板102上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。アッシング後、アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0070】
得られたアッシング速度及び均一性は、5.3μm/min±4.4%と極めて大きく、表面電荷密度も−1.7×1011cm-2と充分低い値を示した。
【0071】
(実施例6)
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子保護用窒化シリコン膜の形成を行った。
【0072】
基体112としては、Al配線パターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成された層間SiO2膜付きP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シリコン基板102を基体支持台103上に設置した後、排気系107を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、シリコン基板102を300℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処理用ガス導入口106を介して窒素ガスを600sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、処理室101内を2.66Paに保持した。ついで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より3.0kWの電力を無終端環状導波管103を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入された窒素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板102の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がシリコン基板102上に1.0μmの厚さで形成した。成膜後、成膜速度、応力などの膜質について評価した。応力は成膜前後の基板の反り量の変化をレーザ干渉計Zygo(商品名)で測定し求めた。
【0073】
得られた窒化シリコン膜の成膜速度及び均一性は、520nm/min±3.2%と極めて大きく、膜質も応力1.2×109dyne/cm2(圧縮)、リーク電流1.3×10-10A/cm2、絶縁耐圧9MV/cmの極めて良質な膜であることが確認された。
【0074】
(実施例7)
図4に示したスロットと図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、プラスチックレンズ反射防止用酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行った。
【0075】
基体102としては、直径50mmプラスチック凸レンズを使用した。レンズ102を基体支持台103上に設置した後、排気系107を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口115を介して窒素ガスを160sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量で処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、処理室101内を9.31×10-1Paに保持した。ついで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より3.0kWの電力を無終端環状導波管103を介してプラズマ処理室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入された窒素ガスは、プラズマ処理室101内で励起、分解されて窒素原子などの活性種となり、レンズ102の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がレンズ102上に21nmの厚さで形成された。
【0076】
次に、プラズマ処理用ガス導入口106を介して酸素ガスを200sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量で処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、処理室101内を1.33×10-1Paに保持した。ついで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より2.0kWの電力を無終端環状導波管103を介してプラズマ発生室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入された酸素ガスは、プラズマ処理室101内で励起、分解されて酸素原子などの活性種となり、ガラス基板102の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がガラス基板102上に86nmの厚さで形成された。成膜後、成膜速度、反射特性について評価した。
【0077】
得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の成膜速度及び均一性はそれぞれ330nm/min±2.4%、350nm/min±2.6と良好で、膜質も、500nm付近の反射率が0.2%と極めて良好な光学特性であることが確認された。
【0078】
(実施例8)
図3に示したスロットと図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間絶縁用酸化シリコン膜の形成を行った。
【0079】
基体102としては、最上部にAlパターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シリコン基板102を基体支持体103上に設置した。排気系107を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。続いてヒータ104に通電し、シリコン基板102を300℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処理用ガス導入口106を介して酸素ガスを500sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、プラズマ処理室101内を3.99Paに保持した。ついで、13.56MHzの高周波印加手段105を介して300Wの電力を基板支持体102に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板102の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がシリコン基板102上に0.8μmの厚さで形成された。この時、イオン種はRFバイアスにより加速されて基板102に入射しパターン上の膜を削り平坦性を向上させる。処理後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及び段差被覆性について評価した。段差被覆性は、Al配線パターン上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、ボイドを観測することにより評価した。
【0080】
得られた酸化シリコン膜の成膜速度及び均一性は250nm/min±2.7%と良好で、膜質も絶縁耐圧8.5MV/cm、ボイドフリーであって良質な膜であることが確認された。
【0081】
(実施例9)
図3に示したスロットと図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間SiO2膜のエッチングを行った。
【0082】
基体102としては、Alパターン(ラインアンドスペース0.18μm)上に1μm厚の層間SiO2膜が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シリコン基板102を基体支持台103上に設置した後、排気系107を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介してC48を100sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、プラズマ処理室101内を1.33Paの圧力に保持した。ついで、13.56MHzの高周波印加手段を介して300Wの電力を基板支持体102に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入されたC48ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板102の方向に輸送され、自己バイアスによって加速されたイオンによって層間SiO2膜がエッチングされた。クーラ104により基板温度は80℃までしか上昇しなかった。エッチング後、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0083】
エッチング速度及び均一性と対PR選択比は540nm/min±4.2%、16と良好で、エッチング形状もほぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確認された。
【0084】
(実施例10)
図3に示したスロットと図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間絶縁用ポリアリールエーテル(PAE)膜のエッチングを行った。
【0085】
基体102としては、0.6μm厚のPAE膜上にハードマスクとして0.18μmSiO2膜パターンが0.3μm厚形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シリコン基板102を基体支持台103上に設置し、クーラ104により基板温度を−10℃に冷却した後、排気系107を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介してN2を200sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。ついで、プラズマ処理室101と排気系107との間に設けられたコンダクタンスバルブ108を調整し、プラズマ処理室101内を1.33Paの圧力に保持した。ついで、1MHzの高周波印加手段105を介して300Wの電力を基板支持体102に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を無終端環状導波管110を介してプラズマ処理室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入口106を介して導入されたN2ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板102の方向に輸送され、自己バイアスによって加速されたイオンによってPAE膜がエッチングされた。エッチング後、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0086】
エッチング速度及び均一性と対SiO2選択比は660nm/min±3.7%、10と良好で、エッチング形状もほぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確認された。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、中央部の電子密度も高い高密度低電子温度プラズマを安定して発生でき、高品質な処理を高速・均一かつ安定に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の一実施形態の模式図である。
【図2】本発明の一実施例であるAlN窓使用定在波3個励起3λgPMAアンテナを用いたプラズマ処理装置のスロットの模式図である。
【図3】本発明の一実施例である石英窓使用定在波1個励起4λgPMAアンテナを用いたプラズマ処理装置のスロットの模式図である。
【図4】本発明の一実施例であるAlN窓使用定在波3個励起5λgPMAアンテナを用いたプラズマ処理装置のスロットの模式図である。
【図5】従来例のプラズマ処理装置の模式図である。
【符号の説明】
101 プラズマ処理室
102 被処理基体
103 基体支持体
104 基体温度調節手段
105 高周波バイアス印加手段
106 処理用ガス導入手段
107 排気手段
108 コンダクタンス調節手段
109 誘電体
110 無終端環状導波管
111 マイクロ波環状導波路
112 マイクロ波導入E分岐
113 導波路内定在波
114 スロット
115 表面波
116 表面定在波
117 表面波干渉プラズマ
120 導波路のE面
121 導波路のH面

Claims (16)

  1. プラズマ処理室内に被処理基体を支持する手段と、前記プラズマ処理室内にガスを導入する手段と、前記プラズマ処理室内を排気する手段と、スロットが形成された導波路と誘電体窓とを通してマイクロ波を該プラズマ処理室に導入するためのプラズマ発生用マイクロ波導入手段とを有するプラズマ処理装置において、
    前記スロットは、前記導波路のマイクロ波の磁界面と平行な面に半径の異なる複数の同心円上に所定の角度間隔及び所定の開き角で穿孔されて設けられた円弧状スロットであり、nlを円弧状スロット間に生じる表面定在波の腹の個数(奇数)、λsを表面波の波長とすると、該複数の同心円の半径の差Δrsは略、
    Δrs=nlλs/2
    であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記同心円の数は2つであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記2つの同心円の半径rsは、ngを環状導波路一周長lgの路内波長λgに対する倍率、nlを円弧状スロット間に生じる表面定在波の腹の個数(奇数)、λsを表面波の波長とすると略、
    s=(ngλg/2π)±(nlλs/4)
    であることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記誘電体窓の半径rwは、nwを奇数とすると略、
    w=(ngλg/2π)+{(nl+nw)λs/4}
    であることを特徴とする請求項2または3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記一周長/路内波長倍率ngの値は、2乃至5であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記円弧状スロット間表面定在波の腹の個数nlは1,3,5のいずれかであることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記円弧状スロットの角度間隔は、π/ngであることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記円弧状スロットの開き角は、π/2ng乃至15π/16ngであることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記円弧状スロットの開き角は内側よりも外側のほうが大きいことを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記誘電体窓は主成分が窒化アルミニウムであることを特徴とする請求項2から9のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  11. 高周波バイアスを前記被処理基体を支持する手段に印加する手段をさらに有する請求項2から10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  12. プラズマ処理室内に被処理基体を設置し、プラズマ処理室内に誘電体窓を通してマイクロ波を該プラズマ処理室に導入することによって前記被処理基体を処理するプラズマ処理方法において、
    前記プラズマ処理室内にマイクロ波を導入する手段として、マイクロ波の磁界面に半径の異なる2つの同心円上に所定の角度間隔及び所定の開き角で穿孔されて設けられた円弧状スロットを有する環状導波路を有し、nlを円弧状スロット間に生じる表面定在波の腹の個数(奇数)、λsを表面波の波長とすると、該2つの同心円の半径の差は略、
    Δrs=nlλs/2
    であるマイクロ波導入手段を用意し、前記プラズマ処理室に被処理基体を設置するステップと、前記プラズマ処理室内を排気するステップと、該プラズマ処理室内にガスを導入し所定の圧力に保持するステップと、該プラズマ処理室に前記環状導波管を用いてマイクロ波を導入してプラズマを発生せしめ、前記基体を処理するステップとを含むことを特徴とするプラズマ処理方法。
  13. 前記基体を処理するステップにおける処理は、エッチング、アッシング、クリーニングのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理方法。
  14. 前記基体を処理するステップにおける処理は、CVD、表面改質、ドーピングのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理方法。
  15. 素子の製造方法において、素子が形成される基体の表面を請求項12記載のプラズマ処理方法により処理する工程を含むことを特徴とする素子の製造方法。
  16. 前記プラズマ処理は、前記基体の表面にあるレジストのアッシングである請求項15記載の素子の製造方法。
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