JPH07161489A - 有磁場誘導結合プラズマ処理装置 - Google Patents

有磁場誘導結合プラズマ処理装置

Info

Publication number
JPH07161489A
JPH07161489A JP5309300A JP30930093A JPH07161489A JP H07161489 A JPH07161489 A JP H07161489A JP 5309300 A JP5309300 A JP 5309300A JP 30930093 A JP30930093 A JP 30930093A JP H07161489 A JPH07161489 A JP H07161489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
plasma
inductively coupled
processing apparatus
high frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5309300A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobumasa Suzuki
伸昌 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP5309300A priority Critical patent/JPH07161489A/ja
Publication of JPH07161489A publication Critical patent/JPH07161489A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲にわたって均一な高密度プラズマを発
生させ、大面積基板の均一かつ高速なプラズマ処理を可
能にするプラズマ処理装置の提供。 【構成】 アンテナの中心軸及び磁界発生手段の中心軸
を、真空容器の中心軸に実質的に垂直に配した有磁場誘
導結合プラズマ処理装置。 【効果】 均一にして高密度なプラズマを広範囲に形成
できるため効率的な基体の処理や堆積膜の形成を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁場を有する誘導結合
プラズマ処理装置に関する。更に詳しくは、本発明は、
高密度プラズマが得られる有磁場誘導結合プラズマ処理
装置の均一性を改善し、大面積基体の均一且つ高速なプ
ラズマ処理を可能にする有磁場誘導結合プラズマ処理装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導結合プラズマ処理装置としては、C
VD装置、エッチング装置等が知られている。こうした
いわゆる誘導結合プラズマCVD装置を使用する成膜は
例えば次のように行われる。即ち、誘導結合プラズマC
VD装置の成膜室内に成膜用の原料ガスを導入し、同時
に高周波エネルギーを投入して原料ガスを励起、分解し
て成膜室内にプラズマを発生させ、成膜室内に配された
基体上に堆積膜を形成する。
【0003】また誘導結合プラズマエッチング装置を使
用する被処理基体のエッチング処理は例えば次のように
して行われる。即ち、処理室内にエッチャントガスを導
入し、同時に高周波エネルギーを処理室内に投入してエ
ッチャントガスを励起、分解して処理室内にプラズマを
発生させ、これにより処理室内に配された被処理基体の
表面をエッチングする。
【0004】こうした誘導結合プラズマ処理装置の高速
化のために、ヘリコン波プラズマ処理装置など、磁場を
有する誘導結合プラズマ処理装置が検討されてきてい
る。ヘリコン波とは、誘導結合による高周波導入手段と
高周波導入手段の中心軸に平行な定常磁界発生手段とを
有する有磁場誘導結合プラズマ処理装置において、定常
磁界の磁束密度が電子サイクロトロン共鳴が生起する磁
束密度(13.56MHzの場合、約0.48mT)以
上であり、かつ磁力線の回りを廻る電子のラーマ周波数
が電子の衝突周波数以上であるという条件を満たす場合
に有効に発生する高周波の周波数、磁束密度、筒状管の
内径などで決定される波長をもつ、右廻り円偏波のこと
である。円偏波の位相速度と電子の熱速度とが近い場合
にランダウ減衰により電子が共鳴的に加速され高密度プ
ラズマが発生する。高密度プラズマの代表であった電子
サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマよりも高密度の
プラズマ発生が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした有磁場誘導結
合プラズマ処理装置の構成については、代表的なものと
して、Plasma Materials Techn
ology(PMT)社のMORIソースをプラズマソ
ースとして用いたものが知られている。MORIソース
を用いたヘリコン波プラズマエッチング装置(アルキャ
ンテック社製Apex7000)の構成を図7に示す。
図7において、1101はプラズマ発生室、1102は
エッチング用ガスをプラズマ発生室1101に導入する
エッチング用ガス導入管、1103は高周波電源であ
る。1105はプラズマ発生室1101を構成する石英
管であり、1104は高周波エネルギーをプラズマ発生
室1101内に導入するためのヘリカルアンテナであ
る。該ヘリカルアンテナ1104の中心軸はプラズマ発
生室1101の中心軸と実質的に平行に配されている。
1106はプラズマ発生室1101内に定常磁界を発生
するコイル、1111はプラズマ発生室に連結したエッ
チング室、1112は被エッチング基板、1113は基
板1112を載置する支持体、1115はガス排気系、
1116は電子の壁での再結合を抑制するマルチカスプ
磁界を発生する磁石である。高周波電源1103で発生
した高周波は、ヘリカルアンテナ1104内を伝搬する
ことによりプラズマ発生室1101内に誘導電界を生起
し、電子を加速しプラズマが発生する。この際、コイル
1106を介して発生する定常磁界の磁束密度を電子サ
イクロトロン共鳴が生起する磁束密度以上にしておき、
かつ磁力線の回りを廻る電子のラーマ周波数が電子の衝
突周波数以上であるという条件を満たすと右回り円偏波
が有効に発生し、円偏波の位相速度に近い熱速度をもつ
電子が共鳴的に加速されプラズマ発生室1101内に高
密度プラズマが発生する。エッチング用ガス導入管11
02を介してエッチング室1111内に導入されたエッ
チング用ガスは発生した高密度プラズマにより励起さ
れ、支持体1113上に載置された被エッチング基板1
112の表面をエッチングする。
【0006】しかしながら、図11に示した有磁場誘導
結合プラズマ処理装置においては、ヘリカルアンテナ1
104の中心軸及び磁界発生コイル1106の中心軸が
プラズマ発生室1101の中心軸と実質的に平行に配さ
れていることから、プラズマ発生室の径は制限されたも
のとなってしまう。これに加えて、高密度プラズマ領域
は、ヘリカルアンテナ1104の中心軸近傍、即ち、プ
ラズマ発生室の中心に強く局在するので、拡散によりプ
ラズマを広げようとしても不十分となり、大口径基板の
均一処理は難しいというのが実状である。
【0007】本発明の主たる目的は、上述した従来の有
磁場誘導結合プラズマ処理装置における問題を解決し、
広範囲にわたって均一な高密度プラズマを発生させ、大
面積基板の均一かつ高速なプラズマ処理を可能にするプ
ラズマ処理装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、所望の絶縁体膜や半
導体膜を均一にして効率的に形成することを可能にする
改善されたプラズマ処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、従
来の有磁場誘導結合プラズマ処理装置における上述した
問題点を解決し、上記目的を達成すべく鋭意努力した結
果、概要、高周波導入手段及び磁界発生手段をこれらの
中心軸が柱状プラズマ発生室の中心軸に実質的に垂直に
なるように配することにより、さらに複数の高周波導入
手段及び磁界発生手段を配置することにより、プラズマ
発生室内に均一かつ高密度なプラズマを発生させること
ができるという知見を得た。
【0010】本発明は、該知見に基づいてなされたもの
で、下述する構成のものである。
【0011】即ち、本発明の有磁場誘導結合プラズマ処
理装置は、減圧可能な柱状真空容器と、該真空容器内に
配される被処理基体を支持するための支持手段と、前記
真空容器の外部に設けられた1対以上のアンテナを用い
て誘導結合方式により前記真空容器内に高周波エネルギ
ーを導入する高周波エネルギー導入手段と、前記真空容
器の外部に設けられた該真空容器内に定常磁界を発生さ
せる磁界発生手段と、前記真空容器内に処理用ガスを導
入するガス導入手段とを備えた有磁場誘導結合プラズマ
処理装置であって、前記アンテナの中心軸及び前記磁界
発生手段の中心軸を、前記真空容器の中心軸に実質的に
垂直に配したことを特徴とするものである。
【0012】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
は、従来の有磁場誘導結合プラズマ処理装置における上
述した問題点を解決し、顕著な効果をもたらす。即ち、
上述した有磁場誘導結合プラズマ処理装置によれば、ア
ンテナの中心軸及び磁界発生手段の中心軸を真空容器の
中心軸に実質的に垂直に配したことにより、プラズマ発
生のための自由度が増し真空容器の径の制限が緩和され
る。これにより、均一にして高密度なプラズマを広い範
囲にわたって形成可能となる。このような効果は、高周
波エネルギー導入手段と、磁界発生手段と、をそれぞれ
複数対設けた場合に顕著なものとなる。本発明の装置に
よれば、均一にして高密度なプラズマを広範囲に形成で
きるため効率的な基体の処理や堆積膜の形成を行うこと
ができる。
【0013】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
の一例を図1に示す。図1において101はプラズマ発
生室、102はプラズマ発生用ガス導入手段、103は
高周波電源である。105はプラズマ発生室101を形
成する石英管であり、104は高周波エネルギーをプラ
ズマ発生室101内に導入するための1対のアンテナで
ある。該1対のアンテナ104の中心軸は石英管105
の中心軸に実質的に垂直に配されている。106は石英
管105の中心軸に実質的に垂直で、アンテナ104の
中心軸に平行な磁界を発生するコイルなどで構成される
磁界発生手段である。111はプラズマ発生室に連通す
るプラズマ処理室、112は被処理基板、113は基板
112の支持体、114は処理用ガス導入手段、115
は排気系である。
【0014】図1に示したプラズマ処理装置を用いた基
体の処理は、例えば以下のようにして行われる。排気系
115を介してプラズマ発生室101内を真空排気す
る。続いてプラズマ発生用のガスをガス導入口102を
介して所定の流量でプラズマ発生室101内に導入す
る。排気系115に設けられたコンダクタンスバルブ
(不図示)を調整し、プラズマ発生室101内を所定の
圧力に保持する。磁界発生手段106を用いてプラズマ
発生室101内に磁界を発生させた後、高周波電源10
3より所望の電力をアンテナ104を介してプラズマ発
生室101内に供給する。これによりプラズマ発生室1
01内に生じた円偏波の位相速度に近い熱速度をもつ電
子が共鳴的に加速され、プラズマ発生室101内に高密
度プラズマが発生する。この時、処理用ガス導入管11
4を介して処理用ガスを処理室111内に導入しておく
と処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起さ
れ、支持体113上に載置された被処理基板112の表
面がプラズマ処理される。この際用途に応じて、プラズ
マ発生用ガス導入口102にプラズマ処理用ガスを導入
することができる。
【0015】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
の使用においては、用いられる高周波の周波数は、1
3.56MHz以外でも、100kHz乃至300MH
xの範囲から適宜選択することができる。
【0016】本発明において用いられるアンテナの形状
は、コイル状のものでも、ループ状でも他の形状でもプ
ラズマ発生室内に誘導結合による高周波電界を生起でき
るものなら使用可能である。アンテナの構成材料につい
ては、銅にNiコートしたものでも、Cu、Al、F
e、Niなどの金属や合金、各種ガラス、石英、窒化シ
リコン、アルミナ、アクリル、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニル、ポリイミドなどの絶縁体にAl、Ni、
W、Mo、Ti、Ta、Cu、Agなどの金属薄膜をコ
ーティングしたものなど、機械的強度が充分で表面が高
周波の浸透厚以上の厚さの導電層で覆われているものな
らいずれも使用可能である。また本発明に用いられるア
ンテナの数は、多ければ周方向の均一性が向上し、少な
ければ径方向の均一性が向上するので、使用するプラズ
マ発生室の大きさに応じて最適なものを選択すれば良い
が、通常φ100mmからφ500mm程度のプラズマ
発生室を用いる場合には、2個から8個が適当である。
【0017】また複数のアンテナに導入する高周波の位
相をアンテナの数をnとすると隣のアンテナを介して導
入される高周波の位相に対して2π/nずつ位相されて
もよい。こうした場合、円偏波により電子が加速される
方向が回転し、電子の壁での再結合による消失が抑制さ
れより高密度なプラズマが発生する。
【0018】磁界発生手段としてはアンテナの中心軸に
平行、即ち石英管の中心軸に垂直な磁界を発生できるも
のなら、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能であ
る。コイルの過熱防止のため水冷機構や空冷など他の冷
却手段を用いてもよい。
【0019】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
におけるプラズマ処理室内もしくはプラズマ発生室内及
び処理室内の圧力は好ましくは0.1mTorr乃至1
0mTorrの範囲から選択することができる。
【0020】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
により堆積膜を基体上に形成する際の基体温度は、使用
する成膜用原料ガスの種類や堆積膜の種類、及び用途に
より多少異なるが、一般的には、好ましくは50乃至6
00℃の範囲、最適には100乃至400℃の範囲であ
る。
【0021】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
による堆積膜の形成は、使用するガスを適宜選択するこ
とによりSi34、SiO2、Ta25、TiO2、Ti
N、Al23、AlN、MgF2などの絶縁膜、a−S
i、poly−Si、SiC、GaAsなどの半導体
膜、Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属膜等、各種
の堆積膜を効率よく形成することが可能である。
【0022】また本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理
装置は表面改質にも適用できる。その場合、使用するガ
スを適宜選択することにより例えば基体もしくは表面層
としてSi、Al、Ti、Zn、Taなどを使用してこ
れら基体もしくは表面層の酸化処理あるいは窒化処理さ
らにはB、As、Pなどのドーピング処理等が可能であ
る。更に本発明において採用するプラズマ処理技術はク
リーニング方法にも適用できる。その場合酸化物あるい
は有機物や重金属などのクリーニングに使用することも
できる。
【0023】本発明の有磁場誘導結合プラズマ処理装置
により機能性堆積膜を形成する基体は、半導体であって
も、導電性のものであっても、あるいは電気絶縁性のも
のであってもよい。また、これらの基体には、緻密性、
密着性、段差被覆性などの性能の改善のため、−500
Vから+200Vの直流バイアスもしくは周波数40H
zから300MHzの交流バイアスを印加してもよい。
【0024】導電性基体としては、Fe、Ni、Cr、
Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb
などの金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレ
ス鋼などが挙げられる。
【0025】絶縁性基体としては、SiO2系の石英や
各種ガラス、Si34、NaCl、KCl、LiF、C
aF2、BaF2、Al23、AlN、MgOなどの無機
物の他、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなどが
挙げられる。
【0026】堆積膜形成用ガスとしては、一般に公知の
ガスが使用できる。
【0027】プラズマの作用で容易に分解され単独でも
堆積し得るガスは、化学量論的組成の達成やプラズマ発
生室内の膜付着防止のため処理室内の処理用ガス導入手
段などを介して処理室内へ導入することが望ましい。ま
た、プラズマの作用で容易に分解されにくく単独では堆
積し難いガスは、プラズマ発生室内のプラズマ発生用ガ
ス導入口を介してプラズマ発生室内へ導入することが望
ましい。
【0028】a−Si、poly−Si、SiCなどの
Si系半導体薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段
を介して導入するSi原子を含有する原料としては、S
iH4、Si26などの無機シラン類、テトラエチルシ
ラン(TES)、テトラメチルシラン(TMS)、ジメ
チルシラン(DMS)などの有機シラン類、SiF4
Si26、SiHF3、SiH22、SiCl4、Si2
Cl6、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Cl、S
iCl22などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態
であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられ
る。また、この場合のプラズマ発生用ガス導入口を介し
て導入するプラズマ発生用ガスとしては、H2、He、
Ne、Ar、Kr、Xe、Rnが挙げられる。
【0029】Si34、SiO2などのSi化合物系薄
膜を形成する場合の処理用ガス導入手段を介して導入す
るSi原子を含有する原料としては、SiH4、Si2
6などの無機シラン類、テトラエトキシシラン(TEO
S)、テトラメトキシシラン(TMOS)、オクタメチ
ルシクロテトラシラン(OMCTS)などの有機シラン
類、SiF4、Si26、SiHF3、SiH22、Si
Cl4、Si2Cl6、SiHCl3、SiH2Cl2、Si
3Cl、SiCl22などのハロシラン類等、常温常
圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るもの
が挙げられる。また、この場合のプラズマ発生用ガス導
入口を介して導入する原料としては、N2、NH3、N2
4、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、O2
3、H2O、NO、N2O、NO2などが挙げられる。
【0030】Al、W、Mo、Ti、Taなどの金属薄
膜を形成する場合の処理用ガス導入手段を介して導入す
る金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミ
ニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEA
l)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジ
メチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タン
グステンカルボニル(W(CO)6)、モリブデンカル
ボニル(Mo(CO)6)、トリメチルガリウム(TM
Ga)、トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金
属、AlCl3、WF6、TiCl3、TaCl5などのハ
ロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合のプラズ
マ発生用ガス導入口を介して導入するプラズマ発生用ガ
スとしては、H2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、R
nが挙げられる。
【0031】Al23、AlN、Ta25、TiO2
TiN、WO3などの金属化合物薄膜を形成する場合の
処理用ガス導入手段を介して導入する金属原子を含有す
る原料としては、トリメチルアルミニウム(TMA
l)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソ
ブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニ
ウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボ
ニル(W(CO)6)、モリブデンカルボニル(Mo
(CO)6)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリ
エチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl
3、WF6、TiCl3、TaCl5などのハロゲン化金属
等が挙げられる。また、この場合のプラズマ発生用ガス
導入口を介して導入する原料ガスとしては、O2、O3
2O、NO、N2O、NO2、N2、NH3、N24、ヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0032】基体を酸化表面処理する場合のプラズマ発
生用ガス導入口を介して導入する酸化性ガスとしては、
2、O3、H2O、NO、N2O、NO2などが挙げられ
る。また、基体を窒化表面処理する場合のプラズマ発生
用ガス導入口を介して導入する窒化性ガスとしては、N
2、NH3、N24、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)などが挙げられる。この場合成膜しないので、処理
用ガス導入手段を介して原料ガスは導入しない、もしく
はプラズマ発生用ガス導入口を介して導入するガスと同
様のガスを導入する。
【0033】基体表面の有機物をクリーニングする場合
のプラズマ発生用ガス導入口から導入するクリーニング
用ガスとしては、O2、O3、H2O、NO、N2O、NO
2などが挙げられる。また、基板表面の無機物をクリー
ニングする場合のプラズマ発生用ガス導入口から導入す
るクリーニング用ガスとしては、F2、CF4、CH
22、C26、CF2Cl2、SF6、NF3などが挙げら
れる。この場合成膜しないので、処理用ガス導入手段を
介して原料ガスは導入しない、もしくはプラズマ発生用
ガス導入口を介して導入するガスと同様のガスを導入す
る。
【0034】以下装置例を挙げて本発明の有磁場誘導結
合プラズマ処理装置をより具体的に説明するが、本発明
はこれら装置例に限定されるものではない。
【0035】装置例1 2極型有磁場誘導結合プラズマ処理装置の一例を図1を
用いて説明する。101はプラズマ発生室、102はプ
ラズマ発生用ガス導入手段、103は高周波電源、10
4は高周波をプラズマ発生室101に導入するためのル
ープアンテナ、105はプラズマ発生室101を形成す
る石英管、106はプラズマ発生室101内にループア
ンテナ104の中心軸に平行な磁界を発生するコイル、
111はプラズマ発生室に連結したプラズマ処理室、1
12は被処理基板、113は基板112の支持体、11
4は処理用ガス導入手段、115は排気系である。
【0036】ループアンテナ104は、直径108mm
のものを2個用いており、対をなしている。ループアン
テナ104の材質は、直径6mmの銅パイプにNiコー
ティングを施したものを用いた。また、過熱によるアン
テナの酸化を防止するためアンテナ内部には冷水が流せ
るようになっている。2個のループアンテナは石英管を
挟んで反対側に設置し、高周波の伝搬方向が互いに同回
転方向になるように高周波を導入した。
【0037】磁界発生手段であるコイル106は内径2
4mm、長さ60mmの水冷付きステンレス製円筒状ボ
ビンに直径1.5mmの被覆銅線を240回巻き付けワ
ックスで固めたものを2個用いた。2個のコイルはその
中心軸が2個のループアンテナの中心軸と一致するよう
に配置し、ミラー磁場を形成するようにした。
【0038】図1に示した有磁場誘導結合プラズマ処理
装置を使用して、N2流量60sccm、圧力1.2m
Torr、中心磁束密度54mT、高周波パワー2.4
kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの
電子密度の均一性を評価した。電子密度の均一性の評価
は、プローブ法により以下のようにして行った。プロー
ブに印加する電圧を−50から+50Vの範囲で変化さ
せ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定
し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法によ
り電子密度を算出した。電子密度の測定をプラズマ発生
室中央断面内の19点で行い、その最大値/最小値のば
らつきで均一性を評価した。その結果、電子密度はφ2
00面内で4.2×1012/cm3±9.6%であり、
高密度かつほぼ均一なプラズマが形成されていることが
確認された。
【0039】装置例2 6極型有磁場誘導結合プラズマ処理装置の一例を図2に
示す。201はプラズマ発生室、202はプラズマ発生
用ガス導入手段、203は高周波電源、204は高周波
をプラズマ発生室201に導入するためのループアンテ
ナ、205はプラズマ発生室201を形成する石英管、
206はプラズマ発生室201内に磁界を発生するコイ
ル、211はプラズマ発生室に連結したプラズマ処理
室、212は被処理基板、213は基板212の支持
体、214は処理用ガス導入手段、215は排気系であ
る。
【0040】ループアンテナ204は、装置例1で使用
したものと同じものを6個用いた。6個のループアンテ
ナは隣同士のアンテナの中心軸のなす角度が60°にな
るように設置し、高周波の伝搬方向が一つ置きに同回転
方向になるように高周波を導入した。
【0041】コイルは、装置例1で使用したものと同じ
ものを6個用いた。6個のコイルはその中心軸が6個の
ループアンテナの中心軸と一致するように配置し、極性
が一つ置きに内側を向くようにした。
【0042】図2に示した誘導結合プラズマ処理装置を
使用して、N2流量60sccm、圧力1.2mTor
r、最大磁束密度60mT、高周波パワー2.4kWの
条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの電子密
度の均一性を評価した。その結果、電子密度はφ200
面内で3.6×1012/cm3±4.8%であり、高密
度かつ均一なプラズマが形成されていることが確認され
た。
【0043】装置例3 4極移相型有磁場誘導結合プラズマ処理装置の一例を図
3に示す。301はプラズマ発生室、302はプラズマ
発生用ガス導入手段、303は高周波電源、304は高
周波をプラズマ発生室301に導入するためのループア
ンテナ、305はプラズマ発生室301を形成する石英
管、306はプラズマ発生室301内に磁界を発生する
コイル、311はプラズマ発生室に連結したプラズマ処
理室、312は被処理基板、313は基板312の支持
体、314は処理用ガス導入手段、315は排気系であ
る。
【0044】ループアンテナ304は、装置例1で使用
したものと同じものを4個用いた。4個のループアンテ
ナは隣同士のアンテナの中心軸のなす角度が90°にな
るように設置し、隣のアンテナに導入される高周波の位
相がπ/2ずつ移相するように高周波を導入した。
【0045】コイルは、装置例1で使用したものと同じ
ものを4個用いた。4個のコイルはその中心軸が4個の
ループアンテナの中心軸と一致するように配置し、極性
が内側を向くようにした。
【0046】図3に示した誘導結合プラズマ処理装置を
使用して、N2流量60sccm、圧力1.2mTor
r、最大磁束密度60mT、高周波パワー2.4kWの
条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの電子密
度の均一性を評価した。その結果、電子密度はφ200
面内で4.8×1012/cm3±6.0%であり、高密
度かつ均一なプラズマが形成されていることが確認され
た。
【0047】装置例4 有磁場誘導結合隔離プラズマCVD装置の一例を図4に
示す。本装置例は、装置例2で示した装置にプラズマ発
生室とプラズマ処理室とを分離する多孔分離板を設けた
もので、他の構成は装置例2と同様である。401はプ
ラズマ発生室、402はプラズマ発生用ガス導入手段、
403は高周波電源、404は高周波をプラズマ発生室
401に導入するためのループアンテナ、405はプラ
ズマ発生室401を形成する石英管、406はプラズマ
発生室401内に磁界を発生するコイル、411はプラ
ズマ発生室に連結したプラズマ処理室、412は被処理
基板、413は基板412の支持体、414は処理用ガ
ス導入手段、415は排気系、416はプラズマ発生室
401とプラズマ処理室411とを分離する多孔分離板
である。
【0048】装置例5 光アシスト有磁場誘導結合プラズマCVD装置の一例を
図5に示す。本装置例は、装置例2で示した装置に基体
表面に可視紫外光を照射する光照射手段を設けたもの
で、他の構成は装置例2と同様である。501はプラズ
マ発生室、502はプラズマ発生用ガス導入手段、50
3は高周波電源、504は高周波をプラズマ発生室50
1に導入するためのループアンテナ、505はプラズマ
発生室501を形成する石英管、506はプラズマ発生
室501内に磁界を発生するコイル、511はプラズマ
発生室に連結したプラズマ処理室、512は被処理基
板、513は基板512の支持体、514は処理用ガス
導入手段、515は排気系、521は基体512の表面
に可視紫外光を照射するための照明系、525は照明系
521からの可視紫外光をプラズマ発生室501を通し
て処理室511へ導入する光導入窓である。ここで照明
系521は、光源522と、光源522からの光を集光
するリフレクトミラー523と、光をミキシングし均一
化するインテグレータ524とで構成されている。本装
置においては、照明系521からの可視紫外光を光導入
窓525を通して基体512表面に照射すると共に基体
512を所望の温度に保持するようになっている。
【0049】照明系521の光源522としては、低圧
水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセ
ノン−水銀ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、A
r共鳴線ランプ、Kr共鳴線ランプ、Xe共鳴線ラン
プ、エキシマレーザ、Ar+レーザ2倍高調波、N2レー
ザ、YAGレーザ3倍高調波など基体表面に付着した前
駆体に吸収される波長を有する光源ならいずれのものも
使用可能である。
【0050】装置例6 バイアス有磁場誘導結合プラズマ処理装置の一例を図6
に示す。601はプラズマ発生室、602はプラズマ発
生用ガス導入手段、603は高周波電源、604は高周
波603をプラズマ発生室601に導入するためのルー
プアンテナ、605はプラズマ発生室601を形成する
石英管、606はプラズマ発生室601内に磁界を発生
するコイル、611はプラズマ発生室に連結したプラズ
マ処理室、612は被処理基板、613は基板612の
支持体、614は処理用ガス導入手段、615は排気
系、617は支持体613に高周波バイアスを印加する
高周波ロッド、618は支持体613をアース電位から
絶縁する絶縁ロッドである。
【0051】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明の有磁場誘導結合
プラズマ処理装置をより具体的に説明するが、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。
【0052】実施例1 図1に示したプラズマ処理装置を有磁場誘導結合プラズ
マCVD装置として使用し、半導体素子保護用窒化シリ
コン膜の形成を行った。
【0053】基体112として、p型単結晶シリコン基
板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用し
た。まず、シリコン基板112を基体支持台113上に
設置した後、排気系115を介してプラズマ発生室10
1及び処理室111内を真空排気し、10-6Torrの
値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、
シリコン基板112を300℃まで加熱し、該基板をこ
の温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口102を
介して窒素ガスを500sccmの流量でプラズマ発生
室101内に導入した。同時に、処理用ガス導入手段1
14を介してモノシランガスを100sccmの流量で
処理室111内に導入した。ついで、排気系115に設
けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処
理室111内を3mTorrに保持した。2.45GH
zの高周波電源より500Wの電力をアンテナ104を
介してプラズマ発生室101内に供給した。かくして、
プラズマ発生室101内にプラズマを発生させた。この
際、プラズマ発生用ガス導入口102を介して導入され
た窒素ガスはプラズマ発生室101内で励起、分解され
て活性種となり、シリコン基板112の方向に輸送さ
れ、処理用ガス導入手段114を介して導入されたモノ
シランガスと反応し、窒化シリコン膜がシリコン基板1
12上に1.0μmの厚さで形成した。成膜後、成膜速
度、応力などの膜質について評価した。応力は成膜前後
の基板の反り量の変化をレーザ干渉計Zygo(商品
名)で測定し求めた。
【0054】得られた窒化シリコン膜の成膜速度は、4
80nm/minと極めて大きく、膜質も応力1×10
9dyn/cm2、リーク電流1×10-10A/cm2、絶
縁耐圧8MV/cmの極めて良質な膜であることが確認
された。
【0055】実施例2 図2に示したプラズマ処理装置を有磁場誘導結合プラズ
マCVD装置として使用し、光磁気ディスク保護用窒化
シリコン膜の形成を行った。
【0056】基体212として、ポリカーボネート(P
C)基板(φ3.5インチ)を使用した。PC基板21
2を基体支持台213上に設置した後、排気系215を
介してプラズマ発生室201及び処理室211内を真空
排気し、10-6Torrの値まで減圧させた。プラズマ
発生用ガス導入口202を介して窒素ガスを200sc
cmの流量でプラズマ発生室201内に導入した。同時
に、処理用ガス導入手段214を介してモノシランガス
を200sccmの流量で処理室211内に導入した。
排気系215に設けられたコンダクタンスバルブ(不図
示)を調整し、処理室211内を5mTorrに保持し
た。13.56MHzの高周波電源により1kWの電力
をアンテナ204を介してプラズマ発生室201内に供
給した。かくして、プラズマ発生室201内にプラズマ
を発生させた。この際、プラズマ発生用ガス導入口20
2を介して導入された窒素ガスはプラズマ発生室201
内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板21
2の方向に輸送され、処理用ガス導入手段214を介し
て導入されたモノシランガスと反応し、窒化シリコン膜
がシリコン基板212上に100nmの厚さで形成し
た。成膜後、成膜速度、屈折率などの膜質について評価
した。
【0057】得られた窒化シリコン膜の成膜速度は、6
00nm/minと極めて大きく、膜質も屈折率2.
2、応力1.8×109dyn/cm2の極めて良質な膜
であることが確認された。
【0058】実施例3 図3に示したプラズマ処理装置を表面改質装置として使
用し、シリコン基板表面を酸化し、半導体素子ゲート絶
縁用酸化シリコン膜の形成を行った。
【0059】基体312として、p型単結晶シリコン基
板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用し
た。シリコン基板312を基体支持台313上に設置し
た後、排気系315を介してプラズマ発生室301及び
処理室311内を真空排気し、10-6Torrの値まで
減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、シリコ
ン基板312を500℃に加熱し、該シリコン基板をこ
の温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口302を
介して酸素ガスを500sccmの流量でプラズマ発生
室301内に導入した。次に排気系315に設けられた
コンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室31
1内を1mTorrに保持した。ついで13.56MH
zの高周波電源より1000Wの電力をアンテナ304
を介してプラズマ発生室301内に供給した。かくし
て、プラズマ発生室301内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ発生用ガス導入口302を介して導入
された酸素ガスはプラズマ発生室301内で励起、分解
されて酸素原子などの活性種となり、シリコン基板31
2の方向に輸送されシリコン基板312表面と反応し、
50nm厚の酸化シリコン膜がシリコン基板312上に
形成された。酸化後、酸化速度、リーク電流、及び絶縁
耐圧について評価した。リーク電流は、堆積膜上にAl
電極を形成し、Al電極とSi基板間に直流電圧を印加
することで堆積膜に5MV/cmの電界をかけ、この状
態で流れる電流を測定して求めた。また絶縁耐圧は、リ
ーク電流が1×10-6A/cm2以上流れる流れるとき
の電界により評価した。
【0060】得られた酸化シリコン膜の酸化速度と均一
性は1.3nm/min±2.4%と良好で、膜質もリ
ーク電流2×10-11A/cm2、絶縁耐圧11MV/c
mであって、極めて良質な膜であることが確認された。
【0061】実施例4 図4に示したプラズマ処理装置を誘導結合プラズマCV
D装置として使用し、半導体素子層間絶縁用酸化シリコ
ン膜の形成を行った。
【0062】基体412として、p型単結晶シリコン基
板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用し
た。シリコン基板412を基体支持台413上に設置し
た後、排気系415を介してプラズマ発生室401及び
処理室411内を真空排気し、10-66Torrの値ま
で減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、シリ
コン基板412を300℃に加熱し、該基板をこの温度
に保持した。プラズマ発生用ガス導入口402を介して
酸素ガスを1000sccmの流量でプラズマ発生室4
11内に導入した。同時に、処理用ガス導入手段414
からテトラエトキシシラン(TEOS)ガスを200s
ccmの流量で処理室411内に導入した。排気系41
5に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整
し、プラズマ発生室401内を0.1Torr、処理室
411内を0.03Torrに保持した。13.56M
Hzの高周波電源より1500Wの電力をアンテナ40
4を介してプラズマ発生室401内に供給した。かくし
て、プラズマ発生室401内にプラズマを発生させた。
プラズマ発生用ガス導入口402を介して導入された酸
素ガスはプラズマ発生室401内で励起、分解されて活
性種となり、シリコン基板412の方向に輸送され、処
理用ガス導入手段414を介して導入されたテトラエト
キシシランガスと反応し、酸化シリコン膜がシリコン基
板412上に1.0μmの厚さで形成された。成膜後、
成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及び段差被覆性について
評価した。段差被覆性は、ラインアンドスペース0.5
μmのラインパターンに形成されたAl段差上に成膜し
た酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観測し、段差上の膜厚に対する段差側壁上の膜厚の比
(カバーファクタ)を求め評価した。
【0063】得られた酸化シリコン膜の成膜速度と均一
性は220nm/min±3.1%と良好で、膜質も絶
縁耐圧9MV/cm、カバーファクタ0.9であって良
質な膜であることが確認された。
【0064】実施例5 図5に示したプラズマ処理装置を光アシスト誘導結合プ
ラズマCVD装置として使用し、半導体素子ゲート絶縁
用酸化シリコン膜の形成を行った。
【0065】基体512として、p型単結晶シリコン基
板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用し
た。シリコン基板512を基体支持台513上に設置し
た後、排気系515を介してプラズマ発生室501及び
処理室511内を真空排気し、10-6Torrの値まで
減圧させた。照明系521の超高圧水銀ランプを点灯し
てシリコン基板512表面における光照度が0.6W/
cm2となるように光をシリコン基板512の表面に照
射した。ヒータ(不図示)に通電し、シリコン基板51
2を300℃に加熱し、該シリコン基板をこの温度に保
持した。プラズマ発生用ガス導入口502を介して酸素
ガスを500sccmの流量でプラズマ発生室501内
に導入した。同時に、処理用ガス導入手段514を介し
てモノシランガスを50sccmの流量で処理室511
内に導入した。
【0066】排気系515に設けられたコンダクタンス
バルブ(不図示)を調整し、プラズマ発生室501内を
0.1Torrに、処理室511内を0.05Torr
に保持した。13.56MHzの高周波電源より500
Wの電力をアンテナ504を介してプラズマ発生室50
1内に供給した。かくして、プラズマ発生室501内に
プラズマを発生させた。この際、プラズマ発生用ガス導
入口502を介して導入された酸素ガスは、プラズマ発
生室501内で励起、分解されて酸素原子などの活性種
となり、シリコン基板512の方向に輸送され、処理用
ガス導入手段514を介して導入されたモノシランガス
と反応し、酸化シリコン膜がシリコン基板512上に
0.1μmの厚さで形成された。成膜後、成膜速度、均
一性、リーク電流、絶縁耐圧、及び界面準位密度につい
て評価した。界面準位密度は容量測定器により得られた
1MHzRF印加の場合のC−V曲線より求めた。
【0067】得られた酸化シリコン膜の成膜速度と均一
性は120nm/min±2.6%と良好で、膜質も、
リーク電流4×10-11A/cm2、絶縁耐圧10MV/
cm、界面準位密度5×1010cm-2であって、極めて
良質な膜であることが確認された。
【0068】実施例6 図6に示したプラズマ処理装置をバイアス誘導結合プラ
ズマCVD装置として使用し、光学素子反射防止用酸化
シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行った。
【0069】基体612として、BK7ガラス基板を使
用した。ガラス基板612を基体支持台613上に設置
した後、排気系615を介してプラズマ発生室601及
び処理室611内を真空排気し、10-6Torrの値ま
で減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、ガラ
ス基板612を300℃に加熱し、該シリコン基板をこ
の温度に保持した。プラズマ発生用ガス導入口602を
介して窒素ガスを200sccmの流量でプラズマ発生
室601内に導入した。同時に、処理用ガス導入手段6
14を介してモノシランガスを30sccmの流量で処
理室611内に導入した。排気系615に設けられたコ
ンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室611
内を1mTorrに保持した。13.56MHzの高周
波電源より600Wの電力をアンテナ604を介してプ
ラズマ発生室601内に供給した。かくして、プラズマ
発生室601内にプラズマを発生させた。この際、プラ
ズマ発生用ガス導入口602を介して導入された窒素ガ
スは、プラズマ発生室601内で励起、分解されて窒素
原子などの活性種となり、ガラス基板612の方向に輸
送され、処理用ガス導入手段614を介して導入された
モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がガラス基板
612上に61nmの厚さで形成された。
【0070】次に、プラズマ発生用ガス導入口602を
介して酸素ガスを200sccmの流量でプラズマ発生
室601内に導入した。同時に、処理用ガス導入手段6
14を介してモノシランガスを30sccmの流量で処
理室611内に導入した。排気系615に設けられたコ
ンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室611
内を1mTorrに保持した。ついで、13.56MH
zの高周波電源より500Wの電力をアンテナ604を
介してプラズマ発生室601内に供給した。かくして、
プラズマ発生室601内にプラズマを発生させた。この
際、プラズマ発生用ガス導入口602を介して導入され
た酸素ガスは、プラズマ発生室601内で励起、分解さ
れて酸素原子などの活性種となり、ガラス基板612の
方向に輸送され、処理用ガス導入手段614を介して導
入されたモノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がガ
ラス基板612上に86nmの厚さで形成された。成膜
後、成膜速度、反射特性について評価した。
【0071】得られた酸化シリコン膜の成膜速度は12
0nm/minと良好で、膜質も、500nm付近の反
射率が0.3%と極めて良好な光学特性であることが確
認された。
【0072】
【発明の効果】上述した実施例から明確に理解されるよ
うに、本発明のプラズマ処理装置によればアンテナの中
心軸及び磁界発生手段の中心軸を真空容器の中心軸に実
質的に垂直に配したことにより、プラズマ発生のための
自由度が増し真空容器の径の制限が緩和される。これに
より、均一にして高密度なプラズマを広い範囲にわたっ
て形成可能となる。
【0073】本発明の装置によれば、均一にして高密度
なプラズマを広範囲に形成できるため効率的な基体の処
理や堆積膜の形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2極型有磁場誘導結合プラズマ処理装
置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の6極型有磁場誘導結合プラズマ処理装
置の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の4極移相型有磁場誘導結合プラズマ処
理装置の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の有磁場誘導結合隔離プラズマ処理装置
の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の光アシスト有磁場誘導結合プラズマ処
理装置の一例を示す模式図である。
【図6】本発明のバイアス有磁場誘導結合プラズマ処理
装置の一例を示す模式図である。
【図7】従来例であるヘリコン波プラズマ処理装置の模
式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧可能な柱状真空容器と、該真空容器
    内に配される被処理基体を支持するための支持手段と、
    前記真空容器の外部に設けられた1対以上のアンテナを
    用いて誘導結合方式により前記真空容器内に高周波エネ
    ルギーを導入する高周波エネルギー導入手段と、前記真
    空容器の外部に設けられた該真空容器内に定常磁界を発
    生させる磁界発生手段と、前記真空容器内に処理用ガス
    を導入するガス導入手段とを備えた有磁場誘導結合プラ
    ズマ処理装置であって、前記アンテナの中心軸及び前記
    磁界発生手段の中心軸を、前記真空容器の中心軸に実質
    的に垂直に配したことを特徴とする有磁場誘導結合プラ
    ズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波導入手段と前記磁界発生手段
    とが等しく複数個配されている請求項1に記載の有磁場
    誘導結合プラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記各高周波導入手段を介して導入する
    高周波の位相が、該高周波導入手段の数をnとすると隣
    の該高周波導入手段を介して導入される高周波の位相に
    対して2π/nずつ移相されている請求項2に記載の有
    磁場誘導結合プラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記真空容器内のプラズマ発生領域とは
    離隔した位置に基体支持体が配された請求項1に記載の
    有磁場誘導結合プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記真空容器内のプラズマ発生領域と基
    体支持体との間に差圧発生手段が設けられた請求項4に
    記載の有磁場誘導結合プラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 被処理基体表面に可視紫外光を照射する
    手段を設けた請求項1に記載の有磁場誘導結合プラズマ
    処理装置。
  7. 【請求項7】 前記基体支持手段にバイアスを印加する
    手段を設けた請求項1に記載の有磁場誘導結合プラズマ
    処理装置。
  8. 【請求項8】 前記差圧発生手段は多孔板で構成される
    請求項5に記載のプラズマ処理装置。
JP5309300A 1993-12-09 1993-12-09 有磁場誘導結合プラズマ処理装置 Pending JPH07161489A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5309300A JPH07161489A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 有磁場誘導結合プラズマ処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5309300A JPH07161489A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 有磁場誘導結合プラズマ処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07161489A true JPH07161489A (ja) 1995-06-23

Family

ID=17991350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5309300A Pending JPH07161489A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 有磁場誘導結合プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07161489A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100418261B1 (ko) * 2001-08-11 2004-02-11 주식회사 셈테크놀러지 시편의 양면 처리가 가능한 플라즈마 가공장치
JP2006093427A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体製造装置
JP2006524422A (ja) * 2003-04-17 2006-10-26 プラズマ コントロール システムズ,エルエルシー プラズマ発生装置、方法、および調整可能デューティサイクルを有するrf駆動回路
JP2009038251A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 化合物半導体光デバイスを作製する方法
JP2010163682A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置およびプラズマ生成装置
JP2012111984A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Kojima Press Industry Co Ltd 樹脂基材の表面被膜形成装置
JP2014044961A (ja) * 2009-01-15 2014-03-13 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置
US10262835B2 (en) 2009-01-15 2019-04-16 Hitachi High-Technologies Corporation Plasma processing equipment and plasma generation equipment

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100418261B1 (ko) * 2001-08-11 2004-02-11 주식회사 셈테크놀러지 시편의 양면 처리가 가능한 플라즈마 가공장치
JP2006524422A (ja) * 2003-04-17 2006-10-26 プラズマ コントロール システムズ,エルエルシー プラズマ発生装置、方法、および調整可能デューティサイクルを有するrf駆動回路
JP2006093427A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体製造装置
JP4563760B2 (ja) * 2004-09-24 2010-10-13 株式会社日立国際電気 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法
JP2009038251A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 化合物半導体光デバイスを作製する方法
JP2010163682A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置およびプラズマ生成装置
JP2014044961A (ja) * 2009-01-15 2014-03-13 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置
US10262835B2 (en) 2009-01-15 2019-04-16 Hitachi High-Technologies Corporation Plasma processing equipment and plasma generation equipment
JP2012111984A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Kojima Press Industry Co Ltd 樹脂基材の表面被膜形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050005854A1 (en) Surface wave plasma treatment apparatus using multi-slot antenna
EP0880164B1 (en) Plasma processing apparatus provided with microwave applicator having annular waveguide and processing method
KR100234509B1 (ko) 마이크로파 플라즈마 처리 장치 및 방법
EP0764969B1 (en) Microwave plasma processing apparatus and microwave plasma processing method
US20010048981A1 (en) Method of processing substrate
JPH07161489A (ja) 有磁場誘導結合プラズマ処理装置
JP3907444B2 (ja) プラズマ処理装置及び構造体の製造方法
JP2001308071A (ja) E面分岐を有する導波管を用いたプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP3118121B2 (ja) マイクロ波プラズマcvd装置及び堆積膜形成方法
JP3530788B2 (ja) マイクロ波供給器及びプラズマ処理装置並びに処理方法
JP4298049B2 (ja) 誘電体窓を用いたマイクロ波プラズマ処理装置
JP3295336B2 (ja) マイクロ波プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2001345312A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法並びに構造体の製造方法
JPH07153595A (ja) 有磁場誘導結合プラズマ処理装置
JPH07130494A (ja) マイクロ波プラズマ処理装置
JP4669153B2 (ja) プラズマ処理装置、プラズマ処理方法および素子の製造方法
JPH10158846A (ja) バッチ式マイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法
JP2001043997A (ja) プラズマ処理装置
KR20000029408A (ko) 마이크로파 인가기, 이를 구비한 플라즈마 처리 장치, 및플라즈마 처리 방법
JP2000138171A (ja) 円弧状スロット付無終端環状導波管、及びそれを用いたプラズマ処理装置及び処理方法
JPH11193466A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JPH11167998A (ja) パラボラアンテナを用いたプラズマ処理装置および処理方法
JP4532632B2 (ja) プラズマ処理装置
JP2001250778A (ja) プラズマ処理装置及び処理方法
JP2001115267A (ja) プラズマ処理装置及び処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021015