JP4532632B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ処理装置及び方法に関し、更に詳しくは、大面積の被処理基体を高速且つ均一に高品質処理するために、高密度・低電位且つ均一なプラズマ、特に周方向の均一性を向上させたプラズマを発生できるマイクロ波プラズマ処理を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波をプラズマ生起用の励起源として使用するプラズマ処理装置としては、いわゆるCVD装置、エッチング装置、アッシング装置などが知られている。
【0003】
マイクロ波プラズマCVD装置を使用する被処理基体の成膜処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマCVD装置のプラズマ処理室内に反応ガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入して反応ガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体上に堆積膜を形成する。
【0004】
また、マイクロ波プラズマエッチング装置を使用する被処理基体のエッチング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマエッチング装置のプラズマ処理室内にエッチャントガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してエッチャントガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体の表面をエッチングする。
【0005】
更に、マイクロ波プラズマアッシング装置を使用する被処理基体のアッシング処理は、例えば次のようにして行われる。即ち、マイクロ波プラズマアッシング装置のプラズマ処理室内にアッシングガスを導入し、同時にマイクロ波エネルギーを投入してアッシングガスを励起、分解して、プラズマ処理室内に配された被処理基体の表面をアッシングする。
【0006】
マイクロ波プラズマ処理装置においては、ガスの励起源としてマイクロ波を使用することから、電子を高い周波数をもつ電界により加速でき、ガス分子を効率的に電離、励起させることができる。それ故、マイクロ波プラズマ処理装置については、ガスの電離効率、励起効率及び分解効率が高く、高密度のプラズマを比較的容易に形成し得る、低温で高速に高品質処理できるといった利点を有する。また、マイクロ波が誘電体を透過する性質を有することから、プラズマ処理装置を無電極放電タイプのものとして構成でき、これが故に高清浄なプラズマ処理を行い得るという利点もある。
【0007】
こうしたマイクロ波プラズマ処理装置の更なる高速化のために、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用したプラズマ処理装置も実用化されてきている。ECRは、磁束密度が87.5mTの場合、磁力線の周りを電子が回転する電子サイクロトロン周波数が、マイクロ波の一般的な周波数2.45GHzと一致し、電子がマイクロ波を共鳴的に吸収して加速され、高密度プラズマが発生する現象である。このようなECRプラズマ処理装置においては、マイクロ波導入手段と磁界発生手段との構成について、代表的なものとして次の4つの構成が知られている。
【0008】
即ち、
(1)導波管を介して伝搬されるマイクロ波を被処理基体の対向面から透過窓を介して円筒状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の発散磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(NTT方式)。
(2)導波管を介して伝送されるマイクロ波を被処理基体の対向面から釣鐘状のプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(日立方式)。
(3)円筒状スロットアンテナの一種であるリジターノコイルを介してマイクロ波を周辺からプラズマ発生室に導入し、プラズマ発生室の中心軸と同軸の磁界をプラズマ発生室の周辺に設けられた電磁コイルを介して導入する構成(リジターノ方式)。
(4)導波管を介して伝送されるマイクロ波を被処理基体の対向面から平板状のスロットアンテナを介して円筒状のプラズマ発生室に導入し、アンテナ平面に平行なループ状磁界を平面アンテナの背面に設けられた永久磁石を介して導入する構成(平面スロットアンテナ方式)。
である。
【0009】
マイクロ波プラズマ処理装置の例として、近年、マイクロ波の均一で効率的な導入装置として複数の直線状スロットが平板状H面に放射状に形成された無終端環状導波管を用いた装置が提案されている(特開平10−233295号公報)。このマイクロ波プラズマ処理装置を図4(a)に、そのプラズマ発生機構を図4(b)に示す。401はプラズマ処理室、402はプラズマ処理室401を大気側と分離する誘電体、403はマイクロ波をプラズマ処理室401に導入するための直線状スロット付無終端環状導波管、405はプラズマ処理用ガス導入手段、412は被処理基体、413は基体412の支持体、414は基体412を加熱するヒータ、415は処理用ガス導入手段、416は排気部、421はマイクロ波を左右に分配するE分岐、422はスロット、423は環状導波管403内に導入されたマイクロ波、425はスロット422を通し誘電体402を通してプラズマ発生室401へ導入されたマイクロ波、426はスロット422を通し誘電体402内を伝搬するマイクロ波の表面波、427は放電開始初期に生成するプラズマ、428は表面波により生成したプラズマである。
【0010】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。
先ず、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室401内を真空排気する。続いてプラズマ処理用ガスをガス導入口405を介して所定の流量でプラズマ処理室401内に導入する。
【0011】
次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室401内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を環状導波管403を介してプラズマ処理室401内に供給する。この際、環状導波管403内に導入されたマイクロ波423は、E分岐421で左右に2分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって伝搬する。分配されたマイクロ波同士は対向部で干渉し、管内波長の1/2毎に定在波を生じる。横切る電界が最大になる位置に設置されたスロット422から誘電体402を透してプラズマ処理室401に導入されたマイクロ波425は、スロット422近傍のプラズマ427を生成する。生成したプラズマ427の電子プラズマ周波数が電源周波数を超える(例えば電源周波数が2.45GHzの場合、電子密度が7×1010/cm3 を超える)と、マイクロ波はプラズマ中を伝搬できなくなり(いわゆるカットオフ)、誘電体402とプラズマの界面を表面波426として伝搬する。隣接するスロットから導入された表面波426同士が干渉し、表面波426の波長(λ・εr -1/2〔λ:自由空間マイクロ波波長、εr :比誘電率〕)の1/2毎に電界の腹を生じる。プラズマ処理室401にしみ出したこの表面波干渉による腹電界によって表面波干渉プラズマ(SIP:Surface-wave Interfered Plasma)428が生成する。この時に処理用ガス導入管415を介して処理用ガスをプラズマ処理室401内に導入しておくと処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体413上に載置された被処理基体412の表面を処理する。
【0012】
このようなマイクロ波プラズマ処理装置を用いることにより、圧力1.33Pa程度、マイクロ波パワー1kW以上で、直径300mm以上の大口径空間に±3%以内の均一性をもって、電子密度1012/cm3 以上、電子温度3eV以下、プラズマ電位20V以下の高密度低電位プラズマを発生できるので、ガスを充分に反応させて活性な状態で被処理基体に供給でき、且つ入射イオンによる基板表面ダメージも低減するので、高品質で高速な処理が可能になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示したような高密度低電位プラズマを発生するマイクロ波プラズマ処理装置を用いて処理を行う場合、条件によっては、マイクロ波導入部とその対向部とでプラズマ密度のバランスが崩れ、周方向の処理ムラが発生する場合がある。即ち、高密度プラズマにより高品質で均一且つ高速な処理が期待される反面、それ故に処理結果を不安定なものとして精度の低下を来すという重大な問題がある。
【0014】
そこで、本発明の主たる目的は、上述した従来のマイクロ波プラズマ処理装置における問題点を解決し、高品質な処理をより高速且つ均一に行うことが可能となるように、特に導入部と対向部とのプラズマ密度バランスが崩れない高密度低電位プラズマを発生できるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来のマイクロ波プラズマ処理装置における上述した問題点を解決し、上記目的を達成すべく鋭意努力した結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0016】
本発明のプラズマ処理装置は、マイクロ波が透過可能な誘電体窓で一部を形成されたプラズマ処理室と、前記プラズマ処理室内に設置される被処理基体の支持手段と、前記プラズマ処理室内へ処理用ガスを導入するガス導入手段と、前記プラズマ処理室内を真空排気する排気手段と、2つのマイクロ波導入口と、前記誘電体窓側の面に予め定められた角度間隔で穿孔されてなる複数のスロットとを有する無終端の環状導波管とを備え、前記環状導波管は、前記各マイクロ波導入口から導入したマイクロ波を前記各スロットを介して前記誘電体窓を透して前記プラズマ処理室内へ導入するプラズマ処理装置であって、前記環状導波管の中心軸上に1つのマイクロ波の入口があり、それを2つに分岐したマイクロ波の出口が各々前記環状導波管の180度間隔に設けられた前記2つのマイクロ波導入口と接続され、前記マイクロ波導入口にはマイクロ波を2方向にH分岐導入する分岐手段が設けられ、前記環状導波管は、その周長が管内波長の偶数倍であり、前記2つのマイクロ波導入口の一方に、導入したマイクロ波の位相を180度進める位相シフタを備えるものである。
【0017】
本発明のプラズマ処理装置の一態様において、前記スロットは、前記環状導波管のH面に設けられている。
【0018】
本発明のプラズマ処理装置の一態様において、前記スロットは、前記環状導波管の円周に沿って管内波長の1/2又は1/4間隔に放射状に形成されてなるものである。
【0019】
本発明のプラズマ処理装置の一態様において、前記環状導波管は、その周長が管内波長の奇数倍であり、前記マイクロ波導入口が180度間隔に2個設けられており、前記分岐手段は、マイクロ波を2方向にH分岐導入するものである。
【0020】
本発明のプラズマ処理装置の一態様は、前記被処理基体の表面に、アッシング処理、エッチング処理及び成膜処理のうちから何れか1種の処理又は複数種の処理を順次施すものである。
【0026】
【作用】
本発明においては、無終端の環状導波管にマイクロ波導入口を複数設けることにより、プラズマ発生時におけるマイクロ波の導入部と対向部とのプラズマ密度バランスが一定に保持されることになる。これにより、高密度低電位プラズマを発生することが可能となり、高品質な処理をより高速かつ均一に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置を図1を用いて説明する。101はプラズマ処理室、102はプラズマ処理室101を大気側から分離する誘電体、103はマイクロ波をプラズマ処理室101に導入するためのスロット付平板状無終端環状導波管、104は環状導波管103の複数の導入口にマイクロ波を導入する分岐、112は被処理基体、113は被処理基体112の支持体、114は被処理基体112を加熱するヒータ、115は処理用ガス導入手段、116は排気部である。
【0028】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。
先ず、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスをガス導入口115を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。
【0029】
次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、スロット付平板状環状導波管103を介して、プラズマ処理室101内に供給することにより、プラズマ処理室101内にプラズマが発生する。この時に処理用ガス導入管115を介して処理用ガスを処理室101内に導入しておくと処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体113上に載置された被処理基体112の表面を処理する。
【0030】
このマイクロ波プラズマ処理装置に用いられる分岐の形状は、環状導波管の導波部周長が管内波長の奇数倍で、導入口が180度間隔で2カ所であれば単純なH分岐が使用可能である。導波部周長が管内波長の偶数倍の場合には、位相シフタなどを用いて導入口の片方に導入するマイクロ波の位相を180度進める必要がある。
【0031】
スロット106の形状は、1つの矩形状穿孔でも、長さが管内波長の1/4から3/8である穿孔が複数、不連続且つ直線上に配置されたものでも適用可能である。また、スロット間隔は、管内波長の1/2もしくは1/4が最適である。
【0032】
スロット付平板状環状導波管103の材質は、導電体であれば使用可能であるが、マイクロ波の伝搬ロスをできるだけ抑えるため導電率の高いAl,Cu,Ag/CuメッキしたSUSなどが最適である。また、この異中心のスロット付平板状環状導波管103における導入口の向きは、当該導波管103内のマイクロ波伝搬空間に効率よくマイクロ波を導入できるものであれば、H面に平行で伝搬空間の接線方向でも、H面に垂直方向で導入部で伝搬空間の左右方向に2分配するものでもよい。また、本装置で用いられるマイクロ波周波数は、0.8GHz〜20GHzの範囲から適宜選択することができる。
【0033】
誘電体102としては、SiO2 系の石英や各種ガラス、Si3 4 ,NaCl,KCl,LiF,CaF2 ,BaF2 ,Al2 3 ,AlN,MgOなどの無機物が適当であるが、ポリエチレン,ポリエステル,ポリカーボネート,セルロースアセテート、ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなども適用可能である。
【0034】
本装置では、磁界発生手段を用いても良い。ここで用いられる磁界としては、ミラー磁界なども適用可能であるが、スロット近傍の磁界の磁束密度は基体近傍の磁界の磁束密度よりも大きいマグネトロン磁界が最適である。磁界発生手段としては、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能である。コイルを用いる場合には過熱防止のため水冷機構や空冷など他の冷却手段を用いてもよい。また、処理のより高品質化のため、紫外光を基体表面に照射してもよい。
【0035】
光源としては、被処理基体112もしくは被処理基体112上に付着したガスに吸収される光を放射するものならば適用可能であり、エキシマレーザ、エキシマランプ、希ガス共鳴線ランプ、低圧水銀ランプなどが適当である。
【0036】
プラズマ処理室101内の圧力は1.33×10-2Pa〜1.33×103 Paの範囲、より好ましくは、CVDの場合では1.33×10-1Pa〜13.3Pa、エッチングの場合では6.67×10-2Pa〜6.67Pa、アッシングの場合では13.3Pa〜1.33×103 Paの範囲から選択することができる。
【0037】
本装置を用いた堆積膜の形成については、使用するガスを適宜選択することによりSi3 4 ,SiO2 ,Ta2 5 ,TiO2 ,TiN,Al2 3 ,AlN,MgF2 などの絶縁膜、アモルファスSi,多結晶Si,SiC,GaAsなどの半導体膜、Al,W,Mo,Ti,Taなどの金属膜等、各種の堆積膜を効率よく形成することが可能である。
【0038】
被処理基体112は、半導体であっても、導電性のものであっても、あるいは電気絶縁性のものであってもよい。導電性基体としては、Fe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pbなどの金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼などが挙げられる。絶縁性基体としては、SiO2 系の石英や各種ガラス、Si3 4 ,NaCl,KCl,LiF,CaF2 ,BaF2 ,Al2 3 ,AlN,MgOなどの無機物、ポリエチレン,ポリエステル,ポリカーボネート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリアミド,ポリイミドなどの有機物のフィルム、シートなどが挙げられる。
【0039】
CVD法により基板上に薄膜を形成する場合に用いられるガスとしては、一般に公知のガスが使用できる。
【0040】
アモルファスSi,多結晶Si,SiCなどのSi系半導体薄膜を形成する場合において、処理用ガス導入手段115を介してプラズマ処理室101へ導入するSi原子を含有する原料ガスとしては、SiH4 ,Si2 6 などの無機シラン類、テトラエチルシラン(TES),テトラメチルシラン(TMS),ジメチルシラン(DMS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン類、SiF4 ,Si2 6 ,Si3 8 ,SiHF3 ,SiH2 2 ,SiCl4 ,Si2 Cl6 ,SiHCl3 ,SiH2 Cl2 ,SiH3 Cl,SiCl2 2 などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2 ,He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rnが挙げられる。
【0041】
Si3 4 ,SiO2 などのSi化合物系薄膜を形成する場合において、処理用ガス導入手段115を介して導入するSi原子を含有する原料としては、SiH4 ,Si2 6 などの無機シラン類、テトラエトキシシラン(TEOS),テトラメトキシシラン(TMOS),オクタメチルシクロテトラシラン(OMCTS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)などの有機シラン類、SiF4 ,Si2 6 ,Si3 8 ,SiHF3 ,SiH2 2 ,SiCl4 ,Si2 Cl6 ,SiHCl3 ,SiH2 Cl2 ,SiH3 Cl,SiCl2 2 などのハロシラン類等、常温常圧でガス状態であるものまたは容易にガス化し得るものが挙げられる。また、この場合の同時に導入する窒素原料ガスまたは酸素原料ガスとしては、N2 ,NH3 ,N2 4 ,ヘキサメチルジシラザン(HMDS),O2 ,O3 ,H2 O,NO,N2 O,NO2 などが挙げられる。
【0042】
Al,W,Mo,Ti,Taなどの金属薄膜を形成する場合において、処理用ガス導入手段115を介して導入する金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMAl),トリエチルアルミニウム(TEAl),トリイソブチルアルミニウム(TIBAl),ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボニル(W(CO)6 ),モリブデンカルボニル(Mo(CO)6 ),トリメチルガリウム(TMGa),トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl3 ,WF6 ,TiCl3 ,TaCl5 などのハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガスまたはキャリアガスとしては、H2 ,He,Ne,Ar,Kr,Xe,Rnが挙げられる。
【0043】
Al2 3 ,AlN,Ta2 5 ,TiO2 ,TiN,WO3 などの金属化合物薄膜を形成する場合において、処理用ガス導入手段115を介して導入する金属原子を含有する原料としては、トリメチルアルミニウム(TMAl),トリエチルアルミニウム(TEAl),トリイソブチルアルミニウム(TIBAl),ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH),タングステンカルボニル(W(CO)6 ),モリブデンカルボニル(Mo(CO)6 ),トリメチルガリウム(TMGa),トリエチルガリウム(TEGa)などの有機金属、AlCl3 ,WF6 ,TiCl3 ,TaCl5 などのハロゲン化金属等が挙げられる。また、この場合の同時に導入する酸素原料ガスまたは窒素原料ガスとしては、O2 ,O3 ,H2 O,NO,N2 O,NO2 ,N2 ,NH3 ,N2 4 ,ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0044】
基体表面をエッチングする場合の処理用ガス導入口115から導入するエッチング用ガスとしては、F2 ,CF4 、CH2 2 ,C2 6 ,C4 8 ,CF2 Cl2 ,SF6 ,NF3 ,Cl2 ,CCl4 ,CH2 Cl2 ,C2 Cl6 などが挙げられる。
【0045】
フォトレジストなど被処理基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口115から導入するアッシング用ガスとしては、O2 ,O3 ,H2 O,H2 ,NO,N2 O,NO2 などが挙げられる。
【0046】
また、本装置を被処理基体の表面改質にも適用する場合、使用するガスを適宜選択することにより、例えば基体もしくは表面層としてSi,Al,Ti,Zn,Taなどを使用してこれら基体もしくは表面層の酸化処理あるいは窒化処理さらにはB,As,Pなどのドーピング処理等が可能である。更に本発明において採用する成腰技術はクリーニング方法にも適用できる。その場合酸化物あるいは有機物や重金属などのクリーニングに使用することもできる。
【0047】
被処理基体を酸化表面処理する場合の処理用ガス導入口115を介して導入する酸化性ガスとしては、O2 ,O3 ,H2 O,NO,N2 O,NO2 などが挙げられる。また、基体を窒化表面処理する場合の処理用ガス導入口115を介して導入する窒化性ガスとしては、N2 ,NH3 ,N2 4 ,ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0048】
被処理基体表面の有機物をクリーニングする場合、またはフォトレジストなど基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合のガス導入口105から導入するクリーニング/アッシング用ガスとしては、O2 ,O3 ,H2 O,H2 ,NO,N2 O,NO2 などが挙げられる。また、基体表面の無機物をクリーニングする場合のプラズマ発生用ガス導入口から導入するクリーニング用ガスとしては、F2 ,CF4 ,CH2 2 ,C2 6 ,C4 8 ,CF2 Cl2 ,SF6 ,NF3 などが挙げられる。
【0049】
−プラズマ処理装置の具体例−
以下、プラズマ処理装置の具体例を挙げて本実施形態を説明する。なお、本発明はこれら装置例に限定されるものではない。
【0050】
(装置例1)
周長が管内波長の3倍であり導入口が2個ある環状導波管を用いた装置例1を、図1を用いて説明する。
図1において、101はプラズマ処理室、102はプラズマ処理室101を大気側から分離する誘電体、103はマイクロ波をプラズマ処理室101に導入するための無終端環状導波管、104は環状導波管103内にマイクロ波を2分岐導入するH分岐、105は環状導波管103内をマイクロ波が伝搬するマイクロ波伝搬空間、106は環状導波管103からプラズマ処理室101内にマイクロ波を導入するスロット、112は被処理基体、113は基体112の支持体、114は基体112を加熱するヒータ、115は処理用ガス導入手段、116は排気部である。
【0051】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。
先ず、被処理基体112を基体支持体113上に設置し、ヒータ114を用いて基体112を所望の温度まで加熱する。排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスを処理用ガス導入口115を介して所定の流量でプラズマ発生室101内に導入する。次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、H分岐104より環状導波管103内に導入する。マイクロ波はH分岐104で2分岐され2個の導入口から環状導波管に導入された後、更にE分岐され伝搬空間105内を左右に伝搬する。E分岐されたマイクロ波は導入部104の対向部で干渉し、管内波長の1/2毎にスロット106を横切る電界を強め、スロット106を介し誘電体102を透してプラズマ処理室101に導入される。プラズマ処理室101内に導入されたマイクロ波の電界により電子が加速され、プラズマ処理室101内にプラズマが発生する。この際、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体113上に載置された被処理基体112の表面を処理する。
【0052】
誘電体102は、材質は無水合成石英であり、サイズは例えば直径299mm、厚さ12mmである。環状導波管103は、内部導波部断面の寸法が27mm×96mmであって、中心経が152mm(周長が管内波長の3倍)である。環状導波管103の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。
【0053】
平板状環状導波管103のH面には、マイクロ波をプラズマ処理室101へ導入するためのスロットが形成されている。スロット106は、その形状が導波部の内側側面から外側に向けて長さ42mm、幅4mmの矩形状であり、管内波長の1/2間隔に放射状に60°間隔で計6個形成されている。環状導波管103には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0054】
図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Paと1.33×102 Pa、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50〜+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合では2.1×1012/cm3 ±2.7%(φ300面内)、1.33×102 Paの場合では9.6×1011/cm3 ±5.4%(φ300面内)であり、高圧領域でも中心付近のプラズマ密度の高いプラズマが形成されていることが確認された。
【0055】
(装置例2)
周長が管内波長の4倍であり、導入口が2個ある環状導波管を用いた装置例2を、図2を用いて説明する。
図2において、201はプラズマ処理室、202はプラズマ処理室201を大気側から分離する誘電体、203はマイクロ波をプラズマ処理室201に導入するための無終端環状導波管、204は環状導波管203内にマイクロ波を導入する位相シフタ付きH分岐、205は環状導波管203内をマイクロ波が伝搬するマイクロ波伝搬空間、206は環状導波管203からプラズマ処理室201内にマイクロ波を導入するスロット、212は被処理基体、213は被処理基体212の支持体、214は基体212を加熱するヒータ、215は処理用ガス導入手段、216は排気部である。
【0056】
プラズマの発生及び処理は以下のようにして行なう。
先ず、被処理基体212を基体支持体213上に設置し、ヒータ214を用いて被処理基体212を所望の温度まで加熱する。排気系(不図示)を介してプラズマ処理室201内を真空排気する。続いて、プラズマ処理用ガスを処理用ガス導入口215を介して所定の流量でプラズマ発生室201内に導入する。次に、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室201内を所定の圧力に保持する。マイクロ波電源(不図示)より所望の電力を、位相シフタ付きH分岐204により環状導波管203内に導入する。マイクロ波は位相シフタ付きH分岐204で2分岐され2個の導入口から環状導波管に導入された後、更にE分岐され伝搬空間205内を左右に伝搬する。E分岐されたマイクロ波は導入部204の対向部で干渉し、管内波長の1/2毎にスロット206を横切る電界を強め、スロット206を介し誘電体202を透してプラズマ処理室201に導入される。プラズマ処理室201内に導入されたマイクロ波の電界により電子が加速され、プラズマ処理室201内にプラズマが発生する。この際、処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体213上に載置された被処理基体212の表面を処理する。
【0057】
誘電体202は、材質は無水合成石英、直径299mm、厚さ16mmである。環状導波管203は、内部導波部断面の寸法が27mm×96mmであって、中心径が152mmである。環状導波管203の材質は、マイクロ波の伝搬損失を抑えるため、すべてAlを用いている。環状導波管203のH面には、マイクロ波をプラズマ処理室201へ導入するためのスロットが形成されている。スロットの形状は導波部内側側面から外側へ長さ42mm、幅4mmの矩形状のものであり、管内波長の1/2間隔に放射状に45°間隔で計8個形成されている。環状導波管203には、4Eチューナ、方向性結合器、アイソレータ、2.45GHzの周波数を持つマイクロ波電源(不図示)が順に接続されている。
【0058】
図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用して、Ar流量500sccm、圧力1.33Paと1.33×102 Pa、マイクロ波パワー3.0kWの条件でプラズマを発生させ、得られたプラズマの計測を行った。プラズマ計測は、シングルプローブ法により以下のようにして行った。プローブに印加する電圧を−50〜+100Vの範囲で変化させ、プローブに流れる電流をI−V測定器により測定し、得られたI−V曲線からラングミュアらの方法により電子密度、電子温度、プラズマ電位を算出した。その結果、電子密度は、1.33Paの場合には9×1012/cm3 ±2.7%(φ300面内)、1.33×102 Paの場合には8.7×1011/cm3 ±5.6%(φ300面内)であり、高圧領域でも中心付近のプラズマ密度の高いプラズマが形成されていることが確認された。
【0059】
【実施例】
以下、諸実施例を挙げて本発明のマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法をより具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0060】
(実施例1)
図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
被処理基体112としては、層間SiO2 膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。先ず、Si基板112を基体支持体113上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-3Paまで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口115を介して酸素ガスを2slmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室101内を1.33×102 Paに保持した。プラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWの電力を2分岐導入環状導波管103を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口115を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応してオゾンとなり、シリコン基板112の方向に輸送され、基板112上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。アッシング後、アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0061】
得られたアッシング速度及び均一性は、6.6μm/min±4.5%と極めて良好であり、表面電荷密度も−1.3×1011/cm2 と充分低い値を示した。
【0062】
(実施例2)
図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
被処理基体212としては、層間SiO2 膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。まず、Si基板212を基体支持体213上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室201内を真空排気し、1.33×10-3Paまで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口215を介して酸素ガスを2slmの流量でプラズマ処理室201内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室201内を1.33×102 Paに保持した。プラズマ処理室201内に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWの電力を2分岐導入環状導波管203を介して供給した。かくして、プラズマ処理室201内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口215を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室201内で励起、分解、反応してオゾンとなり、シリコン基板212の方向に輸送され、基板212上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。アッシング後、アッシング速度と基板表面電荷密度などについて評価した。
【0063】
得られたアッシング速度及び均一性は、6.4μm/min±3.4%と極めて大きく、表面電荷密度も−1.4×1011/cm2 と充分低い値を示した。
【0064】
(実施例3)
図1に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子保護用窒化シリコン膜の形成を行った。
被処理基体112としては、Al配線パターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成された層間SiO2 膜付きP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用した。先ず、シリコン基板112を基体支持合113上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。続いてヒータ(不図示)に通電し、シリコン基板112を300℃に加熱し、この温度に保持した。プラズマ処理用ガス導入口115を介して窒素ガスを600sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で処理室101内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室101内を2.67Paに保持した。次いで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より3.0kWの電力を2分岐導入環状導波管103を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口115を介して導入された窒素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板112の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がシリコン基板112上に1.0μmの厚さで形成した。
【0065】
成膜後、成膜速度、応力などの膜質について評価した。応力は成膜前後の基板の反り量の変化をレーザ干渉計Zygo(商品名)で測定し求めた。
【0066】
得られた窒化シリコン膜の成膜速度及び均一性は、510nm/min±2.5%と極めて大きく、膜質も応力1.2×109 dyn/cm2 (圧縮)、リーク電流1.2×10-10 A/cm2 、絶縁耐圧9MV/cmの極めて良質な膜であることが確認された。
【0067】
(実施例4)
図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、プラスチックレンズ反射防止用酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行った。
被処理基体212としては、直径50mmプラスチック凸レンズを使用した。レンズ212を基体支持台213上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室201内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口215を介して窒素ガスを160sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量で処理室201内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室201内を9.33×10-1Paに保持した。次いで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より3.0kWの電力を2分岐環状導波管203を介してプラズマ処理室201内に供給した。かくして、プラズマ処理室201内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口215を介して導入された窒素ガスは、プラズマ処理室201内で励起、分解されて窒素原子などの活性種となり、レンズ212の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がレンズ212上に21nmの厚さで形成された。
【0068】
次に、プラズマ処理用ガス導入口215を介して酸素ガスを200sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量で処理室201内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室201内を13.3Paに保持した。次いで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より2.0kWの電力を2分岐導入環状導波管203を介してプラズマ発生室201内に供給した。かくして、プラズマ処理室201内にプラズマを発生させた。この際、プラズマ処理用ガス導入口215を介して導入された酸素ガスは、プラズマ処理室201内で励起、分解されて酸素原子などの活性種となり、ガラス基板212の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がガラス基板212上に86nmの厚さで形成された。成膜後、成膜速度、反射特性について評価した。
【0069】
得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の成膜速度、均一性はそれぞれ320nm/min±2.2%、350nm/min±2.6と良好で、膜質も、500nm付近の反射率が0.3%と極めて良好な光学特性であることが確認された。
【0070】
(実施例5)
図3に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間絶縁用酸化シリコン膜の形成を行った。
被処理基体312としては、最上部にAlパターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、低抗率10Ωcm)を使用した、先ず、シリコン基板312を基体支持体313上に設置した。排気系(不図示)を介してプラズマ処理室301内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させたC続いてヒータ(不図示)に通電し、シリコン基板312を300℃に加熱し、該基板をこの温度に保持した。プラズマ処理用ガス導入口305を介して酸素ガスを500sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量で処理室311内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室301内を4.00Paに保持した。次いで、13.56MHzの高周波印加手段317により300Wの電力を基板支持体312に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を2分岐導入環状導波管303を介してプラズマ処理室301内に供給した。かくして、プラズマ処理室301内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入口315を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室301内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板312の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がシリコン基板312上に0.8μmの厚さで形成された。この時、イオン種はRFバイアスにより加速されて基板に入射しパターン上の膜表面を研磨して平坦性を向上させる。
【0071】
処理後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及び段差被覆性について評価した。段差被覆性は、Al配線パターン上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、ボイドを観測することにより評価した。
【0072】
得られた酸化シリコン膜の成膜速度及び均一性は240nm/min±2.5%と良好であり、膜質も絶縁耐圧8.5MV/cm、ボイドフリーであって良質な膜であることが確認された。
【0073】
(実施例6)
図3に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間SiO2 膜のエッチングを行った。
被処理基体312としては、Alパターン(ラインアンドスペース0.18μm)上に1μm厚の層間SiO2 膜が形成されたP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉、抵抗率10Ωcm)を使用した。まず、シリコン基板312を基体支持合313上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ発生室301及びエッチング室311内を真空排気し、1.33×10-5Paの値まで減圧させた。プラズマ処理用ガス導入口305を介してC4 8 を100sccmの流量でプラズマ処理室311内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室301内を1.33Paの圧力に保持した。次いで、13.56MHzの高周波印加手段317により300Wの電力を基板支持体312に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力を2分岐導入環状導波管303を介してプラズマ処理室301内に供給した。かくして、プラズマ処理室301内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入口305を介して導入されたC.F。ガスはプラズマ処理室301内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板312の方向に輸送され、自己バイアスによって加速されたイオンによって層間SiO2 膜がエッチングされた。クーラ314により基板温度は80℃までしか上昇しなかった。
【0074】
エッチング後、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
【0075】
エッチング速度及び均一性と対ポリシリコン選択比は540nm/min±2.2%、20と良好であり、エッチング形状もほぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確認された。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、高品質な処理をより高速且つ均一に行うことが可能になるように、特に導入部と対向部のプラズマ密度バランスが崩れない高密度低電位プラズマを発生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の一例である周長が管内波長の3倍である2分岐導入環状導波管を用いたマイクロ波プラズマ処理装置(装置例1)の模式図である。
【図2】本実施形態の一例である周長が管内波長の4倍である位相シフタ付き2分岐導入環状導波管を用いたマイクロ波プラズマ処理装置(装置例2)の模式図である。
【図3】実施例5,6で用いたマイクロ波プラズマ処理装置の模式図である。
【図4】従来例であるマイクロ波プラズマ処理装置の模式図である。
【符号の説明】
101,201,301 プラズマ処理室
102,202,302 誘電体
103,203,303 スロット付無終端環状導波管
104,204,304 マイクロ波導入用H分岐
105,205,305 マイクロ波伝搬空間
106,206,306 スロット
207,307 位相シフタ(誘電体型)
112,212,312 被処理基体
113,213,313 支持体
114,214,314 ヒータ
115,215,315 処理用ガス導入手段
116,216,316 排気部
317 高周波印加手段

Claims (4)

  1. マイクロ波が透過可能な誘電体窓で一部を形成されたプラズマ処理室と、
    前記プラズマ処理室内に設置される被処理基体の支持手段と、
    前記プラズマ処理室内へ処理用ガスを導入するガス導入手段と、
    前記プラズマ処理室内を真空排気する排気手段と、
    2つのマイクロ波導入口と、前記誘電体窓側の面に予め定められた角度間隔で穿孔されてなる複数のスロットとを有する無終端の環状導波管とを備え、
    前記環状導波管は、前記各マイクロ波導入口から導入したマイクロ波を前記各スロットを介して前記誘電体窓を透して前記プラズマ処理室内へ導入するプラズマ処理装置であって、
    前記環状導波管の中心軸上に1つのマイクロ波の入口があり、それを2つに分岐したマイクロ波の出口が各々前記環状導波管の180度間隔に設けられた前記2つのマイクロ波導入口と接続され
    前記マイクロ波導入口には、マイクロ波を2方向にH分岐導入する分岐手段が設けられ、
    前記環状導波管は、その周長が管内波長の偶数倍であり、前記2つのマイクロ波導入口の一方に、導入したマイクロ波の位相を180度進める位相シフタを備えるものであることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記スロットは、前記環状導波管のH面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記スロットは、前記環状導波管の円周に沿って管内波長の1/2又は1/4間隔に放射状に形成されてなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記被処理基体の表面に、アッシング処理、エッチング処理及び成膜処理のうちからいずれか1種の処理又は複数種の処理を順次施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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