JPH1138019A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH1138019A
JPH1138019A JP19275497A JP19275497A JPH1138019A JP H1138019 A JPH1138019 A JP H1138019A JP 19275497 A JP19275497 A JP 19275497A JP 19275497 A JP19275497 A JP 19275497A JP H1138019 A JPH1138019 A JP H1138019A
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signal
scanning
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tilt
probe
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JP19275497A
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Inventor
Ryuichi Matsuzaki
隆一 松崎
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の観察面が全体的に傾斜している場合で
も、その表面形状を正確に検出できるようにした走査型
プローブ顕微鏡を提供する。 【解決手段】 試料52の表面と探針54との間隙を目
標値と比較して誤差信号S2を発生する比較器75と、
探針54を試料52に対して相対的にXYZ方向へ微動
させるアクチュエータ55および駆動増幅器70と、誤
差信号S2に基づいて、試料表面と探針54との間隙を
予定値に保つための制御信号S3を発生するPI制御部
76と、試料表面の傾斜角θを検出するMPU88と、
MPU88からの通知に応答して傾き補正信号S4を発
生する傾き補正回路100と、制御信号S3に傾き補正
信号S4を加算する加算回路80とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型原子間力顕
微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)に代表され
る走査型プローブ顕微鏡に係り、特に、試料の観察面が
全体的に傾斜している場合でも、その表面形状を正確に
検出できるようにした走査型プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】AFM等の走査型プローブ顕微鏡では、
試料表面と走査プローブとの間の相互作用を利用して試
料表面の微細な組織や構造を検出するために、片持ち梁
の先端に探針を装着したカンチレバーが走査プローブと
して使用される。このようなカンチレバーを用いると、
探針を試料表面で走査した際に試料表面と探針との間に
は原子間力に基づく引力または斥力が発生する。したが
って、この原子間力をカンチレバーの撓み量として検出
し、この撓み量が一定となるように、すなわち試料表面
と探針との間隙が一定となるように試料ステージをZ軸
方向へ微動させる制御を実行すれば、その際の制御信号
あるいは検出された撓み量そのものが試料表面の形状を
代表するようになる。
【0003】ここで、上記した構成の走査型プローブ顕
微鏡では、試料表面の凹凸が表示装置上では輝度の強弱
として観察されるため、解像度やSN比を向上させるた
めには、表示装置へ供給される映像信号の最大振幅と当
該表示装置の入力定格とを略一致させることが望まし
い。一方、試料の表面形状が同じであっても、図6に示
したように試料表面が全体的に傾斜している場合と、図
7に示したように傾斜していない場合とを比較すると、
試料表面が傾斜していなければ、図7に示したように、
検出される振幅Δd2は試料表面の凹凸成分の振幅と一
致する。したがって、図8に示したように、振幅Δd2
が表示装置の定格と一致するように検出信号を増幅すれ
ば、解像度やSN比の優れた画像を得ることができる。
【0004】これに対して、図6に示したように試料表
面が全体的に傾斜していると、検出信号には傾き成分が
含まれてしまうために変位量Δd1が比較的大きくなっ
てしまう。したがって、検出信号の増幅度を上げること
ができず、傾斜していない場合に比べて凹凸成分自体の
振幅が小さくなるので解像度やSN比が低下してしまう
という問題があった。
【0005】このような問題点を解決するために、本発
明の発明者等は、試料表面の傾きを検出して補正する機
能を新たに設け、試料表面の凹凸のみを抽出できるよう
にした走査型プローブ顕微鏡を提案している。図9は、
傾き補正機能を備えた従来の走査型プローブ顕微鏡のブ
ロック図である。3次元試料ステージ55上には試料5
2が載置され、試料52の上方には、カンチレバー53
の自由端に取り付けられた探針54が対向して配置され
ている。カンチレバー53の撓み量は、レーザ発生器7
1から放出されてカンチレバー53の背面で反射された
レーザ光72のスポット位置を位置検出器73で測定す
ることにより検出される。
【0006】位置検出器73は、例えば4分割された光
検出電極から構成されており、カンチレバー53の撓み
量が0の時にはレーザ光72のスポットが該4分割電極
の中央に来るように位置合わせされている。このため、
カンチレバー53に撓みが発生すると、該レーザ光72
のスポットが該4分割電極上を移動し、4分割電極から
出力される電圧に差が発生する。この電圧差は差動増幅
器74によって増幅され、撓み量信号S1として比較器
75の非反転入力端子(+)に入力される。比較器75
の反転入力端子(−)には、カンチレバー53の撓み量
に関する目標値信号が目標値設定部79から入力され
る。
【0007】比較器75から出力される誤差信号S2は
比例積分(PI)制御部76に入力され、誤差信号S2
およびその積分値を合成した信号が、観察像信号を兼ね
た制御信号S3として出力される。制御信号S3は増幅
器81を介してA/D変換器82へ供給され、ここでデ
ジタル信号(画像データ)に変換されて画像メモリ83
の対応するアドレスに記憶される。MPU84は、同期
信号発生器85から出力されるクロック信号に同期し
て、アドレス信号およびリード信号を画像メモリ83へ
出力する。当該アドレス信号およびリード信号に応答し
て画像メモリ83から出力された画像データはRAM−
DAC86へ供給される。RAM−DAC86は、同期
信号発生器85から供給される水平および垂直同期信号
に応答して画像データをアナログ信号に変換し、これを
モニタ装置87へ出力する。
【0008】傾き検出MPU90は、A/D変換器78
によってデジタル信号に変換された制御信号S3に基づ
いて試料表面の傾き量を演算し、これを傾き補正回路8
9へ通知する。傾き補正回路89は、通知された傾き量
を補正するための傾き補正信号S4を発生する。加算回
路80は、制御信号S3に傾き補正信号S4を加算し、
これをアクチュエータ駆動信号S6としてアクチュエー
タ駆動増幅器70へ供給する。
【0009】このような構成によれば、PI制御部76
から出力される制御信号S3からは傾き成分が取り除か
れていることになるので、増幅器81は制御信号S3を
十分に増幅することができ、鮮明でノイズの少ない画像
が得られるようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、傾き補正用に高価なMPU90やA/D変換器78
を別途に設けなければならず、大きなコストアップが避
けられないという問題があった。また、上記した従来技
術では、傾き補正信号S4が一度に加算されてカンチレ
バーがZ軸方向へ大きく移動してしまうため、移動方向
が探針と試料表面との間隙を狭める方向であると、両者
が接触して破損してしまう恐れがあった。
【0011】さらに、上記した従来技術ではPI制御部
76から出力される制御信号S3をデジタル信号に変換
して演算しているが、制御信号S3は一般的に振幅が小
さいために傾き補正の精度が低いという問題があった。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、
高価なMPUやA/D変換器を別途に設けることなく、
また探針あるいは試料表面にダメージを与えることな
く、試料表面が全体的に傾斜している場合でも、その表
面形状を正確に検出できるようにした走査型プローブ顕
微鏡を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、試料表面に探針を近接させ、両者
の間隙が予定値に保たれるように、探針および試料の少
なくとも一方をZ方向へ微動させながら探針を試料表面
でXY方向に走査させる走査型プローブ顕微鏡におい
て、画像処理用として従来から使用されているMPUを
傾き検出用としても用いるようにした。また、検出され
た傾きを一度に補正せず、複数の走査ラインごとに徐々
に補正するようにした。
【0013】上記した構成によれば、高価なMPUを別
途に設けることなく、また探針あるいは試料表面にダメ
ージを与えることなく、試料表面が全体的に傾斜してい
る場合でも、その表面形状を正確に検出できるようにな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である走査
型プローブ顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。図9に関して説
明した従来技術のブロック図と比較すれば明らかなよう
に、本実施形態では、制御信号S3のデジタル信号に基
づいて観察像を出力するための種々の制御を行うMPU
88が、当該デジタル信号に基づいて増幅器81のゲイ
ンを調節すると共に試料の傾き量を演算し、演算結果を
傾き補正回路100へ通知するようにしている。傾き補
正回路100は、MPU88から通知された演算結果に
基づいて加算信号S4を生成する。
【0015】以下、MPU88および傾き補正回路10
0の動作について説明する。MPU88は、後にフロー
チャートを参照して詳述するように、作業者が実際の観
察に先立って探針を試料表面でX方向へ走査した際に、
その走査ライン上での一端の高さと他端の高さを制御信
号S3に基づいて求め、検出された高さの偏差に基づい
てX方向に関する傾斜角θ(θX )を求める。そして、
傾斜角θX をX走査信号に対するゲインとして傾き補正
回路100に登録する。
【0016】Y方向に関しても、探針を試料表面でY方
向へ走査した際に、走査開始直後および走査終了直前に
検出された制御信号S3に基づいてY方向に関する傾斜
角θY を求め、Y走査信号に対するゲインとして傾き補
正回路100に登録する。次いで、図2を参照して傾き
補正回路100の動作を説明する。本発明の傾き補正回
路100は、X方向およびY方向のそれぞれに対して傾
き補正信号を出力する傾き補正回路100X,100Y
を備えているが、ここでは、X方向に関する動作のみを
説明し、Y方向に関する動作説明は省略する。
【0017】傾き補正回路100Xにおいて、オペアン
プOP1は8ビット入力の乗算型DACと共に0〜−1
倍の反転増幅器101Xを構成し、乗算型DACのリフ
ァレンス入力端子REFにはX走査信号VX が入力さ
れ、その電流出力端子OUTにはオペアンプOP1が接
続され、そのフィードバック抵抗端子RFBにはオペア
ンプOP1の出力端子が接続される。反転増幅器101
Xは、MPU88によって指示されたゲインでX走査信
号VX を増幅して出力する。この種の乗算型DACとし
ては、たとえば×××社製のAD7528を用いること
ができる。
【0018】X走査信号VX は抵抗値2rの抵抗R1を
介してオペアンプOP2に入力され、反転増幅器101
Xの出力信号SX は抵抗値rの抵抗R2を介してオペア
ンプOP2に入力される。したがって、X走査信号VX
および出力信号SX は、1/2対1の比率で加算されて
オペアンプOP2から出力される。反転増幅器101X
は、MPU88によって演算されたゲインが“0”で、
そのデジタル値が“128”[80H]のときに出力信
号SX が−1/2・VX となるように予め調整されてお
り、このときオペアンプOP2から出力される傾き補正
信号S4は“0”となる。
【0019】図10は、MPU88によって演算された
ゲインGと、傾き補正回路100Xへ通知されるデジタ
ル値、反転増幅器101Xの出力信号SX 、および傾き
補正信号S4との関係を示した図である。MPU88で
演算されたゲインGが“128/256”であると、通
知されるデジタル値は“256”(FFH]となり、反
転増幅器101Xの出力は“0”となって傾き補正信号
S4は1/2・VX となる。また、演算されたゲインG
が“−128/256”であると、通知されるデジタル
値は“0”[00H]となり、反転増幅器101Xの出
力信号SX は“−VX ”となって傾き補正信号S4は−
1/2・VX となる。
【0020】以下、MPU88による傾き補正ゲインの
設定方法を、図5のフローチャートを参照して説明す
る。ステップS10では、傾き補正処理を何ステップに
分けて行うかを決定する補正ステップ数Nが設定され
る。すなわち、傾きを一度に全て補正しようとすると、
大きな傾き補正信号S4が制御信号S3に加算されてカ
ンチレバーがZ軸方向へ大きく移動し、その移動方向が
探針と試料表面との間隙を狭める方向であると探針や試
料表面を破損してしまう。そこで、本発明では傾きを一
度に全て補正せず、複数の各走査ラインごとに徐々に補
正するようにしている。本実施形態では傾き補正を4ラ
インに分けて行うものとし、補正ステップ数Nとして
“4”が登録される。ステップS12では、試料表面の
傾き量を計測するために、傾き補正信号S4を“0”と
するためのデジタル値[80H]が傾き補正回路100
Xの乗算型DACへ登録される。
【0021】その後、探針54が試料表面でY方向に関
して第1番目のラインをX方向へ走査されると、ステッ
プS14では、第1ライン上での一端の高さが、走査開
始直後に検出された制御信号S3に基づいて求められ
る。ステップS16では、同じ第1ライン上での他端の
高さが、走査終了直前に検出された制御信号S3に基づ
いて求められる。ステップS18では、制御信号S3が
飽和しない範囲で増幅器81のゲインが上げられる。
【0022】ステップS20では、図3に示したよう
に、検出された高さの偏差ΔZ0 とその間の走査距離と
に基づいてX方向に関する傾斜角θX が求められる。ス
テップS22では、傾斜角θX をキャンセルするための
ゲインが、X走査信号VX に対するゲインGとして求め
られる。このとき、図3に示したように傾きがX方向に
進むにしたがって高くなる正の傾きであると、ゲインG
として正の値が求められ、これとは逆に、X方向に進む
にしたがって低くなる負の傾きであると負の値が求めら
れる。
【0023】ステップS24では、次の走査ラインから
Nラインで傾き補正処理が完了するように、ゲインGの
1/Nに相当する補正後ゲインGa が演算されて傾き補
正回路100の乗算型DACに登録される。すなわち、
ゲインGが“−64/256”[40H]であると、そ
の1/4に相当する“−16/256”[70H]が乗
算型DACに登録される。この結果、次の第2ラインで
は、試料表面の傾斜量が全体の1/4だけ補正されるこ
とになる。ステップS26では、補正ステップ数Nが
“1”だけデクリメントされて“3”となる。ステップ
S28では、補正ステップ数Nが“0”か否かが判定さ
れ、ここでは“0”以外と判定されてステップS14へ
戻る。
【0024】次いで第2ラインが走査されると、ステッ
プS14〜S20では、前記と同様にして増幅器81の
ゲインが調整されて傾斜角θX が求められるが、第2ラ
インの走査時には傾斜量が既に1/4だけ補正されてい
るので、ステップS20で検出される傾斜角θX は小さ
くなっているはずである。このため、ステップS22で
は、ゲインGとして例えば“−48/256”(理想的
には、最初に求められゲイン“−64/256”の3/
4に相当する)が求められる。
【0025】ステップS24では、今回のゲイン“−4
8/256”の1/N(N=3)に相当する“−16/
256”を前回の補正後ゲイン“−16/256”に加
算したゲイン“−32/256”[60H]が、今回の
補正後ゲインGa として傾き補正回路100の乗算型D
ACに登録される。この結果、次の第3ラインでは試料
表面の傾斜量が全体の1/2だけ補正されることにな
る。ステップS26では補正ステップ数Nが“1”だけ
デクリメントされて“2”となり、ステップS28で
は、補正ステップ数Nが“0”以外と判定されてステッ
プS14へ戻る。
【0026】次いで第3ラインが走査されると、ステッ
プS14〜S20では前記と同様にして傾斜角θX が求
められるが、第3ラインの走査時には傾斜量が既に1/
2だけ補正されているので、ステップS22では、ゲイ
ンGとして例えば“−32/256”が求められる。ス
テップS24では、今回のゲイン“−32/256”の
1/N(N=2)に相当する“−16/256”を先の
補正後ゲイン“−32/256”に加算したゲイン“−
48/256”[50H]が、今回の補正後ゲインGa
として傾き補正回路100の乗算型DACに登録され
る。この結果、次の第4ラインでは試料表面の傾斜量が
全体の3/4だけ補正されることになる。ステップS2
6では、補正ステップ数Nが“1”だけデクリメントさ
れて“1”となり、ステップS28では、補正ステップ
数Nが“0”以外と判定されてステップS14へ戻る。
【0027】次いで第4ラインが走査されると、ステッ
プS14〜S20では、前記と同様にして傾斜角θX が
求められるが、第4ラインの走査時には傾斜量が既に3
/4だけ補正されているので、ステップS22では、ゲ
インGとして例えば“−16/256”が求められる。
ステップS24では、今回のゲイン“−16/256”
の1/N(N=1)に相当する“−16/256”を先
の補正後ゲイン“−48/256”に加算したゲイン
“−64/256”[40H]が、今回の補正後ゲイン
Ga として傾き補正回路100の乗算型DACに登録さ
れる。この結果、次の第5ラインからは試料表面の傾斜
量が全て補正されることになる。ステップS26では、
補正ステップ数Nが“1”だけデクリメントされて
“0”となり、ステップS28では、補正ステップ数N
が“0”と判定されるので傾き補正処理は終了し、これ
以後は通常の観察が行われる。図11は、各走査ライン
ごとにMPU88から傾き補正回路100の乗算型DA
Cへ登録されるゲインのデジタル値と、傾き補正信号S
4との関係を示した図である。
【0028】図4は、傾き補正が完了した第5ライン以
降における傾き補正信号S4と制御信号S3との関係を
示した図であり、傾き補正回路100はX方向に関する
各走査位置xの関数として傾き補正信号S4を発生し、
この傾き補正信号S4は加算回路80によって前記制御
信号S3に加算される。したがって、PI制御部76か
ら出力される制御信号S3からは試料表面の傾き成分が
取り除かれ、増幅器81は入力信号(制御信号S3)を
十分に増幅することができるので、鮮明でノイズの少な
い画像が得られるようになる。
【0029】なお、上記した実施形態では、試料表面に
探針54を近接させるための微動機構として試料ステー
ジ55を用い、試料52をカンチレバー53に対して微
動させるものとして説明したが、本発明はこれのみに限
定されるものではなく、探針54を試料52に対して相
対的に微動されることができるのであれば、その駆動機
構はカンチレバー53(または、探針54そのもの)を
Z軸方向へ駆動する機構であっても良い。
【0030】また、上記した実施形態では、試料表面が
全体的に傾斜している場合を例にして本発明を説明した
が、Z軸中心と探針54とのずれによって試料表面が傾
いているように見える場合にも同様に適用することがで
きる。さらに、ボイスコイルモータはリニアリティに優
れるので、試料ステージ55をXYZ方向へ微動させる
駆動手段としてボイスコイルモータを利用すれば、本発
明による効果は更に顕著なものとなる。
【0031】さらに、上記した実施形態では傾き補正信
号S4が走査ラインごとに段階的に加算されるものとし
て説明したが、本発明はこれのみに限定されるものでは
なく、例えば図12に示した第2実施形態のように、第
n走査ライン[同図(a) ]で傾斜角θを求めた後、次の
第(n+1)走査ライン[同図(b) ]内において、補正
信号S4(補正量)を段階的に加算するようにしても良
い。さらに、図13に示した第3実施形態のように、第
n走査ライン[同図(a) ]で傾斜角θを求めた後、次の
第(n+1)走査ライン[同図(b) ]内では、補正信号
S4の値が“0”となる走査位置から補正信号S4の加
算を開始するようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、高価なA/D変換器や
MPUを新たに追加することなく、試料表面が全体的に
傾いていても、映像信号の増幅部へ供給される信号から
は傾き成分が取り除かれ、観察しようとする凹凸成分の
みが供給される。したがって、増幅部は入力信号を十分
に増幅することができ、鮮明でノイズの少ない画像が得
られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である走査型プローブ顕微
鏡のブロック図である。
【図2】傾き補正回路の一実施形態のブロック図であ
る。
【図3】傾き検出方法を模式的に表した図である。
【図4】図1の主要部の信号波形図である。
【図5】MPUによる傾き補正処理の動作を示したフロ
ーチャートである。
【図6】従来技術の問題点を説明するための図である。
【図7】従来技術の問題点を説明するための図である。
【図8】従来技術の問題点を説明するための図である。
【図9】傾き補正機能を備えた従来の走査型プローブ顕
微鏡のブロック図である。
【図10】ゲインG、デジタル値、出力信号SX 、およ
び傾き補正信号S4との関係を示した図である。
【図11】走査ラインごとに乗算型DACへ登録される
ゲインのデジタル値と傾き補正信号S4との関係を示し
た図である。
【図12】本発明の第2実施形態の動作を説明するため
の図である。
【図13】本発明の第3実施形態の動作を説明するため
の図である。
【符号の説明】
52 試料 53 カンチレバー 54 探針 75 比較器 76 比例積分(PI)制御部 84,88 MPU 89,100 傾き補正回路
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】傾き補正回路100Xにおいて、オペアン
プOP1は8ビット入力の乗算型DACと共に0〜−1
倍の反転増幅器101Xを構成し、乗算型DACのリフ
ァレンス入力端子REFにはX走査信号VX が入力さ
れ、その電流出力端子OUTにはオペアンプOP1が接
続され、そのフィードバック抵抗端子RFBにはオペア
ンプOP1の出力端子が接続される。反転増幅器101
Xは、MPU88によって指示されたゲインでX走査信
号VX を増幅して出力する。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に探針を近接させ、両者の間隙
    が予定値に保たれるように、探針および試料の少なくと
    も一方をZ方向へ微動させながら探針を試料表面でXY
    方向に走査させる走査型プローブ顕微鏡において、 前記走査型プローブ顕微鏡は観察像を表示するための表
    示制御手段を含み、この表示制御手段の動作を制御する
    MPUは、試料表面と探針との間隙を予定値に保つため
    の制御信号に基づいて試料表面の傾き量を演算し、この
    演算結果に基づいて試料表面の傾きを補正することを特
    徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記傾き補正は、試料表面の傾き量に基
    づいて生成された傾き補正信号を前記制御信号に加算す
    ることにより行われることを特徴とする請求項1に記載
    の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記傾き補正信号は、段階的に制御信号
    に加算されることを特徴とする請求項2に記載の走査型
    プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 試料表面に探針を近接させ、両者の間隙
    が予定値に保たれるように、探針および試料の少なくと
    も一方をZ方向へ微動させながら探針を試料表面でXY
    方向に走査させる走査型プローブ顕微鏡において、 XY走査信号に応答して探針を試料表面でXY方向に走
    査する走査手段と、 試料表面と探針との間隙を予定値に保つための制御信号
    を発生するフィードバック制御手段と、 前記制御信号に基づいて観察像を表示するために、前記
    制御信号を増幅する増幅手段、増幅された制御信号をデ
    ジタルの画像データに変換するAD変換手段、各画像デ
    ータを記憶する画像メモリ、前記画像メモリから読み出
    した画像データをアナログ信号に変換してモニタ装置へ
    供給するDA変換手段、および前記各構成の動作を制御
    するMPUを少なくとも含む表示制御手段と、 試料表面の傾き量を代表する信号に基づいて、傾き補正
    信号を走査位置の関数として発生する傾き補正手段と、 前記制御信号に前記傾き補正信号を加算する加算手段
    と、 前記加算手段の出力信号に応答して、探針を試料に対し
    て相対的にZ方向へ微動させる微動手段とを具備し、 前記表示制御手段のMPUは前記制御信号に基づいて試
    料の傾き量を演算し、演算結果を前記傾き量を代表する
    信号として傾き補正手段へ提供することを特徴とする走
    査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記傾き補正手段は、XY走査信号を前
    記傾き量を代表する信号に応じた割合で増幅し、これを
    傾き補正信号として出力することを特徴とする請求項4
    に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記傾き補正信号は、走査ラインごとに
    段階的に加算されることを特徴とする請求項4または5
    に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記傾き補正信号は、走査ライン内で段
    階的に加算されることを特徴とする請求項4または5に
    記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記傾き補正信号は、その値が“0”と
    なる走査位置から加算されることを特徴とする請求項4
    または5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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