JPH1090283A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH1090283A
JPH1090283A JP23935496A JP23935496A JPH1090283A JP H1090283 A JPH1090283 A JP H1090283A JP 23935496 A JP23935496 A JP 23935496A JP 23935496 A JP23935496 A JP 23935496A JP H1090283 A JPH1090283 A JP H1090283A
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scanning
scanner
arc
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JP23935496A
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Takeshi Warabe
毅 童
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像上の歪みを防止し、試料段差の測定誤差を
抑え、走査範囲が大きい場合においてもZ方向における
大きな測定誤差を避け、走査範囲を犠牲せずに且つスキ
ャナを長くすることもなくZ方向の高い剛性を保つこ
と。 【解決手段】この走査型プローブ顕微鏡は、試料に対し
て走査部材を相対的に走査すべく3次元方向に駆動自在
の圧電体スキャナと、上記圧電体スキャナの主走査及び
副走査方向の印加電圧に基づいて、補正電圧テーブルを
用いて、上記圧電体スキャナの円弧走査による上記主走
査及び副走査方向に対して垂直な方向の円弧変位量を算
出する上記円弧変位量算出手段と、上記円弧変位量算出
手段により算出された円弧変位量を補正電圧に変換する
変換手段と、上記変換手段により変換された補正電圧を
上記圧電体スキャナへの印加電圧に加算する加算手段と
を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば走査型トン
ネル顕微鏡(STM;Scanning Tunneling Microscope) や原
子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope) 等の走査
型プローブ顕微鏡(SPM;;Scanning Probe Microscope)
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、STMやAFM等の原子分解能を
必要とするSPMにおいては、試料や探針の3次元(X
YZ)方向の駆動機構として円筒型圧電体が使用されて
いる。上記STMは、トンネル電流を利用して試料表面
を原子寸法で走査し画像化する走査型トンネル顕微鏡で
ある。また、上記AFMは、自由端に鋭い探針を有する
カンチレバーを試料に対向・近接して有し、該探針の先
端の原子と試料原子との間に働く相互作用力により、変
位するカンチレバーの動きを電気的或いは光学的にとら
えて測定しつつ、試料をXYZ方向に走査し、カンチレ
バーの探針部との位置関係を相対的に変化させることに
よって、試料の凹凸情報等を原子サイズオーダで三次元
的にとらえるものである。このようなSTMやAFM等
といったSPMは、従来は主として物質表面の形状を観
測する装置として使用されていたが、最近では更に試料
の段差や半導体の線幅等を計る高精度な測定機としても
使用されるようになってきた。
【0003】ここで、図7には従来技術に係るSPMの
構成の一例を示し説明する。尚、図中のX,Y,Zは各
3次元方向をそれぞれ示している。同図に於いて、円筒
型圧電体109の内部の上端中央には、Z方向の変位を
測定するための変位センサ108が配設されている。ま
た、円筒型圧電体109の下端は、X変位センサ110
及びY変位センサ111を有するユニットに固定されて
いる。このX変位センサ110及びY変位センサ111
は、スキャナのX,Yの2次元方向の移動量を検出する
ためのセンサであり、詳細は例えば特開平6−2297
53号公報に記載されているので、ここでは説明を省略
する。この他、円筒型圧電体109の自由端には、試料
を保持する試料台107が配置されている。そして、こ
れらが一体となって円筒型圧電体スキャナを構成してい
る。
【0004】一方、プローブ変位検出部104は、その
先端部にカンチレバー105を有しており、該カンチレ
バー105の変位を光学的及び電気的に検出し、その検
出結果に基づく変位信号SzをZ変位サーボ制御部10
0へと出力する。Z変位サーボ制御部100は、この変
位信号Szを受けると、カンチレバー105の変位を一
定に保持するようにフィードバック制御すべく、円筒型
圧電体109をZ方向に伸縮させるためのZ制御信号V
*を円筒型圧電体スキャナに出力する。
【0005】上記円筒型圧電体スキャナのX,Y変位セ
ンサ110,111からは、XY位置制御回路102に
対して、実際の変位xp,ypが出力される。X,Y走
査信号発生部101からは、XY走査制御回路102に
対して、走査信号x*,y*が出力される。そして、この
XY位置制御回路102から、X方向の圧電体の駆動電
圧Vx*、Y方向の圧電体の駆動電圧Vy*が、上記円筒
型圧電体109に出力される。SPM像表示装置103
は、転送されてきた測定データを格納し、当該データに
基づいて試料の凹凸情報に係る画像を形成する。
【0006】即ち、XY面内を走査するXY位置制御回
路102に同期してZ変位サーボ制御部100の制御電
圧を計測する。つまり、この従来技術に係るSPMで
は、試料表面と探針先端を一定距離に保つように試料を
Z方向に制御しながらX,Y方向の2次元方向に走査し
つつ、圧電体に印加する電圧信号を試料表面の凹凸情報
として画像形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来技術に係るSPMでは、XY走査時に、即
ち例えば図8(b)の状態から図8(a)の状態に変位
するときに、円筒型圧電体スキャナの自由端の軌跡が曲
線(円弧)となることにより、画像のZ方向に試料高さ
の測定誤差Δhが生じてしまう。
【0008】ここで、図9は長さ80mm、直径9.2
mmの円筒型圧電体がX方向に走査する時のZ方向変位
の実測値を示したものである。同図において、波形Aは
X変位センサ110からの信号xpを示しており、波形
BはZ方向の変位センサ108の出力を示している。こ
の例では波形Bに対してフィルタリング処理をしていな
いため、ノイズがのった波形となっているが、実際にフ
ィルタリング処理を施せば規則性のある波形となる。さ
らに、波形Aが曲線を有しているのは圧電スキャナのヒ
ステリシスの影響によるものである。また、例えば、同
図のa点は円筒型圧電体がX方向に変位していないと
き、b,c点は左右に最大に変位しているときを示して
いる。同図より明らかなように、従来技術では、80μ
m走査範囲でZ方向に約70nmの誤差が生じていた。
【0009】これらの問題に対して、Digital Instrume
nts 社のVirgil B.Elings 氏が、米国特許第53069
19号により、円筒型圧電体スキャナ外部に8分割電極
を貼り、これを用いてx,y走査中に自由端を水平に保
つことが可能な円筒型スキャナを提案した。しかしなが
ら、このDI社の提案では、スキャナの移動端面全体を
水平にするために、スキャナの上部と下部が同時に逆方
向に曲がるため、次の問題点があった。即ち、第1に従
来の同じ長さの円筒型のスキャナと比べてXY方向の走
査範囲が著しく狭くなる。第2にXY方向の走査範囲を
確保するためにスキャナの長さを増加しなければならな
い。そして、この結果、Z方向の剛性が低くなり、Z方
向の共振周波数が下がるといった問題が生じていた。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、画像上に歪みが生じるこ
とを防止し、試料段差の測定誤差を抑えると共に、走査
範囲が大きい場合においてもZ方向における大きな測定
誤差を避け、且つ、走査範囲を犠牲にすることもなく、
スキャナを長くすることもなく、Z方向の高い剛性を保
つことができる走査型プローブ顕微鏡を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の態様による走査型プローブ顕微鏡は、試料に
対して走査部材を相対的に走査すべく3次元方向に駆動
自在の圧電体スキャナと、上記圧電体スキャナの自由端
の平面において、該スキャナの中心に配設したセンサ
と、当該中心を中心角として直角となるように配設した
2つのセンサとを有し、上記圧電体スキャナの主走査方
向及び副走査方向に対して垂直な方向の変位量を検出す
る変位検出手段と、上記変位検出手段により検出された
変位量に基づいて、上記圧電体スキャナの円弧走査によ
る上記主走査及び副走査方向に対して垂直な方向の円弧
変位量を算出する円弧変位量算出手段と、上記円弧変位
量算出手段により算出された円弧変位量を補正電圧に変
換する変換手段と、上記変換手段により変換された補正
電圧に基づいて上記圧電体スキャナへの印加電圧を演算
する演算手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】第2の態様による走査型プローブ顕微鏡
は、試料に対して走査部材を相対的に走査すべく3次元
方向に駆動自在の圧電体スキャナと、上記圧電体スキャ
ナの主走査及び副走査方向の印加電圧に基づいて、補正
電圧テーブルを用いて、上記圧電体スキャナの円弧走査
による上記主走査及び副走査方向に対して垂直な方向の
円弧変位量を算出する円弧変位量算出手段と、上記円弧
変位量算出手段により算出された円弧変位量を補正電圧
に変換する変換手段と、上記変換手段により変換された
補正電圧に基づいて上記圧電体スキャナへの印加電圧を
演算する演算手段とを具備することを特徴とする。
【0013】そして、第3の態様による走査型プローブ
顕微鏡は、試料に対して走査部材を相対的に走査すべく
3次元方向に駆動自在の圧電体スキャナと、上記圧電体
スキャナの主走査方向の変位を検出する第1の検出手段
と、上記圧電体スキャナの副走査方向の変位を検出する
第2の検出手段と、上記圧電体スキャナの円弧走査によ
る上記主走査及び副走査方向に対して垂直な方向の円弧
変位量を、補正電圧テーブルを用いて、上記第1及び第
2の検出手段により検出された圧電体スキャナの主走査
及び副走査方向の変位検出量に基づいて算出する円弧変
位量算出手段と、上記円弧変位量算出手段により算出さ
れた円弧変位量を補正電圧に変換する変換手段と、上記
変換手段により変換された補正電圧に基づいて上記圧電
体スキャナへの印加電圧を演算する演算手段とを具備す
ることを特徴とする。
【0014】上記第1乃至第3の態様は以下の作用を奏
する。即ち、第1の態様による走査型プローブ顕微鏡で
は、圧電体スキャナにより試料に対して走査部材が相対
的に走査され、変位検出手段により上記圧電体スキャナ
の主走査方向及び副走査方向に対して垂直な方向の変位
量が検出され、円弧変位量算出手段により、上記変位検
出手段により検出された変位量に基づいて、上記圧電体
スキャナの円弧走査による上記主走査及び副走査方向に
対して垂直な方向の円弧変位量が算出され、変換手段に
より上記円弧変位量算出手段により算出された円弧変位
量が補正電圧に変換され、演算手段により上記変換手段
により変換された補正電圧に基づいて上記圧電体スキャ
ナへの印加電圧が演算される。
【0015】そして、第2の態様による走査型プローブ
顕微鏡は、圧電体スキャナにより試料に対して走査部材
が相対的に走査され、円弧変位量算出手段により上記圧
電体スキャナの主走査及び副走査方向の印加電圧に基づ
いて、補正電圧テーブルを用いて、上記圧電体スキャナ
の円弧走査による上記主走査及び副走査方向に対して垂
直な方向の円弧変位量が算出され、変換手段により上記
円弧変位量算出手段により算出された円弧変位量が補正
電圧に変換され、演算手段により上記変換手段により変
換された補正電圧に基づいて上記圧電体スキャナへの印
加電圧が演算される。
【0016】さらに、第3の態様による走査型プローブ
顕微鏡では、圧電体スキャナにより試料に対して走査部
材が相対的に走査され、第1の検出手段により上記圧電
体スキャナの主走査方向の変位が検出され、第2の検出
手段により上記圧電体スキャナの副走査方向の変位が検
出され、円弧変位量算出手段により、上記圧電体スキャ
ナの円弧走査による上記主走査及び副走査方向に対して
垂直な方向の円弧変位量が、補正電圧テーブルを用い
て、上記第1及び第2の検出手段により検出された圧電
体スキャナの主走査及び副走査方向の変位検出量に基づ
いて算出され、変換手段により上記円弧変位量算出手段
により算出された円弧変位量が補正電圧に変換され、演
算手段により上記変換手段により変換された補正電圧に
基づいて上記圧電体スキャナへの印加電圧が演算され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。先ず図1には本発明の第
1の実施の形態に係る走査型プローブ顕微鏡(以下、S
PMと称する)の構成を示して説明する。
【0018】同図に示されるように、圧電体6の所定位
置には電極7が配設されており、さらに、圧電体6の自
由端には試料12を搭載するための試料台14が配設さ
れている。そして、上記試料台14の所定位置には圧電
体変位センサ8が設けられている。詳細には、図2に示
されるように、円形の試料台14の中心に相当する位置
にセンサo(8a)が配設され、このセンサo(8a)
の配設位置を中心として直角となるように、x方向及び
y方向の変位を測定するためのセンサx(8b)とセン
サy(8c)がそれぞれ配設されている。これら3つの
センサ8a乃至8cの配設位置は本発明の特徴点のひと
つである。そして、上記構成要素により、圧電体スキャ
ナが構成されている。
【0019】センサ8c,8aは試料台14の下であれ
ばセンサoからの距離は任意に設定できる。したがっ
て、圧電体6の内部および外部に配置することが可能で
ある。一方、自由端に探針を有するカンチレバー1の変
位を光学的に検出すべくプローブ変位検出部2が配設さ
れており、該プローブ変位検出部2の出力はカンチレバ
ーのZ方向変位サーボ制御部3の入力に接続されてい
る。上記プローブ変位検出部2は、探針と試料12との
間の相互作用によって生じるカンチレバー1の変位を光
学的に検出するものである。上記圧電体変位センサ8a
乃至8cの出力は、減算器9a,9bを介してZ方向円
弧変位演算部10の入力に接続されており、該Z方向円
弧変位演算部10の出力は、変位−電圧変換部11の入
力に接続されている。そして、この圧電体変位センサ8
と演算器9とでZ方向変位検出部が構成されている。
【0020】この他、X,Y信号走査部4の出力は電極
7を介して上記圧電体6に接続されており、上記Z方向
変位サーボ制御部3、X,Y信号走査部4の出力はSP
M像表示装置5の入力に接続されている。さらに、上記
Z方向変位サーボ制御部3の出力と上記変位−電圧変換
部11の出力は減算器15の入力に接続され、該減算器
15の出力は電極7を介して上記圧電体6に接続されて
いる。
【0021】このような構成において、プローブ変位検
出部2は、カンチレバー1の探針の変位を光学的及び電
気的に検出し、変位信号SzをZ方向変位サーボ制御部
3へと出力する。Z方向変位サーボ制御部3では、試料
表面とカンチレバー1の探針先端を一定距離に保つよう
にフィードバック制御する。即ち、Z方向変位サーボ制
御部3では、プローブ変位検出部2から探針の変位Sz
を検出し、設定したリファレンス値と比較して、その偏
差を内部の積分器で積分し、印加電圧Vz*を生成し減
算器15の一方の入力端に出力する。
【0022】一方、Z方向変位検出部では、圧電体変位
センサ8の出力から圧電体のX,Y方向の実際の変位信
号Xs,Ysを検出し、該変位信号Xs,YsをZ方向
湾曲変位演算部10に出力する。即ち、図2に示される
ように、センサ8a乃至8cは、スキャナ端面のo,
x,yの3点のZ方向の各変位ho,hx,hyをそれ
ぞれ検出し、減算器9a,9bへと出力する。そして、
減算器9aでは、センサo(8a)の出力hoとセンサ
x(8b)の出力hxとの差分ho−hxを算出し、減
算器9bでは、センサo(8a)の出力hoとセンサy
(8c)の出力hyとの差分ho−hyを算出する。そ
して、これら減算器9a,9bの出力がZ方向円弧変位
演算部10に入力される。
【0023】続いて、Z方向円弧変位演算部10では、
上記センサ出力ho,hx,hy及びX,Y変位センサ
からの変位検出値Sx,Syを用いて、図3に示される
Z方向円弧変位誤差量Δhを求める。
【0024】即ち、センサo(8a)の出力をho、セ
ンサx(8b)の出力をhx、センサy(8c)の出力
をhy、スキャンx方向の変位換算値或いは変位検出値
をSx、スキャンy方向の変位換算値或いは変位検出値
をSy、センサoとセンサx間の距離をLx、センサo
とセンサy間の距離をLyとすると、Z方向円弧変位誤
差量Δhは次式により算出される。
【0025】 Δh=Δhx+Δhy =|(ho−hx)・Sx|/Lx+|(ho−hy)・Sy|/Ly (1) 圧電体6のX方向の変位SxおよびY方向の変位Sy
は、図1ではXY信号走査部4からの走査信号Vx,V
yから計算によって変位Sx,Syを求めているが、図
6、図7に記載したようなX変位センサ、Y変位センサ
を用いて検出した実際の変位Sx,Syを使用すること
も可能である。
【0026】こうして、変位−電圧変換部11では、上
記(1)式で求めたZ方向円弧変位誤差量Δhを補正電
圧ΔVに変換し、この補正電圧ΔVをZ方向変位サーボ
制御部3からの出力電圧Vz*から減算器15で減算
し、次式(2)で示される印加電圧Vzを電極7を介し
て圧電体6に印加する。
【0027】 Vz=Vz*−ΔV (2) 以上説明したように、本発明のSPMでは、円筒型圧電
体スキャナのX,Y平面にてスキャナの中心とX,Y方
向に3か所にZ方向の変位量を検出するセンサを設け、
その検出変位量とXY方向の変位に基づいて、若しくは
予めたテーブルとXY方向の変位に基づいて、補正量を
求め、Z方向サーボ制御系からの印加電圧に補償量を加
え、Z変位円弧誤差を補正する。即ち、圧電体スキャナ
にZ方向の印加電圧を調整し、Zサーボ制御系で積極に
制御することによって、円筒型圧電体自由端の曲線の運
動によるZ方向の測定誤差を補正する。
【0028】このように第1の実施態様では圧電体スキ
ャナ6の円弧変位によるZ方向の変位誤差を演算し、補
正電圧に変換して電極7へ印加してフィードバック制御
を行っているから、Z方向円弧変位誤差を除去すること
ができる。この特徴は種々のSPMへ適用可能である。
たとえば、図1ではXY信号走査部4からの走査信号V
x,Vyから走査位置を求めるタイプのSPMである
が、圧電体6のXY位置をXY変位センサSx,Syで
正確に検出するタイプのSPMたとえば従来例の説明で
使用した図7のSPM装置と組み合わせて使用すること
もできることは勿論である。
【0029】次に図4には第2の実施の形態に係るSP
Mの構成を示して説明する。同図に示されるように、圧
電体6の所定位置には電極7が配設されており、さら
に、該圧電体6の自由端には試料12を搭載するための
試料台14が配設されている。また、自由端に探針を有
するカンチレバー1はプローブ変位検出部2に接続さ
れ、該プローブ変位検出部2の出力はカンチレバー1の
Z方向変位サーボ制御部3の入力に接続されている。上
記プローブ変位検出部2は探針と試料との間の相互作用
によって生じる上記カンチレバー1の変位を光学的に検
出するものである。
【0030】一方、X,Y信号走査部4の出力は上記電
極7を介して圧電体6に接続されており、上記Z方向変
位サーボ制御部3の出力は減算器15の一方の入力端に
接続されている。更に、上記X,Y信号走査部4の出力
はZ方向円弧変位補正テーブル18を有するZ方向円弧
変位誤差演算部20及びSPM像表示装置5の入力に接
続されており、このZ方向円弧変位誤差演算部20の出
力は変位−電圧変換部11を介して上記減算器15の他
の入力端に接続されている。そして、この減算器の出力
は電極7を介して圧電体6に接続されている。
【0031】このような構成において、プローブ変位検
出部2は、カンチレバー1の探針の変位を光学的及び電
気的に検出し、変位信号SzをZ方向変位サーボ制御部
3へと出力する。Z方向変位サーボ制御部3は、試料表
面とカンチレバー1の探針先端を一定距離に保つように
フィードバック制御する。即ち、プローブ変位検出部2
からの探針の変位Szを検出し、該変位Szを予め設定
されたリファレンス値と比較して、その偏差を内部の積
分器で積分し、印加電圧Vz*を生成する。
【0032】続いて、図4(b)に示すように、Z方向
円弧変位誤差演算部20では、予め定めたスキャナの
X,Y方向の印加電圧とZ方向円弧誤差補正量との関係
を示すZ方向円弧変位補正テーブル18に基づいて、
X,Y方向の印加電圧に応じてZ方向円弧変位誤差量Δ
hを求める。変位−電圧変換部11は、このZ方向円弧
変位誤差量Δhを補正電圧ΔVに変換する。そして、減
算器15では、この補正電圧ΔVをZサーボ制御からの
出力電圧Vz*より減算し、印加電圧Vz(=Vz*−Δ
V)として電極7を介して圧電体6に印加する。
【0033】ここで、図5(a)には円筒型圧電体の走
査状態と、X方向の走査波形と、Z方向の円弧による変
位との関係を示し説明する。尚、同図の上段は円筒型圧
電体の走査状態を示し、中段はX方向の走査波形を示
し、下段はZ方向の円弧による変位を示している。同図
に示されるように、円筒型圧電体の走査状態がX方向に
左右最大となったときに、Z方向の円弧による変位も最
大となる。尚、この図5(a)に示される中段及び下段
の波形は先に示した図9の波形A,Bにそれぞれ対応す
るものである。そして、この図5(a)の関係を基に作
成したのが、図5(b)に示されるX方向の走査電圧と
Z方向円弧誤差補正量との関係を示すテーブルである。
尚、同様の手法により、Y方向の走査電圧とZ方向円弧
誤差補正量との関係を示すテーブルも作成され予め用意
されることになる。
【0034】このように、第2の実施の形態に係るSP
Mによれば、スキャナの円弧移動によるカンチレバーの
探針が所在位置のZ方向の変位誤差を各走査点の補正電
圧により該変位誤差を無くすため、画像上の歪みが生じ
なく、試料段差の測定誤差も抑える。また、走査範囲を
犠牲にせずに、スキャナを長くしないでもよいので、Z
方向の高い剛性が保たれるといった利点がある。
【0035】次に図6には第3の実施の形態に係るSP
Mの構成を示して説明する。同図に示されるように、圧
電体6の所定位置には電極7が配設されており、さら
に、該圧電体6の自由端には試料12を搭載するための
試料台14が配設されている。また、上記圧電体6に
は、X変位センサ16及びY変位センサ17が配設され
ている。一方、自由端に探針を有するカンチレバー1は
プローブ変位検出部2に接続され、該プローブ変位検出
部2の出力はカンチレバー1のZ方向変位サーボ制御部
3に接続されている。上記プローブ変位検出部2は探針
と試料との間の相互作用によって生じるカンチレバー1
の変位を光学的に検出するものである。上記X,Y変位
センサ16,17の出力はZ方向円弧変位補正テーブル
18を有するZ方向円弧変位誤差演算部20及びSPM
像表示装置5の入力に接続されており、このZ方向円弧
変位補正テーブル18の出力は変位−電圧変換部11を
介して減算器15の入力に接続されている。上記カンチ
レバーのZ方向変位サーボ制御部3の出力は上記減算器
15の他の入力に接続されると共に、SPM像表示装置
5の入力にも接続される。そして、上記減算器15の出
力は電極7を介して圧電体6に接続されている。
【0036】このような構成において、プローブ変位検
出部2は、カンチレバー1の探針の変位を光学的及び電
気的に検出し、変位信号SzをZ変位サーボ制御部3へ
出力する。Z変位サーボ制御部3は、試料表面とカンチ
レバー1の探針先端を一定距離に保つようにフィードバ
ック制御する。プローブ変位検出部2から探針の変位S
zを検出し、設定したリファレンス値と比較して、その
偏差を内部の積分器で積分し、印加電圧Vz*を生成す
る。
【0037】Z方向円弧変位誤差演算部20では、図6
(b)に示すように、X,Y変位センサから圧電体の
X,Y方向の実際変位Xs,Ysを受け、この変位信号
Sx,SyとZ方向円弧変位誤差量のテーブルとに基づ
いて、X,Y方向の変位に応じたZ方向円弧変位誤差量
Δhを求める。そして、変位−電圧変換部11では、こ
の求めたZ方向円弧変位誤差量Δhを補正電圧ΔVに変
換し、該補正電圧ΔVをZ方向変位サーボ制御部3から
の出力電圧Vz*より減算し、印加電圧Vzとして電極
7を介して圧電体6に印加し、Z方向の変位を適正に制
御する。
【0038】このように、第3の実施の形態に係るSP
Mでは、予めたスキャナのX,Y方向の変位量とZ方向
円弧変位誤差量テーブルから補正電圧を求め、それによ
りZ方向円弧変位誤差を無くする。その結果、画像上の
歪みが生じなく、試料の測定誤差も抑えられる。また、
走査範囲が犠牲にならずに、スキャナを長くしなくても
よいので、Z方向の高い剛性が保たれる。
【0039】その結果、本発明によれば、画像上に歪み
が生じることもなく、試料段差の測定誤差も抑えること
ができる。特に、走査範囲が大きい場合においても、Z
方向における大きな測定誤差を避けられる。また、走査
範囲が犠牲せず、スキャナを長くすることもなく、Z方
向の高い剛性を保つことができる。
【0040】尚、本発明の上記実施態様には、以下の発
明も含まれる。 (1)円筒型圧電体スキャナと、上記円筒型圧電体スキ
ャナの主走査方向であるX方向及び副走査方向であるY
方向に垂直な方向であるZ方向の変位を検出するZ方向
変位検出手段と、上記スキャナのX,Y方向の変位を検
出するX,Y方向変位検出手段と、上記スキャナの円弧
走査によるZ方向の円弧変位量を算出する円弧変位量算
出手段と、上記円弧変位量を補正電圧に変換する変換手
段と、上記補正電圧を印加電圧に加算する加算手段と、
を備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 (2)上記Z方向変位検出手段が、その変位量を検出す
べく、スキャナの自由端のX−Y平面において、スキャ
ナの中心位置とX方向、Y方向の所定位置に配設された
3つのセンサを有することを特徴とする上記(1)に記
載の走査型プローブ顕微鏡。 (3)上記円弧変位量算出手段が、スキャナのX,Y,
Zの3次元方向の変位検出量に基づいてリアルタイムで
円弧変位量を算出することを特徴とする上記(1)に記
載の走査型プローブ顕微鏡。 (4)上記円弧変位量算出手段が、スキャナのX,Y方
向の変位検出量に係る補正電圧テーブルを用いることを
特徴とする上記(1)に記載の走査型プローブ顕微鏡。 (5)上記円弧変位量算出手段が、スキャナのX,Y方
向の印加電圧に係る補正電圧テーブルを用いることを特
徴とする上記(1)に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
走査範囲が大きい場合においてもZ方向における大きな
測定誤差を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るSPMの構成
を示す図である。
【図2】圧電変位センサ8の配置関係を詳細に示す図で
ある。
【図3】Z方向円弧変位誤差量Δhを示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るSPMの構成
を示す図である。
【図5】(a)は円筒型圧電体の走査状態と、X方向の
走査波形と、Z方向の円弧による変位との関係を示し、
(b)はX方向の走査電圧とZ方向円弧誤差補正量との
関係に係るテーブルを示す図であr。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るSPMの構成
を示す図である。
【図7】従来技術に係るSPMの構成の一例を示す図で
ある。
【図8】円筒型圧電体スキャナの変位による円弧誤差Δ
hを示す図である。
【図9】従来技術の長さ80mm、直径9.2mmの円
筒型圧電体がX方向に走査する時のZ方向変位の実測値
を示す図である。
【符号の説明】
1 カンチレバー 2 プローブ変位検出部 3 Z方向変位制御部 4 X,Y信号走査部 5 SPM像表示装置 6 圧電体 7 電極 8 圧電体変位センサ 9 減算器 10 Z方向湾曲変位演算部 11 変位−電圧変換部 12 試料 13 スキャナ 14 試料台 15 減算器 16 X変位センサ 17 Y変位センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対して走査部材を相対的に走査す
    べく3次元方向に駆動自在の圧電体スキャナと、 上記圧電体スキャナの自由端の平面において、該スキャ
    ナの中心に配設したセンサと、当該中心を中心角として
    直角となるように配設した2つのセンサとを有し、上記
    圧電体スキャナの主走査方向及び副走査方向に対して垂
    直な方向の変位量を検出する変位検出手段と、 上記変位検出手段により検出された変位量に基づいて、
    上記圧電体スキャナの円弧走査による上記主走査及び副
    走査方向に対して垂直な方向の円弧変位量を算出する円
    弧変位量算出手段と、 上記円弧変位量算出手段により算出された円弧変位量を
    補正電圧に変換する変換手段と、 上記変換手段により変換された補正電圧に基づいて上記
    圧電体スキャナへの印加電圧を演算する演算手段と、を
    具備することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 試料に対して走査部材を相対的に走査す
    べく3次元方向に駆動自在の圧電体スキャナと、 上記圧電体スキャナの主走査及び副走査方向の印加電圧
    に基づいて、補正電圧テーブルを用いて、上記圧電体ス
    キャナの円弧走査による上記主走査及び副走査方向に対
    して垂直な方向の円弧変位量を算出する円弧変位量算出
    手段と、 上記円弧変位量算出手段により算出された円弧変位量を
    補正電圧に変換する変換手段と、 上記変換手段により変換された補正電圧に基づいて上記
    圧電体スキャナへの印加電圧を演算する演算手段と、を
    具備することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 試料に対して走査部材を相対的に走査す
    べく3次元方向に駆動自在の圧電体スキャナと、 上記圧電体スキャナの主走査方向の変位を検出する第1
    の検出手段と、 上記圧電体スキャナの副走査方向の変位を検出する第2
    の検出手段と、 上記圧電体スキャナの円弧走査による上記主走査及び副
    走査方向に対して垂直な方向の円弧変位量を、補正電圧
    テーブルを用いて、上記第1及び第2の検出手段により
    検出された圧電体スキャナの主走査及び副走査方向の変
    位検出量に基づいて算出する円弧変位量算出手段と、 上記円弧変位量算出手段により算出された円弧変位量を
    補正電圧に変換する変換手段と、 上記変換手段により変換された補正電圧に基づいて上記
    圧電体スキャナへの印加電圧を演算する演算手段と、を
    具備することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015140996A1 (ja) * 2014-03-20 2015-09-24 株式会社島津製作所 走査型プローブ顕微鏡

Cited By (3)

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WO2015140996A1 (ja) * 2014-03-20 2015-09-24 株式会社島津製作所 走査型プローブ顕微鏡
CN106104278A (zh) * 2014-03-20 2016-11-09 株式会社岛津制作所 扫描探针显微镜
JPWO2015140996A1 (ja) * 2014-03-20 2017-04-06 株式会社島津製作所 走査型プローブ顕微鏡

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