JPH07280818A - 原子間力顕微鏡 - Google Patents
原子間力顕微鏡Info
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- JPH07280818A JPH07280818A JP6072010A JP7201094A JPH07280818A JP H07280818 A JPH07280818 A JP H07280818A JP 6072010 A JP6072010 A JP 6072010A JP 7201094 A JP7201094 A JP 7201094A JP H07280818 A JPH07280818 A JP H07280818A
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- cantilever
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- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】精度の向上を図り走査速度の低下を招かないA
FMを提供する。 【構成】探針と、レバーと、試料台と、光源と、4つの
受光部をもつ受光器と、探針と試料台を3軸方向に相対
移動する移動手段と、各受光部の出力信号から、第1演
算により、撓み量を検出し、該量を制御するため、移動
手段に与える制御量を求め、制御量に基づき形状計測す
る第1処理、および、第2演算によりレバー摩擦力の計
測をする第2処理を行う処理手段と、出力手段を備え、
さらに、探針と試料台とを相対的に移動させる移動制御
手段と、試料を与えないで相対移動させた時に、第1処
理にて求まるべき制御量の理想値と実際の制御量との第
1誤差値と、第2処理において計測されるべき摩擦力の
理想値と実際の摩擦力との第2誤差値とを記憶する記憶
手段と、第1処理の制御量から第1誤差値を減じ、第2
処理の摩擦力から第2の誤差値を減ずる演算手段を有す
る。
FMを提供する。 【構成】探針と、レバーと、試料台と、光源と、4つの
受光部をもつ受光器と、探針と試料台を3軸方向に相対
移動する移動手段と、各受光部の出力信号から、第1演
算により、撓み量を検出し、該量を制御するため、移動
手段に与える制御量を求め、制御量に基づき形状計測す
る第1処理、および、第2演算によりレバー摩擦力の計
測をする第2処理を行う処理手段と、出力手段を備え、
さらに、探針と試料台とを相対的に移動させる移動制御
手段と、試料を与えないで相対移動させた時に、第1処
理にて求まるべき制御量の理想値と実際の制御量との第
1誤差値と、第2処理において計測されるべき摩擦力の
理想値と実際の摩擦力との第2誤差値とを記憶する記憶
手段と、第1処理の制御量から第1誤差値を減じ、第2
処理の摩擦力から第2の誤差値を減ずる演算手段を有す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料の表面形状等の測
定を行う計測装置、特に、プローブ走査型原子間力顕微
鏡の性能向上に関する。
定を行う計測装置、特に、プローブ走査型原子間力顕微
鏡の性能向上に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大型の試料を走査型原子間力顕微
鏡で測定する場合、高速かつ高精度の測定を実現するた
めには、試料を切断して試料表面を探針によって走査す
ることにより、試料の表面形状等の測定を行っていた。
鏡で測定する場合、高速かつ高精度の測定を実現するた
めには、試料を切断して試料表面を探針によって走査す
ることにより、試料の表面形状等の測定を行っていた。
【0003】これは、大型の試料に対し、高速かつ高精
度な測定を、検出系の走査により行なう場合には、原子
間力を検出するためのカンチレバーのほかに、カンチレ
バーの撓み量を検出するための、レーザダイオードおよ
び検出器を、カンチレバーの走査動作に同期して精度よ
く動かす必要があり、このため測定速度の低下は避けら
れないものであった。
度な測定を、検出系の走査により行なう場合には、原子
間力を検出するためのカンチレバーのほかに、カンチレ
バーの撓み量を検出するための、レーザダイオードおよ
び検出器を、カンチレバーの走査動作に同期して精度よ
く動かす必要があり、このため測定速度の低下は避けら
れないものであった。
【0004】また、走査速度の低下を避けるため、カン
チレバーのみの走査により、所望の測定を行う手段も提
案されているが、カンチレバーの撓み量の検出系が固定
されているため測定精度が低下してしまうという問題点
があった。
チレバーのみの走査により、所望の測定を行う手段も提
案されているが、カンチレバーの撓み量の検出系が固定
されているため測定精度が低下してしまうという問題点
があった。
【0005】前記検出系を走査する方法としては、第1
に、「カンチレバー、レーザ、および検出器を同時に走
査する方法」、第2に、「カンチレバーおよびレーザを
同時に走査する方法」、第3に「レーザーデフォーカス
・カンチレバー走査方法(レーザ照射エリアを広げ、レ
バー走査を行う)」等の各種の方法が提案されている
が、前記第1や第2の方法のように、レーザや検出器
を、探針による試料の走査と、同時に移動する場合に
は、移動させる構成要素が多いため、移動機構が複雑に
なるとともに、走査速度や計測精度の低下を招く。
に、「カンチレバー、レーザ、および検出器を同時に走
査する方法」、第2に、「カンチレバーおよびレーザを
同時に走査する方法」、第3に「レーザーデフォーカス
・カンチレバー走査方法(レーザ照射エリアを広げ、レ
バー走査を行う)」等の各種の方法が提案されている
が、前記第1や第2の方法のように、レーザや検出器
を、探針による試料の走査と、同時に移動する場合に
は、移動させる構成要素が多いため、移動機構が複雑に
なるとともに、走査速度や計測精度の低下を招く。
【0006】すなわち、各移動構成要素の動きの間に、
微妙な配置上の誤差が存在する場合、すべて測定精度の
低下となって現れるわけである。
微妙な配置上の誤差が存在する場合、すべて測定精度の
低下となって現れるわけである。
【0007】前記第3の方法である、レーザをデフォー
カスし(レーザ照射エリアを広げ、カンチレバーの反射
面に常にレーザ光が照射されるようにする)、カンチレ
バーだけを走査する場合、走査部が少ないため測定速度
の低下は少ないものの、カンチレバーによる反射光は、
レバーの撓み量だけでなく、レバーの水平方向、垂直方
向の余分な動きに対しても、反射光が応答し受光される
ため測定精度が低下してしまう。
カスし(レーザ照射エリアを広げ、カンチレバーの反射
面に常にレーザ光が照射されるようにする)、カンチレ
バーだけを走査する場合、走査部が少ないため測定速度
の低下は少ないものの、カンチレバーによる反射光は、
レバーの撓み量だけでなく、レバーの水平方向、垂直方
向の余分な動きに対しても、反射光が応答し受光される
ため測定精度が低下してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明してきたよう
に、従来の技術によれば、各種の走査方法を採用する原
子間力顕微鏡が提案されているが、いずれも走査速度お
よび測定精度を著しく低下させること無く、試料の表面
形状や探針に作用する摩擦力を計測する手段は存在しな
いといえる。
に、従来の技術によれば、各種の走査方法を採用する原
子間力顕微鏡が提案されているが、いずれも走査速度お
よび測定精度を著しく低下させること無く、試料の表面
形状や探針に作用する摩擦力を計測する手段は存在しな
いといえる。
【0009】すなわち、走査速度を高速にすると、測定
精度を著しく低下させてしまう手段や、測定精度の向上
を図るあまり、走査速度を著しく低下させてしまう手段
や、走査速度の高速化および測定精度の向上の、いずれ
も実現しがたい手段が提案されている。
精度を著しく低下させてしまう手段や、測定精度の向上
を図るあまり、走査速度を著しく低下させてしまう手段
や、走査速度の高速化および測定精度の向上の、いずれ
も実現しがたい手段が提案されている。
【0010】そこで、本発明では、走査式原子関力顕微
鏡において、測定精度の向上を図りつつ走査速度の低下
を招くことのない手段を提供するものである。
鏡において、測定精度の向上を図りつつ走査速度の低下
を招くことのない手段を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、以下の手段が考えられる。
に、以下の手段が考えられる。
【0012】与えられた試料の形状を計測する探針を備
えるカンチレバーと、試料を載置する試料台と、光源
と、該光源から放射した光を集光するレンズと、集光さ
れた光のカンチレバーによる反射光を受光する、4つの
分割受光部を備える受光器と、与えられた信号によっ
て、探針と試料台との3軸方向の相対的移動が可能な移
動手段と、前記4つの分割受光部からの出力信号を用
い、予め定められた第1の演算により、撓み量を演算す
る手段と、前記カンチレバーの撓み量を所定量に制御す
るための、前記移動手段に与える制御量を求め、該制御
量にもとづき、試料の形状を計測する第1の処理、およ
び、前記4つの分割受光部からの出力信号を用い、予め
定められた第2の演算により、カンチレバーがねじれる
ことにより発生する摩擦力を計測する第2の処理を行う
処理手段と、計測された形状、摩擦力の情報を少なくと
も出力する出力手段とを備えた構成にする。
えるカンチレバーと、試料を載置する試料台と、光源
と、該光源から放射した光を集光するレンズと、集光さ
れた光のカンチレバーによる反射光を受光する、4つの
分割受光部を備える受光器と、与えられた信号によっ
て、探針と試料台との3軸方向の相対的移動が可能な移
動手段と、前記4つの分割受光部からの出力信号を用
い、予め定められた第1の演算により、撓み量を演算す
る手段と、前記カンチレバーの撓み量を所定量に制御す
るための、前記移動手段に与える制御量を求め、該制御
量にもとづき、試料の形状を計測する第1の処理、およ
び、前記4つの分割受光部からの出力信号を用い、予め
定められた第2の演算により、カンチレバーがねじれる
ことにより発生する摩擦力を計測する第2の処理を行う
処理手段と、計測された形状、摩擦力の情報を少なくと
も出力する出力手段とを備えた構成にする。
【0013】さらに、前記移動手段に所定の信号を与
え、前記探針と前記試料台とを相対的に移動させる移動
制御手段と、試料を与えない状態で前記探針と前記試料
台とを相対的に移動させたときに、前記第1の処理を行
う際に求まるべき制御量の理想値と実際に求まった制御
量との第1の誤差値、および、前記第2の処理を行う際
に計測されるべき摩擦力の理想値と実際に計測された摩
擦力との第2の誤差値とを、探針と試料台との相対移動
位置に対応ずけて格納する記憶手段とを備える。
え、前記探針と前記試料台とを相対的に移動させる移動
制御手段と、試料を与えない状態で前記探針と前記試料
台とを相対的に移動させたときに、前記第1の処理を行
う際に求まるべき制御量の理想値と実際に求まった制御
量との第1の誤差値、および、前記第2の処理を行う際
に計測されるべき摩擦力の理想値と実際に計測された摩
擦力との第2の誤差値とを、探針と試料台との相対移動
位置に対応ずけて格納する記憶手段とを備える。
【0014】そして、演算手段を備え、該演算手段は、
記憶手段の記憶内容を検索して、前記移動手段に与えら
れる信号により得られる前記相対移動位置に対応する前
記第1および第2の誤差値を求め、前記第1の処理を行
う際に求めた制御量から、第1の誤差値を減じ、さら
に、前記第2の処理を行う際に計測した摩擦力から、第
2の誤差値を減じ、制御量および摩擦力を求める構成に
した手段である。
記憶手段の記憶内容を検索して、前記移動手段に与えら
れる信号により得られる前記相対移動位置に対応する前
記第1および第2の誤差値を求め、前記第1の処理を行
う際に求めた制御量から、第1の誤差値を減じ、さら
に、前記第2の処理を行う際に計測した摩擦力から、第
2の誤差値を減じ、制御量および摩擦力を求める構成に
した手段である。
【0015】
【作用】本発明は、カンチレバーのみを走査することに
より、走査速度の低下を防ぐとともに、所定の処理を行
い、測定精度を向上させる。
より、走査速度の低下を防ぐとともに、所定の処理を行
い、測定精度を向上させる。
【0016】試料を与えない状態で前記探針と前記試料
台とを相対的に移動させたときに、前記第1の処理を行
う際に求まるべき制御量の理想値と実際の制御量との第
1の誤差値、および、前記第2の処理を行う際に計測さ
れるべき摩擦力の理想値と実際の摩擦力との第2の誤差
値とを、探針と試料台との相対移動位置に対応ずけて記
憶しておく。
台とを相対的に移動させたときに、前記第1の処理を行
う際に求まるべき制御量の理想値と実際の制御量との第
1の誤差値、および、前記第2の処理を行う際に計測さ
れるべき摩擦力の理想値と実際の摩擦力との第2の誤差
値とを、探針と試料台との相対移動位置に対応ずけて記
憶しておく。
【0017】そして、演算手段は、記憶手段の記憶内容
を検索して、前記移動手段に与えられる信号により得ら
れる前記相対移動位置に対応する前記第1および第2の
誤差値を求め、前記第1の処理を行う際に求めた制御量
から、第1の誤差値を減じ、さらに、前記第2の処理を
行う際に計測した摩擦力から、第2の誤差値を減じ、制
御量および摩擦力を求める。
を検索して、前記移動手段に与えられる信号により得ら
れる前記相対移動位置に対応する前記第1および第2の
誤差値を求め、前記第1の処理を行う際に求めた制御量
から、第1の誤差値を減じ、さらに、前記第2の処理を
行う際に計測した摩擦力から、第2の誤差値を減じ、制
御量および摩擦力を求める。
【0018】これにより、制御量と摩擦力の理想値から
のずれを補正することができ、走査速度の低下を防ぐと
ともに、測定精度を向上させることができる。すなわ
ち、レバーによる反射光のレバー位置に依存した誤差を
補正し、測定精度を向上させることができる。
のずれを補正することができ、走査速度の低下を防ぐと
ともに、測定精度を向上させることができる。すなわ
ち、レバーによる反射光のレバー位置に依存した誤差を
補正し、測定精度を向上させることができる。
【0019】もちろん、形状計測処理、すなわち、前記
第1の処理に対してのみ、本発明を適用する構成にして
も良い。
第1の処理に対してのみ、本発明を適用する構成にして
も良い。
【0020】なお、通常の原子間力顕微鏡のように、レ
ーザ光と、反射面を有するカンチレバーと、カンチレバ
ーからの反射光を受光する受光素子とを有して構成され
る光学系である、光てこ検出系を利用して、表面形状を
計測する。受光素子から得られる検出信号に基づいて、
所定の演算を行い、該演算値が一定となるように、すな
わち、カンチレバーの撓み量が一定となるように、移動
手段を制御し、この制御量に基づいて試料の表面形状を
計測する。
ーザ光と、反射面を有するカンチレバーと、カンチレバ
ーからの反射光を受光する受光素子とを有して構成され
る光学系である、光てこ検出系を利用して、表面形状を
計測する。受光素子から得られる検出信号に基づいて、
所定の演算を行い、該演算値が一定となるように、すな
わち、カンチレバーの撓み量が一定となるように、移動
手段を制御し、この制御量に基づいて試料の表面形状を
計測する。
【0021】このような光学系を構成するために、レー
ザー光は、集光レンズを有して構成されるコリメート系
により集光し、カンチレバーの反射面に照射する。な
お、レーザ光の照射エリアであるスボット径は、カンチ
レバーの走査領域より大きく設定し、カンチレバーの走
査により、カンチレバーが、レーザ光の照射エリアの範
囲外に出ないように設定しておく。
ザー光は、集光レンズを有して構成されるコリメート系
により集光し、カンチレバーの反射面に照射する。な
お、レーザ光の照射エリアであるスボット径は、カンチ
レバーの走査領域より大きく設定し、カンチレバーの走
査により、カンチレバーが、レーザ光の照射エリアの範
囲外に出ないように設定しておく。
【0022】検出器は、2つ、あるいは、4つの受光部
を備えて構成し、カンチレバー走査や、高さ方向の変化
により、反射光の反射光路が変化しても、光が検出器に
より受光されるように構成しておく。
を備えて構成し、カンチレバー走査や、高さ方向の変化
により、反射光の反射光路が変化しても、光が検出器に
より受光されるように構成しておく。
【0023】なお、2つの受光部からの出力を用いて、
所定の演算を行うことによって、カンチレバーの撓み量
の情報、すなわち、試料の形状情報が求まる。さらに、
4つの受光部からの出力を用いて、所定の演算を行い、
カンチレバーに発生する摩擦力も計測することが可能で
ある。
所定の演算を行うことによって、カンチレバーの撓み量
の情報、すなわち、試料の形状情報が求まる。さらに、
4つの受光部からの出力を用いて、所定の演算を行い、
カンチレバーに発生する摩擦力も計測することが可能で
ある。
【0024】さて、実際の試料を測定する前処理とし
て、レバーに力が加わっていない状態(すなわち試料を
与えていない状態)で、XY方向、すなわち、2次元平
面での走査を行い、検出器出力に基づいて演算された、
制御量、摩擦力をメモリに記憶しておく。さて、レバー
に力が加わっていない状態で走査すると仮定したときに
得られる理想的な、制御量(理想制御量)および摩擦力
(理想摩擦力)は、予め分かっているため、走査位置に
対応させて、メモリに記憶しておいた、前記制御量、摩
擦力と、理想制御量、理想摩擦力との誤差量を、新た
に、メモリに記憶しておく。
て、レバーに力が加わっていない状態(すなわち試料を
与えていない状態)で、XY方向、すなわち、2次元平
面での走査を行い、検出器出力に基づいて演算された、
制御量、摩擦力をメモリに記憶しておく。さて、レバー
に力が加わっていない状態で走査すると仮定したときに
得られる理想的な、制御量(理想制御量)および摩擦力
(理想摩擦力)は、予め分かっているため、走査位置に
対応させて、メモリに記憶しておいた、前記制御量、摩
擦力と、理想制御量、理想摩擦力との誤差量を、新た
に、メモリに記憶しておく。
【0025】そして、実際に計測を行なう場合、実際に
得られる制御量、摩擦力から、メモリに格納されてい
る、対応する誤差量を差し引く処理を行うことにより、
レバー反射光の位置に依存する誤差成分を取り除くこと
が可能となり、形状を求めるための制御量や、摩擦力を
精度良く求めることが可能となる。
得られる制御量、摩擦力から、メモリに格納されてい
る、対応する誤差量を差し引く処理を行うことにより、
レバー反射光の位置に依存する誤差成分を取り除くこと
が可能となり、形状を求めるための制御量や、摩擦力を
精度良く求めることが可能となる。
【0026】なお、形状計測や摩擦力の測定等の一般的
な処理は、通常の走査型原子関力顕微鏡と同じである。
な処理は、通常の走査型原子関力顕微鏡と同じである。
【0027】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0028】図6に、本発明にかかるシステムの構成例
の構成図を示す。
の構成図を示す。
【0029】試料を載置する試料台、可撓性を有するカ
ンチレバー、該カンチレバーの先端部に設けられた探針
(図示せず)、カンチレバーをXYZ方向に移動させる
ためのXYZスキャナ、カンチレバーの背面に設けられ
た反射面に、レーザ光を照射するレーザ、レーザ光を所
定エリアに照射するために、レーザ光を集光するレン
ズ、前記反射面で反射したレーザ光を受光するディテク
タ、XYZスキャナに電圧を印加するPZTドライバ、
ディテクタ出力に基づき、高さ信号や摩擦力信号を得る
ためのセンサ信号処理回路、試料を走査するためにXY
Zスキャナへの印加電圧を与えるための制御を行うXY
走査回路、カンチレバーの撓み量を一定にするように、
XYZスキャナへの印加電圧を与えるための制御を行う
サーボ回路、XY走査回路およびサーボ回路の制御や、
試料の形状データを出力する処理を行う制御回路、試料
の形状データを表示する表示モニタ、後に説明する本発
明の主要部である誤差補正回路、および、制御回路に対
して所定の指示を与えるための入力装置を有して構成さ
れる。
ンチレバー、該カンチレバーの先端部に設けられた探針
(図示せず)、カンチレバーをXYZ方向に移動させる
ためのXYZスキャナ、カンチレバーの背面に設けられ
た反射面に、レーザ光を照射するレーザ、レーザ光を所
定エリアに照射するために、レーザ光を集光するレン
ズ、前記反射面で反射したレーザ光を受光するディテク
タ、XYZスキャナに電圧を印加するPZTドライバ、
ディテクタ出力に基づき、高さ信号や摩擦力信号を得る
ためのセンサ信号処理回路、試料を走査するためにXY
Zスキャナへの印加電圧を与えるための制御を行うXY
走査回路、カンチレバーの撓み量を一定にするように、
XYZスキャナへの印加電圧を与えるための制御を行う
サーボ回路、XY走査回路およびサーボ回路の制御や、
試料の形状データを出力する処理を行う制御回路、試料
の形状データを表示する表示モニタ、後に説明する本発
明の主要部である誤差補正回路、および、制御回路に対
して所定の指示を与えるための入力装置を有して構成さ
れる。
【0030】そして、通常、レーザ、レンズ、ディテク
タ等は、図示しない固定部に固定された構成になってい
る。
タ等は、図示しない固定部に固定された構成になってい
る。
【0031】以下、主要な構成要素、および、動作につ
いて説明する。
いて説明する。
【0032】XYZスキャナ(以下、単に、スキャナと
称することが多い)として最も一般的に使用されている
のは、チューブスキャナと称されるアクチュエータであ
る。かかるチューブスキャナは、図7に示すように、例
えば、PZT等の材料を使用して製造された、円筒型の
チューブ600の外周上に、4つの電極を分割して貼り
付け、XYZ3方向の動きを可能にしたアクチュエータ
である。
称することが多い)として最も一般的に使用されている
のは、チューブスキャナと称されるアクチュエータであ
る。かかるチューブスキャナは、図7に示すように、例
えば、PZT等の材料を使用して製造された、円筒型の
チューブ600の外周上に、4つの電極を分割して貼り
付け、XYZ3方向の動きを可能にしたアクチュエータ
である。
【0033】具体的には、図7に示すように座標系を設
定すると、電極61a、61bに、大きさが同じで符号
の異なる電圧を印加することにより、X軸方向の走査が
可能となり、また、同様に、電極62a、62bに、大
きさが同じで符号の異なる電圧を印加することによりY
軸方向の走査が可能となる。
定すると、電極61a、61bに、大きさが同じで符号
の異なる電圧を印加することにより、X軸方向の走査が
可能となり、また、同様に、電極62a、62bに、大
きさが同じで符号の異なる電圧を印加することによりY
軸方向の走査が可能となる。
【0034】また、チューブの内周には、共通電極63
が設けられており、該共通電極と、すべての電極61
a、61b、62a、62bとの間に、所定の電圧を印
加することにより、チューブをZ方向に伸縮させること
も可能である。したがって、かかるチューブスキャナの
先端に、探針を備えカンチレバーを取り付けることによ
って、X、Y、Z3軸方向に、カンチレバーを移動させ
ることができる。
が設けられており、該共通電極と、すべての電極61
a、61b、62a、62bとの間に、所定の電圧を印
加することにより、チューブをZ方向に伸縮させること
も可能である。したがって、かかるチューブスキャナの
先端に、探針を備えカンチレバーを取り付けることによ
って、X、Y、Z3軸方向に、カンチレバーを移動させ
ることができる。
【0035】本実施例では、各電極に印加される電圧
は、PZTドライバにより与えられる。すなわち、PZ
Tドライバは、与えられた制御信号によって、所定の電
極に印加する電圧を出力する手段であり、例えば、パワ
ートランジスタ、変圧器、抵抗、オペアンプ等の各種電
子デバイスにて実現される。
は、PZTドライバにより与えられる。すなわち、PZ
Tドライバは、与えられた制御信号によって、所定の電
極に印加する電圧を出力する手段であり、例えば、パワ
ートランジスタ、変圧器、抵抗、オペアンプ等の各種電
子デバイスにて実現される。
【0036】また、PZTドライバに与えられる制御信
号は、XY走査回路、サーボ回路によって生成される。
号は、XY走査回路、サーボ回路によって生成される。
【0037】XY走査回路は、試料台に対してカンチレ
バーを相対的に2次元(XY)平面で移動させるよう
に、前記電極61a、61b、62a、62bに電圧を
印加するために、PZTドライバに制御信号を与える手
段である。
バーを相対的に2次元(XY)平面で移動させるよう
に、前記電極61a、61b、62a、62bに電圧を
印加するために、PZTドライバに制御信号を与える手
段である。
【0038】また、サーボ回路は、カンチレバーが備え
る探針による試料の走査によってカンチレバーに撓むが
生ずるが、その撓み量を一定にすべく、前記電極61
a、61b、62a、62b、共通電極に、電圧を印加
するために、PZTドライバに制御信号を与える手段で
ある。
る探針による試料の走査によってカンチレバーに撓むが
生ずるが、その撓み量を一定にすべく、前記電極61
a、61b、62a、62b、共通電極に、電圧を印加
するために、PZTドライバに制御信号を与える手段で
ある。
【0039】なお、XY走査回路自体、および、サーボ
回路自体の動作は、制御回路によって与えられる信号に
よって行われる。
回路自体の動作は、制御回路によって与えられる信号に
よって行われる。
【0040】制御回路は、表面形状を表示モニタに表示
する処理や、前記XY走査回路や前記サーボ回路の動作
を制御する信号を生成し、与える機能を有する。なお、
表示モニタは、例えば、CRTによって、XY走査回
路、サーボ回路、制御回路は、例えば、CPU、RO
M、RAM、各種CMOS等の電子デバイスにて実現で
きる。
する処理や、前記XY走査回路や前記サーボ回路の動作
を制御する信号を生成し、与える機能を有する。なお、
表示モニタは、例えば、CRTによって、XY走査回
路、サーボ回路、制御回路は、例えば、CPU、RO
M、RAM、各種CMOS等の電子デバイスにて実現で
きる。
【0041】また、センサ信号処理回路からは、高さ信
号(すなわち、表面形状に対する信号である:以下同
じ)、摩擦力信号が出力され、誤差補正回路にて補正さ
れる。そして、制御回路は、誤差補正された、高さ信
号、摩擦力信号を入力し、高さ信号の値が所定値となる
ように、サーボ回路を制御する。
号(すなわち、表面形状に対する信号である:以下同
じ)、摩擦力信号が出力され、誤差補正回路にて補正さ
れる。そして、制御回路は、誤差補正された、高さ信
号、摩擦力信号を入力し、高さ信号の値が所定値となる
ように、サーボ回路を制御する。
【0042】このサーボ回路に対する制御量、すなわ
ち、サーボ回路がPZTドライバを介し、スキャナが備
える電極に印加する電圧値が、試料の表面形状に対応す
るため、前記制御量にもとづいて、試料の表面形状が検
出できることになる。
ち、サーボ回路がPZTドライバを介し、スキャナが備
える電極に印加する電圧値が、試料の表面形状に対応す
るため、前記制御量にもとづいて、試料の表面形状が検
出できることになる。
【0043】なお、制御回路には、入力装置が接続され
ており、制御回路は、入力装置を介して与えられる、
(後に説明する)本発明にかかる動作を行うべき旨の指
示を受け付け、所定の処理を行う機能を少なくとも有す
る。かかる入力装置は、スイッチ、キーボード、マウス
等によって実現できる。
ており、制御回路は、入力装置を介して与えられる、
(後に説明する)本発明にかかる動作を行うべき旨の指
示を受け付け、所定の処理を行う機能を少なくとも有す
る。かかる入力装置は、スイッチ、キーボード、マウス
等によって実現できる。
【0044】さて、試料台に載置された試料の表面形状
を観察する際には、制御回路がXY走査回路に対して信
号を与え、PZTドライバによりスキャナに印加される
電圧により、スキャナの各軸方向における移動量を制御
し、試料表面における、XY平面上の所定領域で、試料
に対し、カンチレバーを相対移動させ、試料の形状を計
測するための走査を行う。
を観察する際には、制御回路がXY走査回路に対して信
号を与え、PZTドライバによりスキャナに印加される
電圧により、スキャナの各軸方向における移動量を制御
し、試料表面における、XY平面上の所定領域で、試料
に対し、カンチレバーを相対移動させ、試料の形状を計
測するための走査を行う。
【0045】かかる走査によって、探針と試料との間
に、いわゆる原子間力が作用し、この力の大きさによっ
て、カンチレバーが撓み、探針がZ軸方向に変位するの
で、カンチレバーの撓み量が、一定になるように、サー
ボ回路によってフィードバック制御しながら、試料を走
査していくことにより、前記フィードバック制御量に対
応して、試料の表面形状が求まることになる。
に、いわゆる原子間力が作用し、この力の大きさによっ
て、カンチレバーが撓み、探針がZ軸方向に変位するの
で、カンチレバーの撓み量が、一定になるように、サー
ボ回路によってフィードバック制御しながら、試料を走
査していくことにより、前記フィードバック制御量に対
応して、試料の表面形状が求まることになる。
【0046】なお、カンチレバーの撓み量を一定にする
ためには、以下のようにすれば良い。
ためには、以下のようにすれば良い。
【0047】すなわち、レーザから放射され、レンズに
て集光されて、カンチレバーが有する反射面に照射され
反射したレーザ光を、ディテクタで受光し、ディテクタ
を構成する各受光部からの出力信号を用いた演算により
求まる演算値が所定値となるように、スキャナの移動量
を、制御回路およびサーボ回路によって制御して、試料
台とカンチレバーとをZ方向に相対的に移動する処理を
行えば良い。
て集光されて、カンチレバーが有する反射面に照射され
反射したレーザ光を、ディテクタで受光し、ディテクタ
を構成する各受光部からの出力信号を用いた演算により
求まる演算値が所定値となるように、スキャナの移動量
を、制御回路およびサーボ回路によって制御して、試料
台とカンチレバーとをZ方向に相対的に移動する処理を
行えば良い。
【0048】さて、ディテクタを構成する各受光部から
の出力信号を用いた演算により求まる演算値が所定値と
なるように、スキャナの移動量、即ち形状を検出(高さ
信号の検出)するための制御量の演算や、摩擦力の求め
方、さらには、高さ信号、摩擦力信号の誤差補正方法に
ついて具体的に、図面を参照して説明する。
の出力信号を用いた演算により求まる演算値が所定値と
なるように、スキャナの移動量、即ち形状を検出(高さ
信号の検出)するための制御量の演算や、摩擦力の求め
方、さらには、高さ信号、摩擦力信号の誤差補正方法に
ついて具体的に、図面を参照して説明する。
【0049】その前に、原子間力顕微鏡において、高
さ、摩擦力を求める一般的な原理等について説明してお
く。
さ、摩擦力を求める一般的な原理等について説明してお
く。
【0050】図3は、一般的な原子間力顕微鏡の動作原
理の説明図である。
理の説明図である。
【0051】図3に示すように、レーザ光がカンチレバ
ーで反射され、該反射光が、4つの受光部を備える4分
割ディテクタに受光される状態を示している。
ーで反射され、該反射光が、4つの受光部を備える4分
割ディテクタに受光される状態を示している。
【0052】カンチレバーの、ねじれ方向の動きを示す
矢印、カンチレバーのZ方向(Zは、図6に示す座標系
におけるZで、試料の高さ方向である。以下同じ)の動
きを示す矢印が図示されている。
矢印、カンチレバーのZ方向(Zは、図6に示す座標系
におけるZで、試料の高さ方向である。以下同じ)の動
きを示す矢印が図示されている。
【0053】また、カンチレバーがZ方向に動いた(す
なわち、撓むこと)ときの、4分割ディテクタ上でのレ
ーザ光の動き(Y方向)、および、カンチレバーが走査
方向に動いた(すなわち、カンチレバーに、ねじれ(摩
擦力に対応する)が発生すること)ときの、4分割ディ
テクタ上でのレーザ光の動き(X方向)も図示してい
る。
なわち、撓むこと)ときの、4分割ディテクタ上でのレ
ーザ光の動き(Y方向)、および、カンチレバーが走査
方向に動いた(すなわち、カンチレバーに、ねじれ(摩
擦力に対応する)が発生すること)ときの、4分割ディ
テクタ上でのレーザ光の動き(X方向)も図示してい
る。
【0054】カンチレバーがZ方向に動く(すなわち、
撓むこと)場合には、4分割ディテクタ上では、反射レ
ーザ光は、Y方向に動く。
撓むこと)場合には、4分割ディテクタ上では、反射レ
ーザ光は、Y方向に動く。
【0055】このとき、受光部a、b、c、dから出力
される電圧を、Va、Vb、Vc、Vdとすると、高さ
方向信号Vzは、「Vz=(Va+Vb)−(Vc+V
d)」なる演算式で与えられることが知られている。し
たがって、通常、かかるVzを一定にするように、制御
回路がサーボ回路に制御信号を与え、与えた制御量に対
応して、試料の形状を計測する。
される電圧を、Va、Vb、Vc、Vdとすると、高さ
方向信号Vzは、「Vz=(Va+Vb)−(Vc+V
d)」なる演算式で与えられることが知られている。し
たがって、通常、かかるVzを一定にするように、制御
回路がサーボ回路に制御信号を与え、与えた制御量に対
応して、試料の形状を計測する。
【0056】また、カンチレバーが走査方向に移動する
場合(レバーに、摩擦力が発生し、ねじれが生じる)、
4分割ディテクタ上では、反射レーザ光は、X方向に動
く。このとき、摩擦力信号Vfは、「Vf=(Va+V
d)−(Vb+Vc)」なる演算式で与えられることが
知られている。
場合(レバーに、摩擦力が発生し、ねじれが生じる)、
4分割ディテクタ上では、反射レーザ光は、X方向に動
く。このとき、摩擦力信号Vfは、「Vf=(Va+V
d)−(Vb+Vc)」なる演算式で与えられることが
知られている。
【0057】次に、図4を参照して、動作説明のための
座標系について説明しておく。
座標系について説明しておく。
【0058】まず走査系に対する座標系について説明す
る。探針の試料台に対する走査方向を、X、Y方向とす
る。ここでX軸とY軸とは直交するものとし、さらにX
Y平面に直交する方向をZ方向とする。
る。探針の試料台に対する走査方向を、X、Y方向とす
る。ここでX軸とY軸とは直交するものとし、さらにX
Y平面に直交する方向をZ方向とする。
【0059】また、4分割ディテクタに対する座標系
は、図4に示すように、X、Y方向として設定されてい
る。
は、図4に示すように、X、Y方向として設定されてい
る。
【0060】このとき、試料に接近させたカンチレバー
からの反射光パターンが、4分割ディテクタ上に投影さ
れるが、カンチレバーをX方向(走査系に対する座標
系)に移動させた時に、4分割ディテクタ上で反射光が
移動する方向が、4分割ディテクタに対する座標系のX
軸とする。同様に、カンチレバーをY方向(走査系に対
する座標系)に移動させた時に、4分割ディテクタ上で
反射光が移動する方向が、4分割ディテクタに対する座
標系のY軸とする。
からの反射光パターンが、4分割ディテクタ上に投影さ
れるが、カンチレバーをX方向(走査系に対する座標
系)に移動させた時に、4分割ディテクタ上で反射光が
移動する方向が、4分割ディテクタに対する座標系のX
軸とする。同様に、カンチレバーをY方向(走査系に対
する座標系)に移動させた時に、4分割ディテクタ上で
反射光が移動する方向が、4分割ディテクタに対する座
標系のY軸とする。
【0061】カンチレバーが試料の走査時に、撓む場
合、その方向は、走査系に対する座標系では、Z軸方向
での移動となるが、ディテクタ上では、Y方向の移動に
相当することになる。
合、その方向は、走査系に対する座標系では、Z軸方向
での移動となるが、ディテクタ上では、Y方向の移動に
相当することになる。
【0062】さて、ディテクタを構成する各受光部から
の出力信号を用いた演算により求まる演算値が所定値と
なるように、スキャナの移動量、即ち、形状、を検出
(高さ信号の検出)するための制御量の演算や、摩擦力
の求め方、さらには、高さ信号、摩擦力信号の誤差補正
方法について、さらに具体的に、図面を参照して説明す
る。
の出力信号を用いた演算により求まる演算値が所定値と
なるように、スキャナの移動量、即ち、形状、を検出
(高さ信号の検出)するための制御量の演算や、摩擦力
の求め方、さらには、高さ信号、摩擦力信号の誤差補正
方法について、さらに具体的に、図面を参照して説明す
る。
【0063】図1は、ディテクタ、センサ信号処理回
路、制御回路、XY走査回路を有して構成された、本発
明の主要部の構成例を示す。
路、制御回路、XY走査回路を有して構成された、本発
明の主要部の構成例を示す。
【0064】なお、ディテクタに対する座標系は、図1
に示す通りである。
に示す通りである。
【0065】また、図中の加算器は、入力された信号を
加算する手段であり、例えば、抵抗、オペアンプ等の電
子デバイスにて実現される。引算器は、入力された信号
を減算する手段であり、例えば、抵抗、オペアンプ等の
電子デバイスにて実現される。
加算する手段であり、例えば、抵抗、オペアンプ等の電
子デバイスにて実現される。引算器は、入力された信号
を減算する手段であり、例えば、抵抗、オペアンプ等の
電子デバイスにて実現される。
【0066】Vx補正テーブル、Vy補正テーブルは、
後に説明するが、VxおよびVyの理想値と、実際の値
との誤差量を、記憶しておく手段であり、例えばRAM
やROMで実現できる。
後に説明するが、VxおよびVyの理想値と、実際の値
との誤差量を、記憶しておく手段であり、例えばRAM
やROMで実現できる。
【0067】4分割ディテクタは、フォトダイオード等
の受光素子を用いて構成される受光部を4つ(図中の、
a、b、c、d)備えている。
の受光素子を用いて構成される受光部を4つ(図中の、
a、b、c、d)備えている。
【0068】電流電圧変換器(I−V)10、20、3
0、40は、入力された電流値に応じた電圧値を出力す
る手段であり、例えば、抵抗、オペアンプ等の電子デバ
イスにて実現される。
0、40は、入力された電流値に応じた電圧値を出力す
る手段であり、例えば、抵抗、オペアンプ等の電子デバ
イスにて実現される。
【0069】また、制御回路とVx補正テーブル、Vy
補正テーブルとは、図示しないデータバスで接続されて
おり、必要なデータが、制御回路から、両テーブルに入
力される。
補正テーブルとは、図示しないデータバスで接続されて
おり、必要なデータが、制御回路から、両テーブルに入
力される。
【0070】なお、XY走査回路と両テーブルとは、信
号線によって接続されている。XY走査回路からは、両
テーブルに、探針の走査位置の位置データが送られてく
る。
号線によって接続されている。XY走査回路からは、両
テーブルに、探針の走査位置の位置データが送られてく
る。
【0071】すなわち、制御回路は、探針の走査を行う
べく、スキャナが備える電極に電圧を印加する必要があ
り、そのためにPZTドライバを駆動するのが、XY走
査回路である。
べく、スキャナが備える電極に電圧を印加する必要があ
り、そのためにPZTドライバを駆動するのが、XY走
査回路である。
【0072】つまり、XY走査回路は、制御回路からの
信号を受信し、探針の走査を行うようにPZTドライバ
を駆動する。この際、所定位置に探針を移動するよう
に、PZTドライバの駆動信号を生成する。このときの
探針の走査位置のデータが、両テーブルに格納されるよ
うに構成にしておく。なお、探針の走査を全体的に制御
するのは制御装置であるため、探針の走査位置のデータ
を、直接、制御回路から取り込むような構成にしても良
い。
信号を受信し、探針の走査を行うようにPZTドライバ
を駆動する。この際、所定位置に探針を移動するよう
に、PZTドライバの駆動信号を生成する。このときの
探針の走査位置のデータが、両テーブルに格納されるよ
うに構成にしておく。なお、探針の走査を全体的に制御
するのは制御装置であるため、探針の走査位置のデータ
を、直接、制御回路から取り込むような構成にしても良
い。
【0073】また、図1に示す座標系において、カンチ
レバー高さ方向の動きは、Y方向の動きとなり、カンチ
レバーがねじれ、摩擦力が発生する方向の動きは、X方
向の動きとなる。
レバー高さ方向の動きは、Y方向の動きとなり、カンチ
レバーがねじれ、摩擦力が発生する方向の動きは、X方
向の動きとなる。
【0074】さて、図1に示す構成部の動作を通常の原
子力間顕微鏡の動作、本発明にかかる動作の順に説明す
る。
子力間顕微鏡の動作、本発明にかかる動作の順に説明す
る。
【0075】まず、通常の原子力間顕微鏡の動作につい
て説明する。
て説明する。
【0076】制御回路から与えられる信号により、XY
走査回路は起動し、PZTドライバの駆動信号により、
スキャナが駆動され、試料台に載置された試料に対す
る、探針の走査が行われる。
走査回路は起動し、PZTドライバの駆動信号により、
スキャナが駆動され、試料台に載置された試料に対す
る、探針の走査が行われる。
【0077】この走査にしたがって、カンチレバーには
高さ方向の動きや、ねじれによる摩擦力が発生する。一
方、レーザ光の、カンチレバーからの反射光は、4分割
ディテクタにて受光される。
高さ方向の動きや、ねじれによる摩擦力が発生する。一
方、レーザ光の、カンチレバーからの反射光は、4分割
ディテクタにて受光される。
【0078】反射光の照射による、4つの受光部a、
b、c、dの出力電流を、それぞれ、「iX-Y+」、「i
X+Y+」、「iX+Y-」、「iX-Y-」とし、これらの電流
を、それぞれ電流電圧変換器10、20、30、40に
よって、電圧「VX-Y+」、「VX+Y+」、「VX+Y-」、
「VX-Y-」に変換する。
b、c、dの出力電流を、それぞれ、「iX-Y+」、「i
X+Y+」、「iX+Y-」、「iX-Y-」とし、これらの電流
を、それぞれ電流電圧変換器10、20、30、40に
よって、電圧「VX-Y+」、「VX+Y+」、「VX+Y-」、
「VX-Y-」に変換する。
【0079】加算器50では、電流電圧変換器10の出
力「VX-Y+」と電流電圧変換器20の出力「VX+Y+」を
加え、これを「VY+」とする。
力「VX-Y+」と電流電圧変換器20の出力「VX+Y+」を
加え、これを「VY+」とする。
【0080】同様に、図1に示すように、加算器52、
54、56は、所定の加算を行い、それぞれ、電圧「V
X+」、「VX-」、「VY-」を出力する。
54、56は、所定の加算を行い、それぞれ、電圧「V
X+」、「VX-」、「VY-」を出力する。
【0081】引算器60は、加算器50の出力「VY+」
から、加算器56の出力「VY-」を引き、これを電圧
「VY」として出力する。
から、加算器56の出力「VY-」を引き、これを電圧
「VY」として出力する。
【0082】同様に、引算器64は、加算器52の出力
から、加算器54の出力電圧を引き、これを電圧「V
X」として出力する。
から、加算器54の出力電圧を引き、これを電圧「V
X」として出力する。
【0083】そして、引算器64から出力された電圧
「VX」が、摩擦力信号となる。一方、引算器60から
出力された電圧「VY」が、高さ信号となる。通常の原
子間力顕微鏡では、この高さ信号「VY」の値が、一定
になるように、スキャナの高さ方向の移動量を制御し、
この移動量に対する制御量の大きさを、試料の表面形状
の凹凸信号に変換し、例えば表示モニタに表示すること
により、試料の表面形状の観測が行える。
「VX」が、摩擦力信号となる。一方、引算器60から
出力された電圧「VY」が、高さ信号となる。通常の原
子間力顕微鏡では、この高さ信号「VY」の値が、一定
になるように、スキャナの高さ方向の移動量を制御し、
この移動量に対する制御量の大きさを、試料の表面形状
の凹凸信号に変換し、例えば表示モニタに表示すること
により、試料の表面形状の観測が行える。
【0084】以上は、通常の原子力間顕微鏡の動作の概
要である。
要である。
【0085】以下、続けて、本発明に関する動作につい
て説明する。
て説明する。
【0086】ADC(アナログ−デジタルコンバータ)
は、引算器60の信号である「VY」を、アナログ−デ
ジタル変換し、その結果を制御回路に入力する。引算器
64の出力「VX」も同様に、ADCによって、アナロ
グ−デジタル変換され、その結果が制御回路に入力され
る。また、各補正テーブルのデータも、デジタルデータ
として制御回路に入力される。
は、引算器60の信号である「VY」を、アナログ−デ
ジタル変換し、その結果を制御回路に入力する。引算器
64の出力「VX」も同様に、ADCによって、アナロ
グ−デジタル変換され、その結果が制御回路に入力され
る。また、各補正テーブルのデータも、デジタルデータ
として制御回路に入力される。
【0087】制御回路では、デジタルデータに変換され
た「VY」から、Vy補正テーブルに格納されていたデ
ータ「Vy ref」を引く処理を行う。「VX」について
も同様の処理を行う。
た「VY」から、Vy補正テーブルに格納されていたデ
ータ「Vy ref」を引く処理を行う。「VX」について
も同様の処理を行う。
【0088】すなわち、制御回路は、デジタルデータに
変換された「VX」から、Vx補正テーブルに格納され
ていたデータ「Vx ref」を引く処理を行う。
変換された「VX」から、Vx補正テーブルに格納され
ていたデータ「Vx ref」を引く処理を行う。
【0089】そして、それぞれの処理の結果を、高さ信
号および摩擦力信号とし、通常の原子間力顕微鏡におけ
る処理と同一の処理により、摩擦力や試料形状の計測を
行う。
号および摩擦力信号とし、通常の原子間力顕微鏡におけ
る処理と同一の処理により、摩擦力や試料形状の計測を
行う。
【0090】なお、時々刻々と変化する、探針の走査位
置は、前述のようにXY走査回路から出力される。した
がって、両補正テーブルは、XY走査回路から探針の走
査位置情報が入力されると、その走査位置情報に対応す
るデータVx ref、Vy refを出力するように構成して
おけば良い。このためには、RAM等の記憶素子のほか
に、CPU、ROM、各種CMOS等の電子デバイスを
有した構成にしておけばよい。
置は、前述のようにXY走査回路から出力される。した
がって、両補正テーブルは、XY走査回路から探針の走
査位置情報が入力されると、その走査位置情報に対応す
るデータVx ref、Vy refを出力するように構成して
おけば良い。このためには、RAM等の記憶素子のほか
に、CPU、ROM、各種CMOS等の電子デバイスを
有した構成にしておけばよい。
【0091】なお、本発明では、このように得られた、
「Vy−Vy ref」を、高さ信号、「Vx−Vx ref」
を、摩擦力信号として制御回路が取り込み、前述の通常
の原子間力顕微鏡における処理と同一の処理により、摩
擦力の測定や、試料形状の計測を行う。
「Vy−Vy ref」を、高さ信号、「Vx−Vx ref」
を、摩擦力信号として制御回路が取り込み、前述の通常
の原子間力顕微鏡における処理と同一の処理により、摩
擦力の測定や、試料形状の計測を行う。
【0092】さて、前記VxおよびVy補正テーブル
に、探針の走査位置に対応して格納されるデータVx r
ef、Vy refの説明、および、格納方法例の説明を以下
記載する。
に、探針の走査位置に対応して格納されるデータVx r
ef、Vy refの説明、および、格納方法例の説明を以下
記載する。
【0093】図5に示すように、試料台に試料を載置し
ない状態、あるいは、試料を探針から測定不可能な距離
だけ離した状態では、理想的には、探針の走査位置に関
係無く、出力Vz、Vは、一定値である(この値は、光
学系のアライメント調整が正確に行われている場合には
理想的には、「0」となる)。これは、カンチレバー撓
みや、ねじれが発生せず、そのため、ディテクタ上での
レーザ反射光の位置は変化しないからである。
ない状態、あるいは、試料を探針から測定不可能な距離
だけ離した状態では、理想的には、探針の走査位置に関
係無く、出力Vz、Vは、一定値である(この値は、光
学系のアライメント調整が正確に行われている場合には
理想的には、「0」となる)。これは、カンチレバー撓
みや、ねじれが発生せず、そのため、ディテクタ上での
レーザ反射光の位置は変化しないからである。
【0094】しかしながら、実際には、出力Vz、Vf
は、一定値にならず、理想出力に対して、誤差成分を有
した電圧が出力されてしまう。
は、一定値にならず、理想出力に対して、誤差成分を有
した電圧が出力されてしまう。
【0095】これは、走査系の構成要素の製造上での誤
差や、試料を与えない状態での走査でもカンチレバーが
撓んでしまうこと等による、走査系固有の問題に起因す
る。
差や、試料を与えない状態での走査でもカンチレバーが
撓んでしまうこと等による、走査系固有の問題に起因す
る。
【0096】また、レバーの移動に伴う反射位置の変化
による光軸の移動により、ディテクタ出力が変化してし
まうことにより発生する。
による光軸の移動により、ディテクタ出力が変化してし
まうことにより発生する。
【0097】したがって、実際の試料の測定では、前記
誤差成分が測定結果に影響を与え、測定精度を著しく低
下してしまう。
誤差成分が測定結果に影響を与え、測定精度を著しく低
下してしまう。
【0098】そこで、予め走査系の有する誤差を把握し
ておれば、測定値と誤差量との差分を求めることによ
り、走査系固有の誤差成分は、除去されることになり、
測定精度の低下は生じないことになる。
ておれば、測定値と誤差量との差分を求めることによ
り、走査系固有の誤差成分は、除去されることになり、
測定精度の低下は生じないことになる。
【0099】一例として、探針による走査により、高さ
方向の信号が、図5中のY軸方向の移動となり、摩擦力
による反射光の移動方向が、X軸方向の移動となる計測
系を想定する。
方向の信号が、図5中のY軸方向の移動となり、摩擦力
による反射光の移動方向が、X軸方向の移動となる計測
系を想定する。
【0100】このとき、図5(a)に示すように、Vy
補正テーブルには、試料を与えない状態での走査による
理想出力と、試料を与えない状態で、実際に走査したと
きに得られたVz信号の、実際の出力との、誤差量を、
走査位置に対応付けて格納しておけば良い。
補正テーブルには、試料を与えない状態での走査による
理想出力と、試料を与えない状態で、実際に走査したと
きに得られたVz信号の、実際の出力との、誤差量を、
走査位置に対応付けて格納しておけば良い。
【0101】同様に、図5(b)に示すように、Vx補
正テーブルには、試料を与えない状態での走査による理
想出力と、試料を与えない状態で、実際に走査したとき
に得られたVf信号の、実際の出力との、誤差量を、走
査位置に対応付けて格納しておけば良い。
正テーブルには、試料を与えない状態での走査による理
想出力と、試料を与えない状態で、実際に走査したとき
に得られたVf信号の、実際の出力との、誤差量を、走
査位置に対応付けて格納しておけば良い。
【0102】そして、前述したように、両補正テーブル
に格納されている誤差量のデータを用いた、引算器7
0、72の行う処理により、走査系の有する誤差成分
は、測定値には含まれないことになる。これにより測定
精度の向上が図れる。
に格納されている誤差量のデータを用いた、引算器7
0、72の行う処理により、走査系の有する誤差成分
は、測定値には含まれないことになる。これにより測定
精度の向上が図れる。
【0103】さて、両補正テーブルへの、誤差量データ
の格納方法について説明する。これは格納方法の一例に
すぎない。
の格納方法について説明する。これは格納方法の一例に
すぎない。
【0104】かかる処理は、試料の形状の測定前に行わ
れる処理である。例えば、入力装置を介して、かかる処
理を行う旨の指示を与え、該指示を受け付けた制御回路
が、誤差量データの格納処理を行うようにしておけば良
い。
れる処理である。例えば、入力装置を介して、かかる処
理を行う旨の指示を与え、該指示を受け付けた制御回路
が、誤差量データの格納処理を行うようにしておけば良
い。
【0105】もちろん、工場出荷時に、予め誤差量デー
タを計測し、両テーブルに格納しておくことも考えられ
る。この場合、誤差量データをROMに内蔵しておけば
良い。
タを計測し、両テーブルに格納しておくことも考えられ
る。この場合、誤差量データをROMに内蔵しておけば
良い。
【0106】さて、入力装置を介して、指示を受け付け
た制御回路は、以下の処理を行う。
た制御回路は、以下の処理を行う。
【0107】なお、この場合、試料台に試料を載置しな
い状態、あるいは、試料を探針から測定不可能な距離だ
け離した状態にしておき、カンチレバーには、摩擦力や
撓みによる力が加えられていないものとする。
い状態、あるいは、試料を探針から測定不可能な距離だ
け離した状態にしておき、カンチレバーには、摩擦力や
撓みによる力が加えられていないものとする。
【0108】まず、制御回路は、両テーブルの、誤差量
格納エリアに、すべて「0」を与えるリセット処理をす
る。
格納エリアに、すべて「0」を与えるリセット処理をす
る。
【0109】なお、走査系を駆動し、探針が走査領域の
中心位置にくるようにし、光学系のアライメント調整を
正確に行う。正確なアライメント調整が行われていると
きには、理想的には、出力Vz、Vfは「0」となる。
中心位置にくるようにし、光学系のアライメント調整を
正確に行う。正確なアライメント調整が行われていると
きには、理想的には、出力Vz、Vfは「0」となる。
【0110】次に、制御回路は、XY走査回路を駆動
し、カンチレバーに力を加えない状態でレバーをX、Y
方向に走査する。
し、カンチレバーに力を加えない状態でレバーをX、Y
方向に走査する。
【0111】制御回路は、走査により得られた、Vf、
Vzの値を、各々、Vx ref、Vyrefとし、同時に、
自身がXY走査回路に送った信号に基づいて求まる、走
査位置データと関連づけて、補正テーブルに格納する。
この際、Vy refのデータは、Vy補正テーブルに、ま
た、Vx refデータは、Vx補正テーブルに格納してお
く。
Vzの値を、各々、Vx ref、Vyrefとし、同時に、
自身がXY走査回路に送った信号に基づいて求まる、走
査位置データと関連づけて、補正テーブルに格納する。
この際、Vy refのデータは、Vy補正テーブルに、ま
た、Vx refデータは、Vx補正テーブルに格納してお
く。
【0112】例えば、走査によって得られたVzのデー
タが「−2」であれば、理想値「0」より「2」小さい
ため、誤差量が「−2」となり、これがVy refとな
る。したがって、試料の実際の測定の際には、実際に求
まったVyから、Vy refが、引算器70により引かれ
ることになる。すなわち、Vz=Vy−Vy ref=Vy
−(−2)=Vy+2となり、走査系の誤差成分が除去
されることになる。
タが「−2」であれば、理想値「0」より「2」小さい
ため、誤差量が「−2」となり、これがVy refとな
る。したがって、試料の実際の測定の際には、実際に求
まったVyから、Vy refが、引算器70により引かれ
ることになる。すなわち、Vz=Vy−Vy ref=Vy
−(−2)=Vy+2となり、走査系の誤差成分が除去
されることになる。
【0113】このように、制御回路は、走査領域におい
て、Vx ref、Vy refを検出し、該当するテーブルに
格納する処理を行う。
て、Vx ref、Vy refを検出し、該当するテーブルに
格納する処理を行う。
【0114】このような処理によって、誤差量データが
得られることになる。
得られることになる。
【0115】以上で、試料の形状測定前に行う処理は完
了する。
了する。
【0116】なお、得られた誤差量データを用いて行
う、試料の実際の計測は、前述した通りであるので再度
の説明は省略する。
う、試料の実際の計測は、前述した通りであるので再度
の説明は省略する。
【0117】次に、高さ信号のみに対する、誤差量を考
慮した実施例について、図2を参照して説明する。
慮した実施例について、図2を参照して説明する。
【0118】本実施例は、4分割ディテクタの替わり
に、2分割ディテクタを用いる。したがって、高さ信
号、あるいは、摩擦力信号の一方しか計測しないシステ
ムである。
に、2分割ディテクタを用いる。したがって、高さ信
号、あるいは、摩擦力信号の一方しか計測しないシステ
ムである。
【0119】システムの全体構成は、図6に示すシステ
ムと全く同様である。
ムと全く同様である。
【0120】制御回路から与えられる信号により、XY
走査回路は起動し、PZTドライバの駆動信号により、
スキャナが駆動され、試料台に載置された試料に対す
る、探針の走査が行われる。この走査にしたがって、カ
ンチレバーには高さ方向の動きが発生する。
走査回路は起動し、PZTドライバの駆動信号により、
スキャナが駆動され、試料台に載置された試料に対す
る、探針の走査が行われる。この走査にしたがって、カ
ンチレバーには高さ方向の動きが発生する。
【0121】一方、レーザ光の、カンチレバーからの反
射光は、2分割ディテクタにて受光される。
射光は、2分割ディテクタにて受光される。
【0122】反射光の照射による、2つの受光部e、f
の出力電流を、それぞれ、「iY+」、「iY-」とし、こ
れらの電流を、それぞれ電流電圧変換器80、82によ
って、電圧「VY+」、「VY-」に変換する。
の出力電流を、それぞれ、「iY+」、「iY-」とし、こ
れらの電流を、それぞれ電流電圧変換器80、82によ
って、電圧「VY+」、「VY-」に変換する。
【0123】引算器90では、電流電圧変換器80の出
力「VY+」から、電流電圧変換器82の出力「VY-」を
引き、これをVyとする。通常の原子間力顕微鏡では、
この高さ信号Vyの値が、一定になるように、スキャナ
の高さ方向の移動量を制御し、この移動量に対する制御
量の大きさを、試料の表面形状の凹凸信号に変換し、表
示モニタに表示することにより、試料の表面形状の観測
が行える。
力「VY+」から、電流電圧変換器82の出力「VY-」を
引き、これをVyとする。通常の原子間力顕微鏡では、
この高さ信号Vyの値が、一定になるように、スキャナ
の高さ方向の移動量を制御し、この移動量に対する制御
量の大きさを、試料の表面形状の凹凸信号に変換し、表
示モニタに表示することにより、試料の表面形状の観測
が行える。
【0124】引算器92は、引算器90の出力VYか
ら、Vy補正テーブルに格納されているデータVy ref
を引く処理を行う。なお、ここでのVy refは、探針
の、その時点での走査位置に対応ずけて、Vy補正テー
ブルに、試料の形状測定前に記憶されているデータであ
る。
ら、Vy補正テーブルに格納されているデータVy ref
を引く処理を行う。なお、ここでのVy refは、探針
の、その時点での走査位置に対応ずけて、Vy補正テー
ブルに、試料の形状測定前に記憶されているデータであ
る。
【0125】なお、時々刻々と変化する、探針の走査位
置は、XY走査回路から出力される。
置は、XY走査回路から出力される。
【0126】したがって、Vy補正テーブルは、XY走
査回路から探針の走査位置情報が入力されると、その走
査位置情報に対応するデータVy refを出力するように
構成しておけば良い。 このためには、RAM等の記憶
素子のほかに、CPU、ROM、各種CMOS等の電子
デバイスを有した構成にしておけばよい。
査回路から探針の走査位置情報が入力されると、その走
査位置情報に対応するデータVy refを出力するように
構成しておけば良い。 このためには、RAM等の記憶
素子のほかに、CPU、ROM、各種CMOS等の電子
デバイスを有した構成にしておけばよい。
【0127】なお、本実施例では、このように得られ
た、「Vy−Vy ref」を、高さ信号として、制御回路
が取り込み、前述の通常の原子間力顕微鏡における処理
と同一の処理により、試料形状の計測を行う。
た、「Vy−Vy ref」を、高さ信号として、制御回路
が取り込み、前述の通常の原子間力顕微鏡における処理
と同一の処理により、試料形状の計測を行う。
【0128】Vy補正テーブルの構成や、格納データの
性質、データ格納方法等は、図1におけるVy補正テー
ブルに関するものと全く同一であり、ここでの説明は重
複記載となるため省略する。
性質、データ格納方法等は、図1におけるVy補正テー
ブルに関するものと全く同一であり、ここでの説明は重
複記載となるため省略する。
【0129】以上のように、本発明によれば、2次元方
向の走査によって生じる、走査系の有する誤差信号と、
真の高さ方向移動成分および摩擦力成分とが正確に分離
できる。
向の走査によって生じる、走査系の有する誤差信号と、
真の高さ方向移動成分および摩擦力成分とが正確に分離
できる。
【0130】したがって、前記移動成分および摩擦力成
分のデータの精度の向上、すなわち、測定精度の向上を
図ることができ、かつ、走査速度の低下を招くことのな
い原子関力顕微鏡を実現することができる。
分のデータの精度の向上、すなわち、測定精度の向上を
図ることができ、かつ、走査速度の低下を招くことのな
い原子関力顕微鏡を実現することができる。
【0131】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、測定精
度の向上を図りつつ走査速度の低下を招くことのない原
子関力顕微鏡を実現することができる。
度の向上を図りつつ走査速度の低下を招くことのない原
子関力顕微鏡を実現することができる。
【図1】本発明の主要部の構成例を示す構成図である。
【図2】本発明の主要部の他の構成例を示す構成図であ
る。
る。
【図3】原子間力顕微鏡における動作原理の説明図であ
る。
る。
【図4】原子間力顕微鏡における動作原理の説明図であ
る。
る。
【図5】本発明の動作原理の説明図である。
【図6】本発明にかかるシステムの一例の構成図であ
る。
る。
【図7】スキャナの一例の構成図である。
10…電流電圧変換器、20…電流電圧変換器、30…
電流電圧変換器、40…電流電圧変換器、50…加算
器、52…加算器、54…加算器、56…加算器、60
…引算器、61a…電極、61b…電極、62a…電
極、62b…電極、63…共通電極、64…引算器、7
0…引算器、72…引算器、80…電流電圧変換器、8
2…電流電圧変換器、90…引算器、92…引算器、6
00…円筒型のチューブ
電流電圧変換器、40…電流電圧変換器、50…加算
器、52…加算器、54…加算器、56…加算器、60
…引算器、61a…電極、61b…電極、62a…電
極、62b…電極、63…共通電極、64…引算器、7
0…引算器、72…引算器、80…電流電圧変換器、8
2…電流電圧変換器、90…引算器、92…引算器、6
00…円筒型のチューブ
Claims (2)
- 【請求項1】与えられた試料の形状を計測する探針を備
えるカンチレバーと、試料を載置する試料台と、光源
と、該光源から放射した光を集光するレンズと、集光さ
れた光のカンチレバーによる反射光を受光する、4つの
分割受光部を備える受光器と、与えられた信号によっ
て、探針と試料台との3軸方向の相対的移動が可能な移
動手段と、前記4つの分割受光部からの出力信号を用
い、予め定められた第1の演算により、撓み量を演算す
る手段と、前記カンチレバーの撓み量を所定量に制御す
るための、前記移動手段に与える制御量を求め、該制御
量にもとづき、試料の形状を計測する第1の処理、およ
び、前記4つの分割受光部からの出力信号を用い、予め
定められた第2の演算により、カンチレバーがねじれる
ことにより発生する摩擦力を計測する第2の処理を行う
処理手段と、計測された形状、摩擦力の情報を少なくと
も出力する出力手段と、前記移動手段に所定の信号を与
え、前記探針と前記試料台とを相対的に移動させる移動
制御手段と、試料を与えない状態で前記探針と前記試料
台とを相対的に移動させたときに、前記第1の処理を行
う際に求まるべき制御量の理想値と実際に求まった制御
量との第1の誤差値、および、前記第2の処理を行う際
に計測されるべき摩擦力の理想値と実際に計測された摩
擦力との第2の誤差値とを、探針と試料台との相対移動
位置に対応ずけて格納する記憶手段と、該記憶手段の記
憶内容を検索して、前記移動手段に与えられる信号によ
り得られる前記相対移動位置に対応する前記第1および
第2の誤差値を求め、前記第1の処理を行う際に求めた
制御量から、第1の誤差値を減じ、さらに、前記第2の
処理を行う際に計測した摩擦力から、第2の誤差値を減
じ、制御量および摩擦力を求める演算手段とを有して構
成される原子間力顕微鏡。 - 【請求項2】与えられた試料の形状を計測する探針を備
えるカンチレバーと、試料を載置する試料台と、光源
と、該光源から放射した光を集光するレンズと、集光さ
れた光のカンチレバーによる反射光を受光する、2つの
分割受光部を備える受光器と、与えられた信号によっ
て、探針と試料台との3軸方向の相対的移動が可能な移
動手段と、前記2つの分割受光部からの出力信号を用
い、予め定められた演算により、撓み量を演算する手段
と、前記カンチレバーの撓み量を所定量に制御するため
の、前記移動手段に与える制御量を求め、該制御量にも
とづき、試料の形状を計測する形状計測処理を行う処理
手段と、計測された形状情報を少なくとも出力する出力
手段と、前記移動手段に所定の信号を与え、前記探針と
前記試料台とを相対的に移動させる移動制御手段と、試
料を与えない状態で前記探針と前記試料台とを相対的に
移動させたときに、前記形状計測処理を行う際に求まる
べき制御量の理想値と実際に求まった制御量との誤差値
を、探針と試料台との相対移動位置に対応ずけて格納す
る記憶手段と、該記憶手段の記憶内容を検索して、前記
移動手段に与えられる信号により得られる前記相対移動
位置に対応する前記誤差値を求め、前記形状計測処理を
行う際に求めた制御量から、前記誤差値を減じ制御量を
求める演算手段とを有して構成される原子間力顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6072010A JPH07280818A (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 原子間力顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6072010A JPH07280818A (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 原子間力顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07280818A true JPH07280818A (ja) | 1995-10-27 |
Family
ID=13477023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6072010A Withdrawn JPH07280818A (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 原子間力顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07280818A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007129587A1 (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-15 | Kyoto University | 分子配向装置及び分子配向方法 |
WO2010067570A1 (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-17 | 国立大学法人京都大学 | 走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法および走査型プローブ顕微鏡 |
JP2016070830A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | リコー光学株式会社 | 測定装置及び測定方法 |
-
1994
- 1994-04-11 JP JP6072010A patent/JPH07280818A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007129587A1 (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-15 | Kyoto University | 分子配向装置及び分子配向方法 |
WO2010067570A1 (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-17 | 国立大学法人京都大学 | 走査型プローブ顕微鏡の出力処理方法および走査型プローブ顕微鏡 |
EP2367016A1 (en) * | 2008-12-10 | 2011-09-21 | Kyoto University | Method for processing output of scanning type probe microscope, and scanning type probe microscope |
US8225418B2 (en) | 2008-12-10 | 2012-07-17 | Kyoto University | Method for processing output of scanning type probe microscope, and scanning type probe microscope |
EP2367016A4 (en) * | 2008-12-10 | 2014-03-05 | Univ Kyoto | METHOD FOR PROCESSING THE RESULTS OF A RASTER-TERM MICROSCOPE AND RASTER-TERM MICROSCOPE |
JP2016070830A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | リコー光学株式会社 | 測定装置及び測定方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010703 |