JPH10170525A - 走査型プローブ顕微鏡及び該走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡及び該走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法

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JPH10170525A
JPH10170525A JP32964596A JP32964596A JPH10170525A JP H10170525 A JPH10170525 A JP H10170525A JP 32964596 A JP32964596 A JP 32964596A JP 32964596 A JP32964596 A JP 32964596A JP H10170525 A JPH10170525 A JP H10170525A
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Masahiro Oba
雅宏 大場
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長時間の吸着力測定に於いても探針変位検出セ
ンサ及び機械的なドリフトによる影響を受けることな
く、常にセンサレベル中心位置付近での測定を行って、
長時間の安定した吸着力測定を行うこと。 【解決手段】走査型プローブ顕微鏡は、試料18表面を
走査しながらマイクロコンピュータ11が凹凸及びフォ
ースカーブを測定する。この測定によって得られたフォ
ースカーブのデータに基いて、試料18表面の吸着力、
引力をマイクロコンピュータ11及びホストコンピュー
タ12で算出し、それらの量の空間分布を画像化する。
探針19の位置は、探針微動アクチュエータ20で微動
制御される。マイクロコンピュータ11は、荷重値設定
用基準レベルをモニタし、探針微動アクチュエータ20
への印加電圧等を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は走査型プローブ顕
微鏡及び該走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方
法に関し、より詳細にはプローブの位置調整量を保存し
て画像表示する走査型プローブ顕微鏡及び該走査型プロ
ーブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は、サンプル表面
の凹凸形状をはじめ様々な特性を原子レベルの分解能で
調べることのできる装置であり、なかでも走査型トンネ
ル顕微鏡(STM)と原子間力顕微鏡(AFM)がよく
知られている。
【0003】走査型プローブ顕微鏡は、プローブ(探
針)を有しているもので、測定の際、探針をサンプル表
面の極近くに配置し、探針とサンプル表面の間の距離を
制御しながら、探針をサンプル表面に沿って走査するも
のである。
【0004】上記AFMに於いて試料表面の測定を行う
場合、探針の試料に対する荷重値を設定するために、フ
ォースカーブ測定は不可欠である。このため、AFMに
は、フォースカーブ測定機構が付加されているのが一般
的である。
【0005】本件出願人による特開平6−307850
号公報に、走査型プローブ顕微鏡による吸着力測定方法
が記載されている。この吸着力測定方法により、フォー
スカーブの空間的な広がりを持った複数回の測定を可能
にし、その測定よって得られた試料表面の情報を画像表
示することが可能な走査型プローブ顕微鏡が提供されて
いる。
【0006】上記吸着力測定に用いられるフォースカー
ブ測定とは、図4に示されるように、AFMに於いてX
YZ駆動圧電体1を移動させて、図5及び図6に示され
るようなデータ得る測定方法である。
【0007】図4は、フォースカーブ測定時の試料2及
びカンチレバー3の先端に位置する探針4のz方向変位
の経時変化を示したもので、図中t1〜t5は時間の経
過を表している。また、図5は図4に対応した試料2の
z方向の変位(図5の上図)と探針4のz方向の変位
(図5の下図)を示した図、図6は試料3表面のz方向
の変位に対するカンチレバー3の探針先端のz方向の変
位の依存性を表した図である。
【0008】時刻t1に於いて、試料2及びカンチレバ
ー3が原点(Z1,Lz1)にあるとする。先ず、時刻
t1から時刻t2までXYZ駆動圧電体1を伸ばし、試
料2と探針4との距離を接近させる。このとき、試料2
と探針4とが接近すると相互作用(例えば、原子間力)
が両者の間に働くため、探針が試料2の方向に引き寄せ
られ、カンチレバー3がz負方向に変位する。そして、
探針4と試料2とは吸着する(吸着力A)。その後、時
刻t3に至るまで、試料2の表面と共に探針4もz正方
向にLz3まで移動する。
【0009】次に、時刻t3から試料2表面の移動方向
をz負方向に変化すると、試料2と探針4の先端との間
に吸着力(吸着力B)が作用するため、カンチレバー3
の先端は試料2の表面と共に上記Lz1よりも下方まで
移動する(Lz4)。そして、時刻t4に於いて、カン
チレバー3の復元力が吸着力(吸着力B)よりも大きく
なると、試料2表面と探針4の先端が分離する。
【0010】この吸着力Bは、図6に示されるように、
吸着力Aよりも大きいと言われている。何故ならば、吸
着力Aは、例えば原子間力のような非常に小さい力であ
るのに対して、吸着力Bは、原子間力に加えて、試料2
の表面に存在する水分の膜等に起因する引力(吸着力)
を含んでいるためである。
【0011】このように、吸着力測定では各測定ポイン
ト毎のフォースカーブデータ(図5、図6)を基にして
吸着力A、及び吸着力Bを算出する。これらの吸着力
A、吸着力Bは、図6に示されるデータを基に、それぞ
れのカンチレバー変位量にカンチレバーのばね定数を乗
じることにより求められる。すなわち、 f=kΔz …(1) により、求められる。
【0012】吸着力Aは図6のLz1、Lz2よりΔz
を算出し、上記(1)式に代入することにより算出され
る。 Δz=Lz1−Lz2 吸着力A=(Lz1−Lz2)×探針のばね定数 …(2) また、吸着力Bは、図6のLz1、Lz4によりΔzを
算出し、上記(1)式に代入することにより算出され
る。
【0013】 Δz=Lz1−Lz4 吸着力B=(Lz1−Lz4)×探針のばね定数 …(3) ここで、吸着力AはXYZ駆動圧電体1の上下、すなわ
ちz方向の動作により、試料2が探針4に接近するとき
の吸着力の値を表し、吸着力Bは試料2が探針4より離
れる時の吸着力の値を表している。
【0014】この測定結果は、例えば図示されないホス
トコンピュータ上に、例えば図7のように表示される。
すなわち、ホストコンピュータ上には、画像化された吸
着力A5、吸着力B6、測定時の測定条件7、これらの
データを基にしたフオースカーブ8及びセンサ最大値設
定カーソル9が表示される。
【0015】ところで、上記吸着力測定に於いて、荷重
値一定モードという測定方法が提案されている。この荷
重値一定モード測定方法は、上記吸着力測定に於ける各
フォースカーブ測定に於いて、押込み量を一定にしなが
ら測定する測定モードである。そして、このような荷重
値一定モードに於ける探針変位検出は、光学変位センサ
(例えば光てこ方式)を用いた測定が一般的である。し
かし、この光学変位センサは、測定環境の影響を受けて
出力信号がドリフトするため、長時間測定すると、荷重
値を一定にする機構が正常に動作しなくなってしまう。
そこで、測定者がフォースカーブ画面に於いて設定した
センサ最大量から、基準レベルを差引いた量を有効荷重
値として保存しておく手法が提案されている(図6参
照)。
【0016】このような測定は、フォースカーブ測定時
の押し込み量を、基準レベルに有効荷重値を加えた量に
設定し、測定する。次に、このフォースカーブ測定デー
タから基準レベルを求め、次ステップのフォースカーブ
測定時の押し込み量を求めるのに使用する。1ステップ
終了後、次の測定点に探針を移動し、前ステップと同様
に、有効荷重値を用いて押し込み量を設定してフォース
カーブ測定を行う。
【0017】以上を試料の前測定点で行い、測定結果は
ホストコンピュータ上に表示される。この方法により、
フォースカーブの変位センサ出力信号のドリフトに基く
基準レベルの変動をモニタし、フォースカーブ測定に反
映させているので、センサ信号のドリフトの影響で押し
込み量が変わることがなく、常に設定通りの押し込み量
での吸着力測定が可能となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、探針設置時の
微少なずれや測定環境の変化による探針変位検出センサ
のドリフト等を簡単に補正できるように、探針位置の微
動制御を行う探針位置制御手段を有した走査型プローブ
顕微鏡の場合、測定環境の影響を受け、探針変位検出セ
ンサ及び探針位置制御手段に於いてドリフトが発生す
る。このため、長時間の測定の場合、図6にLz1で示
す荷重値設定用基準レベルがセンサレベル中心位置から
ずれてしまい、測定終了付近では、例えば、Lz3付近
になってしまい、探針変位検出センサレンジの端での測
定となり、有効荷重値の信頼性に欠けた、誤差の大きい
ものとなってしまうと考えられる。
【0019】特に、荷重値設定用基準レベルが探針変位
検出センサレンジを外れた場合、測定が不可能になって
しまうという課題を有している。この発明は上記課題に
鑑みてなされたものであり、測定環境の影響を受けにく
い走査型プローブ顕微鏡及び該走査型プローブ顕微鏡を
用いた吸着力測定方法を提供することを目的とする。
【0020】更に詳しくは、一例として、荷重値設定用
基準レベルに関する予測等により探針位置制御手段を制
御し、荷重値設定用基準レベルを常にセンサレベル中心
位置付近として測定することが可能となり、長時間の吸
着力測定に於いても探針変位検出センサ及び探針位置制
御手段のドリフトによる影響を受けることのない走査型
プローブ顕微鏡及び該走査型プローブ顕微鏡を用いた吸
着力測定方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、探
針と、この探針を支持する支持部材と、上記探針を3次
元方向に移動させる探針移動手段と、上記探針に対向し
て配置される試料を保持する試料載置台と、この試料載
置台を3次元方向に移動する試料移動手段と、上記探針
と上記試料との間に働く力の変化を光学的に検出する検
出手段と、この検出手段で検出される上記探針と上記試
料との間に働く力に基く変化とは異なる変化に対する制
御を行う制御手段とを有し、上記制御手段の制御に基き
上記検出手段を検出に適した状態に保つことを特徴とす
る。
【0022】またこの発明は、探針を試料表面に近接さ
せて走査することにより該試料表面の吸着力情報を測定
する走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法に於
いて、予め測定されたフォースカーブのデータから、上
記試料に上記探針を押し込む有効荷重値を含む押し込み
量を設定する第1のステップと、実際にフォースカーブ
測定を行う測定開始点からそのステップ分手前に上記探
針を移動する第2のステップと、この第2のステップに
より移動された位置から測定の開始位置まで上記探針を
移動させてフォースカーブの空測定を行う第3のステッ
プと、上記測定開始点へ上記探針を移動して吸着力測定
を開始する第4のステップと、前測定点からの上記探針
の移動中若しくは1ステップのフォースカーブ測定の最
初に、現ステップでの印可電圧を予測する第5のステッ
プと、上記予測印可電圧に従って上記探針が制御されて
フォースカーブ測定を行う第6のステップと、上記デー
タを用いて上記センサの感度との対応から補正を施す第
7のステップとを具備し、上記第3のステップのフォー
スカーブの空測定は、初回の押し込み量は初回設定通り
で、2回目以降は上記有効荷重値より算出されることを
特徴とする。
【0023】前測定点からの探針の移動中、または1ス
テップのフォースカーブ測定の最初に、荷重値設定用基
準レベルがセンサレベル中心位置と等しくなるように探
針位置制御手段を制御した後、フォースカーブ測定を行
う。測定終了後は実際の荷重値測定用基準レベルデー
タ、制御データ等は次ステップのフォースカーブ測定へ
反映させる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態
を示すもので、走査型プローブ顕微鏡としてのAFMの
構成図である。
【0025】図1に於いて、測定手段としてのマイクロ
コンピュータ11は、本装置の各機能を制御しながら測
定を行い、測定したデータをホストコンピュータ12に
転送する。表示手段としてのホストコンピュータ12は
測定データを記憶表示するためのものである。
【0026】上記マイクロコンピュータ11からは、D
/Aコンバータ13及びD/Aコンバータ14を介し
て、XYZ駆動圧電体15を2次元駆動するためのX走
査信号及びY走査信号が出力される。また、マイクロコ
ンピュータ11から、D/Aコンバータ16、信号切換
回路17を介してXYZ駆動圧電体15をZ方向に動か
すためのZ駆動信号が出力される。
【0027】XYZ駆動圧電体15上には試料18が載
置されるようになっている。この試料18上には、カン
チレバー先端に形成された探針19が配されている。そ
して、この探針19の動きは、探針変位検出回路21よ
り検出され、探針変位検出回路21が探針19の変位を
検出すると、探針変位信号が出力される。
【0028】信号切換回路22には、上記探針変位信号
が直接、及びZサーボ制御回路23を介してZサーボ信
号が入力される。そして、この信号切換回路22の出力
は、A/Dコンバータ24を介してマイクロコンピュー
タ11に供給される。尚、上記Zサーボ制御回路23の
出力は、信号切換回路17にも供給される。
【0029】また、上記探針微動アクチュエータ20
は、D/Aコンバータ25を介してマイクロコンピュー
タ11により制御される。上記探針微動アクチュエータ
20は、試料表面形状等の測定時の探針位置を微動制御
するためのものである。すなわち、試料18と探針19
との間に相互作用(例えば、原子間力)が働いた場合、
カンチレバーが変位し、探針変位検出回路21へ変位信
号が出力される。この探針変位信号を元に、マイクロコ
ンピュータ11またはホストコンピュータ12にて探針
微動アクチュエータ20の印加電圧が算出され、マイク
ロコンピュータ11から出力される。この出力がD/A
コンバータ25でD/A変換され、探針微動アクチュエ
ータ20へ電圧が印加されるようになっている。
【0030】次に、このように構成された走査型プロー
ブ顕微鏡を用いた測定方法を、図2のフローチャートを
参照して説明する。初めに、図示されないセンサ、例え
ば2分割フォトディテクタの中心位置にレーザ光が照射
されるように設定される。
【0031】そして、第1回目のフォースカーブ測定が
行われて(ステップS1)、荷重値設定用基準レベルの
算出、センサ最大値の設定、有効荷重値の算出が行われ
て(ステップS2)、試料18に探針19が押し込まれ
る押し込み量が設定される。ここで算出されて設定され
る数値が、今後の吸着力測定の全ての基準となる。
【0032】次に、初回の探針微動アクチュエータ20
への印加電圧予測に用いられるデータを収集するため
に、数ステップのフォースカーブ空測定が行われるの
で、実際にフォースカーブ測定が行われる測定開始点か
ら、そのステップ分手前に探針19が移動される(ステ
ップS3)。この位置から、探針微動アクチュエータ2
0への印加電圧を記憶しながら、測定の開始位置までフ
ォースカーブ空測定が行われる。したがって、探針19
は、空測定終了時に測定開始位置へ移動されている。
【0033】こうして、数ステップのフォースカーブ空
測定が行われて、探針微動アクチュエータ20への印可
電圧データが収集される。このときの初回のフォースカ
ーブ空測定の押し込み量は設定通りであるが、2回目以
降は有効荷重値より算出される(ステップS4〜S
7)。
【0034】続いて、設定開始点へ探針19が移動され
て、吸着力測定が開始される(ステップS8)。前測定
点からの探針の移動中、または1ステップのフォースカ
ーブ測定の最初に、前ステップまでの最新の数ステップ
の探針微動アクチュエータ20への印可電圧データか
ら、現ステップでの探針微動アクチュエータ20への印
可電圧が予測される(ステップS9)。そして、この予
測印可電圧が探針微動アクチュエータ20に印加されて
(ステップS10)、探針が制御された後、フォースカ
ーブ測定が行われる(ステップS11)。このフォース
カーブについては、一例を後述する。
【0035】フォースカーブ測定時の押し込み量は、有
効荷重値より算出される。現ステップでの実際の荷重値
設定用基準レベルはモニタされ(ステップS12)、実
際の荷重値設定用基準レベルとセンサレベル中心位置と
の差が、次ステップのためのデータへ反映される(ステ
ップS13)。
【0036】こうして、全測定点での測定が終了するま
で(ステップS14)、測定点が移動される(ステップ
S15)。そして、上述したステップS9〜S15が繰
り返される。
【0037】実際の荷重値設定用基準レベルとセンサレ
ベル中心位置との差が保存されて、上記ステップS14
にて全測定点での測定が終了したならば、測定終了後、
上記データを用いてセンサ感度との対応から補正が施さ
れる(ステップS16)。これにより、正確なデータが
求められてホストコンピュータ12上に表示される。
【0038】次に、このような予測測定方法について、
例として図3を用いて説明する。この図3に示される例
では、前3ステップの探針微動アクチュエータ20の印
可電圧データの直線近似により予測している。
【0039】先ず、図3(a)に示されるように、前3
ステップのデータをp1〜p3とすると、直線近似によ
り、現ステップでのデータはp4と予測することができ
る。また、図3(b)に示されるように、p4を用いて
フォースカーブ測定が行われ、モニタしている実際の荷
重値設定用基準レベルとセンタレベル中心位置との差か
ら、p4データの補正が行われる。このp4データの補
正値は保存しておき、全測定点での測定終了後、像への
補正をかける際に使用される。
【0040】更に、図3(c)に示されるように、次ス
テップに移り、p1を除いたp2〜p4データを用い
て、p5が予測される。以下、図3(a)〜(c)に、
上述した補正動作が繰り返される。
【0041】探針微動アクチュエータ20への印可電圧
の予測は、直線近似のみでなく、前回までの数ステップ
のデータの最小二乗近似、スプライン近似等の各種方法
を用いてもよい。この際、より正確に予測するために
は、可能な限り多くのデータを用いて予測を行った方が
良い。予測は、マイクロコンピュータ11、ホストコン
ピュータ12の何れを用いて行っても良い。
【0042】また、探針微動アクチュエータ20への印
可電圧を予測する代わりに、荷重値設定用基準レベルを
予測することにより、センサレベル中心位置と予測基準
レベルとの差と、以下のような比較を用いて探針微動ア
クチュエータへの印可電圧を算出することも可能であ
る。
【0043】センサレベル中心位置>基準レベル→アク
チュエータを縮める電圧 センサレベル中心位置<基準レベル→アクチュエータを
伸ばす電圧 荷重値設定用基準レベルを予測した場合、この予測基準
レベルをフォースカーブ測定時の押し込み量の算出に用
い、測定終了後補正を加えるという方法を併用しても良
い。
【0044】尚、上述した実施の形態に対して、前ステ
ップまでの最新の数ステップの探針微動アクチュエータ
20への印可電圧データから、現ステップでの探針微動
アクチュエータ20への印加電圧を予測するまでは同様
とする。その後、フォースカーブ測定時のXYZ駆動圧
電体15の待避量を増やし、1ステップの最初に、予測
された探針微動アクチュエータ20への印可電圧を用い
てフォースカーブ測定を開始し、実際の荷重値設定用基
準レベルとセンサレベル中心位置との差を検出する。ま
た、XYZ駆動圧電体15が伸びている途中に、探針微
動アクチュエータ20への真の印可電圧を求め、補正分
を探針微動アクチュエータ20へ印可し、荷重値設定用
基準レベルとセンサレベル中心位置とが等しくなるよう
にして、フォースカーブ測定を行う方法もある。次ステ
ップの探針微動アクチュエータへの印加電圧予測は、真
のデータを用いて行う。この場合、全測定点でのフォー
スカーブ測定終了後、補正処理を行う必要がない。
【0045】更に、全く予測は行わず、フォースカーブ
測定時のXYZ駆動圧電体15の待避量を増やし、1ス
テップの最初にセンサレベル中心位置と荷重値設定用基
準レベルが等しくなるような探針微動アクチュエータ2
0への印可電圧を求め、XYZ駆動圧電体15が伸びて
いる途中に探針微動アクチュエータ20へその印加電圧
を出力し、探針位置を制御した後、測定を行う方法もあ
る。
【0046】以上述べた吸着力測定方法によれば、測定
環境の影響を受けにくい走査型プローブ顕微鏡及び該走
査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法を提供する
ことができる。詳しくは、荷重値設定用基準レベルを常
にセンサレベル中心位置付近として測定することが可能
となり、長時間の吸着力測定に於いても、ドリフトによ
る探針変位検出センサ及び探針位置制御手段の変化の影
響を受けることのない走査型プローブ顕微鏡を、測定時
間を大きく変化させることなく、また機械的にほとんど
修正を加えることなく提供することができる。
【0047】尚、この発明の上記実施態様によれば、以
下の如き構成を得ることができる。 (1) 探針と、この探針を支持する支持部材と、上記
探針を3次元方向に移動させる探針移動手段と、上記探
針に対向して配置される試料を保持する試料載置台と、
この試料載置台を3次元方向に移動する試料移動手段
と、上記探針と上記試料との間に働く力の変化を光学的
に検出する検出手段と、この検出手段で検出される上記
探針と上記試料との間に働く力に基く変化とは異なる変
化に対する制御を行う制御手段とを有し、上記制御手段
の制御に基き上記検出手段を検出に適した状態に保つこ
とを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
【0048】(2) 探針を試料表面に近接させて走査
することにより該試料表面の吸着力情報を測定する走査
型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法に於いて、予
め測定されたフォースカーブのデータから、上記試料に
上記探針を押し込む有効荷重値を含む押し込み量を設定
する第1のステップと、実際にフォースカーブ測定を行
う測定開始点からそのステップ分手前に上記探針を移動
する第2のステップと、この第2のステップにより移動
された位置から測定の開始位置まで上記探針を移動させ
てフォースカーブの空測定を行う第3のステップと、上
記測定開始点へ上記探針を移動して吸着力測定を開始す
る第4のステップと、前測定点からの上記探針の移動中
若しくは1ステップのフォースカーブ測定の最初に、現
ステップでの印可電圧を予測する第5のステップと、上
記予測印可電圧に従って上記探針が制御されてフォース
カーブ測定を行う第6のステップと、上記データを用い
て上記センサの感度との対応から補正を施す第7のステ
ップとを具備し、上記第3のステップのフォースカーブ
の空測定は、初回の押し込み量は初回設定通りで、2回
目以降は上記有効荷重値より算出されることを特徴とす
る走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法。
【0049】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、測定環
境の影響を受けにくい走査型プローブ顕微鏡及び該走査
型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示すもので、走査型プ
ローブ顕微鏡としてのAFMの構成図である。
【図2】図1の走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測
定方法の処理動作を説明するフローチャートである。
【図3】印可電圧を予測する際の概念図で、(a)は1
ステップ目の予測を示す図、(b)は1ステップ目のフ
ォースカーブ測定終了後センサレベル中心位置と荷重値
設定用基準レベルの差から予測値に補正をかけることを
示す図、(c)は2ステップ目の予測を示す図である。
【図4】フォースカーブ測定時の試料とカンチレバーの
状態の経時変化を示した図である。
【図5】図4に対応した試料のz方向の変位とカンチレ
バーの探針先端のz方向の変位を示した図である。
【図6】試料表面のz方向の変位に対するカンチレバー
の探針先端のz方向の変位の依存性を表した図である。
【図7】従来の吸着力測定に於ける解析結果のホストコ
ンピュータ上での表示例を示す図である。
【符号の説明】
11 マイクロコンピュータ、 12 ホストコンピュータ、 13、14、16、25 D/Aコンバータ、 15 XYZ駆動圧電体、 17、22 信号切換回路、 18 試料、 19 探針、 20 探針微動アクチュエータ、 21 探針変位検出回路、 23 サーボ制御回路、 24 A/Dコンバータ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針と、 この探針を支持する支持部材と、 上記探針を3次元方向に移動させる探針移動手段と、 上記探針に対向して配置される試料を保持する試料載置
    台と、 この試料載置台を3次元方向に移動する試料移動手段
    と、 上記探針と上記試料との間に働く力の変化を光学的に検
    出する検出手段と、 この検出手段で検出される上記探針と上記試料との間に
    働く力に基く変化とは異なる変化に対する制御を行う制
    御手段とを有し、 上記制御手段の制御に基き上記検出手段を検出に適した
    状態に保つことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 探針を試料表面に近接させて走査するこ
    とにより該試料表面の吸着力情報を測定する走査型プロ
    ーブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法に於いて、 予め測定されたフォースカーブのデータから、上記試料
    に上記探針を押し込む有効荷重値を含む押し込み量を設
    定する第1のステップと、 実際にフォースカーブ測定を行う測定開始点からそのス
    テップ分手前に上記探針を移動する第2のステップと、 この第2のステップにより移動された位置から測定の開
    始位置まで上記探針を移動させてフォースカーブの空測
    定を行う第3のステップと、 上記測定開始点へ上記探針を移動して吸着力測定を開始
    する第4のステップと、 前測定点からの上記探針の移動中若しくは1ステップの
    フォースカーブ測定の最初に、現ステップでの印可電圧
    を予測する第5のステップと、 上記予測印可電圧に従って上記探針が制御されてフォー
    スカーブ測定を行う第6のステップと、 上記データを用いて上記センサの感度との対応から補正
    を施す第7のステップとを具備し、 上記第3のステップのフォースカーブの空測定は、初回
    の押し込み量は初回設定通りで、2回目以降は上記有効
    荷重値より算出されることを特徴とする走査型プローブ
    顕微鏡を用いた吸着力測定方法。
JP32964596A 1996-12-10 1996-12-10 走査型プローブ顕微鏡及び該走査型プローブ顕微鏡を用いた吸着力測定方法 Withdrawn JPH10170525A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7044007B2 (en) * 2001-12-06 2006-05-16 Veeco Instruments Inc. Force scanning probe microscope
WO2009136490A1 (ja) * 2008-05-09 2009-11-12 国立大学法人京都大学 表面物性計測方法、および表面物性計測装置

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